JP2002105383A - 水性ガスバリアー性コーティング用組成物及びその製造方法 - Google Patents

水性ガスバリアー性コーティング用組成物及びその製造方法

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JP2002105383A
JP2002105383A JP2000302378A JP2000302378A JP2002105383A JP 2002105383 A JP2002105383 A JP 2002105383A JP 2000302378 A JP2000302378 A JP 2000302378A JP 2000302378 A JP2000302378 A JP 2000302378A JP 2002105383 A JP2002105383 A JP 2002105383A
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meth
acrylate
gas barrier
polyvinyl alcohol
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JP2000302378A
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English (en)
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Masayuki Tanabe
政幸 田辺
Eiichi Fujino
栄一 藤野
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Saiden Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Saiden Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度で低粘度であり貯蔵安定性にも優れ、
さらに優れたガスバリアー性を有する水性コーティング
用組成物の提供。 【解決手段】 (A)(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルを主成分とする共重合体組成物100重量部と、
(B)ケン化度が93モル%以上のポリビニルアルコー
ル系樹脂40〜200重量部とからなる水性ガスバリア
ー性コーティング用組成物、さらにポリビニルアルコー
ル系樹脂固形分100部に対し硼酸を5〜20重量部添
加してなる水性ガスバリアー性コーティング用組成物及
びその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリアー性に
優れた塗膜を有するコーティング用組成物に関する。更
に詳しくは、高濃度低粘度で優れた作業性を有し貯蔵安
定性に優れ、さらに優れたガスバリアー性を有する水性
ガスバリアー性コーティング用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品や医薬品等を包装するための
包装材料は、酸素による包装内容物の酸化劣化を防ぐた
めに、ガスバリアー性を有する包装材料が使用されてい
る。
【0003】従来ガスバリアー層としては、アルミ等の
金属箔や金属蒸着樹脂フィルム、ポリ塩化ビニリデン系
樹脂やエチレンとビニルアルコールとの共重合体等の樹
脂フィルム、あるいはこれらの樹脂をコーティングした
フィルム等が主に用いられている。
【0004】しかしながら、金属箔や金属蒸着フィルム
は、ガスバリアー性には優れているが、包装材料を介し
て内容物が確認できないという問題があり、また、使用
後の廃棄性にも不燃物として処理しなければならない問
題がある。更に塩化ビニリデン系樹脂を使用した包装材
料は、ガスバリアー性や透明性は優れているが、塩素を
含有しているため今日問題になっている焼却時のダイオ
キシン等公害・環境問題で使用できにくいのが現状であ
る。
【0005】他方、ポリビニルアルコールをコーティン
グしたフィルムは、透明性があり、廃棄性の問題も少な
い。これらのことから、各種ラミネートフィルムや多層
コートフィルムにポリビニルアルコール系樹脂がガスバ
リアー剤として広く使用されている。
【0006】例えば、特開2000−63753号公報
では、オルガノシラン、ポリビニルアルコールおよび/
またはエチレン・ビニルアルコール共重合体、ならびに
オルガノシロキサンを主成分とするコーティング剤が開
示されている。これは、水溶液であるために溶解濃度が
低く、作業性に問題がある。
【0007】さらに、特開2000−119585号公
報では、炭素数が4以下のα―オレフィン単位を3から
9モル%含有する水溶性ポリビニルアルコール系重合体
からなるフィルムコ−ティング剤が開示されているし、
特開2000−178471号公報では、水酸化ナトリ
ウム水溶液または水酸化カリウム水溶液にそれぞれ分子
レベルで溶解・分散させたポリビニルアルコールおよび
珪酸塩を含むガスバリアーコート剤を開示している。こ
れらは、共に水溶液であるために溶解濃度が低く、作業
性に問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ポリビニルアルコール
系樹脂は、一般に水溶液の状態で基材の表面にコーティ
ングされている。このような水溶液は溶液濃度を上げる
と粘度が非常に上昇するため、塗工膜を厚くしようとす
るには、作業性の良い低濃度の水溶液を使用して多数回
コートするする必要があり、又、ガスバリアー性を高め
るために、かなり多くの塗布量をフィルム上にコートし
なければならず、乾燥時間の問題や塗布むらの原因にも
なり作業性が大きな問題になる。よって水溶液の高濃度
化が要求されている。本発明の目的は、この作業性を解
決するために、高濃度で低粘度であり貯蔵安定性にも優
れ、さらに優れたガスバリアー性を有する水性ガスバリ
アー性コーティング用組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリビニルアル
コールの存在下に(メタ)アクリル酸アルキルエステル
を主成分とする単量体混合物を乳化重合して得られる共
重合体組成物が、高濃度でしかも低粘度であり作業性に
優れ、貯蔵安定性にも優れ、さらにポリビニルアルコー
ルの優れたガスバリアー性をも併せ持つことを見出し、
本発明に至った。
【0010】すなわち、本発明は、(A)(メタ)アク
リル酸アルキルエステルを主成分とする共重合体組成物
100重量部と、(B)ケン化度が93モル%以上のポ
リビニルアルコール系樹脂40〜200重量部とからな
り、さらに硼酸を添加してなる水性ガスバリアー性コー
ティング用組成物であり、ケン化度が93モル%以上の
ポリビニルアルコール系樹脂の存在下に、(メタ)アク
リル酸アルキルエステルを主成分とする単量体混合物を
水媒体中で乳化重合する製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を詳細に説明
する。本発明の水性ガスバリアー性コーティング用組成
物に使用する単量体は、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルが主成分であり、その使用量は、全単量体に対し
て80〜100重量%であり、好ましくは90〜100
重量%である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
しては、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリ
レート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレ
ート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチ
ル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチ
ル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレ
ート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メ
タ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、
ドデシル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)ア
クリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ベンジ
ル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラデシ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ
ート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エチ
ルカルビトール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これら群より選ばれた少なくとも1種以上の単量体を使
用することができる。
【0012】その他共重合可能な単量体としては、芳香
族ビニル系単量体としてスチレン、α―メチルスチレ
ン、クロロスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ビニル
トルエン、及び(メタ)アクリロニトリル、さらにビニ
ル単量体として酢酸ビニル、プロピオン酸ビニリ、バー
サティック酸ビニル等が挙げられ、これらの群より選ば
れた少なくとも1種以上の単量体を併用することができ
る。
【0013】更に、これら非官能性単量体に加えて、カ
ルボキシル基、水酸基、アミド基、カルボニル基、アミ
ノ基等の官能基を有する単量体も併用することができ
る。具体例としては、カルボキシル基含有単量体;(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコ
ン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、及びマレイン酸、
イタコン酸の炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖を有する
アルコールとのハーフエステル等、水酸基含有単量体;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリ
レート等、アミド基含有単量体;(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)ア
クリルアミド等、カルボニル基含有単量体;アクロレイ
ン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミスチロール、ビ
ニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、(メタ)アク
リロオキシアルキルプロペナール、ジアセトン(メタ)
アクリレート、アセトニル(メタ)アクリレート、アセ
トアセトキシエチル(メタ)アクリレート等、アミノ基
含有単量体;アミノエチル(メタ)アクリレート、メチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レート、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−メ
チルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド等が挙げられる。これらの群より選ばれた少なくとも
1種以上使用することができる。その使用量は、10重量
%以下である。10重量%を超えると、多湿度の条件下
でのガスバリアー性が低下する。
【0014】さらに、少量のジビニルベンゼン、ジアリ
ルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の
2〜3個の二重結合を有する架橋性単量体、グリシジル
(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミ
ド等の反応性単量体を使用することもできる。
【0015】本発明に使用するポリビニルアルコール系
樹脂は、一般に、酢酸ビニルを塊状、溶液、懸濁、乳化
等の公知の重合方法によって重合又は共重合して得られ
たポリ酢酸ビニルを公知の方法によってケン化すること
により得られる。ただし、ポリ酢酸ビニルに限定され
ず、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、バ
ーサティック酸ビニル等のビニルエステルを使用しても
よいが、工業的には安価に製造される酢酸ビニルが好ま
しい。
【0016】本発明に使用するポリビニルアルコール系
樹脂は、好ましくは、ケン化度が93〜99.9モル
%、重合度が500〜2,000を有するポリビニルア
ルコール系樹脂から選ばれた1又は2種以上を使用す
る。特に、ガスバリアー性と作業性のバランスの取れた
高濃度低粘度のコーティング用組成物を得るための好ま
しい実施態様の1例として、ケン化度が93〜95モル
%で重合度が500〜1,000のポリビニルアルコー
ル系樹脂とケン化度が96〜99.9モル%で重合度が
1,000〜2,000のポリビニルアルコール系樹脂
の2種類を組み合わせて使用するなどの方法が挙げられ
る。
【0017】本発明の効果を損なわない範囲で変性ポリ
ビニルアルコール、メチルセルローズ、ヒドロキシエチ
ルセルローズ、澱粉、変性澱粉等を併用して使用するこ
ともできる。変性ポリビニルアルコールとしては、カチ
オン変性ポリビニルアルコール、チオール変性ポリビニ
ルアルコール、珪素含有ポリビニルアルコール、カルボ
キシル基変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。変
性澱粉としては、カチオン化澱粉、エーテル化澱粉、ウ
レタン化澱粉、酸化澱粉等が挙げられる。
【0018】本発明に使用するケン化度が93モル%以
上のポリビニルアルコール系樹脂の使用量は、共重合体
組成物100重量部に対して40〜200重量部であ
る。使用量が40重量部より少ない場合は、作業性は良
好であるが、ガスバリアー性が不足する。200重量部
を超える場合は、高濃度低粘度の組成物が得られない。
好ましくは60〜150重量部である。
【0019】本発明の水性ガスバリアー性コーティング
用組成物は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを通
常の乳化重合方法で得られる共重合体組成物に、ケン化
度が93モル%以上のポリビニルアルコール系樹脂を配
合することによって得ることができるが、配合物の貯蔵
安定性が低下する傾向にある。本発明においてより好ま
しい製造方法は、ケン化度が93〜99.9モル%のポ
リビニルアルコール系樹脂の存在下に、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル単量体混合物を乳化重合して得る
方法である。該方法としては、ケン化度が93〜99.
9モル%のポリビニルアルコール系樹脂の存在下に(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル単量体混合物100重
量を乳化重合して得られる組成物に、ケン化度が93〜
99.9モル%のポリビニルアルコール系樹脂の合計量
が本発明の範囲である40〜200重量部になるように
任意の量を配合する方法により得られる。さらに好まし
くは、通常乳化重合で使用される乳化剤を使用せずに、
ポリビニルアルコールのみを保護コロイドとして(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルを乳化重合する方法で
ある。通常の乳化剤を使用して得られた重合体組成物
は、使用している乳化剤のため多湿条件下でのガスバリ
アー性に悪影響を及ぼすとの知見を得ており、乳化剤を
使用しない本発明の乳化重合法でも、安定な水性分散液
を製造することができ、高濃度、低粘度の作業性が良
く、さらに優れたガスバリアー性を有し、貯蔵安定性も
良好な組成物を得ることができる。
【0020】前述の乳化重合は、ラジカル重合開始剤を
用い、ポリビニルアルコール水溶液中に、(メタ)アク
リル酸アルキルエステルを滴下重合させる乳化重合法で
行うことができる。また必要に応じて重合調整剤や粒子
径調整剤等を使用することもできる。ラジカル重合開始
剤としては、熱または還元性物質等によってラジカルを
生成して単量体の付加重合を起させるもので、水溶性ま
たは油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が
ある。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過
硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビ
ス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、2,
2−アゾビス(2,4―ジメチルバレロニトリル)等が
あり、好ましくは水溶性の重合開始剤である。その使用
量は、単量体に対して通常0.05〜2重量部である。
なお、重合速度の促進、さらに低温での重合を行う場合
には、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン
酸塩、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等
の還元剤をラジカル重合開始剤と組み合わせて使用する
こともできる。
【0021】本発明の水性ガスバリアー性コーティング
用組成物のガスバリアー性をさらに向上させるために、
硼酸を添加することが好ましい。硼酸を添加することに
よりポリビニルアルコール系樹脂が架橋するため湿度の
影響が少なくなり、特に多湿度の条件下でのガスバリア
ー性が向上するものと考えられる。硼酸の添加量は、使
用するポリビニルアルコール100重量部に対して5〜
20重量部が好ましい。その使用量が5重量部より少な
い場合には、多湿度の条件下でのガスバリアー性が低下
する。20重量部を超えると、水溶液が増粘あるいはゲ
ル化する。
【0022】本発明の水性ガスバリアー性コーティング
用組成物に使用される基材フィルムとしては、特に特定
しないがポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィル
ムあるいはナイロンフィルム等が挙げられる。
【0023】本発明の水性ガスバリアー性コーティング
用組成物には、必要に応じて公知の添加物である着色顔
料、粘性調整剤、消泡剤、防腐剤、分散剤、凍結防止
剤、難燃剤、pH調整剤等を本発明の効果を損なわない
範囲で配合することができる。
【0024】
【実施例】以下に、本発明を実施例において詳しく説明
するが、本発明はこれによって制限されるものではな
い。なお、実施例及び比較例における部もしくは%とあ
るのは、特にことわりのない限り、重量部または重量%
を示す。
【0025】実施例1 攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置及び窒素導入管
を備えた反応装置にイオン交換水156部、信越ポバー
ルC−17(ケン化度98.5モル%、重合度1,70
0 信越化学工業(株)製)15部を仕込み、90℃で
2時間攪拌し、信越ポバールC−17を完全に溶解させ
た。内温を80℃まで下げ、窒素を封入して、5%濃度
の過硫酸カリウム水溶液2部を添加し、内温80℃に保
ちながらアクリル酸メチル78部、アクリル酸ブチル2
2部の単量体混合物を3時間滴下し重合反応を行なっ
た。滴下終了後5%濃度の過硫酸カリウム水溶液1部を
添加し、80℃で2時間熟成し室温まで冷却した。得ら
れた水性重合体組成物は、固形分40%、粘度23,5
00mPa・s/30℃であった。該水性重合体組成物
100部(固形分40%)に対して、攪拌しながら予め
20%濃度に溶解した信越ポバールMA−05(ケン化
度94.5モル%、重合度500 信越化学工業(株)
製)120部、硼酸2.9部、pH調整剤としてクエン
酸0.3部、イオン交換水36部を配合した。固形分2
5%、粘度530mPa・s/30℃なる水性ガスバリ
アー性コーティング剤を得た。ガスバリアー性(酸素透
過度)及び貯蔵安定性共に良好であった。結果は表1に
示す。
【0026】実施例2 実施例1で得られた水性重合体組成物100部(固形分
40%)に対して、攪拌しながら予め20%濃度に溶解
した信越ポバールMA−05を224.5部、硼酸5
部、pH調整剤としてクエン酸0.3部、イオン交換水
30部を配合して、固形分25%、粘度1,000mP
a・s/30℃なる水性ガスバリアー性コーティング剤
を得た。ガスバリアー性(酸素透過度)及び貯蔵安定性
共に良好であった。結果は表1に示す。
【0027】実施例3 実施例1の単量体組成をMMA40部、BA60部に変
える以外は実施例1と全く同様にして、固形分25%、
粘度620mPa・s/30℃なる水性ガスバリアー性
コーティング剤を得た。ガスバリアー性(酸素透過度)
及び貯蔵安定性共に良好であった。結果は表1に示す。
【0028】実施例4 実施例1と同様な装置にイオン交換水580部、信越ポ
バールC−17を16部と信越ポバールMA−05を6
9部仕込み、90℃で2時間攪拌し、信越ポバールC−
17及びMA−05を完全に溶解させた。内温を80℃
まで下げ、窒素を封入し、5%濃度の過硫酸カリウム水
溶液2部を添加し、内温を80℃に保ちながらアクリル
酸エチル80部、メタクリル酸メチル19部、アクリル
酸1部からなる単量体混合物を3時間滴下し重合反応を
行なった。滴下終了後5%濃度の過硫酸カリウム水溶液
1部を添加し、80℃で2時間熟成し室温まで冷却し
た。攪拌しながら硼酸8.5部、pH調整剤としてクエ
ン酸0.4部を配合した。固形分25%、粘度840m
Pa・s/30℃なる水性ガスバリアー性コーティング
剤を得た。ガスバリアー性(酸素透過度)及び貯蔵安定
性共に良好であった。結果は表1に示す。
【0029】実施例5 実施例1と同様な装置にイオン交換水735部、信越ポ
バールC−17を25部と信越ポバールMA−05を1
20部仕込み、90℃で2時間攪拌し、信越ポバールC
−17及びMA−05を完全に溶解させた。内温を80
℃まで下げ、窒素を封入し、5%濃度の過硫酸カリウム
水溶液2部を添加し、内温を80℃に保ちながらアクリ
ル酸ブチル40部、メタクリル酸メチル60部の単量体
混合物を3時間滴下し重合反応を行なった。滴下終了後
5%濃度の過硫酸カリウム水溶液1部を添加し、80℃
で2時間熟成し室温まで冷却した。固形分20%、粘度
2,600mPa・s/30℃なる水性ガスバリアー性
コーティング剤を得た。ガスバリアー性(酸素透過度)
及び貯蔵安定性共に良好であった。結果は表1に示す。
【0030】比較例1 実施例1の信越ポバールC−17を信越ポバールPA−
03(ケン化度88モル%、重合度300 信越化学工業
(株)製)に変える以外は実施例1と全く同様にして、
固形分25%、粘度460mPa・s/30℃なる水性
ガスバリアー性コーティング剤を得た。貯蔵安定性は良
好であったが、ガスバリアー性(酸素透過度)が悪かっ
た。結果は表1に示す。
【0031】比較例2 信越ポバールC−17の15%濃度水溶液を作製し、試
験した。ガスバリアー性(酸素透過度)は良好であった
が、粘度が高すぎることや貯蔵中にゲル化してしまっ
た。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1中、単量体及びポリビニルアルコール
の種類を下記の略号で示した。 単量体 MA :アクリル酸メチル EA :アクリル酸エチル BA :アクリル酸ブチル MMA:メタクリル酸メチル AAc:アクリル酸 ポリビニルアルコール(PVA) C−17 :信越ポバール(信越化学工業(株)製、ケ
ン化度98.5モル%、重合度1,700) MA−05:信越ポバール(信越化学工業(株)製、ケ
ン化度94.5モル%、重合度500) PA−03:信越ポバール(信越化学工業(株)製、ケ
ン化度88モル%、重合度300)
【0034】試験方法 1.ガスバリアー性 本発明の水性ガスバリアー性コーティング剤を厚さ20
μmのOPPフィルムコロナ処理面にメイヤーバーで塗
布厚が2.5μmになるように塗工し、100℃、30
秒間乾燥させ試料とした。試料をガスバリアー試験機O
XTRAN−100(Morder Control社
製)により20℃、60%RHの雰囲気中で酸素透過度
を測定する。単位はcc/m・24hrである。 2.貯蔵安定性 本発明の水性ガスバリアー性コーティング剤を30℃中
に1ヶ月間放置して粘度の変化を測定した。粘度測定は
30℃にて行なった。
【0035】
【発明の効果】本発明は、ポリビニルアルコール水溶液
中で(メタ)アクリル酸エステル系単量体を乳化重合反
応させることにより、高濃度で低粘度の作業性が良好
で、ガスバリアー性が優れたコーティング剤が得られ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 133/04 C09D 133/04 151/00 151/00 Fターム(参考) 4J011 AA01 KA16 KA21 KA25 KB29 PA67 PB40 PC02 PC06 4J026 AA30 AC23 BA25 BA27 BB03 BB04 DB04 DB14 FA04 GA06 4J038 CE021 CE022 CG141 CH031 CH041 CH111 CH141 CJ031 CJ101 CJ131 GA02 GA03 GA06 GA09 HA476 KA02 LA02 MA08 MA10 NA08 NA23 NA26 PB04 PC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(メタ)アクリル酸アルキルエス
    テルを主成分とする共重合体組成物100重量部と、
    (B)ケン化度が93モル%以上のポリビニルアルコー
    ル系樹脂40〜200重量部とからなる水性ガスバリア
    ー性コーティング用組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水性ガスバリアーコー
    ティング用組成物のポリビニルアルコール系樹脂100
    重量部に対して、硼酸を5〜20重量部添加してなる水
    性ガスバリアー性コーティング用組成物。
  3. 【請求項3】 (B)ケン化度が93モル%以上のポリ
    ビニルアルコール系樹脂の存在下に、(A)(メタ)ア
    クリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体混合物
    を水媒体中で乳化重合して得られる請求項1又は2のい
    ずれかの項に記載の水性ガスバリアー性コーティング用
    組成物の製造方法。
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