JPH11251720A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法

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JPH11251720A
JPH11251720A JP5214298A JP5214298A JPH11251720A JP H11251720 A JPH11251720 A JP H11251720A JP 5214298 A JP5214298 A JP 5214298A JP 5214298 A JP5214298 A JP 5214298A JP H11251720 A JPH11251720 A JP H11251720A
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wiring board
printed wiring
film
electroless plating
layer
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JP5214298A
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Inventor
Toru Nakai
通 中井
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バイアホールおよびそのランドの欠損を防止
して、バイアホールの接続信頼性を向上し得るプリント
配線板の製造方法を提案すること。 【解決手段】 本発明にかかるプリント配線板の製造方
法は、絶縁層表面に、無電解めっきを施して無電解めっ
き膜を形成し、次いで、その無電解めっき膜上の導体回
路非形成部分にめっきレジストを設け、そのめっきレジ
スト非形成部分に電解めっきを施してから、そのめっき
レジストとめっきレジスト下の無電解めっき膜を除去す
ることにより、無電解めっき膜と電解めっき膜からなる
導体回路を形成する方式のプリント配線板の製造方法に
おいて、電解めっき前の洗浄を水温35℃以下の水にて行
うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の
製造方法に関し、特に、バイアホールおよびそのランド
に欠損がないプリント配線板をセミアディティブ法によ
って製造する方法について提案する。
【0002】
【従来の技術】セミアディティブ法は、まず、基板に設
けた絶縁層の表面に、無電解めっきを薄く施し、次い
で、その無電解めっき膜上の導体回路非形成部分にめっ
きレジストを形成し、そのめっきレジスト非形成部分の
無電解めっき膜に通電して電解めっきを厚く施してか
ら、そのめっきレジストとめっきレジスト下の無電解め
っき膜を除去することにより、導体回路を形成する方法
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このセ
ミアディティブ法により、常法にしたがってプリント配
線板を製造すると、バイアホールを形成する際に、バイ
アホールおよびそのランドが欠損する場合があった。こ
の欠損は、バイアホールによる上層と下層の導体接続が
行われないことを意味し、プリント配線板の致命的な欠
陥となる。
【0004】そこで、本発明の目的は、バイアホールお
よびそのランドの欠損を防止して、バイアホールの接続
信頼性を向上し得るプリント配線板の製造方法を提案す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的の実
現に向け鋭意研究した結果、バイアホールおよびそのラ
ンドが欠損する原因が、以下に示す事実にあることを知
見した。常法では、電解めっき前の洗浄は、油脂分を除
去するために、40℃程度の温水を使用して行っている。
ところが、バイアホールおよびそのランド部分は、めっ
きレジストにより囲まれており、またランド部分の直径
は、ファインパターン化の要請により、 200μm以下と
微細になっている。このため、その洗浄水は、めっきレ
ジストにはじかれて球形状になり、しかも40℃程度の温
水であるため、急速に蒸発しやすく、無電解めっき膜の
表面に酸化膜を生じさせる。そして、この酸化膜の存在
により、無電解めっき膜の電解めっき液に対する濡れ性
が低下してしまい、電解めっきが析出せず、最終的に
は、エッチング処理時に無電解めっき膜が除去されるた
め、バイアホールおよびランド部分に欠損が発生してし
まうのである(図13参照)。
【0006】発明者は、上記知見に基づいてさらに鋭意
研究した結果、電解めっき前の水洗を35℃以下に抑える
と、油脂分を除去できると同時に、水が蒸発しにくくな
り、その結果、無電解めっき膜表面が酸化されることな
く、電解めっきが確実に析出して、欠損が発生しないこ
とを突き止めた。
【0007】本発明は、このような知見に基づいてなさ
れたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
本発明にかかるプリント配線板の製造方法は、絶縁層表
面に、無電解めっきを施して無電解めっき膜を形成し、
次いで、その無電解めっき膜上の導体回路非形成部分に
めっきレジストを設け、そのめっきレジストの非形成部
分に電解めっきを施してから、そのめっきレジストとめ
っきレジスト下の無電解めっき膜を除去することによ
り、無電解めっき膜と電解めっき膜からなる導体回路を
形成する方式のプリント配線板の製造方法において、電
解めっき前の洗浄を水温35℃以下の水にて行うことを特
徴とする。なお、上記本発明の製造方法は、導体回路が
バイアホールおよびそのランドである場合に、特に有効
である。さらに、そのランドの直径が30〜200 μm、特
に好ましくは50〜150 μmの範囲にあり、バイアホール
の直径が20〜100 μm、特に好ましくは30〜150 μmの
範囲にあるファインパターンな回路の場合は、このよう
なランド等の欠損が発生しやすく、本発明の方法が有利
である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、セミアディティブ法に
よるプリント配線板の製造に当たり、電解めっき前の洗
浄を35℃以下の水にて行う点に特徴がある。これによ
り、油脂分を除去できると同時に水が蒸発しにくくな
り、その結果、無電解めっき膜表面が酸化されることな
く、電解めっきが確実に析出して、バイアホールおよび
そのランドの欠損が発生しなくなる。この洗浄は、特に
10℃以上の水にて行うことが望ましい。その理由は、油
脂分を除去しやすいからである。また、この洗浄を終え
た無電解めっき膜表面は、硫酸などの酸で洗浄し、表面
の酸化膜を完全に除去することが望ましい。
【0009】このような本発明の製造方法において、導
体回路を構成する前記無電解めっき膜は、その厚みを
0.1〜5μm、より好ましくは1〜5μmとすることが
望ましい。この理由は、厚すぎるとエッチング除去しに
くく、逆に薄すぎると、電解めっきを施す場合に抵抗値
が大きくなって、めっき膜の厚さにバラツキが発生して
しまうからである。本発明では、無電解めっき膜を形成
した後に、その無電解めっき膜をアニール処理すること
が望ましい。このアニール処理により、無電解めっき膜
の結晶性が向上し、クロム酸などで溶解しにくくなるか
らである。このアニール処理は、50〜150 ℃で 0.5〜5
時間の条件で加熱処理を施すことにより行う。
【0010】また、導体回路を構成する前記電解めっき
膜は、その厚みを、5〜30μm、より好ましくは10〜20
μmとすることが望ましい。この理由は、厚すぎるとピ
ール強度の低下を招き、薄すぎると電気抵抗が高くなる
からである。本発明では、電解めっき膜を形成した後
に、その電解めっき膜をアニール処理することが望まし
い。このアニール処理により、電解めっき膜の結晶性が
向上し、クロム酸などで溶解しにくくなるからである。
このアニール処理は、50〜150℃で 0.5〜8時間の条件
で加熱処理を施すことにより行う。
【0011】本発明では、導体回路の表面に粗化処理を
施すことが望ましい。この理由は、層間絶縁層との密着
性を向上させるためである。前記粗化層は、エッチング
処理、研磨処理、酸化処理、酸化還元処理により形成さ
れた銅の粗化面、もしくはめっき被膜により形成された
粗化面であることが望ましい。
【0012】特に、この粗化層は、銅−ニッケル−リン
めっきからなる合金層であることが望ましい。この理由
は、その合金層は、針状であり、層間樹脂絶縁層との密
着性に優れるからである。この合金層の組成は、銅、ニ
ッケル、リンの割合で、それぞれ90〜96wt%、1〜5wt
%、 0.5〜2wt%であることが望ましい。これらの組成
割合のときに、針状の構造を有するからである。本発明
では、この合金めっき層を形成した後に、その合金層を
アニール処理することが望ましい。このアニール処理に
より、合金層の結晶性が向上し、クロム酸などで溶解し
にくくなるからである。このアニール処理は、 100〜15
0 ℃で0.5〜4時間の条件で加熱処理を施すことにより
行う。
【0013】また、酸化処理により粗化層を形成する場
合は、亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸
ナトリウムからなる酸化剤の溶液を用いることが望まし
い。酸化還元処理により粗化層を形成する場合は、上記
酸化処理の後、水酸化ナトリウムと水素化ホウ素ナトリ
ウムからなる還元剤の溶液に浸漬して行うことが望まし
い。
【0014】このようにして形成される導体回路表面の
粗化層は、厚みを1〜10μm、より好ましくは1〜5μ
mとすることが望ましい。この理由は、厚すぎると粗化
層自体が損傷、剥離しやすく、薄すぎると密着性が低下
するからである。
【0015】本発明では、絶縁層もしくは層間絶縁層と
して無電解めっき用接着剤を用いることが望ましい。こ
の無電解めっき用接着剤としては、硬化処理された酸あ
るいは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子が、硬化処理に
よって酸あるいは酸化剤に難溶性となる未硬化の耐熱性
樹脂中に分散されてなるものが最適である。この理由
は、酸や酸化剤で処理することにより、耐熱性樹脂粒子
が溶解または分解除去されて、表面に蛸つぼ状のアンカ
ーからなる粗化面を形成できるからである。
【0016】上記無電解めっき用接着剤において、特に
硬化処理された前記耐熱性樹脂粒子としては、平均粒
径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、平均粒径が2μm
以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させた凝集粒子、平均粒
径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末と平均粒径が2μm以
下の耐熱性樹脂粉末との混合物、平均粒径が2〜10μ
mの耐熱性樹脂粉末の表面に平均粒径が2μm以下の耐
熱性樹脂粉末または無機粉末のいずれか少なくとも1種
を付着させてなる疑似粒子、平均粒径が 0.1〜0.8 μ
mの耐熱性樹脂粒子と平均粒径が 0.8μmを超え2μm
未満の耐熱性樹脂粒子との混合物、平均粒径 0.1〜1.
0 μmの耐熱性樹脂粉末、から選ばれるいずれか少なく
とも1種を用いることが望ましい。これらは、より複雑
なアンカーを形成できるからである。
【0017】次に、本発明にかかるプリント配線板の製
造方法について詳述する。 (1) まず、コア基板の表面に内層銅パターンを形成した
配線基板を作製する。このコア基板への銅パターンは、
銅張積層板をエッチングして行うか、あるいは、ガラス
エポキシ基板やポリイミド基板、セラミック基板、金属
基板などの基板に無電解めっき用接着剤層を形成し、こ
の接着剤層表面を粗化して粗化面とし、ここに無電解め
っきを施す方法、もしくはその粗化面全体に無電解めっ
きを施し、めっきレジストを形成し、めっきレジスト非
形成部分に電解めっきを施した後、めっきレジストを除
去し、エッチング処理して、電解めっき膜と無電解めっ
き膜からなる導体回路を形成する方法、により形成され
る。
【0018】なお、上記配線基板の導体回路の表面に銅
−ニッケル−リンからなる粗化層を形成することができ
る。この粗化層は、無電解めっきにより形成される。こ
の無電解めっきの液組成は、銅イオン濃度、ニッケルイ
オン濃度、次亜リン酸イオン濃度は、それぞれ 2.2×10
-2〜4.1 ×10-2 mol/l、 2.2×10-3〜 4.1×10-3 mol
/l、0.20〜0.25mol/lであることが望ましい。この
範囲で析出する被膜の結晶構造は針状構造になるため、
アンカー効果に優れるからである。この無電解めっき浴
には上記化合物に加えて錯化剤や添加剤を加えてもよ
い。粗化層の形成方法としては、この他に前述した酸化
−還元処理、銅表面を粒界に沿ってエッチングして粗化
面を形成する方法などがある。
【0019】なお、コア基板には、スルーホールが形成
され、このスルーホールを介して表面と裏面の配線層を
電気的に接続することができる。また、スルーホールお
よびコア基板の導体回路間には樹脂が充填されて、平滑
性を確保してもよい。
【0020】(2) 次に、前記(1) で作製した配線基板の
上に、層間樹脂絶縁層を形成する。本発明では、層間樹
脂絶縁材として前述した無電解めっき用接着剤を用いる
ことが望ましい。
【0021】(3) 前記(2) で形成した無電解めっき用接
着剤層を乾燥した後、バイアホール形成用開口を設け
る。このとき、感光性樹脂の場合は、露光,現像してか
ら熱硬化することにより、また、熱硬化性樹脂の場合
は、熱硬化したのちレーザー加工することにより、前記
接着剤層にバイアホール形成用の開口部を設ける。
【0022】(4) 次に、硬化した前記接着剤層の表面に
存在するエポキシ樹脂粒子を酸あるいは酸化剤によって
溶解または分解して除去し、接着剤層表面を粗化処理す
る。ここで、上記酸としては、リン酸、塩酸、硫酸、あ
るいは蟻酸や酢酸などの有機酸があるが、特に有機酸を
用いることが望ましい。粗化処理した場合に、バイアホ
ールから露出する金属導体層を腐食させにくいからであ
る。一方、上記酸化剤としては、クロム酸、過マンガン
酸塩(過マンガン酸カリウムなど)を用いることが望ま
しい。
【0023】(5) 次に、接着剤層表面を粗化した配線基
板に触媒核を付与する。触媒核の付与には、貴金属イオ
ンや貴金属コロイドなどを用いることが望ましく、一般
的には、塩化パラジウムやパラジウムコロイドを使用す
る。なお、触媒核を固定するために加熱処理を行うこと
が望ましい。このような触媒核としてはパラジウムがよ
い。
【0024】(6) 次に、無電解めっき用接着剤表面に無
電解めっきを施し、粗化面全面に追従するように、無電
解めっき膜を形成する。このとき、無電解めっき膜の厚
みは、0.1〜5μm、より望ましくは 0.5〜3μmとす
る。つぎに、無電解めっき膜上にめっきレジストを形成
する。めっきレジスト組成物としては、特にクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂やフェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂のアクリレートとイミダゾール硬化剤からな
る組成物を用いることが望ましいが、他に市販品のドラ
イフィルムを使用することもできる。
【0025】(7) 次に、基板を10〜35℃、望ましくは15
〜30℃の水で水洗する。この理由は、水洗温度が35℃を
超えると水が揮発してしまい、無電解めっき膜の表面が
乾燥して、酸化してしまう。一方、10℃未満では水に対
する汚染物質の溶解度が低下し、洗浄力が低下してしま
うからである。なお、洗浄水の中には、各種の界面活性
剤、酸、アルカリを添加しておいてもよい。さらに、洗
浄後に硫酸などの酸で洗浄して、表面の酸化膜を完全に
除去することが望ましい。
【0026】(8) 次に、めっきレジスト非形成部に電解
めっきを施し、導体回路、ならびにバイアホールを形成
する。ここで、上記電解めっきとしては、銅めっきを用
いることが望ましい。
【0027】(9) さらに、めっきレジストを除去した
後、硫酸と過酸化水素の混合液や過硫酸ナトリウム、過
硫酸アンモニウムなどのエッチング液でめっきレジスト
下の無電解めっき膜を溶解除去して、独立した導体回路
とする。
【0028】(10)そしてさらに、必要に応じて前記工程
を繰り返すことにより、多層化したプリント配線板を製
造する。
【0029】
【実施例】(実施例1) A.無電解めっき用接着剤の調製 (上層用) .クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製、分子量2500)の25%アクリル化物を80wt%の濃度で
DMDGに溶解させた樹脂液を35重量部、感光性モノマ
ー(東亜合成製、アロニックスM315 )3.15重量部、消
泡剤(サンノプコ製、S−65) 0.5重量部、NMPを
3.6重量部を攪拌混合した。 .ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部、エポ
キシ樹脂粒子(三洋化成製、ポリマーポール)の平均粒
径1.0 μmのものを7.2 重量部、平均粒径 0.5μmのも
のを3.09重量部を混合した後、さらにNMP30重量部を
添加し、3本ローラで混練した。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)2重
量部、光開始剤(チバガイギー製、イルガキュア I−
907 )2重量部、光増感剤(日本化薬製、DETX-S) 0.2
重量部、NMP 1.5重量部を攪拌混合した。これらを混
合して上層用の無電解めっき用接着剤を調製した。 (下層用) .クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製、分子量2500)の25%アクリル化物を80wt%の濃度で
DMDGに溶解させた樹脂液を35重量部、感光性モノマ
ー(東亜合成製、アロニックスM315 )4重量部、消泡
剤(サンノプコ製、S−65)0.5 重量部、NMP 3.6重
量部を攪拌混合した。 .ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部、エポ
キシ樹脂粒子(三洋化成製、ポリマーポール)の平均粒
径 0.5μmのものを 14.49重量部、を混合した後、さら
にNMP30重量部を添加し、3本ローラで混練した。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)2重
量部、光開始剤(チバガイギー製、イルガキュア I−
907 )2重量部、光増感剤(日本化薬製、DETX-S)0.2
重量部、NMP1.5 重量部を攪拌混合した。 これらを混合して下層用の無電解めっき用接着剤を調製
した。
【0030】B.樹脂充填剤の調整 .ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル
製、分子量310,YL983U)100重量部、表面にシランカッ
プリング剤がコーティングされた平均粒径 1.6μmのSi
2 球状粒子(アドマテック製、CRS 1101−CE、ここ
で、最大粒子の大きさは後述する内層銅パターンの厚み
(15μm)以下とする) 170重量部、レベリング剤(サ
ンノプコ製、ペレノールS4)1.5 重量部を3本ロール
にて混練して、その混合物の粘度を23±1℃で45,000〜
49,000cps に調整した。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)6.5
重量部。 これらを混合して樹脂充填剤を調製した。
【0031】C.プリント配線板の製造方法 (1) 厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマ
レイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に18μ
mの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材
料とした(図1参照)。まず、この銅張積層板をドリル
削孔し、めっきレジストを形成した後、無電解めっき処
理してスルーホール9を形成し、さらに、銅箔8を常法
に従いパターン状にエッチングすることにより、基板1
の両面に内層銅パターン4を形成した。
【0032】(2) 内層銅パターン4およびスルーホール
9を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、酸化浴(黒
化浴)として、NaOH(20g/l)、NaClO2(50g/
l)、Na3PO4(15.0g/l)、還元浴として、NaOH(2.
7 g/l)、NaBH4 (1.0 g/l)を用いた酸化−還元
処理により、内層導パターン4およびスルーホール9の
表面に粗化層11を設けた(図2参照)。
【0033】(3) 樹脂充填剤10を、基板の片面にロール
コータを用いて塗布することにより、導体回路4間ある
いはスルーホール9内に充填し、70℃, 20分間で乾燥さ
せ、他方の面についても同様にして樹脂充填剤10を導体
回路4間あるいはスルーホール9内に充填し、70℃, 20
分間で加熱乾燥させた(図3参照)。
【0034】(4) 前記(3) の処理を終えた基板の片面
を、SiC砥粒により、内層銅パターン4の表面やスルー
ホール9のランド表面に樹脂充填剤10が残らないように
研磨し、次いで、前記ベルトサンダー研磨による傷を取
り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨
を基板の他方の面についても同様に行った。次いで、 1
00℃で1時間、120 ℃で3時間、 150℃で1時間、 180
℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填剤10を硬化した
(図4参照)。この工程により、樹脂充填剤10が内層銅
パターン4の間あるいはスルーホール内に充填される。
【0035】(5) 前記(4) の処理で露出した内層導体回
路4およびスルーホール9のランド上面に、厚さ5μm
のCu−Ni−P合金被覆層、厚さ2μmのCu−Ni−P針状
合金粗化層およびこの粗化層表面に厚さ 0.3μmのSn金
属被覆層を設けた(図5参照、但し、Sn層については図
示しない)。その形成方法は以下のようである。即ち、
基板を酸性脱脂してソフトエッチングし、次いで、塩化
パラジウムと有機酸からなる触媒溶液で処理して、Pd触
媒を付与し、この触媒を活性化した後、硫酸銅8g/
l、硫酸ニッケル 0.6g/l、クエン酸15g/l、次亜
リン酸ナトリウム29g/l、ホウ酸31g/l、界面活性
剤 0.1g/l、pH=9からなる無電解めっき浴に基板
を浸漬し、この基板を4秒に1回の割合で縦方向に揺動
させるとともに、めっき析出後、3分後に空気をバブリ
ングさせて、銅導体回路4およびスルーホール9の表面
に、まずCu−Ni−Pの非針状合金の被覆層を最初に析出
させ、次にCu−Ni−Pの針状合金を析出させて粗化層11
を設けた。さらに、 100℃で30分、 120℃で30分、 150
℃で2時間加熱し、10重量%の硫酸水溶液、および0.2m
ol/lのホウフッ酸水溶液で処理した後、ホウフッ化ス
ズ0.1mol/l、チオ尿素1.0mol/l、温度50℃、pH=
1.2の条件でCu−Sn置換反応させ、粗化層11表面に厚さ
0.3 μmののSn金属被覆層を設けた(Sn層については図
示しない)。
【0036】(6) 基板の両面に、下層用の無電解めっき
用接着剤をロールコータで塗布し、水平状態で20分間放
置してから60℃で30分の乾燥を行い、次いで、上層用の
無電解めっき用接着剤をロールコータを用いて塗布し、
水平状態で20分間放置してから60℃で30分の乾燥を行
い、厚さ40μmの2層構造(2a, 2b)の接着剤層2を形
成した(図6参照)。
【0037】(7) 前記(6) で接着剤層2を形成した基板
の両面に、85μmφの黒円が印刷されたフォトマスクフ
ィルムを密着させ、超高圧水銀灯により 500mJ/cm2
露光した。これをDMDG溶液でスプレー現像すること
により、接着剤層2に、ランド径150 μm、直径 100μ
mφのバイアホールを形成するための開口を設けた。さ
らに、当該基板を超高圧水銀灯により3000mJ/cm2 で露
光し、100 ℃で1時間、その後 150℃で5時間の加熱処
理をすることにより、フォトマスクフィルムに相当する
寸法精度に優れた開口(バイアホール形成用開口6)を
有する厚さ35μmの接着剤層(層間樹脂絶縁層)2を形
成した(図7参照)。なお、バイアホールとなる開口に
は、スズめっき層を部分的に露出させた。
【0038】(8) バイアホール形成用開口を形成した基
板を、クロム酸に19分間浸漬し、接着剤層の表面に存在
するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、当該
接着剤層の表面を粗面(深さ5μm)とし、その後、中
和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした(図
8参照)。さらに、粗面化処理した該基板の表面に、パ
ラジウム触媒(アトテック製)を付与することにより、
接着剤層2の表面およびバイアホール用開口6の内壁面
に触媒核を付けた。
【0039】(9) 以下の組成の無電解銅めっき水溶液中
に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6μmの無電解銅
めっき膜12を形成した(図9参照)。このとき、めっき
膜が薄いために無電解めっき膜表面には凹凸が観察され
た。 〔無電解めっき水溶液〕 EDTA 150 g/l 硫酸銅 20 g/l HCHO 30 ml/l NaOH 40 g/l α、α’−ビピリジル 80 mg/l PEG 0.1 g/l 〔無電解めっき条件〕 70℃の液温度で30分 このあと、上記無電解めっき膜12に対し、50℃で1時
間、 100℃で30分、 120℃で30分、 150℃で2時間の加
熱処理を施した。
【0040】(10)前記(9) で形成した無電解めっき膜12
上に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを
載置して、100 mJ/cm2 で露光、0.8 %炭酸ナトリウム
で現像処理し、厚さ15μmのめっきレジスト3を設けた
(図10参照)。
【0041】(11)ついで、基板を脱脂し、10℃、25℃、
35℃の水で水洗した後、硫酸で洗浄して、以下の条件で
電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっき膜13を
形成した(図11参照)。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸銅 180 g/l 硫酸銅 80 g/l 添加剤(アドテックジャパン製、カパラシドGL) 1ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度 1A/dm2 時間 30分 温度 室温 このあと、上記電解めっき膜12に対し、50℃で30分、80
℃で30分、 100℃で30分、 120℃で30分、 150℃で5時
間の加熱処理を施した。
【0042】(12)めっきレジスト3を5%KOHで剥離
除去した後、そのめっきレジスト3下の無電解めっき膜
12を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶
解除去し、無電解銅めっき膜12と電解銅めっき膜13から
なる厚さ15μmの導体回路(バイアホールを含む)を形
成し、プリント配線板を製造した(図12参照)。
【0043】(比較例1)電解めっき前に5℃、40℃、
50℃の温水で基板を洗浄したこと以外は、実施例1と同
様にしてプリント配線板を製造した。
【0044】このようにして製造した実施例1と比較例
1のプリント配線板について、ランド欠損の発生率を計
測した。その結果を表1に示す。この表に示す結果から
あきらかなように、実施例1で製造したプリント配線板
は、電解めっき前の水洗を10〜35℃の水で行っているの
で、バイアホールのランドが欠損することはなかった。
なお、洗浄水の温度が5℃の場合に、電解めっきが析出
しない理由は、脱脂が不十分であるためと推定される。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかるプリ
ント配線板の製造方法によれば、バイアホールおよびラ
ンドの欠損が発生しにくく、接続信頼性に優れるプリン
ト配線板を安定して提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明にかかるプリント配線板の各製造工程を示
す図である。
【図2】発明にかかるプリント配線板の各製造工程を示
す図である。
【図3】発明にかかるプリント配線板の各製造工程を示
す図である。
【図4】発明にかかるプリント配線板の各製造工程を示
す図である。
【図5】発明にかかるプリント配線板の各製造工程を示
す図である。
【図6】発明にかかるプリント配線板の各製造工程を示
す図である。
【図7】発明にかかるプリント配線板の各製造工程を示
す図である。
【図8】発明にかかるプリント配線板の各製造工程を示
す図である。
【図9】発明にかかるプリント配線板の各製造工程を示
す図である。
【図10】発明にかかるプリント配線板の各製造工程を示
す図である。
【図11】発明にかかるプリント配線板の各製造工程を示
す図である。
【図12】発明にかかるプリント配線板の各製造工程を示
す図である。
【図13】バイアホールおよびそのランドの欠損の原因を
説明する図である。
【符号の説明】
1 基板 2 接着剤層(層間樹脂絶縁層) 2a 下層の接着剤層 2b 上層の接着剤層 3 めっきレジスト 4,5 導体回路 6 バイアホール形成用開口 7 バイアホール 8 銅箔 9 スルーホール 10 樹脂充填剤 11 粗化層 12 無電解めっき膜 13 電解めっき膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層表面に、無電解めっきを施して無
    電解めっき膜を形成し、次いで、その無電解めっき膜上
    の導体回路非形成部分にめっきレジストを設け、そのめ
    っきレジスト非形成部分に電解めっきを施してから、め
    っきレジストとめっきレジスト下の無電解めっき膜を除
    去することにより、無電解めっき膜と電解めっき膜から
    なる導体回路を形成する方式のプリント配線板の製造方
    法において、 電解めっき前の洗浄を水温35℃以下の水にて行うことを
    特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記導体回路は、バイアホールおよびそ
    のランドである請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ランドの直径は 200μm以下であ
    り、前記バイアホールの直径は 100μm以下である請求
    項2に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101277390B1 (ko) * 2005-05-31 2013-06-20 히다치 비아 메카닉스 가부시키가이샤 프린트 배선판의 제조방법 및 그것에 이용되는 동박을 붙인 적층판 및 처리액

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KR101277390B1 (ko) * 2005-05-31 2013-06-20 히다치 비아 메카닉스 가부시키가이샤 프린트 배선판의 제조방법 및 그것에 이용되는 동박을 붙인 적층판 및 처리액

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