JPH11263813A - アリルトリアルキルアンモニウム塩共重合体の製造方法及びアリルトリアルキルアンモニウム塩共重合体 - Google Patents

アリルトリアルキルアンモニウム塩共重合体の製造方法及びアリルトリアルキルアンモニウム塩共重合体

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JPH11263813A
JPH11263813A JP8245898A JP8245898A JPH11263813A JP H11263813 A JPH11263813 A JP H11263813A JP 8245898 A JP8245898 A JP 8245898A JP 8245898 A JP8245898 A JP 8245898A JP H11263813 A JPH11263813 A JP H11263813A
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copolymer
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polymerization
carbon atoms
alkyl group
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JP8245898A
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Mitsumasa Hashimoto
三昌 橋本
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Nitto Boseki Co Ltd
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Nitto Boseki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ある種のアリルトリアルキルアン
モニウム塩と特定のビニルモノマーとを共重合させて、
それらの共重合体を高収率で簡単に製造する方法を提供
する。 【解決手段】 ヒドロペルオキシド化合物、分子内にア
ゾ基を有する化合物、過硫酸塩及び過酸化水素の中から
選ばれる少なくとも1種のラジカル開始剤の存在下、溶
媒中において、(A)モノアリルトリアルキルアンモニ
ウム塩と、(B)N−ビニルアミド類、アクリルアミド
類及びアクリル酸類から選ばれるビニルモノマーとを重
合させることにより、アリルトリアルキルアンモニウム
塩共重合体を収率良く、簡単に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、アリルトリアルキ
ルアンモニウム塩共重合体の製造方法及びアリルトリア
ルキルアンモニウム塩共重合体に関する。さらに詳しく
は、本発明は、モノアリルトリアルキルアンモニウム塩
とビニルモノマーとをラジカル開始剤の存在下に重合さ
せて、アリルトリアルキルアンモニウム塩とビニルモノ
マーとの共重合体を高収率で製造する方法、及びこの方
法で製造しうる新規なアリルトリアルキルアンモニウム
塩共重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、モノアリル化合物は通常
のラジカル開始剤によっては、重合し難く、ラジカル開
始剤を用いた重合では、一般に重合体を低収率で生成す
るだけである。これはアリル水素原子とラジカルとの反
応による自己停止反応が起こるためであると説明され、
通常アリル型破壊的連鎖移動と呼ばれている。モノアリ
ルアミンの重合については、アリル化合物が通常のラジ
カル開始剤によっては重合しがたいにもかかわらず、ア
ゾ基を含むラジカル開始剤を用いると、モノアリルアミ
ンの無機酸塩を、水又は極性溶媒中で高重合率で重合で
きることが知られている。そして、この重合方法は、種
々のアリルアミン類の重合に応用されてきている。しか
しながら、アリルトリアルキルアンモニウム塩の重合に
関しては、特公平2−14364号公報に記載のよう
に、この方法を適用してさえも、ほとんど重合が起こら
ず、有効な重合方法は知られていない。
【0003】このように、アリルトリアルキルアンモニ
ウム塩自体が、重合しにくいので、アリルトリアルキル
アンモニウム塩とビニルモノマーとの共重合に関して
は、酢酸ビニルとアリルトリメチルアンモニウムクロラ
イドをカチオン化度が数モル%で共重合させた例(例え
ば、特開昭57−128298号公報)はあるものの、
有効な重合方法は、これまでほとんど知られていないの
が実状である。
【0004】一方、アリルトリアルキルアンモニウム塩
重合体の製造方法については、他のビニル重合体又はア
リルアミン重合体を化学修飾して、アリルトリアルキル
アンモニウム塩重合体を製造する方法が知られている。
例えば、特開昭53−17687号公報には、塩化アリ
ル重合体をトリメチルアミンと反応させて、アリルトリ
メチルアンモニウムクロライド重合体を製造する方法が
記載されている。また、米国特許4053512号明細
書には、N,N−ジメチルアクリルアミドを特殊な試薬
で還元し、得られるN,N−ジメチルアリルアミン重合
体と四級化試薬とを反応させて、アリルトリメチルアン
モニウム塩重合体を製造する方法が記載されている。さ
らに、特公昭63−43402号公報には、アリルアミ
ン重合体に、蟻酸とホルムアルデヒドとを反応させて、
N,N−ジメチルアリルアミン重合体を製造する方法が
記載されているが、このポリマーをハロゲン化メチルな
どの四級化試薬と反応させることによっても、アリルト
リメチルアンモニウム塩重合体の製造は可能である。
【0005】しかしながら、これらの方法は、アリルト
リアルキルアンモニウム塩以外の別な単量体から、ある
前駆体重合体を製造し、次いで、その重合体を化学修飾
することにより、アリルトリアルキルアンモニウム塩の
単独重合体を製造するものであり、アリルトリアルキル
アンモニウム塩共重合体の製造にこの方法を適用する場
合、反応制御等の問題があり、この方法は実用的でな
い。このように、アリルトリアルキルアンモニウム塩共
重合体は、モノマーからの共重合による方法によって
も、ビニル重合体又はアリルアミン重合体の化学修飾に
よる方法によってもいずれも製造しにくいのが実状であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ある種のア
リルトリアルキルアンモニウム塩と特定のビニルモノマ
ーとを共重合させて、それらの共重合体を高収率で簡単
に製造する工業的に有利な方法、及びその方法によって
製造しうる新規なアリルトリアルキルアンモニウム塩共
重合体を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のラジカル
開始剤を用いることにより、モノアリルトリアルキルア
ンモニウム塩と、N−ビニルアミド類、アクリルアミド
類及びアクリル酸類から選ばれるビニルモノマーとの共
重合体を高収率で簡単に製造しうること、そしてこの製
造方法によって製造しうる特定の繰り返し単位を主要構
成成分とするアリルトリアルキルアンモニウム塩共重合
体は新規な化合物であることを見出し、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、(1)ヒドロペルオ
キシド化合物、分子内にアゾ基を有する化合物、過硫酸
塩及び過酸化水素の中から選ばれる少なくとも1種のラ
ジカル開始剤の存在下、溶媒中において、(A)モノア
リルトリアルキルアンモニウム塩と、(B)N−ビニル
アミド類、アクリルアミド類及びアクリル酸類から選ば
れるビニルモノマーとを重合させることを特徴とするア
リルトリアルキルアンモニウム塩共重合体の製造方法、
及び(2) (a)一般式(I)
【0009】
【化5】 (式中、R及びR1 は、それぞれ炭素数1〜4のアルキ
ル基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていても
よく、R2 は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数7〜
11のアラルキル基を示す)で表される繰り返し単位
と、(b)(イ)一般式(II)
【0010】
【化6】 (式中、R3 は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基を示す)で表される繰り返し単位、(ロ)一般式(I
II)
【0011】
【化7】 (式中、R4 及びR5 は、それぞれ水素原子又は炭素数
1〜4のアルキル基を示し、それらはたがいに同一でも
異なっていてもよい)で表される繰り返し単位、及び
(ハ)一般式(IV)
【0012】
【化8】 (式中、R6 及びR7 は、それぞれ水素原子又は炭素数
1〜4のアルキル基を示し、それらはたがいに同一でも
異なっていてもよい)で表される繰り返し単位の中から
選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位とを主要構成成
分とすることを特徴とするアリルトリアルキルアンモニ
ウム塩共重合体、を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の方法においては、原料単
量体として、(A)モノアルキルアンモニウム塩と、
(B)N−ビニルアミド類、アクリルアミド類及びアク
リル酸から選ばれるビニルモノマーとが用いられる。上
記(A)成分のモノアリルトリアルキルアンモニウム塩
としては、例えば一般式(V)
【0014】
【化9】 (式中のR及びR1 は、それぞれ炭素数1〜4のアルキ
ル基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていても
よく、R2 は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数7〜
11のアラルキル基を示す)で表わされる化合物が好ま
しく用いられる。
【0015】上記一般式(V)において、R、R1 で示
される炭素数1〜4のアルキル基及びR2 の炭素数1〜
4のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであ
ってもよく、その具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、シクロブチル基が挙げられるが、
実用上、炭素数1〜4の直鎖アルキル基が好ましい。ま
た、R2 のうちの炭素数7〜11のアラルキル基として
は、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基など
が挙げられるが、実用上、ベンジル基が好ましい。Xp-
はp価の陰イオンを示し、好ましい陰イオンとしては、
一価のCl- 、Br- 、I- 等のハロゲンイオン、CH
3 OSO3 - 、CH3 −C6 4 −SO3 - (p−トル
エンスルホン酸イオン)などが挙げられ、これらの中で
ハロゲンイオンが好ましく、特にCl- が好適である。
【0016】このような一般式(V)で表されるモノア
リルトリアルキルアンモニウム塩としては、原料の入手
の容易さや合成のしやすさなどの点から、アリルトリメ
チルアンモニウムハライド、アリルベンジルジメチルア
ンモニウムハライド、アリルジメチルアンモニウムハラ
イド、アリルジエチルメチルアンモニウムハライドが特
に好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0017】一方、(B)成分の一つであるN−ビニル
アミド類としては、例えば, 一般式(VI)
【0018】
【化10】 (式中、R3 は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基を示す)で表される化合物が好ましく用いられる。ま
た、(B)成分の一つであるアクリルアミド類は、C=
CCONH2 のユニットを有するビニルモノマーである
が、例えば、一般式(VII)
【0019】
【化11】 (式中、R4 及びR5 は、それぞれ、水素原子又は炭素
数1〜4のアルキル基を示し、これらはたがいに同一で
も異なってもよい)で表される化合物が好ましく用いら
れる。さらに、(B)成分の一つであるアクリル酸類
は、C=CCOOHユニットを有する化合物であるが、
例えば、一般式(VIII)
【0020】
【化12】 (式中、R6 及びR7 は、それぞれ、水素原子又は炭素
数1〜4のアルキル基を示し、それらはたがいに同一で
も異なっていてもよい)で表される化合物が好ましく用
いられる。
【0021】前記一般式(VI)において、R3 が炭素
数1〜4のアルキル基の場合、そのアルキル基は、直鎖
状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その具体例
としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シク
ロブチル基が挙げられる。一方、一般式(VII)にお
いて、R4 及びR5 は、炭素数1〜4のアルキル基の場
合、そのアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれ
であってもよく、その具体例としては、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、シクロブチル基が挙げられ
る。R4 及びR5 は、実用上、炭素数1〜4の直鎖アル
キル基及び水素原子から選ばれることが好ましい。
【0022】さらに、一般式(VIII)において、R
6 及びR7 は、炭素数1〜4のアルキル基の場合、その
アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであって
もよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基、シクロブチル基が挙げられる。
【0023】このような一般式(VI)で表されれるN
−ビニルアミド類としては、原料の入手や合成のし易さ
などの点から、特にN−ビニルホルムアミド、N−ビニ
ルアセタミド、N−ビニルプロピオアミドなどが好まし
く挙げられ、一方、一般式(VII)で表されるアクリ
ルアミド類としては、原料の入手の容易さや合成のしや
すさなどの点から、アクリルアミド、メタアクリルアミ
ド、クロトンアミドなどが好ましく挙げられる。これら
の中で、特にアクリルアミドが好適である。また、一般
式(VIII)で表されるアクリル酸類としては、原料
の入手のし易さなどの点からアクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸などが好ましく挙げられる。これらの中
で特にアクリル酸が好適である。
【0024】本発明においては、(B)成分の単量体と
して、前記N−ビニルアミド類、アクリルアミド類及び
アクリル酸の中から選ばれる少なくとも1種が用いられ
る。本発明の方法においては、前記(A)成分の単量体
と(B)成分の単量体との使用割合については特に制限
はないが、モル比で9:1〜1:9の範囲が好ましく、
8:2〜2:8がさらに好ましい。
【0025】本発明においては、(B)成分の割合が多
くなると、得られる共重合体の重量平均分子量は大きく
なり、極性溶媒に溶けにくくなる傾向がある。また、
(A)成分の割合が多くなるとより極性溶媒に溶けやす
くなるが重合収率が悪くなりやすい。したがって、仕込
みモル比を変化させることにより、得られる共重合体の
分子量や溶解性を適当に代えることができる場合も多
く、例えば、極性溶媒に溶解しやすい共重合体を収率よ
く製造したい場合には、(A)成分と(B)成分の使用
割合をモル比で7:3〜3:7の範囲にするのが有利で
ある。
【0026】本発明の方法においては、重合反応の溶媒
として、水、極性溶媒又はそれらの混合溶媒が好ましく
用いられるが、重合収率を向上させる目的で、アルコー
ル類、水、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミ
ド及びそれらの混合溶媒が特に好ましい。アルコール類
としては、一価アルコール、多価アルコールを使用する
ことができる。この場合、一価アルコールとしては、メ
タノール、エタノール、プロパノールを例示でき、多価
アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパ
ンジオール、トリメチレングリコール、ジプロピレング
リコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、グリセリンなどが例示できる。用いる多価アルコ
ールの沸点は、重合温度の調節のしやすさ等から70〜
250℃が好ましい。本発明において、アルコール類、
水、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド及び
それらの混合溶媒を重合溶媒として用いたとき、重合収
率が高いのは、これらがいずれも高い極性を有する極性
溶媒であり、そのため、原料のモノマ−の塩及び重合中
の塩オリゴマーを安定化又は溶解しやすいからとも考え
られる。
【0027】本発明の方法においては、ラジカル開始剤
として、ヒドロペルオキシド化合物、分子内にアゾ基を
有する化合物、過硫酸塩及び過酸化水素の中から選ばれ
る少なくとも1種が用いられる。上記ヒドロペルオキシ
ドとしては、例えば、一般式(IX)
【0028】
【化13】 (式中、R8 はメチル基又はフェニル基を示す。)で表
わされるヒドロペルオキシド化合物、分子内にアゾ基を
有する化合物、過硫酸塩及び過酸化水素から選ばれる。
上記一般式(IX)で表わされるヒドロペルオキシド化
合物としては、R8 がメチル基であるt−ブチルヒドロ
ペルオキシド及びR8 がフェニル基であるクメンヒドロ
ペルオキシドが挙げられる。
【0029】分子内にアゾ基を有する化合物としては、
特公平2−14364号公報に記載されているものが例
示できるが、下記一般式(X)
【0030】
【化14】 で示されるアゾ化合物の無機酸又は有機酸塩が原料合成
の容易さから実用に供せられる。上記一般式中のR9
10の少なくとも一方、好ましくは両方がアミノアルキ
ル、アミノアリール、アミジニルアルキル、アミジニル
アリール、アミノアルカリール、アミノアラルキル、ア
ミジニルアラルキル、アミジニルアルカリール、シアノ
アミノアルキル及びシアノアミノアルカリールからなる
群から選ばれるカチオン化し得る窒素原子を含む基であ
り、R9 とR10の一方が上記カチオン化し得る窒素原子
を含む基である場合には、残りのものが、アルキル、ア
リール、アルカリール、アラルキル、シアノアルキル、
シアノアリール、シアノアルカリール、シアノアラルキ
ルからなる群から選ばれた基である。また、このアゾ化
合物は、R9 とR10が一緒になって単一のアルキレン基
を形式し、下記一般式(XI)
【0031】
【化15】 で示されるアゾ基を含む環状化合物であってよい。一般
式(XI)において、R11はアルキレン、アルキルアル
キレン及びアリールアルキレンからなる群から選択され
る基であり、共有結合(a)及び(b)は、それぞれア
ゾ基の窒素原子と結合してアゾ基を含む環を形成してお
り、Aはカチオン化し得る窒素原子を含む基を示す。こ
の一般式(XI)で示されるラジカル開始剤は、アゾ基
に隣接する第二又は第三炭素を有する化合物であること
が特に好ましい。
【0032】一般式(XI)で表わされるラジカル開始
剤の例としては、2,2´−ジアミジニル−2,2´−
アゾプロパン・塩酸塩[別名として2,2´−アゾビス
(2−アミジノプロパン)塩酸塩]、2,2´−ジアミ
ジニル−2,2´−アゾブタン・塩酸塩、2,2´−ジ
アミジニル−2,2´−アゾペンタン・塩酸塩、2,2
´−ビス(N−フェニルアミジニル)−2,2´−アゾ
プロパン・塩酸塩、2,2´−ビス(N−フェニルアミ
ジニル)−2,2´−アゾブタン・塩酸塩、2,2´−
ビス(N,N−ジメチルアミジニル)−2,2´−アゾ
プロパン・塩酸塩、2,2´−ビス(N,N−ジメチル
アミジニル)−2,2´−アゾブタン・塩酸塩、2,2
´−ビス(N,N−ジエチルアミジニル)−2,2´−
アゾプロパン・塩酸塩、2,2´−ビス(N,N−ジエ
チルアミジニル)−2,2´−アゾブタン・塩酸塩、
2,2´−ビス(N,N−ジn−ブチルアミジニル)−
2,2´−アゾプロパン・塩酸塩、2,2´−ビス
(N,N−ジn−ブチルアミジニル)−2,2´−アゾ
ブタン・塩酸塩、3,3´−ビス(N,N−ジn−ブチ
ルアミジニル)−3,3´−アゾペンタン・塩酸塩、ア
ゾ−ビス−N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン・
塩酸塩などが挙げられる。これらの塩酸塩は、二塩酸塩
であることが好ましい。また、前記過硫酸塩としては、
過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウ
ムなどが挙げられる。なお、本発明において、これらの
ラジカル開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0033】本発明において、使用する全単量体の溶媒
に対する濃度は、その溶解度の範囲内で、できるだけ高
い濃度であることが好ましい。その濃度は、通常10〜
85重量%、好ましくは30〜80重量%である。濃度
が低すぎると重合収率は低下する傾向がある。本発明に
用いられるラジカル開始剤の量は、通常、単量体全量に
対して通常2〜40重量%、好ましくは3〜35重量
%、特に好ましくは4〜30重量%である。
【0034】本発明において、重合温度は、ラジカル開
始剤の化学構造及び溶媒により異なるが、通常、50℃
以上であり、その温度の上限は、本発明に用いる溶媒の
沸点である。重合温度は、重合収率の点から、好ましく
は60〜100℃であるが、70〜90℃が特に好まし
い。重合温度が高すぎても低すぎても、重合収率は低下
することがある。本発明において重合時間は種々の条件
で異なるが、通常5時間以上、好ましくは10〜200
時間である。
【0035】本発明においては、重合が終了した後、反
応溶液を、例えばアセトン−メタノール混合溶媒等に加
えることにより、目的の共重合体を沈殿させ、固体とし
て単離することができるときもある。
【0036】本発明の方法において、(A)成分の原料
単量体として、一般式(V)で表わされるモノアリルト
リアルキルアンモニウム塩を用い、かつ、(B)成分の
原料単量体として、一般式(VI)、(VII)又は
(VIII)で表わされるビニルモノマーを用いた場
合、生成するアリルトリアルキルアンモニウム塩共重合
体は、(a)一般式(I)
【0037】
【化16】 (式中、R及びR1 は、それぞれ炭素数1〜4のアルキ
ル基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていても
よく、R2 は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数7〜
11のアラルキル基を示す)で表される繰り返し単位
と、(b)(イ)一般式(II)
【0038】
【化17】 (式中、R3 は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基を示す)で表される繰り返し単位、(ロ)一般式(I
II)
【0039】
【化18】 (式中、R4 及びR5 は、それぞれ水素原子又は炭素
数1〜4のアルキ基を示し、それらはたがいに同一でも
異なっていてもよい)で表される繰り返し単位、及び
(ハ)一般式(IV)
【0040】
【化19】 (式中、R6 及びR7 は、それぞれ水素原子又は炭素数
1〜4のアルキル基を示し、それらはたがいに同一でも
異なっていてもよい)で表される繰り返し単位の中から
選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位とを主要構成成
分とする構造を有している。
【0041】本発明はまた、(a)前記一般式(I)で
表わされる繰り返し単位と(b)(イ)前記一般式(I
I)で表わされる繰り返し単位、(ロ)前記一般式(I
II)で表わされる繰り返し単位、及び前記一般式(I
V)で表わされる繰り返し単位の中から選ばれる少なく
とも1種の繰り返し単位とを主要構成成分とするアリル
トリアルキルアンモニウム塩共重合体をも提供するもの
である。
【0042】このアリルトリアルキルアンモニウム塩共
重合体は、文献未載の新規な化合物であって、カチオン
系高分子化合物が使用される分野において、特に低い溶
液粘性が望まれる分野において、有用である。
【0043】
【実施例】以下の本発明のアリルトリアルキルアンモニ
ウム塩とビニルモノマーとの共重合体の製造方法を実施
例にて示す。本発明は、これらの実施例によって限定さ
れるものではないことはもちろんである。
【0044】略名 本明細書(特に表中)においては、下記の略名を[ ]
中の名称の略名として用いることがある。t-BHP [t−
ブチルヒドロペルオキシド]、V−50[2,2´−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩]、APS[過
硫酸アンモニウム]、AIBN[2,2´−アゾビスイ
ソブチロニトリル]、H2 2 [過酸化水素]、ATMA
[アリルトリメチルアンモニウムクロライド]、NVF
[N−ビニルホルムアミド]、ACAM[アクリルアミ
ド]、ACAC[アクリル酸]、EtOH[エタノール]、EG
[エチレングリコール]、FA[ホルムアミド]。
【0045】参考例1 ポリマーの重量平均分子量及び
重合収率のGPCでの測定 ポリマーの重量平均分子量及び重合収率をGPC法で求
めるときは、日立L−6000型高速液体クロマトグラ
フを使用した。この場合、溶離液流路ポンプは日立L−
6000、検出器は、ショーデクスRI SE―61示
差屈折率検出器、カラムはアサヒパックの水系ゲルろ過
タイプのGS−220HQ(排除限界分子量3,00
0)とGS−620HQ(排除限界分子量200万)と
をダブルに接続したものを用いた。サンプルは溶離液で
0.5g/100mlの濃度に調製し20μlを用い
た。溶離液には、0.4モル/リットルの塩化ナトリウ
ム水溶液を使用した。カラム温度は30℃で、流速は
1.0ml/分で実施した。標準サンプルとして分子量
106、194、440、600、1470、410
0、7100、10300、12600、23000の
11種のポリエチレングリコールを用いて較正曲線を求
め、その較正曲線を基に、アリルトリアルキルアンモニ
ウム塩共重合体の重量平均分子量を求めた。さらにクロ
マトグラムの各成分のピーク面積から、重合収率を算出
した。
【0046】参考例2 アリルトリメチルアンモニウム
クロライドの製造 攪拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却器及びガス導入
管を備えた2リットルのセパラブルフラスコ中に、蒸留
したアセトン1021gを入れ、冷却下に温度を5℃以
下に保ちながら、攪拌下でトリメチルアミンガス38
0.3g(6.43モル)を吹き込み溶解させた。次い
で、温度を10℃以下に保ちながら、アリルクロライド
492.3g(6.43モル)を0.5時間かけて滴下
した。滴下開始10分後から結晶が析出し始め、約2時
間後には攪拌が不可能となったため、そのまま24時間
放置した。反応終了後、この結晶をガラスフィルターに
て濾別し、アセトンで十分に洗浄してから、室温で24
時間、次いで50℃で24時間真空乾燥した。終了は7
32.8gで収率は84%であった。
【0047】実施例1〜6 水溶媒中におけるアリルト
リメチルアンモニウムクロライドとN−ビニルホルムア
ミドとの共重合に対する各種ラジカル開始剤の効果 共栓付きの30ml試験管中にモノマー濃度60%のア
リルトリメチルアンモニウムクロライドとN−ビニルホ
ルムアミド(モル比1:1)の水溶液(モノマー合計2
2.1ミリモル)を入れ、次いで、表1に示された各種
のラジカル開始剤(モノマーの合計に対し5モル%)を
加え、恒温水槽中で120時間静置重合した。重合終了
後、得られたポリマー溶液をGPC法により分析を行
い、収率(重合収率)と分子量(重量平均分子量)とを
求めた。その結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】実施例7〜9 種々の溶媒中でのアリルト
リメチルアンモニウムクロライドとN−ビニルホルムア
ミドとの共重合 共栓付きの30ml試験管中に表2に示す各種の溶媒で
モノマー濃度60%に調整したアリルトリメチルアンモ
ニウムクロライドとN−ビニルホルムアミド(モル比
1:1)を含む溶液(モノマー合計22.1ミリモル)
を入れた。次いで、ラジカル開始剤としてt−BHP
(モノマーの合計に対し5モル%)を加え、80℃の恒
温水槽中で静置重合した。重合終了後、得られたポリマ
ー溶液をGPC法により分析を行い、重合収率と重量平
均分子量とを求めた。その結果を表2に示した。表2よ
り種々の極性溶媒を用いても収率が良く目的の共重合体
を得ることができることが判明した。
【0050】
【表2】
【0051】実施例10〜12 各種の溶媒中における
アリルトリメチルアンモニウムクロライドとN−ビニル
ホルムアミドとの種々のモノマーモル比での共重合 共栓付きの30ml試験管中にモノマー濃度60%のア
リルトリメチルアンモニウムクロライドとN−ビニルホ
ルムアミドを含む水溶液(種々のモル比でかつモノマー
合計22.1ミリモル)を入れ、次いで、t−BHP
(モノマーの合計に対し5モル%)を加え、80℃の恒
温水槽中で120時間静置重合した。重合終了の後、得
られたポリマー溶液をGPC法により分析を行い、重合
収率と重量平均分子量とを求めた。その結果を表3に示
した。
【0052】
【表3】
【0053】実施例13 ラジカル開始剤としてt−ブ
チルヒドロペルオキシドを用いたアリルトリメチルアン
モニウムクロライドとN−ビニルホルムアミドとの共重
合体のフラスコスケールでの製造 温度計、滴下ロート、還流冷却管及び攪拌器を備えた3
00mlの4ツ口セパラブルフラスコ中に濃度81.2
%のアリルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液1
36.94g(net 111.2g,0.82モル)
と濃度99.3%のN−ビニルホルムアミド58.69
g(net 58.28g,0.82モル)を入れ(仕
込みモル比1:1)、蒸留水でモノマー合計濃度を60
重量%に調整した。内温が70℃に達したところで濃度
70%のt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液15.9
g(モノマー合計に対して7.53モル%)を滴下し、
重合を開始した。重合を120時間行い、アリルトリメ
チルアンモニウムクロライドとN−ビニルホルムアミド
との共重合体を水溶液として得た。重合終了の後、得ら
れたポリマー溶液をGPC法により分析を行ったとこ
ろ、重合収率は65%であり、このポリマーの重量平均
分子量は2200であった。次ぎに、得られたポリマー
溶液5gを多量の2−プロパノール300ml中に加え
てポリマーを沈殿させた。この沈殿物を濾別し2−プロ
パノールで十分に洗浄してから、60℃で48時間真空
乾燥し、ポリマーを1.84g得た。得られたポリマー
をGPC法により分析を行った。図1にそのクロマトグ
ラムを示す。このポリマーの元素分析値は、C=51.
64%、H=8.30%、N=16.28%であった。
これらの元素分析値の値より、得られたアリルトリメチ
ルアンモニウムクロライドとN−ビニルホルムアミドと
の共重合体は、モノマーユニットのモル比4:6の共重
合体であると推定される。なお、図2に、このポリマー
の赤外線吸収スペクトルを示す。
【0054】実施例14 アリルトリメチルアンモニウ
ムクロライドとN−ビニルホルムアミドとの共重合体の
加水分解によるアリルトリメチルアンモニウムクロライ
ドとN−ビニルアミンとの共重合体の製造 温度計、滴下ロート、還流冷却管及び攪拌器を備えた3
00mlの4ツ口セパラブルフラスコ中に、実施例13
で得られたアリルトリメチルアンモニウムクロライドと
N−ビニルホルムアミドとの共重合体の水溶液34.4
5g(重合体濃度60重量%)をいれ、蒸留水68.9
0gで重合体濃度を20重量%に調整した。内温が80
℃に達したところで濃度35%の塩酸104.1g(塩
酸:対N−ビニルホルムアミド換算10当量)を加え、
反応を24時間行った。重合終了後、得られたポリマー
溶液を濃縮して得られたポリマー溶液を多量の2−プロ
パノール中に加えて、ポリマーを沈殿させた。この沈殿
物を濾別し、2−プロパノールで十分に洗浄してから、
60℃で48時間真空乾燥し、アリルトリメチルアンモ
ニウムクロライドとN−ビニルアミンとの共重合体を1
5.23gを得た。このポリマーの元素分析結果は、C
=39.17%、H=8.57%、N=14.86%で
あり、得られたアリルトリメチルアンモニウムクロライ
ドとN−ビニルアミンとの共重合体は、モノマーユニッ
トのモル比4:6のその共重合体の計算値に近似してい
た。したがって、この結果からも、実施例13で得られ
たアリルトリメチルアンモニウムクロライドとN−ビニ
ルホルムアミドとの共重合体は、モノマーユニットのモ
ル比4:6の共重合体であることが支持される。図3に
得られたポリマーのIRスペクトルを示す。このよう
に、本発明により製造されたアリルトリアルキルアンモ
ニウム塩とN−ビニルアミドとの共重合体を加水分解す
ることにより、新規なアリルトリアルキルアンモニウム
塩とN−ビニルアミンとの共重合体を製造できることが
判明した。
【0055】実施例15〜20 水溶媒中におけるアリ
ルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミド
との共重合に対する各種ラジカル開始剤の効果 共栓付きの30ml試験管中に濃度60%のアリルトリ
メチルアンモニウムクロライドとアクリルアミド(モル
比1:1)を含む水溶液(モノマー合計22.1ミリモ
ル)を入れ、次いで、表4に示された各種のラジカル開
始剤(モノマーの合計に対し5モル%)を加え、恒温水
槽中で120時間静置重合した。重合終了後、得られた
ポリマー溶液をGPC法により分析を行い、重合収率と
重量平均分子量とを求めた。その結果を表4に示した。
【0056】
【表4】
【0057】実施例21〜23 種々の溶媒中でのアリ
ルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミド
との共重合 共栓付きの30ml試験管中に表5に示す各種の溶媒で
濃度60%に調製したアリルトリメチルアンモニウムク
ロライドとアクリルアミド(モル比1:1)を含む溶液
(モノマー合計22.1ミリモル)を入れた。次いで、
ラジカル開始剤としてt−BHP(モノマーの合計に対
し5モル%)を加え、80℃の恒温水槽中で静置重合し
た。重合終了後、得られたポリマー溶液をGPC法によ
り分析を行い、重合収率と重量平均分子量とを求めた。
その結果を表5に示した。表5より種々の極性溶媒を用
いても収率が良く目的の共重合体を得ることができるこ
とが判明した。
【0058】
【表5】
【0059】実施例24〜27 アリルトリメチルアン
モニウムクロライドとアクリルアミドとの異なるモル比
での共重合 共栓付きの30ml試験管中にモノマー濃度60%のア
リルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミ
ドの水溶液(種々のモル比でかつモノマー合計22.1
ミリモル)を入れ、次いで、t−BHP(モノマーの合
計に対し5モル%)を加え、80℃の恒温水槽中で12
0時間静置重合した。重合終了の後、得られたポリマー
溶液をGPC法により分析を行い、重合収率と重量平均
分子量とを求めた。その結果を表6に示した。
【0060】
【表6】
【0061】実施例28 ラジカル開始剤としてt−ブ
チルヒドロペルオキシドを用いたアリルトリメチルアン
モニウムクロライドとアクリルアミドとの共重合体のフ
ラスコスケールでの製造 温度計、滴下ロート、還流冷却管及び攪拌器を備えた3
00mlの4ツ口セパラブルフラスコ中に濃度81.2
%のアリルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液1
36.94g(net 111.2g,0.82モル)
と純度98%のアクリルアミド59.47g(net
58.28g,0.82モル)を入れ(仕込みモル比
1:1)、蒸留水86.09gでモノマー合計濃度を6
0重量%に調整した。内温が70℃に達したところで濃
度70%のt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液15.
9g(モノマー合計に対して7.53モル%)を滴下
し、重合を開始した。重合を120時間行い、アリルト
リメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとの
共重合体を水溶液として得た。重合後、得られたポリマ
ー溶液をGPC法により分析を行ったところ、重合収率
は65%であり、このポリマーの重量平均分子量は94
00であった。次ぎに、得られたポリマー溶液5gを多
量の2−プロパノール中に加えてポリマーを沈殿させ
た。この沈殿物を濾別し2−プロパノールで十分に洗浄
してから、60℃で48時間真空乾燥し、ポリマーを
1.93g得た。このポリマーの元素分析値は、C=5
1.52%、H=8.15%、N=16.26%であっ
た。これらの元素分析値の値により、得られたアリルト
リメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとの
共重合体は、モノマーユニットモル比3.5:6.5の
共重合体であると推定される。
【0062】実施例29〜34 水溶媒中におけるアリ
ルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリル酸との
共重合に対する各種ラジカル開始剤の効果 共栓付きの30ml試験管中に濃度60%のアリルトリ
メチルアンモニウムクロライドとアクリル酸(モル比
1:1)の水溶液(モノマー合計22.1ミリモル)を
入れ、次いで、表7に示された各種のラジカル開始剤
(モノマーの合計に対し5モル%)を加え、80℃の恒
温水槽中で120時間静置重合した。重合終了後、得ら
れたポリマー溶液を2−プロパノールに加えて再沈を行
ない、重合収率を求めた。また、0.05gのポリマー
を10mlの0.1N水酸化ナトリウム水溶液で希釈
し、30℃の恒温水浴中で粘度(相対粘度ηinh)を
測定した。それらの結果を表7に示した。
【0063】
【表7】
【0064】実施例35〜37 種々の溶媒中でのアリ
ルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリル酸との
共重合 共栓付きの30ml試験管中に表8に示す各種の溶媒で
濃度60%に調製したアリルトリメチルアンモニウムク
ロライドとアクリル酸(モル比1:1)を含む溶液(モ
ノマー合計22.1ミリモル)を入れた。次いで、ラジ
カル開始剤としてt−BHP(モノマーの合計に対し5
モル%)を加え、80℃の恒温水槽中で静置重合した。
重合終了後、得られたポリマー溶液を2−プロパノール
に加えて再沈を行ない、重合収率を求めた。前記に述べ
た方法で粘度を測定した。それらの結果を表8に示し
た。表8より種々の極性溶媒を用いても収率が良く目的
の共重合体を得ることができることが判明した。
【0065】
【表8】
【0066】実施例38〜41 アリルトリメチルアン
モニウムクロライドとアクリル酸との種々のモル比での
共重合 共栓付きの30ml試験管中に濃度60%のアリルトリ
メチルアンモニウムクロライドとアクリル酸を含む水溶
液(種々のモル比でかつモノマー合計22.1ミリモ
ル)を入れ、次いで、t−BHP(モノマーの合計に対
し5モル%)を加え、80℃の恒温水槽中で120時間
静置重合した。重合終了の後、得られたポリマー溶液を
2−プロパノールに加えて再沈を行ない、重合収率と粘
度を求めた。それらの結果を表9に示した。表9より種
々のモノマーモル比を用いても収率が良く目的の共重合
体を得ることができることが判明した。
【0067】
【表9】
【0068】実施例42 ラジカル開始剤としてt−ブ
チルヒドロペルオキシドを用いたアリルトリメチルアン
モニウムクロライドとアクリル酸との共重合体のフラス
コスケールでの製造 温度計、滴下ロート、還流冷却管及び攪拌器を備えた3
00mlの4ツ口セパラブルフラスコ中に濃度56.4
%のアリルトリメチルアンモニウムクロライドのエチレ
ングリコール溶液197.38g(net 111.2
g,0.82モル)と純度98%のアクリル酸59.4
7g(net 59.09g,0.82モル)を入れ
(仕込みモル比1:1)、蒸留水でモノマー合計濃度を
60重量%に調整した。内温が70℃に達したところで
濃度70%のt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液1
5.9g(モノマー合計に対して7.53モル%)を滴
下し、重合を開始した。重合を開始してから24時間
後、48時間後にもt−BHP(モノマーに対して7.
53モル%)をそれぞれ滴下し、重合を120時間行
い、アリルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリ
ル酸との仕込みモル比1:1の共重合体を溶液として得
た。重合後、得られたポリマー溶液5gを2−プロパノ
ール300ml中に加えて、ポリマーを再沈させた。こ
の沈殿物を濾別し2−プロパノールで十分に洗浄してか
ら、60℃で48時間真空乾燥し、ポリマーを2.07
g得た。このポリマーの元素分析値は、C=51.06
%、H=7.38%、N=3.39%であった。これら
の元素分析値の値は、得られたアリルトリメチルアンモ
ニウムクロライドとアクリル酸との共重合体は、モノマ
ーユニットでのモル比3.5:6.5の共重合体と推定
される。
【0069】実施例43 アリルトリメチルアンモニウ
ム塩共重合体の各種溶媒に対する溶解性 実施例13、実施例28、実施例42で得られたアリル
トリメチルアンモニウム塩共重合体の0.1gを取り、
それの各種溶媒5mlに対する溶解性(30℃)を調べ
た。比較の重合体としては、分子量1万のN−ビニルホ
ルムアミド単独重合体、分子量30万のアクリルアミド
単独重合体、粘度5.58のアクリル酸単独重合体、及
び分子量約1000のアリルトリメチルアンモニウムク
ロライド単独重合体を用いた。結果を表10に示す。
【0070】
【表10】
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、低重合度のモノアリル
アルキルアンモニウム塩と特定のビニルモノマーとの共
重合体を高収率で製造することができる。本発明の共重
合体は、現在、カチオン系高分子化合物が使用されてい
る分野で、かつ、その溶液粘性が小さいことが望まれて
いる分野などにおいて、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例13で得られたアリルトリメチルアンモ
ニウムクロライドとN−ビニルホルムアミドとの共重合
体のGPCのクロマトグラムである。
【図2】実施例13で得られたアリルトリメチルアンモ
ニウムクロライドとN−ビニルホルムアミドとの共重合
体の赤外線吸収スペクトルである。
【図3】実施例14で得られたアリルトリメチルアンモ
ニウムクロライドとN−ビニルアミンとの共重合体の赤
外線吸収スペクトルである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロペルオキシド化合物、分子内にア
    ゾ基を有する化合物、過硫酸塩及び過酸化水素の中から
    選ばれる少なくとも1種のラジカル開始剤の存在下、溶
    媒中において、(A)モノアリルトリアルキルアンモニ
    ウム塩と、(B)N−ビニルアミド類、アクリルアミド
    類及びアクリル酸類から選ばれるビニルモノマーとを重
    合させることを特徴とするアリルトリアルキルアンモニ
    ウム塩共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 (a)一般式(I) 【化1】 (式中、R及びR1 は、それぞれ炭素数1〜4のアルキ
    ル基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていても
    よく、R2 は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数7〜
    11のアラルキル基を示す)で表される繰り返し単位
    と、(b)(イ)一般式(II) 【化2】 (式中、R3 は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
    基を示す)で表される繰り返し単位、(ロ)一般式(I
    II) 【化3】 (式中、R4 及びR5 は、それぞれ水素原子又は炭素
    数1〜4のアルキル基を示し、それらはたがいに同一で
    も異なっていてもよい)で表される繰り返し単位、及び
    (ハ)一般式(IV) 【化4】 (式中、R6 及びR7 は、それぞれ水素原子又は炭素数
    1〜4のアルキル基を示し、それらはたがいに同一でも
    異なっていてもよい)で表される繰り返し単位の中から
    選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位とを主要構成成
    分とすることを特徴とするアリルトリアルキルアンモニ
    ウム塩共重合体。 【0001】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000024791A1 (en) * 1998-10-28 2000-05-04 Penn State Research Foundation Process for polymerization of allylic compounds

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WO2000024791A1 (en) * 1998-10-28 2000-05-04 Penn State Research Foundation Process for polymerization of allylic compounds

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