JPH11260411A - 非水電解液二次電池およびその製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池およびその製造方法

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JPH11260411A
JPH11260411A JP10055352A JP5535298A JPH11260411A JP H11260411 A JPH11260411 A JP H11260411A JP 10055352 A JP10055352 A JP 10055352A JP 5535298 A JP5535298 A JP 5535298A JP H11260411 A JPH11260411 A JP H11260411A
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electrolyte secondary
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JP10055352A
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Takayoshi Mori
隆貴 森
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイクル特性に優れた非水電解液二次電池お
よびその製造方法の提供。 【解決手段】 正極合剤塗料作製工程を有する非水電解
液二次電池の製造方法において、結着剤が有機溶剤に不
溶のフルオロカーボン系ポリマー、たとえばポリテトラ
フルオロエチレンで構成されたコアに、有機溶剤に少な
くとも可溶および膨潤の何れか一方の性質を有するポリ
マー、例えば少なくとも炭化水素系α,β−エチレン性
不飽和化合物およびポリフッ化ビニリデンの何れか一種
で被覆したクラッドを形成したコア/クラッド複合微粒
子を含有するものであり、正極合剤塗料の粘度を100
Pa・s以下に保ちつつ10℃以下で塗料の作製を行う
ことを特徴とする。また、正極の集電芯材上に、この正
極合剤塗料を塗布乾燥させた正極合剤層が形成されてい
る非水電解液二次電池を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解液二次電池
およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、充放電を
繰り返した後においても高い放電容量維持率の維持を図
る、いわゆるサイクル特性の向上を図る非水電解液二次
電池およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子技術の進歩により電子機器の
高性能化や携帯型電子機器の小型軽量化が進展し、これ
らのコードレス化も急速に進展している。そして、これ
らの進展に伴い、電子機器の供給電源として使用される
電池についても、さらなる小型軽量化とともに高エネル
ギー密度化の要求が益々大となっている。これらの要求
に応えるものとして高電圧、高エネルギー密度を有し、
自己放電が少なく、良好なサイクル特性、且つ高い安全
性を有する、という観点から非水電解液二次電池、とく
にリチウムイオン二次電池が注目されている。このリチ
ウムイオン二次電池に用いられる正極活物質としては、
多くのリチウム遷移金属複合酸化物が検討されている。
たとえば、特開平4−249860号公報には、リチウ
ム遷移金属複合酸化物同士を結着させるとともに集電芯
材として使用されるアルミニウム箔等の金属に接着させ
ることを目的として、LiCoO2 のようなリチウム遷
移金属複合酸化物とグラファイト等で構成された正極お
よび炭素質材料で構成された負極の何れにもPVdFの
N−メチルピロリドン溶液を混合してシート状に加工
し、PVdFを結着剤として使用する事例が示されてい
る。また、PCT国際出願公開特許WO96/1276
4号には、フィブリル形成性のポリテトラフルオロエチ
レンを芯部とし、非フィブリル形成性のポリマーを殻部
とする平均粒径0.05μm〜1μmのコア/クラッド
複合微粒子を含む電池の事例が示されている。
【0003】しかしながら、PVdFは溶液で使用する
が故に活物質の表面を覆ってリチウムイオン等の伝導性
を阻害することが問題となる。また、ポリテトラフルオ
ロエチレンは簡単にフィブリル形成するため、コア/ク
ラッド複合微粒子を使用した場合には、その必要性が小
であるにもかかわらずフィブリル化して使用され、フィ
ブリル形成することによりその比表面積が増大し、PV
dFと同様に活物質の表面を覆ってリチウムイオン等の
伝導性を阻害することが問題となる。さらに、ポリテト
ラフルオロエチレンを他の粉末材料とともに使用する際
には、僅かなフィブリル化も混合物の安定性を悪化させ
るとともに最終的に加工される電極の安定性をも悪化さ
せ、正極合剤の脱離等によりリチウムイオン二次電池の
放電容量が充放電サイクルを経るとともに減少すること
が問題となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、サイ
クル特性に優れた非水電解液二次電池およびその製造方
法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の非水電解液二次電池では、正極の集電芯材
上に、少なくとも正極活物質、導電材および結着剤とを
有する正極合剤層が形成されている非水電解液二次電池
において、結着剤が、有機溶剤に不溶のフルオロカーボ
ン系ポリマー、たとえばポリテトラフルオロエチレンで
構成されたコアに、有機溶剤に少なくとも可溶および膨
潤の何れか一方の性質を有するポリマー、たとえば少な
くとも炭化水素系α,β−エチレン性不飽和化合物およ
びポリフッ化ビニリデンの何れか一種で被覆したクラッ
ドを形成したコア/クラッド複合微粒子を含有すること
を特徴とする。
【0006】本発明の非水電解液二次電池の製造方法で
は、少なくとも正極活物質、導電材および結着剤と有機
溶剤とを混合する正極合剤塗料作製工程を有する非水電
解液二次電池の製造方法において、結着剤が、有機溶剤
に不溶のフルオロカーボン系ポリマー、たとえばポリテ
トラフルオロエチレンで構成されたコアに、有機溶剤に
少なくとも可溶および膨潤の何れか一方の性質を有する
ポリマー、たとえば少なくとも炭化水素系α,β−エチ
レン性不飽和化合物およびポリフッ化ビニリデンの何れ
か一種で被覆したクラッドを形成したコア/クラッド複
合微粒子を含有するものであり、正極合剤塗料作製工程
が、正極合剤塗料の粘度を100Pa・s以下に保ちつ
つ、正極合剤塗料の温度を10℃以下で行うことを特徴
とする。
【0007】そして、本発明の非水電解液二次電池およ
びその製造方法の望ましい実施態様としては、正極活物
質が少なくともリチウム化合物を含有するものである。
また、コア100重量部に対して、クラッドが2重量部
以上50重量部以下であるとともに平均粒径が0.05
μm以上1μm以下である。さらに、正極活物質100
重量部に対して、コア/クラッド複合微粒子が8重量部
以上18重量部以下である。
【0008】有機溶剤に不溶のフルオロカーボン系ポリ
マーとしては、上記したポリテトラフルオロエチレン以
外にテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレ
ン、フルオロアルキルエチレン、フルオロアルキルフル
オロビニルエーテル等の単量体の重合体、あるいはこれ
らの単量体を中心とした単量体群の乳化重合によってつ
くられる平均粒径が0.05μm以上1μm以下の微粒
子と同様のものであり、市販の乳化重合体を凝析、乾燥
して得られるフルオロカーボン系ファインパウダーや乳
化重合体を濃縮、安定化したフルオロカーボン系水性分
散体(ディスパージョン)を構成する微粒子と同様のも
のを挙げることができる。これらの具体的な製造方法に
ついては、特公昭37−4643号公報、特公昭46−
14466号公報、特公昭56−26242号公報等に
より公知である。また、テトラフルオロエチレンを主成
分とする単量体の重合体(ポリテトラフルオロエチレン
および変性ポリテトラフルオロエチレン)を使用する場
合には、そのフィブリル形成能が問題とされることがあ
るが、フィブリル形成性自体と本発明の非水電解液二次
電池およびその製造方法とは、フィブリル形成させない
限りは何ら相関性はない。
【0009】有機溶剤に少なくとも可溶および膨潤の何
れか一方の性質を有するポリマーとしては、コアのフル
オロカーボン系ポリマーを合成した後、連続的なクラッ
ドの反応を容易に行うことができると言う観点からビニ
リデンフルオライドを単量体成分として含む重合体が好
適に用いられるが、メチルアクリレート、メチルメタク
リレートエチルアクリレートスチレン、アクリロニトリ
ル、ビニルピロリドン、アルキルビニルエーテル等の
α、β−エチレン性不飽和化合物単量体の重合体、ある
いはこれらの単量体を中心とした単量体群の共重合体も
用いることができる。
【0010】なお、コア/クラッド複合微粒子の製造方
法において、クラッドがビニリデンフルオライド系樹脂
の場合はPCT国際出願公開特許WO94/1475号
により、クラッドがα、β−エチレン性不飽和カルボン
酸エステル単量体の重合体の場合は特開昭63−312
836号公報に記載された方法に準じて作製することが
できる。
【0011】リチウム化合物はリチウムを脱挿入可能な
リチウム複合酸化物であって、とくに限定されるもので
はないが、リチウム、コバルト、ニッケルおよびマンガ
ン等の酸化物を出発原料とし、これら出発元素を組成に
応じて混合し、酸素存在雰囲気下600℃〜1000℃
の温度範囲で焼成することにより得られるものである。
一例としてLiCoO2 、Lix Niy 1-y 2 (但
し、Mは遷移金属元素あるいはAlから選ばれる少なく
とも1種類以上の金属元素、好ましくはCo、Fe、M
n、Ti、Cr、Vから選ばれる1種類以上の金属元素
を表し、0.05≦x≦1.10、0.5≦y≦1.0
である)で表されるリチウム複合酸化物、LiNi
2 、LiMnO2 、LiMn2 4 等を挙げることが
できる。また、出発原料は酸化物または塩類に限定され
ず、水酸化物等からも合成可能である。
【0012】導電材はとくに限定されないが、金属粉末
や炭素粉末等を用いることができる。炭素粉末の一例と
しては、カーボンブラック等の熱分解炭素およびその黒
鉛化物、人造および天然の鱗片状黒鉛粉、炭素繊維およ
びその黒鉛化物等を挙げることができる。また、これら
炭素粉末の混合物も使用可能である。
【0013】本発明の正極と対極である負極の構成材は
とくに限定されないが、リチウム金属、リチウム合金あ
るいはリチウムを吸蔵放出可能なものであれば良く、一
例としてはリチウムとアルミニウム、鉛、インジウム等
の合金、リチウムを吸蔵放出可能な炭素材料あるいはポ
リアセチレン、ポリピロール等のポリマー等を挙げるこ
とができる。リチウムを吸蔵放出可能な炭素材料はリチ
ウムをドープ、脱ドープ可能なものであれば良く、一例
としては熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、
ニードルコークス、石油コークス等)、グラファイト
類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノ
ール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成して炭素化
したもの)、炭素繊維、活性炭等を挙げることができ
る。
【0014】非水電解液としては、例えばリチウム塩を
電解質とし、これを有機溶媒に溶解させた電解液が用い
られる。有機溶媒はとくに限定されないが、一例として
はプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、
1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチルラクトン、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチル−テト
ラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、スルホラン、
アセトニトリル、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカー
ボネート、メチルプロピルカーボネート等の単独あるい
は2種類以上の混合溶媒を挙げることができる。
【0015】電解質はとくに限定されないが、一例とし
てはLiClO4 、LiAsF6 、LiPF6 、LiB
4 、LiB(C6 5 4 、LiCl、LiBr、L
iSO3 CH3 、LiSO3 CF3 、LiN(SO2
3 2 、LiC(SO2 CF3 3 等を挙げることが
できる。
【0016】正極と負極との間に構成されるセパレータ
はとくに限定されないが、一例として織布、不織布、合
成樹脂微多孔膜等を挙げることができる。とくに、合成
樹脂微多孔膜が好適に用いられるが、その中でもポリエ
チレンおよびポリプロピレン製あるいはこれらを複合し
たポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗
の点から好ましい。
【0017】本発明の非水電解液二次電池に用いられる
集電芯材の形状はとくに限定されないが、箔状、メッシ
ュ、エキスパンドメタル等の網状のものを用いることが
できる。正極集電芯材に用いられる材質の一例として
は、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔等の厚
さ10μm〜40μmのものを挙げることができる。ま
た、負極の集電芯材に用いられる材質の一例としては、
銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔等の厚さ5μm〜20
μmのものを挙げることができる。
【0018】上述した手段による作用について以下に記
す。正極活物質、導電材およびコア/クラッド複合微粒
子を含有する結着剤等を有機溶剤と混合して正極合剤塗
料を作製する混合時において、正極合剤塗料の粘度を1
00Pa・s以下に保ちつつ温度を10℃以下で混合す
ることにより、コア/クラッド複合微粒子は比表面積最
小形状である球形が保たれ、変形および繊維化する虞が
ない。また、この正極合剤塗料を集電芯材に塗着して正
極合剤層を形成する際にもコア/クラッド複合微粒子同
士が凝集する虞がなく、コア/クラッド複合微粒子のク
ラッドが有する接着力が効率よく発現し、正極合剤層を
強固に集電芯材に接着することができる。さらに、充放
電サイクルが行われている際に発生する応力は、比表面
積最小形状である球形のコア/クラッド複合微粒子によ
り効率よく吸収されて集電芯材から正極合剤層が脱離す
る虞がないので、正極合剤層が本来有する容量を高効率
に取り出すことが可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を非水電解液二次電池の一例で
あるコイン型非水電解液二次電池に適用した具体的な実
施例と比較例を挙げ、説明する。なお、本発明は以下に
示した実施例に限定されるものでないことは言うまでも
ない。
【0020】実施例1 先ず、コアとなるポリテトラフルオロエチレンに対して
クラッドとなるポリビニリデンフルオライドの割合を5
重量部として、PCT国際出願公開特許WO94/14
75号に記載された製造方法を用いてコア/クラッド複
合微粒子を作製した。
【0021】次に、十分乾燥させたコア/クラッド複合
微粒子8重量部に溶剤としてN−メチルピロリドン70
重量部を加え、これを冷却しながらゆっくりと攪拌して
均一な混合液を作製する。この混合液に導電材としてア
セチレンブラックを5重量部、正極活物質としてLiC
oO2 100重量部を加え、同様に冷却しながらゆっく
りと攪拌して正極合剤塗料を作製する。この一連の工程
では、コア/クラッド複合微粒子の変形および繊維化を
防止するため、粘度を100Pa・s以下に保ちつつ1
0℃以下で行うことが肝要である。
【0022】次に、作製された正極合剤塗料を、たとえ
ばドクターブレード法を用いて集電芯材であるアルミニ
ウム箔の一方の主面に塗着する。これを、たとえば80
℃の熱風で乾燥した後に、たとえばローラプレスで圧延
することにより集電芯材であるアルミニウム箔上に正極
合剤層を形成した正極が完成する。そして、この正極合
剤層は集電芯材であるアルミニウム箔に強固に固着され
ていた。以下、通常の工程を経て、コイン型非水電解液
二次電池のサンプル10個を完成した。
【0023】実施例2 本実施例は、正極合剤塗料作製工程における溶剤のN−
メチルピロリドン70重量部に加えるコア/クラッド複
合微粒子の量を10重量部とした事例であり、これ以外
は実施例1と同様にしてコイン型非水電解液二次電池の
サンプル10個を完成した。
【0024】実施例3 本実施例は、正極合剤塗料作製工程における溶剤のN−
メチルピロリドン70重量部に加えるコア/クラッド複
合微粒子の量を12重量部とした事例であり、これ以外
は実施例1と同様にしてコイン型非水電解液二次電池の
サンプル10個を完成した。
【0025】実施例4 本実施例は、正極合剤塗料作製工程における溶剤のN−
メチルピロリドン70重量部に加えるコア/クラッド複
合微粒子の量を14重量部とした事例であり、これ以外
は実施例1と同様にしてコイン型非水電解液二次電池の
サンプル10個を完成した。
【0026】実施例5 本実施例は、正極合剤塗料作製工程における溶剤のN−
メチルピロリドン70重量部に加えるコア/クラッド複
合微粒子の量を16重量部とした事例であり、これ以外
は実施例1と同様にしてコイン型非水電解液二次電池の
サンプル10個を完成した。
【0027】実施例6 本実施例は、正極合剤塗料作製工程における溶剤のN−
メチルピロリドン70重量部に加えるコア/クラッド複
合微粒子の量を18重量部とした事例であり、これ以外
は実施例1と同様にしてコイン型非水電解液二次電池の
サンプル10個を完成した。
【0028】実施例7 本実施例は、正極合剤を構成する結着剤のコア/クラッ
ド複合微粒子(10重量部)として、コアをポリテトラ
フルオロエチレンとし、クラッドをポリメチルメタクリ
レートとした事例であり、これ以外は実施例1と同様に
してコイン型非水電解液二次電池のサンプル10個を完
成した。
【0029】比較例1 本比較例は、正極合剤塗料作製工程における溶剤のN−
メチルピロリドン70重量部に加えるコア/クラッド複
合微粒子の量を4重量部とした事例であり、これ以外は
実施例1と同様にして集電芯材であるアルミニウム箔上
に正極合剤層を形成した正極を完成させたが、正極合剤
層がアルミニウム箔から一部脱落してしまい、コイン型
非水電解液二次電池を完成させることはできなかった。
【0030】比較例2 本比較例は、正極合剤塗料作製工程における溶剤のN−
メチルピロリドン70重量部に加えるコア/クラッド複
合微粒子の量を6重量部とした事例であり、これ以外は
実施例1と同様にして集電芯材であるアルミニウム箔上
に正極合剤層を形成した正極を完成させたが、正極合剤
層がアルミニウム箔から一部脱落してしまい、コイン型
非水電解液二次電池を完成させることはできなかった。
【0031】比較例3 本比較例は、実施例1における正極合剤塗料作製工程に
おいて、冷却せずに高速で攪拌して正極合剤塗料を作製
した事例である(コア/クラッド複合微粒子の量は10
重量部)。このとき、正極合剤塗料の温度は70℃に達
していた。これ以外は実施例1と同様にしてコイン型非
水電解液二次電池のサンプル10個を完成した。
【0032】比較例4 本比較例は、正極合剤塗料作製工程における溶剤のN−
メチルピロリドンが50重量部であり、これに加えるコ
ア/クラッド複合微粒子の量を10重量部とした事例で
ある。これ以外は実施例1と同様にして集電芯材である
アルミニウム箔上に正極合剤層を形成した正極を完成さ
せたが、正極合剤層はアルミニウム箔からほぼ脱落して
しまい、コイン型非水電解液二次電池を完成させること
はできなかった。
【0033】上記した実施例1〜7および比較例3のサ
ンプル10個について、充電時の上限電圧を4.2V、
放電時の終止電圧を3.0Vとして電流密度0.5mA
/cm2 の低電流で充放電を行い、1サイクル目と20
0サイクル目の平均放電容量(mAh/g)を測定し、
1サイクル目の平均放電容量100%とした場合におけ
る200サイクル目の平均放電容量維持率でサイクル特
性を評価した。この結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、実施例1〜7に
示した事例のものは平均放電容量維持率が87%以上で
あった。これらに対して、正極合剤塗料作製工程におい
て、冷却せずに高速で攪拌して正極合剤塗料を作製した
比較例3の事例のものは、平均放電容量維持率が81%
であり、実施例1〜7と比較すると6%〜10%悪い結
果であった。また、比較例1および2では正極合剤層が
アルミニウム箔から一部脱落し、比較例4では正極合剤
層がアルミニウム箔からほぼ脱落し、これら比較例のコ
イン型非水電解液二次電池を完成させることはできなか
った。このことから、本発明の非水電解液二次電池およ
びその製造方法によりサイクル特性の向上が図られるこ
とが確認できた。
【0036】本実施例では、コイン型非水電解液二次電
池に本発明を適用した事例を示したが、他の形状の非水
電解液二次電池、たとえば筒型非水電解液二次電池、角
型非水電解液二次電池等にも適用することができる。ま
た、非水電解液二次電池の形状に係わらず、過充電等の
異常時に電池内圧の上昇を感知して電流を遮断する手段
を備えたものにも適用することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明の非水電解液二次電池およびその
製造方法によれば、充放電を繰り返しても高放電容量維
持率が維持されるサイクル特性に優れた非水電解液二次
電池およびその製造方法を提供することができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極の集電芯材上に、少なくとも正極活
    物質、導電材および結着剤とを有する正極合剤層が形成
    されている非水電解液二次電池において、 前記結着剤が、 有機溶剤に不溶のフルオロカーボン系ポリマーで構成さ
    れたコアに、前記有機溶剤に少なくとも可溶および膨潤
    の何れか一方の性質を有するポリマーで被覆したクラッ
    ドを形成したコア/クラッド複合微粒子を含有すること
    を特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 前記コア100重量部に対して、前記ク
    ラッドが2重量部以上50重量部以下であるとともに、
    平均粒径が0.05μm以上1μm以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】 前記正極活物質100重量部に対して、
    前記コア/クラッド複合微粒子が8重量部以上18重量
    部以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電
    解液二次電池。
  4. 【請求項4】 前記フルオロカーボン系ポリマーが、ポ
    リテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求
    項1に記載の非水電解液二次電池。
  5. 【請求項5】 前記ポリマーが、少なくとも炭化水素系
    α,β−エチレン性不飽和化合物およびポリフッ化ビニ
    リデンの何れか一種であることを特徴とする請求項1に
    記載の非水電解液二次電池。
  6. 【請求項6】 前記正極活物質が、少なくともリチウム
    化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の非
    水電解液二次電池。
  7. 【請求項7】 少なくとも正極活物質、導電材および結
    着剤と有機溶剤とを混合する正極合剤塗料作製工程を有
    する非水電解液二次電池の製造方法において、前記結着
    剤が、 有機溶剤に不溶のフルオロカーボン系ポリマーで構成さ
    れたコアに、前記有機溶剤に少なくとも可溶および膨潤
    の何れか一方の性質を有するポリマーで被覆したクラッ
    ドを形成したコア/クラッド複合微粒子を含有するもの
    であり、 前記正極合剤塗料作製工程が、 正極合剤塗料の粘度を100Pa・s以下に保ちつつ、
    前記正極合剤塗料の温度を10℃以下で行うことを特徴
    とする非水電解液二次電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記コア100重量部に対して、前記ク
    ラッドが2重量部以上50重量部以下であるとともに、
    平均粒径が0.05μm以上1μm以下であることを特
    徴とする請求項7に記載の非水電解液二次電池の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記正極活物質100重量部に対して、
    前記コア/クラッド複合微粒子が8重量部以上15重量
    部以下であることを特徴とする請求項7に記載の非水電
    解液二次電池の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記フルオロカーボン系ポリマーが、
    ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請
    求項7に記載の非水電解液二次電池の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記ポリマーが、少なくとも炭化水素
    系α,β−エチレン性不飽和化合物およびポリフッ化ビ
    ニリデンの何れか一種であることを特徴とする請求項7
    に記載の非水電解液二次電池の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記正極活物質が、少なくともリチウ
    ム化合物を含有することを特徴とする請求項7に記載の
    非水電解液二次電池の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013247050A (ja) * 2012-05-29 2013-12-09 Nippon Zeon Co Ltd 電気化学素子電極用複合粒子、電気化学素子電極、及び電気化学素子
CN111630698A (zh) * 2017-12-18 2020-09-04 三星Sdi株式会社 终止带及包括其的二次电池
JP2021516423A (ja) * 2018-03-02 2021-07-01 アーケマ・インコーポレイテッド 電気化学デバイスに用いるためのフルオロポリマーバインダーコーティング
CN114079125A (zh) * 2020-08-10 2022-02-22 北京小米移动软件有限公司 电芯及其制作方法、电池、电子设备

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