JP2823058B2 - 架橋絶縁物の製造方法 - Google Patents

架橋絶縁物の製造方法

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JP2823058B2
JP2823058B2 JP3669891A JP3669891A JP2823058B2 JP 2823058 B2 JP2823058 B2 JP 2823058B2 JP 3669891 A JP3669891 A JP 3669891A JP 3669891 A JP3669891 A JP 3669891A JP 2823058 B2 JP2823058 B2 JP 2823058B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋ポリオレフィンと
架橋シリコーンゴムからなる架橋絶縁物の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共
重合体等のポリオレフィンは、機械的特性と電気的特性
の両面で優れているため、ケーブル等のシースや絶縁体
の材料として有用である。絶縁材料の耐熱性を向上させ
るために、架橋したポリオレフィンも用いられている。
絶縁材料の耐熱性を示すものとして、材料毎に連続使用
温度が定められており、例えば、ポリエチレンは75
℃、架橋ポリエチレンは90℃とされている。
【0003】後述のように、この種の絶縁電線の耐熱性
を向上することが要求されている。ポリオレフィンの耐
熱性に関する大きな問題は、高温で酸化劣化することで
あり、この酸化劣化を防止するために、酸化防止剤の添
加が行われている。酸化防止剤としては、アミン系化合
物、フェノール系化合物、硫黄化合物等が用いられる。
一方、シリコーンゴム等の耐熱性ポリマーとのブレンド
または共重合も検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の架橋ポリエチレ
ンの有する90℃程度の耐熱性では、最近の機器類の小
型化に伴う配線密度の上昇や、機器類の使用雰囲気の許
容温度の上昇に対し、不十分であり、耐熱性の一層の向
上が求められている。
【0005】しかし、ポリオレフィンは、高温で使用す
ると、大気中の酸素による酸化のために劣化し、可撓性
が低下して、脆くなり、さらに機械的強度、電気的特性
とも低下する。温度が高いほど、劣化は著しい。
【0006】従来、酸化劣化を防止するために行われて
いる酸化防止剤の添加は、効果が限られており、多量に
添加すると、ポリオレフィンの架橋が阻害されたり、絶
縁体の表面に析出する、いわゆるブリード(あるいはブ
ルーム)現象が生じる。一方、耐熱性向上を目的とする
耐熱性ポリマーとの単なるブレンドは、機械的特性を大
幅に低下させる。耐熱性ポリマーとの共重合は技術的に
制約があり、万能とは言えない。
【0007】それ故、本発明の目的は、耐熱性が向上
し、しかも機械的特性が良好で、絶縁物表面への析出を
伴わない架橋絶縁物の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の架橋絶縁物の製
造方法の特徴は、架橋ポリオレフィンと架橋シリコーン
ゴムからなる架橋絶縁物の製造方法において、架橋シリ
コーンゴムを形成する第一成分と第二成分を、それらを
接触させることなくそれぞれシラングラフトポリオレフ
ィンに混合し、シラングラフトポリオレフィンの共存下
に前期第一成分と第二成分を接触させてから成形して架
橋シリコーンゴムを形成し、続いてシラノール縮合触媒
の存在下で水分と接触させることにより架橋ポリオレフ
ィンを形成する点にある。
【0009】本発明の架橋絶縁物の製造方法のもう一つ
の特徴は、架橋ポリオレフィンと架橋シリコーンゴムか
らなる架橋絶縁物の製造方法において、架橋シリコーン
ゴムを形成する第一成分と第二成分を、それらを接触さ
せることなくそれぞれシラングラフトポリオレフィンに
混合し、シラングラフトポリオレフィン及びシリコーン
グラフト酸変性アクリル酸エステルポリマーの共存下に
前期第一成分と第二成分を接触させてから成形して架橋
シリコーンゴムを形成し、続いてシラノール縮合触媒の
存在下で水分と接触させることにより架橋ポリオレフィ
ンを形成する点にある。
【0010】本発明においてポリオレフィンは、オレフ
ィンの単一重合体および共重合体だけでなく、オレフィ
ンと共重合し得る他の単量体との共重合体をも包含す
る。例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン、エチレン
・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン
三元共重合体、エチレン・ブテン共重合体、エチレン・
ブテン・ジエン三元共重合体、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチ
レン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・メチル
メタクリレート共重合体である。これらは、2種以上組
合せて用いることもできる。耐熱性を高めるため、ポリ
オレフィンは架橋されていてもよい。
【0011】ポリオレフィンを架橋するには、ポリオレ
フィンをシラングラフト化し、シラングラフト体を触媒
の存在下で架橋反応させるシラングラフト法(別名、シ
ラン水架橋法)が好適である。この反応には水の存在を
必要とする(シラングラフト体を水によりシラノール縮
合反応を行わせ、架橋する)。各ポリマーのシラングラ
フトに用いるシラン化合物としては、例えば、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリア
セトキシシラン、(γ−メタクリロキシプロピル)トリ
メトキシシラン、を用いることができる。これらは、ジ
クミルペルオキシド等の過酸化物によりポリマーにグラ
フトさせることができる。ジエン系ポリオレフィンの場
合には、イオウ架橋等の方法を用いることができる。
【0012】架橋シリコーンゴムを形成し得る第一成分
と第二成分は、前述の通り、通常、二成分系液状シリコ
ーンゴムの第一液および第二液と呼ばれるものである。
一般に、二成分系液状シリコーンゴムは、第一液の成分
(本発明における第一成分)がジメチルシロキサン、メ
チルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサン等のシ
ロキサン類の骨格をもち、末端または側鎖に水素基を有
する化合物、第二液の成分(本発明における第二成分)
がビニル基を有する化合物であり、第一液と第二液を接
触させると、第一成分と第二成分との付加反応により架
橋シリコーンゴムが形成される。第一液と第二液は通常
同程度の粘度を有する液とされ、多くの場合、1:1の
割合で混合して用いられる。粘度の大きさは分子量によ
り決まるが、目的により適宜の粘度に調節される。上記
付加反応は通常、白金等の触媒の存在下で行われ、触媒
は通常第二の成分に含まれる。
【0013】ポリオレフィンをシラングラフト法により
架橋する場合には、ポリオレフィンをシラングラフト化
し、未架橋のまま、第一成分と第二成分をそれぞれ加え
て、シリコーンゴムの架橋を行わせた後、ポリオレフィ
ンの架橋を行わせてもよい。シラングラフト化ポリオレ
フィンに第一成分と第二成分をそれぞれ加える際、シラ
ングラフト化ポリオレフィンを2部に分けて、それぞれ
に第一成分と第二成分を(個別に)混合してもよく、そ
の際分割の割合は1:1のほか、2:1等、適宜の割合
にすることができる。
【0014】二成分系液状シリコーンゴムの量(第一成
分と第二成分の合計)は、ポリオレフィン100重量部
に対し、5重量部以上、100重量部以下とする。5重
量部未満であると、充分な耐熱性を得ることができな
い。ポリオレフィン100重量部に対し100重量部以
下とすることにより、共存するポリオレフィンの機械的
特性を維持することができる。
【0015】シリコーングラフト酸変性アクリル酸エス
テルポリマーとしては、マクロモノマー法で合成される
ものが好ましく、その添加量は二成分系液状シリコーン
ゴムの量(第一成分と第二成分の合計)に対し重量比で
100分の1以上の量とすることが好ましい。これより
少ないと、引張強度、伸び等の引張特性が低下する。
【0016】本発明の絶縁組成物は、上記各成分のほ
か、安定剤、酸化防止剤、滑剤、難燃化剤、充填剤、補
強剤、着色剤等を含んでもよい。
【0017】
【作用】本発明の絶縁組成物は、架橋シリコーンゴムの
実質的な架橋がポリオレフィン中で行われるため、架橋
シリコーンゴムがポリオレフィン中に極めて微細に分散
された状態で存在し、これによって機械的特性や電気的
特性を損なうことなく耐熱性の向上が得られる。
【0018】本発明の絶縁組成物の製造方法では、架橋
シリコーンゴムを形成し得る第一成分と第二成分を、そ
れらが接触する前に、ポリオレフィンに混合するため、
ポリオレフィン、第一成分および第二成分の三成分の混
合物中で、すなわちポリオレフィンの共存下に、第一成
分と第二成分の付加反応が行われ、架橋シリコーンゴム
が形成されるから、架橋シリコーンゴムはポリオレフィ
ン中に極めて微細にかつ均一に分散され、これにより、
機械的特性や電気的特性を犠牲にすることなく、耐熱性
が向上した絶縁組成物を製造することができる。本発明
の絶縁組成物の製造方法の一つの実施態様では、シリコ
ーンゴムの架橋を、ポリオレフィンの架橋に先立って独
立に行うため、得られる組成物はポリオレフィンとシリ
コーンゴムの共架橋体ではなく、ブレンド重合物であ
り、おそらくそれらの分子鎖が相互に侵入した高分子網
目構造を有している。この構造のために、機械的特性の
低下や、一方の成分の表面への析出を伴うことなく、耐
熱性の向上が達成されるものと思われる。
【0019】また、本発明の絶縁組成物の製造方法の別
の実施態様では、ポリオレフィン、第一成分および第二
成分の三成分混合物にシリコーングラフト酸変性アクリ
ル酸エステルポリマーを添加し、この櫛形の分子構造を
もつポリマーの存在下にポリオレフィン中で第一成分と
第二成分の付加反応を行わせて、架橋シリコーンゴムを
形成させるため、ポリオレフィン中に第一成分および第
二成分が、相溶化作用をもつ上記ポリマーの存在により
均一に溶解または分散され、、従って架橋シリコーンゴ
ムが均一に分散されるので、機械的特性や電気的特性を
犠牲にすることなく、耐熱性が向上した絶縁組成物を製
造することができる。
【0020】以下に実施例を示し、本発明のさらに詳細
な説明とする。
【0021】
【実施例1〜4】本発明の絶縁組成物の実施例1は、シ
ラングラフト法で架橋されたエチレン・酢酸ビニル共重
合体(酢酸ビニル含有量28重量%)100重量部と、
その共存下で架橋されたシリコーンゴム20重量部と、
酸化防止剤1重量部、ステアリン酸1重量部、タルク2
0重量部、およびカーボンブラック2重量部から成る。
実施例2は、実施例1において架橋シリコーンゴムを5
0重量部に増加させたものである。実施例3は、シラン
グラフト法で架橋されたエチレン・エチルアクリレート
共重合体(エチルアクリレート含有量15重量%)10
0重量部と、その共存下で架橋されたシリコーンゴム2
0重量部と、実施例1と同じその他の添加剤から成る。
実施例2は、実施例1において架橋シリコーンゴムを5
0重量部に増加させたものである。
【0022】例えば、実施例1の絶縁組成物は、以下に
述べる方法で製造される。まず、ベースポリマーを、図
に示す工程に従って調製した。詳細には、バンバリミキ
サーを用いて、エバフレックス260(三井デュポンポ
リケミカル(株)商品名)に2重量%のビニルトリメト
キシシランをグラフトしたシラングラフトエチレン・酢
酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量28重量%)50
重量部と二成分系液状シリコーンゴムA液を混練し、さ
らに二軸混練機でペレット化した。これをペレットAと
する。同様に、シラングラフトエチレン・酢酸ビニル共
重合体50重量部と二成分系液状シリコーンゴムB液1
0重量部を混練して、ペレット化し、これをペレットB
とする。ペレットAおよびBをさらに二軸混練機で混練
し、これをベースポリマーとする。二成分系液状シリコ
ーンゴムA液はビニル末端を有するジメチルシロキサン
と白金触媒を含み、 粘度3100ps(温度100
℃)のもの、二成分系液状シリコーンゴムB液はビニル
末端を有するジメチルシロキサンと水素末端を有するジ
メチルシロキサンの混合物に白金触媒を添加した、粘度
2600ps(温度100℃)のものである。
【0023】ベースポリマー120重量部に、酸化防止
剤イルガノックス1010(スイス国チバガイギー社商
品名)1重量部、ステアリン酸1重量部、タルク(日本
ミストロン社商品「ミストロンベーパタルク」)20重
量部、FEFカーボンブラック2重量部を添加し、80
ないし110℃に保った6インチロールで約10分間ロ
ール混練を行った。混練後、120〜150℃に加熱し
たスチーム加熱プレスにより約5分間、100kg/cm2
に加圧して、厚さ1mmのシートに成形した。これにより
シリコーンゴムの架橋が行われる。シリコーンゴムの架
橋が行われたシートの表面に、ジブチル錫ジラウレート
を薄く塗布し、アルミニウム箔で緩く包み、底に水を溜
めた適当な容器中で、水に直接触れないように保持し
て、温度80℃で24時間置いた。これにより、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体が架橋される。実施例2〜4の
絶縁組成物も、実施例1に準じて調製した。各実施例の
ベースポリマーの調製に用いた各成分を表1に示す(数
字の単位は重量部)。
【0024】
【0025】得られたシート状試料について、耐熱性、
難燃性、機械的特性を、下記の方法で評価した。機械的
特性としては引張強度、伸び率、可撓性、引き裂き強さ
を測定した。 (1)耐熱性 JISに従う老化試験機を用い、温度180℃で、時間
の経過とともにサンプリングし、時間に対する伸びの変
化のグラフから、伸び率50%に達する時間を求める。 (2)引張特性 温度20℃の恒温室で1日放置後、ダンベル3号で打抜
き、ショッパ型引張試験機を用いて、毎分500mmの引
張速度で、引張強度と伸び率を測定した。 (3)引き裂き強さ JISK7201に準拠し、B形試料を用い、上記と同
じショッパ型引張試験機により、毎分500mmの引張速
度で測定した。
【0026】評価結果は表2に示す通りである。
【0027】
【0028】表2に示したように、本発明の絶縁組成物
は温度180℃で伸び率50%に達する時間で示した耐
熱性が80時間を上回り、耐熱性に優れており、しか
も、引張強さが1.8kg/mm2 以上、伸び率が500%
以上、引き裂き強さが50kg/cm以上で、優れた機械的
特性を示す。なお、いずれもブリードは認められなかっ
た。
【0029】
【比較例1】実施例4において、二成分系液状シリコー
ンゴムのA液およびB液の量を各75重量部に増し、そ
れ以外は実施例4と同様にして、絶縁組成物の調製と評
価を行った。この場合のベースポリマーの組成を表3
(単位は重量部)に、評価結果を表4に示す。なお、表
4には実施例4の結果も同時に示した。
【0030】
【0031】
【0032】表4に示される通り、二成分系液状シリコ
ーンゴムのA液とB液の合計量が100重量部を超えて
いる比較例1は、優れた耐熱性を有するが、引き裂き強
さがかなり低下し、引張強さと伸び率も若干低下してい
る。
【0033】
【比較例2〜4】比較例2として、従来のシラングラフ
ト法で架橋させたエチレン・酢酸ビニル共重合体のみか
ら成る絶縁組成物、比較例3および4として、シラング
ラフト化エチレン・酢酸ビニル共重合体およびシラング
ラフト化エチレン・アクリル酸エチル共重合体にそれぞ
れ、すでに架橋されたシリコーンゴムをブレンドし、オ
レフィン共重合体を架橋させた、従来の絶縁組成物を調
製し、実施例1〜4と同様の方法で評価した。ベースポ
リマーの組成を表5に、評価結果を表6に示す。
【0034】
【0035】
【0036】表6に示される通り、架橋エチレン・酢酸
ビニル共重合体から成り、シリコーンゴムを含まない比
較例2の耐熱性は、著しく劣る。また、シラングラフト
化エチレン・酢酸ビニル共重合体にすでに架橋されたシ
リコーンゴムをブレンドし、オレフィン共重合体を架橋
させる、従来の方法による比較例3は、引張強さおよび
伸び率が低下し、耐熱性もかなり低下している。比較例
4は、シラングラフト化エチレン・アクリル酸エチル共
重合体にシリコーンゴムをブレンドして、前者を架橋さ
せた、従来の絶縁組成物であるが、耐熱性もさほど優れ
ず、機械的特性は著しく低い。
【0037】
【実施例5〜8】表7に示す成分(数字の単位は重量
部)を混合し、温度100℃に保たれた、毎分50回転
するブラベンダで、約10分間混練した後、6インチロ
ールで約1mmの厚さのシート状とし、180℃に加熱し
たスチーム加熱プレスにより約10分間100kg/cm2
に加圧して、厚さ1mmのシートに成形した。これにより
シリコーンゴムの架橋が行われる。表7中のシラングラ
フトEVAは、実施例1で用いたのと同じエバフレック
ス260に2重量%のビニルトリメトキシシランをグラ
フトしたシラングラフトエチレン・酢酸ビニル共重合
体、シラングラフトEEAは実施例3で用いたのと同じ
レクスロン1150Aに2重量%のビニルトリメトキシ
シランをグラフトしたシラングラフトエチレン・エチル
アクリレート共重合体、二成分系液状シリコーンゴムA
液およびB液はそれぞれ実施例1〜4で用いたのと同じ
もの、シリコーングラフト酸変成エチルアクリレートは
レゼダGP−700(東亜合成化学(株)商品)、酸化
防止剤はイルガノックス1010(スイス国チバガイギ
ー社商品名。化学構造はテトラ[3-(3,5-ジ -t-ブチル -
4-ヒドロキシフェニル) プロピオンオキシメチル〕メタ
ンである)である。
【0038】
【0039】シリコーンゴムの架橋が行われたシートの
表面に、ジブチル錫ジラウレートを薄く塗布し、アルミ
ニウム箔で緩く包み、底に水を溜めた適当な容器中で、
水に直接触れないように保持して、温度80℃で24時
間置いた。これにより、エチレン・酢酸ビニル共重合体
またはエチレン・アクリル酸エチル共重合体が架橋され
る。
【0040】得られたシート状材料について、耐熱性、
難燃性、機械的特性を、実施例1〜4と同じ方法で評価
した。評価結果を表8に示す。
【0041】
【0042】表8に示されるように、本発明の絶縁組成
物は温度180℃で伸び率50%に達する時間で示した
耐熱性が80時間以上で、耐熱性に優れており、しか
も、引張強さが1.8kg/mm2 以上、伸び率が500%
以上、引き裂き強さが50kg/cm以上で、優れた機械的
特性を示す。
【0043】
【比較例5〜8】比較のため、表9に示す組成の混合物
を実施例5〜8と同様に処理した。比較例5はエチレン
・酢酸ビニル共重合体のシラングラフト体を用い、二成
分液状シリコーンゴムおよびシリコーングラフト酸変性
アクリル酸エステルポリマーをいずれも省略したもの、
比較例6はシリコーングラフト酸変性アクリル酸エステ
ルポリマーを省いたもの、比較例7はエチレン・エチル
アクリレート共重合体のシラングラフト体と二成分液状
シリコーンゴムA,B両成分の合計との重量比を40:
60としたもの、比較例8はこの比を30:70とした
もので、この比率は本発明の範囲外である。これらのう
ち比較例5は、エチレン・酢酸ビニル共重合体をシラン
グラフト法で共架橋させた、架橋シリコーンゴムを含ま
ない従来の絶縁組成物である。
【0044】
【0045】得られたシート状試料について、耐熱性、
難燃性、機械的特性を、実施例1〜4と同じ方法で評価
した。評価結果を表10に示す。
【0046】
【0047】表10に示されるように、比較例5の、架
橋シリコーンゴムを含まない従来の絶縁組成物は、温度
180℃で伸び率50%に達する時間で示した耐熱性が
50時間を下回り、耐熱性が劣っている。実施例6(表
7参照)とほぼ同じ組成で、シリコーングラフト酸変性
アクリル酸エステルポリマーを省いた比較例6は、引張
強さおよび伸び率が実施例5または6(第8表参照)よ
り若干低下している。シラングラフトポリオレフィンと
二成分系液状シリコーンゴムA,B両成分の合計との重
量比が発明範囲外である比較例7及び8は、引張強さお
よび伸び率が実施例7(表8参照)より劣り、引き裂き
強さも明らかに低下している。特に、シリコーングラフ
ト酸変性アクリル酸エステルポリマーを省いた比較例8
は、引き裂き強さが劣る。
【0048】上記各実施例および比較例から、本発明の
絶縁組成物の耐熱性および機械的特性が優れていること
が明らかである。
【0049】
【発明の効果】本発明によると、機械的特性の低下や絶
縁物表面への析出を伴うことなく、ポリオレフィンから
成る絶縁組成物の耐熱性を向上することができる。
【0050】また、本発明の絶縁組成物の製造方法によ
ると、耐熱性が向上し、しかも機械的特性が良好で、絶
縁物表面への析出を伴わない、ポリオレフィンから成る
絶縁組成物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例におけるベースポリマー
調製工程を示すフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08L 23:02 (56)参考文献 特開 平4−154855(JP,A) 特開 平2−189340(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36,51/00,51/06 C08L 83/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋ポリオレフィンと架橋シリコーンゴム
    からなる架橋絶縁物の製造方法において、架橋シリコー
    ンゴムを形成する第一成分と第二成分を、それらを接触
    させることなくそれぞれシラングラフトポリオレフィン
    に混合し、シラングラフトポリオレフィンの共存下に前
    期第一成分と第二成分を接触させてから成形して架橋シ
    リコーンゴムを形成し、続いてシラノール縮合触媒の存
    在下で水分と接触させることにより架橋ポリオレフィン
    を形成することを特徴とする架橋絶縁物の製造方法。
  2. 【請求項2】架橋ポリオレフィンと架橋シリコーンゴム
    からなる架橋絶縁物の製造方法において、架橋シリコー
    ンゴムを形成する第一成分と第二成分を、それらを接触
    させることなくそれぞれシラングラフトポリオレフィン
    に混合し、シラングラフトポリオレフィン及びシリコー
    ングラフト酸変性アクリル酸エステルポリマーの共存下
    に前期第一成分と第二成分を接触させてから成形して架
    橋シリコーンゴムを形成し、続いてシラノール縮合触媒
    の存在下で水分と接触させることにより架橋ポリオレフ
    ィンを形成することを特徴とする架橋絶縁物の製造方
    法。
JP3669891A 1991-02-06 1991-02-06 架橋絶縁物の製造方法 Expired - Lifetime JP2823058B2 (ja)

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