JPH0912966A - 剥離紙用アンダーコート剤 - Google Patents

剥離紙用アンダーコート剤

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JPH0912966A
JPH0912966A JP18803695A JP18803695A JPH0912966A JP H0912966 A JPH0912966 A JP H0912966A JP 18803695 A JP18803695 A JP 18803695A JP 18803695 A JP18803695 A JP 18803695A JP H0912966 A JPH0912966 A JP H0912966A
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憲泰 村田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アニオン性合成高分子保護コロイド40〜8
0重量部の存在下に、ノニオン性ビニルモノマー100
重量部を重合して得られる重合体エマルジョンを含有し
てなる剥離紙用アンダーコート剤。 【効果】 本発明によれば、溶剤型の剥離剤(たとえ
ば、溶剤型シリコーン樹脂のトルエン溶液)を台紙に塗
工した場合にも紙層中に剥離剤が吸収されることなく、
かつ塗工性に優れ、しかもシリコーン樹脂との密着性が
良好な剥離紙用アンダーコート剤を提供することができ
る。さらには該剥離紙用アンダーコート剤を使用して得
られる剥離紙は易回収性であり、省資源、環境問題にも
貢献できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、剥離紙用アンダーコー
ト剤に関する。詳しくは、溶剤型のシリコーン樹脂を塗
工してなる剥離紙に用いられる剥離紙用アンダーコート
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ラベル、シールの粘着剤に関連する分野
では剥離紙が広く使用されており、その生産量は年々増
加してきている。こうした剥離紙は、主に溶剤型もしく
はエマルジョン型のシリコーン樹脂等の剥離剤液を台紙
に直接塗布する方法により製造されていたが、塗工液が
台紙に浸透するため、近年では剥離紙を製造するにあた
って、まずポリエチレンを台紙の上にラミネートし、そ
の上に溶剤型のシリコーン樹脂を塗布する方法が主流と
なってきている。
【0003】しかし、省資源、環境問題から、紙をリサ
イクルして再生紙とする必要性が生じてきており、回収
性の悪い前記ポリエチレン方式の剥離紙を、易回収性の
剥離紙へ転換することが好まれるようになっている。剥
離紙を易回収性にする方法としては、ポリエチレンを台
紙の上にラミネートする代わりに、アンダーコート剤と
して、重合体エマルジョン等のラテックス類やポリビニ
ルアルコール、ポリアクリルアミド等の水溶性ポリマー
を台紙に塗布する方法が検討されている。
【0004】このような剥離紙用のアンダーコート剤に
用いられる重合体エマルジョンとしては、一般に低分子
量のノニオン性乳化剤またはアニオン性乳化剤の存在下
で、各種のビニルモノマーを乳化重合して得られたもの
が使用されている。しかし、こうした従来より知られて
いる重合体エマルジョンは、優れた塗工性を有するもの
の、低分子量の乳化剤を含有するため塗工膜の強度低下
を招き、耐溶剤性が悪く、シリコーン樹脂のトルエン溶
液を塗工する際に、台紙へトルエン溶液が浸透する問題
がある。また、かかる重合体エマルジョンは、シリコー
ン樹脂との密着性の点でも問題がある。さらには、重合
体エマルジョンには通常、重合時の乳化剤による乳化力
を補助し、かつ得られる重合体エマルジョンの保存安定
性を向上させるためにアニオン性ビニルモノマーが用い
られているが、アニオン性ビニルモノマーは得られる重
合体エマルジョン粒子の融着を妨げ、塗工膜の強度を低
下させるためシリコーン樹脂との密着性の点で好ましく
ない。
【0005】また、ポリビニルアルコール等の水溶性ポ
リマーを用いた剥離紙用のアンダーコート剤は、耐溶剤
性を向上させるため高分子量化物(すなわち、高粘度化
物)を使用する必要があり、水溶液の経時安定性、作業
性に劣る問題がある。一方、作業性の改善のため低濃度
で塗工した場合には、乾燥時間が長くなったり、台紙へ
の溶液の浸透が認められ好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、易回収性の
剥離紙に適し、しかも溶剤型のシリコーン樹脂を台紙に
塗工した場合にも紙層中にシリコーン樹脂が浸透するこ
となく、かつシリコーン樹脂との密着性が良好で、塗工
性にも優れた剥離紙用アンダーコート剤を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく、溶剤型のシリコーン樹脂を塗工してなる剥
離紙に用いられる剥離紙用アンダーコート剤について鋭
意検討を重ねた結果、以下に示す特定の重合体エマルジ
ョンによれば、前記課題を悉く解決しうることを見出し
た。本発明はかかる新たな知見により完成されたもので
ある。
【0008】すなわち、本発明は、アニオン性合成高分
子保護コロイド40〜80重量部の存在下に、ノニオン
性ビニルモノマー100重量部を重合して得られる重合
体エマルジョンを含有してなる剥離紙用アンダーコート
剤に関する。
【0009】アニオン性合成高分子保護コロイドとは、
アニオン性ビニルモノマーおよびノニオン性ビニルモノ
マーからなる共重合体をいう。
【0010】アニオン性ビニルモノマーとは、カルボン
酸基またはスルホン酸基を含有するビニルモノマーをい
い、カルボン酸基含有ビニルモノマーの具体例として
は、(メタ)アクリル酸(本発明において(メタ)アク
リル酸とは、アクリル酸および/または(メタ)アクリ
ル酸のことをいう、以下(メタ)とは同様の意味であ
る)、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸や、これら
のアルカリ金属塩、アンモニウム塩などがあげられ、ス
ルホン酸基含有ビニルモノマーの具体例としてはスチレ
ンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸や、これらのアルカリ金属塩、アンモニウ
ム塩などがあげられる。本発明のアニオン性合成高分子
保護コロイドとしては、これらアニオン性ビニルモノマ
ーのなかでも(メタ)アクリル酸またはその塩が好まし
く、特にメタクリル酸またはその塩が好ましい。なお、
アニオン性ビニルモノマーのカルボン酸基またはスルホ
ン酸基は、アニオン性合成高分子保護コロイドを製造し
た後に、これらを塩にしてもよい。
【0011】また、ノニオン性ビニルモノマーとして
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等
のスチレン系化合物;(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピ
ル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)ア
クリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキル
類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−
フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロー
ルモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)ア
クリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド、(メタ)
アクリロニトリル、酢酸ビニル、メチルビニルエーテ
ル、グリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、ウレタンアクリレート類、ジ
フェニル−2(メタ)アクリロイルオキシホスフェート
等の各種公知のものがあげられる。本発明のアニオン性
合成高分子保護コロイドのノニオン性ビニルモノマーと
しては、これらノニオン性ビニルモノマーのなかでも各
種の(メタ)アクリル系化合物が好ましく、特に(メ
タ)アクリル酸アルキル類が好ましい。
【0012】アニオン性ビニルモノマーとノニオン性ビ
ニルモノマーの使用量は、アニオン性ビニルモノマー5
0〜95重量部程度、ノニオン性ビニルモノマー5〜5
0重量部程度にするのが好ましい。より好ましくは、ア
ニオン性ビニルモノマー60〜80重量部、ノニオン性
ビニルモノマー20〜40重量部である。アニオン性ビ
ニルモノマーの使用量が50重量部より少ない場合に
は、剥離紙用アンダーコート剤の耐溶剤性が十分でな
く、95重量部を越える場合には、重合体エマルジョン
製造時のアニオン性合成高分子保護コロイドの乳化能力
が低くなり、得られた重合体エマルジョンの造膜性が低
下し耐溶剤性を満足できなくなる。
【0013】アニオン性合成高分子保護コロイドは、前
記アニオン性ビニルモノマーおよびノニオン性ビニルモ
ノマーをラジカル重合開始剤の存在下に公知の水溶液重
合方法により製造できる。
【0014】水溶液重合は、水溶液中で行える他に、エ
チルアルコール、n−、iso−プロピルアルコール、
ブチルアルコール等のアルコール中もしくはこれらアル
コールを含有するアルコール水溶液中、またはエチレン
グリコール、ジエチレングリコール等を含有する水溶液
中で行うこともできる。
【0015】前記ラジカル重合開始剤としては、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水
素、水性のアゾ系開始剤等の水溶性のラジカル重合開始
剤、または前記過硫酸塩等と亜硫酸水素ナトリウム、チ
オ硫酸ナトリウム等の還元剤とを組み合わせた形のレド
ックス系重合開始剤等があげられ、その使用量は前記ア
ニオン性ビニルモノマーとノニオン性ビニルモノマーの
合計量100重量部に対して0.05〜5重量部程度、
好ましくは0.1〜3重量部とするのがよい。
【0016】また、反応系の固形分濃度は通常30〜5
0重量%程度、好ましくは35〜45重量%である。ま
た、重合時のpHは通常4〜8程度の範囲とするのがよ
い。反応温度は、重合開始剤を活性化させる温度範囲で
あればよく、通常は40〜90℃程度、好ましくは60
〜85℃であり、反応時間は通常30分〜4時間程度が
よい。
【0017】得られたアニオン性合成高分子保護コロイ
ドは、不揮発分が通常30〜45重量%程度で、粘度を
1000cps程度以下(25℃)に調整するのがよ
い。また、重量平均分子量は5000〜10万程度であ
る。
【0018】次に、本発明の剥離紙用アンダーコート剤
として用いる重合体エマルジョンについて説明する。本
発明の重合体エマルジョンは、前記アニオン性合成高分
子保護コロイドの存在下で、ノニオン性ビニルモノマー
を重合することにより得られる。
【0019】アニオン性合成高分子保護コロイドの存在
下で重合するノニオン性ビニルモノマーは、前記アニオ
ン性合成高分子保護コロイドを構成するノニオン性ビニ
ルモノマーと同様のものを使用できる。
【0020】アニオン性合成高分子保護コロイドの使用
量は、当該ノニオン性ビニルモノマー100重量部に対
し、固形分で40〜80重量部、好ましくは50〜70
重量部である。アニオン性合成高分子保護コロイドの使
用量が40重量部より少ない場合には耐溶剤性を満足で
きず、80重量部を越える場合には得られる重合体エマ
ルジョンが高粘度になって塗工性が悪くなる。
【0021】このように本発明の剥離紙用アンダーコー
ト剤は、特定量のアニオン性合成高分子保護コロイドの
存在下で、ノニオン性ビニルモノマーを重合して得られ
た特定の重合体エマルジョンを使用することを特徴と
し、従来、低分子量の乳化剤を用いた場合の塗工膜の強
度低下による耐溶剤性、密着性の問題を改良したもので
ある。したがって、前記例示のノニオン性ビニルモノマ
ーであれば、特に制限なく、それぞれを単独で使用また
は2種以上を併用することができるが、前記例示のノニ
オン性ビニルモノマーのなかでも、アルキル基の炭素数
4〜8の(メタ)アクリル酸アルキル15〜55重量部
程度および水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル5〜
30重量部程度に、さらにこれら以外のノニオン性ビニ
ルモノマー15〜80重量部程度を加えて100重量部
に調製した混合物が、特に得られる剥離紙用アンダーコ
ート剤の耐溶剤性、密着性が優れる点で好ましい。
【0022】アルキル基の炭素数4〜8の(メタ)アク
リル酸アルキルとしては、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル等があげられる。アルキル基
の炭素数4〜8の(メタ)アクリル酸アルキルは、剥離
紙用アンダーコート剤に造膜性を付与でき、耐溶剤性、
密着性を向上させるため15〜55重量部程度使用する
のが好ましい。より好ましくは20〜45重量部であ
る。
【0023】また、水酸基含有(メタ)アクリル酸エス
テルとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、
グリセロールモノ(メタ)アクリレート等があげられ
る。水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルは、アニオ
ン性合成高分子保護コロイド以外に重合体エマルジョン
に親水性基を導入して耐溶剤性を向上でき、また他のノ
ニオン性ビニルモノマーとの共重合性が良好であるため
5〜30重量部程度使用するのが好ましい。より好まし
くは10〜20重量部である。
【0024】また、アルキル基の炭素数4〜8の(メ
タ)アクリル酸アルキル、水酸基含有(メタ)アクリル
酸エステル以外のノニオン性ビニルモノマーとしては、
アルキル基の炭素数1〜3の(メタ)アクリル酸アルキ
ルやスチレン系化合物を好ましく使用できる。
【0025】本発明の重合体エマルジョンの製造方法は
公知の乳化重合方法により行えばよい。たとえば、所定
の反応容器に前記アニオン性合成高分子保護コロイドお
よび水を仕込み、次いでノニオン性ビニルモノマーを仕
込み、乳化した後、ラジカル重合開始剤を加え、撹拌
下、加温する方法によればよい。その他の方法として
は、所定の反応容器に前記アニオン性合成高分子保護コ
ロイド及び水を仕込み所定の温度まで加熱し、次いでノ
ニオン性ビニルモノマーおよびラジカル重合開始剤を所
定の時間を要して連続的に滴下する方法がある。なお、
ノニオン性ビニルモノマーおよびラジカル重合性開始剤
の滴下方法は一括滴下、分割滴下のいずれの方法でもよ
い。
【0026】本発明の重合体エマルジョンの製造方法で
は、製造工程における凝集物の発生を抑制したり、製造
後の乳化物の安定性の点から、必要に応じ少量の乳化剤
を前記アニオン性合成高分子保護コロイドと併用するこ
ともできる。ただし、その使用量は得られる重合体エマ
ルジョンを用いた剥離紙用アンダーコート剤の塗工膜の
強度低下を考慮すれば、必要最低量に抑えるのがよい。
通常、ノニオン性ビニルモノマー100重量部に対し、
3重量部以下程度、好ましくは1重量部以下とするのが
よい。なお、乳化剤としては、特に限定されず各種のア
ニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤等があげられる。ア
ニオン性乳化剤としては、長鎖α−オレフィンスルホン
酸ナトリウム、アルキルジフェニルオキシエチレンアル
キルアリールエーテル硫酸エステル塩等を例示でき、ノ
ニオン性乳化剤としてはポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロ
ックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル等を例示できる。
【0027】前記ラジカル重合開始剤としては、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水
素、水性のアゾ系開始剤等の水溶性のラジカル重合開始
剤、または前記過硫酸塩等と亜硫酸水素ナトリウム、チ
オ硫酸ナトリウム等の還元剤とを組み合わせた形のレド
ックス系重合開始剤等があげられる。通常、前記開始剤
の使用量は前記ノニオン性ビニルモノマー100重量部
に対して0.05〜5重量部程度、好ましくは0.1〜
3重量部とするのがよい。
【0028】反応系の固形分濃度は通常30〜55重量
%程度、好ましくは35〜45重量%とするのがよい。
また、重合時のpHは通常3〜9程度の範囲とするのが
よい。反応温度は、重合触媒を活性化させる温度範囲で
あればよく通常は40〜90℃程度、好ましくは60〜
85℃であり、反応時間は通常30分〜4時間程度がよ
い。
【0029】また、反応に際しては、重合促進剤として
遷移金属イオンを添加してもよい。遷移金属イオンとし
ては、銅イオン等があげられ、反応系中の遷移金属イオ
ン濃度が、通常1.0×10-8〜1.0×10-3モル/
リットル程度となるように使用するのがよい。
【0030】このようにして、平均粒子径が通常10〜
300nm程度の微粒子を含んだ重合体エマルジョンが
得られる。また、該重合体エマルジョンを剥離紙用アン
ダーコート剤として使用するにあたっては不揮発分を通
常30〜45重量%程度で、粘度を1000cps程度
以下(25℃)に調整するのがよい。
【0031】また、このようにして得られたエマルジョ
ン重合体のガラス転移温度は15〜90℃、好ましくは
25〜70℃である。ガラス転移温度が15℃に満たな
い場合には塗工面のステッキング性が十分でなく、90
℃を越える場合には塗工膜の造膜性が十分でなく、耐溶
剤性、密着性の点で好ましくない。
【0032】なお、本発明の剥離紙用アンダーコート剤
を台紙に塗工するにあたっては、グリオキザール、水溶
性ジルコニウム化合物等の架橋剤を併用することによ
り、高温高湿におけるシリコーン樹脂との密着性をさら
に向上させることができる。剥離紙用アンダーコート剤
の塗工方法としてはワイヤーバー、ブレードコーター、
エアナイフコーター、ロールコーター等を採用でき、ま
た乾燥はオーブン、ドラムドライヤー等の公知の乾燥装
置を採用できる。さらにはキャレンダー処理を施し、所
望の平滑度となるように調整してもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、溶剤型の剥離剤(たと
えば、溶剤型シリコーン樹脂のトルエン溶液)を台紙に
塗工した場合にも紙層中に剥離剤が吸収されることな
く、かつ塗工性に優れ、しかもシリコーン樹脂との密着
性が良好な剥離紙用アンダーコート剤を提供することが
できる。さらには該剥離紙用アンダーコート剤を使用し
て得られる剥離紙は易回収性であり、省資源、環境問題
にも貢献できる。
【0034】
【実施例】以下に、製造例、実施例および比較例をあげ
て、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。尚、各例中の%
は、特に断らない限り重量基準である。なお、ガラス転
移温度は、示差熱分析装置により測定した。
【0035】製造例1(アニオン性合成高分子保護コロ
イドの合成) 撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、モノマー滴下ロ
ート及び温度計を備えた反応容器に、イソプロピルアル
コール200g及び水200gを仕込み、加熱を開始
し、窒素気流下で80℃に昇温を行った。メタクリル酸
210gとメタクリル酸メチル90gからなるモノマー
混合液及び14%過硫酸カリウム開始剤水溶液100g
を連続的に2時間を要して添加した。モノマー混合液添
加終了後60分間反応させ樹脂溶液を得た。得られた樹
脂溶液は、水蒸気蒸留法によりイソプロピルアルコール
を除去した。ついで水及びアンモニア水を添加して濃度
及びpHを調整し、不揮発分30%、pH7.2、25
℃における粘度85cpsの水溶性樹脂溶液を得た。水
溶性樹脂の重量分子量は35000であった。
【0036】製造例2(アニオン性合成高分子保護コロ
イドの合成) 撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、モノマー滴下ロ
ート及び温度計を備えた反応容器に、イソプロピルアル
コール400gを仕込み、加熱を開始し、窒素気流下で
80℃に昇温を行った。メタクリル酸150gとメタク
リル酸メチル150gからなるモノマー混合液及び14
%過硫酸カリウム開始剤水溶液100gを連続的に2時
間を要して添加した。モノマー混合液添加終了後60分
間反応させ樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液は、水蒸
気蒸留法によりイソプロピルアルコールを除去した。つ
いで水及びアンモニア水を添加して濃度及びpHを調整
し、不揮発分30%、pH7.2、25℃における粘度
30cpsの水溶性樹脂溶液を得た。水溶性樹脂の重量
分子量は28000であった。
【0037】製造例3(アニオン性合成高分子保護コロ
イドの合成) 撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、モノマー滴下ロ
ート及び温度計を備えた反応容器に、イソプロピルアル
コール400gを仕込み、加熱を開始し、窒素気流下で
80℃に昇温を行った。メタクリル酸90gとメタクリ
ル酸メチル210gからなるモノマー混合液及び14%
過硫酸カリウム開始剤水溶液100gを連続的に2時間
を要して添加した。モノマー混合液添加終了後60分間
反応させ樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液は、水蒸気
蒸留法によりイソプロピルアルコールを除去した。つい
で水及びアンモニア水を添加することにより濃度及びp
Hを調整し、不揮発分30%、pH7.2、25℃にお
ける粘度30cpsの水溶性樹脂溶液を得た。水溶性樹
脂の重量分子量は28000であった。
【0038】実施例1 撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、モノマー滴下ロ
ート及び温度計を備えた反応容器に、製造例1で得られ
た不揮発分30%の水溶性樹脂溶液(アニオン性合成高
分子保護コロイド)200gおよび水50gを仕込み、
加熱しなが80℃まで昇温した。つぎに、アクリル酸ブ
チル、メタクリル酸メチルおよび2−ヒドロキシエチル
メタクリレートからなるモノマー混合液(重量混合比は
順に35:45:20)100g及び1.8%過硫酸ア
ンモニウム水溶液100gを一定速度で約3時間を要し
て添加し重合させた。モノマー混合液添加終了後60分
間反応させ重合体エマルジョンを得た。得られた重合体
エマルジョンに水を添加して濃度を調整し、不揮発分3
0%、pH6.9、25℃における粘度35cpsの重
合体エマルジョンとした。なお、得られたエマルジョン
重合体のガラス転移温度は60℃であった。
【0039】実施例2 実施例1において、アニオン性合成高分子保護コロイド
として、製造例1で得られた不揮発分30%の水溶性樹
脂溶液に代えて、製造例2で得られた不揮発分30%の
水溶性樹脂溶液を使用した以外は実施例1と同様に行い
重合体エマルジョンを得た。得られた重合体エマルジョ
ンに水を添加して濃度を調整し、不揮発分30%、pH
6.8、25℃における粘度25cpsの重合体エマル
ジョンとした。なお、得られたエマルジョン重合体のガ
ラス転移温度は56℃であった。
【0040】実施例3 実施例1において、モノマー混合液として、2−エチル
へキシルアクリレート、スチレン、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート(重量混合比は順に35:45:20)
200gを使用した以外は実施例1と同様に行い重合体
エマルジョンを得た。得られた重合体エマルジョンに水
を添加して濃度を調整し、不揮発分30%、pH6.
8、25℃における粘度55cpsの重合体エマルジョ
ンとした。なお、得られたエマルジョン重合体のガラス
転移温度は42℃であった。
【0041】実施例4 実施例1において、アニオン性合成高分子保護コロイド
として、製造例1で得られた不揮発分30%の水溶性樹
脂溶液に代えて、製造例3で得られた不揮発分30%の
水溶性樹脂溶液を使用した以外は実施例1と同様に行い
重合体エマルジョンを得た。得られた重合体エマルジョ
ンに水を添加して濃度を調整し、不揮発分30%、pH
7.2、25℃における粘度33cpsの重合体エマル
ジョンとした。なお、得られたエマルジョン重合体のガ
ラス転移温度は52℃であった。
【0042】比較例1 撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、モノマー滴下ロ
ート及び温度計を備えた反応容器に、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸エステル塩(商品名ハイテノー
ルN−08、第一工業製薬(株)製)3g及び水125
gを仕込んだ。つぎに、2ーエチルへキシルアクリレー
ト、メタクリル酸メチルおよび2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートからなるモノマー混合液(重量混合比は順
に35:45:20)100gを加えて窒素気流下で昇
温を行い、70℃で過硫酸カリウム開始剤(系中濃度
6.0×10-3モル/リットル)を添加し重合を開始さ
せた。重合温度が80℃を越えないように60分反応さ
せて重合体エマルジョンを得た。得られた重合体エマル
ジョンの不揮発分は30%、pH8.2、25℃におけ
る粘度33cpsであった。なお、得られたエマルジョ
ン重合体のガラス転移温度は7℃であった。
【0043】比較例2 実施例1において、製造例1で得られた不揮発分30%
の水溶性樹脂溶液(アニオン性合成高分子保護コロイ
ド)の使用量を100gに変えた以外は実施例1と同様
に行い重合体エマルジョンを得た。得られた重合体エマ
ルジョンに水を添加して濃度を調整し、不揮発分30
%、pH7.5、25℃における粘度20cpsの重合
体エマルジョンとした。なお、得られたエマルジョン重
合体のガラス転移温度は39℃であった。
【0044】比較例3 実施例1において、モノマー混合液として、アクリル
酸、メタクリル酸メチルおよび2−エチルヘキシルメタ
クリレートからなるモノマー混合液(重量混合比は順に
35:45:20)200gを使用した以外は実施例1
と同様に行い重合体エマルジョンを得た。得られた重合
体エマルジョンに水を添加して濃度を調整し、不揮発分
30%、pH3.2、25℃における粘度100cps
の重合体エマルジョンとした。なお、得られたエマルジ
ョン重合体のガラス転移温度は116℃であった。
【0045】(性能評価)実施例1〜4及び比較例1〜
3で得られた重合体エマルジョン、重合度500の完全
ケン化ポリビニルアルコール(商品名PVA105、
(株)クラレ製、比較例4)を表1に示す塗工濃度に調
整したのち、固形分付着量が5g/m2 となるようにP
PC用紙に塗布および乾燥を行い、さらにカレンダー処
理(50Kg/cm)を施した。これを試料として下記
の方法に従って性能試験を行った。その結果を表1に示
す。
【0046】(耐溶剤性)染料を溶かしたトルエンを絵
筆を用いて塗布面に塗り、裏抜けの有無を観察した。 ○:裏抜けなし。 △:所々に裏抜け有り。 ×:裏抜け多い。
【0047】(シリコーン密着性)トルエンで5%濃度
に希釈したシリコーン樹脂(KS776A、信越化学工
業(株)製)に硬化触媒(CAT−PL−8、信越化学
工業(株)製)を1%(KS766Aの固形分に対し
て)添加したものを、固形分付着量が1g/m2 となる
ように塗工した後、まず70℃で30秒間乾燥させ、次
いで140℃で1分間乾燥硬化させた。その後、20
℃、湿度65%の条件下で1日放置した後(条件1)
と、50℃、湿度90%(条件2)の各条件下で1週間
放置した後、塗布面を指で擦りシリコーンの剥離状態を
観察した。 ○:剥離しない。 △:少し剥離する。 ×:完全に剥離する。
【0048】
【表1】
【0049】比較例4は、塗工濃度が実施例の半分の1
0%にもかかわらず、塗工時にムラが生じた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 27/00 D21H 5/00 B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニオン性合成高分子保護コロイド40
    〜80重量部の存在下に、ノニオン性ビニルモノマー1
    00重量部を重合して得られる重合体エマルジョンを含
    有してなる剥離紙用アンダーコート剤。
  2. 【請求項2】 アニオン性合成高分子保護コロイドが、
    (メタ)アクリル酸および/またはその塩50〜95重
    量部と、(メタ)アクリル系のノニオン性ビニルモノマ
    ー5〜50重量部との共重合体である請求項1の記載の
    剥離紙用アンダーコート剤。
  3. 【請求項3】 ノニオン性ビニルモノマー100重量部
    が、アルキル基の炭素数4〜8の(メタ)アクリル酸ア
    ルキル15〜55重量部、水酸基含有(メタ)アクリル
    酸エステル5〜30重量部及び前記以外のノニオン性ビ
    ニルモノマー15〜80重量部からなる混合物である請
    求項1記載の剥離紙用アンダーコート剤。
  4. 【請求項4】 エマルジョン重合体のガラス転移温度が
    15〜90℃である請求項1記載の剥離紙用アンダーコ
    ート剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002226769A (ja) * 2001-02-02 2002-08-14 Arakawa Chem Ind Co Ltd 剥離紙用アンダーコート剤
KR100755962B1 (ko) * 2004-12-23 2007-09-11 롬 앤드 하아스 컴패니 폴리머 첨가제 및 이를 포함하는 접착제 조성물
US20120325418A1 (en) * 2011-06-22 2012-12-27 Schoeller Technocell Gmbh & Co. Kg Prepreg

Cited By (4)

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KR100755962B1 (ko) * 2004-12-23 2007-09-11 롬 앤드 하아스 컴패니 폴리머 첨가제 및 이를 포함하는 접착제 조성물
US20120325418A1 (en) * 2011-06-22 2012-12-27 Schoeller Technocell Gmbh & Co. Kg Prepreg
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