JPH11255803A - 高いCa可溶化活性を有するリン酸結合澱粉とそのオリゴ糖組成物及びそれらの製造方法 - Google Patents
高いCa可溶化活性を有するリン酸結合澱粉とそのオリゴ糖組成物及びそれらの製造方法Info
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Abstract
化作用を有する糖質を大量に、効率よく、しかも経済的
に提供する。 【解決手段】 Ca可溶化活性がCa可溶化係数として
10以上であるオリゴ糖組成物及びそれらの製造方法、
並びに前記オリゴ糖組成物を生成するリン酸結合澱粉及
びそれらの製造方法を提供する。
Description
沈澱形成を阻害する作用、すなわちCa可溶化作用に優
れたリン酸結合糖質、特にリン酸結合オリゴ糖を含みC
a可溶化活性がCa可溶化係数として10以上であるオ
リゴ糖組成物及びそれらの製造方法、並びに前記リン酸
結合オリゴ糖を生成するリン酸結合澱粉及びそれらの製
造方法に関する。
の健康問題がクローズアップされており、高齢化社会の
出現に伴う骨粗鬆症などの罹患者が急増している。しか
し、食品に含まれるカルシウムの腸内における吸収が低
いこともよく知られている事実である。成人男子では牛
乳、炭酸カルシウム、小魚、野菜のカルシウム吸収率は
53%,42%,34%,18%と言われている。カル
シウムの吸収を高める物質としてカゼインホスホペプチ
ド(CPP)が知られている。CPPはペプチドに結合
したリン酸基がカルシウムと結合することにより、カル
シウムを不溶性の塩に変えないで、腸内でのカルシウム
の吸収を促進するとされている(特公平3-58718号公
報,内藤博,化学と生物,18, 551-558, 1980)。
し、酵素分解によってリン酸の結合したオリゴ糖を分取
し、得られたリン酸結合オリゴ糖 (Phosphorylated Oli
gosaccharides,以下「POS」ともいう) がリン酸カ
ルシウムの沈澱形成を阻害する作用のあることを見出し
た(Biosci. Biotech. Biochem., 59(8), 1412-1416,19
95;特開平8-104696号公報)。
は古くから知られており、檜作らは馬鈴薯澱粉をα−ア
ミラーゼで分解して得たリミットデキストリンをOH型
アニオン交換樹脂に吸着させてから溶出し、ホスホデキ
ストリン(Phosphodextrin)を調製している。得られた
ホスホデキストリンはさらにグルコアミラーゼで分解し
てからDEAE- Sephadex A-25 のカラムに吸着させ、洗浄
によってブドウ糖を除去した後、リン酸オリゴ糖(Phos
phooligosaccharide,Die Starke, 22, 338-343, 197
0)を溶出して単離している。
による酵素分解物から得られることは公知の事実であ
る。しかし、従来のPOSの生産法は実験室レベルの調
製法であり、工業的な製造方法は全く確立されていなか
った。本発明者らは安価で大量生産が可能なPOSの製
造方法について鋭意研究し、先にPOSの工業的な製造
方法を発明して特許出願を行なっている(特願平8-2408
27)。
度の極めて高いPOSが工業的に安価で大量生産される
利点を有している。しかしながら、植物原料から得られ
る天然の澱粉に含まれる結合リンは0.1%未満と少な
いため、たとえば馬鈴薯澱粉から得られるPOSの収率
は1%程度である。従って、大量のPOSを製造するに
は化学的に合成したリン含量の多いリン酸結合澱粉の方
が収率を高くすることができる点で有利である。本発明
者らは各種POSのCa可溶化作用について詳細に調べ
る中で、リン酸結合澱粉をα−アミラーゼのみで分解処
理して得られるオリゴ糖組成物が、先願発明の方法で得
たPOSに比べて極めて強いカルシウム可溶化活性を示
すことを見出し、本発明を完成した。
先願発明の製造方法では、馬鈴薯澱粉をα−アミラーゼ
で分解処理して得られるオリゴ糖組成物を脱色処理、脱
塩分離、膜処理、脱色処理して純度の高いPOSの得ら
れることが特徴である。しかしながら、本発明者らによ
る先願発明の方法では馬鈴薯澱粉から得られるPOSの
収率は1%未満である。しかも、得られる純度の高いP
OSのCa可溶化活性を後に詳述する方法で測定する
と、Ca可溶化係数として1〜2であった。
るCPP II及びIII(明治製菓製)のCa可溶化活性
は、Ca可溶化係数としてそれぞれ19及び79であ
る。また、従来技術では、純度が高く、Ca可溶化活性
の高いPOSを得るにはリン酸結合澱粉をα−アミラー
ゼで加水分解した後、さらにグルコアミラーゼやその他
の澱粉分解酵素を加えて加水分解し、結合リンを含まな
いブドウ糖やオリゴ糖をイオン交換樹脂などで分離して
POSの純度を高めることが必要であった。
POSのより簡便な製造方法を得るべく検討を進めた結
果、リン酸結合澱粉を原料として、一つの酵素、即ちα
−アミラーゼのみで分解処理するだけで、本発明者らに
よる先願発明の方法で得た純度の高いPOSに比べて1
0倍以上もCa可溶化活性の高いPOSを含むオリゴ糖
組成物が容易に得られることを見出した。本発明は、リ
ン酸結合澱粉をα−アミラーゼのみで処理して得られ、
かつCPP IIと同等以上のCa可溶化活性を示すPO
Sを含むオリゴ糖組成物及びそれらの製造方法、並びに
前記オリゴ糖組成物を生成するリン酸結合澱粉及びそれ
らの製造方法を提供するものである。
明を包含する。 (1) リン酸結合澱粉であって、該澱粉にα−アミラーゼ
のみを作用させて得られるオリゴ糖組成物のCa可溶化
活性がCa可溶化係数として10以上であるリン酸結合
澱粉。 (2) 全固形分重量に対して結合リンを1重量%以上含む
リン酸結合澱粉であって、該澱粉にα−アミラーゼのみ
を作用させて得られるオリゴ糖組成物のCa可溶化活性
がCa可溶化係数として10以上であるリン酸結合澱
粉。
または尿素リン酸エステル澱粉である(1)または(2)のリ
ン酸結合澱粉。 (4) 澱粉にリン酸及び/またはその塩を混合し糊化して
から乾燥し、焙焼して得られる(1)または(2)のリン酸結
合澱粉。 (5) 澱粉にリン酸及び/またはその塩を混合し、その水
分を10重量%未満となるまで乾燥してから焙焼して得
られる(1)〜(4)のリン酸結合澱粉。
合し糊化してから乾燥し、焙焼する(4)のリン酸結合澱
粉の製造方法。 (7) 澱粉にリン酸及び/またはその塩を混合し、その水
分を10重量%未満となるまで乾燥してから焙焼するこ
とを含む(5)のリン酸結合澱粉の製造方法。 (8) リン酸結合オリゴ糖を含み、Ca可溶化活性がCa
可溶化係数として10以上であるオリゴ糖組成物。 (9) 平均重合度が8〜50である(8)のオリゴ糖組成
物。
ミラーゼを作用させて得られる(8)または(9)のオリゴ糖
組成物。 (11) (1)〜(5)のリン酸結合澱粉にα−アミラーゼを作
用させ、次いで澱粉分解酵素を少なくとも1種作用させ
て得られるリン酸結合オリゴ糖を含むオリゴ糖組成物。 (12) (1)〜(5)のリン酸結合澱粉にα−アミラーゼを作
用させることを含む(8)〜(10)のオリゴ糖組成物の製造
方法。
ミラーゼを作用させ、次いで澱粉分解酵素を少なくとも
1種作用させることを含む(11)のオリゴ糖組成物の製造
方法。 (14)得られたオリゴ糖組成物を脱塩して全リンに対する
結合リンの割合を80%以上とすることをさらに含む(1
2)または(13)の方法。 (15) (1)〜(5)のリン酸結合澱粉、及び/または(8)〜(1
1)のオリゴ糖組成物を含む食品、飲料、糊剤、混和剤、
塗料、顔料、肥料またはそれらの添加用組成物。
る。本発明者らはすでに、馬鈴薯澱粉をα−アミラーゼ
で100℃以上の温度で分解した後、糖化酵素でリン酸
が結合していないオリゴ糖を分解してPOSを生成させ
てから、塩基性アニオン交換樹脂やルーズRO膜、活性
炭などの精製処理によって純度の高いPOS製品を製造
する方法を開発し、特許出願している。しかし、馬鈴薯
澱粉に含まれる結合リンは0.05〜0.1%(全固形
分重量に対するリン重量W/W%,以下同じ)でしかな
く、馬鈴薯澱粉から得られるPOSの収率は1%程度で
ある。従って、大量のPOSを製造するには化学的にリ
ン酸基を結合したリン含量の多いリン酸結合澱粉が有利
である。
合澱粉は、澱粉リン酸エステルナトリウムであり、結合
リンとして0.2〜3重量%のリンを含み、遊離のリ
ン、すなわち無機リンの含量は全体のリン(全リン)の
20%以下と規定されている。本発明では、原料及びそ
の製造方法の如何を問わず、α−アミラーゼのみで分解
処理するだけでCa可溶化活性がCa可溶化係数として
10以上であるPOSを含むオリゴ糖組成物及び前記オ
リゴ糖組成物を生成させるリン酸結合澱粉が全て対象と
なる。本発明で対象となるリン酸結合澱粉はリン酸エス
テル澱粉及び尿素リン酸エステル澱粉である。
スターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉など広く一般に利
用されている植物起源の澱粉だけでなく、いずれの起源
の澱粉でも使用することができる。リン酸結合澱粉の合
成方法は特に限定されないが、リン酸結合澱粉の合成に
は通常、澱粉スラリーにリン酸及び/またはその塩、及
び尿素(尿素リン酸エステル澱粉合成の場合)を混合し
てから脱水し、乾燥・焙焼する方法、澱粉の脱水ケーキ
にリン酸及び/またはその塩、及び尿素(尿素リン酸エ
ステル澱粉合成の場合)溶液を噴霧して乾燥・焙焼する
方法や澱粉乾粉にリン酸及び/またはその塩、及び尿素
(尿素リン酸エステル澱粉合成の場合)溶液を混合して
乾燥・焙焼する方法が用いられる。
する観点から、通常30〜50重量%、好ましくは35
〜45重量%である。リン酸及び/またはその塩として
は、リン酸、及びリン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリ
ウム、リン酸三ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウ
ム、ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウ
ム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン
酸ナトリウムなどのリン酸ナトリウム塩やリン酸一カリ
ウム、リン酸二カリウムなどのリン酸カリウム塩やリン
酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウムなどのリン酸
アンモニウム塩など広くリン酸塩が使用できる。
種類によって異なるが、澱粉の重量に対して通常0.5
〜240重量%であり、好ましくは5〜40重量%であ
る。なお、尿素リン酸エステル澱粉の合成にはリン酸塩
の他に尿素の添加が必要である。尿素の添加量は澱粉の
重量に対して通常0.5〜240重量%であり、好まし
くは5〜60重量%である。pHを調整するために、
酸、アルカリを使用することができる。酸としては塩
酸、硫酸、亜硫酸などの酸を、アルカリとしてはNaO
H、KOH、Ca(OH)2などを用いることができる。
物(尿素リン酸エステル澱粉の合成の場合には尿素も含
む)は水分を除くため乾燥するのが望ましい。本発明者
らは乾燥後の水分が重要であることを見出した。すなわ
ち、乾燥後の水分が低い程、Ca可溶化活性の高いリン
酸結合澱粉が得られる。実際的には、乾燥後の水分は1
0重量%未満であることが好ましい。焙焼の条件として
は、焙焼温度が高くなるほど、焙焼時間が長くなるほど
結合リンは増加するが、焙焼品の色が赤褐色となり、C
a可溶化活性は結合リンの増加に比例するとは限らな
い。従って、焙焼の条件は温度としては、通常100〜
250℃、好ましくは130〜200℃の温度で、焙焼
時間としては、通常5分〜4時間、好ましくは10〜1
20分の範囲で加熱するのが好ましい。
酸エステル澱粉の合成法を種々検討し、澱粉とリン酸及
び/またはその塩とを混合した後、糊化・乾燥してから
焙焼する方法を開発した。糊化・乾燥法としては、たと
えば、澱粉スラリーにリン酸及び/またはその塩を加え
て溶解した後、ドラムドライヤーで糊化・乾燥する方法
や、澱粉乾粉にリン酸及び/またはその塩を加えて必要
に応じて水を加えながらエクストルーダー処理して糊化
・乾燥する方法などがある。
その塩との混合物を焙焼したものと、糊化しない澱粉に
リン酸及び/またはその塩を加えて乾燥し、同じ条件で
焙焼したものを比較すると、糊化・乾燥後焙焼して得ら
れるリン酸結合澱粉の方がα−アミラーゼ処理でより高
いCa可溶化活性を示すことが認められた。本発明のC
a可溶化活性を示すPOSを含むオリゴ糖組成物は、上
述のリン酸結合澱粉をα−アミラーゼで分解して低分子
化することにより得られる。低分子化により粘度が低下
するため、食品などへの利用用途が大きく拡大される。
本来、分解に用いる酵素は澱粉をランダムに切断するα
−アミラーゼであれば全て用いることができ、当然2種
以上の酵素を混合して用いることもできる。
分解(以下、「液化」ともいう)に多用されている耐熱
性液化型α−アミラーゼ、中温性液化型α−アミラー
ゼ、糖化型α−アミラーゼ、糖転移酵素のCGTase
(Cyclomaltodextrin glucanotransferase)やTVA
(Thermoactinomyces vulgarisのα−アミラーゼ)など
が使用できる。しかし、工業生産に適応した酵素として
は、耐熱性の液化型α−アミラーゼが分解能力及び澱粉
の溶解力において優れている。リン酸結合澱粉にα−ア
ミラーゼを作用させる条件は、酵素の種類により大きく
異なるが、通常用いられている条件で行うことができ
る。用いる酵素は80〜110℃で有効に作用する耐熱
性液化型α−アミラーゼが好ましく、いずれの起源のも
のでも使用できる。
ラーゼであるターマミル120L(ノボノルディスク
バイオインダストリー製、Bacillus licheniformis由
来)、ネオスピターゼPG2(ナガセ生化学工業製、Ba
cillus subtilis 由来)、クライスターゼT(大和化成
製、Bacillus subtilis 由来)などの市販酵素を用いる
ことができる。基質となるリン酸結合澱粉は10〜40
重量%濃度のスラリーとし、水酸化カルシウム及び/ま
たは水酸化ナトリウムを加えて、通常pH6.0〜6.
3に調整する。耐熱性α−アミラーゼは安定剤として5
0ppm以上のカルシウムイオンを必要とするので、pH
調整用アルカリとしては水酸化カルシウムが主に使用さ
れる。
異なるが、通常0.001〜0.5重量%、好ましくは
0.01〜0.2重量%(対澱粉)である。反応のpHも
使用する酵素によって異なるが、通常pH4〜7であ
る。工業生産における澱粉分解反応(液化反応)では、
通常、澱粉の再結晶化を防ぐため、α−アミラーゼ添加
後の反応開始温度を100〜110℃に高めて2〜15
分、加圧条件で処理した後、90〜100℃の高温で3
0分〜5時間程度酵素分解を進めて行なっている。
解は工業生産における分解反応と異なり、必ずしも10
0〜110℃、加圧というような厳しい分解条件を必要
とはしない。結合リンの多寡によって異なるものの、結
合リンが澱粉の再結晶化を防ぐ役割を果たすことから、
100℃以上の厳しい反応条件は必ずしも必要ではな
い。しかしながら、分解反応の高温処理は分解液の濾過
性を良くして操業を容易にするなどの面から好ましい。
具体的には、最終濃度として10〜40重量%となるよ
うにリン酸結合澱粉を採取し、2.8重量%の塩化カル
シウムを全量の1/100量加え、1N−NaOH溶液
でpHを6.3に調節する。これに、ターマミル120
Lを0.1重量%(対リン酸結合澱粉)加えて耐圧容器
に移す。105℃で5分間加熱後、95℃で1時間液化
反応を継続する。
酵素添加量0.1重量%で反応温度は90〜100℃、
反応時間10〜70分の範囲ではCa可溶化活性値はほ
とんど同じ値を示すことが明らかとなった。さらに、こ
の反応液の反応温度を60℃に下げて、24時間反応を
継続しても、Ca可溶化活性は元の活性の80〜90%
を維持しており、ターマミル120Lを0.05重量%
追加添加して60℃で24時間追加反応すると70%前
後まで低下することが明らかとなった。
理して得られるPOSを含むオリゴ糖組成物は極めて高
いCa可溶化活性を有する混合液であり、そのまま濃縮
して製品となる。しかし、リン酸結合澱粉のα−アミラ
ーゼ処理のみで得られるオリゴ糖組成物の平均重合度は
8〜50であり、オリゴ糖よりもデキストリンの範疇に
入る重合度を有している。通常のオリゴ糖より分子量が
かなり大きいため、そのまま製品として濃縮すれば、製
品の粘度が高くなって食品としての使用に制限が起こる
場合もある。
ラーゼも含む各種澱粉分解酵素や糖転移酵素の1種また
は2種以上の酵素、さらにこれら各種酵素の1種以上の
酵素にα−グルコシダーゼを加えた酵素群による追加分
解反応(以下、「糖化反応」ともいう)を行うことがで
きる。なかでも、グルコアミラーゼ、β−アミラーゼ、
糖化型α−アミラーゼなどの澱粉分解酵素がオリゴ糖組
成物の重合度の低下に有効性の高い酵素として推奨され
る。他に、単独では重合度低下作用が少ないものの、グ
ルコアミラーゼなどとの組み合わせにより効果を示す酵
素として、液化型α−アミラーゼ、CGTase(Cycl
omaltodextrin glucanotransferase)、プルラナーゼ、
イソアミラーゼ、TVAなどが挙げられる。
ため、追加分解にはグルコアミラーゼが主として使用さ
れ、さらに、枝切り酵素であるプルラナーゼやα−アミ
ラーゼを同時に作用させている。本発明者らによる先願
発明においても、耐熱性液化型α−アミラーゼで処理し
た後、グルコアミラーゼとプルラナーゼの混合酵素剤で
あるデキストロザイムを使用して低分子化を進めてい
る。合成したリン酸結合澱粉を液化型α−アミラーゼで
分解処理して得られたオリゴ糖組成物をさらに各種澱粉
分解酵素で追加分解する場合、グルコアミラーゼの市販
酵素剤AMG(ノボノルディスク バイオインダストリ
ー社製、Aspergillus niger 由来)で処理すると、オリ
ゴ糖組成物のCa可溶化活性は追加分解前の半分程度に
減少した。
rgillus niger 由来及びRhizopus niveus 由来)で処理
したオリゴ糖組成物のCa可溶化活性は液化型α−アミ
ラーゼ処理のみで得られるオリゴ糖組成物の活性の80
%前後の値であった。また、β−アミラーゼの市販酵素
剤であるBBA(ジェネンコァ社製、大麦由来)や甘藷
由来の試薬β−アミラーゼで処理したオリゴ糖組成物の
Ca可溶化活性は元の80%前後の活性が維持されてい
た。さらに、β−アミラーゼにα−アミラーゼを同時に
作用させて低分子化反応を進めると、Ca可溶化活性は
元の50%前後の活性に減少した。
オリゴ糖組成物の平均重合度は4〜8であり、グルコア
ミラーゼ処理で得られるものの平均重合度1〜4より大
きい傾向が認められた。澱粉分解酵素による追加分解反
応は液化型α−アミラーゼ処理で得られたオリゴ糖組成
物に各種酵素を1種または2種以上加えて、各酵素の最
適反応条件で行われる。反応条件は酵素の種類によって
大きく異なるが、通常、反応温度は40〜70℃、pH
は4〜7、分解(糖化)時間は0.5〜96時間、酵素
添加量はオリゴ糖組成物の固形分に対して0.0001
〜1重量%である。なお、追加分解反応に用いる酵素は
最初の分解で使用する液化型α−アミラーゼ処理と同時
に用いることもできる。
素や分解反応で生成する凝集タンパク質や未分解澱粉な
ど不溶性物質が含まれ、さらに中和に用いた塩類や無機
リンなども不純物として含まれている。不溶性物質は濾
過や膜処理で除去されるが、塩類や無機リンを除くには
イオン交換樹脂処理、ナノフィルトレーション(NF)
膜処理、イオン交換膜処理などによる脱塩処理が必要で
ある。リン酸結合澱粉を酵素分解して得られるPOSを
含むオリゴ糖組成物を脱塩処理することにより、全リン
に対する無機リン比率を20%以下に減少させることが
できる。これにより、食品添加物として規定されている
リン酸結合澱粉と同等の結合リン、無機リン含量のPO
Sを含むオリゴ糖組成物を得ることができる。
義と測定方法を示す。 (1)Ca可溶化活性測定試料液の調製 リン酸結合澱粉をα−アミラーゼなどの酵素で処理して
得られるPOSを含むオリゴ糖組成物溶液(POS溶
液、未精製)(2重量%、pH2に調整したもの)1
7.5gを試験管に採取し、水を加えて30gとする。
5重量%のNaOH溶液でpH7.2〜7.3に合わせ
る。さらに、1重量%のNaOH溶液でpH7.36〜
7.37に微調節してから水を加えて全量を35.0g
とする。この時、pHが7.40±0.02であること
を確認し、pHが外れている場合には再度、pH調整を
やり直す。
化活性測定試料液とする。 (2)リン酸カルシウム沈澱形成阻害反応 (1)で得た測定試料液を必要に応じて水で希釈してリ
ン酸カルシウム沈澱形成阻害反応を行う。30℃の恒温
槽で恒温にした15mM−リン酸緩衝液(pH7.4)
1.5mlを試験管に採取し、適宜希釈した測定試料液
0.3mlを加えて混合する。次いで、30℃の恒温槽で
恒温にした12.5mM−CaCl2を1.2ml加えて混
合し、30℃の恒温槽に入れて1時間保持する。1時間
後、測定試料を15000rpmで1分間遠心分離して、
上清のCa濃度を測定する。Ca濃度はCa測定キット
(和光純薬製)で測定した。対照として、希釈測定試料
液の代わりに水を加えたもののCa濃度を測定し、リン
酸カルシウムのみの上清Ca濃度を算出して対照1液と
する。希釈測定試料液及びリン酸緩衝液の代わりに水を
加えたもののCa濃度を測定して、全Ca濃度を算出し
て対照2液とする。
る。
溶化率を縦軸に取ってグラフを作成し、Ca可溶化率が
50%となる試料濃度を求める。この試料濃度(%)値
の逆数をCa可溶化係数とする。例えば、Ca可溶化活
性測定時の試料の濃度が0.1%でCa可溶化率50%
になった場合、Ca可溶化係数は10である。なお、C
a可溶化率は50%を挟んで50±30%の範囲で測定
した試料濃度2点の直線とCa可溶化率50%の交点を
Ca可溶化係数算出の試料濃度とし、係数値は少数点1
位以下を四捨五入して整数とする。
量とCa可溶化係数を示す。α−アミラーゼによる分解
処理で高いCa可溶化活性を示すようなリン酸エステル
澱粉を得るため、コーンスターチ及び馬鈴薯澱粉を原料
として、反応条件を変えて結合リンが馬鈴薯澱粉の結合
リン含量より多い0.5〜4重量%となるようにリン酸
エステル澱粉を合成した。表1から明らかなように、結
合リン含量が1重量%以上のリン酸結合澱粉を酵素処理
して得られるPOSを含むオリゴ糖組成物のCa可溶化
係数は10以上である。
薯澱粉であれ、結合リンが1重量%未満のリン酸エステ
ル澱粉をα−アミラーゼで分解して生成したPOSを含
む溶液のCa可溶化活性は、Ca可溶化係数として10
未満であり、明治製菓製のCPP IIのCa可溶化係数
19より低いものである。結合リンの少ないリン酸エス
テル澱粉を原料としてα−アミラーゼ処理して得られる
POS溶液からPOS製品を得るには、生成したPOS
以外の結合リン酸を持たないブドウ糖やオリゴ糖などの
中性糖を除く精製操作を行わなければ、明治製菓製のC
PP IIのようなCa可溶化活性の高いPOS製品を得
ることはできない。
含むリン酸エステル澱粉のα−アミラーゼ処理により得
られるオリゴ糖組成物はなんら精製純化操作をしなくと
も、10〜50の高いCa可溶化係数の得られることが
明らかである。すなわち、α−アミラーゼによる酵素処
理だけでCPP IIと同等以上の高いCa可溶化活性を
持つオリゴ糖組成物が得られたこととなり、極めて簡便
なPOSの製造方法が開発されたこととなる。本発明で
設定したCa可溶化活性測定法を用いてCa可溶化作用
を有するとされる各種物質のCa可溶化係数を求めると
表2のように算出された。
ムやペクチンは多糖であり、粘性物質であって食品とし
ての使用に制限がある。単糖や二糖の一リン酸や二リン
酸はCPP IIと同程度のCa可溶化活性を有するもの
の高価である。これらに対して、リン酸エステル澱粉は
食品添加物として認められており、そのまま食品に添加
することができる。しかも、α−アミラーゼによって容
易に低分子化されてPOSを含むオリゴ糖組成物に変換
されるので、リン酸エステル澱粉をそのまま食品に加え
て使用しても、加工工程中にα−アミラーゼが存在すれ
ば高いCa可溶化活性を有するPOSを生成する。
とも、食品として咀嚼中に唾液のα−アミラーゼの作用
によりリン酸エステル澱粉から高いCa可溶化活性を有
するPOSが生成可能である。次いで、咀嚼だけでリン
酸エステル澱粉の低分子化が不十分な場合でも、小腸で
は膵液のα−アミラーゼの作用により高いCa可溶化活
性を有するPOSが生成する。すなわち、リン酸エステ
ル澱粉を高分子のままで食品に添加しても、体内でPO
Sが生成し、高いCa可溶化活性を示すことが予想され
る。
型α−アミラーゼによって低分子化すれば、粘度が低
く、Ca可溶化活性の高いPOSが安価に大量に生産さ
れ、食品への利用が大きく広げられることとなる。 本
発明の高い活性を有するリン酸結合澱粉は食品、飲料、
糊剤、混和剤、塗料、顔料、肥料などの成分として混合
することができる。また、同じくリン酸結合澱粉は食
品、飲料、糊剤、混和剤、塗料、顔料、肥料への添加用
組成物として利用することができる。さらに、本発明の
高い活性を有するリン酸結合澱粉から得られるPOSを
含むオリゴ糖組成物は食品、飲料、糊剤、混和剤、塗
料、顔料、肥料などの成分として混合することができ
る。また、同じくPOSを含むオリゴ糖組成物は食品、
飲料、糊剤、混和剤、塗料、顔料、肥料への添加用組成
物として利用することができる。
るが、本発明は下記実施例により、その技術的範囲が限
定されるものではない。なお、実施例中、結合リン含量
の測定、Ca可溶化係数の測定、及びオリゴ糖組成物の
平均重合度の測定は、各々以下の方法によって行った。
関連糖質実験法(学会出版センター、中村道徳ら)に記
載の方法に準じて測定した。リン酸結合澱粉のリン含量
を測定するため、試料にターマミル120L(耐熱性液
化型α−アミラーゼ)0.1重量%を加えて95℃,1
5分間加熱分解して均一な溶液を調製し、無機リンを全
てオルトリン酸とするため塩酸を添加してpH2に調整
してからFiske-Subbarow法で無機リンを測定した。な
お、これら一連の酵素分解反応では結合リンが無機リン
として遊離しないことを確認しており、元のリン酸結合
澱粉も分解生成したオリゴ糖組成物も結合リンの含量に
変化はない。また、発色時に濁りが認められるものは遠
心分離(3000rpm,3分間)して上清の吸光度を測
定した。全リン含量は無機リン測定時にpH2に調整し
た試料を湿式灰化処理し、同様に測定した。結合リン含
量(重量%,対試料固形分)は(全リン含量−無機リン
含量)で算出した。
に、Ca可溶化活性測定試料液を調製し、リン酸カルシ
ウム沈殿形成阻害反応を行って式(I)よりCa可溶化
率を求め、Ca可溶化係数を算出した。
含量は澱粉・関連糖質実験法(学会出版センター、中村
道徳ら)に記載の方法に準じて測定し、オリゴ糖組成物
の平均重合度は全糖/還元糖から求めた。リン含量測定
の場合と同様にpH2に調整した試料液を適宜希釈し
て、全糖はフェノール−硫酸法(Dubois ら,1956)で、還
元糖は Somogyi-Nelson 法(Nelson, 1944)で測定した。
測定値はブドウ糖換算重量%(対試料固形分)で表示
し、平均重合度は全糖/還元糖で算出した。
10kgに無水リン酸一ナトリウム2.2kgと無水リン酸
二ナトリウム2.0kgを加えて溶解し(pH6.0)、
濾紙で濾過して澱粉ケーキを回収した。この澱粉ケーキ
の全リンは3.8重量%であった。これを棚段乾燥機で
水分13重量%となるまで乾燥してから一定温度に設定
したオーブンで1〜3時間焙焼した。次いで、得られた
リン酸エステル澱粉をα−アミラーゼで分解してオリゴ
糖組成物とするため、合成したリン酸エステル澱粉を3
〜4g採取し、105℃で4時間乾燥した。放冷後、乾
燥試料2gを精秤して100mlの耐圧ガラス容器に入
れ、水を70g加えて、均一になるまで攪拌した。これ
に2.8重量%の塩化カルシウム溶液を1ml加え、1N
−NaOH溶液でpHを6.3に調節した。α−アミラ
ーゼとして、ターマミル120Lを水で10倍に希釈し
た液を20mg加え、耐圧ガラス容器をガス加熱した沸騰
水中に置いて、時々攪拌しながら15分間加熱した。加
熱終了後、放冷してから1N−塩酸溶液を加えてpHを
2に調節してから水を加えて全量を100gとした(濃
度2重量%)。得られたPOSを含むオリゴ糖組成物の
結合リン含量とCa可溶化係数を測定した。結果を表3
に示す。
活性を有するリン酸結合澱粉が得られた。
10kgに無水リン酸一ナトリウムと無水リン酸二ナトリ
ウムを適宜加えてpH4.0及び2.5となるように溶
解し、濾紙で濾過して澱粉ケーキを回収した。これらの
澱粉ケーキの全リンは3.8重量%であった。次いで棚
段乾燥機で水分13重量%となるまで乾燥してから一定
温度に設定したオーブンで1時間焙焼した。実施例1と
同様に、合成したリン酸エステル澱粉からオリゴ糖組成
物を調製し、結合リンとCa可溶化係数を測定した。
活性を有するリン酸結合澱粉が得られた。
10kgに無水リン酸一ナトリウムと無水リン酸二ナトリ
ウムの添加量を変えて溶解し(pH6.0)、濾紙で濾
過して澱粉ケーキを回収した。これらの澱粉ケーキの全
リンは3.8,5.9,6.3重量%であった。次いで
棚段乾燥機で水分13重量%となるまで乾燥してから一
定温度に設定したオーブンで1時間焙焼した。実施例1
と同様に、合成したリン酸エステル澱粉からオリゴ糖組
成物を調製し、全リン、結合リンとCa可溶化係数を測
定した。
活性を有するリン酸結合澱粉が得られた。
に入れ、無水リン酸一ナトリウム1.7kgと無水リン酸
二ナトリウム1.2kgを溶解した液7.7kg(pH6.
0)を加えて混合し、棚段乾燥機で水分15重量%とな
るまで乾燥した。これを一定温度に設定したオーブンで
1時間焙焼した。実施例1と同様に、合成したリン酸エ
ステル澱粉からオリゴ糖組成物を調製し、全リン、結合
リンとCa可溶化係数を測定した。
活性を有するリン酸結合澱粉が得られた。
/Hrの流速で混合機に導入し、同時にリン酸及び尿素の
混合液(リン酸5重量%、尿素18重量%)を4.35
kg/Hrの流速で添加して混合した。混合後、気流乾燥機
で水分10重量%となるまで乾燥した。これを130℃
に設定したオーブンで30分間焙焼した。
%)を10kg/Hrの流速で混合機に導入し、同時にリン
酸及び尿素の混合液(リン酸10重量%、尿素16重量
%)を4.35kg/Hrの流速で添加して混合した。混合
後、気流乾燥機で水分10重量%となるまで乾燥した。
これを130℃に設定したオーブンで60分間焙焼し
た。実施例1と同様に、合成した尿素リン酸エステル澱
粉からオリゴ糖組成物を調製し、全リン、結合リンとC
a可溶化係数を測定した。
化活性を有するリン酸結合澱粉が得られた。
リン酸一ナトリウム1.3kgと無水リン酸二ナトリウム
1.1kgを加えて混合機で混合した。これを水分5重量
%となるまで乾燥してから一定温度に設定したオーブン
で1時間焙焼した。実施例1と同様に、合成したリン酸
エステル澱粉からオリゴ糖組成物を調製し、全リン、結
合リン、Ca可溶化係数と平均重合度を測定した。
化活性を有するリン酸結合澱粉が得られ、オリゴ糖組成
物の平均重合度は17〜21であった。
機に入れ、無水リン酸一ナトリウム0.96kgと無水リ
ン酸二ナトリウム0.86kgを水に溶解した液を徐々に
加えて混合した。これを水分13重量%となるまで乾燥
してから一定温度に設定したオーブンで1時間焙焼し
た。実施例1と同様に、合成したリン酸エステル澱粉か
らオリゴ糖組成物を調製し、全リン、結合リン、Ca可
溶化係数と平均重合度を測定した。
化活性を有するリン酸結合澱粉が得られ、オリゴ糖組成
物の平均重合度は10〜18であった。
機に入れ水を加えてスラリーとし、無水リン酸一ナトリ
ウム0.88kgと無水リン酸二ナトリウム0.79kgを
加えて溶解混合した。これをドラムドライヤーにかけて
糊化し、水分13重量%となるまで乾燥した。次いで、
一定温度に設定したオーブンで1時間焙焼した。実施例
1と同様に、合成したリン酸エステル澱粉からオリゴ糖
組成物を調製し、全リン、結合リン、Ca可溶化係数と
平均重合度を測定した。
化活性を有するリン酸結合澱粉が得られ、オリゴ糖組成
物の平均重合度は11〜23であった。
機に入れ水を加えてスラリーとし、無水リン酸一ナトリ
ウム1.0kgと無水リン酸二ナトリウム0.93kgを加
えて溶解混合した。これをドラムドライヤーにかけて糊
化し、水分5重量%となるまで乾燥した。次いで、一定
温度に設定したオーブンで1時間焙焼した。実施例1と
同様に、合成したリン酸エステル澱粉からオリゴ糖組成
物を調製し、全リン、結合リン、Ca可溶化係数と平均
重合度を測定した。
化活性を有するリン酸結合澱粉が得られ、オリゴ糖組成
物の平均重合度は22〜31であった。
リン酸一ナトリウム0.92kgと無水リン酸二ナトリウ
ム0.82kgを混合してエクストルーダーに投入し、水
を加えて混練混合した。吐出した混練品をカットして送
風乾燥機で水分13重量%になるまで乾燥した。これを
粉砕し、一定温度に設定したオーブンで1時間焙焼し
た。実施例1と同様に、合成したリン酸エステル澱粉か
らオリゴ糖組成物を調製し、全リン、結合リン、Ca可
溶化係数と平均重合度を測定した。
化活性を有するリン酸結合澱粉が得られ、オリゴ糖組成
物の平均重合度は24〜31であった。
に入れ水を加えてスラリーとし、無水リン酸一ナトリウ
ムと無水リン酸二ナトリウムを適宜加えて溶解(pH
6.0,5.3)混合した。これをドラムドライヤーに
かけて糊化し、水分13重量%となるまで乾燥した。次
いで、一定温度に設定したオーブンで1時間焙焼した。
実施例1と同様に、合成したリン酸エステル澱粉からオ
リゴ糖組成物を調製し、全リン、結合リンとCa可溶化
係数を測定した。
化活性を有するリン酸結合澱粉が得られた。
機に入れ水を加えてスラリーとし、無水リン酸一ナトリ
ウムと無水リン酸二ナトリウムを適宜加えて溶解(pH
6.0)混合した。これをドラムドライヤーにかけて糊
化し、水分13重量%となるまで乾燥し、170℃に設
定したオーブンで1時間焙焼してリン酸エステル澱粉を
得た。合成したリン酸エステル澱粉120gにターマミ
ル120Lを0.12gを加え、さらに10%Ca(O
H)2水溶液を加えてpH6.3とした。これを105℃
で5分間加圧加熱処理してから95℃で1時間液化処理
した。液化液50gに各種澱粉分解酵素を対澱粉0.1
%加えて、60℃(TVA IIのみ50℃)で24時間糖化
処理し、得られたオリゴ糖組成物のCa可溶化活性、結
合リン及び平均重合度を測定した。
ーゼ(ジェネンコア社製 BBA,大麦由来)、甘藷
β−アミラーゼ(Sigma 製 試薬β−アミラーゼ,甘藷
由来)、大麦β−アミラーゼ対澱粉0.1%とプルラ
ナーゼ(天野製薬製 プルラナーゼ「アマノ」,Klebsi
ella pneumoniae 由来)対澱粉0.05%の組み合わ
せ、グルコアミラーゼ(ノボノルディスク バイオイ
ンダストリー製 AMG, Aspergillus niger 由来グルコア
ミラーゼ)、グルコアミラーゼ(Sigma 製試薬グルコ
アミラーゼ,Aspergillus niger由来)、グルコアミラ
ーゼ(Sigma 製試薬グルコアミラーゼ,Rhizopus niveu
s 由来)、 TVA II (公特開平7-25891,Thermoactino
myces vulgaris R-47 由来α−アミラーゼ)、及びフ
ァンガミル(ノボノルディスク バイオインダストリー
製 ファンガミル, Aspergillusoryzae 由来糖化型α
−アミラーゼ)である。
ン酸基の結合していない単糖やオリゴ糖を含む)1〜1
8に低分子化されたオリゴ糖組成物が得られ、Ca可溶
化活性はCa可溶化係数として21〜45であった。
イヤーで糊化し、170℃で1時間焙焼して合成した)
に終濃度20重量%となるように水、ターマミル120
L0.12gを加え、さらに10%Ca(OH)2水溶液
を加えてpH6.3とした。これを105℃で5分間加
圧加熱処理してから95℃で1時間液化処理した。次い
で、液化液に蓚酸を加えてpHを5.5に調節してから
BBA0.12gを加えて、60℃で24時間糖化処理
し、オリゴ糖組成物溶液を得た。これに塩酸を加えてp
H2.5とし、不溶性物質を濾紙で除いてからNF膜処
理(NTR−7410,日東電工製)で脱塩した。さら
に活性炭を加えて60℃で2時間放置後、濾紙で活性炭
を除いて清澄液を得てからエバポレーターで濃縮した。
得られた精製オリゴ糖組成物溶液の固形分は90gであ
り、Ca可溶化活性はCa可溶化係数として46、結合
リンは2.7重量%、無機リン比率18%、平均重合度
は12であった。
イヤーで糊化し、170℃で1時間焙焼して合成した)
に終濃度20重量%となるように水、ターマミル120
L0.12gを加え、さらに10%Ca(OH)2水溶液
を加えてpH6.3とした。これを105℃で5分間加
圧加熱処理してから95℃で1時間液化処理した。次い
で、液化液に蓚酸を加えてpHを4.5に調節してから
AMG0.12gを加えて、60℃で24時間糖化処理
し、オリゴ糖組成物溶液を得た。これに塩酸を加えてp
H2.5とし、不溶性物質を濾紙で除いてからNF膜処
理(NTR−7410,日東電工製)で脱塩した。さら
に活性炭を加えて60℃で2時間放置後、濾紙で活性炭
を除いて清澄液を得てからエバポレーターで濃縮した。
得られた精製オリゴ糖組成物溶液の固形分は56gであ
り、Ca可溶化活性はCa可溶化係数として41、結合
リンは3.6重量%、無機リン比率20%、平均重合度
は2.6であった。
するとして問題とされているカルシウムの吸収を促進す
るカルシウム可溶化作用を有する糖質の工業的な製造法
を提供するものである。本発明者らによる先願発明の製
造法では、純度の極めて高いPOSが工業的に安価で大
量生産される利点を有しているが、馬鈴薯澱粉から得ら
れるPOSの収率は1%程度でしかない。本発明の方法
によれば、澱粉をリン酸エステル化または尿素リン酸エ
ステル化したリン酸結合澱粉をα−アミラーゼのみで酵
素分解するだけで、なんらの精製操作を経なくとも、市
販のカルシウム吸収促進剤と同等以上のCa可溶化活性
を有するオリゴ糖組成物を得ることができる。
Claims (15)
- 【請求項1】 リン酸結合澱粉であって、該澱粉にα−
アミラーゼのみを作用させて得られるオリゴ糖組成物の
Ca可溶化活性がCa可溶化係数として10以上である
リン酸結合澱粉。 - 【請求項2】 全固形分重量に対して結合リンを1重量
%以上含むリン酸結合澱粉であって、該澱粉にα−アミ
ラーゼのみを作用させて得られるオリゴ糖組成物のCa
可溶化活性がCa可溶化係数として10以上であるリン
酸結合澱粉。 - 【請求項3】 リン酸結合澱粉がリン酸エステル澱粉ま
たは尿素リン酸エステル澱粉である請求項1または2記
載のリン酸結合澱粉。 - 【請求項4】 澱粉にリン酸及び/またはその塩を混合
し糊化してから乾燥し、焙焼して得られる請求項1また
は2記載のリン酸結合澱粉。 - 【請求項5】 澱粉にリン酸及び/またはその塩を混合
し、その水分を10重量%未満となるまで乾燥してから
焙焼して得られる請求項1〜4のいずれか1項に記載の
リン酸結合澱粉。 - 【請求項6】 澱粉にリン酸及び/またはその塩を混合
し糊化してから乾燥し、焙焼することを含む請求項4記
載のリン酸結合澱粉の製造方法。 - 【請求項7】 澱粉にリン酸及び/またはその塩を混合
し、その水分を10重量%未満となるまで乾燥してから
焙焼することを含む請求項5記載のリン酸結合澱粉の製
造方法。 - 【請求項8】 リン酸結合オリゴ糖を含み、Ca可溶化
活性がCa可溶化係数として10以上であるオリゴ糖組
成物。 - 【請求項9】 平均重合度が8〜50である請求項8記
載のオリゴ糖組成物。 - 【請求項10】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の
リン酸結合澱粉にα−アミラーゼを作用させて得られる
請求項8または9記載のオリゴ糖組成物。 - 【請求項11】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の
リン酸結合澱粉にα−アミラーゼを作用させ、次いで澱
粉分解酵素を少なくとも1種作用させて得られるリン酸
結合オリゴ糖を含むオリゴ糖組成物。 - 【請求項12】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の
リン酸結合澱粉にα−アミラーゼを作用させることを含
む請求項8〜10のいずれか一項に記載のオリゴ糖組成
物の製造方法。 - 【請求項13】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の
リン酸結合澱粉にα−アミラーゼを作用させ、次いで澱
粉分解酵素を少なくとも1種作用させることを含む請求
項11記載のオリゴ糖組成物の製造方法。 - 【請求項14】 得られたオリゴ糖組成物を脱塩して全
リンに対する結合リンの割合を80%以上とすることを
さらに含む請求項12または13記載の方法。 - 【請求項15】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の
リン酸結合澱粉、及び/または請求項8〜11のいずれ
か1項に記載のオリゴ糖組成物を含む食品、飲料、糊
剤、混和剤、塗料、顔料、肥料またはそれらの添加用組
成物。
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JP05498898A JP4200537B2 (ja) | 1998-03-06 | 1998-03-06 | 高いCa可溶化活性を有するリン酸結合澱粉とそのオリゴ糖組成物及びそれらの製造方法 |
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