JPH11263969A - 撥水撥油剤組成物及びその製法 - Google Patents
撥水撥油剤組成物及びその製法Info
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- JPH11263969A JPH11263969A JP6996098A JP6996098A JPH11263969A JP H11263969 A JPH11263969 A JP H11263969A JP 6996098 A JP6996098 A JP 6996098A JP 6996098 A JP6996098 A JP 6996098A JP H11263969 A JPH11263969 A JP H11263969A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】保存安定性および撥水撥油性能に優れ、オゾン
層の破壊を引き起こすことがなく、地球温暖化も起こす
ことのない撥水撥油剤組成物及びその製法を提供する。 【解決手段】沸点が0〜150℃の臭素系溶媒からなる
撥水撥油ポリマー用臭素系溶剤;及び臭素系溶媒を5重
量%以上含有する沸点が0〜150℃の溶媒中に、少な
くともポリフルオロアルキル含有モノマーを含む重合可
能なモノマー成分を溶液重合して得られるポリマーを含
む撥水撥油剤組成物。
層の破壊を引き起こすことがなく、地球温暖化も起こす
ことのない撥水撥油剤組成物及びその製法を提供する。 【解決手段】沸点が0〜150℃の臭素系溶媒からなる
撥水撥油ポリマー用臭素系溶剤;及び臭素系溶媒を5重
量%以上含有する沸点が0〜150℃の溶媒中に、少な
くともポリフルオロアルキル含有モノマーを含む重合可
能なモノマー成分を溶液重合して得られるポリマーを含
む撥水撥油剤組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素系撥水撥油
剤組成物、より詳しくは特定のフッ素系溶媒中でポリフ
ルオロアルキル含有モノマーを重合または共重合させる
ことにより得ることができる溶液重合型撥水撥油剤組成
物およびその製法に関する。
剤組成物、より詳しくは特定のフッ素系溶媒中でポリフ
ルオロアルキル含有モノマーを重合または共重合させる
ことにより得ることができる溶液重合型撥水撥油剤組成
物およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、衣類のドライクリーニングや防水
スプレーに用いる撥水撥油剤組成物として、撥水撥油効
果や使いやすさの点などからトリクロロトリフルオロエ
タン(CFC113)および/または1,1,1−トリ
クロロエタンを重合溶媒として用いた溶液重合型撥水撥
油剤組成物が使用されてきた(特公平4−64635号
公報、同4−65113号公報など)。
スプレーに用いる撥水撥油剤組成物として、撥水撥油効
果や使いやすさの点などからトリクロロトリフルオロエ
タン(CFC113)および/または1,1,1−トリ
クロロエタンを重合溶媒として用いた溶液重合型撥水撥
油剤組成物が使用されてきた(特公平4−64635号
公報、同4−65113号公報など)。
【0003】しかしながら、トリクロロトリフルオロエ
タンや1,1,1−トリクロロエタンのような溶媒は、
オゾン層保護の目的から世界的規模で製造禁止となっ
た。
タンや1,1,1−トリクロロエタンのような溶媒は、
オゾン層保護の目的から世界的規模で製造禁止となっ
た。
【0004】この代替冷媒として、炭化水素、パークロ
ルエチレン、エステル、ケトンなどが検討されており
(特開平5−78425号公報)、これらの溶媒中でパ
ーフルオロアルキル含有モノマーとフッ素を含まないモ
ノマーの使用比を大きくすると撥水撥油性能は向上する
が、沈降物を生じたり、保存安定性が悪化する傾向があ
り、フッ素を含まないモノマーの使用比を大きくする
と、安定性はよくなるが撥水撥油性能が劣化する傾向が
あるので、実用的な組成物を得ることは困難である。
ルエチレン、エステル、ケトンなどが検討されており
(特開平5−78425号公報)、これらの溶媒中でパ
ーフルオロアルキル含有モノマーとフッ素を含まないモ
ノマーの使用比を大きくすると撥水撥油性能は向上する
が、沈降物を生じたり、保存安定性が悪化する傾向があ
り、フッ素を含まないモノマーの使用比を大きくする
と、安定性はよくなるが撥水撥油性能が劣化する傾向が
あるので、実用的な組成物を得ることは困難である。
【0005】またさらに、代替溶媒としてハイドロクロ
ロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボンなどが
検討されている(特開平7−118596号公報)。し
かし、これらの溶媒はいずれも地球温暖化係数(GW
P、100年積分値)が100以上あり、排出量の規制
が決定されており、実用的な使用は困難な状況にある。
ロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボンなどが
検討されている(特開平7−118596号公報)。し
かし、これらの溶媒はいずれも地球温暖化係数(GW
P、100年積分値)が100以上あり、排出量の規制
が決定されており、実用的な使用は困難な状況にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
に鑑みなされたものであり、その目的は、保存安定性お
よび撥水撥油性能に優れ、オゾン層の破壊並びに地球温
暖化を飛躍的に低減またはほぼ完全に回避した撥水撥油
剤組成物及びその製法を提供することにある。
に鑑みなされたものであり、その目的は、保存安定性お
よび撥水撥油性能に優れ、オゾン層の破壊並びに地球温
暖化を飛躍的に低減またはほぼ完全に回避した撥水撥油
剤組成物及びその製法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、オゾン破
壊係数(ODP)が0.03以下、かつ地球温暖化係数
(GWP;100年積分値)が10以下、かつ不燃性、
かつ好ましくはKB値が60以上の臭素系溶媒より選ば
れた少なくとも1種の化合物を5重量%以上含有する溶
媒中に、少なくともポリフルオロアルキル含有モノマー
を含む重合可能なモノマー成分を溶液重合して得ること
ができるポリマーを溶解させることにより達成される。
壊係数(ODP)が0.03以下、かつ地球温暖化係数
(GWP;100年積分値)が10以下、かつ不燃性、
かつ好ましくはKB値が60以上の臭素系溶媒より選ば
れた少なくとも1種の化合物を5重量%以上含有する溶
媒中に、少なくともポリフルオロアルキル含有モノマー
を含む重合可能なモノマー成分を溶液重合して得ること
ができるポリマーを溶解させることにより達成される。
【0008】項1. 沸点が0〜150℃の臭素系溶媒
からなる撥水撥油ポリマー用臭素系溶剤。
からなる撥水撥油ポリマー用臭素系溶剤。
【0009】項2. 臭素系溶媒を5重量%以上含有す
る沸点が0〜150℃の溶媒中に、少なくともポリフル
オロアルキル含有モノマーを含む重合可能なモノマー成
分を溶液重合して得られるポリマーを含む撥水撥油剤組
成物。
る沸点が0〜150℃の溶媒中に、少なくともポリフル
オロアルキル含有モノマーを含む重合可能なモノマー成
分を溶液重合して得られるポリマーを含む撥水撥油剤組
成物。
【0010】項3. 臭素系溶媒が、オゾン破壊係数
(ODP)0.03以下、地球温暖化係数(GWP;1
00年積分値)10以下、KB値60以上の不燃性溶媒
である項2記載の撥水撥油剤組成物。
(ODP)0.03以下、地球温暖化係数(GWP;1
00年積分値)10以下、KB値60以上の不燃性溶媒
である項2記載の撥水撥油剤組成物。
【0011】項4. ポリマー成分がポリフルオロアル
キル含有モノマーとポリフルオロアルキル不含モノマー
が20/80〜100/0の重合比であり、ポリマー成
分がポリマー成分と溶媒との合計重量を基準にして0.
5〜50重量%用いられる項2または3に記載の撥水撥
油剤組成物。
キル含有モノマーとポリフルオロアルキル不含モノマー
が20/80〜100/0の重合比であり、ポリマー成
分がポリマー成分と溶媒との合計重量を基準にして0.
5〜50重量%用いられる項2または3に記載の撥水撥
油剤組成物。
【0012】項5. 溶媒が1−ブロモプロパンを少な
くとも5重量%含む項2〜4のいずれかに記載の撥水撥
油剤組成物。
くとも5重量%含む項2〜4のいずれかに記載の撥水撥
油剤組成物。
【0013】項6. 臭素系溶媒を5重量%以上含有す
る沸点が0〜150℃の重合溶媒中で、少なくともポリ
フルオロアルキル含有モノマーを含む重合可能なモノマ
ー成分を溶液重合してなる撥水撥油剤組成物。
る沸点が0〜150℃の重合溶媒中で、少なくともポリ
フルオロアルキル含有モノマーを含む重合可能なモノマ
ー成分を溶液重合してなる撥水撥油剤組成物。
【0014】項7. 臭素系溶媒が、オゾン破壊係数
(ODP)0.03以下、地球温暖化係数(GWP;1
00年積分値)10以下、KB値60以上の不燃性溶媒
である項6記載の撥水撥油剤組成物。
(ODP)0.03以下、地球温暖化係数(GWP;1
00年積分値)10以下、KB値60以上の不燃性溶媒
である項6記載の撥水撥油剤組成物。
【0015】項8. モノマー成分がポリフルオロアル
キル含有モノマーとポリフルオロアルキル不含モノマー
との20/80〜100/0の重合比であり、モノマー
成分がモノマー成分と重合溶媒との合計重量を基準にし
て0.5〜50重量%用いられる項6または7に記載の
撥水撥油剤組成物。
キル含有モノマーとポリフルオロアルキル不含モノマー
との20/80〜100/0の重合比であり、モノマー
成分がモノマー成分と重合溶媒との合計重量を基準にし
て0.5〜50重量%用いられる項6または7に記載の
撥水撥油剤組成物。
【0016】項9. 重合溶媒が1−ブロモプロパンを
少なくとも5重量%含む項6〜8のいずれかに記載の撥
水撥油剤組成物。
少なくとも5重量%含む項6〜8のいずれかに記載の撥
水撥油剤組成物。
【0017】項10. 臭素系溶媒を5重量%以上含有
する沸点が0〜150℃の重合溶媒中で、少なくともポ
リフルオロアルキル含有モノマーを含む重合可能なモノ
マー成分を溶液重合する撥水撥油剤組成物の製法。
する沸点が0〜150℃の重合溶媒中で、少なくともポ
リフルオロアルキル含有モノマーを含む重合可能なモノ
マー成分を溶液重合する撥水撥油剤組成物の製法。
【0018】項11. 臭素系溶媒が、オゾン破壊係数
(ODP)0.03以下、地球温暖化係数(GWP;1
00年積分値)10以下、KB値60以上の不燃性溶媒
である項10記載の撥水撥油剤組成物の製法。
(ODP)0.03以下、地球温暖化係数(GWP;1
00年積分値)10以下、KB値60以上の不燃性溶媒
である項10記載の撥水撥油剤組成物の製法。
【0019】項12. モノマー成分がポリフルオロア
ルキル含有モノマーとポリフルオロアルキル不含モノマ
ーとの20/80〜100/0の重合比であり、モノマ
ー成分がモノマー成分と重合溶媒との合計重量を基準に
して0.5〜50重量%用いられる項10または11に
記載の撥水撥油剤組成物の製法。
ルキル含有モノマーとポリフルオロアルキル不含モノマ
ーとの20/80〜100/0の重合比であり、モノマ
ー成分がモノマー成分と重合溶媒との合計重量を基準に
して0.5〜50重量%用いられる項10または11に
記載の撥水撥油剤組成物の製法。
【0020】項13. 重合溶媒が1−ブロモプロパン
を少なくとも5重量%含む項10〜12のいずれかに記
載の撥水撥油剤組成物の製法。
を少なくとも5重量%含む項10〜12のいずれかに記
載の撥水撥油剤組成物の製法。
【0021】項14. 容器内部の液体を外部に噴射す
る機構を有する容器に、請求項2〜9のいずれかに記載
の撥水撥油剤組成物を充填してなる撥水撥油剤物品。
る機構を有する容器に、請求項2〜9のいずれかに記載
の撥水撥油剤組成物を充填してなる撥水撥油剤物品。
【0022】項15. 前記容器が、噴射剤を充填した
エアゾール容器である項14に記載の撥水撥油剤物品。
エアゾール容器である項14に記載の撥水撥油剤物品。
【0023】項16. 被処理物を項2〜9のいずれか
に記載の撥水撥油剤組成物で処理してなる撥水撥油性物
品。
に記載の撥水撥油剤組成物で処理してなる撥水撥油性物
品。
【0024】項17. 被処理物を項2〜9のいずれか
に記載の撥水撥油剤組成物に浸漬し、乾燥することを特
徴とする物品の撥水撥油処理方法。
に記載の撥水撥油剤組成物に浸漬し、乾燥することを特
徴とする物品の撥水撥油処理方法。
【0025】前記項2の組成物は、臭素系溶媒中に前記
ポリマーを溶解しても製造することができ、臭素系溶媒
中で前記モノマーを重合しても製造することができる。
ポリマーを溶解しても製造することができ、臭素系溶媒
中で前記モノマーを重合しても製造することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の特徴の1つは、特定の臭
素系溶媒を用いることである。
素系溶媒を用いることである。
【0027】本発明で用いる溶媒は、単一成分からなる
ものでもよく、2種以上の溶媒の混合物でもよい。該溶
媒の全成分は、沸点が0〜150℃、特に20〜100
℃、さらには40〜80℃であるのが好ましい。沸点が
0℃より低いと製品取扱が困難となる傾向があり、15
0℃より高いと被処理物の乾きが遅く、使いやすさの点
で支障をきたす傾向がある。
ものでもよく、2種以上の溶媒の混合物でもよい。該溶
媒の全成分は、沸点が0〜150℃、特に20〜100
℃、さらには40〜80℃であるのが好ましい。沸点が
0℃より低いと製品取扱が困難となる傾向があり、15
0℃より高いと被処理物の乾きが遅く、使いやすさの点
で支障をきたす傾向がある。
【0028】本発明で用いる沸点が0℃以上、150℃
以下であって、オゾン破壊係数(ODP)0.03以
下、かつ地球温暖化係数(GWP;100年積分値)1
0以下、かつKB値60以上、かつ不燃性の臭素系溶媒
としては、1−ブロモプロパン(沸点:71℃)、2−
ブロモプロパン(沸点:59−60℃)、1,2−ジブ
ロモプロパン(沸点:140−142℃)、1−ブロモ
−2−フルオロエタン(沸点:71−72℃)、1−ブ
ロモ−3−フルオロプロパン(沸点:99−101
℃)、1,2−ジブロモフルオロエタン(沸点:12
2.5℃)、1,2−ジブロモ−1,1−ジフルオロエ
タン(沸点:92−93℃)、ジブロモメタン(沸点:
97℃)などがある。これらのうち、安全性、工業的入
手性、その他の物性の点から1−ブロモプロパン(沸
点:71℃、オゾン破壊係数(ODP):0.021、
地球温暖化係数(GWP;100年積分値):約0.
3、KB値:125、不燃性)が好ましい。
以下であって、オゾン破壊係数(ODP)0.03以
下、かつ地球温暖化係数(GWP;100年積分値)1
0以下、かつKB値60以上、かつ不燃性の臭素系溶媒
としては、1−ブロモプロパン(沸点:71℃)、2−
ブロモプロパン(沸点:59−60℃)、1,2−ジブ
ロモプロパン(沸点:140−142℃)、1−ブロモ
−2−フルオロエタン(沸点:71−72℃)、1−ブ
ロモ−3−フルオロプロパン(沸点:99−101
℃)、1,2−ジブロモフルオロエタン(沸点:12
2.5℃)、1,2−ジブロモ−1,1−ジフルオロエ
タン(沸点:92−93℃)、ジブロモメタン(沸点:
97℃)などがある。これらのうち、安全性、工業的入
手性、その他の物性の点から1−ブロモプロパン(沸
点:71℃、オゾン破壊係数(ODP):0.021、
地球温暖化係数(GWP;100年積分値):約0.
3、KB値:125、不燃性)が好ましい。
【0029】本発明の沸点が0℃以上、150℃以下の
臭素系溶剤は、好ましくはオゾン破壊係数(ODP)
0.03以下、地球温暖化係数(GWP;100年積分
値)10以下、かつ不燃性であり、さらに好ましくは、
オゾン破壊係数(ODP)0.03以下、地球温暖化係
数(GWP;100年積分値)10以下、かつKB値6
0以上、かつ不燃性である。
臭素系溶剤は、好ましくはオゾン破壊係数(ODP)
0.03以下、地球温暖化係数(GWP;100年積分
値)10以下、かつ不燃性であり、さらに好ましくは、
オゾン破壊係数(ODP)0.03以下、地球温暖化係
数(GWP;100年積分値)10以下、かつKB値6
0以上、かつ不燃性である。
【0030】溶媒は、前記臭素系溶媒から選ばれた少な
くとも1種の化合物を5重量%以上、好ましくは10重
量%以上、より好ましくは20重量%以上(好ましい上
限は100重量%)含んでなる。従って、30重量%以
上、50重量%以上、70重量%以上のように臭素系溶
媒の割合は大きい方が好ましい。5重量%より少なくな
ると、撥水撥油性能を維持しつつ保存安定性を良好に保
つという当初の目的を達せられなくなる傾向がある。
くとも1種の化合物を5重量%以上、好ましくは10重
量%以上、より好ましくは20重量%以上(好ましい上
限は100重量%)含んでなる。従って、30重量%以
上、50重量%以上、70重量%以上のように臭素系溶
媒の割合は大きい方が好ましい。5重量%より少なくな
ると、撥水撥油性能を維持しつつ保存安定性を良好に保
つという当初の目的を達せられなくなる傾向がある。
【0031】溶媒は、前記の臭素系溶媒以外に共溶媒を
含んでもよい。共溶媒としては、n−ヘキサン、n−デ
カン、石油エーテルまたは工業用ガソリンのような石油
系溶媒、酢酸エチルまたは酢酸ブチルのようなエステル
類、アセトンまたはメチルエチルケトンのようなケトン
類及びエチレングリコール、プロピレングリコールまた
はプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグ
リコール(エーテル)類などが用いられる。
含んでもよい。共溶媒としては、n−ヘキサン、n−デ
カン、石油エーテルまたは工業用ガソリンのような石油
系溶媒、酢酸エチルまたは酢酸ブチルのようなエステル
類、アセトンまたはメチルエチルケトンのようなケトン
類及びエチレングリコール、プロピレングリコールまた
はプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグ
リコール(エーテル)類などが用いられる。
【0032】溶媒中の共溶媒含量は、95重量%以下、
特に90重量%以下、さらには80重量%以下であるこ
とが好ましい。95重量%より多くなると、前記の臭素
系溶媒を必要量用いることができず、保存安定性および
撥水撥油性能の優れた撥水撥油剤組成物が得られなくな
る傾向がある。
特に90重量%以下、さらには80重量%以下であるこ
とが好ましい。95重量%より多くなると、前記の臭素
系溶媒を必要量用いることができず、保存安定性および
撥水撥油性能の優れた撥水撥油剤組成物が得られなくな
る傾向がある。
【0033】重合溶媒中で溶液重合されるモノマー成分
は、ポリフルオロアルキル含有モノマーを少なくとも含
んでなる。「ポリフルオロアルキル」とは、フッ素原子
を少なくとも2個含むアルキル基である。
は、ポリフルオロアルキル含有モノマーを少なくとも含
んでなる。「ポリフルオロアルキル」とは、フッ素原子
を少なくとも2個含むアルキル基である。
【0034】ポリフルオロアルキル含有モノマーとして
は例えば下記のものが挙げられる:
は例えば下記のものが挙げられる:
【0035】
【化1】
【0036】〔式中、R1はHまたはCH3を示し、Rf
は、炭素数3〜21の直鎖状または分岐鎖状のポリフル
オロアルキル基を示す。〕で示されるポリフルオロアル
キル含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。具
体例としては、例えばパーフルオロオクチルエチルアク
リレート、2−パーフルオロオクチル−1−メチルエチ
ルアクリレート、2−(N−エチルパーフルオロオクタ
スルホンアミド)エチルアクリレートなどが挙げられ
る。また、
は、炭素数3〜21の直鎖状または分岐鎖状のポリフル
オロアルキル基を示す。〕で示されるポリフルオロアル
キル含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。具
体例としては、例えばパーフルオロオクチルエチルアク
リレート、2−パーフルオロオクチル−1−メチルエチ
ルアクリレート、2−(N−エチルパーフルオロオクタ
スルホンアミド)エチルアクリレートなどが挙げられ
る。また、
【0037】
【化2】
【0038】〔式中、R1およびRfは前記に定義され
た通りである。〕で示されるビニル化合物も好適なもの
として挙げることができる。具体例としては、パーフル
オロオクチルエチレン、パーフルオロオクチルオキシフ
ェニレンエチレンなどが挙げられる。これらを2種以上
併用することも可能である。
た通りである。〕で示されるビニル化合物も好適なもの
として挙げることができる。具体例としては、パーフル
オロオクチルエチレン、パーフルオロオクチルオキシフ
ェニレンエチレンなどが挙げられる。これらを2種以上
併用することも可能である。
【0039】Rfは、炭素数3〜21個、好ましくは4
〜16個の直鎖状または分岐鎖状の、ポリフルオロアル
キル基であり、通常+は末端部がパーフルオロアルキル
基であるものが選定されるが、末端部に水素原子或いは
塩素原子を含むもの、あるいはオキシポリフルオロアル
キレンを含むものなどでもよい。
〜16個の直鎖状または分岐鎖状の、ポリフルオロアル
キル基であり、通常+は末端部がパーフルオロアルキル
基であるものが選定されるが、末端部に水素原子或いは
塩素原子を含むもの、あるいはオキシポリフルオロアル
キレンを含むものなどでもよい。
【0040】モノマー成分としては、前記のポリフルオ
ロアルキル含有モノマーの他にポリフルオロアルキル不
含モノマーを用いてもよく、ポリフルオロアルキル含有
モノマーとポリフルオロアルキル不含モノマーの重量比
が20/80〜100/0、特に30/70〜100/
0であることが好ましい。この重量比が20/80より
小さくなると良好な撥水性が得られなくなる傾向があ
る。
ロアルキル含有モノマーの他にポリフルオロアルキル不
含モノマーを用いてもよく、ポリフルオロアルキル含有
モノマーとポリフルオロアルキル不含モノマーの重量比
が20/80〜100/0、特に30/70〜100/
0であることが好ましい。この重量比が20/80より
小さくなると良好な撥水性が得られなくなる傾向があ
る。
【0041】ポリフルオロアルキル不含モノマーとして
は、例えばラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物
であって、
は、例えばラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物
であって、
【0042】
【化3】
【0043】〔式中、R1は前記に定義したとおりであ
る。R2はHまたはCpH2p+1(pは1から23の整
数)、qは1〜30の整数)で示されるメタクリル酸お
よびアクリル酸もしくはそれらのエステル類、たとえば
ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート、ポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレートなどがあげられる。また
る。R2はHまたはCpH2p+1(pは1から23の整
数)、qは1〜30の整数)で示されるメタクリル酸お
よびアクリル酸もしくはそれらのエステル類、たとえば
ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート、ポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレートなどがあげられる。また
【0044】
【化4】
【0045】(R1は前記と同じ)で示されるモノマ
ー、たとえば(メタ)アクリル酸アミド誘導体、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ビニルモノマ
ー、酢酸ビニル、マレイン酸ジアルキルエステル、ビニ
ルアルコール類などのほか、エチレン、ビニルアルキル
エーテル、マレイン酸無水物、スチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、アクリロニトリル、ブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレン、メチルビニルケト
ン、−NHCOO−基含有(メタ)アクリル酸エステル
誘導体などがあげられる。
ー、たとえば(メタ)アクリル酸アミド誘導体、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ビニルモノマ
ー、酢酸ビニル、マレイン酸ジアルキルエステル、ビニ
ルアルコール類などのほか、エチレン、ビニルアルキル
エーテル、マレイン酸無水物、スチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、アクリロニトリル、ブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレン、メチルビニルケト
ン、−NHCOO−基含有(メタ)アクリル酸エステル
誘導体などがあげられる。
【0046】モノマー成分の使用量はモノマー成分と重
合溶媒との合計重量を基準にして0.5〜50%、特に
1.0〜50%、さらには5〜45%であることが好ま
しい。0.5%より少なくなると単位重合あたりに得ら
れるポリマー量が低くなり経済的に不利になる傾向があ
り、50%より多くなると重合系がゲル化しやすいくな
り反応の継続が困難となる傾向がある。
合溶媒との合計重量を基準にして0.5〜50%、特に
1.0〜50%、さらには5〜45%であることが好ま
しい。0.5%より少なくなると単位重合あたりに得ら
れるポリマー量が低くなり経済的に不利になる傾向があ
り、50%より多くなると重合系がゲル化しやすいくな
り反応の継続が困難となる傾向がある。
【0047】溶液重合は、必要に応じてオートクレーブ
のような加圧反応器を用い、通常重合開始剤を添加して
好ましくは20〜200℃、特に30〜150℃、さら
には40〜130℃の温度で行なわれる。重合温度が2
0℃より低くなると未反応モノマーが残存してしまう傾
向があり、200℃より高くなるとオートクレーブ内圧
が上昇しすぎて装置的に製造が困難になる傾向がある。
反応時間は反応温度によるが通常1〜20時間、好まし
くは2〜15時間、より好ましくは3〜10時間程度で
ある。
のような加圧反応器を用い、通常重合開始剤を添加して
好ましくは20〜200℃、特に30〜150℃、さら
には40〜130℃の温度で行なわれる。重合温度が2
0℃より低くなると未反応モノマーが残存してしまう傾
向があり、200℃より高くなるとオートクレーブ内圧
が上昇しすぎて装置的に製造が困難になる傾向がある。
反応時間は反応温度によるが通常1〜20時間、好まし
くは2〜15時間、より好ましくは3〜10時間程度で
ある。
【0048】重合開始剤としては有機過酸化物、アゾビ
ス化合物を含むアゾ化合物、過硫酸塩などが用いられる
が、γ線のような電離性放射線などを採用してもよい。
ス化合物を含むアゾ化合物、過硫酸塩などが用いられる
が、γ線のような電離性放射線などを採用してもよい。
【0049】たとえばモノマー成分としてビニル化合物
を用いる場合、溶液重合はビニル化合物の重合に適用さ
れる公知の方法で重合することができる。重合はたとえ
ば撹拌機および外部から加熱または冷却する手段を備え
た容器の中で行なうことができる。より具体的には、た
とえば次のようにして溶液重合を行なう。
を用いる場合、溶液重合はビニル化合物の重合に適用さ
れる公知の方法で重合することができる。重合はたとえ
ば撹拌機および外部から加熱または冷却する手段を備え
た容器の中で行なうことができる。より具体的には、た
とえば次のようにして溶液重合を行なう。
【0050】まず、モノマー成分を重合溶媒に添加し、
モノマー成分の濃度をモノマー成分と重合溶媒との合計
重量を基準にして0.5〜50重量%とし、モノマー成
分と重合溶媒とからなる溶液の温度を40〜150℃に
して、重合開始剤の存在下で重合を行なう。重合開始剤
は、モノマー成分としてビニル化合物を用いる場合、ビ
ニル系不飽和化合物の溶液重合を開始させるための周知
の薬剤のいずれであってもよく、通常、溶媒に可溶な過
酸化物およびアゾ化合物が用いられる。この過酸化物に
は、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化
アシル、t−ブチルパーベンゾエートなどの有機パーエ
ステル、過酸化ジ−t−ブチルなどの過酸化ジアルキル
などがあり、アゾ化合物には、アゾビス(イソブチロニ
トリル)、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)などがあげられる。重合開始剤の量は、通常、モノ
マー成分の重量に対して0.1〜2%である。
モノマー成分の濃度をモノマー成分と重合溶媒との合計
重量を基準にして0.5〜50重量%とし、モノマー成
分と重合溶媒とからなる溶液の温度を40〜150℃に
して、重合開始剤の存在下で重合を行なう。重合開始剤
は、モノマー成分としてビニル化合物を用いる場合、ビ
ニル系不飽和化合物の溶液重合を開始させるための周知
の薬剤のいずれであってもよく、通常、溶媒に可溶な過
酸化物およびアゾ化合物が用いられる。この過酸化物に
は、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化
アシル、t−ブチルパーベンゾエートなどの有機パーエ
ステル、過酸化ジ−t−ブチルなどの過酸化ジアルキル
などがあり、アゾ化合物には、アゾビス(イソブチロニ
トリル)、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)などがあげられる。重合開始剤の量は、通常、モノ
マー成分の重量に対して0.1〜2%である。
【0051】重合開始剤のみまたは他の条件により重合
体の分子量を制御することができる場合があるが、それ
らでは不充分な場合には、アルカン(C1〜C12)チオ
ールなどの連鎖移動剤を少量加えてもよい。
体の分子量を制御することができる場合があるが、それ
らでは不充分な場合には、アルカン(C1〜C12)チオ
ールなどの連鎖移動剤を少量加えてもよい。
【0052】得られる重合体の分子量は数平均分子量で
1000〜100000、特に5000〜70000、
さらには10000〜50000であることが好まし
い。分子量が1000より低いと撥水撥油性が低下し、
また100000より高いと保存安定性を保つことがで
きなくなる傾向がある。
1000〜100000、特に5000〜70000、
さらには10000〜50000であることが好まし
い。分子量が1000より低いと撥水撥油性が低下し、
また100000より高いと保存安定性を保つことがで
きなくなる傾向がある。
【0053】本発明の撥水撥油剤組成物は、モノマー成
分の重合終了後、必要に応じて適宜、前述の臭素系溶媒
以外の溶媒を添加してもよい。このように重合終了後に
他の溶媒を添加しても撥水撥油性能、溶解安定性、低温
保存安定性などに支障がないことが本発明の特徴の1つ
としてあげられる。
分の重合終了後、必要に応じて適宜、前述の臭素系溶媒
以外の溶媒を添加してもよい。このように重合終了後に
他の溶媒を添加しても撥水撥油性能、溶解安定性、低温
保存安定性などに支障がないことが本発明の特徴の1つ
としてあげられる。
【0054】本発明の撥水撥油剤組成物は溶媒としてト
リクロロトリフルオロエタンや1,1,1−トリクロロ
エタンのような溶媒を使用していないにもかからわず、
ポリフルオロアルキル含有モノマーの使用比を大きくし
た場合であっても、沈殿物を生じたり保存安定性が悪化
したりすることなく、優れた撥水撥油性能が得られるも
のである。
リクロロトリフルオロエタンや1,1,1−トリクロロ
エタンのような溶媒を使用していないにもかからわず、
ポリフルオロアルキル含有モノマーの使用比を大きくし
た場合であっても、沈殿物を生じたり保存安定性が悪化
したりすることなく、優れた撥水撥油性能が得られるも
のである。
【0055】このように本発明の撥水撥油剤組成物は、
前記ポリフルオロアルキル含有モノマーを含むモノマー
成分の重合生成物と前記溶媒、要すれば他の溶媒、場合
によっては帯電防止剤、防カビ剤などからなるものであ
る。
前記ポリフルオロアルキル含有モノマーを含むモノマー
成分の重合生成物と前記溶媒、要すれば他の溶媒、場合
によっては帯電防止剤、防カビ剤などからなるものであ
る。
【0056】本発明の撥水撥油剤組成物は、ドライクリ
ーニング以外に木材、金属、プラスチック表面の撥水撥
油剤、離型剤、コンデンサリード線の液状樹脂付着防止
剤などに適用することができる。
ーニング以外に木材、金属、プラスチック表面の撥水撥
油剤、離型剤、コンデンサリード線の液状樹脂付着防止
剤などに適用することができる。
【0057】本発明の撥水撥油剤組成物は、たとえば噴
射剤を添加してエアゾールとして用いることができる。
噴射剤としては、炭素数1または2のフルオロアルカン
もしくはクロロフルオロアルカン、LPGガス、ジメチ
ルエーテル、窒素ガスまたは炭酸ガスが好ましくあげら
れる。炭素数1または2のフルオロアルカンもしくはク
ロロフルオロアルカンの代表例としては、ジクロロジフ
ルオロメタン、トリクロロトリフルオロメタン、クロロ
ジフルオロメタン、クロロジフルオロエタン、ジクロロ
トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、これらの
2種以上の混合物などがあげられる。噴射剤の量は重合
体と重合溶媒の合計重量に対して0.05〜2倍である
ことが好ましい。
射剤を添加してエアゾールとして用いることができる。
噴射剤としては、炭素数1または2のフルオロアルカン
もしくはクロロフルオロアルカン、LPGガス、ジメチ
ルエーテル、窒素ガスまたは炭酸ガスが好ましくあげら
れる。炭素数1または2のフルオロアルカンもしくはク
ロロフルオロアルカンの代表例としては、ジクロロジフ
ルオロメタン、トリクロロトリフルオロメタン、クロロ
ジフルオロメタン、クロロジフルオロエタン、ジクロロ
トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、これらの
2種以上の混合物などがあげられる。噴射剤の量は重合
体と重合溶媒の合計重量に対して0.05〜2倍である
ことが好ましい。
【0058】「容器内部の液体を外部に噴射する機構を
有する容器」としては、例えばエアゾール容器、スプレ
ー容器などが例示される。
有する容器」としては、例えばエアゾール容器、スプレ
ー容器などが例示される。
【0059】本発明の撥水撥油剤組成物で処理される被
処理物としては、繊維製品、カーペット、カーテンなど
のインテリア製品、家具、塗装製品、ガラス、木材、た
たみ、石綿、煉瓦などの無機物製品、セメント、金属及
び酸化物、陶器などの窯業製品、プラスチック、プラス
ターなどの各種物品の撥水撥油処理に使用することがで
きる。繊維製品としては、綿、羊毛、絹、皮革、麻など
の天然繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、レー
ヨン、キュプラなどの合成繊維が挙げられ、これらの繊
維、紐、織布、編布、不織布などが挙げられる。
処理物としては、繊維製品、カーペット、カーテンなど
のインテリア製品、家具、塗装製品、ガラス、木材、た
たみ、石綿、煉瓦などの無機物製品、セメント、金属及
び酸化物、陶器などの窯業製品、プラスチック、プラス
ターなどの各種物品の撥水撥油処理に使用することがで
きる。繊維製品としては、綿、羊毛、絹、皮革、麻など
の天然繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、レー
ヨン、キュプラなどの合成繊維が挙げられ、これらの繊
維、紐、織布、編布、不織布などが挙げられる。
【0060】本発明の撥水撥油剤組成物は、被処理物を
該組成物に浸漬し、乾燥することにより、撥水撥油性を
付与することができる。或いは、本発明の撥水撥油剤組
成物を適当な噴射性容器、例えばエアゾール容器に噴射
剤(例えば、二酸化炭素、フロンなど)とともに入れ、
被処理物に噴霧し、乾燥することで、容易に撥水撥油処
理を行うことができる。
該組成物に浸漬し、乾燥することにより、撥水撥油性を
付与することができる。或いは、本発明の撥水撥油剤組
成物を適当な噴射性容器、例えばエアゾール容器に噴射
剤(例えば、二酸化炭素、フロンなど)とともに入れ、
被処理物に噴霧し、乾燥することで、容易に撥水撥油処
理を行うことができる。
【0061】次に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、
部は重量部である。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、
部は重量部である。
【0062】
【実施例】実験例1−1 攪拌装置および加温装置を備えたステンレス製オートク
レーブに、モノマー成分としてパーフルオロオクチルエ
チルアクリレート(17FA)70部およびステアリルアクリ
レート(C18A)30部、重合溶媒として1−ブロモプロパ
ン500部、および重合開始剤としてターシャリーブチ
ルパーオキシピバレート1部を仕込み、窒素雰囲気中、
攪拌下に70℃で10時間反応させたのち、20℃まで
冷却して反応を終了させ、撥水撥油剤組成物を得た。
レーブに、モノマー成分としてパーフルオロオクチルエ
チルアクリレート(17FA)70部およびステアリルアクリ
レート(C18A)30部、重合溶媒として1−ブロモプロパ
ン500部、および重合開始剤としてターシャリーブチ
ルパーオキシピバレート1部を仕込み、窒素雰囲気中、
攪拌下に70℃で10時間反応させたのち、20℃まで
冷却して反応を終了させ、撥水撥油剤組成物を得た。
【0063】実験例1−2 モノマー成分としてパーフルオロオクチルエチルアクリ
レート(17FA)70部および2−エチルヘキシルアクリレ
ート(2EHA)30部を使用したほかは実験例1−1と同様
にして重合反応を行ない、撥水撥油剤組成物を得た。
レート(17FA)70部および2−エチルヘキシルアクリレ
ート(2EHA)30部を使用したほかは実験例1−1と同様
にして重合反応を行ない、撥水撥油剤組成物を得た。
【0064】実験例1−3 モノマー成分としてパーフルオロオクチルエチルアクリ
レート(17FA)70部およびラウリルアクリレート(C12A)
30部を使用したほかは実験例1−1と同様にして重合
反応を行ない、撥水撥油剤組成物を得た。
レート(17FA)70部およびラウリルアクリレート(C12A)
30部を使用したほかは実験例1−1と同様にして重合
反応を行ない、撥水撥油剤組成物を得た。
【0065】実験例1−4 重合溶媒とモノマー成分としてパーフルオロオクチルエ
チルアクリレート(17FA)70部、ステアリルアクリレー
ト(C18A)25部、2−{〔〔〔5−〔〔〔(2−エチル
ヘキシル)オキシ〕カルボニル〕アミノ〕2−メチルフ
ェニル〕アミノ〕カルボニル〕オキシ}エチルアクリレ
ート(TDIA)5部を使用したほかは実験例1−1と同様に
し重合反応を行ない、撥水撥油剤組成物を得た。
チルアクリレート(17FA)70部、ステアリルアクリレー
ト(C18A)25部、2−{〔〔〔5−〔〔〔(2−エチル
ヘキシル)オキシ〕カルボニル〕アミノ〕2−メチルフ
ェニル〕アミノ〕カルボニル〕オキシ}エチルアクリレ
ート(TDIA)5部を使用したほかは実験例1−1と同様に
し重合反応を行ない、撥水撥油剤組成物を得た。
【0066】実験例1−5 重合溶媒としてジブロモメタン500部を使用したほか
は実験例1−1と同様にして重合反応を行ない、撥水撥
油剤組成物を得た。
は実験例1−1と同様にして重合反応を行ない、撥水撥
油剤組成物を得た。
【0067】実験例1−6 重合溶媒として1−ブロモプロパン50部及びn−デカ
ン450部を使用したほかは実施例1−1と同様にして
重合反応を行ない、撥水撥油剤組成物を得た。
ン450部を使用したほかは実施例1−1と同様にして
重合反応を行ない、撥水撥油剤組成物を得た。
【0068】実験例1−7 モノマー成分としてパーフルオロオクチルエチルアクリ
レート(17FA)10部及びステアリルアクリレート(C18A)
90部を使用したほかは実験例1−1と同様にして重合
反応を行ない、撥水撥油剤組成物を得た。
レート(17FA)10部及びステアリルアクリレート(C18A)
90部を使用したほかは実験例1−1と同様にして重合
反応を行ない、撥水撥油剤組成物を得た。
【0069】実験例1−8 重合溶媒としてn−デカン500部を使用したほかは実
験例1−1と同様にして重合反応を行ない、撥水撥油剤
組成物を得た。
験例1−1と同様にして重合反応を行ない、撥水撥油剤
組成物を得た。
【0070】実験例1−9 重合溶媒としてトルエン500部を使用したほかは実験
例1−1と同様にして重合反応を行ない、撥水撥油剤組
成物を得た。
例1−1と同様にして重合反応を行ない、撥水撥油剤組
成物を得た。
【0071】実験例1−10 重合溶媒としてトリクロロトリフルオロエタン500部
を使用したほかは実験例1−1と同様にして重合反応を
行ない、撥水撥油剤組成物を得た。
を使用したほかは実験例1−1と同様にして重合反応を
行ない、撥水撥油剤組成物を得た。
【0072】実験例1−1〜10で得られた撥水撥油剤
組成物について次の項目の評価を行なった。評価結果を
表1に示す。
組成物について次の項目の評価を行なった。評価結果を
表1に示す。
【0073】実験例2 [重合後の状態]25℃における外観及び0℃における
外観を目視観察した。評価結果を表1に示す。
外観を目視観察した。評価結果を表1に示す。
【0074】実験例3 [重合体の分子量]GPCにより重合体の数平均分子量
を測定した。結果を表1に示す。
を測定した。結果を表1に示す。
【0075】実験例4 [希釈品の0℃保存時の状態]得られた撥水撥油剤組成
物を1−ブロモプロパン及びn−デカンで固形分が1%
になるように希釈し、0℃における外観を目視観察し
た。評価結果を表1に示す。
物を1−ブロモプロパン及びn−デカンで固形分が1%
になるように希釈し、0℃における外観を目視観察し
た。評価結果を表1に示す。
【0076】実験例5 [撥水性]得られた撥水撥油剤組成物を1−ブロモプロ
パンまたはn−デカンで固形分が1%になるように稀釈
し、この稀釈液に綿布およびナイロン布を浸したのち、
綿布およびナイロン布を室温で12時間乾燥させた。そ
の後、JIS−L−1092に規定されたシャワー法に
より評価を行なった。評価は完全に水を撥く場合を10
0とした指数で表す。指数が80以上であることが望ま
しい。
パンまたはn−デカンで固形分が1%になるように稀釈
し、この稀釈液に綿布およびナイロン布を浸したのち、
綿布およびナイロン布を室温で12時間乾燥させた。そ
の後、JIS−L−1092に規定されたシャワー法に
より評価を行なった。評価は完全に水を撥く場合を10
0とした指数で表す。指数が80以上であることが望ま
しい。
【0077】実験例6 [撥油性]得られた撥水撥油剤組成物を1−ブロモプロ
パンまたはn−デカンで固形分が1%になるように稀釈
し、この稀釈液に綿布およびナイロン布を浸したのち、
綿布およびナイロン布を室温で12時間乾燥させた。そ
の後、AATCC−118に規定された方法により評価
を行なった。評価はn−ヘプタンを完全に撥く場合を8
とし0〜8の整数で表す。3以上、特に4以上であるこ
とが望ましい。
パンまたはn−デカンで固形分が1%になるように稀釈
し、この稀釈液に綿布およびナイロン布を浸したのち、
綿布およびナイロン布を室温で12時間乾燥させた。そ
の後、AATCC−118に規定された方法により評価
を行なった。評価はn−ヘプタンを完全に撥く場合を8
とし0〜8の整数で表す。3以上、特に4以上であるこ
とが望ましい。
【0078】
【表1】 0℃の保存状態 実験例 モノマー 重合溶媒 重合後の状態 数平均 1-フ゛ロモ n-デ番号 (部) 25℃ 0℃ 分子量 フ゜ロハ゜ン カン 1-1 17FA/70部 BrCH2CH2CH3/500部 ○ ○ 22000 ○ ○ C18A/30部 1-2 17FA/70部 BrCH2CH2CH3/500部 ○ ○ 29000 ○ ○ 2EHA/30部 1-3 17FA/70部 BrCH2CH2CH3/500部 ○ ○ 21000 ○ ○ C12A/30部 1-4 17FA/70部 BrCH2CH2CH3/500部 ○ ○ 16000 ○ ○ C18A/25部 TDIA/ 5部 1-5 17FA/70部 CH2Br2/500部 ○ ○ 22000 ○ ○ C18A/30部 1-6 17FA/70部 BrCH2CH2CH3/50部 ○ ○ 18000 ○ ○ C18A/30部 n-デカン/450部 1-7 17FA/10部 BrCH2CH2CH3/500部 ○ ○ 12000 ○ ○ C18A/90部 1-8 17FA/70部 n-デカン/500部 ポリマー 液全体 22000 ○ ○ C18A/30部 一部析出 が凝固 1-9 17FA/70部 トルエン/500部 ポリマー ポリマー 22000 ○ ○ C18A/30部 一部析出 分離析出 1-10 17FA/70部 C2Cl3F3/500部 ○ ○ 25000 ○ ○ C18A/30部
【0079】
【表2】 撥水性 撥油性 実験例 1-フ゛ロモフ゜ロハ゜ン n-テ゛カン 1-フ゛ロモフ゜ロハ゜ン n-テ゛カン 番号 綿 ナイロン 綿 ナイロン 綿 ナイロン 綿 ナイロン 1-1 90 100 90 100 4 5 4 5 1-2 80 90 80 90 6 6 6 6 1-3 90 90 80 90 4 5 4 5 1-4 100 100 100 100 6 6 6 6 1-5 90 100 90 100 4 5 4 5 1-6 90 100 90 100 4 5 4 5 1-7 50 50 50 50 0 0 0 0 1-8 80 100 80 100 4 4 4 4 1-9 90 100 90 100 4 5 4 51-10 90 100 90 100 4 5 4 5 実験例1−1〜1−5の組成物は保存安定性に優れ、撥
水撥油性も良好である。
水撥油性も良好である。
【0080】実験例1−6の組成物はn−デカンで希釈
した場合にのみ臭素系溶媒が所定量を下回るため、保存
安定性に劣る。
した場合にのみ臭素系溶媒が所定量を下回るため、保存
安定性に劣る。
【0081】実験例1−7の組成物はポリフルオロアル
キル含有モノマーが所定量を下回るため、撥水撥油性が
劣る。
キル含有モノマーが所定量を下回るため、撥水撥油性が
劣る。
【0082】実験例1−8、1−9の組成物は重合後及
び希釈後の保存安定性が劣る。
び希釈後の保存安定性が劣る。
【0083】実験例1−10で使用したトリクロロトリ
フルオロエタンは、製造禁止が決定している。
フルオロエタンは、製造禁止が決定している。
Claims (17)
- 【請求項1】沸点が0〜150℃の臭素系溶媒からなる
撥水撥油ポリマー用臭素系溶剤。 - 【請求項2】臭素系溶媒を5重量%以上含有する沸点が
0〜150℃の溶媒中に、少なくともポリフルオロアル
キル含有モノマーを含む重合可能なモノマー成分を溶液
重合して得られるポリマーを含む撥水撥油剤組成物。 - 【請求項3】臭素系溶媒が、オゾン破壊係数(ODP)
0.03以下、地球温暖化係数(GWP;100年積分
値)10以下、KB値60以上の不燃性溶媒である請求
項2記載の撥水撥油剤組成物。 - 【請求項4】ポリマー成分がポリフルオロアルキル含有
モノマーとポリフルオロアルキル不含モノマーが20/
80〜100/0の重合比であり、ポリマー成分がポリ
マー成分と溶媒との合計重量を基準にして0.5〜50
重量%用いられる請求項2または3に記載の撥水撥油剤
組成物。 - 【請求項5】溶媒が1−ブロモプロパンを少なくとも5
重量%含む請求項2〜4のいずれかに記載の撥水撥油剤
組成物。 - 【請求項6】臭素系溶媒を5重量%以上含有する沸点が
0〜150℃の重合溶媒中で、少なくともポリフルオロ
アルキル含有モノマーを含む重合可能なモノマー成分を
溶液重合してなる撥水撥油剤組成物。 - 【請求項7】臭素系溶媒が、オゾン破壊係数(ODP)
0.03以下、地球温暖化係数(GWP;100年積分
値)10以下、KB値60以上の不燃性溶媒である請求
項6記載の撥水撥油剤組成物。 - 【請求項8】モノマー成分がポリフルオロアルキル含有
モノマーとポリフルオロアルキル不含モノマーとの20
/80〜100/0の重合比であり、モノマー成分がモ
ノマー成分と重合溶媒との合計重量を基準にして0.5
〜50重量%用いられる項6または7に記載の撥水撥油
剤組成物。 - 【請求項9】重合溶媒が1−ブロモプロパンを少なくと
も5重量%含む項6〜8のいずれかに記載の撥水撥油剤
組成物。 - 【請求項10】臭素系溶媒を5重量%以上含有する沸点
が0〜150℃の重合溶媒中で、少なくともポリフルオ
ロアルキル含有モノマーを含む重合可能なモノマー成分
を溶液重合する撥水撥油剤組成物の製法。 - 【請求項11】臭素系溶媒が、オゾン破壊係数(OD
P)0.03以下、地球温暖化係数(GWP;100年
積分値)10以下、KB値60以上の不燃性溶媒である
請求項10記載の撥水撥油剤組成物の製法。 - 【請求項12】モノマー成分がポリフルオロアルキル含
有モノマーとポリフルオロアルキル不含モノマーとの2
0/80〜100/0の重合比であり、モノマー成分が
モノマー成分と重合溶媒との合計重量を基準にして0.
5〜50重量%用いられる請求項10または11に記載
の撥水撥油剤組成物の製法。 - 【請求項13】重合溶媒が1−ブロモプロパンを少なく
とも5重量%含む請求項10〜12のいずれかに記載の
撥水撥油剤組成物の製法。 - 【請求項14】容器内部の液体を外部に噴射する機構を
有する容器に、請求項2〜9のいずれかに記載の撥水撥
油剤組成物を充填してなる撥水撥油剤物品。 - 【請求項15】前記容器が、噴射剤を充填したエアゾー
ル容器である請求項14に記載の撥水撥油剤物品。 - 【請求項16】被処理物を請求項2〜9のいずれかに記
載の撥水撥油剤組成物で処理してなる撥水撥油性物品。 - 【請求項17】被処理物を請求項2〜9のいずれかに記
載の撥水撥油剤組成物に浸漬し、乾燥することを特徴と
する物品の撥水撥油処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6996098A JPH11263969A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 撥水撥油剤組成物及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6996098A JPH11263969A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 撥水撥油剤組成物及びその製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11263969A true JPH11263969A (ja) | 1999-09-28 |
Family
ID=13417739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6996098A Pending JPH11263969A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 撥水撥油剤組成物及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11263969A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6497761B2 (en) | 2000-03-06 | 2002-12-24 | Nec Corporation | Apparatus and method of growing single crystal of semiconductor |
JP2008512547A (ja) * | 2004-09-07 | 2008-04-24 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 表面効果組成物のための炭化水素エクステンダー |
-
1998
- 1998-03-19 JP JP6996098A patent/JPH11263969A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6497761B2 (en) | 2000-03-06 | 2002-12-24 | Nec Corporation | Apparatus and method of growing single crystal of semiconductor |
JP2008512547A (ja) * | 2004-09-07 | 2008-04-24 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 表面効果組成物のための炭化水素エクステンダー |
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