JPH11246503A - シクロヘキサン誘導体 - Google Patents

シクロヘキサン誘導体

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JPH11246503A
JPH11246503A JP10071376A JP7137698A JPH11246503A JP H11246503 A JPH11246503 A JP H11246503A JP 10071376 A JP10071376 A JP 10071376A JP 7137698 A JP7137698 A JP 7137698A JP H11246503 A JPH11246503 A JP H11246503A
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JP
Japan
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group
compound
methoxy
mmol
added
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Pending
Application number
JP10071376A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Yuri
正利 由利
Hiroshi Miyauchi
浩 宮内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd filed Critical Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Priority to JP10071376A priority Critical patent/JPH11246503A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セレクチン阻害作用を有し、炎症性疾患に対
する予防・治療剤として有用なシクロヘキサン誘導体を
提供することにある。 【解決手段】 一般式 【化1】 [式中、R1は水素原子、水酸基、またはC1−C4アル
コキシ基であり、R2は水素原子またはC1−C4アルキ
ル基であり、R3は水素原子、C1−C4アルキル基、ω
−カルボキシ(C1−C4)直鎖アルキル基、またはα−
アミノ酸の残基であり、Xは単結合またはC1−C4アル
キレン基である。Xが単結合である時、R4は−CO2
基であり、XがC1−C4アルキレン基である時、R4
−CO2H基、−SO3H基、または−OSO3H基であ
る。]で表わされるシクロヘキサン誘導体またはその薬
学上許容される塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬として有用な
シクロヘキサン誘導体に関する。本発明に係わるシクロ
ヘキサン誘導体は、セレクチン阻害作用を有し、炎症、
虚血再灌流障害、自己免疫疾患あるいは癌転移等の疾患
の治療、改善および予防を目的とする医薬組成物として
有用である。
【0002】
【従来の技術】キナ酸は、キナ皮(cinchona barks)に含
まれるアルカロイドであり、シクロヘキサン環を有す
る。植物の二次代謝物の生合成におけるシキミ酸経路に
おいて、デヒドロキナ酸と相互変換され、ケイ皮酸誘導
体の生合成に関する。しかし、キナ酸あるいはキナ酸誘
導体が、細胞接着に関与するセレクチンの作用に対して
影響するという報告は見出されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、セレ
クチン阻害作用を有し、炎症性疾患(例えば、慢性関節
リウマチ、虚血後の白血球による組織障害(再灌流障
害)、心筋梗塞、凍傷による損傷もしくはショック、全
身性炎症性反応症候群(SIRS)、好中球による急性
肺障害、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、喘息、外傷
性のショック、敗血症性ショック、多臓器不全(MO
F)、腎炎、組織の繊維化、急性および慢性の炎症性疾
患(例えばアトピー性皮膚炎、乾癬、潰瘍性大腸炎、ク
ローン病など))に対する予防・治療剤として有用な化
合物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、キナ酸か
らの誘導体である本発明のシクロヘキサン誘導体が各種
セレクチンとリガンドとの結合を阻害することを見出し
て、本発明を完成するに至った。
【0005】本発明は、一般式
【化3】 [式中、R1は水素原子、水酸基、またはC1−C4アル
コキシ基であり、R2は水素原子またはC1−C4アルキ
ル基であり、R3は水素原子、C1−C4アルキル基、ω
−カルボキシ(C1−C4)直鎖アルキル基、またはα−
アミノ酸の残基であり、Xは単結合またはC1−C4アル
キレン基である。Xが単結合である時、R4は−CO2
基であり、XがC1−C4アルキレン基である時、R4
−CO2H基、−SO3H基、または−OSO3H基であ
る。]で表わされるシクロヘキサン誘導体およびその薬
学上許容される塩、ならびにこれらを合成するために有
用な、一般式
【化4】 (式中、Pは水酸基の保護基であり、R5は水素原子、
保護された水酸基、またはC1−C4アルコキシ基であ
り、Yは水酸基またはハロゲン原子である。)で表わさ
れる化合物に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における置換基を、以下に
説明する。C1−C4アルキル基とは、炭素数1〜4から
なる直鎖状または分枝状のアルキル基である。例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはt−ブチ
ル基が挙げられる。C1−C4アルコキシ基とは、炭素数
1〜4からなる直鎖状または分枝状のアルキルオキシ基
である。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、
sec−ブトキシ基またはt−ブトキシ基が挙げられる。
【0007】ω−カルボキシ(C1−C4)直鎖アルキル
基とは、末端にカルボキシル基を有する炭素数1〜4か
らなる直鎖状のアルキル基である。例えば、カルボキシ
メチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプ
ロピル基または4−カルボキシブチル基が挙げられる。
1−C4アルキレン基とは、炭素数1〜4からなる直鎖
状の二価基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、
トリメチレン基またはテトラメチレン基が挙げられる。
【0008】R3におけるα−アミノ酸の残基とは、各
種α−アミノ酸のα−炭素上(すなわちカルボキシル基
およびアミノ基が置換している炭素上)に存在する置換
基を意味する。かかる置換基としては例えば、アラニン
におけるメチル基、バリンにおけるイソプロピル基、ロ
イシンにおけるイソブチル基、イソロイシンにおけるse
c−ブチル基、セリンにおけるヒドロキシメチル基、ト
レオニンにおける1−ヒドロキシエチル基、システイン
におけるメルカプトメチル基、メチオニンにおける2−
(メチルチオ)エチル基、アスパラギンにおけるカルバ
モイルメチル基、グルタミンにおける2−カルバモイル
エチル基、アスパラギン酸におけるカルボキシメチル
基、グルタミン酸における2−カルボキシエチル基、リ
ジンにおける4−アミノブチル基、アルギニンにおける
3−グアニジノプロピル基、フェニルアラニンにおける
ベンジル基、チロシンにおける4−ヒドロキシベンジル
基、ヒスチジンにおける(1H−イミダゾール−5−イ
ル)メチル基、トリプトファンにおける(インドール−
3−イル)メチル基、が挙げられる。
【0009】PおよびR5における水酸基の保護基とし
ては、例えばメトキシメチル基、メチルチオメチル基、
ベンジルオキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、1
−エトキシエチル基、アリル基、ベンジル基、パラメト
キシベンジル基、トリフェニルメチル基等のエーテル系
の保護基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、
トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリ
ル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェ
ニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基等のシリルエ
ーテル系の保護基、アセチル基、クロロアセチル基、ピ
バロイル基、レブロイル基、ベンゾイル基、パラニトロ
ベンゾイル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル基等の
エステル系の保護基、メトキシカルボニル基、アリルオ
キシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のカ
ルバメート系の保護基、が挙げられる。ハロゲン原子と
しては、例えば、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子
が挙げられる。
【0010】本発明のシクロヘキサン誘導体の塩として
は、例えば、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、
マグネシウム塩、カルシウム塩、等が挙げられる。ま
た、本発明のシクロヘキサン誘導体またはその薬学上許
容される塩には、それらの水和物等の溶媒和物も含まれ
る。
【0011】本発明のシクロヘキサン誘導体(1)は、
例えば以下に記載する方法によって製造することができ
る。 〔スキーム1〕
【化5】 [式中、 R1、R2、R3、X、R4、P、R5およびYは
前述と同意義を示す。R6は水素原子、C1−C4アルキ
ル基、保護されたω−カルボキシ(C1−C4)直鎖アル
キル基、または必要に応じ適宜保護されたα−アミノ酸
の残基であり、R7は−CO28基(式中、R8は水素原
子または保護基である。)、−SO39基(式中、R9
は水素原子または保護基である。)、または−OSO3
10基(式中、R10は水素原子または保護基である。)
である。]
【0012】後述の方法により得られる化合物(2)を
化合物(3)とカップリングさせることにより、化合物
(4)を得ることができる。本反応は、一般的な酸アミ
ド化反応である。例えば、日本化学会編, 第4版実験化
学講座 22, p.138-146 または p.259-271(丸善、1992
年)等に記載の方法により本反応を行うことができる。
次いで、化合物(4)上の全ての保護基を、例えば Gre
en ら著,“ProtectingGroups in Organic Synthesis (2
nd edition)”John Wiley & Sons, New York(1991) に
記載の方法により適宜脱保護することにより、本発明の
化合物(1)を得ることができる。なお、化合物(3)
は、市販品を用いるか、あるいは市販品を上述の Green
らの著書に記載の方法により適宜保護および/または
脱保護することによって入手することができる。
【0013】また、本発明のシクロヘキサン誘導体に含
まれる化合物(1a)は、例えば以下に記載する方法に
よっても製造することができる。 〔スキーム2〕
【化6】
【化7】 (式中、 R1、R2、R3、P、R5、Y、およびR6は前
述と同意義を示す。R11は水酸基の保護基であり、kは
1〜5の整数である。)
【0014】後述の方法により得られる化合物(2)と
化合物(5)とを、上述と同様の方法でカップリングさ
せることにより、化合物(6)を得ることができる。次
いで、化合物(6)の水酸基の保護基R11のみを選択的
に脱保護し、化合物(7)を得ることができる。化合物
(7)の水酸基を、例えば日本化学会編, 第4版実験化
学講座23(丸善、1991年)等に記載の方法により、直接
的にカルボン酸まで酸化するか、または一旦アルデヒド
まで酸化した後引き続きカルボン酸まで酸化することに
より、化合物(8)を得ることができる。そして最後
に、化合物(8)上の全ての保護基を、例えば Green
ら著,“Protecting Groups in Organic Synthesis (2nd
edition)”John Wiley & Sons, New York (1991) に記
載の方法により適宜脱保護することにより、本発明の化
合物(1a)を得ることができる。なお、化合物(6)
の水酸基の保護基R11のみを選択的に脱保護するため、
および各反応段階での望ましくない脱保護体の副生を抑
えるためには、本スキームの出発原料である化合物
(2)および(5)上に存在する各保護基の選択が重要
である。かかる保護基の選択の方法は、例えば上述の G
reen らの著書に記載されている。
【0015】あるいは、本発明のシクロヘキサン誘導体
の幾つか(1b)は、例えば以下に記載する方法によっ
ても製造することができる。 〔スキーム3〕
【化8】
【化9】 (式中、R1、R2、R3、R4、P、R5、Y、およびR6
は前述と同意義を示す。R12は水酸基の保護基であり、
jは1〜4の整数である。)
【0016】後述の方法により得られる化合物(2)と
化合物(9)とを、上述と同様の方法でカップリングさ
せることにより、化合物(10)を得ることができる。
次いで、化合物(10)の水酸基の保護基R12のみを選
択的に脱保護し、化合物(11)を得ることができる。
化合物(11)を例えばジメチルホルムアミド等の溶媒
中、SO3−ピリジン錯体と反応させて化合物(12)
を得ることができる。そして最後に、化合物(12)上
の全ての保護基を、例えば Green ら著,“Protecting G
roups in Organic Synthesis (2nd edition)”John Wil
ey & Sons, NewYork (1991) に記載の方法により適宜脱
保護することにより、本発明の化合物(1b)を得るこ
とができる。なお、化合物(10)の水酸基の保護基R
12のみを選択的に脱保護するため、および各反応段階で
の望ましくない脱保護体の副生を抑えるためには、本ス
キームの出発原料である化合物(2)および(9)上に
存在する各保護基の選択が重要である。かかる保護基の
選択の方法は、例えば上述の Green らの著書に記載さ
れている。
【0017】上記の各スキームで使用する原料化合物
(2)は、例えば以下に記載する方法によって製造する
ことができる。 〔スキーム4〕
【化10】 (式中、P、R5、およびYは前述と同意義を示す。R
13はカルボキシル基の保護基である。)
【0018】化合物(13)は、例えば、以下の何れか
の方法を用いることにより入手することができる。 〔1〕市販のキナ酸のカルボキシル基および4つの水酸
基の保護。 〔2〕市販のキナ酸のカルボキシル基および3つの二級
水酸基を保護した後に、三級水酸基をアルキル化。 〔3〕市販のキナ酸のカルボキシル基および3つの二級
水酸基を保護した後に、三級水酸基をハロゲン原子に置
換し、例えば水素化テトラブチル錫(Bu4SnH)等で還
元。 〔4〕市販のシキミ酸のカルボキシル基および3つの水
酸基を保護した後に、パラジウム触媒の存在下で接触水
素添加。
【0019】化合物(13)を、例えばテトラヒドロフ
ランのような溶媒中、例えば水素化リチウムアルミニウ
ムのような還元剤と反応させることにより、化合物(1
4)を得ることができる。次いで、化合物(14)を、
例えばテトラヒドロフランのような溶媒中、例えば水素
化ナトリウムのような塩基の存在下、必要に応じて例え
ばヨウ化テトラブチルアンモニウムのような相間移動触
媒の共存下に臭化アリルと反応させることにより、化合
物(15)を得ることができる。化合物(15)の水酸
基上の保護基を必要に応じて他の保護基に変換した後
に、例えば Lemieux-Johnson 酸化(例えば、Aristoff
ら, J. Am. Chem. Soc., 107, 7967-7974(1985)を参
照。)を行ってカルボン酸を得、更に必要に応じてこれ
を酸ハライドに変換することにより目的化合物(2)を
得ることができる。なお、上述の水酸基およびカルボキ
シル基の保護および水酸基保護基の交換にあたっては、
例えばGreen ら著,“Protecting Groups in Organic Sy
nthesis (2nd edition)”JohnWiley & Sons, New York
(1991) に記載の方法を用いることができる。上記いず
れの反応においても、反応温度は特に参照文献に記載の
ない限り、通常は氷冷下ないしは室温の範囲内で行い、
必要に応じ溶媒の沸点まで加熱する。反応の目的生成物
は、反応終了後、常法に従って反応混合物から採取され
る。例えば、反応の目的生成物が水溶性を有さない場合
には、反応混合物に水と混和しない有機溶媒を加え、水
洗後に溶媒を留去することによって、目的生成物を得る
ことができる。一方、反応の目的生成物が脂溶性を有さ
ない場合には、反応混合物中の溶媒を必要に応じて留去
して水に置換し、水と混和しない有機溶媒にて洗浄後に
水を留去することによって、目的生成物を得ることがで
きる。得られた化合物は、必要に応じ、常法、例えば、
再結晶、再沈澱、あるいはクロマトグラフィー等によっ
て、精製することもできる。
【0020】本発明のシクロヘキサン誘導体およびその
薬学上許容される塩のセレクチン阻害作用の評価は、セ
レクチン−リガンド間の接着を阻害する活性を評価する
ことにより実施される。例えば、E,P−セレクチンと
細胞表面にリガンドを有するHL−60細胞との接着阻
害活性を測定する方法(Glycobiology, 5, 583-588(199
5))、E,P−セレクチンとSLeXとの接着阻害活性
を測定する方法(JCI, 91, 1157-1166(1993))、L−セレ
クチンとそのリガンドであるGlyCAM-1との接着阻害活性
を測定する方法(Biochemistry, 34, 14271-14277(199
5))等が挙げられる。
【0021】本発明化合物は医薬組成物として、多くの
疾患に関連する細胞の接着を、ブロッキングまたは阻害
することができる。例えば、多くの炎症性疾患に、血管
内皮細胞および血小板上に発現されるセレクチンが関与
しており、これらを本発明化合物を含有する医薬組成物
により治療することが可能である。ここにおいて「炎
症」との用語は、特異的および非特異的な防御系の反応
を意味する。特異的防御系の反応とは、抗原に対する特
異的免疫系の反応である。特異的防御系反応の例として
は、例えばウイルスなど抗原に対しての抗体の応答、遅
延型過敏性等が挙げられる。非特異的防御系反応とは、
一般に免疫学的記憶が不可能である白血球により仲介さ
れる炎症応答である。このような細胞としては、マクロ
ファージ、好酸球および好中球等が挙げられる。非特異
的反応の例としては、蜂の刺創後の直ちの腫脹、バクテ
リアの感染部位における白血球の集積(例えば、細菌性
肺炎における肺の浸潤および膿瘍における膿の形成)等
が挙げられる。
【0022】他の治療可能な疾患としては、次のものを
挙げることができる。例えば、慢性関節リウマチ、虚血
後の白血球による組織障害(再灌流障害)、心筋梗塞、
凍傷による損傷もしくはショック、全身性炎症性反応症
候群(SIRS)、好中球による急性肺障害、成人呼吸
窮迫症候群(ARDS)、喘息、外傷性のショック、敗
血症性ショック、多臓器不全(MOF)、腎炎、組織の
繊維化、急性および慢性の炎症性疾患(例えばアトピー
性皮膚炎、乾癬、潰瘍性大腸炎、クローン病など)など
を治療することができる。血小板の関連した種々の病態
〔例えばアテローム性動脈硬化症、播種性血管内凝固症
候群(DIC)、不安定狭心症、塞栓など〕もまた、治
療することができる。更に、腫瘍の転移については、血
流を循環する癌細胞の接着を阻害することにより、阻害
または防止することができる。このような腫瘍細胞の例
としては、結腸癌および黒色腫などが挙げられる。ま
た、経皮的冠動脈形成術(PTCA)や、経皮的冠動脈
血栓溶解術(PTCR)の、術後再狭窄へも適用可能で
ある。
【0023】本発明化合物を含有する医薬組成物につい
て、化合物の投与量は、例えば、特定の化合物、投与方
法、処置する特定の病気およびその程度、患者の全体の
健康状態、および処方する医師に従い変化するのが通常
である。例えば、再灌流障害の処置のために用いる投与
量としては、体重 70 kg の患者について、1日当たり約
0.1 mg 〜 約 2,000 mg の範囲である。理想的には、
治療のための投与は、心筋梗塞または他の損傷後できる
だけ早く開始すべきである。本発明化合物を含有する医
薬組成物は、非経口的、局所的、経口的、または経皮的
に投与される。これらの医薬組成物は、予防的および/
または治療学的処置を目的として投与される。これらの
医薬組成物は、投与方法に依存して、種々の単位投与形
態で投与することができる。例えば、経口的投与に適当
な単位投与形態としては、粉末、錠剤、ピル、カプセル
剤および糖剤を挙げることができる。局所的投与に適当
な単位投与形態としては、例えば、エアゾール等が挙げ
られる。静脈内投与を行うための組成物は、本発明化合
物を、医薬として許容されうる担体、好ましくは水性担
体の中に溶解または懸濁した化合物の液からなる。水性
担体としては、例えば、水、緩衝化水、 0.4%の生理的
食塩水などを使用することができる。これらの組成物
は、普通の、よく知られた滅菌技術により滅菌するか、
あるいは濾過滅菌することができる。生ずる水溶液はそ
のまま包装するか、あるいは凍結乾燥することができ、
凍結乾燥した調製物は投与の前に無菌の水溶液と組み合
わせる。組成物は、生理学的状態に近似させるべく、医
薬として許容される補助剤、例えば、pH調節剤および緩
衝剤、張度調節剤、浸潤剤など、具体的には例えば、酢
酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレー
ト、トリエタノールアミンオレエートなどを含有させる
ことができる。
【0024】本発明化合物を含有する組成物は、予防的
および/または治療的処置のために投与される。治療的
応用において、組成物は、前述したように、病気に既に
悩まされている患者に、病気およびその合併症の症状を
治癒するか、あるいは少なくとも部分的に阻止するため
に十分な量を投与される。これを達成するために適切な
量は、「治療的有効投与量」として定義される。この使
用のために有効な量は、病気の程度および患者の体重お
よび全体的状態に依存するが、一般に、体重 70 kgの患
者について、1日当たりの本発明化合物の投与量は、約
0.1 mg 〜約 2,000 mg の範囲であり、好ましくは、体
重 70 kgの患者について、1日当たり、本発明化合物を
約 1 mg 〜約1000 mg の範囲で投与する。予防的応用に
おいて、本発明化合物を含有する組成物は、特定の病気
に感受性であるか、あるいはそうでなければその病気の
危険がある患者に投与される。このような場合の使用量
は、「予防的有効量」であると定義される。このような
使用において、正確な量は健康の患者の状態および体重
に依存するが、一般に、体重 70 kgの患者について、1
日当たりの本発明化合物の投与量は、約 0.1 mg 〜約
1,000 mg の範囲であり、好ましくは、体重 70 kgの患
者について、1日当たり、本発明化合物を約 1mg 〜約
500 mg の範囲で投与する。本発明化合物の投与に際し
ては、組成物の単一または多数の投与を実施することが
でき、投与のレベルおよびパターンは処置する医師によ
り選択される。いずれの場合においても、患者を有効に
処置するために十分な量の本発明化合物が医薬組成物と
して提供されるべきである。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ−3,
4,5−トリス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)シク
ロヘキシル)メトキシ)酢酸(16)の合成
【0026】〔実施例1−1〕 (1R,3R,4R,5R)−キナ酸メチル(17)の合成 市販の (−)−キナ酸 11.5 g(59.8 mmol)をメタノー
ル(55 ml)に溶解し、D−10−カンファースルホン
酸(700 mg, 3.01 mmol)を加えた。室温にて1日間攪
拌した後、反応液を減圧下濃縮し、化合物(17)を含
む残渣を得た(13.0 g、定量的)。1 H-NMR (270 MHz, D2O); δ3.68 (3H, s, -CO2 CH 3).
【0027】〔実施例1−2〕 メチル ((1R,3R,4R,5R)−1−ヒドロキシ−3,
4,5−トリス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)シク
ロヘキサン)−1−カルボキシレート(18)の合成 実施例1−1で得られた化合物(17)412 mg(2.00 m
mol)をジメチルホルムアミド(5 ml)に溶解し、塩化
t−ブチルジメチルシラン(3.01 g, 20.0 mmol)およ
びイミダゾール(2.04 g, 30.0 mmol)を加えた。80
℃にて7時間攪拌した後、反応液を酢酸エチルで希釈
し、水、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、濾過、減圧下濃縮した。得ら
れた残渣をシリカゲル(75 g)を用いたカラムクロマト
グラフィーにて精製し(溶出溶媒;クロロホルム/エー
テル=100/3)、化合物(18)を白色固体として得
た(505mg、収率46%)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ0.05-0.11 (18H, m, 6 x
-CH3) and 0.86-0.92 (27H, m, 9 x -CH3).
【0028】〔実施例1−3〕 メチル ((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ−3,
4,5−トリス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)シク
ロヘキサン)−1−カルボキシレート(19)の合成 実施例1−2に記載の方法にしたがって得られた化合物
(18)4.20 g(7.65mmol)をジメチルホルムアミド
(40 ml)に溶解し、水素化ナトリウム(60% assay, 51
6 mg, 12.9 mmol)を少量ずつ加えた。室温にて1時間
攪拌した後、反応混合物中にヨウ化メチル(950 ml, 1
5.3 mmol)を加えた。室温にて更に5時間攪拌した後、
反応液に塩化アンモニウム水溶液を加え、エーテルで抽
出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、濾過、減圧下濃縮し、化合物(19)
を含む残渣を得た(4.47 g)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ3.17 (3H, s, -OCH3) an
d 3.72 (3H, s, -CO2CH3).
【0029】〔実施例1−4〕 ((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ−3,4,5−ト
リス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)シクロヘキサ
ン)−1−メタノール(20)の合成 実施例1−3で得られた化合物(19)全量(4.47 g)
をテトラヒドロフラン(45 ml)に溶解し、水素化リチ
ウムアルミニウム(436 mg, 11.5 mmol)を少量ずつ加
え、室温にて1時間攪拌した。反応液をエーテルで希釈
し、飽和塩化アンモニウム水溶液を注意深く加えて反応
をクエンチした後、水を加えエーテルで抽出した。有機
層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、濾過、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲル
(120 g)を用いたカラムクロマトグラフィーにて精製
し(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=15/1)、化合
物(20)を白色固体として得た(3.44 g、化合物17
より二段階で 84%)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ2.11 (1H, dd, J=5.0 an
d 7.6 Hz, -OH), 3.58 (1H, dd, J=5.0 and 11.6 Hz) a
nd 3.70 (1H, dd, J=7.6 and 11.6 Hz).
【0030】〔実施例1−5〕 アリル ((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ−3,
4,5−トリス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)シク
ロヘキシル)メチル エーテル(21)の合成 実施例1−4に記載の方法にしたがって得られた化合物
(20)3.44 g(6.43mmol)をテトラヒドロフラン(40
ml)に溶解し、水素化ナトリウム(60% assay, 516 m
g, 12.9 mmol)を少量ずつ加えた。室温にて30分間攪
拌した後、反応混合物中に臭化アリル(1.67 ml, 19.3
mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(7.13
g, 19.3 mmol)を加えた。室温にて1日間攪拌した後、
水素化ナトリウム(60% assay, 516 mg, 12.9 mmol)お
よび臭化アリル(1.67 ml, 19.3mmol)を追加した。更
に1日間攪拌した後、反応液に塩化アンモニウム水溶液
を加え、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過、減圧下濃
縮した。得られた残渣をシリカゲル(200 g)を用いた
カラムクロマトグラフィーにて精製し(溶出溶媒;ヘキ
サン/酢酸エチル=20/1)、化合物(21)を白色固
体として得た(3.09 g、収率 84%)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ5.15 (1H, dd, J=1.7 an
d 10.5 Hz), 5.24 (1H,dd, J=1.7 and 17.2 Hz) and 5.
93 (1H, m).
【0031】〔実施例1−6〕 2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ−3,
4,5−トリス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)シク
ロヘキシル)メトキシ)酢酸(16)の合成 過ヨウ素酸ナトリウム11.5 g(53.7 mmol)を水(200 m
l)に溶解し、過マンガン酸カリウム(376 mg, 2.38 mm
ol)を加えて室温にて攪拌した。30分後、炭酸カリウ
ム(875 mg, 6.26 mmol)、t−ブタノール(50 ml)お
よび実施例1−5に記載の方法にしたがって得られた化
合物(21)(3.43 g, 5.96 mmol)をt−ブタノール
(50 ml)に溶解した溶液を順次加えた。室温にて3時
間攪拌した後、反応混合物中にエチレングリコール(20
ml)を滴下した。室温にて更に30分間攪拌した後、
反応液を酢酸エチルで希釈し、5%亜硫酸水素カリウム
水溶液を滴下して過剰の酸化剤を処理した。水を加え、
エーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ヨウ化カリウム−デ
ンプン紙で酸化剤の残存がないことを確認後、、濾過、
減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲル(100 g)
を用いたカラムクロマトグラフィーにて精製し(溶出溶
媒;ヘキサン/酢酸エチル/メタノール=10/10/
3)、化合物(16)を白色固体として得た(1.49 g、
収率 42%)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ3.59 (1H, d, J=10.2 H
z, -CH2O-), 3.79 (1H, d, J=10.2 Hz, -CH2O-) and 4.
29 (2H, s, -OCH2CO-).
【0032】実施例2 N−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリヒドロキシシクロヘキシル)メトキシ)
アセチル)−L−グルタミン酸(22)の合成 〔実施例2−1〕 N−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
シクロヘキシル)メトキシ)アセチル)−L−グルタミン
酸ジエチル(23)の合成 実施例1で得られた化合物(16)50 mg(0.084 mmo
l)をジメチルホルムアミド(1.0 ml)とジクロロメタ
ン(1.0 ml)の混合溶媒に溶解し、室温下、グルタミン
酸ジエチル・塩酸塩(30 mg, 0.13 mmol)、トリエチル
アミン(18 ml, 0.13 mmol)、1−ヒドロキシベンゾト
リアゾール(HOBt, 17 ml, 0.13 mmol)および1−(3
−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミ
ド・塩酸塩(WSC・HCl, 7.13 g, 19.3 mmol)を加え
た。室温にて14時間攪拌した後、反応液に水を加え、
酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過、減圧下濃縮し
た。得られた残渣をシリカゲル(5g)を用いたカラムク
ロマトグラフィーにて精製し(溶出溶媒;ヘキサン/酢
酸エチル=7/1)、化合物(23)を白色固体として得
た(31 mg、収率 50%)。 1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ4.62 (1H, m, -NHCH) an
d 7.73 (1H, d, J=8.2 Hz, -NH-).
【0033】〔実施例2−2〕 N−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
シクロヘキシル)メトキシ)アセチル)−L−グルタミン
酸(24)の合成 実施例2−1に記載の方法にしたがって得られた化合物
(23)29 mg(0.037mmol)をテトラヒドロフラン(0.
8 ml)に溶解し、氷冷下、水酸化リチウム水溶液(10 m
g/ml, 180 ml, 0.075 mmol)を加えた。氷冷下攪拌し、
1時間半後に水酸化リチウム水溶液(10 mg/ml, 90 ml,
0.038 mmol)、更に30分後に水酸化リチウム水溶液
(10 mg/ml, 180 ml, 0.075 mmol)を追加し、計2時間
半攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、1規定塩酸を
用いて液性を酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。有
機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、濾過、減圧下濃縮して、化合物(24)を白色固
体として得た(25 mg、収率96%)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ3.26 (3H, s, -OCH3),
4.62 (1H, m, -NHCH) and7.81 (1H, d, J=7.6 Hz, -NH
-).
【0034】〔実施例2−3〕 N−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリヒドロキシシクロヘキシル)メトキシ)
アセチル)−L−グルタミン酸(22)の合成 実施例2−2に記載の方法にしたがって得られた化合物
(24)155 mg(0.215 mmol)を90%トリフルオロ酢酸
(5.2 ml)中に加え、室温にて15分間攪拌した。反応
液を減圧下濃縮し、得られた残渣を CosmosilTM 75C18-
OPN(5 g)を用いたカラムクロマトグラフィーにて精製
し(展開溶媒;水/メタノール=95/5)、凍結乾燥し
て、化合物(22)を白色アモルファスとして得た(59
mg、収率72%)。1 H-NMR (270 MHz, D2O); δ3.20 (3H, s, -OCH3) and
4.41 (1H, dd, J=5.0 and 8.9 Hz, -NHCH).
【0035】実施例3 N−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリヒドロキシシクロヘキシル)メトキシ)
アセチル)−L−アスパラギン酸(25)の合成 〔実施例3−1〕 N−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
シクロヘキシル)メトキシ)アセチル)−L−アスパラギ
ン酸ジ−t−ブチル(26)の合成 グルタミン酸ジエチル・塩酸塩に代えてアスパラギン酸
ジ−t−ブチル・塩酸塩を用いた以外は、実施例2−1
と同様の方法によって、化合物(26)を合成した。収
率 80%。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ4.76 (1H, m, -NHCH) an
d 7.74 (1H, d, J=8.6 Hz, -NH-).
【0036】〔実施例3−2〕 N−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリヒドロキシシクロヘキシル)メトキシ)
アセチル)−L−アスパラギン酸(25)の合成 実施例3−1に記載の方法にしたがって得られた化合物
(26)239 mg(0.291 mmol)を90%トリフルオロ酢酸
(5.0 ml)中に加え、室温にて5時間攪拌した。反応液
を減圧下濃縮し、得られた残渣を CosmosilTM 75C18-OP
N(5 g)を用いたカラムクロマトグラフィーにて精製し
(展開溶媒;水/メタノール=95/5)、凍結乾燥し
て、化合物(25)を白色アモルファスとして得た(94
mg、収率89%)。1 H-NMR (270 MHz, D2O); δ3.19 (3H, s, -OCH3) and
4.78 (1H, t, J=5.6 Hz,-NHCH).
【0037】実施例4 N−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリヒドロキシシクロヘキシル)メトキシ)
アセチル)−L−アラニン(27)の合成 〔実施例4−1〕 N−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
シクロヘキシル)メトキシ)アセチル)−L−アラニン・
エチルエステル(28)の合成 グルタミン酸ジエチル・塩酸塩に代えてアラニン・エチ
ルエステル・塩酸塩を用いた以外は、実施例2−1と同
様の方法によって、化合物(28)を合成した。収率57
%。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ4.57 (1H, quint, J=7.
2 Hz, -NHCH) and 7.64(1H, d, J=7.6 Hz, -NH-).
【0038】〔実施例4−2〕 N−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
シクロヘキシル)メトキシ)アセチル)−L−グルタミン
酸(29)の合成 実施例4−1に記載の方法にしたがって得られた化合物
(28)を用い、実施例2−2と同様の方法により、化
合物(29)を合成した。定量的。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ3.22 (3H, s, -OCH3),
4.57 (1H, quint, J=7.1Hz, -NHCH) and 7.79 (1H, d,
J=6.9 Hz, -NH-).
【0039】〔実施例4−3〕 N−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリヒドロキシシクロヘキシル)メトキシ)
アセチル)−L−アラニン(27)の合成 実施例4−2に記載の方法にしたがって得られた化合物
(29)を用い、実施例2−3と同様の方法により、化
合物(27)を合成した。収率83%。1 H-NMR (270 MHz, D2O); δ3.20 (3H, s, -OCH3) and
4.38 (1H, q, J=7.2 Hz,-NHCH).
【0040】実施例5 2−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリヒドロキシシクロヘキシル)メトキシ)
アセチル)アミノエタンスルホン酸(30)の合成 〔実施例5−1〕 2−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
シクロヘキシル)メトキシ)アセチル)アミノエタンスル
ホン酸(31)の合成 実施例1で得られた化合物(16)250 mg(0.42 mmo
l)をジメチルホルムアミド(1.0 ml)に溶解し、室温
下、タウリン(58 mg, 0.46 mmol)、トリエチルアミン
(77 ml, 0.55 mmol)およびN−エトキシカルボニル−
2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ, 146 m
g, 0.59 mmol)を加えた。90℃にて2時間攪拌した
後、反応混合物中に1,2−ジクロロエタン(0.5 ml)
を加えた。90℃にて更に4時間攪拌後、反応液に水を
加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1規定塩酸水、
水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、濾過、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカ
ゲル(15 g)を用いたカラムクロマトグラフィーにて精
製し(溶出溶媒;クロロホルム/メタノール=7/1)、
化合物(31)を淡黄色固体として得た(176 mg、収率
60%)。 1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ3.23 (3H, s, -OCH3) an
d 8.09 (1H, m, -NH-).
【0041】〔実施例5−2〕 2−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリヒドロキシシクロヘキシル)メトキシ)
アセチル)アミノエタンスルホン酸(30)の合成 実施例5−1に記載の方法にしたがって得られた化合物
(31)176 mg(0.251 mmol)を90%トリフルオロ酢酸
(2.0 ml)中に加え、室温にて1時間攪拌した。反応液
を減圧下濃縮し、得られた残渣を CosmosilTM 75C18-OP
N(10 g)を用いたカラムクロマトグラフィーにて精製
し(展開溶媒;水のみ)、凍結乾燥して、化合物(3
0)を白色アモルファスとして得た(69 mg、収率77
%)。1 H-NMR (270 MHz, D2O); δ3.05 (2H, t, J=6.5 Hz, -
NHCH 2-) and 3.20 (3H,s, -OCH3).
【0042】実施例6 2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ−3,
4,5−トリアセトキシシクロヘキシル)メトキシ)酢酸
(32)の合成 〔実施例6−1〕 アリル ((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ−3,
4,5−トリアセトキシシクロヘキシル)メチル エーテ
ル(33)の合成 実施例1−5に記載の方法にしたがって得られた化合物
(21)1.15 g(2.00mmol)をテトラヒドロフラン(30
ml)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム・水
和物(2.35 g)を加えた。室温にて15時間攪拌した
後、減圧下溶媒を溜去した。得られた残渣をピリジン
(20 ml)に溶解し、無水酢酸(20 ml)および4−ジメ
チルアミノピリジンを加えた。室温にて4時間攪拌した
後、反応液を氷水中に注入し、酢酸エチルで抽出した。
有機層を1規定塩酸水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次
洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過、減圧
下濃縮し、化合物(33)を黄色油状物質として得た
(703 mg、収率 98%)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ2.02 (3H, s, -OAc), 2.
03 (3H, s, -OAc) and 2.07 (3H, s, -OAc).
【0043】〔実施例6−2〕 2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ−3,
4,5−トリアセトキシシクロヘキシル)メトキシ)酢酸
(32)の合成 実施例6−1に記載の方法にしたがって得られた化合物
(33)を用い、実施例1−6と同様の方法により、化
合物(32)を合成した。収率50%。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ3.52-3.58 (2H, m) and
4.01 (2H, s).
【0044】実施例7 2−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリヒドロキシシクロヘキシル)メトキシ)
アセチル)アミノ−1−スルホエタン(34)の合成 〔実施例7−1〕 2−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリアセトキシシクロヘキシル)メトキシ)
アセチル)アミノ−1−(レブロイルオキシ)エタン・ナ
トリウム塩(35)の合成 出発原料として実施例6−2に記載の方法にしたがって
得られた化合物(32)を用い、グルタミン酸ジエチル
・塩酸塩に代えて2−アミノ−1−(レブロイルオキシ)
エタン・塩酸塩(36)を用いた以外は、実施例2−1
と同様の方法によって、化合物(35)を合成した。収
率77%。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ2.56 (2H, t, J=6.1 H
z), 2.81 (2H, t, J=6.2 Hz) and 4.21 (2H, t, J=5.3
Hz).
【0045】〔実施例7−2〕 2−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリアセトキシシクロヘキシル)メトキシ)
アセチル)アミノ−1−ヒドロキシエタン(37)の合
成 実施例7−1に記載の方法にしたがって得られた化合物
(35)191 mg(0.369 mmol)をエタノール(15 ml)
に溶解し、ヒドラジン酢酸塩(170 mg, 1.85 mmol)を
加えた。室温にて1時間攪拌した後、減圧下溶媒を溜去
した。得られた残渣をシリカゲル(15 g)を用いたカラ
ムクロマトグラフィーにて精製し(溶出溶媒;クロロホ
ルム/メタノール=93/7)、化合物(37)を得た(1
45 mg、収率94%)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ3.26 (3H, s, -OCH3),
3.54 (2H, t, J=4.9 Hz,, -NHCH 2) and 7.17 (1H, m, -
NH-).
【0046】〔実施例7−3〕 2−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリアセトキシシクロヘキシル)メトキシ)
アセチル)アミノ−1−スルホエタン(38)の合成 実施例7−2に記載の方法にしたがって得られた化合物
(37)143 mg(0.341 mmol)をジメチルホルムアミド
(5.0 ml)に溶解し、SO3−ピリジン錯体(532 mg,
3.41 mmol)を加えた。50℃にて3時間攪拌した後、
反応液を室温に戻し、メタノール(5.0 ml)を加え、室
温にて20分間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、
残渣をメタノールに溶解後、不溶物をセライト濾過して
除いた。濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲ
ル(30 g)を用いたカラムクロマトグラフィーにて精製
し(溶出溶媒;クロロホルム/メタノール=10/3)、
化合物(38)を得た(146 mg、収率86%)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ3.25 (3H, s, -OCH3) an
d 7.27 (1H, m, -NH-).
【0047】〔実施例7−4〕 2−(2−(1−((1R,3R,4R,5R)−1−メトキシ
−3,4,5−トリヒドロキシシクロヘキシル)メトキシ)
アセチル)アミノ−1−スルホエタン・ナトリウム塩
(34)の合成 実施例7−3に記載の方法にしたがって得られた化合物
(38)144 mg(0.288 mmol)をメタノール(2.0 ml)
に溶解し、28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液
(21 ml, 0.086 mmol)を加え、室温にて2時間攪拌し
た。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を Cosmosil
TM 75C18-OPN(5 g)を用いたカラムクロマトグラフィ
ーにて精製し(展開溶媒;水のみ)、凍結乾燥して、化
合物(34)を白色アモルファスとして得た(59 mg、
収率 72%)。1 H-NMR (270 MHz, D2O); δ3.22 (3H, s, -OCH3) and
4.08 (2H, t, J=5.3 Hz,-CH 2OSO3-).
【0048】参考例1 2−アミノ−1−(レブロイルオキシ)エタン・塩酸塩
(36)の合成 〔参考例1−1〕 2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(レブ
ロイルオキシ)エタン(39)の合成 市販の2−アミノエタノール 600 mg(9.94 mmol)をジ
クロロメタン(30 ml)に溶解し、ジ−t−ブチルジカ
ーボネート(2.54 ml)を加えた。室温にて2時間攪拌
した後、反応液を減圧下濃縮した。残渣をピリジン(10
ml)に溶解し、レブリン酸無水物(4.28 g)を加え、
室温にて1時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸
エチルで抽出し、有機層を1規定塩酸水、飽和重曹水、
飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、濾過、減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲル
(150 g)を用いたカラムクロマトグラフィーにて精製
して(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=2/1)、化合
物(39)を白色固体として得た(2.90 g、定量的)。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3); δ1.45 (9H, s, -tBu), 3.
38 (2H, m, -CH2N-) and4.14 (2H, t, J=5.8 Hz, -CH2O
-).
【0049】〔参考例1−2〕 2−アミノ−1−(レブロイルオキシ)エタン・塩酸塩
(36)の合成 参考例1−1に記載の方法にしたがって得られた化合物
(39)1.16 g(4.00mmol)をジオキサン(5.0 ml)に
溶解し、1規定塩酸−ジオキサン溶液(5.0 ml, 20 mmo
l)を加えた。室温にて5時間攪拌した後、反応液中に
エーテルを加え、析出晶を濾取した。濾上物を酢酸エチ
ルで洗浄後、減圧下乾燥して、化合物(36)を白色固
体として得た(587 mg、収率 75%)。1 H-NMR (270 MHz, CD3OD); δ3.24 (2H, t, J=5.8 Hz,
-CH2N-) and 4.32 (2H,t, J=5.1 Hz, -CH2O-).
【0050】上述の実施例1〜7および参考例1に示し
た化合物のうち、化合物(16)、(21)〜(3
5)、(37)〜(38)の構造式を、以下に示す。
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 [式中、R1は水素原子、水酸基、またはC1−C4アル
    コキシ基であり、R2は水素原子またはC1−C4アルキ
    ル基であり、R3は水素原子、C1−C4アルキル基、ω
    −カルボキシ(C1−C4)直鎖アルキル基、またはα−
    アミノ酸の残基であり、Xは単結合またはC1−C4アル
    キレン基である。Xが単結合である時、R4は−CO2
    基であり、XがC1−C4アルキレン基である時、R4
    −CO2H基、−SO3H基、または−OSO3H基であ
    る。]で表わされるシクロヘキサン誘導体またはその薬
    学上許容される塩。
  2. 【請求項2】 R1が水素原子である請求項1記載のシ
    クロヘキサン誘導体またはその薬学上許容される塩。
  3. 【請求項3】 R1が水酸基である請求項1記載のシク
    ロヘキサン誘導体またはその薬学上許容される塩。
  4. 【請求項4】 R1がC1−C4アルコキシ基である請求
    項1記載のシクロヘキサン誘導体またはその薬学上許容
    される塩。
  5. 【請求項5】 Xが単結合であり、R4が−CO2H基で
    ある請求項1ないし4いずれか1項記載のシクロヘキサ
    ン誘導体またはその薬学上許容される塩。
  6. 【請求項6】 R3が水素原子であり、XがC1−C4
    ルキレン基である請求項1ないし4いずれか1項記載の
    シクロヘキサン誘導体またはその薬学上許容される塩。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のシクロヘキサン誘導体ま
    たはその薬学上許容される塩を有効成分とする医薬組成
    物。
  8. 【請求項8】 一般式 【化2】 (式中、Pは水酸基の保護基であり、R5は水素原子、
    保護された水酸基、またはC1−C4アルコキシ基であ
    り、Yは水酸基またはハロゲン原子である。)で表わさ
    れる化合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013518841A (ja) * 2010-02-03 2013-05-23 ミフェニオン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 増殖及びタンパク質合成の細胞内ターゲッティングのためのポリアニオン性多価高分子

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