JPH11255976A - 絶縁用樹脂組成物および被覆電線 - Google Patents
絶縁用樹脂組成物および被覆電線Info
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- JPH11255976A JPH11255976A JP5834398A JP5834398A JPH11255976A JP H11255976 A JPH11255976 A JP H11255976A JP 5834398 A JP5834398 A JP 5834398A JP 5834398 A JP5834398 A JP 5834398A JP H11255976 A JPH11255976 A JP H11255976A
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- Japan
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- resin composition
- parts
- weight
- density polyethylene
- insulator
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 十分な耐熱温度を有して大電流通電に対応し
得て、かつ可撓性および皮むき性が優れていて施工が容
易である絶縁体、およびかかる絶縁体を形成し得る絶縁
用樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 低密度ポリエチレン、メタロセンポリマ
ーおよびシラン架橋剤を含有する絶縁用樹脂組成物、お
よび該絶縁用樹脂組成物から形成された絶縁体を有する
被覆電線。
得て、かつ可撓性および皮むき性が優れていて施工が容
易である絶縁体、およびかかる絶縁体を形成し得る絶縁
用樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 低密度ポリエチレン、メタロセンポリマ
ーおよびシラン架橋剤を含有する絶縁用樹脂組成物、お
よび該絶縁用樹脂組成物から形成された絶縁体を有する
被覆電線。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用、住宅用組
電線等として用いることができる低圧用電力ケーブルに
絶縁体として用いられる絶縁用樹脂組成物、および該絶
縁用樹脂組成物から形成された絶縁体を有する被覆電線
に関する。
電線等として用いることができる低圧用電力ケーブルに
絶縁体として用いられる絶縁用樹脂組成物、および該絶
縁用樹脂組成物から形成された絶縁体を有する被覆電線
に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来から、家庭用、住宅用組電線等に広
く使われている６００Ｖビニル絶縁ビニルシースケーブ
ル平型は、代表的な低圧用電力ケーブルであり、このケ
ーブルは、導体が塩化ビニル樹脂絶縁体で被覆され、そ
の外側が塩化ビニル樹脂製シースで被覆されたケーブル
であるが、その塩化ビニル樹脂絶縁体は可撓性および皮
むき性に優れて、施工の容易な優れたものである。
く使われている６００Ｖビニル絶縁ビニルシースケーブ
ル平型は、代表的な低圧用電力ケーブルであり、このケ
ーブルは、導体が塩化ビニル樹脂絶縁体で被覆され、そ
の外側が塩化ビニル樹脂製シースで被覆されたケーブル
であるが、その塩化ビニル樹脂絶縁体は可撓性および皮
むき性に優れて、施工の容易な優れたものである。
【０００３】ところが、近年、使用電力の増加に伴ない
大電流に対応できることが要求されるようになった。し
かし、広く使われていたビニル絶縁ビニルシースケーブ
ルでは、その塩化ビニル樹脂の絶縁体の耐熱温度が６０
℃程度であるため、大電流通電時に生じる発熱に対応で
きず、上記要求を満たすことができなかった。そこで、
絶縁体として架橋ポリエチレンが用いられるようになっ
た。架橋ポリエチレンの絶縁体は、耐熱温度が９０℃付
近であり、塩化ビニル樹脂の絶縁体の１．６倍程度の大
電流の通電に対応できる。しかしながら、この架橋ポリ
エチレンの絶縁体は、塩化ビニル樹脂の絶縁体に比べ
て、可撓性および皮むき性が劣り、そのため施工しにく
いという問題がある。
大電流に対応できることが要求されるようになった。し
かし、広く使われていたビニル絶縁ビニルシースケーブ
ルでは、その塩化ビニル樹脂の絶縁体の耐熱温度が６０
℃程度であるため、大電流通電時に生じる発熱に対応で
きず、上記要求を満たすことができなかった。そこで、
絶縁体として架橋ポリエチレンが用いられるようになっ
た。架橋ポリエチレンの絶縁体は、耐熱温度が９０℃付
近であり、塩化ビニル樹脂の絶縁体の１．６倍程度の大
電流の通電に対応できる。しかしながら、この架橋ポリ
エチレンの絶縁体は、塩化ビニル樹脂の絶縁体に比べ
て、可撓性および皮むき性が劣り、そのため施工しにく
いという問題がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記従来の状況に鑑み、十分な耐熱温度を有し
て大電流通電に対応し得て、かつ可撓性および皮むき性
が優れていて施工が容易である絶縁体、およびかかる絶
縁体を形成し得る絶縁用樹脂組成物を提供することにあ
る。
目的は、上記従来の状況に鑑み、十分な耐熱温度を有し
て大電流通電に対応し得て、かつ可撓性および皮むき性
が優れていて施工が容易である絶縁体、およびかかる絶
縁体を形成し得る絶縁用樹脂組成物を提供することにあ
る。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、低密度ポリエチレン、
を、メタロセンポリマーを改質剤として用いて、シラン
架橋剤で架橋させたものが、上記目的を達成できる絶縁
体となり得ることを見出して本発明を完成した。すなわ
ち、本発明は、低密度ポリエチレン、メタロセンポリマ
ーおよびシラン架橋剤を含有することを特徴とする絶縁
用樹脂組成物、および該樹脂組成物を架橋させて形成さ
れた絶縁体を有することを特徴とする被覆電線に関す
る。本発明によれば、従来の架橋ポリエチレンの絶縁体
と同等の優れた耐熱温度を有して大電流通電に対応し得
て、かつ従来の塩化ビニル樹脂の絶縁体と同等の優れた
可撓性および皮むき性を有していて施工が容易である絶
縁体を形成できる絶縁用樹脂組成物、およひ該絶縁用樹
脂組成物を架橋させて形成された上記特性を持った絶縁
体を有する被覆電線を得ることができる。
を達成すべく鋭意研究した結果、低密度ポリエチレン、
を、メタロセンポリマーを改質剤として用いて、シラン
架橋剤で架橋させたものが、上記目的を達成できる絶縁
体となり得ることを見出して本発明を完成した。すなわ
ち、本発明は、低密度ポリエチレン、メタロセンポリマ
ーおよびシラン架橋剤を含有することを特徴とする絶縁
用樹脂組成物、および該樹脂組成物を架橋させて形成さ
れた絶縁体を有することを特徴とする被覆電線に関す
る。本発明によれば、従来の架橋ポリエチレンの絶縁体
と同等の優れた耐熱温度を有して大電流通電に対応し得
て、かつ従来の塩化ビニル樹脂の絶縁体と同等の優れた
可撓性および皮むき性を有していて施工が容易である絶
縁体を形成できる絶縁用樹脂組成物、およひ該絶縁用樹
脂組成物を架橋させて形成された上記特性を持った絶縁
体を有する被覆電線を得ることができる。
【０００６】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる低密度ポリエ
チレンは、密度が０．９１〜０．９３程度のものであ
り、従来から知られ、市販されている種々の低密度ポリ
エチレンを適宜選択して用いることができる。この低密
度ポリエチレンは、必要に応じて、１種用いても、複数
種用いても差し支えない。また、本発明ので用いられる
メタロセンポリマーは、メタロセン触媒を用いてエチレ
ンとα−オレフィンを共重合させた共重合体である。共
重合成分のα−オレフィンとしては、一般に、炭素数６
〜１０のα−オレフィンが適当である。メタロセンポリ
マーの例としては、エチレン・ヘキセン共重合体、エチ
レン・オクテン共重合体等が挙げられ、中でも、エチレ
ン・オクテン共重合体が好ましく用いられる。これらの
エチレン・α−オレフィン共重合体は、必要に応じて、
１種用いても、複数種用いても差し支えない。また、本
発明で用いられるシラン架橋剤としては、アルコキシシ
ランが好ましく用いられる。その例として、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメ
チルジエトキシシラン、ビニルフェニルジメトキシシラ
ン等が挙げられ、中でも、ビニルトリメトキシシランが
一層好ましく用いられる。これらのシラン架橋剤は、必
要に応じて、１種用いても、複数種用いても差し支えな
い。
チレンは、密度が０．９１〜０．９３程度のものであ
り、従来から知られ、市販されている種々の低密度ポリ
エチレンを適宜選択して用いることができる。この低密
度ポリエチレンは、必要に応じて、１種用いても、複数
種用いても差し支えない。また、本発明ので用いられる
メタロセンポリマーは、メタロセン触媒を用いてエチレ
ンとα−オレフィンを共重合させた共重合体である。共
重合成分のα−オレフィンとしては、一般に、炭素数６
〜１０のα−オレフィンが適当である。メタロセンポリ
マーの例としては、エチレン・ヘキセン共重合体、エチ
レン・オクテン共重合体等が挙げられ、中でも、エチレ
ン・オクテン共重合体が好ましく用いられる。これらの
エチレン・α−オレフィン共重合体は、必要に応じて、
１種用いても、複数種用いても差し支えない。また、本
発明で用いられるシラン架橋剤としては、アルコキシシ
ランが好ましく用いられる。その例として、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメ
チルジエトキシシラン、ビニルフェニルジメトキシシラ
ン等が挙げられ、中でも、ビニルトリメトキシシランが
一層好ましく用いられる。これらのシラン架橋剤は、必
要に応じて、１種用いても、複数種用いても差し支えな
い。
【０００７】本発明の絶縁用樹脂組成物の成分比は、一
般に、低密度ポリエチレンおよびメタロセンポリマーの
樹脂成分の合計量を１００重量部としたとき、低密度ポ
リエチレンが９０〜４０重量部で、残部がメタロセンポ
リマーであるのが適当であり、好ましくは低密度ポリエ
チレンが８０〜５０重量部、メタロセンポリマーが２０
０〜５０重量部である。また、シラン架橋剤が、上記樹
脂成分１００重量部に対して１〜３重量部であるのが好
ましい。メタロセンポリマーが１０重量部未満の場合
は、可撓性、皮むき性、施工性の各性能の改善が十分な
されない。また、メタロセンポリマーを６０重量部以上
多量に用いても、これらの性能の改善はそれ以上あまり
望めず、経済的に不利となる。したがって、メタロセン
ポリマーの使用比率は、樹脂成分１００重量部に対して
１０〜６０重量部が適当である。また、シラン架橋剤が
１重量部未満の場合は、架橋が不十分となり、耐熱温度
の低下をきたし、大電流通電に対応しきれなくなる。ま
た、シラン架橋剤が３重量部を超えて多量である場合
は、架橋度が高くなり過ぎて、該架橋物を絶縁体とした
ときの可撓性、皮むき性、施工性の各性能に悪影響を及
ぼす。
般に、低密度ポリエチレンおよびメタロセンポリマーの
樹脂成分の合計量を１００重量部としたとき、低密度ポ
リエチレンが９０〜４０重量部で、残部がメタロセンポ
リマーであるのが適当であり、好ましくは低密度ポリエ
チレンが８０〜５０重量部、メタロセンポリマーが２０
０〜５０重量部である。また、シラン架橋剤が、上記樹
脂成分１００重量部に対して１〜３重量部であるのが好
ましい。メタロセンポリマーが１０重量部未満の場合
は、可撓性、皮むき性、施工性の各性能の改善が十分な
されない。また、メタロセンポリマーを６０重量部以上
多量に用いても、これらの性能の改善はそれ以上あまり
望めず、経済的に不利となる。したがって、メタロセン
ポリマーの使用比率は、樹脂成分１００重量部に対して
１０〜６０重量部が適当である。また、シラン架橋剤が
１重量部未満の場合は、架橋が不十分となり、耐熱温度
の低下をきたし、大電流通電に対応しきれなくなる。ま
た、シラン架橋剤が３重量部を超えて多量である場合
は、架橋度が高くなり過ぎて、該架橋物を絶縁体とした
ときの可撓性、皮むき性、施工性の各性能に悪影響を及
ぼす。
【０００８】本発明の絶縁用樹脂組成物においては、一
般に、架橋助剤、錫系安定剤および老化防止剤が配合さ
れる。架橋助剤としては、ジクミルパーオキサイド、
２，５−ジメチルー２，５−（第三ブチルペルオキシ）
ヘキシン−３、１，３−ビス（第三ブチルペルオキシイ
ソプロピル）ベンゼン等の過酸化物を用いることがで
き、中でも、ジクミルパーオキサイドが好ましく用いら
れる。架橋助剤の配合量は、低密度ポリエチレンおよび
メタロセンポリマーの樹脂成分の合計量１００重量部に
対して０．０５〜０．１５重量部が適当である。錫系安
定剤としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ
マレート、ジブチル錫メチルカプチド等を用いることが
でき、中でも、ジブチル錫ジラウレートが好ましく用い
られる。錫系安定剤の配合量は、上記樹脂成分１００重
量部に対して０．０５〜０．２重量部が適当である。老
化防止剤としては、ヒンダートフェノール系あるいはチ
オビスフェノール系等の一般に知られた老化防止剤を用
いることができる。老化防止剤の配合量は、上記樹脂成
分１００重量部に対して０．０１〜０．２重量部が適当
である。上記の架橋助剤、錫系安定剤および老化防止剤
は、必要に応じて、１種用いても、複数種用いても差し
支えない。また、本発明の絶縁用樹脂組成物において
は、必要に応じて、滑剤、着色剤、難燃助剤等の添加剤
を配合することもできる。
般に、架橋助剤、錫系安定剤および老化防止剤が配合さ
れる。架橋助剤としては、ジクミルパーオキサイド、
２，５−ジメチルー２，５−（第三ブチルペルオキシ）
ヘキシン−３、１，３−ビス（第三ブチルペルオキシイ
ソプロピル）ベンゼン等の過酸化物を用いることがで
き、中でも、ジクミルパーオキサイドが好ましく用いら
れる。架橋助剤の配合量は、低密度ポリエチレンおよび
メタロセンポリマーの樹脂成分の合計量１００重量部に
対して０．０５〜０．１５重量部が適当である。錫系安
定剤としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ
マレート、ジブチル錫メチルカプチド等を用いることが
でき、中でも、ジブチル錫ジラウレートが好ましく用い
られる。錫系安定剤の配合量は、上記樹脂成分１００重
量部に対して０．０５〜０．２重量部が適当である。老
化防止剤としては、ヒンダートフェノール系あるいはチ
オビスフェノール系等の一般に知られた老化防止剤を用
いることができる。老化防止剤の配合量は、上記樹脂成
分１００重量部に対して０．０１〜０．２重量部が適当
である。上記の架橋助剤、錫系安定剤および老化防止剤
は、必要に応じて、１種用いても、複数種用いても差し
支えない。また、本発明の絶縁用樹脂組成物において
は、必要に応じて、滑剤、着色剤、難燃助剤等の添加剤
を配合することもできる。
【０００９】本発明の絶縁用樹脂組成物は、一般に、低
密度ポリエチレンおよびメタロセンポリマーの樹脂成
分、シラン架橋剤、架橋助剤、錫系安定剤、老化防止剤
等、当該樹脂組成物の全成分を、ヘンシェルミキサー等
の既知の混合手段を用いて、常温ないし１００℃以下程
度に加熱しながら一括混合して得ることができる。ま
た、例えば、各樹脂成分、シラン架橋剤および架橋助剤
を混合した後、錫系安定剤、老化防止剤等を加えて混合
するというように、あるいは、シラン架橋剤、架橋助
剤、錫系安定剤、老化防止剤等を混合してマスターバッ
チとし、このマスターバッチと別途混合された樹脂成分
混合物とを混合するというように、樹脂組成物成分の混
合を複数段階で行うこともできる。この場合、樹脂組成
物の各成分の混合順序ないし混合組み合わせは、必要に
応じて適宜選択することができる。
密度ポリエチレンおよびメタロセンポリマーの樹脂成
分、シラン架橋剤、架橋助剤、錫系安定剤、老化防止剤
等、当該樹脂組成物の全成分を、ヘンシェルミキサー等
の既知の混合手段を用いて、常温ないし１００℃以下程
度に加熱しながら一括混合して得ることができる。ま
た、例えば、各樹脂成分、シラン架橋剤および架橋助剤
を混合した後、錫系安定剤、老化防止剤等を加えて混合
するというように、あるいは、シラン架橋剤、架橋助
剤、錫系安定剤、老化防止剤等を混合してマスターバッ
チとし、このマスターバッチと別途混合された樹脂成分
混合物とを混合するというように、樹脂組成物成分の混
合を複数段階で行うこともできる。この場合、樹脂組成
物の各成分の混合順序ないし混合組み合わせは、必要に
応じて適宜選択することができる。
【００１０】また、本発明の絶縁用樹脂組成物は、一般
に、従来の絶縁用樹脂組成物と同様、通常の押出成型法
により導体上に被覆層を形成することができる。しかし
て、導体上に形成された本発明の絶縁用樹脂組成物の被
覆層を架橋させて絶縁体が形成され、該絶縁用樹脂組成
物の架橋物の絶縁体を有する被覆電線が得られる。この
本発明の絶縁用樹脂組成物の被覆層の架橋は、一般に、
該被覆層を温水ないし熱水に浸漬する架橋処理、あるい
は、水蒸気と接触させる架橋処理によって、シラン架橋
を生じさせて達成される。この処理時間は、用いた樹脂
成分の種類、シラン架橋剤、架橋助剤、錫系安定剤の各
種類と量、処理温度等により一概には規定できないが、
一般に４〜６時間が適当である。
に、従来の絶縁用樹脂組成物と同様、通常の押出成型法
により導体上に被覆層を形成することができる。しかし
て、導体上に形成された本発明の絶縁用樹脂組成物の被
覆層を架橋させて絶縁体が形成され、該絶縁用樹脂組成
物の架橋物の絶縁体を有する被覆電線が得られる。この
本発明の絶縁用樹脂組成物の被覆層の架橋は、一般に、
該被覆層を温水ないし熱水に浸漬する架橋処理、あるい
は、水蒸気と接触させる架橋処理によって、シラン架橋
を生じさせて達成される。この処理時間は、用いた樹脂
成分の種類、シラン架橋剤、架橋助剤、錫系安定剤の各
種類と量、処理温度等により一概には規定できないが、
一般に４〜６時間が適当である。
【００１１】
【実施例】以下、実施例および比較例によりさらに具体
的に本発明を説明する。 実施例１〜５ 表１に示した各成分を表１に示した重量比にて、ヘンシ
ェルミキサーにより常温から９０℃まで約１５分間混練
して樹脂組成物を得た。導体にこの樹脂組成物を被覆さ
せ、それを９０℃の熱水に４時間浸漬して樹脂組成物を
架橋せしめ、しかる後この樹脂組成物からなる絶縁層を
有する６００Ｖビニルシースケーブル平型（サイズ２×
１．６ｍｍ）を押出成形機を用いて作成し、目的のケー
ブルを得た。
的に本発明を説明する。 実施例１〜５ 表１に示した各成分を表１に示した重量比にて、ヘンシ
ェルミキサーにより常温から９０℃まで約１５分間混練
して樹脂組成物を得た。導体にこの樹脂組成物を被覆さ
せ、それを９０℃の熱水に４時間浸漬して樹脂組成物を
架橋せしめ、しかる後この樹脂組成物からなる絶縁層を
有する６００Ｖビニルシースケーブル平型（サイズ２×
１．６ｍｍ）を押出成形機を用いて作成し、目的のケー
ブルを得た。
【００１２】得られたケーブルについて、５％弾性、１
０％弾性、加熱変形率、可撓性、皮むき性を評価した。
その結果を表１に示した。上記各評価項目の評価法は次
のとおりである。 ５％弾性および１０％弾性…得られたケーブルから導体
を引き抜いた樹脂層のみをサンプルとして、引張速度２
００ｍｍ／ｍｉｎで引張試験を行った時の荷重ー歪み曲
線から求めた、５％荷重時の弾性および１０％荷重時の
弾性。５％弾性が５．７ＭＰａより小さいとき、可撓性
および皮むき性が良好となる。 加熱変形率…１２０℃での１０Ｎの力を加えたときの変
形率。加熱変形率が４０％以下のとき、加熱変形が少な
く良好であると判断される。 可撓性…得られたケーブルを手で屈曲させたときの感触
を、後記比較例１の従来の軟質塩化ビニル樹脂からなる
絶縁層を有するケーブル、および比較例２の従来の架橋
ポリエチレンからなる絶縁層を有するケーブルでの該感
触と比較して、次の４段階で評価した。 ○：比較例１での感触と同等に良好な感触のもの、□：
比較例１での感触より若干劣るがほぼこれに準ずる感触
のもの、△：比較例１での感触と比較例２での感触との
中間的な感触のもの、×：比較例２での感触と同等に劣
った感触のもの。 皮むき性…得られたケーブルのケーブル端部から３０ｍ
ｍの絶縁層をはさみを用いて皮むきしたときの感触を、
後記比較例１の従来の軟質塩化ビニル樹脂からなる絶縁
層を有するケーブル、および比較例２の従来の架橋ポリ
エチレンからなる絶縁層を有するケーブルでの該感触と
比較して、次の４段階で評価した。 ○：比較例１での感触と同等に良好な感触のもの、□：
比較例１での感触より若干劣るがほぼこれに準ずる感触
のもの、△：比較例１での感触と比較例２での感触との
中間的な感触のもの、×：比較例２での感触と同等に劣
った感触のもの。
０％弾性、加熱変形率、可撓性、皮むき性を評価した。
その結果を表１に示した。上記各評価項目の評価法は次
のとおりである。 ５％弾性および１０％弾性…得られたケーブルから導体
を引き抜いた樹脂層のみをサンプルとして、引張速度２
００ｍｍ／ｍｉｎで引張試験を行った時の荷重ー歪み曲
線から求めた、５％荷重時の弾性および１０％荷重時の
弾性。５％弾性が５．７ＭＰａより小さいとき、可撓性
および皮むき性が良好となる。 加熱変形率…１２０℃での１０Ｎの力を加えたときの変
形率。加熱変形率が４０％以下のとき、加熱変形が少な
く良好であると判断される。 可撓性…得られたケーブルを手で屈曲させたときの感触
を、後記比較例１の従来の軟質塩化ビニル樹脂からなる
絶縁層を有するケーブル、および比較例２の従来の架橋
ポリエチレンからなる絶縁層を有するケーブルでの該感
触と比較して、次の４段階で評価した。 ○：比較例１での感触と同等に良好な感触のもの、□：
比較例１での感触より若干劣るがほぼこれに準ずる感触
のもの、△：比較例１での感触と比較例２での感触との
中間的な感触のもの、×：比較例２での感触と同等に劣
った感触のもの。 皮むき性…得られたケーブルのケーブル端部から３０ｍ
ｍの絶縁層をはさみを用いて皮むきしたときの感触を、
後記比較例１の従来の軟質塩化ビニル樹脂からなる絶縁
層を有するケーブル、および比較例２の従来の架橋ポリ
エチレンからなる絶縁層を有するケーブルでの該感触と
比較して、次の４段階で評価した。 ○：比較例１での感触と同等に良好な感触のもの、□：
比較例１での感触より若干劣るがほぼこれに準ずる感触
のもの、△：比較例１での感触と比較例２での感触との
中間的な感触のもの、×：比較例２での感触と同等に劣
った感触のもの。
【００１３】比較例１〜２ 表１に示した軟質塩化ビニル樹脂（比較例１）または架
橋ポリエチレン（比較例２）をそれぞれ用いて、該軟質
塩化ビニル樹脂または該架橋ポリエチレンからなる絶縁
層を有する６００Ｖビニルシースケーブル平型（サイズ
２×１．６ｍｍ）を、実施例１と同様に、押出成形機を
用いてそれぞれ作成した。得られたケーブルについて、
実施例１と同様に、５％弾性、１０％弾性、加熱変形
率、可撓性、皮むき性を評価した。その結果を表１に示
した。ただし、比較例１で得られた軟質塩化ビニル樹脂
の絶縁層を有するケーブルは、可撓性および皮むき性が
優れていたので、それぞれの評価を「○」とした。ま
た、比較例２で得られた架橋ポリエチレンの絶縁層を有
するケーブルは、可撓性および皮むき性が劣っていたの
で、それぞれの評価を「×」とした。
橋ポリエチレン（比較例２）をそれぞれ用いて、該軟質
塩化ビニル樹脂または該架橋ポリエチレンからなる絶縁
層を有する６００Ｖビニルシースケーブル平型（サイズ
２×１．６ｍｍ）を、実施例１と同様に、押出成形機を
用いてそれぞれ作成した。得られたケーブルについて、
実施例１と同様に、５％弾性、１０％弾性、加熱変形
率、可撓性、皮むき性を評価した。その結果を表１に示
した。ただし、比較例１で得られた軟質塩化ビニル樹脂
の絶縁層を有するケーブルは、可撓性および皮むき性が
優れていたので、それぞれの評価を「○」とした。ま
た、比較例２で得られた架橋ポリエチレンの絶縁層を有
するケーブルは、可撓性および皮むき性が劣っていたの
で、それぞれの評価を「×」とした。
【００１４】
【表１】
【００１５】＊１：三菱化学（株）製 ＺＦ３３（Ｍ
Ｉ：*6；１．１、ｄ*7；０．９２） ＊６：ＪＩＳ・Ｋ７２１０に準拠して測定したメルトイ
ンデックス ＊７：比重（以下同じ） ＊２：エチレン・オクテン共重合体、ダウ・ケミカル・
カンパニー製 ＥＧ８１００（ＭＩ；１．０、ｄ；０．
８７０） ＊３：軟質ポリ塩化ビニル（平均重合度１３００）１０
０重量部、ＤＩＮＰ５０重量部、炭酸カルシウム８０重
量部を混合したもの ＊４：日本ユニカー（株）製 ＮＵＣＶ９２５３ ＊５：ヒンダートフェノール系老化防止剤、日本チバガ
イギー（株）製 イルガノックス１０１０
Ｉ：*6；１．１、ｄ*7；０．９２） ＊６：ＪＩＳ・Ｋ７２１０に準拠して測定したメルトイ
ンデックス ＊７：比重（以下同じ） ＊２：エチレン・オクテン共重合体、ダウ・ケミカル・
カンパニー製 ＥＧ８１００（ＭＩ；１．０、ｄ；０．
８７０） ＊３：軟質ポリ塩化ビニル（平均重合度１３００）１０
０重量部、ＤＩＮＰ５０重量部、炭酸カルシウム８０重
量部を混合したもの ＊４：日本ユニカー（株）製 ＮＵＣＶ９２５３ ＊５：ヒンダートフェノール系老化防止剤、日本チバガ
イギー（株）製 イルガノックス１０１０
【００１６】
【発明の効果】本発明によれば、従来の架橋ポリエチレ
ンの絶縁体と同等の優れた耐熱温度を有して大電流通電
に対応し得て、かつ従来の塩化ビニル樹脂の絶縁体と同
等の優れた可撓性および皮むき性を有していて施工が容
易であるという優れた特性を持った絶縁体を形成できる
絶縁用樹脂組成物、およひ該絶縁用樹脂組成物を架橋さ
せて形成された上記優れた特性を持った絶縁体を有する
被覆電線を得ることができる。
ンの絶縁体と同等の優れた耐熱温度を有して大電流通電
に対応し得て、かつ従来の塩化ビニル樹脂の絶縁体と同
等の優れた可撓性および皮むき性を有していて施工が容
易であるという優れた特性を持った絶縁体を形成できる
絶縁用樹脂組成物、およひ該絶縁用樹脂組成物を架橋さ
せて形成された上記優れた特性を持った絶縁体を有する
被覆電線を得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項１】 低密度ポリエチレン、メタロセンポリマ
ーおよびシラン架橋剤を含有することを特徴とする絶縁
用樹脂組成物。 - 【請求項２】 低密度ポリエチレンおよびメタロセンポ
リマーの樹脂成分の合計量を１００重量部としたとき、
低密度ポリエチレンが９０〜４０重量部で、残部がメタ
ロセンポリマーであり、該樹脂成分１００重量部に対し
シラン架橋剤が１〜３重量部である請求項１に記載の絶
縁用樹脂組成物。 - 【請求項３】 メタロセンポリマーがメタロセン触媒を
用いて共重合されたエチレンと炭素数６〜１０のα−オ
レフィンの共重合体である請求項１または２に記載の絶
縁用樹脂組成物 - 【請求項４】 低密度ポリエチレン、メタロセンポリマ
ーおよびシラン架橋剤を含有する絶縁用樹脂組成物を架
橋させて形成された絶縁体を有することを特徴とする被
覆電線。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5834398A JPH11255976A (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 絶縁用樹脂組成物および被覆電線 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5834398A JPH11255976A (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 絶縁用樹脂組成物および被覆電線 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11255976A true JPH11255976A (ja) | 1999-09-21 |
Family
ID=13081687
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5834398A Pending JPH11255976A (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 絶縁用樹脂組成物および被覆電線 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11255976A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000053815A (ja) * | 1998-08-12 | 2000-02-22 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 電気絶縁樹脂組成物およびそれを用いた電線・ケーブル |
| EP1170116A1 (de) * | 2000-07-05 | 2002-01-09 | REHAU AG + Co | Feuchtigkeitsvernetzbare Profile aus Polyolefinelastomeren |
| JP2011080019A (ja) * | 2009-10-09 | 2011-04-21 | Hitachi Cable Ltd | 再生樹脂を含む架橋樹脂材料及びその製造方法、電線・ケーブル |
| JP2014062159A (ja) * | 2012-09-20 | 2014-04-10 | Yazaki Energy System Corp | ノンハロゲン難燃性樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブル |
-
1998
- 1998-03-10 JP JP5834398A patent/JPH11255976A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000053815A (ja) * | 1998-08-12 | 2000-02-22 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 電気絶縁樹脂組成物およびそれを用いた電線・ケーブル |
| EP1170116A1 (de) * | 2000-07-05 | 2002-01-09 | REHAU AG + Co | Feuchtigkeitsvernetzbare Profile aus Polyolefinelastomeren |
| JP2011080019A (ja) * | 2009-10-09 | 2011-04-21 | Hitachi Cable Ltd | 再生樹脂を含む架橋樹脂材料及びその製造方法、電線・ケーブル |
| JP2014062159A (ja) * | 2012-09-20 | 2014-04-10 | Yazaki Energy System Corp | ノンハロゲン難燃性樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブル |
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