JPH11251699A - セラミック配線基板及びその製造方法 - Google Patents

セラミック配線基板及びその製造方法

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JPH11251699A
JPH11251699A JP5306598A JP5306598A JPH11251699A JP H11251699 A JPH11251699 A JP H11251699A JP 5306598 A JP5306598 A JP 5306598A JP 5306598 A JP5306598 A JP 5306598A JP H11251699 A JPH11251699 A JP H11251699A
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JP
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plating layer
layer
wiring board
ceramic
ceramic wiring
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JP5306598A
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English (en)
Inventor
Koichi Nakasu
浩一 中洲
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Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
Original Assignee
Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のメッキ配線では、残留磁化量が高いた
めに電気特性が低下し易く、あるいはAuメッキ層の耐
熱性や半田ぬれ性が低下して半田付け不良が発生し易
く、かつ下地メッキ層に生じるふくれや、食われ現象に
よりロウ付け部との密着性に劣り、また銀ロウ材のロウ
付け性を低下させ易かった。 【解決手段】 セラミック基板31と、高融点メタライ
ズ層33、下地メッキ層14、及びAuメッキ層35を
含んで構成された配線層12とを備えたセラミック配線
基板10の下地メッキ層14にCu−Ni合金を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミック配線基板
及びその製造方法に関し、より詳細には、表皮効果が抑
制されると共に、半田ぬれ性及びロウ付け性に優れたセ
ラミック配線基板に及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常のセラミック配線基板は配線層とし
て、高融点メタライズ層上にニッケル(以下、Niと記
す)メッキ層や金(以下、Auと記す)メッキ層が形成
されたものが使用されている。図5は従来のこの種配線
層を備えたセラミック配線基板を摸式的に示した断面図
であり、図中31はセラミック基板を示している。セラ
ミック基板31は例えばアルミナ材料等を用いて形成さ
れ、セラミック基板31上にはタングステン(以下、W
と記す)やモリブデン(以下、Moと記す)材料を用い
た高融点メタライズ層33が形成されている。高融点メ
タライズ層33上にはNi材料を用いた下地メッキ層3
4が形成され、下地メッキ層34の表面にはAuメッキ
層35が形成されている。これら高融点メタライズ層3
3、下地メッキ層34、Auメッキ層35等を含んで配
線層32が構成されており、またこの配線層32、セラ
ミック基板31等を含んでセラミック配線基板30が構
成されている。
【0003】このように構成されたセラミック配線基板
30では、下地メッキ層34が磁性体であるNi材料を
用いて形成されているので、高周波により作動させた場
合、該高周波電流が配線層32の表面近傍にのみ流れ
る、いわゆる表皮効果が生じて電気特性が低下し易いと
いう問題があった。この問題に対処するため、下地メッ
キ層として非磁性体の銅(以下、Cuと記す)材料を用
いたものが開発されている。
【0004】図6は従来のこの種Cu製の下地メッキ層
を備えたセラミック配線基板を摸式的に示した断面図で
あり、図中31、33は図5に示したものと同様のセラ
ミック基板、高融点メタライズ層をそれぞれ示してい
る。高融点メタライズ層33上にはCu材料を用いた下
地メッキ層44が形成され、下地メッキ層44の表面に
はAuメッキ層35が形成されている。これら高融点メ
タライズ層33、下地メッキ層44、Auメッキ層35
等を含んで配線層42が構成されており、またこの配線
層42、セラミック基板31等を含んでセラミック配線
基板40が構成されている。
【0005】図7は従来のCu製の下地メッキ層を備え
た別のセラミック配線基板を摸式的に示した断面図であ
り、図中51はセラミック基板を示している。セラミッ
ク基板51は例えばアルミナ材料等を用いて形成され、
セラミック基板51にはスルーホール51aが形成され
ており、スルーホール51a内にはW材料等が充填され
ている。セラミック基板51上にはWやMo材料を用い
た高融点メタライズ層(パッド)53が形成され、高融
点メタライズ層53下部にはスルーホール51aの上端
部が接続される一方、高融点メタライズ層53上にはC
u材料を用いた下地メッキ層54が形成されている。こ
の下地メッキ層54上には側面視略逆T字形状をしたI
/O(Input/Output)信号用のピン57が立設され、ピン
57は銀ロウ(Ag−Cu合金)材料を用いたロウ付け
部56を介して下地メッキ層54に接合されている。ま
た下地メッキ層54の側壁部表面54a、ロウ付け部表
面56a及びピン57の露出表面57aにはAuメッキ
層55が形成されている。これらスルーホール51a、
高融点メタライズ層53、下地メッキ層54、Auメッ
キ層55、ロウ付け部56、ピン57等を含んで、ピン
57が接合された配線層52が構成されている。これら
配線層52、セラミック基板51等を含んでPGA(Pi
n Grid Array) タイプのセラミック配線基板50が構成
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したセラミック配
線基板30においては、上述したように下地メッキ層3
4が磁性体であるNi材料を用いて形成されているの
で、高周波により作動させた場合、電流が配線層32の
表面近傍しか流れず、電気特性が低下し易いという課題
があった。
【0007】また上記したセラミック配線基板40、5
0においては、下地メッキ層44、54が非磁性体であ
るCu材料を用いて形成されているので、表皮効果に基
づく前記電気特性の低下を阻止し得る一方、Cu材料が
ガスを吸収し易く、加熱した際にこれが放出されてふく
れが発生し易い。またセラミック配線基板40において
は、Auメッキ層35上に半田を介して電子部品(共に
図示せず)を実装する際、温度上昇により下地メッキ層
44のCu成分がAuメッキ層35内を通って表面35
aまで拡散し易い。するとAuメッキ層表面35aにお
ける半田ぬれ性が低下して半田付け不良が発生するおそ
れがあるという課題があった。またセラミック配線基板
50においては、銀ロウ材料を用いてピン57をロウ付
けする際、溶融した銀ロウ材料中に下地メッキ層54の
Cu成分が溶け込み易い。するとロウ付け性が低下する
と共に、下地メッキ層54が破れるといったいわゆる食
われ現象が生じ易く、ロウ付け部56やピン57が下地
メッキ層54より剥離し易いという課題があった。
【0008】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、残留磁化量を減らして電気特性の向上を図ることが
でき、Auメッキ層表面の半田ぬれ性を確保して半田付
け不良の発生を防止すると共に、Auメッキ層の耐熱性
を維持することができ、食われ現象の発生を阻止してロ
ウ付け部を下地メッキ層に密着させると共に、ロウ付け
性の低下を防止することができ、かつ下地メッキ層にふ
くれが生じるのを確実に阻止することができるセラミッ
ク配線基板及びその製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段及びその効果】本発明者は
下地メッキ層にCu−Ni合金を用いると、残留磁化率
の低減を図り得ると共に、Cu材料を用いた従来の下地
メッキ層に生じ易いふくれや食われ現象の防止、前記A
uメッキ層における耐熱性や半田ぬれ性の確保、及び銀
ロウ材料のロウ付け性の向上も同時に図り得ることを知
見し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明に係るセラミック配線基
板は、セラミック基板と、高融点メタライズ層、下地メ
ッキ層、及びAuメッキ層を含んで構成された配線層と
を備えたセラミック配線基板において、前記下地メッキ
層にCu−Ni合金が用いられていることを特徴として
いる(1)。
【0011】上記したセラミック配線基板(1)によれ
ば、前記下地メッキ層にCu−Ni合金が用いられてい
るので、該Cu−Ni合金中のCu、Ni含有率を制御
することにより、残留磁化量を容易に調整することがで
きると同時に、前記下地メッキ層に生じ易いふくれや食
われ現象の低減、前記Auメッキ層における耐熱性や半
田ぬれ性の維持、及び銀ロウ材料のロウ付け性の向上も
容易に図ることができる。
【0012】また本発明に係るセラミック配線基板は、
セラミック配線基板(1)において、前記Cu−Ni合
金中のNi含有率が25〜55%の範囲内であることを
特徴としている(2)。
【0013】上記したセラミック配線基板(2)によれ
ば、前記下地メッキ層を構成する前記Cu−Ni合金中
のNi含有率が25〜55%の範囲内であるので、残留
磁化量を著しく減少させることができる。また前記下地
メッキ層より前記Auメッキ層中に拡散するCu成分量
を比較的少なくすることができ、前記Auメッキ層表面
における半田ぬれ性を確保することができ、半田付け不
良の発生を確実に防止することができる。また銀ロウ材
料を用いて前記下地メッキ層上にロウ付けする際、該下
地メッキ層より前記銀ロウ材料中に溶け込むCu成分量
を比較的少なくすることができ、前記下地メッキ層にお
ける食われ現象の発生や前記銀ロウ材料におけるロウ付
け性の低下を阻止することができ、ロウ付け部を前記下
地メッキ層に確実に密着させることができる。なお、前
記Cu−Ni合金中のNi含有率は30〜50%の範囲
内であることがより望ましく、このものでは前記効果を
より一層高めることができる。
【0014】また本発明に係るセラミック配線基板の製
造方法(1)は、上記セラミック配線基板(1)または
(2)の製造方法において、セラミック基板上に高融点
メタライズ層を形成する工程と、該高融点メタライズ層
の上に所定厚さのCuメッキ層及びNiメッキ層を形成
した後、500〜1083℃の加熱処理を施す工程とを
含むことを特徴としている。
【0015】上記したセラミック配線基板の製造方法
(1)によれば、セラミック基板上に高融点メタライズ
層を形成する工程と、該高融点メタライズ層の上に所定
厚さのCuメッキ層及びNiメッキ層を形成した後、5
00〜1083℃の加熱処理を施す工程とを含んでいる
ので、前記Cuメッキ層の厚さと前記Niメッキ層の厚
さとを調整することにより、これらの成分比率を正確に
設定することができる。また前記加熱処理により、前記
Cuメッキ層、前記Niメッキ層が拡散してCu−Ni
合金化を図ることができ、これらの結果、Niを25〜
55%含有するCu−Ni合金化した下地メッキ層を前
記高融点メタライズ層上に確実、かつ簡単に形成するこ
とができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るセラミック配
線基板の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、
従来例と同一機能を有する構成部品には同一の符号を付
すこととする。図1は実施の形態(1)に係るセラミッ
ク配線基板の製造工程を摸式的に示した断面図であり、
(a)〜(c)は第1〜第3工程、(d)は完成状態を
示している。セラミック基板31はアルミナ材料等を用
いて形成され、セラミック基板31上にはWやMo材料
を用いた高融点メタライズ層33が形成されている。高
融点メタライズ層33上にはNi(含有率25〜55
%)とCuとが合金化した下地メッキ層14が形成さ
れ、下地メッキ層14の表面にはAuメッキ層35が形
成されている。これら高融点メタライズ層33、下地メ
ッキ層14、Auメッキ層35等を含んで配線層12が
構成されており、またこの配線層12、セラミック基板
31等を含んでセラミック配線基板10が構成されてい
る(図1(d))。
【0017】このように構成されたセラミック配線基板
10を製造する場合、第1工程において、アルミナ系セ
ラミック等を含んだグリーンシート上にWまたはMoペ
ースト(共に図示せず)を所定形状に印刷した後、約1
500℃で焼成すると、セラミック基板31上に高融点
メタライズ層35が一体的に形成される(図1
(a))。次に第2工程において、高融点メタライズ層
35上に厚さがt1 のCuメッキ層14a、厚さがt2
のNiメッキ層14bをそれぞれ形成する(t1 +t2
=t)(図1(b))。次に第3工程において、これら
に500〜1083℃の加熱処理を施すと、Cu、Ni
が相互に拡散してゆき、Ni含有率(t2 /t)が25
〜55%の範囲に制御された下地メッキ層14が形成さ
れる(図1(c))。次に第4工程において、下地メッ
キ層14の表面にAuメッキ層35を形成すると、セラ
ミック配線基板10が製造される。
【0018】上記説明から明らかなように、実施の形態
(1)に係るセラミック配線基板10では、下地メッキ
層14の形成にCu−Ni合金が用いられているので、
Cu−Ni合金中のCu、Ni含有率を制御することに
より、残留磁化量を容易に調整することができると同時
に、下地メッキ層44(図6)に生じ易いふくれや食わ
れ現象の低減や、Auメッキ層35における耐熱性や半
田ぬれ性の維持も容易に図ることができる。
【0019】また、下地メッキ層14を構成するCu−
Ni合金中のNi含有率を25〜55%の範囲内とする
ことにより、残留磁化量を著しく減少させることができ
る。また下地メッキ層14よりAuメッキ層35中に拡
散するCu成分量を比較的少なくすることができ、Au
メッキ層35表面における半田ぬれ性を確保することが
でき、半田付け不良の発生を確実に防止することができ
る。
【0020】また、実施の形態(1)に係るセラミック
配線基板10の製造方法では、セラミック基板31上に
高融点メタライズ層33を形成する工程と、高融点メタ
ライズ層33の上に厚さがt1 のCuメッキ層14a及
び厚さがt2 のNiメッキ層14bを形成した後、50
0〜1083℃の加熱処理を施す工程とを含んでいるの
で、Cuメッキ層14aの厚さt1 とNiメッキ層14
bの厚さt2 とを調整することにより、これらの成分比
率を正確に設定することができる。また加熱処理によ
り、Cuメッキ層14a、Niメッキ層14bが相互拡
散してCu−Ni合金化を図ることができ、これらの結
果、Niを25〜55%含有するCu−Ni合金化した
下地メッキ層14を高融点メタライズ層33上に確実、
かつ簡単に形成することができる。
【0021】図2は実施の形態(2)に係るセラミック
配線基板の製造工程を説明するために摸式的に示した断
面図であり、(a)〜(d)は第1〜第4工程、(e)
は完成状態を示している。セラミック基板51はアルミ
ナ材料等を用いて形成されており、図7に示したものと
同様、セラミック基板51にはスルーホール51aが形
成されると共に、スルーホール51a内にはW材料等が
充填されている。またセラミック基板51上には図7に
示したものと同様の高融点メタライズ層(パッド)53
が形成され、高融点メタライズ層53下部にはスルーホ
ール51aの上端部が接続される一方、高融点メタライ
ズ層53上にはNi(含有率25〜55%)とCuとが
合金化した下地メッキ層24が形成されている。また図
7に示したものと同様、下地メッキ層24上にはピン5
7が立設され、ピン57は銀ロウ(Ag−Cu合金)材
料を用いたロウ付け部56を介して下地メッキ層24に
接合されている。また下地メッキ層24の側壁部表面2
4a、ロウ付け部表面56a及びピン57の露出表面5
7aにはAuメッキ層55が形成されている。これらス
ルーホール51a、高融点メタライズ層53、下地メッ
キ層24、Auメッキ層55、ロウ付け部56、ピン5
7等を含んで、ピン57が接合された配線層22が構成
されている。これら配線層22、セラミック基板51等
を含んでPGAタイプのセラミック配線基板20が構成
されている(図2(e))。
【0022】このように構成されたセラミック配線基板
20を製造する場合、第1工程において、アルミナ系セ
ラミックを含んだグリーンシート(図示せず)にスルー
ホール51aを形成し、このスルーホール51a内にW
ペーストを充填すると共に、グリーンシート上の所定箇
所にWまたはMoペースト(図示せず)を平面視略円形
状に印刷する。その後約1500℃で焼成すると、セラ
ミック基板51のスルーホール51a上に高融点メタラ
イズ層(パッド)53が一体的に形成される(図2
(a))。次に第2工程において、高融点メタライズ層
53上に厚さがt1のCuメッキ層24a、厚さがt2
のNiメッキ層24bをそれぞれ形成する(t1 +t2
=t)(図2(b))。そして第3工程において、これ
らに500〜1083℃の加熱処理を施すと、Cu、N
iが相互に拡散してゆき、Ni含有率(t2 /t)が2
5〜55%の範囲に制御された下地メッキ層24が形成
される(図2(c))。次に第4工程において、下地メ
ッキ層24上にピン57を立設し、銀ロウを用いてロウ
付けした後(図2(d))、Auメッキ処理を施してA
uメッキ層55を形成すると、セラミック配線基板20
が製造される。
【0023】上記説明から明らかなように、実施の形態
(2)に係るセラミック配線基板20では、下地メッキ
層24の形成にCu−Ni合金が用いられているので、
Cu−Ni合金中のCu、Ni含有率を制御することに
より、残留磁化量を容易に調整することができると同時
に、下地メッキ層54(図7)に生じ易いふくれや食わ
れ現象の低減、Auメッキ層55における耐熱性や半田
ぬれ性の維持、及び銀ロウ材料のロウ付け性の向上も容
易に図ることができる。
【0024】また、Cu−Ni合金中のNi含有率を2
5〜55%の範囲内に設定したので、図1に示したもの
と略同様の効果を得ることができると共に、銀ロウ材料
を用いて下地メッキ層24上にロウ付けする際、下地メ
ッキ層24より銀ロウ材料中に溶け込むCu成分量を比
較的少なくすることができ、銀ロウ材料におけるロウ付
け性の低下を阻止することができ、かつロウ付け部56
を下地メッキ層24に確実に密着させることができる。
【0025】また、実施の形態(2)に係るセラミック
配線基板20の製造方法では、Cuメッキ層24aの厚
さt1 とNiメッキ層24bの厚さt2 とを調整するこ
とにより、これらの成分比率を正確に設定することがで
きる。また加熱処理によりCuメッキ層24a、Niメ
ッキ層24bが拡散してCu−Ni合金化を図ることが
でき、これらの結果、Niを25〜55%含有するCu
−Ni合金化した下地メッキ層24を高融点メタライズ
層53上に確実、かつ簡単に形成することができる。
【0026】なお、実施の形態(1)、(2)に係るセ
ラミック配線基板10、20及びその製造方法では、い
ずれもCu−Ni合金中のNi含有率が25〜55%の
範囲内である場合について説明したが、このNi含有率
は30〜50%の範囲がより望ましく、この場合には上
記効果をより一層高めることができる。
【0027】また、実施の形態(1)、(2)に係るセ
ラミック配線基板10、20及びその製造方法では、い
ずれもCuメッキ層14a、24a、Niメッキ層14
b、24bを形成した後に加熱処理を施し、CuとNi
とが合金化した下地メッキ層14、24を形成する場合
について説明したが、CuメッキとNiメッキの順番は
どちらが先でもかまわないし、所定成分比のCu−Ni
合金を用いて下地メッキ層14、24を直接的に形成し
てもよい。
【0028】
【実施例及び比較例】以下、実施例に係るセラミック配
線基板を使用し、残留磁化量、半田ぬれ性、及びロウ付
け時における食われ現象の発生率を調査した結果につい
て説明する。
【0029】残留磁化量を調査したサンプルとしては、
図1に示したものと略同様、1辺が約20mmの略直方
体板形状のセラミック基板31上に高融点メタライズ層
33を形成する。そしてこの高融点メタライズ層33上
に厚さがt1 のCuメッキ層14a、厚さがt2 のNi
メッキ層14bを形成した後、約800℃×20分間の
加熱処理を施し、厚さtが約20μmの下地メッキ層1
4を形成したものを用いた。下地メッキ層14のNi含
有率は厚さt1 、t2 の比率により変化させた。実施例
に係るセラミック配線基板としては下地メッキ層14中
のNi含有率が25〜55%の範囲内のもの、また比較
例に係るセラミック配線基板としてはNi含有率が上記
範囲外のものを用いた。残留磁化量の調査結果を図3に
示した。
【0030】図3より明らかなように、Ni中にCuを
所定量以上含有したものでは、残留磁化量が急激に減少
した。そして実施例に係るものでは残留磁化量を1GA
USS以下に減少させることができ、表皮効果の発生を
防止することができた。さらにNi含有率を25%未満
に下げた比較例に係るものであっても、残留磁化量の大
幅な減少はみられなかった。
【0031】また、半田ぬれ性を調査したサンプルとし
ては、残留磁化量を調査したものの下地メッキ層14上
に、厚さが約1μmのAuメッキ層35を形成した後、
空気中で380℃×5分間の加熱処理を施したものを用
いた。そして直径が約0.4mmの略球形状をした半田
ボール(図示せず)をAuメッキ層35上に載せ、約2
20℃×30秒間のリフロー処理を施し、半田のリフロ
ー径を測定することにより半田ぬれ性を評価した。半田
ぬれ性の調査結果を図4に示した。
【0032】図4より明らかなように、半田のリフロー
径はNi含有率が低い比較例のものでは約1.4〜1.
8mm未満と小さいが、実施例に係るものでは約1.8
〜1.9mmに拡大させることができ、純Niの場合と
略同程度の半田ぬれ性を確保することができた。
【0033】また、食われ現象の発生率を調査したサン
プルとしては、図2に示したものと同様、厚さが約2μ
mの下地メッキ層24上にAgが約72%、Cuが約2
8%の銀ロウ材料を用い、約830℃の加熱条件化にお
いてピン57をロウ付けしたものを用いた。下地メッキ
層24は厚さがt1 のCuメッキ層14a、厚さがt2
のNiメッキ層14bを形成した後、約800℃×20
分間の加熱処理を施すことにより形成した。また下地メ
ッキ層14のNi含有率は厚さt1 、t2 の比率により
変化させた。実施例に係るセラミック配線基板としては
下地メッキ層14中のNi含有率が25〜55%の範囲
内のもの、また比較例に係るセラミック配線基板として
はNi含有率が上記範囲外のものを用いた。発生率は1
0個のピン57の中で食われ現象が観察される個数によ
り評価した。食われ現象の発生率の調査結果を下記の表
1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、Ni含有率が0
〜20%の比較例のものでは、食われ発生率が100〜
20%と高かったが、実施例のものでは食われ発生率を
0%に減少させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミック配線基板の実施の形態
(1)における製造工程を摸式的に示した断面図であ
り、(a)〜(c)は第1〜第3工程、(d)は完成状
態を示している。
【図2】実施の形態(2)に係るセラミック配線基板の
製造工程を摸式的に示した断面図であり、(a)〜
(d)は第1〜第4工程、(e)は完成状態を示してい
る。
【図3】実施例及び比較例に係るセラミック配線基板の
残留磁化量について調査した結果を示した折れ線図であ
る。
【図4】実施例及び比較例に係るセラミック配線基板に
おける半田ぬれ性について調査した結果を示した折れ線
図である。
【図5】従来の配線層を備えたセラミック配線基板を摸
式的に示した断面図である。
【図6】従来の別の配線層を備えたセラミック配線基板
を摸式的に示した断面図である。
【図7】従来の別の配線層を備えた別のセラミック配線
基板を摸式的に示した断面図である。
【符号の説明】
10 セラミック配線基板 12 配線層 14 下地メッキ層 31 セラミック基板 33 高融点メタライズ層 35 Auメッキ層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板と、高融点メタライズ
    層、下地メッキ層、及び金メッキ層を含んで構成された
    配線層とを備えたセラミック配線基板において、前記下
    地メッキ層に銅−ニッケル合金が用いられていることを
    特徴とするセラミック配線基板。
  2. 【請求項2】 前記銅−ニッケル合金中のニッケル含有
    率が25〜55%の範囲内であることを特徴とする請求
    項1記載のセラミック配線基板。
  3. 【請求項3】 セラミック基板上に高融点メタライズ層
    を形成する工程と、該高融点メタライズ層の上に所定厚
    さの銅メッキ層及びニッケルメッキ層を形成した後、5
    00〜1083℃の加熱処理を施す工程とを含むことを
    特徴とする請求項1または請求項2記載のセラミック配
    線基板の製造方法。
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