JPH11262758A - 流体除菌装置及び該装置を備えた浴水循環濾過装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚れ等が付着した紫外線ランプを超音波で洗
浄し、紫外線ランプの除菌効果を維持できる流体除菌装
置及び該装置を備えた浴水浄化濾過装置を提供すること
を目的としたものである。 【解決手段】 除菌槽９内に設けられ、その内部に流れ
る水を除菌するための紫外線を発生する紫外線ランプ８
と、除菌槽９に設置され、紫外線ランプ８に付着した付
着物２３を剥離するための超音波を発生する超音波振動
子２２とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴槽の浴水を除菌
する流体除菌装置及び該装置を備えた浴水循環濾過装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図６は従来の浴水循環濾過装置を示す構
成図である。図において、１は浴槽、２は浴槽１に設置
された浴水循環濾過装置である。浴槽１内には浴槽１内
の浴水を吸い上げる吸水口３と、浴槽１内に浴水を吐き
出す吐出口４とが設けられ、吸込口３には髪の毛等のご
みの流入を防ぐプレフィルタ（図示せず）が取り付けら
れている。矢印Ａは浴水の循環径路を示しており、この
循環径路には、浴水を循環させる動力となるポンプ５
と、浴水を浄化するための浄化材が充填された浄化槽６
と、浴水を加熱するヒータ７と、浴水を除菌するための
紫外線を発する紫外線ランプ８を内蔵する略中空円筒状
の除菌槽９とが設けられ、除菌槽９には、浴水が入水さ
れる入水口９ａと、除菌された浴水が出水される出水口
９ｂとが設けられている。そして、各々は、配管１０で
連結されている。

【０００３】このように構成した浴水循環濾過装置２に
おいて、浴槽１に人間が入浴することにより、皮膚に付
着した有機物（老廃物）及び微生物並びに細菌類が浴水
中に持ち込まれる。このようにして持ち込まれた有機
物、微生物及び細菌類を含んだ浴水は、浴水循環濾過装
置の電源スイッチ（図示せず）がＯＮされて開始する通
常の運転動作時、ポンプ５により吸水口３から汲み上げ
られ、ヒータ７、浄化槽６、入水口９ａ、除菌槽９、出
水口９ｂを通過して吐出口４によって浴槽へ吐き出され
る。この時、浴水に含まれる有機物は浄化槽６の浄化材
により浄化されるか、又は浄化槽６若しくは配管１０に
定着した微生物により生物分解され、微生物や細菌類
は、除菌槽９の紫外線ランプ８が発生する紫外線によっ
て除菌される。

【０００４】その他、風呂等の水を浄化する浄水装置と
して、特開平６−２６９７２２号公報に示されるよう
に、紫外線ランプの周囲に円筒状に設けた濾材を内部に
備えた浄化殺菌筒を用いて水を浄化殺菌する装置があ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の浴水循環濾過装置は、紫外線ランプ８は浴
水にさらされるため、浴水に含まれている汚れや、水道
水に含まれるカルシウム分などの無機質が、長期間の使
用により紫外線ランプ８の表面に付着してゆき、その付
着物により、紫外線ランプ８が発する紫外線は遮られ、
紫外線は除菌槽９を通過する浴水に充分に照射されず、
所望の除菌能力が発揮されなくなってしまうという問題
点があった。

【０００６】そこで、汚れ等の付着物の程度により適宜
紫外線ランプを洗浄することが望まれるが、紫外線の照
射量を測定するためのセンサは極めて高価であり、一般
の家庭電化製品に搭載できるようなものではない。この
ため、従来はユーザが半年や一年等の期間を指定するこ
とにより、設置者が定期的な洗浄を行っていた。しか
し、常に装置を動作させておくユーザもいれば、入浴す
るときのみ装置を動作させるといった使い方をしている
ユーザもいる等、使用期間や使用頻度等はユーザによっ
て差異が激しいため、浴水循環濾過装置の使い方に合っ
た自動洗浄サイクルが充分に得られないという問題点が
あった。また、この洗浄作業は機器分解を伴う煩雑な作
業であるため、面倒であるという問題点があった。

【０００７】前記の特開平６−２６９７２２号公報に示
す従来の浄水装置も同様に長期間の使用により、浄化殺
菌筒に徐々に汚れ等の濾材付着物が堆積してしまう。こ
のため、この技術ではこの濾材付着物を除去する方法が
取られているが、この方法は濾材に付着する濾材付着物
を除去する方法であって、紫外線ランプを洗浄するもの
でない。

【０００８】本発明は上記課題を解決すべくなされたも
ので、汚れ等が付着した紫外線ランプを超音波で洗浄
し、紫外線ランプの除菌効果を維持できる流体除菌装置
及び該装置を備えた浴水浄化濾過装置を提供することを
目的としたものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明に係る流体除菌装
置は、除菌槽内に設けられ、その内部に流れる水を除菌
するための紫外線を発生する紫外線ランプと、除菌槽に
設置され、紫外線ランプに付着した付着物を剥離するた
めの超音波を発生する超音波振動子とを備えたものであ
る。

【００１０】また、この本発明に係る流体除菌装置は、
紫外線ランプの点灯時間を計測する点灯時間計測部と、
点灯時間計測部により計測された点灯時間が所定の時間
以上になると、超音波振動子を動作させる制御部とを更
に備えたものである。

【００１１】本発明に係る浴水循環濾過装置は、除菌槽
内に設けられ、その内部に流れる浴水を除菌するための
紫外線を発生する紫外線ランプと、除菌槽に設置され、
紫外線ランプに付着した付着物を剥離するための超音波
を発生する超音波振動子とを備えたものである。

【００１２】また、本発明に係る浴水循環濾過装置は、
紫外線ランプの点灯時間を計測する点灯時間計測部と、
点灯時間計測部により計測された点灯時間が所定の時間
以上になると、超音波振動子を動作させる制御部とを更
に備えたものである。

【００１３】さらに、本発明に係る浴水循環濾過装置
は、運転時間を計測する運転時間計測部と、運転時間計
測部により計測された運転時間が所定の時間以上になる
と、超音波振動子を動作させる制御部とを備えたもので
ある。

【００１４】また、本発明に係る浴水循環濾過装置は、
紫外線ランプの点灯時間を計測する点灯時間計測部と、
運転時間を計測する運転時間計測部と、点灯時間計測部
により計測された点灯時間が所定の時間以上の場合又は
運転時間計測部により計測された運転時間が所定の時間
以上の場合、超音波振動子を動作させる制御部とを更に
備えたものである。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１は本発明の一実施の形態に係
る浴水循環濾過装置に内蔵する流体除菌装置の断面図で
ある。図２は図１の要部断面図、図３は本発明の一実施
の形態に係る浴水循環濾過装置の構成を示す図、図４は
図１の流体除菌装置の制御ブロック図である。なお、図
６に示した従来例と同一の部分には同じ符号を付し、説
明を省略する。また、流体除菌装置を除いた浴水循環濾
過装置の動作は従来例と同じであるため、同様に説明を
省略する。図１において、２１は内部を流れる水（浴
水）を除菌する流体除菌装置、２２は除菌槽９に固定さ
れ、紫外線ランプ８を振動させるための超音波を発生す
る超音波振動子で、図には除菌槽９の外壁に設置した例
を示している。２３は紫外線ランプ８に付着した汚れ等
の付着物である。図２において、２２ａは超音波振動子
２２による超音波振動である。図４において、２４は紫
外線ランプ８の点灯時間を計測して後述の制御部に出力
する点灯時間計測部、２５は浴水循環濾過装置２の総運
転時間を計測して制御部２８に出力する運転時間計測部
である。２６は紫外線ランプ８の点灯及び消灯周期を計
測する第１のタイマで、紫外線ランプ点灯周期（例えば
２４時間のうち、１８時間を点灯時間、残り６時間を消
灯期間）が予め設定されている。２７は超音波振動子２
２の動作期間を計測する第２のタイマで、超音波振動子
２２の動作期間（例えば３分）が予め設定されている。
２８は流体除菌装置２１全体を制御する制御部２８で、
制御部２８は点灯時間計測部２４及び運転時間計測部２
５からの情報や超音波振動子２２の動作回数等を記憶す
る記憶部３０と、前記の情報に基づいて超音波振動子２
２を動作させるか否かの判断を一定周期（例えば１分間
隔）で行う判断部２９とを備えている。

【００１６】次に、流体除菌装置２１の付着物２３除去
時の動作を説明する。超音波振動子２２は制御部２８に
よって振動して超音波を発生し、その超音波（超音波振
動２２ａ）は除菌槽９及び除菌槽９内部を流れる浴水を
介して紫外線ランプ８表面に伝播して紫外線ランプ８を
振動させる。この紫外線ランプ８の振動によって紫外線
ランプ８の表面の汚れ等の付着物２３が表面より剥離
し、紫外線ランプ８表面の付着物２３が除去される。紫
外線ランプ８表面より剥離した付着物２３は、図２に示
すように除菌槽９の下部へ落下する。

【００１７】図５は図４の制御の流れを示すフローチャ
ートである。以下、流体除菌装置２１の制御の動作を図
５のフローチャートを参照しながら説明する。浴水循環
濾過装置２の電源スイッチ（図示せず）がＯＮされる
と、浴水循環濾過装置２は運転を開始し、運転時間計測
部２５は運転時間の計測を開始して計測期間を制御部２
８に出力し、制御部２８は紫外線ランプ８を点灯させる
と共に、第１のタイマ２６を作動させ、点灯時間計測部
２４は紫外線ランプ８の点灯時間の計測を開始してその
計測時間を制御部２８に出力する。

【００１８】そして、判断部２９は、点灯時間計測部２
４及び運転時間計測部２５からの点灯時間及び運転時間
を例えば１分間隔でチェックする。すなわち、判断部２
９は点灯時間計測部２４からの点灯時間ｈ１と予め設定
された設定点灯時間ｈ０とを比較して、点灯時間ｈ１が
設定点灯時間ｈ０以上の場合（Ｓ１）、制御部２８は超
音波振動子２２を動作させて（Ｓ２）、超音波振動子２
２の動作回数をカウントし、この動作回数と点灯時間計
測部２４からの点灯時間を記憶部３０に記憶させて、点
灯時間計測部２４をリセットする。この時、点灯時間計
測部２４は再度点灯時間の計測を開始する。点灯時間ｈ
１が設定点灯時間ｈ０に満たない場合、超音波振動子２
２を動作させず、運転時間計測部２５からの運転時間ｈ
３と予め設定された設定運転時間ｈ２とを比較する（Ｓ
３）。

【００１９】運転時間ｈ３が設定運転時間ｈ２以上の場
合、制御部２８は超音波振動子２２を動作させる（但
し、点灯時間ｈ１が設定点灯時間ｈ０以上の場合で超音
波振動子２２を動作させた場合には、ここでは動作させ
ないものとする。）（Ｓ４）。そして、超音波振動子２
２の動作回数をカウントし、この動作回数と運転時間計
測部２５からの運転時間を記憶部３０に記憶させて、運
転時間計測部２５をリセットする。この時、運転時間計
測部２５は再度運転時間の計測を開始する。運転時間ｈ
３が設定運転時間ｈ２に満たない場合、超音波振動子２
２を動作させず、点灯時間及び運転時間のチェックを終
了する。

【００２０】第１のタイマ２６により計測されている紫
外線ランプ８の点灯時間１８時間が終了すると、制御部
２８は紫外線ランプ８を消灯させる。この消灯と同時に
第１のタイマ２６は紫外線ランプ８の消灯期間（例えば
６時間）の計測を開始し、消灯期間６時間が経過する
と、制御部２８は紫外線ランプ８を点灯させる。このよ
うに、第１のタイマ２６に設定された紫外線ランプ点灯
周期に基づいて紫外線ランプ８の点灯及び消灯が繰り返
される。

【００２１】第２のタイマ２７は、超音波振動子２２が
動作開始すると同時に作動して、超音波振動子２２の動
作期間の計測を開始し、動作期間３分が経過すると、制
御部２８は超音波振動子２２の動作を停止させる。

【００２２】本実施の形態１によれば、除菌槽９に超音
波振動子２２を設置し、この超音波振動子２２が発生す
る超音波によって紫外線ランプ８を振動させて付着物２
３を剥離するようにしたので、付着物２３による紫外線
ランプ８の紫外線照射量の減少を防ぐことができる。こ
れにより除菌能力の低下を防ぐことができ、浴水に対す
る除菌効果を維持することが可能となる。

【００２３】また、制御部２８は紫外線ランプ８の点灯
時間又は浴水循環濾過装置２の運転時間がそれぞれの所
定の時間以上になると、超音波振動子２２を動作させる
ようにしたので、紫外線ランプ８を自動的に洗浄するこ
とができ、また、浴水循環濾過装置２の使い方に合った
洗浄サイクルを得ることができる。このため、従来のよ
うに機器分解を伴う洗浄作業が不要となり、使い勝手の
良い流体除菌装置及び浴水循環濾過装置２を得ることが
できる。

【００２４】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に示すような効果を奏する。

【００２５】除菌槽に超音波振動子を設け、この超音波
振動子が発生する超音波によって紫外線ランプを振動さ
せて付着物を剥離するようにしたので、付着物による紫
外線ランプの紫外線照射量の減少を防ぐことができる。
これにより、除菌能力の低下を防ぐことができ、内部を
流れる水に対する除菌効果を維持することが可能な流体
除菌装置を得ることができる。

【００２６】また、制御部は紫外線ランプの点灯時間が
所定の時間以上になると、超音波振動子を動作させるよ
うにしたので、紫外線ランプを自動的に洗浄することが
でき、また、流水除菌装置の使い方に合った洗浄サイク
ルを得ることができる。このため、従来のように機器分
解を伴う洗浄作業が不要となり、使い勝手の良い流水除
菌装置を得ることができる。

【００２７】除菌槽に超音波振動子を設け、この超音波
振動子が発生する超音波によって紫外線ランプを振動さ
せて付着物を剥離するようにしたので、付着物による紫
外線ランプの紫外線照射量の減少を防ぐことができる。
これにより、除菌能力の低下を防ぐことができ、内部を
流れる浴水に対する除菌効果を維持することが可能な浴
水循環濾過装置を得ることができる。

【００２８】また、制御部は紫外線ランプの点灯時間が
所定の時間以上になると、超音波振動子を動作させるよ
うにしたので、紫外線ランプを自動的に洗浄することが
でき、また、紫外線ランプの点灯時間に応じた洗浄サイ
クルを得ることができる。このため、従来のように機器
分解を伴う洗浄作業が不要となり、使い勝手の良い浴水
循環濾過装置を得ることができる。

【００２９】さらに、制御部は運転時間が所定の時間以
上になると、超音波振動子を動作させるようにしたの
で、紫外線ランプを自動的に洗浄することができ、ま
た、浴水循環濾過装置の使い方に合った洗浄サイクルを
得ることができる。このため、従来のように機器分解を
伴う洗浄作業が不要となり、使い勝手の良い浴水循環濾
過装置を得ることができる。

【００３０】また、制御部は紫外線ランプの点灯時間が
所定の時間以上の場合又は浴水循環濾過装置の運転時間
が所定の時間以上の場合、超音波振動子を動作させるよ
うにしたので、紫外線ランプを自動的に洗浄することが
でき、また、紫外線ランプの点灯時間及び浴水循環濾過
装置の使い方に合った洗浄サイクルを得ることができ
る。このため、従来のように機器分解を伴う洗浄作業が
不要となり、使い勝手の良い浴水循環濾過装置を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施の形態に係る浴水循環濾過装
置に内蔵する流体除菌装置の断面図である。

【図２】 図１の要部断面図である。

【図３】 本発明の一実施の形態に係る浴水循環濾過装
置の構成を示す図である。

【図４】 図１の流体除菌装置の制御ブロック図であ
る。

【図５】 図４の制御の流れを示すフローチャートであ
る。

【図６】 従来の浴水循環濾過装置の構成を示す図であ
る。

【符号の説明】

２ 浴水循環濾過装置、８ 紫外線ランプ、９ 除菌
槽、２１ 流体除菌装置、２２ 超音波振動子、２２ａ
超音波振動、２３ 付着物、２４ 点灯時間計測部、
２５ 運転時間計測部、２８ 制御部。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 除菌槽内に設けられ、その内部に流れる
   水を除菌するための紫外線を発生する紫外線ランプと、 前記除菌槽に設置され、前記紫外線ランプに付着した付
   着物を剥離するための超音波を発生する超音波振動子と
   を備えたことを特徴とする流体除菌装置。
2. 【請求項２】 前記紫外線ランプの点灯時間を計測する
   点灯時間計測部と、該点灯時間計測部により計測された
   点灯時間が所定の時間以上になると、前記超音波振動子
   を動作させる制御部とを更に備えたことを特徴とする請
   求項１記載の流体除菌装置。
3. 【請求項３】 除菌槽内に設けられ、その内部に流れる
   浴水を除菌するための紫外線を発生する紫外線ランプ
   と、 前記除菌槽に設置され、前記紫外線ランプに付着した付
   着物を剥離するための超音波を発生する超音波振動子と
   を備えたことを特徴とする浴水循環濾過装置。
4. 【請求項４】 前記紫外線ランプの点灯時間を計測する
   点灯時間計測部と、該点灯時間計測部により計測された
   点灯時間が所定の時間以上になると、前記超音波振動子
   を動作させる制御部とを更に備えたことを特徴とする請
   求項３記載の浴水循環濾過装置。
5. 【請求項５】 運転時間を計測する運転時間計測部と、
   該運転時間計測部により計測された運転時間が所定の時
   間以上になると、前記超音波振動子を動作させる制御部
   とを備えたことを特徴とする請求項３記載の浴水循環濾
   過装置。
6. 【請求項６】 前記紫外線ランプの点灯時間を計測する
   点灯時間計測部と、運転時間を計測する運転時間計測部
   と、前記点灯時間計測部により計測された点灯時間が所
   定の時間以上の場合又は前記運転時間計測部により計測
   された運転時間が所定の時間以上の場合、前記超音波振
   動子を動作させる制御部とを更に備えたことを特徴とす
   る請求項３記載の浴水循環濾過装置。