JPH11263918A - 色素化合物の製造方法及び新規化合物 - Google Patents

色素化合物の製造方法及び新規化合物

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JPH11263918A
JPH11263918A JP10065897A JP6589798A JPH11263918A JP H11263918 A JPH11263918 A JP H11263918A JP 10065897 A JP10065897 A JP 10065897A JP 6589798 A JP6589798 A JP 6589798A JP H11263918 A JPH11263918 A JP H11263918A
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carbon atoms
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JP10065897A
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Katsu Kobayashi
克 小林
Takashi Kato
隆志 加藤
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Fuji Photo Film Co Ltd
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B23/00Methine or polymethine dyes, e.g. cyanine dyes
    • C09B23/02Methine or polymethine dyes, e.g. cyanine dyes the polymethine chain containing an odd number of >CH- or >C[alkyl]- groups
    • C09B23/06Methine or polymethine dyes, e.g. cyanine dyes the polymethine chain containing an odd number of >CH- or >C[alkyl]- groups three >CH- groups, e.g. carbocyanines

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Abstract

(57)【要約】 【課題】色素化合物、特に二成分連結色素を製造するよ
り、汎用性がある方法、及び新規な化合物を提供する。 【解決手段】溶媒中、リン原子を含む化合物存在下で、
脱水縮合をうけるのを可能にする置換基を含有している
色素化合物を、脱水縮合をうけるのを可能にする置換基
を含有している他の分子と連結することによる色素化合
物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な化学合成
法、更に詳細には色素化合物の製造方法、及び新規化合
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】色素化合物に様々な性能や機能を持たせ
るために、色素発色団構造の周囲に様々な置換基を導入
することは、その色素化合物をある目的に利用するのに
必要な性能を持たせるための常套手段であり、これまで
の人類の色素合成研究において、比較的大きな部分がそ
のために費やされてきた。しかし、多くの色素発色団構
造は様々な合成に用いられる条件に於いて安定なものは
むしろ少なく、多くの場合色素化反応を行う前の原料の
段階で既に置換基を導入しておくと言う方法が一般的で
ある。この方法だと既に構築された色素発色団構造を後
続の過酷な反応条件にさらすこと無く、比較的不安定な
色素も合成することが出来た。しかし、原料の段階で既
に置換基を導入しておくが故に合成の幅が狭められてい
るとも言える。色素発色団が既に形成された色素分子に
後から他の機能性部位を導入できれば、より複雑な分子
を色素分子に最後に連結することが出来、色素合成の幅
がると考えられる。特に2つの色素分子を連結する場合
など有効であると考えられる。
【0003】また、色素を用いてハロゲン化銀を分光増
感する技術は当該技術分野に於いて周知である。色素と
してはメチン色素、例えばメロシアニン及びシアニン色
素を用いることが出来る。これまでハロゲン化銀写真感
光材料の高感度化のために多大な努力がなされてきた。
しかしいまだ色素によって分光増感されたハロゲン化銀
粒子に露光された光が十分利用されているとは言えな
い。露光された入射光量子の色素による吸収率がまだ低
いことがその原因である。その光吸収率を上げるために
従来より多い量の色素をハロゲン化銀粒子に吸着させる
ことが有効だと考えられる。しかし、ハロゲン化銀粒子
表面への増感色素の吸着量には限界があり、単層飽和被
覆以上の増感色素を吸着させるのは極めて困難である。
【0004】この問題を解決するために、これまで幾つ
かの提案がされてきた。ピー・ビー・ギルマン・ジュニ
アー(P.B.Gilman, Jr.)らは、フォトグラフィック・サ
イエンス・アンド・エンジニアリング(Photographic S
cience and Engineering)第20巻3号、第97頁(1
976年)において、1層目にカチオン色素を吸着さ
せ、更に2層目にアニオン色素を静電力をもちいて吸着
させた。ジー・ビー・バード(G.B.Bird)らは米国特許
第3,622,316号に於いて、複数の色素をハロゲ
ン化銀に多層吸着させ、フェルスター(Forster)型励起
エネルギー移動の寄与によって増感させた。杉本らは、
特開昭63−138,341号、及び同64−84,2
44号において、発光性色素からのエネルギー移動によ
る分光増感を行った。アール・スタイガー(R.Steiger)
らは、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エン
ジニアリング(Photographic Science and Engineerin
g)第27巻2号、第59頁(1983年)においてゼ
ラチン置換シアニン色素からの、エネルギー移動による
分光増感を試みた。池川らは、特開昭61−251,8
42号において、シクロデキストリン置換色素からのエ
ネルギー移動による分光増感を行った。これらは全てハ
ロゲン化銀粒子に飽和吸着量以上の量の色素を吸着させ
ようとする試みであったが、いずれも高感度化効果はあ
まりなく、固有減感の増大、現像抑制なども問題があっ
た。
【0005】一方、2つ以上の共役していない色素発色
団を共有結合で連結した二成分連結色素については、米
国特許2,393,351号、同2,425,772
号、同2,518,732号、同2,521,944
号、同2,592,196号または欧州特許565,0
83号などに記載されている。しかし、これらは光吸収
率向上を狙ったものでは無かった。積極的に光吸収率向
上を狙ったものとして、ジー・ビー・バード(G.B.Bir
d)、エー・エル・ボロアー(A.L.Borror)らは米国特
許3,622,317号及び同3,976,493号に
おいて、複数のシアニン発色団を有する連結型増感色素
分子を吸着させて光吸収率を増やし、エネルギー移動の
寄与によって増感を図った。ここで、ボロアーはアルキ
レン−アミド部分により連結された二つの発色団を含む
増感色素化合物について述べている。これらの化合物
は、1つの色素を第2の色素の四級塩と縮合させ、次い
で通常の色素生成反応を用いて新しい四級塩をICI 中間
体と反応させることによって製造する。この操作によれ
ば二成分連結色素を収率良く得ることが出来るが、不純
物を発生させることがあり、この不純物が極めて低濃度
であっても減感の原因となる。結局、感度についても、
未だ十分な感度向上は得られていない。
【0006】鵜飼、岡崎、杉本は特開昭64−9113
4号において、少なくとも2個のスルホ基及び/または
カルボキル基を含む実質的に非吸着性色素を少なくとも
一つ、ハロゲン化銀上に吸着されうる分光増感色素に結
合させることを提案している。一方の色素のカルボキシ
置換基と他方の色素のヒドロキシル基を脱水縮合してエ
ステル結合を形成することにより、又は異なる2つの色
素のカルボキシ基とアミノ基を脱水縮合してアミド結合
を形成することにより、2成分連結色素を合成できるこ
とを示唆している。また、ラル・チャンド・ビシュワカ
ルマ及びトーマス・ロバート・ドブルスらは特開平6−
27,578において、ハロゲン化銀に吸着性のシアニ
ンと非吸着性のオキソノールを連結した二成分連結色素
を使って分光増感しているが、エネルギー移動寄与によ
る高感度化は十分起こっているとは言えない。更に効果
的な構造を持つ連結色素の合成が望まれている。ラル・
チャンド・ビシュワカルマ及びチン・シン・チェンらは
特開平6−57,235において、縮合剤として2−ク
ロロ−1−メチルピリジニウムヨウ化物を使った向山ら
の縮合反応{向山ら、ケミストリー・レターズ(Chemis
try Letters)1975年第1045頁、同1976年第
13頁、同1984年第1465頁、及びヘテロサイク
ルズ( Heterocycles)1976年第1707頁}を応用
して、カルボキシ基を置換基に持つ色素をアルコキシ基
又はアミノ基を置換基に持つ色素と反応させエステル及
びアミド結合で連結した二成分連結色素の合成に成功し
ている。しかし、彼らはシアニンとオキソノールの連
結、シアニンとメロシアニンの連結、及びシアニンとク
マリンの連結した二成分連結色素の合成を行っているの
みである。シアニンとシアニンの連結については全く触
れていない。実際にこの方法を用いてシアニンとシアニ
ンを連結させようとすると、全く反応が進行しないか、
極めて低収率である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】脱水縮合により、色素
化合物に他の機能性部位を連結させた化合物の効率的な
製造方法を提供することにある。さらに、ハロゲン化銀
写真感光材料の高感度化のために有効と考えられる二成
分連結色素を、比較的高収率で製造するより汎用性があ
る方法を提供することにある。特にこれまで合成が困難
であったシアニンとシアニンをエステルまたはアミド結
合で連結した二成分連結色素を製造する方法は提供でき
れば望ましい。また、この合成法により合成した新規な
化合物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は鋭意
研究を行った結果、リン原子を含む化合物の存在下でア
ミド化又はエステル化を行うことで達成出来ることが判
明した。すなわち、次の(1)から(8)により達成し
た。 (1)溶媒中、リン原子を含む化合物存在下で、脱水縮
合をうけるのを可能にする置換基を含有している色素化
合物を、脱水縮合をうけるのを可能にする置換基を含有
している他の化合物と連結することによる色素化合物の
製造方法。
【0009】(2)上記リンを含む化合物が、下記一般
式(I)であらわされることを特徴とする(1)記載の
製造方法。 一般式(I)
【0010】
【化4】
【0011】一般式(I)中、Arはアリール基を表
す。R1 は結合している酸素原子を伴って脱離すること
の出来る脱離基を形成するための置換アリール基を表
す。R2はアリール基又は脱離基となりうる置換アリー
ロキシ基を表す。R2 がアリール基を表すときR2 はA
rと同一でも異なっていても良く、R2 が置換アリーロ
キシ基を表すとき、R2 はR1 と酸素原子によってなる
置換アリーロキシ基と同一でも異なっていても良い。
【0012】(3)前記一般式(I)であらわされるア
リールフォスフォン酸エステルがフェニルフォスフォン
酸ジ(p−ニトロフェニル)であることを特徴とする
(2)記載の製造方法。
【0013】(4)請求項1記載の製造方法において、
脱水縮合させる他の化合物が色素化合物であることを特
徴とする(1)、(2)又は(3)記載の製造方法。
【0014】(5)前記色素化合物の一方がカルボキシ
基を含み、前記色素化合物の他方がアミノ基又はヒドロ
キシアルキル基を含むものである(4)記載の製造方
法。
【0015】(6)前記二成分連結増感色素が下記一般
式(II) であらわされることを特徴とする(4)又は
(5)記載の製造方法。 一般式(II)
【0016】
【化5】
【0017】式(II) 中、(MET1)及び(MET
2)はそれぞれメチン色素を表す。但し、(MET1)
と(MET2)が同一であっても異なっていても良い。
Lは少なくとも2個のアルキレン基、及び少なくとも1
個のカルボニルオキシ基またはカルボニルアミノ基を含
む原子数4以上の連結基を表す。
【0018】(7)前記一般式(II) において、(ME
T1)及び(MET2)が、下記一般式(III)で表され
るシアニン色素であることを特徴とする(6)記載の製
造方法。 一般式(III)
【0019】
【化6】
【0020】一般式(III)中、L1 、L2 、L3
4 、L5 、L6 及びL7 はそれぞれメチン基を表す。
3 及びR4 は各々アルキル基を表す。Z1 及びZ2
それぞれ5または6員の含窒素複素環を形成するために
必要な原子群を表す。p1 及びp 2 はそれぞれ0または
1を表す。nは0、1、2、3または4を表す。Mは電
荷均衡対イオンを表し、mは分子の電荷を中和するのに
必要な0以上10以下の数を表す。
【0021】(8)前記一般式(II) において、(ME
T1)及び(MET2)が、前記一般式(III)で表され
るシアニン色素であることを特徴とする前記一般式(I
I) であらわされる化合物。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、溶剤中で脱水縮合反応
を受けることが可能な置換基を含む2つの色素を、リン
原子を含む化合物存在下で反応させることからなる色素
化合物の製造方法である。リン原子を含む化合物として
はトリアルキルフォスフィン(例えばトリブチルフォス
フィン)、トリアリールフォスフィン(例えばトリフェ
ニルフォスフィン)、トリス(ジアルキルアミノ)フォ
スフィン(例えばトリス(ジメチルアミノ)フォスフィ
ン)、クロロジフェニルフォスフィンオキサイド、2−
クロロ−1,3,2−ジオキサフォスフォラン−2−オ
キサイド、N,N−ビス(2−オキソ−3−オキサゾリ
ジニル)フォスフィン酸クロライド、フェニルクロロフ
ォスフォロフェニルアミデイト、ジフェニルフォスフィ
ン酸2−(5−ニトロピリジル)、ジフェニルフォスフ
ォリルアジド、トリフェニルフォスフィンジトリフルオ
ロメタンスルフォネイト、ジフェニルフォスフォリルシ
アニド、又は含窒素複素環置換フォスフォリルエステル
などが挙げられる。
【0023】好ましくは、リン原子を含む化合物が、下
記一般式(I)であらわされる化合物であるときであ
る。 一般式(I)
【0024】
【化7】
【0025】一般式(I)中、Arはアリール基を表
す。Arで表されるアリール基としては、炭素数6から
20の置換又は無置換のアリール基(例えばフェニル、
ナフチル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェ
ニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p
−トリル、p−メトシキフェニル)が挙げられる。好ま
しくは炭素数6から15の置換又は無置換のアリール基
(例えばフェニル、ナフチル、3,5−ジクロロフェニ
ル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−
トリル、p−メトシキフェニル)であり、更に好ましく
はフェニル、p−トリル、p−クロロキフェニルであ
る。
【0026】R1 は結合している酸素原子を伴って脱離
することの出来る脱離基を形成するための置換アリール
基を表す。R1 で表される置換アリール基としては、4
−ニトロフェニル、2−ニトロフェニル、3,5−ジニ
トロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、4−フルオ
ロフェニル、2,4−ジシアノフェニルなどが挙げら
れ、好ましくは4−ニトロフェニル、2−ニトロフェニ
ル、3,5−ジニトロフェニル、2,4−ジニトロフェ
ニルであり、更に好ましくは4−ニトロフェニル、2−
ニトロフェニル、である。
【0027】R2 はアリール基又は脱離基となりうる置
換アリーロキシ基を表す。R2 がアリール基を表すとき
2 はArと同一でも異なっていても良く、例えば炭素
数6から20の置換又は無置換のアリール基(例えばフ
ェニル、ナフチル、p−ニトロフェニル、3,5−ジク
ロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェ
ニル、p−トリル、p−メトシキフェニル)を表し、好
ましくは炭素数6から15の置換又は無置換のアリール
基(例えばフェニル、ナフチル、3,5−ジクロロフェ
ニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p
−トリル、p−メトシキフェニル)であり、更に好まし
くはフェニル、p−トリル、p−クロロキフェニルであ
る。
【0028】R2 が置換アリーロキシ基を表すとき、R
2 はR1 と酸素原子によってなる置換アリーロキシ基と
同一でも異なっていても良く、例えば4−ニトロフェノ
キシ、2−ニトロフェノキシ、3,5−ジニトロフェノ
キシ、2,4−ジニトロフェノキシ、4−フルオロフェ
ノキシ、2,4−ジシアノフェノキシなどが挙げられ、
好ましくは4−ニトロフェノキシ、2−ニトロフェノキ
シ、3,5−ジニトロフェノキシ、2,4−ジニトロフ
ェノキシであり、更に好ましくは4−ニトロフェノキ
シ、2−ニトロフェノキシ、である。
【0029】以下に本発明の一般式(I)の具体例を示
すが、これにより本発明が制限されるわけではない。
【0030】
【化8】
【0031】本発明の方法は一般式(II)で表される二
成分連結増感色素を製造する場合に特に適している。 一般式(II)
【0032】
【化9】
【0033】式(II)中、(MET1)及び(MET
2)はそれぞれメチン色素を表す。但し、(MET1)
と(MET2)が同一であっても異なっていても良い。
(MET1)及び(MET2)はいかなるメチン色素で
も良いが、好ましくはシアニン色素、メロシアニン色
素、ロダシアニン色素、3核メロシアニン色素、アロポ
ーラー色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素などが挙
げられる。これらの色素の詳細については、エフ・エム
・ハーマー(F. M. Harmer)著「ヘテロサイクリック・
コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレイテイド
・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds - Cyanine D
yes and Related Compounds)」、ジョン・ウイリー・ア
ンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、
ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.
M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−ス
ペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケ
ミストリー(Heterocyclic Compouds - Special Topics
in Heterocyclic Chemistry)」、第18章、第14
節、482から515頁、ジョン・ウイリー・アンド・
サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンド
ン、1977年刊、などに記載されている。シアニン色
素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素の一般式は、
米国特許第5、340、694号第21、22頁の(X
I) 、(XII) 、(XIII) に示されているものが好まし
い。
【0034】Lは少なくとも2個のアルキレン基、及び
少なくとも1個のカルボニルオキシ基またはカルボニル
アミノ基を含む原子数4以上20以下の2価の連結基を
表す。
【0035】また、前記一般式(II) において、(ME
T1)及び(MET2)が、下記般式(III)で表される
シアニン色素であることが好ましい。 一般式(III)
【0036】
【化10】
【0037】一般式(III)中、Z1 及びZ2 はそれぞれ
5または6員の含窒素複素環を形成するために必要な原
子群を表す。Z1 及びZ2 で表される5または6員の含
窒素複素環としては芳香族環が縮環していても良く、チ
アゾリン核、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、オキ
サゾリン核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核、
セレナゾリン核、セレナゾール核、ベンゾセレナゾール
核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば3,3
−ジメチルインドレニン)、イミダゾリン核、イミダゾ
ール核、ベンゾイミダゾール核、2−ピリジン核、4−
ピリジン核、2−キノリン核、4−キノリン核、1−イ
ソキノリン核、3−イソキノリン核、イミダゾ〔4,5
−b〕キノキザリン核、オキサジアゾール核、チアジア
ゾール核、テトラゾール核、ピリミジン核を挙げること
が出来る。
【0038】Z1 、及びZ2 として好ましくはベンゾオ
キサゾール核、ベンゾチアゾール核、ベンゾイミダゾー
ル核、及びキノリン核であり、更に好ましくは、ベンゾ
オキサゾール核、ベンゾイミダゾール核、及びベンゾチ
アゾール核である。
【0039】Z1 及びZ2 で表される5または6員の含
窒素複素環は置換基を有していても良く、そのような置
換基をVとすると、Vで示される置換基としては特に制
限は無いが、例えば、ハロゲン原子、(例えば塩素、臭
素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボ
キシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数
1から10、好ましくは炭素数2から8、更に好ましく
は炭素数2から5のカルバモイル基(例えばメチルカル
バモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカロボニ
ル)、炭素数0から10、好ましくは炭素数2から8、
更に好ましくは炭素数2から5のスルファモイル基(例
えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ピ
ペリジノスルフォニル)、ニトロ基、炭素数1から2
0、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素
数1から8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキ
シ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、
炭素数6から20、好ましくは炭素数6から12、更に
好ましくは炭素数6から10のアリールオキシ基(例え
ばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェ
ノキシ、ナフトキシ)、
【0040】炭素数1から20、好ましくは炭素数2か
ら12、更に好ましくは炭素数2から8のアシル基(例
えばアセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、炭
素数1から20、好ましくは炭素数2から12、更に好
ましくは炭素数2から8のアシルオキシ基(例えばアセ
チルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1から20、
好ましくは炭素数2から12、更に好ましくは炭素数2
から8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、炭
素数1から20、好ましくは炭素数1から10、更に好
ましくは炭素数1から8のスルホニル基(例えばメタン
スルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニ
ル)、炭素数1から20、好ましくは炭素数1から1
0、更に好ましくは炭素数1から8のスルフィニル基
(例えばメタンスルフィニル、エタンスルフィニル、ベ
ンゼンスルフィニル)、炭素数1から20、好ましくは
炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から8のス
ルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ、エ
タンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ)、
【0041】アミノ基、炭素数1から20、好ましくは
炭素数1から12、更に好ましくは炭素数1から8の置
換アミノ基(例えばメチルアミノ、ジメチルアミノ、ベ
ンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ)、炭素数
0から15、好ましくは炭素数3から10、更に好まし
くは炭素数3から6のアンモニウム基(例えばトリメチ
ルアンモニウム、トリエチルアンモニウム)、炭素数0
から15、好ましくは炭素数1から10、更に好ましく
は炭素数1から6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒ
ドラジノ基)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1
から10、更に好ましくは炭素数1から6のウレイド基
(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、
炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、更に
好ましくは炭素数1から6のイミド基(例えばスクシン
イミド基)、炭素数1から20、好ましくは炭素数1か
ら12、更に好ましくは炭素数1から8のアルキルチオ
基(例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、
炭素数6から20、好ましくは炭素数6から12、更に
好ましくは炭素数6から10のアリールチオ基(例えば
フェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフ
ェニルチオ、2−ピリジルチオ、ナフチルチオ)、炭素
数2から20、好ましくは炭素数2から12、更に好ま
しくは炭素数2から8のアルコキシカルボニル基(例え
ばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベン
ジルオキシカルボニル)、炭素数6から20、好ましく
は炭素数6から12、更に好ましくは炭素数6から10
のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボ
ニル)、
【0042】炭素数1から18、好ましくは炭素数1か
ら10、更に好ましくは炭素数1から5の無置換アルキ
ル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)、炭
素数1から18、好ましくは炭素数1から10、更に好
ましくは炭素数1から5の置換アルキル基{例えばヒド
ロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボ
キシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミ
ノメチル、またここでは炭素数2から18、好ましくは
炭素数3から10、更に好ましくは炭素数3から5の不
飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シク
ロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も
置換アルキル基に含まれることにする}、
【0043】炭素数6から20、好ましくは炭素数6か
ら15、更に好ましくは炭素数6から10の置換又は無
置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カ
ルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジク
ロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェ
ニル、p−トリル)、
【0044】炭素数1から20、好ましくは炭素数2か
ら10、更に好ましくは炭素数4から6の置換又は無置
換のヘテロ環基(例えばピリジル、5−メチルピリジ
ル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフル
フリル)が挙げられる。また、ベンゼン環やナフタレン
環が縮合した構造もとることができる。さらに、これら
の置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示し
た置換基が置換していても良い。置換基として好ましい
ものは上述のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、
ハロゲン原子、ベンゼン環縮合であり、更に好ましくは
メチル基、フェニル基、メトキシ基塩素原子、臭素原
子、沃素原子、及びベンゼン環縮合である。
【0045】R3 及びR4 はそれぞれアルキル基を表
す。R3 及びR4 で表されるアルキル基としては例え
ば、炭素数1から18、好ましくは1から7、特に好ま
しくは1から4の無置換アルキル基(例えば、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシル)、
炭素数1から18、好ましくは1から7、特に好ましく
は1から4の置換アルキル基が挙げられ、置換基として
は前述の置換基Vなどの説明で記載したものなどが挙げ
られる。置換基として好ましくは、ヒドロキシ基、カル
ボキシ基、スルホ基、スルファト基、ホスホノ基、アル
キルスルフォニルカルバモイル基(例えば、メタンスル
フォニルカルバモイル基)、アシルカルバモイル基(例
えば、アセチルカルバモイル基)、アシルスルファモイ
ル基(例えば、アセチルスルファモイル基)、アルキル
スルフォニルスルファモイル基(例えば、メタンスルフ
ォニルスルファモイル基)が挙げられる。更に好ましく
はカルボキシ基、スルホ基、スルファト基、ホスホノ
基、メタンスルフォニルカルバモイル基であり、特に好
ましくはカルボキシ基、スルホ基、スルファト基であ
る。
【0046】R3 及びR4 で表されるアルキル基として
好ましくは、上述のカルボキシアルキル基、スルホアル
キル基、無置換のアルキル基である。
【0047】L1 、L2 、L3 、L4 、L5 、L6 及び
7 はそれぞれメチン基を表す。L 1 〜L7 で表される
メチン基は置換基を有していても良く、置換基としては
例えば置換又は無置換の炭素数1から15、好ましくは
炭素数1から10、特に好ましくは炭素数1から5のア
ルキル基(例えば、メチル、エチル、2−カルボキシエ
チル)、置換または無置換の炭素数6から20、好まし
くは炭素数6から15、更に好ましくは炭素数6から1
0のアリール基(例えばフェニル、o−カルボキシフェ
ニル)、置換または無置換の炭素数3から20、好まし
くは炭素数4から15、更に好ましくは炭素数6から1
0の複素環基(例えばN,N−ジメチルバルビツール酸
基)、ハロゲン原子、(例えば塩素、臭素、沃素、フッ
素)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1から1
0、更に好ましくは炭素数1から5のアルコキシ基(例
えばメトキシ、エトキシ)、炭素数0から15、好まし
くは炭素数2から10、更に好ましくは炭素数4から1
0のアミノ基(例えばメチルアミノ、N,N−ジメチル
アミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、N−メチル
ピペラジノ)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1
から10、更に好ましくは炭素数1から5のアルキルチ
オ基(例えばメチルチオ、エチルチオ)、炭素数6から
20、好ましくは炭素数6から12、更に好ましくは炭
素数6から10のアリールチオ基(例えばフェニルチ
オ、p−メチルフェニルチオ)などが挙げられる。また
他のメチン基と環を形成してもよく、もしくは助色団環
を形成することもできる。
【0048】nは0、1、2または3を表す。好ましく
は0、1、2であり、更に好ましくは0、1である。n
が2以上の時、メチン基が繰り返されるが同一である必
要はない。
【0049】p1 及びp2 はそれぞれ0または1を表
す。好ましくは0である。
【0050】Mは分子のイオン電荷を中性にするために
必要であるとき、陽イオンまたは陰イオンの存在を示す
ために式中に含まれている。典型的な陽イオンとして
は、水素イオン(H+ )、アルカリ金属イオン(ナトリ
ウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アル
カリ土類金属イオン(例えばカルシウムイオン)などの
無機イオン、アンモニウムイオン(例えばアンモニウム
イオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニ
ウムイオン、エチルピリジニウムイオン)などの有機イ
オンが挙げられる。陰イオンは無機陰イオン又は有機陰
イオンのいずれであっても良くハロゲン陰イオン(例え
ばフッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオ
ン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トル
エンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸
イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3
−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジ
スルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イ
オン)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオ
ン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオ
ン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、
酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙
げられる。さらにイオン性ポリマー又は分子と逆電荷を
有する分子を用いても良い。
【0051】mは電荷を均衡させるのに必要な数を表
し、分子内で塩を形成する場合に0である。
【0052】以下に本発明の一般式(II) の具体例を示
すが、これにより本発明が制限されるわけではない。
【0053】
【化11】
【0054】
【化12】
【0055】
【化13】
【0056】
【化14】
【0057】
【化15】
【0058】
【化16】
【0059】
【化17】
【0060】
【化18】
【0061】
【化19】
【0062】
【化20】
【0063】
【化21】
【0064】本発明の一般式(II) で表される化合物中
のMET1及びMET2で表される化合物は、エフ・エ
ム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・
コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレイテイド
・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds - Cyanine D
yes and Related Compounds)」、ジョン・ウイリー・ア
ンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、
ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.
M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−ス
ペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケ
ミストリー(Heterocyclic Compouds - Special Topics
in Heterocyclic Chemistry)」、第18章、第14
節、482から515頁、ジョン・ウイリー・アンド・
サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンド
ン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カ
ーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry of Carbon C
ompouds)」第2版、ボリュームIV、パートB、第15
章、369から422頁エルセビア・サイエンス・パブ
リック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publi
shing Company Inc.)社−ニューヨーク、1977年刊
などに記載の方法を参考にして合成することが出来る。
【0065】本発明の方法は上記二成分連結増感色素を
製造する場合のみならず色素化合物に他の分子を連結す
ることもできる。
【0066】色素化合物としては、カルボキシ基又はア
ミノ基もしくはヒドロキシ基などを有する上記(MET
1)又は(MET2)の説明で挙げた色素化合物群など
が挙げられる。また、他の分子としてはカルボキシ基又
はアミノ基もしくはヒドロキシ基などの脱水縮合を受け
ることを可能にする置換基を含む化合物であればいかな
るものでも連結することが出来る。他の分子として、カ
ルボキシ基又はアミノ基もしくはヒドロキシ基などの脱
水縮合を受けることを可能にする置換基で置換されて好
ましい化合物としては、アルカン、アルケン、アルキ
ン、芳香族環、複素環などが挙げられこれらはさらに置
換されていても良く、置換基としては上記Vの説明で挙
げたものなどが挙げられる。これらの化合物は色素化合
物に新たな機能を追加するものであると好ましい。例え
ばハロゲン化銀感光材料用分光増感色素であれば、ハロ
ゲン化銀粒子への吸着性基(例えばメルカプト基を含む
ベンゾチアゾールなどの複素環、テトラザインデン)、
還元性基(例えば、ヒドラジン、メタロセン化合物)、
正孔捕獲などの強色増感性基、カブリ防止基、消色促進
基が挙げられる。そのほか、ポリマー、有機金属錯体、
糖、アミノ酸、脂質、CT錯体、フラーレン、シクロデ
キストリン、カリックスアレーン、デンドリマーなどで
も良い。
【0067】以下に具体例として、本発明の方法により
機能性基を連結したハロゲン化銀感光材料用分光増感色
素の例を示すが、これにより本発明が制限されるわけで
はない。
【0068】
【化22】
【0069】
【化23】
【0070】
【化24】
【0071】
【化25】
【0072】
【化26】
【0073】
【化27】
【0074】
【化28】
【0075】
【化29】
【0076】
【化30】
【0077】
【化31】
【0078】
【化32】
【0079】
【化33】
【0080】本発明の方法は向山らが開発したアミド結
合及びペプチド合成の方法(テトラヘドロン・レターズ
(Tetrahedron Letters)1979年、第1305頁、同
1981年、第285頁)を色素化合物に応用したもの
である。
【0081】本発明に方法は、溶媒中で、一般式(I)
で表される化合物存在下で行うものであればいかなる反
応条件を選んでも良いが、反応に用いるカルボキキシ基
を持つ色素化合物又は他の分子を反応容器中で、まず、
臭化テトラブチルアンモニウムなどの相関移動触媒及び
溶媒として水存在下、無機塩基によって処理しておくこ
とが好ましく、その後、有機溶剤中に溶解したアミノ基
又はヒドロキシ基を持つ色素化合物又は他の分子及び一
般式(I)で表される化合物を加えることにより反応を
行うことが好ましい。また、場合によっては更に脱水剤
を加えることにより反応を加速することがある。
【0082】用いることが出来る無機塩基としては水酸
化カリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、などが
挙げられる。好ましい無機塩としては、水酸化カリウ
ム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム
であり、更に好ましくは水酸化カリウム、炭酸カリウ
ム、特に好ましくは水酸化カリウムである。また、相関
移動触媒としては酢酸テトラブチルアンモニウム、水酸
化テトラブチルアンモニウム、重硫酸テトラブチルアン
モニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラ
ブチルアンモニウム、硫酸テトラブチルアンモニウム、
ヨウ化テトラブチルアンモニウムなどの四級アンモニウ
ム塩が好ましい。向山らの報告(前記)によると無機塩
基によって金属塩になったカルボキシ基が、これら四級
アンモニウムの塩に交換することにより、一般式(I)
で表されるホスホン酸エステルとの反応が加速され、活
性中間体である混合酸無水物の生成がスムーズに進行す
るものと考えられる。本発明の方法に於いてより好まし
い四級アンモニウム塩は水酸化テトラブチルアンモニウ
ム、重硫酸テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチ
ルアンモニウムであり、特に好ましくは臭化テトラブチ
ルアンモニウムである。この塩基による処理は少量の水
中で行うことが好ましく、この時の温度は、カルボキシ
基の四級アンモニウム塩が生成するならば、0℃から1
00℃のいかなる温度でも良いが、10℃から80℃の
範囲で行うのが好ましく、最も好ましいのは室温付近で
反応を行うのが好ましい。反応時間はどれくらいかかっ
ても構わないが、1時間から数日以内にカルボキシ基の
四級アンモニウム塩が生成するのが好ましい、通常1時
間から1日以内が好ましく、更に好ましくは5時間から
10時間である。
【0083】また、その後、有機溶媒中に溶解したアミ
ノ基又はヒドロキシ基を持つ色素化合物又は他の分子及
び一般式(I)で表される化合物を加えることにより反
応を行うのが好ましいが、その際の有機溶媒としては、
テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、アセトニ
トリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、
トルエン、キシレン、アニソールなどが用いられるが、
好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ
オキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、であり、更に好ましくはテトラヒドロフラン、ジジ
オキサン、クロロホルム、アセトニトリル、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドであり、特
に好ましくはジメチルスルホキシドである。またこの時
の反応温度としては−100℃から200℃の範囲のい
ずれを選んでも構わないが、色素構造の保護のため10
0℃以下で行うことが好ましい。より好ましくは−50
℃から50℃であり、更に好ましくは−10℃から30
℃であり、特に好ましくは25℃付近の室温である。反
応時間はどれくらいかかっても構わないが、1時間から
数日以内に行うことが好ましい、通常1時間から1日以
内が好ましく、更に好ましくは5時間から20時間であ
る。
【0084】また、場合によっては更に脱水剤を加える
ことにより反応を加速することがある。脱水剤は有機溶
媒に溶解したアミノ基又はヒドロキシ基を持つ色素又は
他の分子と一般式(I)で表される化合物を加えた後に
加えるのが好ましく、用いることの出来る脱水剤として
はモレキュラーシーブ4Å、硫酸ナトリウム、硫酸マグ
ネシウム、中性アルミナ、セライト、重炭酸ソーダ、炭
酸カリウムなどが挙げられるが、好ましくはモレキュラ
ーシーブ4Å、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭
酸カリウムであり、更に好ましくはモレキュラーシーブ
4Å、炭酸カリウムである。
【0085】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1.化合物(II−12)の合成 以下のスキーム1に従って、本発明の方法により二成分
連結増感色素(II−12)を合成した。 スキーム1
【0086】
【化34】
【0087】100ml茄子フラスコ中、化合物(II−
12−a)100mgに水酸化カリウム11mgを水1
mlに溶かした水酸化カリウム水溶液を加え、DMSO
20mlを加える。これに臭化テトラブチルアンモニウ
ム塩53mg加え、室温で1時間攪拌する。また、別の
フラスコに化合物(II−12−b)を115mgと化合
物(I−1)63mgをDMSO10mlに溶かしてお
き、これを先ほどの化合物(II−12−a)の反応液に
加えた。この反応液に更にモレキュラーシーブ4A10
0mgを加え室温で20時間攪拌した。その後、この反
応液をそのままセファデクスカラムクロマトグラフィー
(担体:Sephadex(R)LH−20、溶媒:メ
タノール)にかけた。一番始めに出で来る色素成分を減
圧濃縮し、得られた残査にIPA20mlを加えると色
素が結晶化してくる。これを濾過して取りだし、メタノ
ール30mlとIPA10mlを加え加熱溶解させ、こ
れを常圧下で全容積が10ml位になるまで加熱濃縮
し、放冷した。析出した結晶を濾過し、減圧乾燥するこ
とにより、化合物(II−12)が42mg(収率21
%)得られた。吸収極大(メタノール):508.6n
m(ε=1.55×10 5 )、融点269℃
【0088】実施例2.化合物(II−7)の合成 上記スキーム2に従って、本発明の方法により二成分連
結増感色素(II−7)を合成した。 スキーム2
【0089】
【化35】
【0090】100ml茄子フラスコ中、化合物(II−
7−a)100mgに水酸化カリウム11mgを水1m
lに溶かした水酸化カリウム水溶液を加え、DMSO2
0mlを加える。これに臭化テトラブチルアンモニウム
塩53mg加え、室温で1時間攪拌する。また、別のフ
ラスコに化合物(II−12−b)を115mgと化合物
(I−1)63mgをDMSO10mlに溶かしてお
き、これを先ほどの化合物(II−7−a)の反応液に加
えた。この反応液に更にモレキュラーシーブ4A100
mgを加え室温で20時間攪拌した。その後、この反応
液をそのままセファデクスカラムクロマトグラフィー
(担体:Sephadex(R)LH−20、溶媒:メ
タノール)にかけた。一番始めに出で来る色素成分を減
圧濃縮し、得られた残査にIPA20mlを加えると色
素が結晶化してくる。これを濾過して取りだし、メタノ
ール30mlとIPA10mlを加え加熱溶解させ、こ
れを常圧下で全容積が10ml位になるまで加熱濃縮
し、放冷した。析出した結晶を濾過し、減圧乾燥するこ
とにより、化合物(II−7)が11mg(収率5%)得
られた。 吸収極大(メタノール):507.7nm(ε=1.3
9×105 )、融点272℃
【0091】
【発明の効果】以上にのように、本発明の合成法によ
り、従来合成が困難であったシアニンとシアニンをエス
テルまたはアミド結合で連結した二成分連結色素を製造
することが出来る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒中、リン原子を含む化合物存在下
    で、脱水縮合をうけるのを可能にする置換基を含有して
    いる色素化合物を、脱水縮合をうけるのを可能にする置
    換基を含有している他の化合物と連結することによる色
    素化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記リンを含む化合物が、下記一般式
    (I)であらわされることを特徴とする請求項1記載の
    製造方法。 一般式(I) 【化1】 一般式(I)中、Arはアリール基を表す。R1 は結合
    している酸素原子を伴って脱離することの出来る脱離基
    を形成するための置換アリール基を表す。R2はアリー
    ル基又は脱離基となりうる置換アリーロキシ基を表す。
    2 がアリール基を表すときR2 はArと同一でも異な
    っていても良く、R2 が置換アリーロキシ基を表すと
    き、R2 はR1 と酸素原子によってなる置換アリーロキ
    シ基と同一でも異なっていても良い。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)であらわされる化合物
    がフェニルフォスフォン酸ジ(p−ニトロフェニル)で
    あることを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の製造方法において、脱水
    縮合させる他の化合物が色素化合物であることを特徴と
    する請求項1、2又は3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記色素化合物の一方がカルボキシ基を
    含み、前記色素化合物の他方がアミノ基又はヒドロキシ
    アルキル基を含むものである請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記二成分連結増感色素が下記一般式
    (II)であらわされることを特徴とする請求項4又は5
    記載の製造方法。 一般式(II) 【化2】 式(II)中、(MET1)及び(MET2)はそれぞれ
    メチン色素を表す。但し、(MET1)と(MET2)
    が同一であっても異なっていても良い。Lは少なくとも
    2個のアルキレン基、及び少なくとも1個のカルボニル
    オキシ基またはカルボニルアミノ基を含む原子数4以上
    の連結基を表す。
  7. 【請求項7】 前記一般式(II)において、(MET
    1)及び(MET2)が、下記一般式(III)で表される
    シアニン色素であることを特徴とする請求項6記載の製
    造方法。 一般式(III) 【化3】 一般式(III)中、L1 、L2 、L3 、L4 、L5 、L6
    及びL7 はそれぞれメチン基を表す。R3 及びR4 は各
    々アルキル基を表す。Z1 及びZ2 はそれぞれ5または
    6員の含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表
    す。p1 及びp 2 はそれぞれ0または1を表す。nは
    0、1、2、3または4を表す。Mは電荷均衡対イオン
    を表し、mは分子の電荷を中和するのに必要な0以上1
    0以下の数を表す。
  8. 【請求項8】 前記一般式(II) において、(MET
    1)及び(MET2)が、前記一般式(III)で表される
    シアニン色素であることを特徴とする前記一般式(II)
    であらわされる化合物。
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JP2014041353A (ja) * 2008-03-06 2014-03-06 Sumitomo Chemical Co Ltd 着色感光性樹脂組成物

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