JPH11258827A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH11258827A
JPH11258827A JP10057298A JP5729898A JPH11258827A JP H11258827 A JPH11258827 A JP H11258827A JP 10057298 A JP10057298 A JP 10057298A JP 5729898 A JP5729898 A JP 5729898A JP H11258827 A JPH11258827 A JP H11258827A
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JP
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pigment
dispersed
dispersion
under
coating liquid
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JP10057298A
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Keiichi Inagaki
圭一 稲垣
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性支持体上に少なくとも顔料が分散され
た塗液を用いて感光層を形成するようにした電子写真感
光体の製造方法において、顔料の特性を低下させること
なく、顔料を適切な粒径になるように解砕して均一に塗
液中に分散させることが短時間で行なえ、画像特性に優
れた電子写真感光体が効率よく生産できるようにする。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも顔料が分散
された塗液を用いて感光層を形成するようにした電子写
真感光体の製造方法において、顔料が分散された塗液を
得るにあたり、顔料を強い分散条件で分散させた後、こ
の強い分散条件よりも弱い分散条件で顔料を分散させる
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機やプリン
ター等の電子写真装置に使用される電子写真感光体の製
造方法に係り、特に、導電性支持体上に少なくとも顔料
が分散された塗液を用いて感光層を形成するようにした
電子写真感光体の製造方法において、塗液中に顔料を分
散させるにあたり、顔料の特性が低下することなく、顔
料が適切な粒径になるように解砕されて塗液中に均一に
分散され、優れた特性を有する電子写真感光体が効率よ
く生産できるようにした点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等の電子
写真装置において画像形成を行なうにあたっては、一般
にアルミニウム等の導電性材料で構成された導電性支持
体の表面に感光層が形成された電子写真感光体を用いる
ようにしていた。
【0003】ここで、上記のように導電性支持体上に感
光層を形成するにあたっては、一般に、溶媒に結着樹脂
等を溶解させた溶液中に顔料等を分散させた塗液を用
い、この塗液を導電性支持体上に塗布して感光層を形成
するようにしていた。
【0004】しかし、上記のように溶媒に結着樹脂等を
溶解させた溶液中に顔料を分散させる場合において、分
散された顔料の粒径にばらつきが生じたり、顔料が塗液
中に均一に分散されず、得られる電子写真感光体の特性
が悪くなるという問題があった。
【0005】ここで、上記のように溶媒に結着樹脂等を
溶解させた溶液中に顔料を分散させるにあたり、短時間
で顔料を十分に粉砕させて分散させるために、強い分散
条件で顔料を分散させるようにすると、この顔料におけ
る結晶型等が変化して顔料の特性が低下し、適切な画像
特性を有する電子写真感光体が得られなくなるという問
題があった。
【0006】一方、弱い分散条件で顔料を分散させるよ
うにした場合、顔料が十分に粉砕されて均一に分散され
るようにするには、非常に長い時間を要し、電子写真感
光体の生産性が悪くなる等の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、導電性支
持体上に少なくとも顔料が分散された塗液を用いて感光
層を形成するようにした電子写真感光体を製造する場合
における上記のような問題を解決することを課題とする
ものである。
【0008】すなわち、この発明においては、上記のよ
うに導電性支持体上に少なくとも顔料が分散された塗液
を用いて感光層を形成するにあたり、顔料の特性を低下
させることなく、顔料を適切な粒径になるように解砕し
て均一に塗液中に分散させることが短時間で行なえ、画
像特性に優れた電子写真感光体が効率よく生産できるよ
うにすることを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明における電子写
真感光体の製造方法においては、上記のような課題を解
決するため、導電性支持体上に少なくとも顔料が分散さ
れた塗液を用いて感光層を形成するようにした電子写真
感光体の製造方法において、顔料が分散された塗液を得
るにあたり、顔料を強い分散条件で分散させた後、この
強い分散条件よりも弱い分散条件で顔料を分散させるよ
うにしたのである。
【0010】ここで、この発明における電子写真感光体
の製造方法のように、顔料が分散された塗液を得るにあ
たり、まず顔料を強い分散条件で分散させると、この強
い分散条件による分散により、顔料がある程度の状態ま
で効率よく解砕されて分散されるようになる。
【0011】次いで、上記の強い分散条件よりも弱い分
散条件で顔料を分散させると、先の強い分散条件での分
散により解砕されずに残った粒径の大きな顔料もこの弱
い分散条件での分散により適切に解砕されて顔料の粒径
が均一化すると共に、この顔料が塗液中に均一に分散さ
れるようになる。
【0012】ここで、上記のように顔料を強い分散条件
で分散させた後、この強い分散条件よりも弱い分散条件
で顔料を分散させると、強い分散条件による分散により
顔料がある程度の状態まで効率よく解砕されて分散さ
れ、塗液の調整が短時間で効率よく行なえるようにな
り、電子写真感光体の生産性が向上する。
【0013】また、顔料を強い分散条件で分散させた
後、弱い分散条件で顔料を分散させると、強い分散条件
で顔料を分散させ続けた場合のように、顔料の結晶型等
が変化して顔料の特性が低下するのが抑制され、特性の
低下の少ない顔料が塗液中に均一に分散された塗液が得
られ、この塗液を用いて感光層を形成すると、画像特性
に優れた電子写真感光体が得られるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態に係る
電子写真感光体の製造方法について具体的に説明する。
【0015】ここで、この発明における電子写真感光体
の製造方法においては、感光層を設ける上記の導電性支
持体として、銅,アルミニウム,金,銀,白金,鉄,パ
ラジウム,ニッケル等の箔ないし板をシート状又はドラ
ム状に形成したものや、これらの金属をプラスチックフ
ィルム等に真空蒸着,無電解メッキ等によって付着させ
たもの、あるいは導電性ポリマー,酸化インジウム,酸
化スズ等の導電性化合物の層を同じく紙,プラスチック
フィルム或いはガラス等の支持体上に塗布もしくは蒸着
によって形成したもの等を用いることができる。
【0016】そして、このような導電性支持体上に少な
くとも顔料が分散された塗液を用いて感光層を形成する
にあたって、上記のように顔料を強い分散条件で分散さ
せた後、この分散よりも弱い分散条件で顔料を分散させ
るようにする。
【0017】ここで、このように強い分散条件で顔料を
分散させた後、この分散よりも弱い分散条件で顔料を分
散させるにあたっては、例えば、溶媒に結着樹脂を加え
ない状態で溶媒と顔料とを予め分散させるようにし、そ
の後、これに結着樹脂を加えて分散させるようにする。
このように、溶媒に結着樹脂を加えない状態で溶媒と顔
料とを分散させると、その粘度が低いため、顔料が強い
分散条件で分散されるようになり、その後、結着樹脂を
添加すると、その粘度が高くなって、溶媒と顔料とだけ
で分散を行う場合に比べて、顔料が弱い分散条件で分散
されるようになる。なお、強い分散条件で顔料を分散さ
せた後、この分散よりも弱い分散条件で顔料を分散させ
る方法は、特にこのような方法に限定されず、顔料を混
合撹拌させる処理条件を変化させ、顔料を強い処理条件
で分散させた後、これよりも弱い処理条件で顔料を分散
させるようにすることも可能である。
【0018】ここで、上記の塗液に用いる顔料として
は、電子写真感光体の製造において一般に電荷発生材料
として用いられる顔料を使用することができ、例えば、
フタロシアニン系顔料,アゾ系顔料,キナクリドン系顔
料等の各種の顔料を使用することができ、特に、上記の
ようにして顔料を分散させるようにすると、負荷による
特性の変化が大きいフタロシアニン系顔料を用いた場合
においても、このフタロシアニン系顔料の特性を低下さ
せることなく、このフタロシアニン系顔料を塗液中に適
切に分散できるようになる。
【0019】また、上記の塗液における溶媒としては、
電子写真感光体の製造において一般に使用されている公
知の溶媒を用いることができ、例えば、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、
ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、セロソルブ、カルビトール等の
エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、
クロロホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタン,四塩
化炭素、トリクロルエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水
素類あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、リグロイ
ン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族
類等の有機溶剤を使用することができる。
【0020】また、この塗液において、上記の溶剤に溶
解させる結着樹脂としても、電子写真感光体の製造にお
いて一般に使用されている公知のものを用いることがで
き、例えば、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体,塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−無水マレイン酸共重合体,エチレン−酢酸ビニル共
重合体,ポリビニルブチラール,ポリビニルアセター
ル,ポリエステル,フェノキシ樹脂,(メタ)アクリル
樹脂,ポリスチレン,ポリカーボネ−ト,ポリアリレー
ト,ポリスルホン,ポリエーテルスルホン,ABS樹脂
等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂,エポキシ樹脂,ウ
レタン樹脂,メラミン樹脂,イソシアネート樹脂,アル
キッド樹脂,シリコーン樹脂,熱硬化性アクリル樹脂等
の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール,ポリビニル
アントラセン,ポリビニルピレン等の光導電性樹脂を挙
げることができるが、特に、これらのものに限定される
ものではない。
【0021】また、上記のような感光層としては、上記
の顔料と共に電荷輸送材料を含有させた単層型の感光層
であっても、また上記の顔料が含有された電荷発生層
と、電荷輸送材料が含有された電荷輸送層とが積層され
た機能分離型の感光層であってもよく、さらにこの感光
層と上記の導電性支持体の間に下引き層を設けるように
したり、この感光層の表面に保護層を設けるようにして
もよい。
【0022】ここで、単層型の感光層や電荷輸送層に含
有させる電荷輸送材料としても、電子写真感光体の製造
において一般に使用されている公知のものを用いること
ができ、例えば、アントラセン誘導体,ピレン誘導体,
カルバゾール誘導体,テトラゾール誘導体,メタロセン
誘導体,フェノチアジン誘導体,ピラゾリン化合物,ヒ
ドラゾン化合物,スチリル化合物,スチリルヒドラゾン
化合物,エナミン化合物,ブタジエン化合物,ジスチリ
ル化合物,オキサゾール化合物,オキサジアゾール化合
物,チアゾール化合物,イミダゾール化合物,トリフェ
ニルアミン誘導体,フェニレンジアミン誘導体,アミノ
スチルベン誘導体,トリフェニルメタン誘導体等を使用
することができる。
【0023】
【実施例】以下、この発明に係る電子写真感光体の製造
方法について実施例を挙げて具体的に説明すると共に、
この実施例における電子写真感光体の製造方法によって
電子写真感光体を製造した場合、静電特性等に優れた電
子写真感光体が得られ、黒ポチ等の画像ノイズの発生の
少ない良好な画像形成が行なえるようになることを比較
例を挙げて明らかにする。
【0024】(実施例1)この実施例1においては、導
電性支持体として、外径80mm、長さ350mmの円
筒状になったアルミニウム管を用いるようにした。
【0025】そして、この導電性支持体上に顔料が分散
された電荷発生層用の塗液を塗布するようにした。
【0026】ここで、この電荷発生層用の塗液を調製す
るにあたっては、溶媒にテトラヒドロフランを用い、こ
のテトラヒドロフラン50重量部に対して、m型チタニ
ルフタロシアニン(東洋インキ製造社製:am−TiO
PC)を1重量部の割合で加え、これをサンドミルによ
り回転数1000rpmで5時間分散処理し、m型チタ
ニルフタロシアニン顔料を溶媒中において強い条件で分
散させた後、これにテトラヒドロフラン50重量部に対
してブチラール樹脂(積水化学工業社製:エスレックB
X−1)を1重量部の割合で溶解させた樹脂溶液を加
え、これをさらにサンドミルにより上記の場合と同じ回
転数の1000rpmで5時間分散処理して、m型チタ
ニルフタロシアニン顔料を分散させた。ここで、上記の
ように樹脂溶液を加えると溶液の粘度が上昇し、m型チ
タニルフタロシアニン顔料を分散させる分散条件が樹脂
溶液を加える前よりも弱くなった。
【0027】そして、上記のようにm型チタニルフタロ
シアニン顔料を分散させた電荷発生層用の塗液を上記の
導電性支持体上に塗布し、膜厚が0.2μmの電荷発生
層を形成した。
【0028】次いで、塩化メチレン100重量部に対し
て、ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製:パンライト
K−1300)を15重量部、下記の化1に示す電荷輸
送材料を10重量部の割合で溶解させて電荷輸送層用の
塗液を調製した。
【0029】
【化1】
【0030】そして、この電荷輸送層用の塗液を上記の
電荷発生層上に塗布し、これを100℃で45分間乾燥
させて膜厚が30μmになった電荷輸送層を形成し、導
電性支持体上に上記の電荷発生層と電荷輸送層とが積層
された機能分離型の電子写真感光体を得た。
【0031】(実施例2)この実施例2においては、電
荷発生層用の塗液を調製するにあたり、上記の実施例1
と同様に、テトラヒドロフラン50重量部に対して、m
型チタニルフタロシアニン(東洋インキ製造社製:am
−TiOPC)を1重量部の割合で加え、これをサンド
ミルにより回転数1000rpmで5時間分散処理し、
m型チタニルフタロシアニン顔料を溶媒中において強い
条件で分散させた後、これにテトラヒドロフラン50重
量部に対してブチラール樹脂(積水化学工業社製:エス
レックBX−1)を1重量部の割合で溶解させた樹脂溶
液を加え、これをサンドミルにより回転数1000rp
mで分散処理するにあたり、その処理時間を実施例1よ
りも短い3時間にし、それ以外については、上記の実施
例1の場合と同様にして、電子写真感光体を作製した。
【0032】(実施例3)この実施例3においては、電
荷発生層用の塗液を調製するにあたり、上記の実施例1
と同様に、テトラヒドロフラン50重量部に対して、m
型チタニルフタロシアニン(東洋インキ製造社製:am
−TiOPC)を1重量部の割合で加え、これをサンド
ミルにより回転数1000rpmで5時間分散処理し、
m型チタニルフタロシアニン顔料を溶媒中において強い
条件で分散させた後、これにテトラヒドロフラン50重
量部に対して、ブチラール樹脂(積水化学工業社製:エ
スレックBX−1)を1重量部の割合で溶解させた樹脂
溶液を加え、これをサンドミルで分散処理するにあた
り、その回転数を実施例1よりも少ない700rpmに
して5時間分散処理し、それ以外については、上記の実
施例1の場合と同様にして、電子写真感光体を作製し
た。
【0033】(実施例4)この実施例4においては、電
荷発生層用の塗液を調製するにあたり、上記の実施例1
と同様に、テトラヒドロフラン50重量部に対して、m
型チタニルフタロシアニン(東洋インキ製造社製:am
−TiOPC)を1重量部の割合で加え、これをサンド
ミルにより回転数1000rpmで5時間分散処理し、
m型チタニルフタロシアニン顔料を溶媒中において強い
条件で分散させた後、これにテトラヒドロフラン50重
量部に対して、ブチラール樹脂(積水化学工業社製:エ
スレックBX−1)を1重量部の割合で溶解させた樹脂
溶液を加え、これをサンドミルで分散処理するにあた
り、その回転数を実施例1よりも少ない700rpmに
すると共にその処理時間を実施例1よりも短い3時間に
し、それ以外については、上記の実施例1の場合と同様
にして、電子写真感光体を作製した。
【0034】(比較例1)この比較例1においては、電
荷発生層用塗液を調整するにあたり、上記の実施例1と
同様に、テトラヒドロフラン50重量部に対して、m型
チタニルフタロシアニン(東洋インキ製造社製:am−
TiOPC)を1重量部の割合で加え、これをサンドミ
ルにより回転数1000rpmで5時間分散処理して、
m型チタニルフタロシアニン顔料を溶媒中において強い
条件で分散させた後、これにテトラヒドロフラン50重
量部に対してブチラール樹脂(積水化学工業社製:エス
レックBX−1)を1重量部の割合で溶解させた樹脂溶
液を加えて単に混合させるだけで、サンドミルによる分
散処理は行なわないようにし、それ以外については、上
記の実施例1の場合と同様にして、電子写真感光体を作
製した。
【0035】(比較例2)この比較例2においては、電
荷発生層用塗液を調整するにあたり、テトラヒドロフラ
ン50重量部に対して、m型チタニルフタロシアニン
(東洋インキ製造社製:am−TiOPC)を1重量部
の割合で加え、これをサンドミルにより回転数1000
rpmで8時間分散処理し、m型チタニルフタロシアニ
ン顔料を溶媒中において強い分散条件で実施例1よりも
長い時間分散させた後、これにテトラヒドロフラン50
重量部に対してブチラール樹脂(積水化学工業社製:エ
スレックBX−1)を1重量部の割合で溶解させた樹脂
溶液を加えて単に混合させるだけで、サンドミルによる
分散処理は行なわないようにし、それ以外については、
上記の実施例1の場合と同様にして、電子写真感光体を
作製した。
【0036】(比較例3)この比較例3においては、電
荷発生層用塗液を調整するにあたり、テトラヒドロフラ
ン50重量部に対して、m型チタニルフタロシアニン
(東洋インキ製造社製:am−TiOPC)を1重量部
の割合で加え、これをサンドミルにより回転数1000
rpmで10時間分散処理し、m型チタニルフタロシア
ニン顔料を溶媒中において強い分散条件で上記の比較例
2の場合よりもさらに長い時間分散させた後、これにテ
トラヒドロフラン50重量部に対してブチラール樹脂
(積水化学工業社製:エスレックBX−1)を1重量部
の割合で溶解させた樹脂溶液を加えて単に混合させるだ
けで、サンドミルによる分散処理は行なわないように
し、それ以外については、上記の実施例1の場合と同様
にして、電子写真感光体を作製した。
【0037】なお、上記の実施例1〜4及び比較例1〜
3に示すようにして電子写真感光体を作製するにあた
り、上記のようにして調製した各電荷発生層用の塗液中
における顔料の平均粒径を堀場製作所社製のCAPA−
700(商品名)を用いて測定し、その結果を下記の表
1に示した。
【0038】次に、上記の実施例1〜4及び比較例1〜
3によって得られた各電子写真感光体を用い、図1に示
すように、各電子写真感光体1をそれぞれ周速200m
m/secで回転させながら、帯電器2に−5kVの電
圧を印加させて、各電子写真感光体1をそれぞれコロナ
帯電させ、各電子写真感光体1における初期表面電位V
0 (V)を電位プローブ3によって測定し、またこのよ
うに帯電された各電子写真感光体1をそれぞれ露光し
て、その初期表面電位V0 が半減するのに要する露光
量、すなわち半減露光量E1/2 (erg/cm2 )を測
定し、また帯電された各電子写真感光体1に対してそれ
ぞれイレーサーランプ4から50lux・secの光を
照射して除電を行ない、除電後における各電子写真感光
体1に残留する残留電位Vr(V)を測定し、さらに各
電子写真感光体を暗中に5秒間放置した場合における初
期表面電位V0 の減衰率DDR5 (%)を求め、これら
の結果を下記の表1に合わせて示した。
【0039】さらに、上記の実施例1〜4及び比較例1
〜3によって得られた各電子写真感光体を市販のデジタ
ル複写機(ミノルタ社製:Di−30)に搭載して反転
現像を行ない、白ベタ画像中における黒ポチの発生状態
を調べ、白ベタ画像100cm2 中における黒ポチの個
数が5個未満の場合を○、黒ポチの個数が5個以上で1
0個未満の場合を△、黒ポチの個数が10個以上の場合
を×で、下記の表1に合わせて示した。
【0040】
【表1】
【0041】この結果、電荷発生層用の塗液を調製する
にあたり、上記の実施例1〜4に示すように、初期にお
いて強い分散条件で顔料を分散させ、その後、弱い分散
条件で顔料を分散させると、顔料が適切な粒径に解砕さ
れると共に、強い分散条件で顔料を分散させ続けた比較
例2,3のものに比べて顔料の特性の低下が少なくな
り、このように調製した電荷発生層用の塗液を用いて電
子写真感光体を製造した場合には、E1/2 の値が低くて
感度に優れると共に残留電位も少なくなり、またDDR
5 の値も低くて暗減衰率も低い良好な静電特性を有する
電子写真感光体が得られるようになった。
【0042】また、上記の実施例1〜4に示すようにし
て製造した電子写真感光体を用いて反転現像を行なった
場合、白ベタ画像中における黒ポチ等の画像ノイズの発
生も少ない良好な画像が得られるようになった。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明に係る電
子写真感光体の製造方法においては、導電性支持体上に
少なくとも顔料が分散された塗液を用いて感光層を形成
するにあたり、上記の塗液中における顔料を強い分散条
件で分散させた後、この強い分散条件よりも弱い分散条
件で分散させるようにしたため、強い分散条件による分
散により、顔料がある程度の状態まで効率よく解砕され
て分散されると共に、この強い分散条件での分散により
解砕されずに残った粒径の大きな顔料は、弱い分散条件
での分散により適切に解砕されて、顔料の粒径が均一化
して、この顔料が塗液中に均一に分散されるようになっ
た。
【0044】そして、この発明に示すようにして顔料を
塗液中に分散させると、塗液の調整が短時間で効率よく
行なえ、電子写真感光体の生産性が向上した。
【0045】また、上記のように顔料を強い分散条件で
分散させた後、弱い分散条件で顔料を分散させると、強
い分散条件で顔料を分散させ続けた場合のように、顔料
の結晶型等が変化して顔料の特性が低下するのが抑制さ
れ、特性の低下の少ない顔料が塗液中に均一に分散され
た塗液が得られ、この塗液を用いて感光層を形成する
と、画像特性に優れた電子写真感光体が得られるように
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の各実施例及び各比較例において作製
した電子写真感光体の特性を調べる状態を示した概略説
明図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも顔料が分散
    された塗液を用いて感光層を形成するようにした電子写
    真感光体の製造方法において、顔料が分散された塗液を
    得るにあたり、顔料を強い分散条件で分散させた後、こ
    の強い分散条件よりも弱い分散条件で顔料を分散させる
    ようにしたことを特徴とする電子写真感光体の製造方
    法。
JP10057298A 1998-03-10 1998-03-10 電子写真感光体の製造方法 Pending JPH11258827A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004252066A (ja) * 2003-02-19 2004-09-09 Minolta Co Ltd 有機感光体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004252066A (ja) * 2003-02-19 2004-09-09 Minolta Co Ltd 有機感光体

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