JPH11263955A - 紙用接着剤組成物およびその製造法 - Google Patents

紙用接着剤組成物およびその製造法

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JPH11263955A
JPH11263955A JP8803398A JP8803398A JPH11263955A JP H11263955 A JPH11263955 A JP H11263955A JP 8803398 A JP8803398 A JP 8803398A JP 8803398 A JP8803398 A JP 8803398A JP H11263955 A JPH11263955 A JP H11263955A
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adhesive composition
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polyvinyl alcohol
paper
adhesive
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JP8803398A
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Masayuki Tanabe
政幸 田辺
Takenari Watanabe
岳成 渡辺
Tsunehisa Miyajima
恒久 宮島
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Saiden Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Saiden Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酢酸ビニル系接着剤に替わる紙用接着剤組成
物として、初期接着力に優れ、従来の無機充填剤を含有
する接着剤組成物でも得られなかった強靱な皮膜と硬さ
を有する紙用接着剤組成物およびその製造法の提供。 【解決の手段】 (a)ガラス転移温度が40〜120
℃であるスチレンおよび/またはメチルメタクリレ−ト
を主成分とする重合体組成物と(b)平均重合度200
〜2000のポリビニルアルコ−ル系樹脂とからなる紙
用接着剤組成物である。更に(b)ポリビニルアルコ−
ル系樹脂の存在下に(a)スチレンおよび/またはメチ
ルメタクリレ−トを主成分とするビニル重合性単量体を
乳化重合して得られる紙用接着剤組成物の製造方法、お
よび該接着剤組成物にホウ酸および/または無機充填剤
を添加してなる紙用接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、初期接着性および
皮膜の硬さに優れた接着剤組成物に関し、さらに詳しく
は、ポリビニルアルコ−ル系樹脂とスチレンおよび/ま
たはメチルメタクリレ−トを主成分とする重合体組成物
からなる紙管用、合紙用、製袋用、製箱・製函用等の紙
用接着剤組成物、特に紙管用、合紙用接着剤組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、紙管用、合紙用、製袋用、製箱
・製函用等の接着剤としては澱粉、ポリビニルアルコ−
ル、酢酸ビニルエマルション等をベ−スとしたものが広
く用いられている。しかし近年、貼合わせスピ−ド向上
への要求が強くなり、機械スピ−ドは著しく早くなって
おり、初期接着性に優れた接着剤が強く望まれている。
また、紙管用や合紙用に使用する場合には、耐圧強度を
得るために皮膜の硬さが必要である。優れた初期接着性
と皮膜の硬さを得るために各種の方法が提案されてい
る。例えば、特開昭58−18776号公報では、(メ
タ)アクリル酸を含むアクリルアミド系ポリマ−の存在
下に、酢酸ビニル、アクリル酸および共重合可能な他の
モノマ−を乳化重合させて得られた水性エマルジョンを
主成分とする接着剤組成物について開示している。特開
平1−234484号公報では、酢酸ビニルエマルジョ
ンに変性ポリビニルアルコ−ルおよびクレ−を配合して
なる組成物について開示している。特開平5−1253
41号公報では、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンに、無
機充填剤、ポリビニルアルコ−ルおよびホウ酸を添加し
てなる組成物について開示している。特開平5−163
472号公報では、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンに、
ガラス転移温度が50〜100℃のアクリル系エマルジ
ョンを配合してなる組成物について開示している。特開
平6−136335号公報では、スチレン−(メタ)ア
クリル酸エステル−(メタ)アクリルアミド共重合樹脂
エマルジョンに、ケイ酸ソ−ダを配合してなる組成物に
ついて開示している。しかし、いずれも初期接着性およ
び皮膜の硬さが不充分であり満足できるものがないのが
現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、従来
の紙管用、合紙用、製袋用、製箱・製函用接着剤組成物
における上記の欠点を克服し、初期接着性が優れ、被着
体に接着剤を塗布して形成された皮膜硬度の高い紙用接
着剤組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酢酸ビニル系エ
マルションの製造において通常試みられない量比の多い
ポリビニルアルコ−ル系樹脂を使用し、その存在下にス
チレンおよび/またはメチルメタクリレ−トを主成分と
するビニル重合性単量体を乳化重合して得られる重合体
組成物が、極めて初期接着性に優れ、皮膜の硬さも充分
備えていることを見い出し、上記課題を解決できること
を知り本発明の完成に至った。
【0005】即ち、本発明は、(a)ガラス転移温度が
40〜120℃であるスチレンおよび/またはメチルメ
タクリレ−トを主成分とする重合体組成物100重量部
と(b)平均重合度200〜2000のポリビニルアル
コ−ル系樹脂20〜150重量部とからなる紙用接着剤
組成物であり、(b)ポリビニルアルコ−ル系樹脂20
〜150重量部の存在下に(a)スチレンおよび/また
はメチルメタクリレ−トを主成分とするビニル重合性単
量体100重量部を乳化重合させてなる紙用接着剤組成
物の製造方法である。さらに本発明には、該接着剤組成
物にホウ酸および/または無機充填剤を添加してなる紙
用接着剤組成物を含む。
【0006】
【発明の実施の形態】つぎに本発明について詳しく説明
する。本発明に使用するビニル重合性単量体は、スチレ
ンおよび/またはメチルメタクリレ−トが主成分であ
り、その使用量は、全単量体中の50〜100重量%で
あり、好ましくは60〜100重量%である。使用量が
50重量%より少ない場合、皮膜の硬さが得られない。
上記のビニル単量体と共重合する単量体成分は、下記の
ような単量体から選ばれた1種または2種以上を用いる
ことができる。メチルアクリレ−ト、エチル(メタ)ア
クリレ−ト、n−ブチル(メタ)アクリレ−ト、イソブ
チル(メタ)アクリレ−ト、t−ブチル(メタ)アクリ
レ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)
アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、イソ
ボニル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル(メタ)アクリ
レ−ト等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;α−
メチルスチレン、クロロスチレン、4−ヒドロキシスチ
レン、ビニルトルエン、(メタ)アクリロニトリル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バ−サティック酸ビニ
ル等のビニル単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ク
ロトン酸、およびマレイン酸、イタコン酸の炭素数1〜
12のアルコ−ルとのハ−フエステル等のカルボキシル
基含有ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メ
チル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド
等の酸アミド基またはN−アルキル基置換アミド基を含
有する親水性基含有ビニル単量体;ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレ−ト、グリセロ−ル(メタ)アクリレ−ト、平均
付加モル数4〜100モルのポリオキシアルキレン鎖を
有するポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−
ト類またはポリプロピレングリコ−ルモノ(メタ)アク
リレ−ト類等のヒドロキシル基を含有するビニル単量体
等が挙げられる。更にジビニルベンゼン、ジアリルフタ
レ−ト、エチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、
ジエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリメ
チロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト等の2ない
し3個の二重結合を有するビニル単量体;グリシジル
(メタ)アクリレ−ト、3,4−エポキシシクロヘキシ
ル(メタ)アクリレ−ト、N−メチロ−ルアクリルアミ
ド等の反応性ビニル単量体等も挙げられる。
【0007】本発明のスチレンおよび/またはメチルメ
タクリレ−トを主成分とする重合体組成物のガラス転移
温度(以下Tgと称する)は、40〜120℃であるこ
とが必要である。Tgが40℃より低い場合は、皮膜の
硬さが不充分で、Tgが120℃を超える場合には、成
膜性に欠けるために接着性低下の原因となる。ここで、
重合体組成物のTgは、日本エマルジョン工業会規格の
「合成樹脂エマルジョンの皮膜硬さ表示方法(107−
1966)」に記載の各ホモポリマ−のTg値を使用し
て計算式から求める。
【0008】本発明に使用するポリビニルアルコ−ル系
樹脂は、一般に、酢酸ビニルを塊状、溶液、懸濁、乳化
等の公知の重合方法によって重合または共重合して得ら
れたポリ酢酸ビニルを公知の方法によってけん化するこ
とにより得られる。ただし、ポリ酢酸ビニルに限定され
ず、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、バ
−サティック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエ
ステルを使用してもよいが、工業的に安価に製造される
酢酸ビニルが好ましく使用される。
【0009】ポリビニルアルコ−ル系樹脂のけん化度と
しては、60〜100モル%が好ましく、より好ましい
けん化度は70〜99.5モル%である。けん化度が6
0モル%より低い場合には、ポリビニルアルコ−ル系樹
脂の水溶性が低下するため保護コロイドとしての効果が
低下する傾向があり好ましくない。
【0010】ポリビニルアルコ−ル系樹脂の重合度は、
一般に200以上が好ましく、接着剤組成物として使用
する場合には300〜2000がより好ましい。ポリビ
ニルアルコ−ル系樹脂の重合度が200未満の場合に
は、組成物の皮膜強度が低下し、初期接着性も低下し好
ましくない。重合度が2000を超えると塗工液の粘度
が高くなり、塗工性が低下し塗工面にすじが発生した
り、塗工液の飛び散りが増加する傾向にある。ここで、
ポリビニルアルコ−ル系樹脂の重合度は該ポリビニルル
コ−ルの完全けん化物の水溶性の粘度から通常の方法で
求めた粘度平均重合度である。
【0011】本発明に使用するポリビニルアルコ−ル系
樹脂は、単独あるいは異なる2種類以上のポリビニルア
ルコ−ル系樹脂をブレンドしても良い。すなわち、一般
に云われている部分けん化ポリビニルアルコ−ル、およ
び完全けん化ポリビニルアルコ−ルをそれぞれ単独で
も、部分けん化ポリビニルアルコ−ルと完全けん化ポリ
ビニルアルコ−ルをブレンドしても良く、重合度の異な
るポリビニルアルコ−ルを使用しても良い。本発明の効
果を損なわない範囲で変性ポリビニルアルコ−ル、メチ
ルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、澱粉、変
性澱粉等を保護コロイドとして併用することもできる。
変性ポリビニルアルコ−ルとしてはカチオン変性ポリビ
ニルアルコ−ル、チオ−ル変性ポリビニルアルコ−ル、
珪素含有ポリビニルアルコ−ル、カルボキシル基変性ポ
リビニルアルコ−ル等が挙げられる。また、変性澱粉と
してはカチオン化澱粉、エ−テル化澱粉、ウレタン化澱
粉、酸化澱粉等が挙げられる。
【0012】本発明に使用するポリビニルアルコ−ル系
樹脂の量比は、ビニル重合性単量体100重量部に対し
て20〜150重量部で、好ましくは20〜100重量
部である。使用量が20重量部より少ない場合は、接着
剤組成物の硬さが得られない。150重量部を超えると
接着剤組成物の初期接着性が低下し、接着剤組成物の粘
度が高くなり、塗工性が低下し塗工面にすじが発生した
り、ロ−ルからの塗工液の飛び散りが増加する。
【0013】本発明の紙用接着剤組成物は、上記のビニ
ル重合性単量体を通常の乳化重合方法で得られる重合体
組成物に、ポリビニルアルコ−ル系樹脂を配合すること
によって得ることができるが、配合物の経時安定性が低
下する傾向にあるため、ポリビニルアルコ−ル系樹脂の
存在下にビニル重合性単量体を乳化重合して得る方法が
好ましい。特に好ましくは、通常の乳化重合で使用され
る乳化剤を使用せずに、ポリビニルアルコールのみを保
護コロイドとしてビニル重合性単量体を乳化重合する方
法である。通常の乳化剤を使用して得られた重合体組成
物は乳化剤が初期接着性に悪影響を及ぼすとの知見を得
ており、乳化剤を使用しない本発明の乳化重合法は、安
定な水性分散液を製造することができ、初期接着性が良
好で、また接着剤組成物の経時安定性も良好である。
【0014】乳化重合は、単量体にラジカル重合開始剤
を用い、ポリビニルアルコール水溶液中に、ポリビニル
アルコールで安定化された単量体乳濁液を滴下重合させ
る等の通常の乳化重合の方法で行うことができる。また
必要に応じて重合度調整剤、粒子径調整剤等を使用する
こともできる。ラジカル重合開始剤としては、熱または
還元性物質等によってラジカルを生成してビニル重合性
単量体の付加重合を起こさせるもので、水溶性または油
溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等がある。
例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸ア
ンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパ−オキ
サイド、t−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト、2.2−
アゾビスイソブチロニトリル、2.2−アゾビス(2−
ジアミノプロパン)ハイドロクロラド、2.2−アゾビ
ス(2.4−ジメチルバレロニトリル)等があり、より
好ましくは水溶性のもである。その使用量は、単量体に
対して通常0.05〜2重量部である。なお、重合速度
の促進、さらに低温での重合を望む場合には、重亜硫酸
ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ナトリウ
ムホルムアルデヒドスルホキシレ−ト等の還元剤をラジ
カル重合開始剤と組み合わせて用いることもできる。
【0015】本発明の接着剤組成物の初期接着性をさら
に向上させるために、また粘性を変えるためにホウ酸を
添加することが好ましい。ホウ酸を添加することによ
り、ポリビニルアルコ−ル系樹脂が架橋するため初期接
着力が向上するものと考えられる。ホウ酸の添加量は、
本発明の重合体組成物の固形分100重量部に対し、
0.5〜15重量部が好ましい。また皮膜の硬さをさら
に向上させるために無機充填剤を添加することが好まし
い。無機充填剤としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭
酸カルシウム、シリカ、コロイダルシリカ、タルク、ク
レ−、カオリン、酸化チタン、水酸化アルミニウム等が
挙げられる。添加量は、本発明の重合体組成物の固形分
100重量部に対し10〜200重量部が好ましい。
【0016】本発明の接着剤組成物には、必要に応じて
公知の添加物である着色顔料、粘性調整剤、消泡剤、防
腐剤、分散剤、凍結防止剤、難燃剤、pH調整剤等を本
発明の効果を損なわない範囲で配合して使用することも
できる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明を実施例において詳しく説明
するが、本発明はこれによって制限されるものではな
い。なお、実施例および比較例における部もしくは%と
あるのは、特にことわりのない限り、重量部または重量
%を示す。
【0018】製造例−1 (水性重合体組成物A−1の
製造) 攪拌機、温度計、環流冷却器、滴下ロ−トを備えた反応
装置にイオン交換水234部、信越ポバ−ルPA−05
(ケン化度88モル% 重合度500 信越化学工業
(株)製ポリビニルアルコ−ル)30部、信越ポバ−ル
C−17(ケン化度98.5モル% 重合度1700
信越化学工業(株)製ポリビニルアルコ−ル)5部を仕
込み昇温する。90℃で2時間攪拌しながら完全に溶解
する。その後、80℃まで下げその温度を保持する。別
の容器にイオン交換水66部、20%濃度に溶解した信
越ポバ−ルPA−05水溶液25部、スチレン100
部、過硫酸カリウム0.1部を仕込み、高速ミキサ−に
て乳化分散させプレエマルションを作成する。80℃の
反応装置に、過硫酸カリウム0.05部を添加し、先に
準備したプレエマルションを3時間かけて滴下し、反応
を行う。滴下終了後に、過硫酸カリウム0.05部を添
加し、80℃で2時間熟成して反応を完結させてから室
温まで冷却する。固形分30%、粘度11000cpで
ある水性重合体組成物A−1を得た。
【0019】製造例−2および3 (水性重合体組成物
A−2およびA−3の製造) 製造例−1と同様の方法にて、下記表1に示すように単
量体組成物とポリビニルアルコ−ル系樹脂を変更する以
外は全く同様にして重合を行ない、水性重合体組成物A
−2およびA−3を得た。
【0020】製造例−4 (水性重合体組成物B−1の
製造) 製造例−1と同様の反応装置にて、イオン交換水94部
を仕込み80℃まで昇温させる。別の容器にイオン交換
水53部、アニオン系界面活性剤2部、メチルメタクリ
レ−ト100部および過硫酸カリウム0.2部を仕込
み、高速ミキサ−にて乳化してプレエマルションを作成
する。反応装置に過硫酸カリウム0.1部を添加し、先
に準備したプレエマルションを3時間かけて滴下し反応
を行う。滴下終了後に80℃で2時間熟成して反応を完
結させてから室温まで冷却する。固形分40.5%、粘
度100cpである水性重合体組成物B−1を得た。
【0021】対照製造例−1 製造例−1と同様の反応装置にて、イオン交換水172
部、信越ポバ−ルPA−05 7部、信越ポバ−ルC−
17 8部を仕込み昇温し、90℃で2時間攪拌しなが
ら完全に溶解する。その後、50℃まで下げて酒石酸
0.1部、過酸化水素(35%)0.3部、酢酸ビニル
8部を仕込み徐々に80℃まで昇温させて乳化させる。
別の容器に準備した酢酸ビニル92部と過酸化水素0.
3部を別々に2時間かけた滴下する。滴下終了後、反応
温度を85℃まで昇温して1時間反応を熟成し完結させ
てから室温まで冷却する。固形分40%、粘度4000
cpである対照製造例−1を得た。
【0022】
【表1】
【0023】表中、単量体の種類を下記の略号で示し、
また共重合体の計算Tgは括弧内に示すそれぞれの単一
重合体のTgを用いた。 St:スチレン (Tg:100℃) MMA:メチルメタクリレ−ト (Tg:105℃) BA:ブチルアクリレ−ト (Tg:−52℃) VAC:酢酸ビニル (Tg:30℃) AAc:アクリル酸 (Tg:106℃) 表中、ポリビニルアルコ−ルをPVAの略号で示し、使
用したPVAの性状は下記の通りである。 PA−03:商品名 信越ポバ−ルPA−03 (信越
化学工業(株)製 ケン化度88モル% 重合度30
0) PA−05:商品名 信越ポバ−ルPA−05 (信越
化学工業(株)製 ケン化度88モル% 重合度50
0) C−17:商品名 信越ポバ−ルC−17 (信越化学
工業(株)製ケン化度98.5モル% 重合度170
0)
【0024】実施例1〜3 製造例−1〜3にて得られた水性重合体組成物A−1、
A−2、A−3を単独で接着剤組成物として試験したも
ので、対照製造例−1にて得られた組成物に比べて高い
初期接着力および折り曲げ強度を得た。その結果を表2
に示す。
【0025】実施例4および5 実施例4は製造例−1にて得られた水性重合体組成物A
−1の固形分100部に対してホウ酸3.5部を添加し
て接着剤組成物を調整した。実施例5は製造例−2にて
得られた水性重合体組成物A−2の固形分100部に対
してクレ−65部を添加して接着剤組成物を調整した。
その結果を表2に示す。その結果よりホウ酸またはクレ
−を添加することによって、添加しないもの実施例1お
よび2よりさらに高い初期接着力および折り曲げ強度を
得た。
【0026】実施例6 製造例−4にて得られた水性重合体組成物B−1の固形
分100部に対して20%濃度に溶解したPA−05を
200部(固形分40部)配合して接着剤組成物を調整
した。ビニル重合性単量体反応終了後に、PVAを水性
重合体組成物に配合しても、PVAの存在下に、ビニル
重合性単量体を反応して得られる水性重合体組成物でも
同じような初期接着力および折り曲げ強度が得られた
が、経時貯蔵安定性が劣った。その結果を表2に示す。
【0027】実施例7 製造例−4にて得られた水性重合体組成物B−1の固形
分100部に対して15%濃度に溶解したPA−18
(商品名 信越ポバ−ルPA−18 ケン化度88モル
% 重合度1800)を600部(固形分90部)、ホ
ウ酸12部、クレ−75部を配合して接着剤組成物を調
整した。実施例6と同じような初期接着力および折り曲
げ強度が得られたが、経時貯蔵安定性が劣った。その結
果を表2に示す。
【0028】比較例1 製造例−4にて得られる水性重合体組成物B−1の固形
分100部に対して20%濃度に溶解したPA−05を
75部(固形分15部)配合して接着剤組成物を調整し
た。実施例6に比べると、初期接着力および折り曲げ強
度共に低い結果を示した。また経時貯蔵安定性も劣っ
た。その結果を表2に示す。
【0029】比較例2 対照製造例−1にて得られる水性重合体組成物を単独で
接着剤組成物として試験したもので、初期接着力、皮膜
の強さ共に実施例1〜3よりも低い結果であった。その
結果を表2に示す。
【0030】比較例3 公知の方法と比較するため、対照製造例−1にて得られ
る水性重合体組成物の固形分100部に対してホウ酸を
1.5部、クレ−を50部添加して接着剤組成物を調整
した。初期接着力および折り曲げ強度共に実施例4、
5、7よりも低い結果であった。その結果を表2に示
す。
【0031】
【表2】
【0032】表中、ポリビニルアルコ−ルをPVAと略
号で示し、使用したPVAの性状は下記の通りである。 PA−05:商品名 信越ポバ−ルPA−05 (信越
化学工業(株)製 ケン化度88モル% 重合度50
0) PA−18:商品名 信越ポバ−ルPA−18 (信越
化学工業(株)製ケン化度88モル% 重合度180
0)
【0033】[試験方法]試験は、各々の接着剤組成物
の粘度を1200cpになるように水にて調整して行っ
た。
【0034】初期接着力 JT社製初期接着試験機にて、測定温湿度が23℃、6
5%の条件下で上質紙(55g/m2)を用いて、10
秒間圧着した後の接着力を測定した。
【0035】積層紙の折り曲げ強度 皮膜の硬さが積層紙の折り曲げ強度と比例する傾向にあ
るので硬さを折り曲げ強度で示した。試験用に調整した
接着剤組成物を上質紙(55g/m2)に塗布量15g
/m2(wet)なるように塗布し、同じ上質紙を貼り
合わせて10枚貼り合わせる。貼り合わせた試料を測定
温湿度(23℃、65%)内に5日間放置する。放置
後、試料を25mm幅に切断してから折り曲げ強度を測
定した。
【0036】経時貯蔵安定性 接着剤を300mlのガラス容器に入れ密栓して、室温
に1週間放置し液状態を観察する。 ○:異常なし △:分離あり
【0037】
【発明の効果】本発明の接着剤組成物は、酢酸ビニル系
接着剤に替わる紙用接着剤組成物として、初期接着力に
優れ、従来の無機充填剤を含む接着剤組成物でも得られ
なかった強靱な皮膜と硬さを有する紙用接着剤組成物で
ある。紙管や合紙用の接着剤として特に適する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ガラス転移温度が40〜120℃
    であるスチレンおよび/またはメチルメタクリレ−トを
    主成分とする重合体組成物100重量部と、(b)平均
    重合度200〜2000のポリビニルアルコ−ル系樹脂
    20〜150重量部とからなる紙用接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 (b)ポリビニルアルコ−ル系樹脂20
    〜150重量部の存在下に(a)スチレンおよび/また
    はメチルメタクリレ−トを主成分とするビニル重合性単
    量体100重量部を乳化重合することを特徴とする紙用
    接着剤組成物の製造法。
  3. 【請求項3】 (b)ポリビニルアルコ−ル系樹脂20
    〜150重量部の存在下に(a)スチレンおよび/また
    はメチルメタクリレ−トを主成分とするビニル重合性単
    量体を乳化重合させてなる重合体組成物にホウ酸および
    /または無機充填剤を添加してなる紙用接着剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8822596B2 (en) 2011-12-19 2014-09-02 Riso Kagaku Corporation Water-in-oil emulsion adhesive
EP2853572A1 (en) 2013-06-10 2015-04-01 Riso Kagaku Corporation Water-in-oil type emulsion adhesive

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