JP4750553B2 - 電動機制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直流母線と交流電動機との間に設けられたインバータを介して交流電動機を制御する電動機制御装置に関する。
交流電動機を駆動する汎用の電圧形インバータの直流母線間には、整流電圧を平滑するためのコンデンサが接続されている。小型化等を目的としてコンデンサの容量を低減すると、整流電圧の平滑が不十分となる。例えば三相交流電源が接続されている場合、電源電圧周波数の6倍に相当する周波数の電圧リプルが増大する。これに対しては、直流母線間の直流電圧を検出し、その直流電圧の変動に応じてインバータに対する出力電圧指令を補正するなどの制御すなわち出力電圧指令補正制御が必要となる。
ところで、直流架線電気車の駆動システムにおいても、電圧形インバータにより誘導電動機を駆動する構成が採用されている。この場合、インバータの直流側には誘導障害対策用のLCフィルタが設けられており、そのLCフィルタがインバータ、誘導電動機などと共振して不安定現象が発生することが知られている。これに対しては、非特許文献1、2、3に示すように、フィルタ回路の電圧を検出して位相進み補償を行うダンピング制御が用いられている。
近藤、他3名、「鉄道車両駆動用誘導電動機速度センサレス制御系の制御特性解析」、電気学会 交通・電気鉄道リニアドライブ合同研究会 TER−01−28/L D−01−62、平成13年 沼崎、他2名、「電気車用VVVFインバータ安定化制御の検討」、平成元年電気学会全国大会No.896、pp.7−196〜197 木村、他1名、「誘導電動機駆動電気車制御系の安定化に関する考察」、電気学会論文誌D、平成2年3月、第110巻、第3号、pp.291〜299
本願発明者らは、上記汎用の電圧形インバータにおいて直流母線間のコンデンサの容量を低減して運転したところ、直流部側の電源インピーダンスまたは電源からインバータまでの配線の条件によっては直流母線間の電圧が振動し易くなり不安定になるという試験結果を得た。この直流電圧の振動が過大になると連続運転が不可能となるため、安定化制御が必要となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、直流母線間に接続されたコンデンサを小容量とした場合において、出力電圧指令補正制御と安定化制御とを干渉し合うことなく良好に実行できる電動機制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の電動機制御装置は、
三相交流電源に繋がる直流母線間に、当該三相交流電源および直流母線の定数から定まる共振角周波数が直流電圧リプルの角周波数より高くなるように容量値が定められた小容量コンデンサが接続され、前記直流母線を介して接続されるインバータにより交流電動機をベクトル制御する電動機制御装置において、
前記直流母線間の直流電圧を検出する直流電圧検出手段と、
この直流電圧検出手段により検出された直流電圧の所定時間当たりの変化電圧を検出する変化電圧検出手段と、
この変化電圧検出手段により検出された所定時間当たりの変化電圧のうち、前記共振角周波数を含む高域角周波数の電圧成分を通過させる第1のフィルタ手段と、
この第1のフィルタ手段の出力電圧に応じた補正値をトルク指令またはトルク電流指令に加算するトルク指令補正手段と、
前記直流電圧検出手段により検出された直流電圧のうち、前記共振角周波数の電圧成分を遮断し低域角周波数の電圧成分を通過させる第2のフィルタ手段と、
この第2のフィルタ手段の出力電圧に基づいて前記インバータに対する出力電圧指令を補正する出力電圧指令補正手段とを備え
前記第1のフィルタ手段の遮断角周波数をωc1、前記第2のフィルタ手段の遮断角周波数をωc2および前記共振角周波数をωoとすれば、ωc2≦ωc1<ωoの関係が成立していることを特徴とする。
この構成によれば、直流母線側の定数から定まる共振角周波数を含む高域角周波数の電圧成分に応じた補正値をトルク指令またはトルク電流指令に加算するので、発振等により直流電圧が上昇するとインバータ出力が増えて直流電圧の上昇を抑え、直流電圧が下降するとインバータ出力が減って直流電圧の下降を抑える。また、出力電圧に重畳する直流電圧リプル分を低減するための出力電圧指令補正制御は上記トルク指令補正制御とは相反する制御であるが、直流電圧のうち共振角周波数を除く低域角周波数の電圧成分に対して出力電圧指令補正制御を行うので、両制御の干渉を回避できる。
本発明の電動機制御装置によれば、直流母線間に接続されたコンデンサを小容量としても制御系を安定に保つことができ、しかも出力電圧に重畳する直流電圧リプル分を低減できる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図8を参照しながら説明する。
図1は、誘導電動機を駆動するセンサレスベクトル制御装置のブロック構成図である。このセンサレスベクトル制御装置1の主回路は、三相の交流電源2を入力とするコンバータ3、このコンバータ3と電圧形インバータ4とを繋ぐ直流母線5、6、この直流母線5、6間に接続された小容量のコンデンサ7、直流母線5−6間の直流電圧vdcを検出する電圧検出器8、インバータ4と三相の誘導電動機9(交流電動機に相当)との間に設けられた電流検出器10、11などから構成されている。コンデンサ7は、例えば数十[μF]程度の静電容量Cを持つフィルムコンデンサである。
交流電源2からコンバータ3に至る配線2R、2S、2Tには、その配線長、配線太さなどに応じたインピーダンスZが存在している。コンバータ3(整流回路に相当)は、三相ブリッジ接続されたダイオードから構成されており、インバータ4は三相ブリッジ接続されたスイッチング素子例えばIGBTから構成されている。また、電圧検出器8(直流電圧検出手段に相当)は例えば分圧抵抗と増幅器から構成されており、電流検出器10、11は例えばホールCTから構成されている。
インバータ4を介して誘導電動機9をベクトル制御する電動機制御部12(電動機制御装置に相当)は、アンチエイリアシングフィルタを備えたA/Dコンバータ13、14、座標変換部15、16、減算器17、速度制御部18、ベクトル制御部19、ハイパスフィルタ20(変化電圧検出手段および第1のフィルタ手段に相当)、ローパスフィルタ21(第2のフィルタ手段に相当)、トルク電流指令補正部22(トルク指令補正手段)および出力電圧指令補正部23(出力電圧指令補正手段に相当)から構成されている。
この電動機制御部12は、高速演算可能なマイクロプロセッサを主体に構成されており、メモリに記憶された制御プログラムに従って処理を実行する。座標変換部15は、U相の検出電流iuとW相の検出電流iwを回転座標変換して励磁電流isdとトルク電流isqを得る。以下の説明では、一般に用いられているように励磁電流軸をd軸とし、トルク電流軸をq軸としている。上記各要素の具体的な構成は、以下の作用説明において順次説明する。
上述したように、本願発明者らは、直流母線5、6間に接続された主回路コンデンサ7の容量Cを小さくすると、電源トランス等を含む交流電源2のインピーダンス(以下、電源インピーダンスという)や配線2R、2S、2TのインピーダンスZ(以下、配線インピーダンスという)により系が不安定になる試験結果を得た。そこで、はじめに、図2に示す簡略化した主回路構成の下で不安定となる条件を考察する。
図2は、上記電源インピーダンスと配線インピーダンスの和を直流部のインピーダンス(定数R、L)に変換して得られる直流部の解析モデルである。これらの定数R、L、Cが直流母線側の定数である。図中のvsは直流部への入力電圧、vdcは直流電圧、isは直流部の入力電流、iiは直流部の出力電流である。このときの回路方程式は(1)式および(2)式となる。
Figure 0004750553
この回路方程式に基づいて、入力電圧vsから直流部の出力電流iiまでの伝達関数を求めその極(特性根)を調べることにより、直流部の安定性について考察する。このとき、誘導電動機9に電力を供給する電圧形インバータ4は、ii・vdc=P0(一定)を満たす電力一定の負荷と近似して考えることができる。これは、後述する出力電圧指令補正制御が機能している場合、直流電圧vdcの変化により誘導電動機9への出力電圧が変化しないように変調率あるいはパルス幅が調整されるからである。
伝達関数を求めるに際し、動作点として(3)式に示す状態を考える。この動作点において線形近似を行うと、vdcとiiとの間には(4)式に示す関係がある。
Figure 0004750553
ここで、(2)式と(4)式からvdcを消去すると(5)式に示す関係が得られる。この(5)式の両辺を時間微分すると(6)式が得られ、これをラプラス変換すると(7)式が得られる。IsとIiは、それぞれisとiiのラプラス変換後を示している。
Figure 0004750553
また、(1)式と(2)式でvdcを消去しラプラス変換すると(8)式が得られる。
Figure 0004750553
上記(7)式と(8)式からIiを消去すると(9)式が得られ、さらに整理すると(10)式が得られる。(7)式と(10)式からIsを消去すると(11)式が導かれる。
Figure 0004750553
これで、直流部の入力電圧vsから直流部の出力電流iiへの伝達関数が導かれたことになる。(11)式に示す伝達関数の極が複素平面(s平面)の左半平面に存在すれば安定であるので、そのための条件を次の(12)式に基づいて求める。
Figure 0004750553
上記(12)式を満たすs(複素数)をαとβとしたとき、αとβの両方が複素平面の左半平面に存在すれば、すなわち実数部がマイナスであれば安定であることはよく知られている。安定となるためのαとβの条件は、以下の(13)式のように考えられる。この(13)式が成立するためには、等価的に(14)式と(15)式を同時に満たせばよい。
Figure 0004750553
(14)式、(15)式を整理すると、それぞれ(16)式、(17)式になる。
Figure 0004750553
(17)式は、P0=I0・V0の関係を用いると(18)式のように変形できる。また、入力電圧の動作点をVs0とし、定常状態であると仮定すると、(19)式に示す関係がある。これら(18)式と(19)式とから(20)式に示す関係が導かれる。
Figure 0004750553
(16)式によれば以下のことが考察される。
(a)コンデンサ7の容量Cが小さいほど不安定になりやすい。
(b)電源および配線等の抵抗分Rが小さいほど不安定になりやすい。
(c)電源および配線のインダクタンス分Lが大きいほど不安定になりやすい。
(d)直流電圧V0が低いほど不安定になりやすい。
(e)電動機出力P0が大きいほど不安定になりやすい。
また、(20)式によれば以下のことが考察される。
(f)電源および配線等の抵抗分Rについて安定に運転できる上限値は、抵抗分Rでの電圧降下I0・Rが直流電圧V0の半分よりも小さいことが安定の必要条件である。
(20)式から導かれる(f)の条件は、単相入力の場合などでは、コンデンサ容量が小さい場合に全波整流をすると平均電圧が大きく低下するので、安定に運転できるか否かの1つの注意点となる。しかし、三相入力の場合には、電圧の降下量という点から十分に(20)式を満たしていると考えられる。
(16)式が満たされず直流部が不安定になった場合、すなわち(12)式から得られた根が不安定根である場合、その虚数部の大きさが振動角周波数ωoを表すことはよく知られている。すなわち、(12)式を満たすs(複素数)をαとβとすれば、次の(21)式に示す関係が得られる。この(21)式を変形すると(22)式となり、その(22)式は(23)式と等価になる。
Figure 0004750553
その結果、振動角周波数ωoは(24)式で表すことができる。この振動角周波数ωoは、LCの共振周波数より少し低めの周波数である。ただし、RとLはともに1よりも十分に小さいので、(24)式は第1項目が支配的であると考えられ、近似的に(25)式で表すことができる。
Figure 0004750553
電源インピーダンスと配線インピーダンスは、配線の断面積、配線長が分かれば容易に試算できるので、振動角周波数ωoも概略的に計算可能である。以上の考察により、系が不安定となり直流電圧vdcおよび直流部の出力電流iiが振動するか否かの電気的条件は、交流電源2を構成する電源トランス、配線2R、2S、2Tのインピーダンス、コンバータ3を構成するダイオードの電圧降下、その他の抵抗分の和、およびコンデンサ7の容量Cから得られることが分かる。このうち電源インピーダンスと配線インピーダンスはユーザの使用環境によって異なる。このため、(16)式と(17)式(または(20)式)に示す安定条件が成立しない場合であっても、センサレスベクトル制御装置1において振動を抑制できる機能を有することが必要となる。
本実施形態で用いる振動抑制手段は、振動的となっている直流電圧の検出値vdcを用いるもので、直流電圧vdcが上昇しているときには、インバータ4から誘導電動機9への出力を増加することにより直流電圧vdcの上昇を抑制し、その反対に直流電圧vdcが下降しているときには、インバータ4から誘導電動機9への出力を減少させることにより直流電圧vdcの下降を抑制する。これにより、不安定な直流電圧vdcの振動が抑制される。
このとき、直流電圧vdcの所定時間当たりの変化量(微分量:本発明でいう所定時間当たりの変化電圧)が必要になる。不安定な条件で振動的となっている直流電圧vdcは周期的な振動となっているため、微分量を得ることの代わりに、直流電圧vdcに対して位相進みとなる量を生成することにより代用可能である。従って、本実施形態では擬似微分を用いて所定時間(一定の単位時間)当たりの変化量を得ることとする。
それでは、安定化を図るための詳細な制御定数について説明する。
まずは、図1において、A/Dコンバータ14を介して検出した直流電圧vdcの微分量に相当する量から、トルク電流指令isqrefに作用させる場合のゲインKdの最適値を求める。このゲインKdは本実施形態で用いる。また、トルク指令Trefに作用させる場合のゲインKdの最適値、周波数指令ωrefに作用させる場合のゲインKfの最適値も求める。これらのゲインKd、Kfは、第2、第3の実施形態で用いる。
その準備として、時刻がt1から短時間Δt[s]だけ経過してt2になる間に、直流電圧がV0「V」からV0+ΔV[V]までΔV/Δtの一定割合で変化したと仮定する。このとき、時刻t1でコンデンサ7に蓄えられているエネルギーW1は(26)式のようになる。また、時刻t2でコンデンサ7に蓄えられているエネルギーW2は(27)式のようになる。これら(26)式と(27)式から、Δt[s]間に増加したエネルギーΔWcは(28)式のように表すことができる。
Figure 0004750553
これに対し、誘導電動機9側において、時刻t1から短時間Δt[s]の間にトルク電流をisq0[A]からisq0+Δisq[A]までΔisq/Δtの一定割合で変化させたと仮定する。この場合、時刻t1でのパワーP1[W(=J/s)]は(29)式のように表せる。ここで、ωreは電気角での回転子の角速度(以下、回転速度ともいう)、φrdは二次磁束を表す。また、時刻t2でのパワーP2[J/s]は(30)式のように表せる。さらに、時刻t1から時刻t2までの間のパワーPm[J/s]は(31)式のように表せる。
Figure 0004750553
このパワーPmを(32)式に示すように時刻t1から時刻t2まで積分する。このとき、二次磁束φrdと回転速度ωreは変化しないものとする。変化したパワー分によるエネルギーの変化ΔWmは(32)式の第2項であり、これは(33)式のようになる。
Figure 0004750553
Δt[s]の間にコンデンサ7に蓄えられたエネルギーと、Δt[s]の間に変化した電動機出力により発生したエネルギーとを等しくすれば電圧変化を打ち消せるので、下記の関係が導かれる。
Figure 0004750553
この(34)式は、直流電圧vdcの時間変化が発生した時、トルク電流isqをどの程度変化させれば電圧変化を打ち消せるかを示すものである。これをトルクの次元で表すと(35)式のようになる。(34)式あるいは後述する(35)式中のΔV/Δtは、Δt→0の極限を考えた場合、微分の定義そのものである。実装上は擬似微分で構成されるので、以下のように周波数特性を有することになる。
Figure 0004750553
仮に、擬似微分の時定数TdをTd=1/ωoとした場合、振動周波数ωo成分に対して擬似微分は以下のように作用する。この場合のゲインは1/sqrt(2)で、位相進みは45degである。
Figure 0004750553
また、仮に擬似微分の時定数TdをTd=2/ωoとした場合、振動周波数成分に対して擬似微分は以下のように作用する。この場合のゲインは2/sqrt(5)で、位相進みは26.56degである。
Figure 0004750553
これに対して理想微分は、ゲインがω、位相進みが90degであり、擬似微分を理想微分の代わりに用いる場合にゲインを理想微分に近づけることを考えると、擬似微分のゲインは最大でも1なので、少なくとも作用させたい周波数倍しておく必要がある。後に述べるが、少なくとも振動周波数ωoを通過させることを擬似微分の時定数の条件と考えているので、1/Td倍することにより理想微分との整合性を保つことにする。
従って、トルク指令Trefに補正を作用させる場合のゲインKdは(36)式のように表される(第2の実施形態で使用)。また、トルク電流指令isqrefに補正を作用させる場合のゲインKdは(37)式のように表される(本実施形態で使用)。
Figure 0004750553
これに対し、V/f一定制御では、トルク指令やトルク電流指令を制御上持たないので、(38)式に示すトルク電流isqとすべり周波数ωslipとの関係式から、(39)式のようにすべり周波数の補正値Δωslipを演算し、それを出力周波数に加算する。従って、出力周波数あるいは周波数指令に補正を作用させる場合のゲインKfは、(36)式や(37)式と同様に擬似微分による適用を考慮すると(40)式のように表される(第3の実施形態で使用)。Trは、誘導電動機9の二次時定数である。
Figure 0004750553
さて、上述したように直流部に起因する振動角周波数ωoは回路定数によって定まるが、この振動成分を打ち消すためには、直流電圧vdcの振動分を擬似微分によって抽出しなければならない。そのためには、擬似微分に用いられる一次遅れフィルタ20aが、除去したい不安定な振動要素の角周波数成分ωoを通過させるように、(41)式に示す範囲内で遮断角周波数ωc1(=1/Td)を決定する必要がある。一例としては、(42)式に示すように遮断角周波数ωc1を振動角周波数ωoの半分以下に設定すればよい。なお、振動角周波数ωoは、共振角周波数を表す(43)式に従って、配線のインダクタンスLとコンデンサ7の容量Cによりほぼ決定される。インダクタンスLは、直流部への換算値である。
Figure 0004750553
ここで注意すべき点は、出力電圧指令補正部23は、直流電圧vdcの変化に対してトルク電流指令補正部22とは反対に作用する点である。すなわち、トルク電流指令補正部22は、直流電圧vdcが減少しているとき、直流電圧vdcの微分値が負になるので、トルク電流指令isqrefを減らして出力を下げる方向に作用する。その結果、直流電圧vdcの減少が抑制される。これは、トルク指令補正についても同様である。
これに対し、出力電圧指令補正部23は、直流電圧vdcが降下したとき、変調率(またはパルス幅)を上げてインバータ4の出力電圧を一定に保つように動作するため、結果的に電気的出力を一定に保持するように作用する。従って、出力電圧指令補正部23では直流電圧vdcの降下を抑えることはできず、直流電圧vdcの振動を抑えられない。
このことから、出力電圧指令補正部23とトルク電流指令補正部22とを同時に動作させると、両者が干渉し合うことが考えられる。この干渉を避けるためには、共振角周波数帯を除いた周波数領域で出力電圧指令補正を作用させ、共振周波数帯の周波数領域でトルク電流指令補正(またはトルク指令補正、周波数指令補正)を有効化することが効果的であると考えられる。
この考えに基づいて、各実施形態では、少なくとも共振角周波数帯を遮断するローパスフィルタ21(遮断角周波数ωc2=1/Tv)の出力を出力電圧指令補正に用いるとともに、少なくとも共振角周波数帯を含む高域角周波数を通過させる遮断角周波数を持つ擬似微分ハイパスフィルタ20(遮断角周波数ωc1=1/Td)の出力をトルク電流指令補正に用いる。すなわち、ωc2≦ωc1<共振角周波数なる関係が必要である。これにより、相互の干渉を避けられる。
そこで、以下において上記補正の効果を解析的に証明する。
その方法として、本発明を適用しない時の電動機制御系の特性根が不安定領域に存在しており、本発明を適用したときの特性根が安定領域の方向に移動することを示す。説明の流れとして、まず電動機制御系を表現する微分方程式を導出し、それらを微小変化法により定常的な動作点近傍で線形化する。そして、求めた線形化微分方程式の特性根を求めることで、電動機制御系が安定であるかの判別を行う。
では、はじめにシステム全体の微分方程式の導出を行う。
主回路部については、図2に示したように直流部に等価変換した形の定数で扱うことにする。直流部の回路方程式は(44)式、(45)式のようになる。ここで、pは微分演算子である。
Figure 0004750553
次に、速度制御、速度推定、出力電圧演算等について誘導電動機9のセンサレス制御システムの解析を行う。ここでは、下記の条件で微分方程式を導出する。
(1)電動機定数は制御側と実電動機側とで一致しているものとする。
(2)磁束指令は一定とする。
速度制御部18は、回転速度指令値ωrefとフィードバックされた回転速度推定値ωestとの偏差をPI補償してトルク電流指令値isqrefを生成する。この速度制御に係る微分方程式は次の(46)式のように表せる。PI補償器は、簡単のために(47)式のようにゲインKsと積分時定数Tsの形で表している。
Figure 0004750553
トルク電流指令補正部22は、(48)式に示すように、直流電圧vdcの擬似微分値と、直流電圧vdcの擬似微分値からトルク電流指令isqrefまでのゲインKdとを乗じてトルク電流補正値isqrefdを得、それを(49)式に示すようにトルク電流指令isqrefに加算して補正後の新たなトルク電流指令値isqrefnewを得る構成である。回転速度指令値ωrefが負の場合には、トルク電流が負のときに力行状態となるので、加算する際に回転速度指令値ωrefの符号を付して加算する。図1に示すゲインKdの増幅器24、乗算器25、加算器26および符号演算部27は、上記トルク電流指令補正処理に係る(48)式と(49)式を機能ブロックで表したものである。なお、ここでは正転方向での解析を考えるので、回転速度指令値ωrefの符号については記載を省略する。
Figure 0004750553
擬似微分の機能を持つハイパスフィルタ20は、一次遅れフィルタ20aと減算器20bとから構成されている。Tdは一次遅れフィルタ20aの時定数であり、遮断角周波数ωc1との間にωc1=1/Tdの関係がある。(48)式で用いる電圧vdcfdは、一次遅れフィルタ20aを通過した電圧である。
(48)式で用いるゲインKdは、(37)式に基づいて(50)式のように表すことができる。ここで、速度指令一定、磁束指令一定の条件を加味し、角周波数、磁束は一定としてノミナル値ωren、φrdnを用いている。また、直流電圧については十分に遮断角周波数の低いフィルタを通過した電圧値を用いるので、平均電圧に相当する値として定格入力電圧相当の値vdcnを用いている。
Figure 0004750553
ベクトル制御部19の減算器28は、上記トルク電流指令補正後の新たなトルク電流指令値isqrefnewとトルク電流検出値isqとの偏差を演算する。速度推定部29は、(51)式で表される積分補償と、(52)式で表される一次遅れフィルタとから構成されている。時定数は一例として(53)式のように設定する。ζは速度制御系のダンパ定数である。
Figure 0004750553
一次角周波数ωsは、(54)式の第1項に示す周波数補償部30の出力と、(54)式の第2項に示すすべり周波数演算部31の出力とを加算器32で加算することにより求めている。安定化のため、(55)式に示すように、検出したトルク電流isqを一次遅れフィルタ33に通して得られるトルク電流isqfを用いている。
Figure 0004750553
電圧指令演算部34は、誘導電動機9の定常状態を表す(56)式に従って、電圧指令vsdref、vsqrefを生成する(出力電圧指令補正手段に相当する処理)。
Figure 0004750553
出力電圧指令補正部23の演算は、以下の(57)式のように表すことができる。vsdref′、vsqref′は補正後の電圧指令を表しており、vdcnは直流電圧の定格値を表している。つまり、出力電圧指令補正制御は、定格値vdcnを基準として電圧値vdcfvが下がると電圧指令を上昇させ、電圧値vdcfvが上がると電圧指令を低下させる。
Figure 0004750553
インバータ4が実際に出力する(二相換算の)電圧vsd、vsqは、パルス幅が変化しない場合、(58)式に示すように直流電圧vdcに比例した電圧となる。これら(56)式と(57)式から(59)式が導かれる。
Figure 0004750553
この出力電圧指令補正においては、(60)式に示すように、時定数Tvの一次遅れローパスフィルタ21を通過した後の電圧値vdcfvを用いている。このため、出力電圧指令補正が行われる周波数帯域は、遮断角周波数ωc2(=1/Tv)以下に制限されている。後に図6、図7を参照しながら説明するように、ローパスフィルタ21は、振動要素の角周波数((63)式参照)を遮断する必要がある。
これに対し、上述したトルク電流指令補正においては、(61)式に示すように、一次遅れフィルタ20aを通過した後の電圧値vdcfdを用いたハイパスフィルタ20を採用している。このため、トルク指令電流補正が行われる周波数帯域は、遮断角周波数ωc1(=1/Td)以上に制限されている。
Figure 0004750553
擬似微分に用いる一次遅れフィルタ20aは、(62)式に示すように振動角周波数ωo[rad/s]の半分以下の角周波数を遮断角周波数とすることが好ましい。これについては、後に図7を参照しながら説明する。振動要素の角周波数は、既述したように主回路定数L、Cの共振角周波数にほぼ等しいため(63)式で表すことができる。
Figure 0004750553
従って、次式の関係が満たされれば、直流電圧vdcの所定時間あたりの変化電圧のうち電動機制御系を不安定化させる振動成分を十分に通過させることができ、トルク電流指令補正による振動抑制が可能になると考えられる。
Figure 0004750553
次に、直流部と誘導電動機9とを接続する関係式として、瞬時有効電力保存の式を用いる。誘導電動機9に入力される有効電力と、直流部におけるインバータ4に入力される有効電力の瞬時値は等しいため(64)式が成立する。
Figure 0004750553
誘導電動機9の微分方程式(電圧電流方程式)は、周知のように(65)式で表され、すべり周波数ωslipは(66)式で表せる。ここで、isdは励磁電流(d軸電流)、isqはトルク電流(q軸電流)、φrdは二次磁束のd軸成分、φrqは二次磁束のq軸成分、vsdはd軸電圧、vsqはq軸電圧、ωsは一時角周波数である。その他、電動機定数も慣例に従って表記している。
Figure 0004750553
発生トルクTは、極対数をPとして(67)式で表せる。そして、機械角の回転速度をωr、負荷トルクをTLとすると、機械系の微分方程式は(68)式となる。ここで、機械角と電気角との関係は(69)式となるので、機械系の微分方程式を電気角で表すと(70)式となる。
Figure 0004750553
導出した誘導電動機の速度センサレスベクトル制御系および直流部の微分方程式を整理すると、以下の(71)式〜(83)式のようになる。ここで、励磁電流isd、トルク電流isq、二次磁束のd軸成分、二次磁束のq軸成分に係る微分方程式(71)式、(72)式、(73)式、(74)式は(65)式から導出される。誘導電動機9の回転速度ωre、回転速度推定値ωest′、ωestに係る微分方程式(75)式、(76)式、(77)式は、それぞれ(70)式、(51)式、(52)式から導出される。
フィルタ33通過後のトルク電流isqf、トルク電流指令値isqref、直流部の電流isに係る微分方程式(78)式、(79)式、(80)式は、それぞれ(55)式、(46)式、(44)式から導出される。直流電圧vdc、ローパスフィルタ21通過後の電圧vdcfv、フィルタ20a通過後の電圧vdcfdに係る微分方程式(81)式、(82)式、(83)式は、それぞれ(45)式、(60)式、(61)式から導出される。
Figure 0004750553
上記13個の状態変数に係る微分方程式が誘導電動機9のセンサレス制御システムを表現することになる。また、以下に示す(84)式〜(91)式は、微分方程式中の変数の関係を示した補式である(式の番号は異なるが既出)。瞬時有効電力保存の関係式である(84)式、一次角周波数ωsを表す(85)式、すべり周波数ωslipを表す(86)式、電圧指令vsdref、vsqrefを表す(87)式、(88)式、出力電圧vsd、vsqを表す(89)式、(90)式、および振動抑制のトルク電流補正値isqrefdを表す(91)式を示している。これらの中には非線形のものも含まれている。
Figure 0004750553
次に、これらの微分方程式(71)式〜(83)式と補式(84)式〜(91)式を用いて、定格動作点(変数記号のサフィックスの最後に「0」を付して示す)において線形化を行う。各変数を定常項と微小変化分との和として表し、微小変化分についての2次以上の項は無視する。手順としては、微分項を含まない関係式(84)式〜(91)式をあらかじめ線形化しておき、その後で微分方程式(71)式〜(83)式を線形化する。なお、線形化の導出式は煩雑且つ膨大であるため、その一部のみを実施形態の最後に[付録]として示した。
線形化した微分方程式のうち、励磁電流isd、トルク電流isq、二次磁束のd軸成分、二次磁束のq軸成分に係る微分方程式は、それぞれ(92)式、(93)式、(94)式、(95)式のようになる。
Figure 0004750553
誘導電動機9の回転速度ωre、回転速度推定値ωest′、ωest、トルク電流isqf、トルク電流指令値isqref、直流部の電流isに係る微分方程式は、それぞれ(96)式、(97)式、(98)式、(99)式、(100)式、(101)式のようになる。
Figure 0004750553
直流電圧vdc、電圧値vdcfv、vdcfdに係る微分方程式は、それぞれ(102)式、(103)式、(104)式のようになる。
Figure 0004750553
微小変化法に基づいて線形化されたこれらの微分方程式は、(105)式〜(108)式のように整理できる。A行列は、(13×13)の行列である。
Figure 0004750553
求めた線形システムの方程式を用いてシステムの漸近安定の判断を行う。漸近安定の必要十分条件は、知られているようにA行列のすべての固有値の実数部が負となることである。固有値は(109)式から得ることができる。
Figure 0004750553
次に、以下の条件の下で計算した漸近安定の結果について説明する。
・交流電源2を構成する電源トランスの容量 : 75kVA
・交流電源2からコンバータ3までの配線 : 22mm2 10m
・リアクトル :なし
・誘導電動機9/インバータ4の容量 :2極対 15kW 定格周波数60Hz
この条件で交流電源2および交流電源2からセンサレスベクトル制御装置1までの総合的な配線インピーダンスは以下のようになる。
R=0.039432[Ω]、L=0.0002175[H]
速度指令が60Hz(電気角)、定格トルク運転時の定常状態における線形化システムのA行列は図3に示すようになる。計算に用いた定数は、上記容量のシステムにおける典型的な定数であり、直流母線5、6間の電圧は180[V]である。また、特に断らない限りコンデンサ7の容量Cは44[μF]である。
このA行列を用いて安定性解析を行う。
図4は、トルク電流指令補正部22によるトルク電流指令補正制御を無効化し、出力電圧指令補正部23による出力電圧指令補正を有効化した場合において、コンデンサ7の容量Cに対する極(特性根)の軌跡を複素平面上にプロットしたものである。図中に示す「A」〜「F」は、それぞれ容量Cを2000[μF]〜100[μF]に設定した場合の特性根である。コンデンサ7の容量Cが1000[μF]程度以下になると特性根が右半平面に移動して不安定となり、容量Cがさらに小さくなると安定度がさらに悪化することが分かる。この結果は、上述した(16)式に基づく考察「(a)コンデンサ7の容量Cが小さいほど不安定になりやすい。」と一致する。
図5は、トルク電流指令補正部22によるトルク電流指令補正制御を有効化した場合と無効化した場合の特性根を示している。ハイパスフィルタ20の遮断角周波数ωc1とローパスフィルタ21の遮断角周波数ωc2はωc1=ωc2=ωo/2の関係を有している。ωoは(63)式で表される共振角周波数である。また、ゲインKdは(37)式のとおりである。トルク電流指令補正制御を有効化すると、右半平面にあった特性根が左半平面に移動し、系が安定化することが分かる。
図6は、トルク電流指令補正部22によるトルク電流指令補正制御と出力電圧指令補正部23による出力電圧指令補正をともに有効化した場合において、ローパスフィルタ21の時定数Tv(=1/ωc2)を変化させた場合の根軌跡を示している。図中に示す「A」〜「F」は、それぞれ時定数Tvを1/ωo×2.0〜1/ωo×0.1に設定した場合の特性根である。ハイパスフィルタ20の遮断角周波数ωc1はωo/2であり、ゲインKdは、上記時定数Tvの影響を明らかに示すために(37)式の半分の値に設定している。
ローパスフィルタ21は、「A」〜「C」で示す時定数Tvの場合には共振角周波数ωoの電圧成分を遮断し、「D」〜「F」で示す時定数Tvの場合には共振角周波数ωoの電圧成分を通過させる。ローパスフィルタ21が共振角周波数ωoの電圧成分を通過させると、直流電圧vdcが低下したときに出力電圧指令補正部23が変調率を上げるので直流電圧vdcはより一層低下し、直流電圧vdcが上昇した時に変調率を下げるので直流電圧vdcがより一層上昇する。この動作はトルク電流指令補正部22によるトルク電流指令補正制御と反対の動作であって、発振が増大するように作用する。
すなわち、図6において「D」〜「F」の場合には特性根が右半平面に存在しており、ローパスフィルタ21の遮断角周波数ωc2が共振角周波数ωoに対して高くなるほど不安定になることが分かる。この結果から、トルク電流指令補正部22によるトルク電流指令補正制御と出力電圧指令補正部23による出力電圧指令補正とが干渉し合う関係にあり、共振角周波数ωoの電圧成分を遮断するローパスフィルタ21が不可欠であることが分かる。
図7は、トルク電流指令補正制御に用いる擬似微分の機能を持つハイパスフィルタ20の遮断角周波数ωc1(=1/Td:Tdは時定数)と、出力電圧指令補正制御に用いるローパスフィルタ21の遮断角周波数ωc2(=1/Tv:Tvは時定数)との組み合わせに対する特性根の変化を示している。また、図8は、図7における原点付近の拡大図である。
図7中の「A」は、遮断角周波数ωc1=ωc2=ωo/2の場合の特性根であり、図5に示す安定化された特性根と同じである。ハイパスフィルタ20は、直流部の定数により定まる共振角周波数ωoを十分に通過させ、ローパスフィルタ21は、共振角周波数ωoを十分に遮断する。この場合には、トルク電流指令補正部22は、共振角周波数帯での振動を抑えるようにトルク電流指令isqrefを制御して系を安定化することができる。また、出力電圧指令補正部23は、直流電圧vdcのうち共振角周波数帯よりも低域の角周波数の成分に対して電圧指令補正を行い、制御系を不安定にすることなくインバータ4の出力電圧を一定化(直流電圧リプル補償)することができる。従って、当該遮断角周波数ωc1、ωc2の設定が好ましい実施態様となる。
図7中の「B」は、遮断角周波数ωc1=ωo/2、ωc2=2ωoの場合の特性根である。ハイパスフィルタ20とローパスフィルタ21は、ともに共振角周波数ωoを通過させる。この場合には、上述したように出力電圧指令補正部23が制御系を不安定化させるが、その一方でトルク電流指令補正部22が制御系を安定化させる。つまり、両者の間には相反する作用(干渉)が生じ、本計算では結果的に安定な状態となっている。
図7中の「C」は、遮断角周波数ωc1=2ωo、ωc2=ωo/2の場合の特性根である。ハイパスフィルタ20とローパスフィルタ21は、ともに共振角周波数ωoを遮断する。この場合には、出力電圧指令補正部23は、共振角周波数ωoよりも低域の角周波数の成分に対し電圧補正を行い、制御系を不安定にすることなくインバータ4の出力電圧を一定化(直流電圧リプル補償)することができる。しかし、トルク電流指令補正部22による共振角周波数ωoでの振動抑制作用は小さく、系を安定化させることはできない。本計算ではかろうじて安定な状態となっている。
図7中の「D」は、遮断角周波数ωc1=ωc2=2ωoの場合の特性根である。ハイパスフィルタ20は共振角周波数ωoを遮断し、ローパスフィルタ21は共振角周波数ωoを通過させる。これは、従来の制御装置の構成である。この場合には、上述したように出力電圧指令補正部23が制御系を不安定化させる上、トルク電流指令補正部22による共振角周波数ωoでの振動抑制作用も小さい。従って、系は不安定となる。
なお、出力電圧指令補正制御に用いるローパスフィルタ21の遮断角周波数ωc2を下げ過ぎると、電源電圧変動等による直流電圧変動を補償できなくなり、電流波形に歪みが生ずることになる。従って、遮断角周波数ωc2を調整可能な構成とするとよい。
以上説明したように、本実施形態のセンサレスベクトル制御装置1では、主回路のコンデンサ7をフィルムコンデンサとし、従来のものに比べてその静電容量Cを格段に小さくした。これにより、装置の小型化、低コスト化、長寿命化を図ることができる。コンデンサ7を小容量にすると、直流母線5、6間の直流電圧vdcに電源電圧周波数の6倍に相当する周波数の電圧リプルが生じる。そこで、電圧指令演算部34から出力される電圧指令値vsdref、vsqrefに対し電圧補正を行う出力電圧指令補正部23を設け、出力電圧の一定化を図った。これにより、直流電圧リプルに起因してインバータ4の出力電圧に重畳する電圧リプルを抑制することができ、誘導電動機9に対し高調波の少ない高品質の正弦波電圧を出力することができる。
また、コンデンサ7を小容量にすると、当該コンデンサ7と交流電源2の電源インピーダンスや配線2R、2S、2Tの配線インピーダンスとの間で比較的高い周波数ωoでの振動が発生し、系が不安定になる。上記出力電圧指令補正部23は、この振動を増大するように作用する。そこで、本実施形態では、検出した直流電圧vdcのうち直流部の定数により定まる共振角周波数ωoを遮断するためのローパスフィルタ21を設けた。これにより、出力電圧指令補正部23は、系を不安定化させることなく上記電圧指令補正を行うことができる。
さらに、上記共振角周波数帯での振動を積極的に抑えるため、検出した直流電圧vdcをハイパスフィルタ20に通すことにより擬似微分値を得て、その擬似微分値に応じたトルク電流補正値isqrefdをトルク電流指令isqrefに加算するトルク電流指令補正部22を設けた。ハイパスフィルタ20は、少なくとも上記共振角周波数帯を通過させる特性を持っている。その結果、直流電圧vdcが上昇するとインバータ出力が増えて直流電圧vdcの上昇を抑え、逆に直流電圧vdcが下降するとインバータ出力が減って直流電圧vdcの下降を抑える振動抑制作用が生じる。
コンデンサ7の容量Cはセンサレスベクトル制御装置1ごとに定まっているが、交流電源2の電源インピーダンスと配線2R、2S、2Tの配線インピーダンスはユーザの使用環境ごとに異なる。従って、実設計では電源インピーダンスと配線インピーダンスの範囲を想定して共振角周波数ωoの範囲(振動角周波数帯)を求め、ハイパスフィルタ20の遮断角周波数ωc1とローパスフィルタ21の遮断角周波数ωc2をともに共振角周波数ωoの範囲よりも低く設定する。この場合、余裕を持ってωo/2よりも低く設定するとよい。これにより、使用環境にかかわらず電動機制御系を安定化することができる。
また、コンデンサ7を小容量にしたときの共振角周波数ωoは、直流電圧リプルの角周波数(電源角周波数の6倍)よりも遥かに高くなる。そこで、出力電圧指令補正制御によるリプル低減を行いながらトルク電流指令補正制御による系の安定化を図るために、遮断角周波数ωc1、ωc2を交流電源2の各周波数の6倍に設定するとよい。なお、遮断角周波数ωc2をさらに下げると、徐々に出力電圧指令補正制御が作用しなくなる。
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態であるセンサレスベクトル制御装置のブロック構成図である。この図9において図1と同一部分には同一符号を付しており、以下において異なる構成部分について説明する。センサレスベクトル制御装置35の電動機制御部36は、速度制御部37、ベクトル制御部38およびトルク指令補正部39を備えている。
速度制御部37は、回転速度指令値ωrefとフィードバックされた回転速度推定値ωestとの偏差をPI補償してトルク指令値Trefを生成する。また、ベクトル制御部38は、後述する補正後のトルク指令値Trefnewと電流isd、isqを入力し、回転速度を推定するとともに、ベクトル制御に係る演算を実行して電圧指令値vsdref、vsqrefを生成する。
トルク指令補正部39(トルク指令補正手段に相当)は、(48)式とほぼ同様の式に従って、直流電圧vdcの擬似微分値と、直流電圧vdcの微分値からトルク指令TrefまでのゲインKdとを乗じてトルク補正値Trefdを得、それをトルク指令値Trefに加算して補正後の新たなトルク指令値Trefnewを生成する。ここで用いるゲインKdは上述した(36)式で表され、直流電圧V0については定格入力電圧相当の値vdcnを用いる。
本実施形態によれば、直流電圧vdcが上昇するとトルク指令値Trefnewが上昇するのでインバータ出力が増えて直流電圧vdcの上昇を抑え、逆に直流電圧vdcが下降するとトルク指令値Trefnewが下降するのでインバータ出力が減って直流電圧vdcの下降を抑える。その結果、コンデンサ7を小容量にしても系を安定化することができる。その他、第1の実施形態と同様の作用、効果が得られる。
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態であるV/f制御装置のブロック構成図である。この図10において図1と同一部分には同一符号を付しており、以下において異なる構成部分について説明する。V/f制御装置40の電動機制御部41は、V/f制御部42、周波数指令補正部43および出力電圧指令補正部44を備えている。
V/f制御部42は、後述する補正後の周波数指令値ωrefnewと電流iu、iwを入力し、いわゆるV/f一定制御に係る演算を実行して電圧指令値vu、vv、vwを生成する。出力電圧指令補正部44は、この電圧指令値vu、vv、vwに対して出力電圧指令補正を行うもので(57)式とほぼ同様の演算を実行する。
V/f一定制御ではトルク電流指令やトルク指令を用いないので、上述したトルク指令電流補正部22やトルク指令補正部39に替えて周波数指令補正部43を用いている。これは、トルクとすべりがほぼ比例関係にあるという考えに基づいている。周波数指令補正部43(周波数指令補正手段に相当)は、(48)式とほぼ同様の式に従って、直流電圧vdcの擬似微分値と、直流電圧vdcの微分値から周波数指令ωrefまでのゲインKfとを乗じて周波数指令補正値ωrefdを得、それを周波数指令値ωrefに加算して補正後の新たな周波数指令値ωrefnewを得る。ゲインKfは(40)式で表される。ここで、磁束は一定としてノミナル値φrdnを用い、直流電圧V0については定格入力電圧相当の値vdcnを用いる。
本実施形態によれば、直流電圧vdcが上昇すると周波数指令値ωrefnewが上昇するのでインバータ出力が増えて直流電圧vdcの上昇を抑え、逆に直流電圧vdcが下降すると周波数指令値ωrefnewが下降するのでインバータ出力が減って直流電圧vdcの下降を抑える。その結果、コンデンサ7を小容量にしても系を安定化することができる。その他、第1の実施形態と同様の作用、効果が得られる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
擬似微分を実行するハイパスフィルタ20は、本発明における変化電圧検出手段と第1のフィルタ手段とに相当するが、これに替えて完全微分回路とハイパスフィルタ回路とを直列に組み合わせてもよい。
センサレスベクトル制御装置に限らず、実速度をフィードバックするセンサを有するベクトル制御装置にも適用可能である。
交流電動機は、誘導電動機に限らず同期電動機や永久磁石モータなどであってもよい。また、三相以外の電動機であってもよい。
[付録]
(92)式〜(104)式に示す線形化された微分方程式の導出過程(一部)を示す。
まず、微分項を含まない(84)式〜(91)式を線形化する。ここでは、例としてd軸電圧指令値vsdrefを表す(87)式、q軸電圧指令値vsqrefを表す(88)式、一次角周波数ωsを表す(85)式、瞬時有効電力保存の関係式である(84)式の線形化導出式を示す。その他のすべり周波数ωslipを表す(86)式、出力電圧vsd、vsqを表す(89)式、(90)式、トルク電流補正値isqrefdを表す(91)式についても同様に線形化できる。
d軸電圧指令値vsdrefを表す(87)式について、定格動作点における微小変化分を考慮すると(110)式が得られる。ここで、isqf0、ωs0は一定値である。この(110)式の定常項は(111)式となり、微小変化分についてまとめると(112)式となる。ΔωsとΔisqfとの積つまり微小変化分の2次以上の項は無視する。
Figure 0004750553
同様に、q軸電圧指令値vsqrefを表す(88)式について、定格動作点における微小変化分を考慮すると(113)式が得られる。この(113)式の定常項は(114)式となり、微小変化分についてまとめると(115)式となる。
Figure 0004750553
一次角周波数ωsを表す(85)式について、定格動作点における微小変化分を考慮すると(116)式が得られる。この(116)式の微小変化分についてまとめると(117)式となり、これにΔisqrefd(導出は省略)を代入すると(118)式となる。
Figure 0004750553
瞬時有効電力保存の関係式である(84)式について、定格動作点における微小変化分を考慮すると(119)式が得られる。この(119)式の定常項は(120)式となり、微小変化分についてまとめると(121)式となる。
Figure 0004750553
Δvsdref、Δvsqrefにそれぞれ(112)式、(115)式を代入すると(122)式が得られ、さらにΔωsに(118)式を代入すると(123)式が得られる。
Figure 0004750553
この(123)式を整理すると線形化された(124)式が得られる。
Figure 0004750553
続いて、誘導電動機9の速度センサレスベクトル制御系および直流部の微分方程式(71)式〜(83)式を線形化する。ここでは、例として直流部の電流isに係る微分方程式(80)式と、直流電圧vdcに係る微分方程式(81)式の線形化導出式を示す。その他の微分方程式についても同様に線形化できる。
直流部の電流isに係る微分方程式(80)式について、定格動作点における微小変化分を考慮すると(125)式が得られ、微小変化分についてまとめると(126)式となる。なお、特性根を計算するに際し、(126)式の第3項を0としている。
Figure 0004750553
直流電圧vdcに係る微分方程式(81)式について、定格動作点における微小変化分を考慮すると(127)式が得られ、微小変化分についてまとめると(128)式となる。
Figure 0004750553
ここで、Δiiは状態変数ではないので、瞬時有効電力保存の式の線形化で導出した(124)式を用いて置き換える。(124)式よりΔiiは次の(129)式のようになる。
Figure 0004750553
この(129)式を(127)式に適用する。また、定常状態においては、フィルタ後とフィルタ前とで値が等しいと仮定し、出力電圧指令補正が正確に行なわれて電圧指令値と誘導電動機9に印加される実電圧とが等しいと仮定すると、以下の(130)式が成立する。この(130)式に留意して(128)式を整理すると、全て状態変数を用いて表した(131)式が得られる。
Figure 0004750553
本発明の第1の実施形態を示すセンサレスベクトル制御装置のブロック構成図 直流部の解析モデルを示す図 定常状態における線形化システムのA行列を示す図 トルク電流指令補正制御を無効化し出力電圧指令補正を有効化した場合のコンデンサ容量Cの変化に対する根軌跡を示す図 トルク電流指令補正制御を有効化した場合と無効化した場合の特性根を示す図 トルク電流指令補正制御と出力電圧指令補正を有効化した場合のローパスフィルタの時定数Tvの変化に対する根軌跡を示す図 ハイパスフィルタの遮断角周波数ωc1とローパスフィルタの遮断角周波数ωc2との組み合わせに対する特性根を示す図 図7における原点付近の拡大図 本発明の第2の実施形態を示す図1相当図 本発明の第3の実施形態を示す図1相当図
符号の説明
図面中、3はコンバータ(整流回路)、4はインバータ、5、6は直流母線、7はコンデンサ、8は電圧検出器(直流電圧検出手段)、9は誘導電動機(交流電動機)、12、36、41は電動機制御部(電動機制御装置)、20はハイパスフィルタ(変化電圧検出手段、第1のフィルタ手段)、21はローパスフィルタ(第2のフィルタ手段)、22はトルク電流指令補正部(トルク指令補正手段)、23、44は出力電圧指令補正部(出力電圧指令補正手段)、39はトルク指令補正部(トルク指令補正手段)、43は周波数指令補正部(周波数指令補正手段)である。

Claims (3)

  1. 三相交流電源に繋がる直流母線間に、当該三相交流電源および直流母線の定数から定まる共振角周波数が直流電圧リプルの角周波数より高くなるように容量値が定められた小容量コンデンサが接続され、前記直流母線を介して接続されるインバータにより交流電動機をベクトル制御する電動機制御装置において、
    前記直流母線間の直流電圧を検出する直流電圧検出手段と、
    この直流電圧検出手段により検出された直流電圧の所定時間当たりの変化電圧を検出する変化電圧検出手段と、
    この変化電圧検出手段により検出された所定時間当たりの変化電圧のうち、前記共振角周波数を含む高域角周波数の電圧成分を通過させる第1のフィルタ手段と、
    この第1のフィルタ手段の出力電圧に応じた補正値をトルク指令またはトルク電流指令に加算するトルク指令補正手段と、
    前記直流電圧検出手段により検出された直流電圧のうち、前記共振角周波数の電圧成分を遮断し低域角周波数の電圧成分を通過させる第2のフィルタ手段と、
    この第2のフィルタ手段の出力電圧に基づいて前記インバータに対する出力電圧指令を補正する出力電圧指令補正手段とを備え
    前記第1のフィルタ手段の遮断角周波数をωc1、前記第2のフィルタ手段の遮断角周波数をωc2および前記共振角周波数をωoとすれば、ωc2≦ωc1<ωoの関係が成立していることを特徴とする電動機制御装置。
  2. 三相交流電源に繋がる直流母線間に、当該三相交流電源および直流母線の定数から定まる共振角周波数が直流電圧リプルの角周波数より高くなるように容量値が定められた小容量コンデンサが接続され、前記直流母線を介して接続されるインバータにより交流電動機をV/f一定制御する電動機制御装置において、
    前記直流母線間の直流電圧を検出する直流電圧検出手段と、
    この直流電圧検出手段により検出された直流電圧の所定時間当たりの変化電圧を検出する変化電圧検出手段と、
    この変化電圧検出手段により検出された所定時間当たりの変化電圧のうち、前記共振角周波数を含む高域角周波数の電圧成分を通過させる第1のフィルタ手段と、
    この第1のフィルタ手段の出力電圧に応じた補正値を周波数指令に加算する周波数指令補正手段と、
    前記直流電圧検出手段により検出された直流電圧のうち、前記共振角周波数の電圧成分を遮断し低域角周波数の電圧成分を通過させる第2のフィルタ手段と、
    この第2のフィルタ手段の出力電圧に基づいて前記インバータに対する出力電圧指令を補正する出力電圧指令補正手段とを備え
    前記第1のフィルタ手段の遮断角周波数をωc1、前記第2のフィルタ手段の遮断角周波数をωc2および前記共振角周波数をωoとすれば、ωc2≦ωc1<ωoの関係が成立していることを特徴とする電動機制御装置。
  3. 前記直流母線側には三相交流電圧を整流する整流回路が設けられており、
    前記第1および第2のフィルタ手段の遮断角周波数は、前記三相交流電圧の角周波数の6倍に設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の電動機制御装置。
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