JPH1125447A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH1125447A
JPH1125447A JP9191857A JP19185797A JPH1125447A JP H1125447 A JPH1125447 A JP H1125447A JP 9191857 A JP9191857 A JP 9191857A JP 19185797 A JP19185797 A JP 19185797A JP H1125447 A JPH1125447 A JP H1125447A
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magnetic
powder
particles
black
weight
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JP9191857A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Tanaka
泰幸 田中
Kazuyuki Hayashi
一之 林
Hiroko Morii
弘子 森井
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Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性により優れ、電磁変換特性がより良好
である磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性基体上に結合材樹脂及び磁性粒子
粉末を含む磁気記録層が形成されている磁気記録媒体に
おいて、前記磁気記録層中に、Mnを10〜30重量%
含有すると共に、必要により、粒子表面にAlの酸化
物、Alの水酸化物、Siの酸化物及びSiの水酸化物
から選ばれる一種又は二種以上からなる被覆層を有する
平均粒径0.1〜0.5μmのヘマタイト構造を有する
高純度非磁性黒色粒子粉末を前記磁性粒子粉末100重
量部に対して1〜30重量部含有させたことを特徴とす
る磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性により優
れ、電磁変換特性がより良好である磁気記録媒体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオ、オーディオ用磁気記録再
生機器の小型軽量化や長時間記録化が進むにつれて、磁
気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体に対する高性
能化、即ち、高密度記録化、高耐久性、良好な電磁変換
特性などの要求が益々強まっている。
【0003】磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録
媒体は、磁気ヘッドと接触しながら記録再生を行うため
に磁気記録層の磨耗が生じやすく、磁気ヘッドが汚染さ
れ、ひいては記録、再生特性の劣化をひき起こすため、
従来より磨耗の少ない高耐久性の磁気記録媒体が求めら
れている。
【0004】従来、磁気記録媒体における磁気記録層の
磨耗耐久性を向上させるために、アルミナ(Al
2 3 )、ヘマタイト(α−Fe2 3 )及び3酸化2
クロム(Cr2 3 )等の種々のフィラー材を磁性層中
に添加する試みが行われている。
【0005】例えば、アルミナ(Al2 3 )を用いた
ものでは、アモルファス相が存在するα−Al2 3
用いた磁気記録媒体(特開平5−36059号公報)や
特定の結晶性を有するα−Al2 3 を用いた磁気記録
媒体(特開平7−244836号公報)などがある。ヘ
マタイト(α−Fe2 3 )を用いたものでは、粒状の
α−Fe2 3 を用いた磁気記録媒体(特開昭61−1
94628号公報)や、液状炭化水素とα−Fe2 3
を用いた磁気記録媒体(特開昭54−70806号公
報)などがある。また、3酸化2クロム(Cr2 3
を用いたものでは、針状Cr2 3 を用いた磁気記録媒
体(特開昭62−112221号公報)などがある。
【0006】しかしながら、これらのフィラー材には、
それぞれ固有の問題点が存在する。アルミナは結合材樹
脂中への分散性が悪く、添加量を増すにつれて電磁変換
特性が大幅に低下することが知られている。ヘマタイト
は、結合材樹脂中への分散性は比較的良好であるが、十
分な耐久性を得ようとするには多量に添加しなければな
らず、磁性粉の充填性が低下するために電磁変換特性が
低下することとなる。3酸化2クロムは、環境衛生上、
好ましくない。
【0007】また、これらのフィラー材は添加量を増す
と、耐久性は向上するものの、電磁変換特性の大幅な低
下を生じることが知られている。
【0008】そこで、耐久性向上に必要な量を添加して
も電磁変換特性の低下が抑制されるフィラー材を用いた
磁気記録媒体が要求されている。
【0009】また、現在、汎用されているビデオテープ
のシステムにおいては磁気記録媒体の終端検出機構は、
終端部分の透明なリーダーテープ部をセンサーで検出す
ることによって行っている。したがって、磁気記録部分
は光透過率の低い、黒色度の高いものであることが必要
である。
【0010】ところが、近年、高密度記録化が要求さ
れ、そのために用いる磁性粒子が微粒子化していること
から磁気記録層の光透過率が上昇し、その結果、終端検
出に誤動作を生じるおそれが出てきた。そこで、磁気テ
ープの黒色度を改善する方法として、カーボンブラック
粒子粉末の磁性層中における含有量を増加することによ
って光透過率を低下させる方法が行われている。
【0011】しかし、カーボンブラック粒子粉末特有の
分散性の悪さから磁性粒子粉末の分散性が低下し、それ
に伴い電磁変換特性の低下や耐久性の低下等の悪影響が
出ている。このことは、特開平4−139619号公報
の「・・・結合剤樹脂と磁性粒子粉末とを混練して塗膜
組成物を生成するにあたり、カーボンブラック粒子粉末
を添加すると後出比較例に示す通り、磁性粒子粉末の配
向性及び充填性が低下するという問題があった。
【0012】更に、カーボンブラック粒子粉末は、かさ
密度が0.1g/cm3 程度とかさ高い粉末である為取
り扱いが困難で作業性が悪いものであった。また、発ガ
ン性等の安全、衛生面からの問題も指摘されている。・
・・」なる記載の通りである。
【0013】そこで、カーボンブラック代替としてのフ
ィラー材が求められているが、前記アルミナ、ヘマタイ
ト、3酸化2クロムなどのフィラー材は、アルミナが白
色、ヘマタイトが赤色、3酸化2クロムは緑色と、いず
れも黒色粉末に比べて光透過率の低減効果の寄与が低い
ものである。
【0014】黒色粉末をフィラー材として用いたものと
しては、例えば、黒色チタン(TiO)を使った磁気記
録媒体(特公昭62−21185号公報、特公昭62−
22179号公報)や、フッ化黒鉛を使った磁気記録媒
体(特開昭56−156930号公報)などがある。
【0015】しかし、黒色チタンは酸化されやすく、空
気中での安定性が十分ではない。フッ化黒鉛は、結合材
樹脂中への分散性が悪く、電磁変換特性の低下を引き起
こすことが多い。
【0016】そこで、結合材樹脂中への分散性が良く、
耐久性向上に必要な量を添加しても電磁変換特性の低下
が抑制され、且つ、より黒色度の高いフィラー材を用い
たより優れた耐久性とより良好な電磁変換特性を有する
磁気記録媒体が求められている。
【0017】一方、Mn含有ヘマタイト粒子粉末につい
てはいくつかの先行技術文献が存在する。
【0018】例えば、硫酸第一鉄と変性元素としてMn
の硫酸塩との均一混合物を加熱焼成することにより、熱
安定性顔料を得る方法(特開昭52−63199号公
報)、Fe2 3 、FeOOH及びFe3 4 から選択
した1種又は2種以上を出発原料とし、マンガン化合物
及びリン酸等とともに加熱焼成することにより暗赤色系
酸化鉄顔料を得る方法(特開昭54−37004号公
報)、湿式法により球状又は粒状のマグネタイト粒子を
生成させ、該マグネタイト粒子の粒子表面にMn化合物
又はMn化合物とFe化合物とによって被覆し、次い
で、該被覆されたマグネタイト粒子を加熱焼成すること
によってMnが固溶しているヘマタイト粒子を得る方法
(特開平4−144924号公報)、ヘマタイト構造の
マンガン及び鉄の混合酸化物(特開平5−221653
号公報)、湿式酸化法によりゲータイト粒子を得るにあ
たり、あらかじめMn化合物を存在させておき、Mn含
有ゲータイト粒子を得、加熱脱水によりMn含有ヘマタ
イト粒子を得る方法(特開平6−263449号公報、
特開平7−66020号公報)などがある。
【0019】前出各公報に記載のMn含有ヘマタイト粒
子粉末は、その黒色性から黒色着色用顔料として使用さ
れているものである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】前出の従来から用いら
れているアルミナ、ヘマタイト、3酸化2クロム等の磁
気記録媒体用のフィラー材を用いた磁気記録媒体では、
耐久性を得るために添加するフィラー材の量を増した場
合の電磁変換特性の低下が大きく、十分な耐久性と良好
な電磁変換特性を有する磁気記録媒体については未だ得
られていない。
【0021】そこで、本発明は、耐久性向上に必要な量
を添加しても電磁変換特性の低下を抑制することができ
る黒色フィラー材を用いることにより、優れた耐久性と
良好な電磁変換特性を有する磁気記録媒体を提供するこ
とを技術的課題とする。
【0022】本発明者は前記技術的課題を達成するため
に数多くの試作・実験を行った結果、特定量のMnを含
有し、且つ、特定の平均粒径をもつMnを含有している
鉄を主成分とするヘマタイト構造を有する非磁性黒色粒
状粒子からなり、特定の粉体pH値を有するとともに、
可溶性ナトリウム塩及び可溶性硫酸塩の各含有量が特定
量以下である非磁性黒色粒子粉末を黒色フィラー材とし
て使用することにより、十分な耐久性の向上が得られ、
しかも、電磁変換特性の低下が抑えられ、且つ、光透過
率の低減を図ることができることを見出した。
【0023】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。
【0024】即ち、本発明は、非磁性基体上に、結合材
樹脂及び磁性粒子粉末を含む磁気記録層が形成されてい
る磁気記録媒体において、前記磁気記録層中に、Mnを
含有している鉄を主成分とするヘマタイト構造を有する
平均粒径0.1〜0.5μmの非磁性黒色粒子からなる
Mn含有量が非磁性黒色粒子粉末に対し10〜30重量
%であって、粉体pH値が5.5以上であって、且つ、
可溶性ナトリウム塩の含有量がNa換算で500ppm
以下、可溶性硫酸塩の含有量がSO4 換算で200pp
m以下である非磁性黒色粉末を前記磁性粒子粉末100
重量部に対して1〜30重量部含有させたことを特徴と
する磁気記録媒体である。
【0025】また、本発明は、非磁性基体上に、結合材
樹脂及び磁性粒子粉末を含む磁気記録層が形成されてい
る磁気記録媒体において、前記磁気記録層中に、Mnを
含有すると共に粒子表面にAlの酸化物、Alの水酸化
物、Siの酸化物及びSiの水酸化物から選ばれる一種
又は二種以上からなる被覆層を有する平均粒径0.1〜
0.5μmの非磁性黒色粒子からなるMn含有量が非磁
性黒色粒子粉末に対し10〜30重量%であって、粉体
pH値が5.5以上であって、且つ、可溶性ナトリウム
塩の含有量がNa換算で500ppm以下、可溶性硫酸
塩の含有量がSO4 換算で200ppm以下である非磁
性黒色粉末を前記磁性粒子粉末100重量部に対して1
〜30重量部含有させたことを特徴とする磁気記録媒体
である。
【0026】まず、本発明に係る磁気記録媒体について
述べる。
【0027】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性基体
上に、結合材樹脂及び磁性粒子粉末を含む磁気記録層が
形成されている磁気記録媒体において、前記磁気記録層
中に磁性粒子粉末100重量部に対して結合材樹脂5〜
30重量部、好ましくは7〜25重量部と、Mnを含有
している鉄を主成分とするヘマタイト構造を有する平均
粒径0.1〜0.5μmの非磁性黒色粒子、必要によ
り、該粒子表面にAlの酸化物、Alの水酸化物、Si
の酸化物及びSiの水酸化物から選ばれる一種又は二種
以上からなる被覆層を有する非磁性黒色粒子(以下、
「特定Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色粒子」と略
記する。)からなるMn含有量が非磁性黒色粒子粉末に
対し10〜30重量%であって、粉体pH値が5.5以
上であって、且つ、可溶性ナトリウム塩の含有量がNa
換算で500ppm以下、可溶性硫酸塩の含有量がSO
4 換算で200ppm以下である黒色粒子粉末(以下、
「特定Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色粒子粉末」
と略記する。)1〜30重量部、好ましくは5〜20重
量部とを含有させたものである。
【0028】本発明に係る磁気記録媒体の磁気特性は、
飽和磁束密度が1000〜5000Gauss、好まし
くは1500〜5000Gaussであり、残留磁束密
度が900〜4500Gauss、好ましくは1000
〜4500Gaussであり、保磁力が300〜300
0Oe、好ましくは500〜2500Oeである。
【0029】本発明に係る磁気記録媒体の電磁変換特性
値は、後述する比較例13を基準テープとした時の基準
テープに対する相対値として、記録周波数1MHzにお
いて0.5dB以上、好ましくは0.7dB以上であ
り、記録周波数4MHzにおいて0.5dB以上、好ま
しくは0.7dB以上である。
【0030】本発明に係る磁気記録媒体の波長(λ)9
00nmの光についての線吸収係数は、1.0以上、好
ましくは1.2以上である。
【0031】本発明に係る磁気記録媒体の耐久性は、後
述する測定方法において、10分以上、好ましくは15
分以上、より好ましくは20分以上、更により好ましく
は25分以上である。
【0032】次に、前記本発明に係る磁気記録媒体の製
造法について述べる。
【0033】本発明に係る磁気記録媒体は、常法によ
り、非磁性基体上に、磁性粒子粉末100重量部と結合
材樹脂5〜30重量部、好ましくは7〜25重量部と特
定Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色粒子粉末1〜3
0重量部、好ましくは5〜20重量部と、必要により添
加するその他の添加物とを含む塗料組成物を塗布して塗
膜を形成し、磁場配向することにより得ることができ
る。
【0034】本発明における磁性粒子粉末としては、マ
グヘマイト粒子粉末(γ−Fe2 3 )やマグネタイト
粒子粉末(FeO x ・Fe2 3 (0<x≦1))等の
磁性酸化鉄粒子粉末、前記磁性酸化鉄粒子にFe以外の
Co、Al、Ni、P、Zn、Si、B等の異種元素を
含有させた磁性酸化鉄粒子粉末、これら磁性酸化鉄粒子
にCo等を被着させた粒子粉末、鉄を主成分とする金属
磁性粒子粉末、鉄以外のCo、Al、Ni、P、Zn、
Si、B等を含有する鉄合金磁性粒子粉末、Ba,S
r,Ba−Srを含有する板状フェライト粒子粉末等の
マグネトプランバイト型板状フェライト粒子粉末並びに
これに保磁力低減剤である2価金属(Co、Ni、Zn
等)と4価金属(Ti、Sn、Zr等)とを含有させた
マグネトプランバイト型板状複合フェライト粒子粉末等
のいずれをも用いることができる。
【0035】また、磁性粒子粉末の形状は、針状、紡錘
状、立方状、粒状、球状、板状等のいずれであってもよ
い。
【0036】磁性粒子粉末の大きさは、BET比表面積
で15m2 /g以上である。分散性を考慮すれば、その
上限値は80m2 /gであることが好ましく、15〜6
0m2 /gがより好ましい。
【0037】本発明における非磁性黒色粉末は、X線回
折の結果、ヘマタイト構造(コランダム型構造)の回折
パターンを示すことから、Mn含有ヘマタイト(α−F
23 )構造の非磁性黒色粒子からなる。
【0038】特定Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色
粒子の平均粒径は0.1〜0.5μm、好ましくは0.
15〜0.4μmである。その粒子形状は、粒状、球
状、針状、板状等いずれでもよいが、殊に、分散性の点
において粒状が好ましい。BET比表面積は1〜50m
2 /g、好ましくは2〜30m2 /gである。
【0039】特定Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色
粒子は、粒子表面にAlの酸化物、Alの水酸化物、S
iの酸化物及びSiの水酸化物から選ばれる一種又は二
種以上からなる被覆層を有していることが好ましい。
【0040】その場合、SiはSiO2 換算で好ましく
は0.01〜50重量%、より好ましくは0.05〜2
0重量%である。また、AlはAl換算で好ましくは
0.01〜50重量%、さらに好ましくは0.05〜2
0重量%である。なお、粒子表面に前記被覆層を有する
特定Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色粒子粉末を黒
色フィラー材として使用した場合には、耐久性向上効果
をより高めることができる。
【0041】本発明における特定Mn含有ヘマタイト構
造の非磁性黒色粒子粉末のMn含有量は、特定Mn含有
ヘマタイト構造の非磁性黒色粉末の重量に対して10〜
30重量%、好ましくは15〜25重量%である。10
重量%未満の場合には十分な黒色度が得られない。30
重量%を越える場合には、黒色度は得られるが、工業的
に不利となりやすい。
【0042】特定Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色
粉末の粉体pH値は、5.5以上である。粉体pH値が
5.5未満の場合には、粒子間に多くの酸性不純物が残
存するため、架橋を生じて分散性が阻害される。分散性
を考慮すると、粉体pH値は、6.5以上が好ましく、
より好ましくは粉体pH値が8.0以上である。その上
限値は粉体pH値が12以下、より好ましくは粉体pH
値が11以下、更により好ましくは粉体pH値が10以
下である。
【0043】特定Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色
粉末の可溶性ナトリウム塩の含有量は、Na換算で50
0ppm以下である。500ppmを越える場合には、
粒子間にナトリウム塩を含む不純物が架橋し、分散性が
阻害される。また、ビヒクル中における非磁性黒色顔料
粉末の分散性を考慮すると、好ましくは450ppm以
下、より好ましくは400ppm以下、更により好まし
くは300ppm以下である。生産性等の工業性を考慮
すれば、その下限値は0.01ppm程度である。
【0044】特定Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色
粉末の可溶性硫酸塩の含有量は、SO4 換算で200p
pm以下である。200ppmを越える場合には、粒子
間に硫酸塩を含む不純物が架橋し、分散性が阻害され
る。ビヒクル中おける非磁性黒色顔料粉末の分散性を考
慮すると、好ましくは170ppm以下、より好ましく
は150ppm以下である。生産性等の工業性を考慮す
れば、その下限値は0.01ppm程度である。
【0045】特定Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色
粉末の黒色度は、後出実施例に示す通り、L* 値が10
〜25であって、a* 値が−2.5〜2.5であって、
*値が−2.5〜2.5である。色相を考慮すれば、
* 値は10〜24が好ましく、15〜23がより好ま
しい。a* 値は−2.5〜2.0が好ましく、−2.0
〜1.0がより好ましい。b* 値は−2.5〜2.0が
好ましく、−2.5〜1.0がより好ましい。
【0046】なお、粒子表面に前記被覆層を有する特定
Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色粉末を黒色フィラ
ー材として使用した場合にも、黒色度は同程度である。
【0047】本発明における結合剤樹脂としては、現
在、磁気記録媒体の製造にあたって汎用されている塩化
ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニリデン、ポリウ
レタン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルブチラー
ル、ニトロセルロース等セルロース誘導体、ポリエステ
ル樹脂、ポリブタジエン等の合成ゴム系樹脂、エポキシ
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイソシアネートポリマー、
電子線硬化型アクリルウレタン樹脂等とその混合物を使
用することができる。
【0048】非磁性基体材料としては、現在、磁気記録
媒体の製造にあたって汎用されているポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポ
リアミドイミド、ポリイミド、ポリサルホン等合成樹脂
フィルム及びアルミニウム、ステンレス等金属の箔や板
および各種の紙を使用することができる。
【0049】その他、通常用いられる潤滑剤、研磨剤、
帯電防止剤、着色材等を添加してもよい。
【0050】磁性塗料の混練分散に当たっては、混練機
は、例えば、二軸ニーダー、二軸エクストルーダー、加
圧ニーダー、二本ロールミル、三本ロールミルなどが使
用でき、分散機としては、ボールミル、サンドグライン
ダー、アトライター、ディスパー、ホモジナイザー、超
音波分散機などを使用することができる。
【0051】磁性塗料の塗布にあたっては、グラビアコ
ーター、リバースロールコーター、スリットコーター、
ダイコーターなどを使用することができる。塗布したシ
ートは、対向磁石配向、ソレノイド磁石配向等により磁
場配向を行うことができる。
【0052】次に、特定Mn含有ヘマタイト構造の非磁
性黒色粒子粉末の製造法について述べる。
【0053】本発明における特定Mn含有ヘマタイト構
造の非磁性黒色粒子粉末は、前出各公報に記載の方法等
いくつかの方法により得られる公知のMn含有のヘマタ
イト構造の非磁性粒子粉末を被処理粒子粉末として用
い、該被処理粒子粉末を精製することにより得ることが
できる。
【0054】公知のMn含有のヘマタイト構造の非磁性
粒子粉末は、例えば、硫酸第一鉄と変性元素としてMn
の硫酸塩との均一混合物を加熱焼成することにより、M
n含有ヘマタイト粒子粉末を得る方法(特開昭52−6
3199号公報)、ゲータイト、ヘマタイト及びマグネ
タイトから選択した1種又は2種以上を出発原料とし、
マンガン化合物、リン酸及び硫酸ナトリウムとともに8
50〜1000℃の温度範囲で加熱焼成することにより
Mn含有ヘマタイト粒子粉末を得る方法(特開昭54−
37004号公報)、湿式法等により球状又は粒状のマ
グネタイト粒子を生成させ、該マグネタイト粒子の粒子
表面にMn化合物又はMn化合物とFe化合物とによっ
て被覆し、次いで、該被覆されたマグネタイト粒子を7
50〜1000℃の温度範囲で加熱焼成することによっ
てMn含有ヘマタイト粒子粉末を得る方法(特開平4−
144924号公報)、鉄及びマンガンの塩をアルカリ
の存在下で酸化する沈澱法によりスピネル構造のFe
3-x Mnx 4 (0<x<3)を得、これを600〜8
00℃の範囲の酸化雰囲気中で加熱焼成してMn含有ヘ
マタイト粒子粉末を得る方法(特開平5−221653
号公報)、湿式酸化法によりゲータイト粒子を得るにあ
たり、あらかじめMn化合物を存在させておき、Mn含
有ゲータイト粒子を得、さらに加熱脱水することにより
Mn含有ヘマタイト粒子粉末を得る方法(特開平6−2
63449号公報、特開平7−66020号公報)など
がある。好ましくは特開平4−144924号公報に記
載の方法を主体とした方法である。
【0055】以下に、特定Mn含有ヘマタイト構造の非
磁性黒色粒子粉末の好ましい製造法について具体的に説
明する。
【0056】第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリ水溶液と
を反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含む懸濁
液を45〜100℃の温度範囲に加熱しながら酸素含有
ガスを通気してマグネタイト粒子を生成させ、前記マグ
ネタイト粒子の懸濁液中にMn塩若しくはMn塩と第一
鉄塩とを添加することにより、前記マグネタイト粒子の
粒子表面にMn化合物又はMn化合物とFe化合物とに
よって被覆し、次いで、前記表面被覆されたマグネタイ
ト粒子を750〜1000℃の温度範囲で加熱焼成する
ことによって特定Mn含有ヘマタイト構造の非磁性粒子
粉末を得ることができる。
【0057】前記第一鉄塩水溶液としては、硫酸第一鉄
水溶液、塩化第一鉄水溶液を使用することができる。
【0058】前記水酸化アルカリ水溶液としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等の各水溶液を使用する
ことができる。
【0059】当初に添加する水酸化アルカリ水溶液の量
は、第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し、0.80〜1.
3当量である。反応温度は45〜100℃の温度範囲で
ある。45℃未満の場合には、針状ゲータイト粒子が混
在するおそれがあり、100℃を越える場合にはオート
クレーブ等の設備を必要とするため経済的でない。
【0060】前記Mn塩の水溶液としては、硫酸マンガ
ン、塩化マンガン等の各水溶液が使用できる。
【0061】前記Mn塩の添加量は全Fe及びMnの合
計に対して10〜45原子%、好ましくは15〜40原
子%である。10原子%未満の場合には、十分な黒色度
が得られない。45原子%を越える場合には、黒色度は
得られるが、工業的に不利になりやすい。
【0062】前記Mn塩の添加とともに必要により第一
鉄塩の添加を行うことができる。第一鉄塩の添加を同時
に行うことにより、粒子表面にMn化合物の被覆を容易
にすることができる。第一鉄塩は水溶液の形態で用いる
ことが好ましく、前述の第一鉄塩水溶液が使用できる。
第一鉄塩の添加量は、Fe2+として懸濁液中の全Fe及
びMnの合計量に対して75%以下である。
【0063】前記粒子表面にMn化合物又はMn化合物
とFe化合物とを被覆したマグネタイト粒子を加熱焼成
する温度範囲は、750〜1000℃である。750℃
未満の場合には、黒色度が不足し、1000℃を越える
場合には、粒子が大きくなりすぎて好ましくない。
【0064】なお、加熱焼成する場合の雰囲気は、酸化
雰囲気とする。好ましくは空気中である。酸化雰囲気中
で加熱焼成するのはマグネタイトを酸化してヘマタイト
に変態させるためである。
【0065】尚、Si,Al,P,B,Cu,Zn,C
r,Co,Sn,Cd,V,Mo等の金属化合物を前出
両製造法における反応前又は反応途中において添加して
もよく、また、反応終了後のMnの水酸化物若しくはM
nとFeの水酸化物を被覆したマグネタイト粒子の粒子
表面を前記金属化合物で被覆処理を施して粒子形状の形
成や粒子形状の維持を行なってもよい。
【0066】公知の方法により得られたMnを含有して
いる鉄を主成分とするヘマタイト構造を有する粒子は、
次いで、乾式で粗粉砕をして粗粒をほぐした後、スラリ
ー化し、次いで、湿式粉砕することにより更に粗粒をほ
ぐす。湿式粉砕は、少なくとも44μm以上の粗粒が無
くなるようにボールミル、サンドグラインダー、ダイノ
ーミル、コロイドミル等を用いて行えばよい。湿式粉砕
の程度は44μm以上の粗粒が10%以下、好ましくは
5%以下、より好ましくは0%である。44μm以上の
粗粒が10%を越えて残存していると、次工程における
アルカリ水溶液中の処理効果が得られ難い。
【0067】粗粒を除去したMnを含有している鉄を主
成分とするヘマタイト構造を有する粒状粒子を含むスラ
リーは、該スラリーに水酸化ナトリウム等のアルカリ水
溶液を添加してpH値を13以上に調整した後、80℃
以上の温度で加熱処理する。
【0068】Mnを含有している鉄を主成分とするヘマ
タイト構造を有する粒状粒子を含むpH値が13以上の
アルカリ性懸濁液の濃度は、50〜250g/lが好ま
しい。
【0069】Mnを含有している鉄を主成分とするヘマ
タイト構造を有する粒状粒子を含むアルカリ性懸濁液中
のpH値が13未満の場合には、粒子内部及び粒子表面
に存在する可溶性ナトリウム塩、可溶性硫酸塩等の洗い
出しが不十分となる。その上限は、pH値が14程度で
ある。可溶性ナトリウム塩、可溶性硫酸塩等の洗い出し
の効果、更には、アルカリ性水溶液処理中に粒子表面に
付着したナトリウム等のアルカリを除去するための洗浄
効果を考慮すれば、pH値は13.1〜13.8の範囲
が好ましい。
【0070】Mnを含有している鉄を主成分とするヘマ
タイト構造を有する粒状粒子を含むpH値が13以上の
アルカリ性水溶液の加熱温度は、80℃以上が好まし
く、より好ましくは90℃以上である。80℃未満の場
合には、粒子内部及び粒子表面に存在する可溶性ナトリ
ウム塩や可溶性硫酸塩等の洗い出しが不十分となる。加
熱温度の上限値は103℃が好ましく、より好ましくは
100℃である。103℃を越える場合には、オートク
レーブ等が必要となったり、常圧下おいては、被処理液
が沸騰するなど工業的に有利でなくなる。
【0071】アルカリ水溶液中で加熱処理した粒子は、
常法により、濾別、水洗することにより、粒子内部及び
粒子表面から洗い出した可溶性ナトリウム塩や可溶性硫
酸塩やアルカリ水溶液処理中に粒子表面に付着したナト
リウム等のアルカリを除去し、次いで、乾燥する。
【0072】水洗法としては、デカンテーションによっ
て洗浄する方法、フィルターシックナーを使用して希釈
法で洗浄する方法、フィルタープレスに通水して洗浄す
る方法等の工業的に通常使用されている方法を使用すれ
ばよい。
【0073】尚、Mnを含有している鉄を主成分とする
ヘマタイト構造を有する粒子の粒子内部に含有されてい
る可溶性ナトリウム塩や可溶性硫酸塩を水洗して洗い出
しておけば、それ以降の工程、例えば、後出する被覆処
理工程において粒子の粒子表面に可溶性ナトリウム塩や
可溶性硫酸塩が付着しても水洗により容易に除去するこ
とができる。
【0074】アルカリ水溶液中で加熱処理した粒子は、
常法により濾別、水洗し、次いで、必要により、アルミ
ニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水
酸化物及びケイ素の酸化物の少なくとも1種により被覆
されていてもよい。
【0075】被覆処理は、アルカリ水溶液中で加熱処理
した粒子のケーキ、スラリー、乾燥粉末を水溶液中に分
散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合物、ケイ
素化合物又は当該両化合物を20〜95℃で添加して混
合攪拌することにより、または、必要により、pH値を
調整することにより、前記粒子の粒子表面に、アルミニ
ウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸
化物及びケイ素の酸化物を被着すればよく、次いで、濾
別、水洗、乾燥、粉砕する。必要により、更に、脱気・
圧密処理等を施してもよい。
【0076】前記Alを含む化合物、Siを含む化合物
の添加は、一度に、若しくは数回に分割して、又は連続
的に滴下することにより行うことができる。Alを含む
化合物、Siを含む化合物のそれぞれの添加前、添加
後、又は添加の前後にpH調整を行うことができる。調
整するpHの範囲は5.0〜9.0、好ましくは6.0
〜8.0である。
【0077】前記Alを含む化合物としては、硫酸アル
ミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、酢酸
アルミニウム、シュウ酸アルミニウム等のアルミニウム
塩、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等のア
ルミン酸アルカリ塩及びアルミナゾル等を用いることが
できる。
【0078】アルミニウム化合物の添加量は、アルカリ
水溶液中で加熱処理した粒子粉末に対しAl換算で0.
01〜50.00重量%である。0.01重量%未満で
ある場合には、ビヒクル中における分散が不十分であ
り、50.00重量%を越える場合には、被覆効果が飽
和するため、必要以上に添加する意味がない。
【0079】前記Siを含む化合物としては、水ガラ
ス、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、コロイダルシ
リカ、二酸化ケイ素等を用いることができる。
【0080】ケイ素化合物の添加量は、アルカリ水溶液
中で加熱処理した粒子粉末に対しSiO2 換算で0.0
1〜50.00重量%である。0.01重量%未満であ
る場合には、ビヒクル中における分散が不十分であり、
50.00重量%を越える場合には、被覆効果が飽和す
るため、必要以上に添加する意味がない。
【0081】アルミニウム化合物とケイ素化合物とを併
せて使用する場合には、アルカリ水溶液中で加熱処理し
た粒子粉末に対し、Al換算量とSiO2 換算量との総
和で0.01〜50.00重量%が好ましい。
【0082】
【本発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は
以下の通りである。
【0083】尚、以下の本発明の実施の形態及び実施例
並びに比較例におけるフィラー材の平均粒径及び磁性粒
子の平均長軸径、平均短軸径、軸比は、いずれも電子顕
微鏡写真(×20000)を拡大した写真(×8000
0)に示される粒子約350個について定方向径をそれ
ぞれ測定した数値の平均値で示した。
【0084】粒子径の幾何標準偏差値(σg)は、下記
の方法により求めた値で示した。即ち、上記拡大写真に
示される粒子径を測定した値を、その測定値から計算し
て求めた粒子の実際の粒子径と個数から統計学的手法に
従って対数正規確率紙上の横軸に粒子の粒子径を、縦軸
に所定の粒子径区間のそれぞれに属する粒子の累積個数
(積算フルイ下)を百分率でプロットする。そして、こ
のグラフから粒子の累積個数が50%及び84.13%
のそれぞれに相当する粒子径の値を読みとり、幾何標準
偏差値(σg)=積算フルイ下84.13%における粒
子径/積算フルイ下50%における粒子径(幾何平均
径)に従って算出した値で示した。幾何標準偏差値が小
さい程、粒子の粒子径の粒度分布が優れていることを意
味する。
【0085】比表面積値は、BET法により測定した値
で示した。
【0086】Mn、Al及びSiO2 の各元素の量は、
「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式
会社製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線
分析通則」に従って測定した。
【0087】粉体pH値は、試料5gを300mlの三
角フラスコに秤り取り、煮沸した純水100mlを加
え、加熱して煮沸状態を約5分間保持した後、栓をして
常温まで放冷した後、栓を開き減量に相当する純水を加
えて再び栓をして1分間振り混ぜ、5分間静置した後、
得られた上澄み液のpHをJIS Z 8802−7に
従って測定し、得られた値を粉体pH値とした。
【0088】可溶性ナトリウム塩の含有量及び可溶性硫
酸塩の含有量は、上記粉体pH値の測定用に作製した上
澄み液をNo.5Cの濾紙を用いて濾過し、濾液中のN
+及びSO4 2-を誘導結合プラズマ発光分光分析装置
(セイコー電子工業株式会社製)を用いて測定した。
【0089】粉末の色相は、試料0.5gとヒマシ油
0.7ccとをフーバー式マーラーで練ってペースト状
とし、このペーストにクリアーラッカー4.5gを加
え、混練、塗料化してキャストコート紙上に6milの
アプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約
30μm)を作製し、該塗布片について、多光源分光測
色計MSC−IS−2D(スガ試験機株式会社製)を用
いてJIS Z8729に定めるところに従って表色指
数L* 値、a* 値、b* 値をそれぞれ測定した値で示し
た。
【0090】尚、a* 値は赤味を表し、値が大きい程赤
味が強いことを意味する。b* 値は黄味を表し、値が大
きい程黄味が強いことを意味する。L* 値は明度を表
す。
【0091】塗料粘度は、塗料の25℃における塗料粘
度をE型粘度計(コーンプレート型粘度計)EMD−R
(株式会社東京計器製)を用いて25℃におけるずり速
度が1.92/secでの見かけ粘度の値で示した。
【0092】湿式粉砕後のフルイ残量は、湿式粉砕後の
スラリー濃度を別途に求めておき、黒色顔料粉末の固形
分100gに相当する量のスラリーを325メッシュ
(目開き44μm)のフルイに通し、フルイに残った固
形分量を定量することにより求めた。
【0093】磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−
3S−15」(東英工業(株)製)を使用し、最大外部
磁場10kOeにて測定した。
【0094】塗布膜の表面光沢は、グロスメーターUG
V−5D(スガ試験機(株)製)で入射角45°で測定
した値であり、標準板光沢を86.3%としたときの値
を%で示した。
【0095】光透過率は、光電分光光度計UV−210
0((株)島津製作所製)を用いて基準のベースフィル
ムに対するλ=900nmにおける光透過率を測定した
線吸収係数で示した。線吸収係数は次式で定義され、値
が大きい程、光を透過しにくいことを示す。 線吸収係数(μm-1)=ln(1/t)/FT t:λ=900nmにおける光透過率 FT:測定に用いた磁気記録媒体の塗膜組成物層の厚み
(μm)
【0096】電磁変換特性は、ドラムテスターBX−3
168(ベルデックス社製)を用いて相対速度5.8m
/secでの1MHz及び4MHzの各記録周波数にお
ける電磁変換出力値を後出比較例13の基準テープに対
する相対値として示した。
【0097】耐久性は、メディアデュラビリティテスタ
ーMDT−3000(Steinberg Assoc
iates社製)を用いて、相対速度16m/sec、
負荷200gにおける測定値で示した。
【0098】塗布膜の表面電気抵抗は、被測定塗布膜を
温度25℃、相対湿度60%の環境下に12時間以上曝
した後、幅6.5mmの金属製の電極に幅6mmにスリ
ットした塗布膜を置き、その両端に各170gのおもり
を付け、電極に塗布膜を密着させた後、電極間に500
Vの直流電圧をかけて測定した値で示した。
【0099】表面粗度(Ra)は、「surfcom−
575A」(東京精密(株)製)を用いてカレンダー後
の塗布膜の中心線平均粗さ値として測定した。
【0100】<マグネタイト粒子の製造>濃度が1.4
0mol/lの硫酸第一鉄水溶液300lをあらかじめ
攪拌機付反応器中に準備された水210l及び15.7
5Nの水酸化ナトリウム水溶液60lに加え、pH値が
13以上、温度85℃において水酸化第一鉄を含む第一
鉄塩水溶液の生成を行なった。
【0101】上記水酸化第一鉄を含む第一鉄塩水溶液に
温度90℃において毎分250lの空気を90分間通気
して粒状マグネタイト粒子を生成した。
【0102】<Mnを含有している鉄を主成分とするヘ
マタイト構造を有する非磁性黒色粒子粉末の製造>上記
粒状マグネタイト粒子32.4kgを含む水懸濁液57
0lに、濃度1.4mol/lの硫酸第一鉄水溶液10
0lと1.4mol/lを含む硫酸マンガン水溶液10
0l(Mn量はFe及びMnに対し20原子%に該当す
る。)と11.2Nの水酸化ナトリウム水溶液50l
(添加Mn量と添加Fe2+量を中和する量に該当す
る。)とを加え、pH値が13以上、温度90℃におい
て毎分700lの空気を180分間通気して粒状マグネ
タイト粒子の粒子表面にMn及びFeの水酸化物を被覆
させた。
【0103】生成した粒子は、常法により、濾別、水
洗、乾燥、粉砕して黒色粉末を得た。
【0104】この黒色粉末をセラミック製の炉心管を有
する連続電気炉に通し、空気中900℃、60分間の平
均滞留時間を与えて黒色粉末を得た。
【0105】得られた黒色粉末は、図1の電子顕微鏡
(×20000)に示す通り、平均粒子径が0.30μ
m、粒子径の幾何標準偏差値が1.39の粒状粒子であ
り、BET比表面積値は3.8m2 /gであった。蛍光
X線分析の結果、Mn含有量は13.8重量%であっ
た。また、粉体pH値は7.4であって、可溶性ナトリ
ウム塩の含有量はNa換算で712ppm、可溶性硫酸
塩の含有量はSO4 換算で856ppmであった。ま
た、その色相は、L* 値が22.10、a* 値が0.2
1、b* 値が−1.31であった。
【0106】そして、X線回折の結果、ヘマタイトのピ
ークが認められた。磁性は、外部磁場10kOeを印加
した時の磁化値が0.31emu/gであり、略ヘマタ
イトと同程度であった。
【0107】<非磁性黒色粒子粉末のアルカリ加熱処理
>次に、この黒色粉末のうち20kgを純水150lに
攪拌機を用いて邂逅し、さらに、ホモミックラインミル
(特殊機化工業株式会社製)を3回通して、黒色粉末の
スラリーを得た。
【0108】続いて、得られた黒色スラリーを横形SG
M(マイティーミル:井上製作所株式会社製)を用い
て、軸回転数2000rpmにおいて5回パスさせた。
得られたスラリー中の黒色粉末の325メッシュ(目開
き44μm)におけるフルイ残分は0%であった。
【0109】得られた黒色粉末のスラリーの濃度を10
0g/lとし、スラリーを150l採取した。このスラ
リーを攪拌しながら6Nの水酸化ナトリウム水溶液を加
えてスラリーのpH値を13.1に調整した。続いて、
このスラリーを攪拌しながら加熱して95℃まで昇温
し、その温度で3時間保持した。
【0110】次に、このスラリーをデカンテーション法
により水洗し、pH値が10.5のスラリーとした。正
確を期すため、この時点でスラリー濃度を確認したとこ
ろ99g/lであった。このスラリーを50l分取し、
濾別、乾燥して黒色粉末(A)を得た。
【0111】得られた黒色粉末は、図2の電子顕微鏡
(×20000)に示す通り、平均粒子径が0.30μ
m、粒子径の幾何標準偏差値が1.39の粒状粒子であ
り、BET比表面積値は4.1m2 /gであった。蛍光
X線分析の結果、Mn含有量は13.7重量%であっ
た。また、粉体pH値は8.6であって、可溶性ナトリ
ウム塩の含有量はNa換算で96ppm、可溶性硫酸塩
の含有量はSO4 換算で32ppmであった。また、そ
の色相は、L* 値が22.12、a* 値が0.19、b
* 値が−1.26であった。
【0112】そして、X線回折の結果、ヘマタイトのピ
ークが認められた。磁性は、外部磁場10kOeを印加
した時の磁化値が0.36emu/gであり、略ヘマタ
イトと同程度であった。
【0113】<非磁性黒色粒子の被覆処理>残部の前記
スラリー100lを加熱して60℃とし、このスラリー
中に1.0mol/lのアルミン酸ナトリウム水溶液3
667ml(非磁性黒色粉末に対してAl換算で1.0
重量%に該当する。)を加え、30分間保持した後、酢
酸を用いてpH値が8.0に調整した。この状態で30
分間保持した後、3号水ガラス水溶液685.1g(非
磁性黒色粉末に対してSiO2 換算で2.0重量%に該
当する。)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いて
pH値が7.5に調整した。次いで、濾過、水洗、乾
燥、粉砕して粒子表面にアルミニウムの水酸化物とケイ
素の酸化物により被覆されている非磁性黒色粒子からな
る非磁性黒色粉末(B)を得た。
【0114】得られた非磁性黒色粉末は、電子顕微鏡写
真観察の結果、平均粒子径が0.30μm、粒子径の幾
何標準偏差値が1.39の粒状粒子であり、BET比表
面積値は11.2m2 /gであった。蛍光X線分析の結
果、Mn含有量は13.5重量%、Al含有量は0.9
7重量%、SiO2 含有量は1.93重量%であった。
また、粉体pH値は8.1であって、可溶性ナトリウム
塩の含有量はNa換算で123ppm、可溶性硫酸塩の
含有量はSO4 換算で78ppmであった。
【0115】そして、その色相は、L* 値が22.3
1、a* 値が0.37、b* 値が−1.31であった。
また、X線回折の結果、ヘマタイト構造を示すピークが
認められた。
【0116】<磁気記録媒体の製造>Co被着型針状マ
グネタイト粒子粉末(長軸0.24μm、軸比(長軸径
/短軸径)7.1、比表面積31.3m2 /g、保磁力
714Oe、飽和磁化83.1emu/g、Co含有量
2.26重量%)100重量部、MR−110(塩化ビ
ニル系樹脂)(日本ゼオン(株)製)10.0重量部、
シクロヘキサノン23.3重量部、メチルエチルケトン
10.0重量部、カーボンブラック粒子粉末(三菱化成
(株)製、粒径26nm、BET比表面積130m2
g)1.0重量部と前掲特定Mn含有ヘマタイト構造の
非磁性黒色粉末(A)及び(B)の各粉末のそれぞれ
7.0重量部とをニーダーを用いて20分間混練した
後、該混練物にトルエン79.6重量部及びメチルエチ
ルケトン110.2重量部及びシクロヘキサノン17.
8重量部を添加して希釈し、次いで、サンドグラインダ
ーによって3時間混合、分散させて混合分散物(A)及
び(B)を得た。
【0117】上記混合分散物(A)及び(B)のそれぞ
れに、ポリウレタン樹脂(製品名TI−1075、三洋
化成工業(株)製)の固形分10.0重量部を含むメチ
ルエチルケトン/シクロヘキサノンの1/1溶液33.
3重量部を添加してさらに30分間サンドグラインダー
を用いて混合・分散した後、目開き1μmのフィルター
で濾過して得られた濾過物にミリスチン酸1.0重量部
及びブチルステアレート3.0重量部を含むMEK/ト
ルエン/シクロヘキサノンの5/3/2溶液12.1重
量部及びE−31(三官能性低分子量ポリイソシアネー
ト、武田薬品工業(株)製)5.0重量部を含むMEK
/トルエン/シクロヘキサノンの5/3/2溶液15.
2重量部を攪拌しながら混合して磁性塗料(A)及び
(B)をそれぞれを製造した。この時の塗料粘度は、磁
性塗料(A)の場合が2380cp、磁性塗料(B)の
場合が1970cpであった。
【0118】上記磁性塗料(A)及び(B)のそれぞれ
を目開き1μmのフィルターで濾過した後、厚さ14μ
mのポリエステルベースフィルム上にギャップ幅45μ
mのスリットコーターを用いて塗布し、次いで、乾燥す
ることによって膜厚約4μmの磁性層(A)及び(B)
を形成させ、常法によりカレンダー処理を行って表面平
滑化した後、1/2インチの幅に裁断した。得られた磁
気テープ(A)及び(B)のそれぞれを60℃の硬化炉
で24時間静置させ、十分に硬化させて、磁気テープ
(A)及び(B)のそれぞれを得た。
【0119】上記磁気テープ(A)の磁気特性は、保磁
力が743Oe、残留磁束密度Brが1560Gaus
s、角型比(Br/Bm)0.87、配向度が2.56
であった。光沢度は180%、線吸収係数は1.26μ
-1、記録波長1MHzにおける電磁変換特性は+2.
1dB、記録波長4MHzにおける電磁変換特性は+
2.1dB、耐久性は30分間以上、電気抵抗は5.0
×109 Ω/cm2 、表面粗度Raは6.8nmであっ
た。
【0120】上記磁気テープ(B)の磁気特性は、保磁
力が746Oe、残留磁束密度Brが1582Gaus
s、角型比(Br/Bm)0.88、配向度が2.63
であった。光沢度は187%、線吸収係数は1.27μ
-1、記録波長1MHzにおける電磁変換特性は+2.
5dB、記録波長4MHzにおける電磁変換特性は+
2.7dB、耐久性は30分間以上、電気抵抗は6.0
×109 Ω/cm2 、表面粗度Raは6.2nmであっ
た。
【0121】なお、前記磁気記録媒体に用いた特定Mn
含有ヘマタイト構造の非磁性黒色粒子粉末が分散性に優
れていることは前記光沢度及び表面粗度Raの値より認
められる。
【0122】
【作用】本発明に係る磁気記録媒体は、前述の発明の実
施の形態に記載の通り、カーボンブラック併用量を低減
しても十分な線吸収係数が得られており、塗膜の光沢度
及び表面粗度が良好であって、塗膜の角形比及び配向性
が良好であり、且つ、十分な耐久性が得られている。し
かも、前出発明の実施の形態、後出実施例24及び実施
例22に記載の通り、特定Mn含有ヘマタイト粒子粉末
の添加量を7重量部から14重量部、さらには21重量
部に増加しても電磁変換特性の低下が抑制されている。
【0123】この事実について、本発明者は次のように
考えている。
【0124】即ち、本発明に係る磁気記録媒体は、黒色
フィラー材として黒色度に優れた特定Mn含有ヘマタイ
ト構造の非磁性黒色粒子粉末を用いているためカーボン
ブラック併用量を低減しても十分な線吸収係数が得られ
たものと考えている。
【0125】Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色粒子
粉末の黒色度が優れている理由について、本発明者は、
Mnが粒子内部に不均一に含有されていたり、表面層の
みに含有されているヘマタイト粒子である場合には、黒
色度が十分ではなく、Mnの水酸化物又はMnとFeの
水酸化物とを被覆したマグネタイト粒子を750〜10
00℃の温度範囲で加熱焼成することにより、マグネタ
イトが酸化されてヘマタイト構造に変化するとともに、
被覆層中のMnが粒子表面から粒子内部に拡散した場合
には、黒色度が優れていることから、ヘマタイト構造中
のMnの存在位置が影響しているものと考えている。
【0126】前記の通り、本発明に係る磁気記録媒体
は、分散性の悪いカーボンブラックを低減できたこと及
び特定Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色粒子粉末の
分散性が向上したことにより、磁性粉末のビヒクル中に
おける分散性が良好となり、光沢度、表面粗度等の塗膜
物性及び角形比、配向性等の磁気特性等が良好となった
ものと考えている。
【0127】特定Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色
粒子粉末の分散性がより向上した理由について、本発明
者は、粒子相互の架橋の原因となっているマグネタイト
粒子製造時における第一鉄塩水溶液やアルカリ水溶液等
の原料に由来する可溶性ナトリウム塩や可溶性硫酸塩が
アルカリ処理により除去できたことにより、粒子相互の
架橋が解きほぐされ凝集が解けることに起因するものと
考えている。
【0128】さらに、本発明に係る磁気記録媒体は、特
定Mn含有ヘマタイト構造の非磁性黒色粒子粉末の分散
性がより向上したことに起因して、前出の発明の実施の
形態、後出実施例24及び実施例22に記載の通り、特
定Mn含有ヘマタイト粒子粉末の添加量を7重量部から
14重量部、さらには21重量部に増加しても電磁変換
特性の低下が抑制され、且つ、Al2 3 同等程度の十
分な耐久性が得られたものと考えている。
【0129】
【実施例】次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0130】<黒色フィラー材の製造> 実施例1〜6 出発原料1〜4を前記本発明の実施の形態と同様にして
製造した。
【0131】得られた出発原料1〜4の諸特性を表1に
示す。
【0132】出発原料1〜4を用いて、前記本発明の実
施の形態と同様にしてMnを含有している鉄を主成分と
するヘマタイト構造を有する黒色粒子粉末を製造した。
【0133】この時の主要条件及び諸特性を表2に示
す。
【0134】
【表1】
【0135】
【表2】
【0136】実施例7〜12 Mnを含有している鉄を主成分とするヘマタイト構造を
有する黒色粉末の種類、湿式粉砕の有無、アルカリ水溶
液中加熱処理におけるpH値、温度、時間を種々変化さ
せた以外は、前記本発明の実施の形態と同様にしてアル
カリ水溶液処理済黒色粒子粉末を得た。
【0137】この時の主要製造条件及び諸特性を表3に
示す。
【0138】
【表3】
【0139】実施例13〜18 実施例7〜12の各黒色粒子粉末を用い、表面被覆物の
種類及び量を種々変化させた以外は、前記本発明の実施
の形態と同様にして粒子表面が被覆物で被覆されている
黒色粒子からなる黒色粒子粉末を得た。
【0140】この時の主要製造条件及び諸特性を表4に
示す。
【0141】
【表4】
【0142】比較例1〜9 アルカリ処理前のMnを含有している鉄を主成分とする
ヘマタイト構造を有する黒色粒子粉末である比較例1〜
3、公知のフィラー材である比較例4〜6及びアルカリ
処理後のMnを含有している鉄を主成分とするヘマタイ
ト構造を有する黒色粒子粉末である比較例7〜9を準備
した。
【0143】これら黒色粉末の諸特性を表5及び表6に
示す。
【0144】
【表5】
【0145】
【表6】
【0146】<磁気記録媒体の製造> 実施例19〜30、比較例10〜18 磁性粒子粉末の種類、結合剤樹脂の量、黒色フィラー材
又はその他フィラー材の種類及び添加量、溶剤の量を種
々変化させた以外は本発明の実施の形態と同様にして磁
気記録媒体を得た。磁気記録媒体の製造条件を表7及び
表8に、その諸特性を表9及び表10に示した。
【0147】
【表7】
【0148】
【表8】
【0149】
【表9】
【0150】
【表10】
【0151】
【発明の効果】本発明に係る磁気記録媒体は、耐久性向
上に必要な添加量としても電磁変換特性の低下を抑える
ことができ、また、十分な黒色度を有しているのでカー
ボンブラックの併用量を減らすことができるという諸特
性を具備している特定Mn含有ヘマタイト構造の粒子粉
末を黒色フィラー材として用いているため、より優れた
耐久性とより良好な電磁変換特性を有しており高密度記
録用に最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態で得られたアルカリ処理
前のMnを含有している鉄を主成分とするヘマタイト構
造を有する黒色顔料粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写
真(×20000)である。
【図2】 本発明の実施の形態で得られたアルカリ処理
前のMnを含有している鉄を主成分とするヘマタイト構
造を有するアルカリ水溶液加熱処理後の黒色顔料粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×20000)であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体上に、結合材樹脂及び磁性粒
    子粉末を含む磁気記録層が形成されている磁気記録媒体
    において、前記磁気記録層中に、Mnを含有している鉄
    を主成分とするヘマタイト構造を有する平均粒径0.1
    〜0.5μmの非磁性黒色粒子からなるMn含有量が非
    磁性黒色粒子粉末に対し10〜30重量%であって、粉
    体pH値が5.5以上であって、且つ、可溶性ナトリウ
    ム塩の含有量がNa換算で500ppm以下、可溶性硫
    酸塩の含有量がSO4 換算で200ppm以下である非
    磁性黒色粉末を前記磁性粒子粉末100重量部に対して
    1〜30重量部含有させたことを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 非磁性基体上に、結合材樹脂及び磁性粒
    子粉末を含む磁気記録層が形成されている磁気記録媒体
    において、前記磁気記録層中に、Mnを含有すると共に
    粒子表面にAlの酸化物、Alの水酸化物、Siの酸化
    物及びSiの水酸化物から選ばれる一種又は二種以上か
    らなる被覆層を有する平均粒径0.1〜0.5μmの非
    磁性黒色粒子からなるMn含有量が非磁性黒色粒子粉末
    に対し10〜30重量%であって、粉体pH値が5.5
    以上であって、且つ、可溶性ナトリウム塩の含有量がN
    a換算で500ppm以下、可溶性硫酸塩の含有量がS
    4 換算で200ppm以下である非磁性黒色粉末を前
    記磁性粒子粉末100重量部に対して1〜30重量部含
    有させたことを特徴とする磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20180119581A (ko) * 2016-03-31 2018-11-02 파우더테크 컴퍼니 리미티드 페라이트 입자, 수지 조성물 및 수지 필름
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