JPH11262300A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
化し、トルクリプルを抑制すること。 【解決手段】直流を任意の周波数の交流に変換するイン
バータ4と、当該インバータ4により駆動される電動機
6とから主回路を構成し、d軸に直交する軸をq軸とす
るdq軸回転座標上でインバータ4の制御を行なうベク
トル制御手段を備えて構成される電力変換装置におい
て、d軸電流またはq軸電流の少なくとも一方の電流
と、d軸電流指令値またはq軸電流指令値の少なくとも
一方の指令値とに基づいて、dq軸座標系上での出力電
圧を制御する。
Description
数の交流に変換するインバータと、このインバータによ
り駆動される電動機とから主回路が構成される電力変換
装置に係り、特に電動機の発生する電流およびトルクを
安定化できるようにした電力変換装置に関するものであ
る。
来、電流が干渉するため、共振点が存在する。通常、出
力電圧の大きさと位相とが自由に制御できるVVVF動
作領域では、電流制御によって共振を抑制し、安定な動
作を得ることができる。
る、あるいは出力電圧を最大に利用するCVVF動作領
域では、その出力電圧の大きさが一意に決まり、電流制
御を施すことが不可能である。
電圧を計算して出力電圧を与える制御方式、すなわち電
圧フィードフォワード制御が用いられている。
おいては、インバータの出力周波数付近に存在する電流
の共振の影響が、電動機の発生するトルクに現われて、
電流やトルクが不安定化する現象が見られる。
やトルクに脈動が確認される。これは、トルク指令に含
まれる共振周波数成分が、電流やトルクに現われるため
である。
に、トルク指令を緩やかに変化させることで、同共振周
波数の成分を含まないトルク指令を与えるようにしてい
る。逆に言えば、電流の共振のために、トルク応答が制
限されている。
来の1パルスベクトル制御を適用した電力変換装置の構
成例を示すブロック図である。
1パルスの電圧を出力するため、その出力電圧の大きさ
は、直流リンク電圧Vdcによって一意に決まる。
を、単相コンバータ2により直流に変換し、直流コンデ
ンサ3により平滑し、さらにインバータ4により交流に
変換して、誘導電動機6を駆動する主回路構成となって
いる。
デンサ3への電流に、電源周波数の2倍周波数の高調波
を含むため、直流リンク電圧Vdcは電源周波数の2倍の
周波数で脈動する。
機6を駆動する制御方式の一つとしては、いわゆるベク
トル制御方式がある。ベクトル制御は、電流・電圧・磁
束をベクトル量として制御する方式であり、dq軸とし
て定義される回転する座標系(以下、dq軸座標系と称
する)上で制御を行なう。d軸は磁束軸と呼ばれ、q軸
はトルク軸と呼ばれる。
II」、電気学会”等により公知の技術であり、多くの方
式が存在する。例えば、その一つとして、滑り角周波数
ωsを適切に制御することで誘導電動機6の2次磁束を
d軸に一致させる滑り周波数形ベクトル制御と呼ばれる
構成のものがある。
て、具体的に説明する。
遅れフィルタ27に入力されて、トルク指令値Tm * が
得られる。また、2次磁束指令値φ2d * とトルク指令値
Tm * とを入力とする滑り角周波演算器10によって、
滑り角周波数基準ωs *が計算され、速度検出器7によ
って検出されたモータ速度ωr と加算されることによ
り、インバータ4の出力角周波数ωi が算出される。
積分器11によって積分され、固定座標系a軸から回転
座標系d軸までの位相角基準値θi * となる。
d軸電流指令演算器12によって、d軸電流指令値Id
* が算出される。
磁束指令値φ2d * とトルク指令Tm * とを入力として、
q軸電流指令値Iq * が算出される。
圧指令演算器15では、d軸電流値Id * とq軸電流指
令値Iq * とを入力として、これらの電流を流すために
必要なd軸出力電圧,q軸出力電圧としてそれぞれ与え
るべき値(以下、d軸電圧指令値,q軸電圧指令値と称
する)Vd * ,Vq * が算出される。
* ,Vq * は、例えば以下のような式に従って算出され
る。
座標系上での電圧指令値Vd * ,Vq * から、電圧指令
値の大きさ|V|とd軸から出力電圧までの位相角の基
準値(位相角基準)θv * が算出される。
の位相角基準θv * は、固定座標系a軸から回転座標系
d軸までの位相角基準θi * と加算されて、固定座標系
上での出力電圧位相角θi となる。
位相角θi によりゲート信号を発生する。
スで動作する場合のベクトル制御系を構成している。そ
して、1パルス時のベクトル制御に関しては、例えば
“「電圧固定モードでのベクトル制御」、H7電気学会
産業応用部門全国大会、No.196”により公知であ
る。
であるとすると、dq軸出力電圧の大きさ|V|は、以
下のような式により、直流リンク電圧Vdcによって一意
に決まる。
直流リンク電圧Vdcは、係数変換器24に入力される。
て、直流リンク電圧Vdcに係数をかけて、|V|FIX が
演算される。
の与えるべき出力電圧指令値の大きさ|V|と、実際に
出力する直流リンク電圧の大きさ|V|FIX とを比較
し、両者が一致するように2次磁束基準φd ref を補正
して、2次磁束指令値φ2d * が出力される。
制御の概要である。
準Tm **を入力とするフィルタ27の時定数により制限
されている。そして、このフィルタ27の時定数を上げ
ることで、電流の不安定化が現われる。このため、電流
が安定化する範囲の時定数を設定することが必要であ
る。
定化は、電流共振の影響の一つである。そして、この電
流共振の影響は、別なシステムにおいても確認すること
ができる。
相コンバータ2によって直流を得るシステムでは、単相
コンバータ2から直流コンデンサ3に流れる電流に高調
波が重畳するため、直流リンク電圧が脈動する。そし
て、この直流リンク電圧の脈動が、誘導電動機6の制御
に対する外乱として作用する。
場合、電源周波数Fsoの2倍の周波数2Fsoである。そ
して、この周波数に、インバータ4の出力周波数、すな
わち誘導電動機6の共振周波数が近くなる場合に、相電
流のビート現像とトルクのリプルが発生して問題とな
る。この問題は、総じてビート現象と称されている。
テムにおけるビート現象の抑制法」電気学会論文誌D部
門Vol.109 No.5 P.363”では、相電
流のビート現象に関して、その原因が相電圧に重畳する
正負間のアンバランス電圧にあるとして、このアンバラ
ンスを除去する制御方式が提案されている。
の具体的な構成について説明する。
た電力変換装置の構成例を示すブロック図であり、図1
7と同一要素には同一符号を付して示している。
を、単相コンバータ2により直流に変換し、さらにイン
バータ4により交流に変換して、誘導電動機6を駆動す
るシステムとなっている。
角周波数基準ωs * が計算され、速度検出器7により検
出されたモータ角周波数ωr と加算されることにより、
インバータ4の出力角周波数基準ωi * が算出される。
流リンク電圧Vdcは、平均値演算器28により平均値V
dcが算出され、変動量演算器19によってその平均値か
らの変動量ΔVdcが演算される。そして、この変動量Δ
Vdcを平均値Vdcで割った値が、振幅位相補償器23に
入力される。
周波数Fsoの2倍周波数2Fsoの正弦波の振幅と位相を
補償した正弦波が出力される。この出力は、インバータ
角周波数への補償値Δωi であり、インバータ角周波数
基準ωi * に加算されて、インバータ出力角周波数ωi
となる。そして、このインバータ出力角周波数ωi は積
分器11により積分されて、ab軸座標系上での出力電
圧の位相角θi となり、ゲート制御器17への入力とな
る。
圧の正負間のアンバランスによって発生するものと考え
られ、その抑制法としては、出力電圧の正負間アンバラ
ンスを除去する手段を提供するものである。
本来の電流共振周波数と、外乱として作用する直流リン
ク電圧の脈動の周波数とが一致するために発生するもの
と考えるべきである。
電力変換装置においては、誘導電動機の本質的な特性で
ある電流共振の影響により、電流およびトルクが不安定
化することで、トルクの速応性が制限されている。
ート現象の抑制に関しても、現象の本質を見抜いておら
ず、電流の共振を抑制するという観点からの補償は行な
われていない。
作における電流を安定化し、トルクリプルを抑制するこ
とが可能な電力変換装置を提供することにある。
めに、請求項1の発明では、直流を任意の周波数の交流
に変換するインバータと、当該インバータにより駆動さ
れる電動機とから主回路を構成し、d軸に直交する軸を
q軸とするdq軸回転座標上でインバータの制御を行な
うベクトル制御手段を備えて構成される電力変換装置に
おいて、上記ベクトル制御手段として、磁束指令値に基
づいて、d軸電流指令値を演算する手段と、磁束指令値
とトルク指令値とに基づいて、q軸電流指令値を演算す
る手段と、d軸電流指令値とq軸電流指令値とに基づい
て、当該電流を流すために必要なd軸出力電圧として与
えるべき値を演算する手段と、d軸電流指令値とq軸電
流指令値とに基づいて、当該電流を流すために必要なq
軸出力電圧として与えるべき値を演算する手段と、d軸
出力電圧として与えるべき値とq軸出力電圧として与え
るべき値とに基づいて、dq軸座標系上での出力電圧の
位相角を演算する手段と、インバータの出力周波数に基
づいて、ab軸固定座標系とdq軸回転座標系との位相
角を演算する手段と、dq軸座標系上での出力電圧の位
相角と、ab軸固定座標系とdq軸回転座標系との位相
角とに基づいて、インバータのゲートを制御する手段
と、d軸電流またはq軸電流の少なくとも一方の電流
と、d軸電流指令値またはq軸電流指令値の少なくとも
一方の指令値とに基づいて、dq軸座標系上での出力電
圧を制御する手段とを備える。
おいては、d軸電流またはq軸電流の少なくとも一方の
電流と、d軸電流指令値またはq軸電流指令値の少なく
とも一方の指令値とを基に、dq軸座標系上での出力電
圧を制御することにより、電流およびトルクを安定化す
ることができる。
の発明の電力変換装置において、dq軸座標系上での出
力電圧を制御する手段としては、d軸電流またはq軸電
流の少なくとも一方の電流と、d軸電流指令値またはq
軸電流指令値の少なくとも一方の指令値とに基づいて、
dq軸座標系上での出力電圧の位相角への補償量を演算
する手段と、dq軸座標系上での出力電圧の位相角への
補償量を、dq軸座標系上での出力電圧の位相角の基準
値へ重畳する手段とから構成する。
おいては、d軸電流またはq軸電流の少なくとも一方の
電流と、d軸電流指令値またはq軸電流指令値の少なく
とも一方の指令値とを基に、dq軸座標系上での出力電
圧の位相角への補償量を演算し、この補償量をdq軸座
標系上での出力電圧の位相角の基準値へ重畳することに
より、電流およびトルクを安定化することができる。
2の発明の電力変換装置において、dq軸座標系上での
出力電圧の位相角への補償量を演算する手段としては、
d軸電流指令値とd軸電流との偏差であるd軸電流偏差
を演算する手段と、d軸電流偏差に基づいて、dq軸座
標系上での出力電圧の位相角への補償量を演算する手段
とから構成する。
おいては、d軸電流指令値とd軸電流との偏差を演算
し、このd軸電流偏差を基に、dq軸座標系上での出力
電圧の位相角への補償量を演算することにより、電流共
振を抑制することが可能となるため、電流およびトルク
を安定化することができる。
の発明の電力変換装置において、交流電源出力を整流し
てインバータの直流側に直流を入力するコンバータを主
回路に付加し、コンバータの整流に起因する直流リンク
電圧の脈動の周波数と同一の周波数成分をd軸電流指令
値に重畳する手段を付加する。
おいては、交流電源出力を整流してインバータの直流側
に直流を入力するコンバータの整流に起因する直流リン
ク電圧の脈動の周波数と同一の周波数成分をd軸電流指
令値に重畳することにより、電流共振を抑制することが
可能となるため、電流およびトルクを安定化することが
できる。また、直流リンク電圧が脈動する条件下で、故
意にd軸電流を脈動させることにより、トルク電流やト
ルクの脈動を完全に抑制することができる。
の発明の電力変換装置において、d軸電流指令値に重畳
する手段としては、直流リンク電圧の脈動を抽出する手
段と、脈動の振幅を補償する手段と、振幅を補償された
脈動量に対し位相を補償する手段と、振幅と位相が補償
された値をd軸電流指令値へ重畳する手段とから構成す
る。
おいては、直流リンク電圧の脈動を抽出し、この脈動の
振幅を補償し、さらに位相を補償し、この振幅と位相が
補償された値をd軸電流指令値へ重畳することにより、
電流共振を抑制することが可能となるため、電流および
トルクを安定化することができる。また、直流リンク電
圧が脈動する条件下で、故意にd軸電流を脈動すること
により、トルク電流やトルクの脈動を完全に抑制するこ
とができる。
の発明の電力変換装置において、交流電源出力を整流し
てインバータの直流側に直流を入力するコンバータを主
回路に付加し、dq軸座標系上での出力電圧の位相角へ
の補償量を演算する手段としては、q軸電流指令値とq
軸電流との偏差であるq軸電流偏差を演算する手段と、
q軸電流偏差に基づいて、dq軸座標系上での出力電圧
の位相角への補償量を演算する手段とから構成する。
おいては、q軸電流指令値とq軸電流との偏差を演算
し、このq軸電流偏差を基にdq軸座標系上での出力電
圧の位相角への補償量を演算することにより、電流共振
の周波数を可変に制御できるため、外乱が特定の周波数
を持つ場合に、その周波数を避けることで、電流および
トルクを安定化することができる。
の発明の電力変換装置において、q軸電流偏差に基づい
てdq軸座標系上での出力電圧の位相角への補償量を演
算する手段としては、コンバータの整流に起因して発生
する直流リンク電圧の脈動の周波数よりもインバータの
出力周波数がある値以上低い場合には、dq軸座標系上
での出力電圧の位相角への補償量を零とする手段から構
成する。
おいては、直流リンク電圧の脈動の周波数よりもインバ
ータの出力周波数がある値以上低い場合には、dq軸座
標系上での出力電圧の位相角への補償量を零とすること
により、電流共振の周波数を可変に制御できるため、外
乱が特定の周波数を持つ場合にはその周波数を避けるこ
とで、電流およびトルクを安定化することができる。
6の発明の電力変換装置において、q軸電流偏差に基づ
いてdq軸座標系上での出力電圧の位相角への補償量を
演算する手段としては、q軸電流偏差を入力とし、当該
q軸電流偏差を比例ゲイン倍してdq軸座標系上での出
力電圧の位相角への補償量として演算する手段と、コン
バータの整流に起因して発生する直流リンク電圧の脈動
の周波数とインバータの出力周波数とがほぼ一致する付
近で、比例ゲインを正または負に変化させる手段とから
構成する。
おいては、q軸電流偏差を比例ゲイン倍してdq軸座標
系上での出力電圧の位相角への補償量として演算し、コ
ンバータの整流に起因して発生する直流リンク電圧の脈
動の周波数とインバータの出力周波数とがほぼ一致する
付近で、比例ゲインを正または負に変化させることによ
り、電流共振の周波数を可変に制御できるため、外乱が
特定の周波数を持つ場合に、その周波数を避けること
で、電流およびトルクを安定化することができる。
または請求項6の発明の電力変換装置において、dq軸
座標系上での出力電圧の位相角への補償量を演算する手
段の入力側に、d軸電流偏差またはq軸電流偏差をフィ
ルタ処理する手段を付加する。
おいては、d軸電流偏差またはq軸電流偏差をフィルタ
処理することにより、上記請求項3、請求項6の発明の
電力変換装置と同様に、電流およびトルクを安定化する
ことができる。さらに、安定化したい周波数帯のみをフ
ィードバックすることにより、他の周波数域の特性を変
化させずに、電流を安定化することができる。
9の発明の電力変換装置において、d軸電流偏差または
q軸電流偏差をフィルタ処理する手段としては、直流分
をカットする特性を有するフィルタ処理手段とする。
においては、フィルタ処理する手段を、直流分をカット
する特性を有するフィルタ処理手段とすることにより、
上記請求項3、請求項6の発明の電力変換装置と同様
に、電流およびトルクを安定化することができる。さら
に、直流分をカットしてフィードバックすることによ
り、定常状態での特性に何ら変化を与えずに、電流を安
定化することができる。
項9の発明の電力変換装置において、d軸電流偏差また
はq軸電流偏差をフィルタ処理する手段としては、コン
バータの整流に起因する直流リンク電圧の脈動と同一の
周波数成分付近のみを抽出するフィルタ処理手段とす
る。
においては、フィルタ処理する手段を、コンバータの整
流に起因する直流リンク電圧の脈動と同一の周波数成分
付近のみを抽出するフィルタ処理手段とすることによ
り、上記請求項3、請求項6の発明の電力変換装置と同
様に、電流およびトルクを安定化することができる。さ
らに、直流リンク電圧が脈動する場合、その脈動周波数
域のみをフィードバックすることにより、他の周波数帯
の特性に何ら変化を与えずに、直流リンク電圧の脈動に
起因したビート現象を抑制することができる。
請求項9の発明の電力変換装置において、d軸電流偏差
またはq軸電流偏差をフィルタ処理する手段としては、
インバータの出力周波数付近の周波数成分のみを抽出す
るフィルタ処理手段とする。
においては、フィルタ処理する手段を、インバータの出
力周波数付近の周波数成分のみを抽出するフィルタ処理
手段とすることにより、上記請求項3、請求項6の発明
の電力変換装置と同様に、電流およびトルクを安定化す
ることができる。さらに、電流不安定化の根元たるイン
バータの出力周波数域のみをフィードバックすることに
より、他の周波数帯の特性に何ら変化を与えずに、電流
を安定化することができる。
て図面を参照して詳細に説明する。
3に対応)図1は、本実施の形態による電力変換装置の
構成例を示すブロック図であり、図17と同一部分には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
電動機6に流れる相電流Iu ,Iwを検出する。
器5によって検出された相電流Iu,Iw を、dq軸座
標系上でのd軸電流値Id ,q軸電流値Iq に変換す
る。
Id と、前記d軸電流指令値Id *との偏差をとり、こ
の偏差をd軸電流制御器21へ入力する。
に示すような比例制御や、(4)式に示すような比例積
分制御を行なう。
力は、dq軸座標系上における出力電圧の位相角の補償
量Δθv となる。
dq軸座標系上での出力電圧の位相角補償量Δθv を、
前記dq軸座標系上での出力電圧の位相角の基準値(位
相角基準)θv * と加算して、dq軸座標系上における
出力電圧の位相角θv を得る。
系a軸に対する回転座標系d軸までの位相角基準θi *
と加算して、固定座標系上での出力電圧の位相角θi を
得る。
圧の位相角θi により、インバータ4のゲート信号を発
生する。
の電力変換装置の作用(dq軸電流と誘導電動機6の発
生トルクが安定化できる原理)について、図2乃至図6
を用いて説明する。
て述べる。
な式で表わされる。
き出す。
減衰率ζは、以下のように表わされる。
1 =55[rad/s]程度であり、オーダーとしてω
i =8.8[Hz]程度に相当する。
て無視すると、以下のような近似式が得られる。
るため、共振系となる。共振周波数は、およそインバー
タ周波数付近である。
らq軸電流までのボード線図の一例を示す図である。
は、q軸電流がトルク電流とも呼ばれ、トルクの過渡応
答に大きく影響するためである。また、図2は、インバ
ータ4の出力周波数Fi が100Hzの場合を示してい
る。
が100Hzであるため、100Hz付近に共振が存在
し、100Hz付近のゲインが局所的に大きいことが確
認できる。
上での出力電圧の位相角へ補償する場合について考え
る。
比例制御であるとする。また、説明の簡単のため、dq
軸座標系上での出力電圧の位相角θv * が90度である
と仮定すると、dq軸座標系上での出力電圧の位相角の
補償量Δθv とdq軸出力電圧との関係は、次のように
なる。
程式は、次式のように書き換えられる。
ζが、次のように求められる。
定し、固有周波数ωn と減衰率ζを近似すると、次のよ
うな式が得られる。
率ζを操作することができることがわかる。
と、負の値をとった場合のq軸出力電圧Vq からq軸電
流Iq までのボード線図の一例を示す図である。
て与えることにより、共振のピークが低く抑制されてい
く様子が確認できる。
電流の抑制のみについて考慮している。実際には、2次
磁束の特性が干渉するのであるが、2次磁束の応答は非
常に遅いため、極低周波の領域のみが干渉される。よっ
て、電流の共振点付近が干渉されることは実用上ないと
言える。
は、磁束の特性を考慮した完全な誘導電動機を想定する
ものである。
を示すシミュレーションの一例を示す図である。
での出力電圧の位相角へフィードバック補償しない場合
のトルク指令値ステップ応答である。
急変するため、そこに含まれる電流共振周波数成分が、
トルク電流やトルクの脈動となって現われている。
の位相角へフィードバック補償する場合のトルク指令値
ステップ応答である。
脈動が抑制されていることが確認できる。
レーションの一例を示す図である。
起因して、直流リンク電圧Vdcが電源周波数の2倍の周
波数で脈動する。図6の例は、60Hz電源を想定した
ものであるため、直流リンク電圧Vdcは120Hzで脈
動している。この例では、インバータ4の出力周波数も
120Hz付近にある。電流の共振点は、通常インバー
タ4の出力周波数付近に存在する。
の脈動と電流の共振周波数とがほぼ一致するため、大き
なトルク電流リプルやトルクリプルが発生している。ま
た、誘導電動機6の相電流Iu にも大きなビートが生じ
ていることが確認できる。
=0.2[s]までは、Kp =0として、フィードバッ
ク補償を無効化している。Kp =0の領域に対し、Kp
<0とすることにより、トルク電流やトルクの脈動が抑
制されていることが確認できる。
安定化を図ることができる。また、トルクは、2次磁束
と1次電流との外積により決まる。そして、2次磁束の
応答は遅いため、電流を安定化することによって、トル
クの安定化を図ることができる。
装置では、d軸電流指令値Id * とd軸電流値Id との
偏差を演算し、このd軸電流偏差を基に、dq軸座標系
上での出力電圧の位相角への補償量Δθv を演算するよ
うにしているので、電流の安定化を図ることが可能とな
り、トルク応答の高速化を期待することができる。
とする場合には、トルク応答が高速化されることで、車
輪がレールに対して滑らずに制御を行なう空転抑制制御
において、より小さな空転状態において補償を行なうこ
とが可能となり、速度の向上や高加減速運転を実現する
ことができる。
あるトルク脈動を抑制することが可能となる。これによ
り、騒音の低減、機械系および電気系の故障率の低下を
期待することができる。
地の改善効果が得られることになる。
に対応)図7は、本実施の形態による電力変換装置の構
成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一
符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分に
ついてのみ述べる。
ータ2により制御される直流リンク電圧Vdcが脈動をし
ているものとする。単相電源1であり、単相コンバータ
2を用いて交直変換する場合には、電源周波数Fsoの2
倍の周波数2Fsoにより直流リンク電圧Vdcが脈動す
る。そして、前述したように、この直流リンク電圧Vdc
の脈動は、誘導電動機6の相電流Iu ,Iw のビートや
トルクTm の脈動となって現われる。
検出された直流リンク電圧Vdcを、脈動正弦波抽出器2
5に入力する。
圧Vdcの脈動分の正弦波ΔVdcを抽出して出力する。
振幅位相補償器23に入力してその振幅をK倍し、さら
に位相をPだけ補償する。この振幅および位相が補償さ
れた正弦波は、d軸電流指令値Id * への重畳量ΔId
* となる。
d軸電流指令値への重畳量ΔId *との関係の一例を示
す概念図である。
出された脈動の正弦波ΔVdcに対して、振幅がK倍さ
れ、位相がPだけ遅れた補償の様子を示している。
の電力変換装置の作用(電流あるいはトルクが安定化す
ること)について、図9およびを用いて説明する。
は、トルクTm の脈動を抑制するためには、dq軸座標
系上でのq軸電流、すなわちトルク電流Iq を一定に制
御することが必要である。トルクは、1次電流と2次磁
束との外積で表わされる。
致させて制御を行なうため、トルクは以下のように表わ
すことができる。
数百ms程度の時定数である。直流リンク電圧Vdcの脈
動が100Hzあるいは120Hzであるため、その2
次磁束への影響は極く小さい。このため、トルク電流I
q を一定に制御することにより、トルク脈動を抑制する
ことができる。
条件下で、トルク電流Iq を一定に制御する原理につい
て示す。
を導入する。ベクトル制御が施されるため、d軸は、2
次磁束軸に一致するものとする。
準θv * は、トルク指令Tm * の大きさやロータ周波数
Fr 等に依存し、80[deg]から110[deg]
付近の値をとる。
て、直流リンク電圧の脈動ΔVdcは、d軸出力電圧
Vd ,q軸出力電圧Vq の脈動ΔVd ,ΔVq となって
現われる。
力電圧までの位相角基準θv * 、すなわちトルク指令T
m * やロータ周波数Fr といった状況に依存して変化す
ることになる。
よって、d軸出力電圧Vd とq軸出力電圧Vq が脈動す
ることがわかる。
電圧Vq の脈動の影響が、d軸電流Id ,q軸電流Iq
に与える影響について示す。
流Id ,q軸電流Iq に関する特性の一例を示すブロッ
ク図である。
るためには、トルク電流Iq を一定に制御することが不
可欠である。
Id 、q軸電流Iq との関係は、仮想的なq軸電流基準
をIq2とすることにより、以下のように表わすことが可
能である。
準Iq2に対して、1次遅れの関係にある。これより、ト
ルク電流Iq を一定にするためには、仮想的なトルク電
流基準Iq2を一定にすることが不可欠である。一方、仮
想的なトルク電流基準Iq2は、q軸出力電圧Vq とd軸
電流Id との差により表わされる。
リンク電圧Vdcの脈動によって、その脈動と同一の周波
数により脈動する。このため、仮想的なトルク電流基準
Iq2を一定にするためには、d軸電流Id を直流リンク
電圧Vdcの脈動の周波数と同一の周波数により脈動させ
ることが必要となる。
る条件下で、トルクTm を一定に制御するためには、d
軸電流Id を直流リンク電圧Vdcの脈動周波数により脈
動させることが不可欠であることになる。
ンク電圧Vdcの脈動と同一の周波数の脈動分を重畳する
ことによって、トルクTm の脈動を抑制することが可能
となる。
装置では、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果が
得られるのに加えて、単相電源1出力を整流してインバ
ータ4の直流側に直流を入力する単相コンバータ2の整
流に起因する直流リンク電圧Vdcの脈動の周波数と同一
の周波数成分をd軸電流指令値Id * に重畳するように
しているので、電流共振を抑制することができるため、
電流およびトルクを安定化することが可能となる。
下で、故意にd軸電流を脈動させるようにしているの
で、トルク電流およびトルクの脈動を完全に抑制するこ
とが可能となる。
11は、本実施の形態による電力変換装置の構成例を示
すブロック図であり、図1および図17と同一部分には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
導電動機6に流れる相電流Iu ,Iw を検出する。
器5によって検出された相電流Iu,Iw を、dq軸座
標系上でのd軸電流値Id ,q軸電流値Iq に変換す
る。
Iq と、前記q軸電流指令値Iq *との偏差であるq軸
電流偏差をとり、このq軸電流偏差をq軸電流制御器2
2へ入力する。
式に示すような比例制御や、(25)式に示すような比
例積分制御を行なう。
力は、dq軸座標系上における出力電圧の位相角の補償
量Δθv となる。
dq軸座標系上での出力電圧の位相角補償量Δθv を、
前記dq軸座標系上での出力電圧の位相角の基準値(位
相角基準)θv * と加算して、dq軸座標系上における
出力電圧の位相角θv を得る。
系a軸に対する回転座標系d軸までの位相角基準θi *
と加算して、固定座標系上での出力電圧の位相角θi を
得る。
圧の位相角θi により、インバータ4のゲート信号を発
生する。
の電力変換装置の作用(dq軸電流と誘導電動機6の発
生トルクが安定化できる原理)について説明する。
軸電流Iq をdq軸座標系上での出力電圧の位相角へフ
ィードバックした場合の1次電流に関する特性方程式
は、以下のような式で表わすことができる。
ように表わされる。
定し、固有周波数ωn と減衰率ζを近似すると、次のよ
うな式が得られる。
周波数ωn を操作することができることがわかる。
と、正の値と負の値をとった場合のq軸出力電圧Vq か
らq軸電流Iq までのボード線図の一例を示す図であ
る。
とによって共振周波数を上昇させ、比例ゲインKp を負
とすることによって共振周波数を下降させることが可能
であることがわかる。
合に、電流の共振周波数が外乱の周波数を避けるように
制御することができる。このため、外乱の影響によって
電流が不安定化する影響を抑制することができ、電流、
すなわちトルクを安定化することができる。
ュレーションの一例を示す図である。
起因して、直流リンク電圧Vdcが電源周波数の2倍の周
波数で脈動する。図13の例は、60Hz電源を想定し
たものであるため、直流リンク電圧Vdcは120Hzで
脈動している。この例では、インバータ4の出力周波数
も120Hz付近にある。電流の共振点は、通常インバ
ータ4の出力周波数付近に存在する。
の脈動と電流の共振周波数とがほぼ一致するため、大き
なトルク電流リプルやトルクリプルが発生している。ま
た、誘導電動機6の相電流Iu にも大きなビートが生じ
ていることが確認できる。
=0.2[s]以上では、q軸電流フィードバックの比
例ゲインKp を正として与えている。これは、前述のよ
うに、共振周波数を上昇させる効果がある。
Hzの脈動と電流共振周波数とが離れるために、トルク
電流リプルやトルクリプルが抑制されていることが確認
できる。また、誘導電動機6の相電流のビートも抑制さ
れていることが確認できる。
装置では、q軸電流指令値Iq * とq軸電流値Iq との
偏差を演算し、このq軸電流偏差を基にdq軸座標系上
での出力電圧の位相角への補償量Δθv を演算するよう
にしているので、電流共振の周波数を可変に制御できる
ため、外乱が特定の周波数を持つ場合に、その周波数を
避けることで、電流およびトルクを安定化することが可
能となる。
とする場合には、トルク応答が高速化されることで、車
輪がレールに対して滑らずに制御を行なう空転抑制制御
において、より小さな空転状態において補償を行なうこ
とが可能となり、速度の向上や高加減速運転を実現する
ことができる。
あるトルク脈動を抑制することが可能となる。これによ
り、騒音の低減、機械系および電気系の故障率の低下を
期待することができる。
地の改善効果が得られることになる。
実施の形態による電力変換装置は、前記q軸電流値Iq
とq軸電流指令値Iq * との偏差であるq軸電流偏差を
q軸電流制御器22へ入力し、dq軸座標系上での出力
電圧の位相角への補償量を演算する部分に関しては、前
記第3の実施の形態の場合と同様であり、q軸電流制御
器22の補償法に関する部分のみが異なるものである。
は、q軸電流偏差をdq軸座標系上での出力電圧の位相
角へフィードバックすることにより、電流の共振周波数
を変化させることができる点について示したが、本実施
の形態の電力変換装置においては、q軸電流制御器22
中の比例ゲインKp に関して、例えば図14に示すよう
な値を設定するものとする。
00Hzで脈動していると仮定した場合の図を示してい
る。
i が100[Hz]のやや手前100−α[Hz](α
>0)まで比例ゲインKp を0とし、インバータ4の出
力周波数Fi が100−α[Hz]を超えた時点から比
例ゲインKp を正とすることを示している。
は、何ら補償を行なわないことと等価である。
i が100−α[Hz]よりも低い領域では、電流の共
振周波数を操作せず、インバータ4の出力周波数が10
0−α[Hz]よりも高い領域では、電流の共振周波数
をより高くすることができる。
ータ4の出力周波数Fi とほぼ一致する。よって、直流
リンク電圧Vdcが100Hzで脈動するような条件下で
は、インバータ4の出力周波数Fi が100Hzから離
れるに従って、電流の不安定化は抑制される。
100−α[Hz]まで何ら制御を行なわず、電流の共
振が問題となる領域において、比例ゲインKp を正に与
えることにより、電流共振周波数と直流リンク電圧Vdc
の脈動周波数とが一致することを避け、電流を安定化す
ることができる。
装置では、直流リンク電圧Vdcの脈動の周波数よりもイ
ンバータ4の出力周波数がある値以上低い場合には、d
q軸座標系上での出力電圧の位相角への補償量を零とす
るようにしているので、電流共振の周波数を可変に制御
できるため、外乱が特定の周波数を持つ場合にはその周
波数を避けることで、電流およびトルクを安定化するこ
とが可能となる。
実施の形態による電力変換装置は、前記q軸電流値Iq
とq軸電流指令値Iq * との偏差であるq軸電流偏差を
q軸電流制御器22へ入力し、dq軸座標系上での出力
電圧の位相角への補償量を演算する部分に関しては、前
記第3の実施の形態の場合と同様であり、q軸電流制御
器22の補償法に関する部分のみが異なるものである。
は、q軸電流偏差をdq軸座標系上での出力電圧の位相
角へフィードバックすることにより、電流の共振周波数
を変化させることができる点について示したが、本実施
の形態の電力変換装置においては、q軸電流制御器22
中の比例ゲインKp に関して、例えば図15に示すよう
な値を設定するものとする。
00Hzで脈動していると仮定した場合の図を示してい
る。
i が100Hzまで比例ゲインKpを負とし、インバー
タ4の出力周波数Fi が100Hzを超えた時点から比
例ゲインKp を正とすることを示している。
i が100Hzよりも低い領域では、電流の共振周波数
をより低くし、インバータ4の出力周波数Fi が100
Hzよりも高い領域では、電流の共振周波数をより高く
することができる。
ータ4の出力周波数Fi とほぼ一致する。よって、直流
リンク電圧Vdcが100Hzで脈動するような条件下で
は、電流の共振周波数が100Hzから離れるに従っ
て、電流の不安定化は抑制される。
100Hzとなる点を境にして、比例ゲインKp の正負
を入れ替えることにより、電流共振周波数と直流リンク
電圧Vdcの脈動周波数とが一致することを避け、電流を
安定化することができる。
装置では、q軸電流偏差を比例ゲインKp 倍してdq軸
座標系上での出力電圧の位相角への補償量として演算
し、単相コンバータ2の整流に起因して発生する直流リ
ンク電圧Vdcの脈動の周波数とインバータ4の出力周波
数とがほぼ一致する付近で、比例ゲインKp を正または
負に変化させるようにしているので、電流共振の周波数
を可変に制御できるため、外乱が特定の周波数を持つ場
合に、その周波数を避けることで、電流およびトルクを
安定化することが可能となる。
12に対応)図16は、本実施の形態による電力変換装
置の主要部の構成例を示すブロック図であり、図1と同
一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここで
は異なる部分についてのみ述べる。
Id とd軸電流指令値 Id * との偏差であるd軸電流
偏差をd軸電流制御器21へ直接に入力しているのに対
して、本実施の形態では、図16に示すように、d軸電
流値Id とd軸電流指令値Id * との偏差であるd軸電
流偏差を、フィルタ26によりフィルタ処理してd軸電
流制御器21へ入力している点が異なる。
電流Id を差し引いてd軸電流偏差dIdを演算し、こ
のd軸電流偏差dIdをフィルタ26へ入力する。
軸電流制御器21へ入力し、その出力がdq軸座標系上
での出力電圧の位相角への補償量Δθv となる。
するハイパス特性を有するものとしている。このハイパ
ス特性を有するフィルタ26としては、例えば以下のよ
うな伝達関数を持つものとする。
の影響が角電流値、磁束量、トルクといった状態量の直
流分に対して影響を与えず、特定な脈動成分や過渡的な
振動にのみ作用する。
あるいはトルクの安定化を図ることができる。
装置では、安定化したい周波数帯のみをフィードバック
するようにしているので、他の周波数域の特性を変化さ
せずに、電流を安定化することが可能となる。
ードバックするようにしているので、定常状態での特性
に何ら変化を与えずに、電流を安定化することが可能と
なる。
6として、直流分をカットするハイパス特性を有するも
のとしているのに対して、本例では、フィルタ16とし
て、単相コンバータ2の整流に起因する直流リンク電圧
Vdcの脈動と同一の周波数成分付近のみを抽出するバン
ドパス特性を有するものとしている。
ては、例えば以下のような伝達関数を持つものとする。
ンドパスフィルタのQ値である。
0Hzで脈動しているとすると、以下のような設定を行
なうものとする。
は、直流リンク電圧Vdcの脈動周波数成分のみに作用す
る。
直流リンク電圧Vdcの脈動の影響のみをdq軸電流フィ
ードバックによって抑制することができる。
定化したい周波数帯のみをフィードバックするようにし
ているので、他の周波数域の特性を変化させずに、電流
を安定化することが可能となる。
動する場合に、その脈動と同一周波数域のみをフィード
バックするようにしているので、他の周波数帯の特性に
何ら変化を与えずに、直流リンク電圧Vdcの脈動に起因
したビート現象を抑制することが可能となる。
ドパスフィルタの特性周波数を、直流リンク電圧Vdc等
の特定な外乱の周波数に設定することにより、特定外乱
の影響を抑制しているのに対して、本例では、バンドパ
スフィルタの特性周波数をインバータ4の出力周波数付
近の周波数に設定するものとしている。
バータ4の出力周波数Fi [Hz]付近の信号のみを抽
出する。前述のように、電流共振数はインバータ4の出
力周波数Fi 付近であるため、特にこのインバータ4の
出力周波数Fi [Hz]が問題となる。
流共振周波数付近の周波数成分のみに作用するため、他
の基本特性に影響を与えずに電流の安定化を図ることが
できる。
定化したい周波数帯のみをフィードバックするようにし
ているので、他の周波数域の特性を変化させずに、電流
を安定化することが可能となる。
インバータ4の出力周波数域のみをフィードバックする
ようにしているので、他の周波数帯の特性に何ら変化を
与えずに、電流を安定化することが可能となる。
て、誘導電動機を駆動するシステムに本発明を適用する
場合について説明したが、これに限らず、永久磁石電動
機、同期電動機、リラクランス電動機等、他の電動機を
駆動するシステムについても、本発明を同様に適用して
前述の場合と同様な作用効果を得ることが可能であるこ
とは言うまでもない。
をd軸電流偏差に対してフィルタ処理を行なう場合につ
いて説明したが、これに限らず、前記図11に示すよう
なq軸電流偏差に対してフィルタ処理を行なう場合につ
いても、本発明を同様に適用して前述の場合と同様な作
用効果を得ることが可能であることは言うまでもない。
の実施の形態では、d軸電流とd軸電流指令値とに基づ
いて、またはq軸電流とq軸電流指令値とに基づいて、
dq軸座標系上での出力電圧を制御する場合について説
明したが、これに限らず、d軸電流およびq軸電流と、
d軸電流指令値およびq軸電流指令値とに基づいて、d
q軸座標系上での出力電圧を制御することも可能である
ことは言うまでもない。
装置によれば、インバータのCVVF動作における電流
を安定化し、トルクリプルを抑制することが可能とな
る。
を示すブロック図。
電圧からq軸電流までのボード線図。
へフィードバックする場合のq軸出力電圧からq軸電流
までのボード線図。
ードバック補償しない場合のトルク指令値のステップ応
答の一例を示す図。
位相角へフィードバック補償する場合のトルク指令値の
ステップ応答の一例を示す図。
偏差をdq軸出力電圧の位相角へフィードバック補償す
る場合の応答の一例を示す図。
を示すブロック図。
の重畳量との関係の一例を示す図。
準、出力電圧脈動との関係を示す図。
を示すブロック図。
態を示すブロック図。
フィードバックする場合のq軸出力電圧からq軸電流ま
でのボード線図。
流偏差をdq軸出力電圧の位相角へフィードバック補償
する場合の応答の一例を示す図。
明するための図。
明するための図。
態を示すブロック図。
変換装置の構成例を示すブロック図。
置の構成例を示すブロック図システム構成図。
Claims (12)
- 【請求項1】 直流を任意の周波数の交流に変換するイ
ンバータと、当該インバータにより駆動される電動機と
から主回路を構成し、 d軸に直交する軸をq軸とするdq軸回転座標上で前記
インバータの制御を行なうベクトル制御手段を備えて構
成される電力変換装置において、 前記ベクトル制御手段として、 磁束指令値に基づいて、d軸電流指令値を演算する手段
と、 前記磁束指令値とトルク指令値とに基づいて、q軸電流
指令値を演算する手段と、 前記d軸電流指令値とq軸電流指令値とに基づいて、当
該電流を流すために必要なd軸出力電圧として与えるべ
き値を演算する手段と、 前記d軸電流指令値とq軸電流指令値とに基づいて、当
該電流を流すために必要なq軸出力電圧として与えるべ
き値を演算する手段と、 前記d軸出力電圧として与えるべき値とq軸出力電圧と
して与えるべき値とに基づいて、dq軸座標系上での出
力電圧の位相角を演算する手段と、 前記インバータの出力周波数に基づいて、ab軸固定座
標系とdq軸回転座標系との位相角を演算する手段と、 前記dq軸座標系上での出力電圧の位相角と、前記ab
軸固定座標系とdq軸回転座標系との位相角とに基づい
て、前記インバータのゲートを制御する手段と、 d軸電流またはq軸電流の少なくとも一方の電流と、前
記d軸電流指令値またはq軸電流指令値の少なくとも一
方の指令値とに基づいて、前記dq軸座標系上での出力
電圧を制御する手段と、 を備えて成ることを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項2】 前記請求項1に記載の電力変換装置にお
いて、 前記dq軸座標系上での出力電圧を制御する手段として
は、 前記d軸電流またはq軸電流の少なくとも一方の電流
と、前記d軸電流指令値またはq軸電流指令値の少なく
とも一方の指令値とに基づいて、前記dq軸座標系上で
の出力電圧の位相角への補償量を演算する手段と、 前記dq軸座標系上での出力電圧の位相角への補償量
を、前記dq軸座標系上での出力電圧の位相角の基準値
へ重畳する手段と、 から成ることを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項3】 前記請求項2に記載の電力変換装置にお
いて、 前記dq軸座標系上での出力電圧の位相角への補償量を
演算する手段としては、 前記d軸電流指令値とd軸電流との偏差であるd軸電流
偏差を演算する手段と、 前記d軸電流偏差に基づいて、前記dq軸座標系上での
出力電圧の位相角への補償量を演算する手段と、 から成ることを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項4】 前記請求項1に記載の電力変換装置にお
いて、 交流電源出力を整流して前記インバータの直流側に直流
を入力するコンバータを前記主回路に付加し、 前記コンバータの整流に起因する直流リンク電圧の脈動
の周波数と同一の周波数成分を前記d軸電流指令値に重
畳する手段を付加して成ることを特徴とする電力変換装
置。 - 【請求項5】 前記請求項2に記載の電力変換装置にお
いて、 前記d軸電流指令値に重畳する手段としては、 直流リンク電圧の脈動を抽出する手段と、 前記脈動の振幅を補償する手段と、 前記振幅を補償された脈動量に対し位相を補償する手段
と、 前記振幅と位相が補償された値を前記d軸電流指令値へ
重畳する手段と、 から成ることを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項6】 前記請求項2に記載の電力変換装置にお
いて、 交流電源出力を整流して前記インバータの直流側に直流
を入力するコンバータを前記主回路に付加し、 前記dq軸座標系上での出力電圧の位相角への補償量を
演算する手段としては、 前記q軸電流指令値とq軸電流との偏差であるq軸電流
偏差を演算する手段と、 前記q軸電流偏差に基づいて、前記dq軸座標系上での
出力電圧の位相角への補償量を演算する手段と、 から成ることを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項7】 前記請求項6に記載の電力変換装置にお
いて、 前記q軸電流偏差に基づいてdq軸座標系上での出力電
圧の位相角への補償量を演算する手段としては、 前記コンバータの整流に起因して発生する直流リンク電
圧の脈動の周波数よりも前記インバータの出力周波数が
ある値以上低い場合には、前記dq軸座標系上での出力
電圧の位相角への補償量を零とする手段から成ることを
特徴とする電力変換装置。 - 【請求項8】 前記請求項6に記載の電力変換装置にお
いて、 前記q軸電流偏差に基づいてdq軸座標系上での出力電
圧の位相角への補償量を演算する手段としては、 前記q軸電流偏差を入力とし、当該q軸電流偏差を比例
ゲイン倍して前記dq軸座標系上での出力電圧の位相角
への補償量として演算する手段と、 前記コンバータの整流に起因して発生する直流リンク電
圧の脈動の周波数と前記インバータの出力周波数とがほ
ぼ一致する付近で、前記比例ゲインを正または負に変化
させる手段と、 から成ることを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項9】 前記請求項3または請求項6に記載の電
力変換装置において、 前記dq軸座標系上での出力電圧の位相角への補償量を
演算する手段の入力側に、前記d軸電流偏差またはq軸
電流偏差をフィルタ処理する手段を付加して成ることを
特徴とする電力変換装置。 - 【請求項10】 前記請求項9に記載の電力変換装置に
おいて、 前記d軸電流偏差またはq軸電流偏差をフィルタ処理す
る手段としては、 直流分をカットする特性を有するフィルタ処理手段であ
ることを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項11】 前記請求項9に記載の電力変換装置に
おいて、 前記d軸電流偏差またはq軸電流偏差をフィルタ処理す
る手段としては、 前記コンバータの整流に起因する直流リンク電圧の脈動
と同一の周波数成分付近のみを抽出するフィルタ処理手
段であることを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項12】 前記請求項9に記載の電力変換装置に
おいて、 前記d軸電流偏差またはq軸電流偏差をフィルタ処理す
る手段としては、 前記インバータの出力周波数付近の周波数成分のみを抽
出するフィルタ処理手段であることを特徴とする電力変
換装置。
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