JPH11263833A - ポリカ―ボネ―ト共重合体およびその用途 - Google Patents

ポリカ―ボネ―ト共重合体およびその用途

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JPH11263833A
JPH11263833A JP10365352A JP36535298A JPH11263833A JP H11263833 A JPH11263833 A JP H11263833A JP 10365352 A JP10365352 A JP 10365352A JP 36535298 A JP36535298 A JP 36535298A JP H11263833 A JPH11263833 A JP H11263833A
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理穂子 鈴木
Tatsunobu Uragami
達宣 浦上
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(1−a)および一般式(2−
a)で表される繰り返し構造単位を含有してなるポリカ
ーボネート共重合体。 (式中、R1 およびR3 はそれぞれ独立にアルキル基、
アルコキシ基、ニトロ基あるいはハロゲン原子を表し、
2 は水素原子またはメチル基を表し、kおよびlはそ
れぞれ独立に0〜3の整数を表し、mおよびnはそれぞ
れ独立に0〜20の整数を表し、但し、m+nは0では
あることはない) 【効果】 透明性、耐熱性、機械物性等が良好で、且
つ、低複屈折性を有し、さらに溶融流動性が良好で成形
加工性に優れ、種々の光学部品として有用であるポリカ
ーボネート共重合体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
共重合体に関し、さらには、該ポリカーボネート共重合
体からなる光学部品に関する。本発明のポリカーボネー
ト共重合体は、透明性、耐熱性、機械物性等が良好であ
り、且つ、低複屈折性を有し、さらには溶融流動性が良
好で成形加工性に優れており、光ディスク基板、ピック
アップレンズ、光ファイバーなどを代表とする光学部品
に有用である。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは、エンジニアリング
プラスチックとして、自動車、電気、光学分野で幅広く
使用されている。現在、幅広く使用されているポリカー
ボネートは、通常、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAと称する)
とホスゲン等のハロゲン化カルボニル化合物から製造さ
れている。ビスフェノールAから製造されるポリカーボ
ネートは、透明性、耐熱性、低透湿性、耐衝撃性、寸法
安定性等の特性をバランス良く備えた樹脂であって、広
く用いられている。特に近年、光ディスク基板等の光学
部品分野で使用されている。
【0003】情報記録媒体として使用される光ディスク
においては、レーザー光線が通過するために、ディスク
基板それ自体は透明であることが必要であることは勿論
のこと、さらに、読みとり誤差を少なくするために、光
学的均質性が強く求められている。しかしながら、例え
ば、ビスフェノールAから製造されるポリカーボネート
を用いた場合には、ディスク基板成型時の樹脂の冷却お
よび流動過程において生じた熱応力、分子配向、ガラス
転移点付近の容積変化等による残留応力が原因となり、
レーザー光線がディスク基板を通過する際に複屈折が生
じる。この複屈折に起因する光学的不均一性が大きいこ
とは、例えば、記録された情報の読みとり誤りを生じる
など、光ディスク基板等の光学部品にとっては致命的欠
陥となる。さらに、該ポリカーボネートは溶融時の粘度
が高いため、例えば、記録密度を高めるために、より狭
いトラックピッチ、より短いピット径を有するディスク
基板を射出成形して得るのが非常に困難である等、成形
加工性に問題があった。
【0004】このような問題点を解決する方法として種
々の新しいポリマーが提案されており、例えば、スピロ
ビインダノール単独のポリカーボネート、またはスピロ
ビインダノールとビスフェノールAとの共重合ポリカー
ボネートが開示されている(特開昭63−314235
号公報など)。しかしながら、前者のポリカーボネート
は低複屈折であるものの、例えば、成形加工した際に成
形物にクラックが生じるなど、透明性、機械物性が悪
く、実用的に問題点を有していた。また、後者のポリカ
ーボネートはビスフェノールAの含有率の増加に伴い、
透明性および機械物性は向上するものの、複屈折が大き
くなり、上述したような情報記録媒体等の光学部品とし
ての使用には問題点があった。さらに、これらのポリカ
ーボネートは、既存のビスフェノールAから製造される
ポリカーボネートに比較して、上述したような精密加工
性を要求される情報記録媒体用のディスク基板を射出成
形して得るには、実用上、十分な溶融流動性を有してい
るとは言い難く、これらの問題点の解決が強く望まれて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の問題点を克服し、光学部品用に有用な、透明性、耐熱
性、機械物性等に優れ、且つ、低複屈折性を有し、さら
には溶融流動性が良好で成形加工性に優れるポリカーボ
ネート共重合体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、下記一般式(1−a)およ
び一般式(2−a)(化2)で表される繰り返し構造単
位を含有してなるポリカーボネート共重合体に関するも
のである。また、本発明は、一般式(1−a)および
一般式(2−a)で表される繰り返し構造単位中に含ま
れる、一般式(1−a)で表される繰り返し構造単位の
割合が5〜90モル%である前記のポリカーボネート
共重合体、ポリカーボネート共重合体の重量平均分子
量が10000〜150000である前記またはの
ポリカーボネート共重合体、前記〜のいずれかの
ポリカーボネート共重合体を含有してなる光学部品、に
関するものである。
【0007】
【化2】 (上式中、R1 およびR3 はそれぞれ独立にアルキル
基、アルコキシ基、ニトロ基あるいはハロゲン原子を表
し、R2 は水素原子またはメチル基を表し、kおよびl
はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、mおよびnはそ
れぞれ独立に0〜20の整数を表す。但し、m+nは0
となることはない)
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳細に説明
する。本発明のポリカーボネート共重合体は、前記一般
式(1−a)および一般式(2−a)で表される繰り返
し構造単位を含有してなるものであり、この両繰り返し
構造単位を必須の繰り返し構造単位として有する共重合
体であって、ランダム共重合体、交互共重合体あるいは
ブロック共重合体のいずれであってもよい。本発明のポ
リカーボネート共重合体は、一般式(1)(化3)で表
されるジヒドロキシ化合物と一般式(2)(化3)で表
されるジヒドロキシ化合物に、カーボネート前駆体を作
用させ、共重合させることにより得られるものである。
すなわち、一般式(1−a)で表される繰り返し構造単
位は一般式(1)で表される化合物とカーボネート前駆
体とから誘導され、また、一般式(2−a)で表される
繰り返し構造単位は一般式(2)で表される化合物とカ
ーボネート前駆体とから誘導される。
【0009】
【化3】 (上式中、R1 、R2 、R3 、k、l、mおよびnは前
記に同じ) これらのポリカーボネート共重合体の中でも、耐熱性、
機械物性等の諸物性のバランスを考慮すると、一般式
(1−a)および(2−a)で表される全繰り返し構造
単位中に、含まれる一般式(1−a)で表される繰り返
し構造単位の割合は、好ましくは、5〜90モル%であ
り、より好ましくは、10〜80モル%であり、さらに
好ましくは、20〜70モル%である。
【0010】一般式(1−a)および一般式(2−a)
において、R1 およびR3 はそれぞれ独立にアルキル
基、アルコキシ基、ニトロ基あるいはハロゲン原子を表
し、好ましくは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐
または環状のアルキル基、置換基を有していてもよい直
鎖、分岐または環状のアルコキシ基、ニトロ基あるいは
ハロゲン原子を表し、好ましくは、置換基を有していて
もよい炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキ
ル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直
鎖、分岐または環状のアルコキシ基、ニトロ基またはハ
ロゲン原子を表す。R1 およびR3 のアルキル基または
アルコキシ基中の置換基としては、例えば、アルコキシ
基、アルコキシアルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテ
ロ原子含有のシクロアルキル基、シクロアルコキシ基、
ヘテロ原子含有のシクロアルコキシ基、アリールオキシ
基、アリールオキシアルコキシ基、ハロゲン原子等が例
示される。
【0011】置換基R1 およびR3 の具体例としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル
基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシ
ル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オク
タデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4
−tert−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基、シクロヘキシルメチル基、シク
ロヘキシルエチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−
メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−ブ
トキシエチル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキ
シプロピル基、3−n−プロポキシプロピル基、3−n
−ブトキシプロピル基、3−n−ヘキシルオキシプロピ
ル基、2−メトキシエトキシエチル基、2−エトキシエ
トキシエチル基、2−フェノキシメチル基、2−フェノ
キシエトキシエチル基、クロロメチル基、2−クロロエ
チル基、3−クロロプロピル基、2,2,2−トリクロ
ロエチル基、
【0012】メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ
基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−
ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシル基、n
−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシ
ルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−オクタデ
シルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシ
ルオキシ基、4−tert−ブチルシクロヘキシルオキ
シ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ
基、シクロヘキシルメトキシ基、シクロヘキシルエトキ
シ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ
基、2−n−ブトキシエトキシ基、3−メトキシプロポ
キシ基、3−エトキシプロポキシ基、3−n−プロポキ
シプロポキシ基、3−n−ブトキシプロポキシ基、3−
n−ヘキシルオキシプロポキシ基、2−メトキシエトキ
シエトキシ基、2−フェノキシメトキシ基、2−フェノ
キシエトキシエトキシ基、クロロメトキシ基、2−クロ
ロエトキシ基、3−クロロプロポキシ基、2,2,2−
トリクロロエトキシ基、ニトロ基、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0013】該置換基R1 およびR3 は、好ましくは、
炭素数1〜10の無置換の直鎖または分岐のアルキル
基、炭素数1〜10の無置換の直鎖または分岐のアルコ
キシ基あるいは塩素原子であり、より好ましくは、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メト
キシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキ
シ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブ
トキシ基または塩素原子である。置換基R1 およびR3
として、メチル基または塩素原子は特に好ましい。ま
た、一般式(1−a)において、R2 は水素原子または
メチル基を表す。
【0014】一般式(1−a)および一般式(2−a)
において、kおよびlはそれぞれ独立に0〜3の整数を
表し、好ましくは、0、1または2であり、より好まし
くは、0または1である。kおよびlとして、整数0は
特に好ましい。一般式(1−a)において、mおよびn
はそれぞれ独立に、0〜20の整数を表し、好ましく
は、0から10の整数であり、より好ましくは、0〜5
の整数であり、さらに好ましくは、0〜2の整数であ
る。mおよびnとして、整数1は特に好ましい。但し、
m+nは0ではない。
【0015】一般式(1−a)および一般式(2−a)
で表される繰り返し構造単位において、カーボネート結
合もしくはカーボネート結合を含む置換基の置換位置は
スピロビインダン構造内のベンゼン環上で、それぞれ、
4、5、6または7位であるか、4’、5’、6’また
は7’位である。一般式(1−a)で表される構造単位
の中でも下記式(1−a−A)(化4)で表される繰り
返し構造単位は特に好ましく、一般式(2−a)で表さ
れる構造単位の中でも下記式(2−a−A)(化4)で
表される繰り返し構造単位は特に好ましい。
【0016】
【化4】 (上式中、R1 、R2 、R3 、k、l、mおよびnは前
記に同じ)
【0017】本発明のポリカーボネート共重合体は、前
記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と前記一
般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物の共重合によ
り得られる。本発明のポリカーボネート共重合体の原料
である一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物とし
ては、以下の第1表(表1〜5)に示すジヒドロキシ化
合物が例示されるが、勿論、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】 またもう一方の原料となる一般式(2)で表されるジヒ
ドロキシ化合物としては、以下の第2表(表6〜8)に
示すジヒドロキシ化合物が例示されるが、勿論本発明は
これらに限定されるものではない。
【0023】
【表6】
【0024】
【表7】
【0025】
【表8】
【0026】一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合
物は、一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物を製
造原料として、反応それ自体は公知の方法により好適に
製造される。すなわち、一般式(1)で表されるジヒド
ロキシ化合物は、一般式(2)で表されるジヒドロキシ
化合物と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の
アルキレンオキシド類、エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネート等の環状のアルキレンカーボネート
類、2−ブロモエタノール、2−クロロエタノール、2
−ブロモ−1−プロパノール等のβ−ハロヒドリン類と
の反応により製造することができる。また、一般式
(2)で表されるジヒドロキシ化合物は公知の方法、例
えば、特開昭62−10030号公報などに記載の方法
により、好適に製造される。例えば、ビスフェノールA
を、酸触媒の存在下に、加熱することにより得られる。
【0027】本発明のポリカーボネート共重合体は、製
造方法それ自体は公知の各種ポリカーボネート重合方法
によって製造される。その方法としては、例えば、実験
化学講座第4版、(28)高分子合成、231〜242
頁、丸善出版(1988年)に記載の方法、例えば、溶
液重合法、エステル交換法または界面重合法などの方法
が挙げられる。代表的には、一般式(1)で表されるジ
ヒドロキシ化合物と一般式(2)で表されるジヒドロキ
シ化合物に、カーボネート前駆体(例えば、炭酸ジメチ
ル、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル等の炭酸ジエステル
化合物、ホスゲン等のハロゲン化カルボニル化合物な
ど)を反応させることにより好適に製造される。
【0028】溶液重合法は、ピリジン等の有機塩基の存
在下、有機溶媒中で、上記ジヒドロキシ化合物とハロゲ
ン化カルボニル化合物(例えば、ホスゲンなど)を反応
させる方法である。界面重合法は、ジヒドロキシ化合物
とアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基よりなる水
溶液と有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホル
ム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレ
ン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロ
プロパン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、あるいは、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化
炭化水素、またはそれらの混合物等)よりなる界面条件
下で、ハロゲン化カルボニル化合物との反応を行い、所
望により触媒(例えば、トリエチルアミン)、分子量調
節剤の存在下に重縮合反応を行う製造方法である。エス
テル交換法は、前記ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ル化合物(例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、ジフェニルカーボネートなど)を溶融状態
または溶液状態で、加熱下、所望により触媒の存在下に
反応させる方法である。
【0029】本発明のポリカーボネート共重合体は、所
望の効果を損なわなければ、ランダム共重合であっても
よく、交互共重合であってもよく、あるいはブロック共
重合体であってもよい。本発明のポリカーボネート共重
合体をランダム共重合体として製造する場合は、一般式
(1)および一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合
物を混合して、このジヒドロキシ化合物の混合物にカー
ボネート前駆体を作用させることにより製造される。
【0030】本発明のポリカーボネート共重合体を交互
共重合体として製造する場合は、一般式(1)または一
般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物のいずれか一
方とカーボネート前駆体から、末端がハロホーメート基
または炭酸エステル基である単量体の中間体を製造し、
この中間体ともう一方のジヒドロキシ化合物を作用させ
ることにより製造される。本発明のポリカーボネート共
重合体をブロック共重合体として製造する場合は、一般
式(1)または一般式(2)で表されるジヒドロキシ化
合物のいずれか一方を単独でカーボネート前駆体と作用
させ、大部分の末端がハロホーメート基または炭酸エス
テル基であるポリカーボネートのオリゴマーを調製し、
その後、他方のジヒドロキシ化合物またはそのジヒドロ
キシ化合物から誘導されるポリカーボネートオリゴマー
を作用させることにより製造される。
【0031】本発明のポリカーボネート共重合体の分子
量としては、特に限定されるものではないが、通常、G
PC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)
で測定する標準ポリスチレン換算の分子量として重量平
均分子量が、5000〜200000であり、好ましく
は、10000〜150000であり、より好ましく
は、15000〜120000である。また、重量平均
分子量と数平均分子量の比として表される多分散性イン
デックスとしては、特に限定されるものではないが、好
ましくは、1.5〜20.0であり、より好ましくは、
2.0〜15.0であり、さらに好ましくは、2.0〜
10.0である。
【0032】本発明のポリカーボネート共重合体は、一
般式(1−a)または一般式(2−a)で表される繰り
返し構造単位であって、異なる複数の繰り返し構造単位
を含有してなるポリカーボネート共重合体であってもよ
い。また、一般式(1−a)または一般式(2−a)で
表される繰り返し構造単位以外の他の繰り返し構造単位
を含有してなるポリカーボネート共重合体であってもよ
い。
【0033】一般式(1−a)または一般式(2−a)
で表される繰り返し構造単位以外の他の繰り返し構造単
位を含有する場合、全繰り返し構造単位中の一般式(1
−a)と一般式(2−a)で表される繰り返し構造単位
の占める割合は、本発明の所望の効果を損なわない範囲
であれば、特に制限されるものではないが、通常、50
モル%以上であり、好ましくは、70モル%以上であ
り、より好ましくは、90モル%以上である。本発明の
所望の効果を最大限に得るためには、前述の一般式(1
−a)および一般式(2−a)で表される繰り返し構造
単位のみからなる、他の繰り返し構造単位を含有しない
共重合体は、特に好ましい。また、これらの場合、ポリ
マーの末端基の構造単位としては、後述するような分子
量調節剤から誘導される構造単位が挙げられる。
【0034】かかる他の繰り返し構造単位は、一般式
(1)または一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合
物以外の他のジヒドロキシ化合物から誘導される繰り返
し構造単位であり、該ジヒドロキシ化合物としては、各
種公知の芳香族ジヒドロキシ化合物または脂肪族ジヒド
ロキシ化合物を例示することができる。
【0035】該芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例とし
ては、例えば、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)フェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)ジフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)-1-ナフチルメタン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェ
ニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス(4'−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン〔”ビスフェノールA”〕、2-(4'−
ヒドロキシフェニル)-2-(3'−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)-3−メチルブタン、2,2-ビ
ス(4'-ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3-ビス(4'-ヒ
ドロキシフェニル) ペンタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシ
フェニル) ヘキサン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニ
ル)オクタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)-4-メ
チルペンタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル) ヘプ
タン、4,4-ビス(4'-ヒドロキシフェニル) ヘプタン、2,
2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル) トリデカン、2,2-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2-ビス(3'−
メチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス
(3'−エチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2-ビス(3'−n−プロピル−4'−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2-ビス(3'−イソプロピル−4'−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−sec−ブチル
−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−
tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(3'−シクロヘキシル−4'−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−アリル−4'−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−メトキシ−4'
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3',5'-ジ
メチル−4'−ヒドロキシフェニル) プロパン、2,2-ビス
(2',3',5',6'-テトラメチル−4'−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シアノ
メタン、1-シアノ-3,3−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリール)ア
ルカン類、
【0036】1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロペンタン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘプタン、1,1-ビス(3'−メチル−4'−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(3',5'-ジメチル−
4'−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス
(3',5'-ジクロロ−4'−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,1-ビス(3'−メチル−4'−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルシクロヘキサン、1,1-ビス (4'−ヒド
ロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,
2-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、2,2-
ビス(4'−ヒドロキシフェニル)アダマンタン等のビス
(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4'- ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル、4,4'- ジヒドロキシ-3,
3'-ジメチルジフェニルエーテル、エチレングリコール
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(ヒ
ドロキシアリール)エーテル類、4,4'- ジヒドロキシジ
フェニルスルフィド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロ
キシジフェニルスルフィド、3,3'−ジシクロヘキシル−
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3'−ジフ
ェニル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等の
ビス(ヒドロキシアリール)スルフィド類、
【0037】4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルス
ルホキシド等のビス(ヒドロキシアリール)スルホキシ
ド類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'-
ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホン等のビ
ス(ヒドロキシアリール)スルホン類、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)ケトン等のビス(ヒドロキシアリー
ル)ケトン類、さらには、7,7'−ジヒドロキシ−3,3',
4,4'-テトラヒドロ−4,4,4',4'-テトラメチル-2,2'-ス
ピロビ(2H−1−ベンゾピラン)、トランス-2,3- ビ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)-2- ブテン、9,9-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)フルオレン、3,3-ビス(4'
−ヒドロキシフェニル)-2- ブタノン、1,6-ビス(4'−
ヒドロキシフェニル)-1,6- ヘキサンジオン、α,α,
α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−p-キシレン、α,α,α’,α’−
テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−m-キシレン、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノン、レゾルシン等が挙げられる。さらに、例
えばビスフェノールA2モルとイソフタロイルクロライ
ドまたはテレフタロイルクロライド1モルとを反応させ
ることにより製造することができるエステル結合を含む
芳香族ジヒドロキシ化合物も有用である。
【0038】該脂肪族ジヒドロキシ化合物の具体例とし
ては、1,2−ジヒドロキシエタン、1,3−ジヒドロ
キシプロパン、1,4−ジヒドロキシブタン、1,5−
ジヒドロキシペンタン、3−メチル−1,5−ジヒドロ
キシペンタン、1,6−ジヒドロキシヘキサン、1,7
−ジヒドロキシヘプタン、1,8−ジヒドロキシオクタ
ン、1,9−ジヒドロキシノナン、1,10−ジヒドロ
キシデカン、1,11−ジヒドロキシウンデカン、1,
12−ジヒドロキシドデカン、ジヒドロキシネオペンチ
ル、2−エチル−1,2−ジヒドロキシヘキサン、2−
メチル−1,3−ジヒドロキシプロパン等のジヒドロキ
シアルカン、1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、
1,4−ジヒドキシシクロヘキサン及び2,2−ビス
(4’−ヒドロキシルシクロヘキシル)プロパン等のジ
ヒドロキシシクロアルカンを挙げることができる。
【0039】さらに、o−ジヒドロキシキシリレン、m
−ジヒドロキシキシリレン、p−ジヒドロキシキシリレ
ン、1,4−ビス(2’−ヒドロキシエチル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(3’−ヒドロキシプロピル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4’−ヒドロキシブチル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(5’−ヒドロキシペンチル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(6’−ヒドロキシヘキシル)ベンゼ
ン、2,2−ビス[4’−(2”−ヒドロキシエチルオ
キシ)フェニル]プロパン等のジヒドロキシ化合物を挙
げることができる。
【0040】さらに、一般式(1−a)または一般式
(2−a)で表される繰り返し構造単位以外の他の繰り
返し構造単位として、上記ジヒドロキシ化合物以外の2
官能性化合物から誘導される繰り返し構造単位を含有し
ていてもよい。すなわち、該ジヒドロキシ化合物以外の
2官能性化合物としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族
ジカルボン酸、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、芳香
族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート等の化合
物が挙げられる。これらの2官能性化合物を用いること
により、カーボネート基以外に、イミノ基、エステル
基、エーテル基、イミド基、アミド基、ウレタン基、ウ
レア基等の基を含有するポリカーボネート共重合体が得
られ、本発明はかかるポリカーボネート共重合体も包含
するものである。
【0041】本発明のポリカーボネート共重合体におい
て、末端基は、ヒドロキシ基、ハロホーメート基、炭酸
エステル基等の反応性の末端基であってもよく、また、
分子量調節剤で封止された不活性な末端基であってもよ
い。ポリカーボネート共重合体中の末端基の量は特に制
限はないが、通常、構造単位の総モル数に対して、0.
001〜10モル%であり、好ましくは、0.01〜5
モル%であり、より好ましくは、0.1〜3モル%であ
る。
【0042】本発明のポリカーボネート共重合体を前記
の方法に従い重合して製造する際に、分子量を調節する
目的で分子量調節剤の存在下に重合を行うことは好まし
いことである。かかる分子量調節剤としては特に限定さ
れるものではなく、公知のポリカーボネート重合の際に
使用される各種既知の分子量調節剤であればよく、例え
ば、1価のヒドロキシ脂肪族化合物またはヒドロキシ芳
香族化合物もしくはその誘導体(例えば、1価のヒドロ
キシ脂肪族化合物またはヒドロキシ芳香族化合物のアル
カリ金属またはアルカリ土類金属塩、1価のヒドロキシ
脂肪族化合物またはヒドロキシ芳香族化合物のハロホー
メート化合物、1価のヒドロキシ脂肪族化合物またはヒ
ドロキシ芳香族化合物の炭酸エステルなど)、1価のカ
ルボン酸もしくはその誘導体(例えば、1価のカルボン
酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、1価のカ
ルボン酸の酸ハライド、1価のカルボン酸のエステルな
ど)等が挙げられる。
【0043】上記の1価のヒドロキシ脂肪族化合物また
はヒドロキシ芳香族化合物としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、ブタノール、オクタノール、ラウリル
アルコール、メトキシエタノール、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジル
アルコール、アリルアルコール、フェノール、4−tert
−ブチルフェノール、2−クレゾール、3−クレゾー
ル、4−クレゾール、2−エチルフェノール、4−エチ
ルフェノール、4−クミルフェノール、4−フェニルフ
ェノール、4−シクロヘキシルフェノール、4−n−オ
クチルフェノール、4−イソオクチルフェノール、4−
ノニルフェノール、4−メトキシフェノール、4−n−
ヘキシルオキシフェノール、4−イソプロペニルフェノ
ール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、
4−クロロフェノール、2−ブロモフェノール、3−ブ
ロモフェノール、4−ブロモフェノール、2,4−ジク
ロロフェノール、2,4−ジブロモフェノール、ペンタ
クロロフェノール、ペンタブロモフェノール、β−ナフ
トール、α−ナフトール、2−(4’−メトキシフェニ
ル)−2−(4”−ヒドロキシフェニル)プロパン等が
挙げられる。
【0044】また、上記の1価のカルボン酸としては、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプ
タン酸、カプリル酸、2,2−ジメチルプロピオン酸、
3−メチル酪酸、3,3−ジメチル酪酸、4−メチル吉
草酸、3,3−ジメチル吉草酸、4−メチルカプロン
酸、2,4−ジメチル吉草酸、3,5−ジメチルカプロ
ン酸、フェノキシ酢酸等の脂肪族カルボン酸類、安息香
酸、4−プロポキシ安息香酸、4−ブトキシ安息香酸、
4−ペンチルオキシ安息香酸、4−ヘキシルオキシ安息
香酸、4−オクチルオキシ安息香酸等の安息香酸類が挙
げられる。
【0045】分子量調節剤の使用量は特に制限するもの
でなく、目的の分子量に調節するために所望に応じて用
いればよいが、通常、重合するジヒドロキシ化合物の総
モル数に対して、0.001〜10モル%であり、好ま
しくは0.01〜5モル%である。
【0046】本発明のポリカーボネート共重合体は、所
望の効果を損なわない範囲で、2,2−ビス(4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンから誘導される芳香族ポリ
カーボネートと配合することにより成形材料として使用
することも可能である。また、さらに他のポリマーと併
用して、成形材料として使用することが可能である。他
のポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、
ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエー
テルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、パ
ラオキシベンゾイル系ポリエステル、ポリアリーレー
ト、ポリスルフィド等が挙げられる。
【0047】また、本発明のポリカーボネート共重合体
は、単独で、もしくは、他のポリマーと混合して、ポリ
カーボネート共重合体の製造時または製造後に公知の方
法で、顔料、染料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、離型剤、有機ハロゲン化合物、アルカリ金属スルホ
ン酸塩、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、硫酸バ
リウム、TiO2 等の公知の各種添加剤を添加してもよ
い。
【0048】本発明のポリカーボネート共重合体は、単
独で、または他のポリマーと混合した状態で、所望によ
り、上記の添加剤を添加して成形材料として、電気機器
等のシャーシやハウジング材、電子部品、自動車部品、
光ディスク等の情報記録媒体の基板、カメラや眼鏡のレ
ンズ等の光学材料、ガラス代替の建材等に成形すること
が可能である。本発明のポリカーボネート共重合体は、
熱可塑性であり、溶融状態で射出成形、押出成形、ブロ
ー成形、フィラー等への含浸等が可能であり、さらに
は、圧縮成形、溶液キャスティングなど、各種の公知の
成形方法により容易に成形可能である。
【0049】本発明のポリカーボネート共重合体を含有
してなる光学部品としては、光ディスク基板、光磁気デ
ィスク基板などの光記録媒体基板、ピックアップレンズ
などの光学レンズ、液晶セル用プラスチック基板、プリ
ズム等の各種光学部品を挙げることができる。これらの
光学部品は、上述したような公知の各種成形方法(代表
的には、射出成形など)により、好適に製造することが
できる、このようにして得られる本発明の光学部品は、
低複屈折性を有し、諸性能(例えば、光ディスクとして
の光記録特性、耐久性など)に優れており、非常に有用
である。
【0050】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例および比較例で製造したポリカー
ボネートの物性の測定は、以下の方法により行った。 〔分子量の測定〕芳香族ポリカーボネートの0.2重量
%クロロホルム溶液をGPC(ゲル・パーミエーション
・クロマトグラフィー)〔昭和電工(株)製、Syst
em−11〕により測定し、重量平均分子量(Mw)を
求めた。尚、測定値は、標準ポリスチレン換算の値であ
る。 〔溶融粘度〕島津高化式フローテスター(CFT500
A)を使用し、荷重100kgで直径0.1cm、長さ
1cmのオリフィスを用いて測定した。
【0051】実施例1 内容量2リットルのフラスコに撹拌機、還流冷却管、ホ
スゲン吹き込み用浸漬管を設けた。このフラスコに下記
式(1−1)(化5)で表されるジヒドロキシ化合物9
9.10g(0.25モル)、下記式(2−1)(化
5)で表されるジヒドロキシ化合物77.10g(0.
25モル)、末端停止剤としてフェノール0.94g
(0.010モル;2モル%対ジオール成分)、ピリジ
ン197.75(2.50モル)およびジクロロメタン
700gを秤取した。この混合物に対して、氷冷下、ホ
スゲン64.35g(0.65モル)を3時間かけて供
給し、反応混合物をさらに2時間、撹拌混合した。
【0052】
【化5】
【0053】反応終了後、5%塩酸水溶液で洗浄して過
剰のピリジンを塩酸塩として除去した後、水層が中性に
なるまで水洗を繰り返した。分液して有機層を取り出し
て、ジクロロメタンを減圧下、留去した後、粉砕して、
100℃で1時間乾燥することにより下記式(1−a−
1)および式(2−a−1)(化6)で表される繰り返
し構造単位を含有してなるポリカーボネート共重合体
(ランダム共重合体)を白色粉状固体で得た。重量平均
分子量は71000であった。走査熱量計(DSC−3
100、マックサイエンス社製)で、0℃〜300℃の
温度範囲で示差熱分析を行ったところ、ガラス転移温度
(Tg)は145℃であった。また220℃における溶
融粘度は4500ポイズであった。
【0054】
【化6】
【0055】得られたポリカーボネート共重合体の1重
量%重水素化クロロホルム溶液の 1H−NMRを測定し
た結果を下記に示した。 ・ 1H−NMR δ(CDCl3 ):1.3(s,12
H)、1.4(s,12H)、2.3(m,8H)、
3.9〜4.5(m,8H)、6.3〜7.2(m,1
2H) ・IR(KBr法):1750cm-1、1780cm-1
〔−O−C(=O)−O−〕 上記 1H−NMR測定の結果で、エチレン鎖のプロトン
と芳香環上のプロトンとの積分比を求めることにより、
得られたポリカーボネート共重合体中の式(1−a−
1)で表される構造単位と、式(2−a−1)で表され
る構造単位とのモル比は50:50であることが確認さ
れた。
【0056】実施例2 実施例1において、式(1−1)で表されるジヒドロキ
シ化合物99.10g(0.25モル)、式(2−1)
で表されるジヒドロキシ化合物77.10g(0.25
モル)を使用する代わりに、式(1−1)で表されるジ
ヒドロキシ化合物138.74g(0.35モル)、式
(2−1)で表されるジヒドロキシ化合物46.26g
(0.15モル)を使用し、さらに、末端停止剤として
フェノール0.47g(0.005モル;1モル%対ジ
オール分)を使用する以外は、実施例1に記載の方法と
同様な方法に従って、前記式(1−a−1)および(式
2−a−1)で表される繰り返し構造単位を含有してな
るポリカーボネート共重合体(ランダム共重合体)を製
造した。重量平均分子量は95000であり、ガラス転
移温度(Tg)は135℃であった。また220℃にお
ける溶融粘度は4500ポイズであった。実施例1と同
様な方法により、得られたポリカーボネート共重合体を
1H−NMR測定解析した結果、得られたポリカーボネ
ート共重合体中の式(1−a−1)で表される構造単位
と、式(2−a−1)で表される構造単位とのモル比は
70:30であることが確認された。
【0057】実施例3 実施例1において、式(1−1)で表されるジヒドロキ
シ化合物99.10g(0.25モル)、式(2−1)
で表されるジヒドロキシ化合物77.10g(0.25
モル)を使用する代わりに、式(1−1)で表されるジ
ヒドロキシ化合物138.74g(0.35モル)、式
(2−1)で表されるジヒドロキシ化合物46.26g
(0.15モル)を使用し、さらに、末端停止剤として
フェノール0.71g(0.0075モル;1.5モル
%対ジオール成分)を使用する以外は、実施例1に記載
の方法と同様な方法に従って、前記式(1−a−1)お
よび式(2−a−1)で表される繰り返し構造単位を含
有してなるポリカーボネート共重合体(ランダム共重合
体)を製造した。重量平均分子量は70000であり、
ガラス転移温度(Tg)は135℃であった。また22
0℃における溶融粘度は1500ポイズであった。実施
例1と同様な方法により得られたポリカーボネート共重
合体を 1H−NMR測定解析した結果、得られたポリカ
ーボネート共重合体中の式(1−a−1)で表される構
造単位と、式(2−a−1)で表される構造単位とのモ
ル比は70:30であることが確認された。
【0058】実施例4 実施例1において、式(1−1)で表されるジヒドロキ
シ化合物99.10g(0.25モル)、式(2−1)
で表されるジヒドロキシ化合物77.10g(0.25
モル)を使用する代わりに、式(1−1)で表されるジ
ヒドロキシ化合物39.64g(0.10モル)、式
(2−1)で表されるジヒドロキシ化合物123.36
g(0.40モル)を使用する以外は、実施例1に記載
の方法と同様な方法に従って、前記式(1−a−1)お
よび式(2−a−1)で表される繰り返し構造単位を含
有してなるポリカーボネート共重合体(ランダム共重合
体)を製造した。重量平均分子量は65000であり、
ガラス転移温度(Tg)は165℃であった。また22
0℃における溶融粘度は6500ポイズであった。実施
例1と同様な方法により、得られたポリカーボネート共
重合体を 1H−NMR測定解析した結果、得られたポリ
カーボネート共重合体中の式(1−a−1)で表される
構造単位と、式(2−a−1)で表される構造単位との
モル比は20:80であることが確認された。
【0059】実施例5 実施例1において、式(1−1)で表されるジヒドロキ
シ化合物の代わりに式(1−2)(化7)で表されるジ
ヒドロキシ化合物を、式(2−1)で表されるジヒドロ
キシ化合物の代わりに式(2−2)(化7)で表される
ジヒドロキシ化合物を使用する以外は実施例2に記載の
方法に従って、下記式(1−a−2)および式(2−a
−2)(化7)で表される繰り返し構造単位を含有する
ポリカーボネート共重合体を製造した。重量平均分子量
は72000であり、ガラス転移温度(Tg)は140
℃であった。また220℃における溶融粘度は5500
ポイズであった。
【0060】
【化7】 実施例1と同様な方法により、得られたポリカーボネー
ト共重合体を 1H−NMR測定解析した結果、得られた
ポリカーボネート共重合体中の式(1−a−2)で表さ
れる構造単位と、式(2−a−2)で表される構造単位
とのモル比は50:50であることが確認された。
【0061】実施例6 実施例1において、式(1−1)で表されるジヒドロキ
シ化合物の代わりに式(1−3)(化8)で表されるジ
ヒドロキシ化合物を、式(2−1)で表されるジヒドロ
キシ化合物の代わりに式(2−3)(化8)で表される
ジヒドロキシ化合物を使用する以外は実施例2に記載の
方法に従って、下記式(1−a−3)および式(2−a
−3)(化8)で表される繰り返し構造単位を含有する
ポリカーボネート共重合体を製造した。重量平均分子量
は80000であり、ガラス転移温度(Tg)は145
℃であった。また220℃における溶融粘度は6000
ポイズであった。
【0062】
【化8】 実施例1と同様な方法により、得られたポリカーボネー
ト共重合体を 1H−NMR測定解析した結果、得られた
ポリカーボネート共重合体中の式(1−a−3)で表さ
れる構造単位と、式(2−a−3)で表される構造単位
とのモル比は50:50であることが確認された。
【0063】参考製造例1 内容量500ミリリットルのフラスコに撹拌機、還流冷
却管、ホスゲン吹き込み用浸漬管を設けた。このフラス
コに前記式(1−1)で表されるジヒドロキシ化合物3
96g(1.00モル)およびジクロロメタン500g
を秤取した。この混合物に対して、氷冷下、塩化カルボ
ニル207.9g(2.10モル)を60分間かけて供
給し、反応混合物をさらに2時間、撹拌混合した。反応
終了後、窒素ガスを吹き込み、余剰のホスゲンと副生し
た塩化水素を留去した後、ジクロロメタンを減圧下、留
去することにより下記式(1−1−b)(化9)で表さ
れるビスクロロホーメート480gを得た。
【0064】
【化9】
【0065】実施例7 内容量500ミリリットルのフラスコに撹拌機、還流冷
却管を設け、このフラスコに、参考製造例1で製造した
式(1−1−b)で表されるビスクロロホーメート5
2.1g(0.10モル)、前記式(2−1)で表され
るジヒドロキシ化合物30.8g(0.10モル)、末
端停止剤としてフェノール0.377g(0.004モ
ル)、ならびに、ジクロロメタン200gを秤取した。
この混合物に対して、ピリジン23.7g(0.30モ
ル)を氷冷下、30分を要して滴下した後、さらに同温
度で2時間攪拌した。重合反応終了後、反応混合物に希
塩酸水溶液を加て攪拌して過剰のピリジンを除去した
後、ジクロロメタン相をイオン交換水により中性になる
まで洗浄、分液した。得られたポリカーボネート共重合
体のジクロロメタン溶液からジクロロメタンを留去する
ことにより、前記式(1−a−1)および式(2−a−
1)で表される構造単位を含有するポリカーボネート共
重合体(交互共重合体)を無色固体として得た。このポ
リカーボネートの重量平均分子量は70000であり、
ガラス転移委温度(Tg)は150℃であった。また2
20℃における溶融粘度は4200ポイズであった。実
施例1と同様な方法により、得られたポリカーボネート
共重合体を 1H−NMR測定解析した結果、得られたポ
リカーボネート共重合体中の式(1−a−1)で表され
る構造単位と、式(2−a−1)で表される構造単位と
のモル比は50:50であることが確認された。
【0066】比較例1 ビスフェノールAとホスゲンから常法(界面重合法)に
従い、下記のようにして公知のポリカーボネートを製造
した。内容量2リットルのバッフル付きフラスコに、格
子翼を備えた撹拌機、還流冷却管、ホスゲン吹き込み用
浸漬管を設けた。このフラスコに、114g(0.50
モル)のビスフェノールA、56g(1.40モル)の
水酸化ナトリウム、2.58gの4−tert−ブチルフェ
ノールおよび、600ミリリットルの脱イオン水を装入
し水溶液を調製した。その後、該水溶液に600ミリリ
ットルのジクロロメタンを添加し、2相混合物とし、こ
の2相混合物を撹拌しながら、該混合物に59.4g
(0.60モル)のホスゲンを9.9g/分の供給速度
で供給した。塩化カルボニルの供給終了後、0.08g
のトリエチルアミンを反応混合物に添加し、さらに90
分間撹拌混合した。その後撹拌を停止し、反応混合物を
分液し、ジクロロメタン相を塩酸水溶液により中和し、
脱イオン水を使用して、水性洗浄液に電界質が実質的に
検出されなくなるまで洗浄した。その後、ジクロロメタ
ン相から、ジクロロメタンを蒸発留去することにより、
固体状態の芳香族ポリカーボネートを得た。重量平均分
子量は51000であり、300℃における溶融粘度は
5400ポイズであった。
【0067】比較例2 特開昭63−314235号公報の実施例7に記載の方
法に従い、ビスフェノールAとスピロビインダノールと
のポリカーボネート共重合体を製造した。重量平均分子
量は44800であり、280℃における溶融粘度は4
800ポイズであった(モル比50:50)。
【0068】比較例3 特開昭63−314235号公報の実施例9に記載の方
法に従い、スピロビインダノールのホモポリカーボネー
トを製造した。重量平均分子量57000であり、ガラ
ス転移温度は228℃であった。また、300℃におけ
る溶融粘度は4500ポイズであった。このポリカーボ
ネートを用いて、後述する評価方法に従いプレス成形に
よる試験片を作製して評価試験を行おうとしたところ、
得られた試験片は非常に脆く容易に割れてしまい、実質
的に成形不可能であった。
【0069】各実施例で製造した本発明のポリカーボネ
ート共重合体は、比較例で製造した公知のビスフェノー
ルAのポリカーボネートと比較して約80℃低い温度で
同等の溶融粘度(数千ポイズオーダー)を示し、溶融流
動性に富み成形加工性が良好であることが判った。 〔評価方法〕各実施例および比較例で製造したポリカー
ボネートを用い、プレス成形して厚さ1.2mmの板状
試験片を作製した。この試験片について、以下に示した
項目の評価試験を行った。結果を下記の第3表(表9)
に示した。 (1)外観 試験片の透明性、光学的面状態を目視観察、評価した。 ○:ひび割れ、クラック、面荒れ等が無く、無色透明で
面状態の良いもの ×:ひび割れ、クラック、面荒れ等が観察されるもの (2)全光線透過率(以下、透過率と称する) ASTMD−1003法に従った。 (3)複屈折 エリプソメーターによって測定した。 (4)耐熱性 120℃で熱風乾燥基中に4時間放置した後、試験片を
取り出して、肉眼で観察し評価した。 ○:成形物の着色、表面の歪、クラック等が無いもの ×:成形物の着色、表面の歪、クラック等が観察される
もの
【0070】
【0071】
【表9】 第3表から明らかなように、本発明のポリカーボネート
共重合体を成形して得られる成形物は、透明性、耐熱性
等が良好で、且つ、低複屈折性を有していることが明き
らかとなった。
【0072】実施例8(光ディスクの作製および評価) 実施例1で製造したポリカーボネート共重合体をペレタ
イザー付き押出機(シリンダー温度230℃)にてペレ
ット状として、各ペレットを110℃にて4時間乾燥し
た後、260℃にて射出成形を行った。すなわち、金型
に鏡面を有するスタンパーを装着して、外径130m
m、厚さ1.2mmの円盤状の成形物を得た。得られた
基板の中心部を、内径15mmとなるように打ち抜い
て、ドーナツ状円盤とした。次に、基板の片面にアルミ
の真空蒸着を行い、厚み600オングストロームの反射
層を設けた。得られた光ディスクの複屈折およびBER
(ビットエラーレート)を測定した。ビットエラーレー
トは、波長780nm、線速2m/sec、0.8mW
のレーザー光を用いて、記録の読みとりのエラーの発生
率を測定した。結果を下記の第4表(表10)に示し
た。
【0073】実施例9〜14 実施例2〜7で製造したポリカーボネート共重合体を用
いる以外は、実施例8に記載の方法と同様な方法によ
り、光ディスクを作製して評価を行った。結果を下記の
第4表に示した。
【0074】比較例4 比較例1で製造したポリカーボネートを使用して340
℃で射出成形する以外は、上記実施例と同様な方法によ
り光ディスクを製造した。得られた光ディスクの複屈折
およびBER(ビットエラーレート)を測定した結果
を、下記の第4表に示した。
【0075】比較例5 比較例2で製造したポリカーボネートを使用して320
℃で射出成形する以外は、上記実施例と同様な方法によ
り光ディスクを製造した。得られた光ディスクの複屈折
およびBER(ビットエラーレート)を測定した結果
を、下記の第4表に示した。
【0076】
【表10】 第4表から明らかなように、本発明のポリカーボネート
共重合体を用いて得られる光ディスクは複屈折の低下に
より、既存のポリカーボネートを用いて得られる光ディ
スクと比較して、BERが向上している。
【0077】実施例15(光磁気ディスクの製造および
記録特性の評価) 実施例1において得られたポリカーボネート共重合体を
ペレタイザー付き押出機(シリンダー温度230℃)に
てペレット状として、各ペレットを110℃にて4時間
乾燥した後、射出成形を行った。すなわち、金型に鏡面
を有するスタンパーを装着して、外径130mm、厚さ
1.2mmの円盤状の成形物(基板)を得た。得られた
基板上に、Tb23.5Fe64.2Co12.3(原子%)の合金
ターゲットを用いてスパッタリング装置〔RFスパッタ
リング装置、日本真空(株)製〕中で、厚み1000オ
ングストロームの光磁気記録層を形成した。この記録膜
上に、厚み1000オングストロームの無機ガラスの保
護膜を、上記と同じスパッタリング装置を用いて形成し
た。得られた光磁気ディスクの複屈折、CN比、BER
(ビットエラーレート)およびCN保持率を測定した。
尚、CN比は、書き込みパワー7mW、読みとりパワー
1mW、キャリア周波数1MHz、分解能帯域幅30K
Hzで測定を行った。CN保持率は、60℃、90%R
H条件下で、30日経過後のCN比の低下度を初期のC
N比に対する百分率(%)で示した。結果を下記の第5
表(表11)に示した。
【0078】実施例16〜21 実施例2〜7で製造したポリカーボネート共重合体を使
用する以外は、上記実施例15と同様な方法により光磁
気ディスクを製造した。得られた光磁気ディスクの複屈
折、CN比、BER(ビットエラーレート)およびCN
保持率を測定した結果を、以下の第5表に示した。
【0079】比較例6 比較例1で製造したポリカーボネートを使用する以外
は、上記実施例と同様な方法により光磁気ディスクを製
造した。得られた光磁気ディスクの複屈折、CN比、B
ER(ビットエラーレート)およびCN保持率を測定し
た結果を、下記の第5表に示した。
【0080】比較例7 比較例2で製造したポリカーボネートを使用する以外
は、上記実施例と同様な方法により光磁気ディスクを製
造した。得られた光磁気ディスクの複屈折、CN比、B
ER(ビットエラーレート)およびCN保持率を測定し
た結果を、下記の第5表に示した。
【0081】
【表11】 第5表から明らかなように、本発明のポリカーボネート
共重合体を用いて得られる光磁気ディスクは複屈折の低
下により、既存のポリカーボネートより得られる光磁気
ディスクと比較して、CN比およびBERが向上してお
り、また、CN保持率が改良されている。
【0082】
【発明の効果】本発明により、透明性、耐熱性、機械物
性等が良好で、且つ、低複屈折性を有するポリカーボネ
ート共重合体を提供することが可能になった。該ポリカ
ーボネート共重合体は既存のビスフェノールAのポリカ
ーボネートと比較して溶融時の流動性が良好であり、成
形加工性にも優れている。本発明のポリカーボネート共
重合体は光ディスク基板、ピックアップレンズなどの光
学部品として非常に有用であり、特に、該ポリカーボネ
ート共重合体を用いて得られる光ディスク基板は光記録
特性に優れ、且つ、耐久性(耐熱性、耐湿性など)にも
優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1−a)および一般式(2−
    a)(化1)で表される繰り返し構造単位を含有してな
    るポリカーボネート共重合体。 【化1】 (上式中、R1 およびR3 はそれぞれ独立にアルキル
    基、アルコキシ基、ニトロ基あるいはハロゲン原子を表
    し、R2 は水素原子またはメチル基を表し、kおよびl
    はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、mおよびnはそ
    れぞれ独立に0〜20の整数を表す。但し、m+nは0
    となることはない)
  2. 【請求項2】 一般式(1−a)および一般式(2−
    a)で表される繰り返し構造単位中に含まれる一般式
    (1−a)で表される繰り返し構造単位の割合が5〜9
    0モル%である請求項1記載のポリカーボネート共重合
    体。
  3. 【請求項3】 ポリカーボネート共重合体の重量平均分
    子量が10000〜150000である請求項1または
    2に記載のポリカーボネート共重合体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のポリカ
    ーボネート共重合体を含有してなる光学部品。
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