JPH11243658A - 液冷式オルタネータ - Google Patents

液冷式オルタネータ

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JPH11243658A
JPH11243658A JP3999598A JP3999598A JPH11243658A JP H11243658 A JPH11243658 A JP H11243658A JP 3999598 A JP3999598 A JP 3999598A JP 3999598 A JP3999598 A JP 3999598A JP H11243658 A JPH11243658 A JP H11243658A
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JP
Japan
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heat
rotor
liquid
stator
field coil
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Withdrawn
Application number
JP3999598A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Innami
敏之 印南
Shingo Yokoyama
真吾 横山
Atsushi Suzuki
敦 鈴木
Yoshiaki Honda
義明 本田
Masami Takano
雅美 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】界磁コイルの冷却を回転ディスクと固定ディス
クからなる熱経路に設けることにより高出力,小型,低
騒音な液冷式オルタネータを提供することである。 【解決手段】界磁コイル6で発生した熱は回転子21,
回転ディスク19a,19b,固定ディスク20a,2
0b,前ブラケット9,後ブラケット18,冷媒の順に
伝達される熱経路を作ることができ、界磁コイル6の熱
は冷媒へ放熱される。また固定子コイル8で発生した熱
は、固定子鉄心7,ハウジング10を介して、冷媒に放
熱される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの車両
に搭載されるオルタネータに関し、特に液冷式冷却方法
にかかわる。
【0002】
【従来の技術】オルタネータは、外部からの電流がブラ
シおよびスリップリングを介して界磁コイルに流れるこ
とによって励磁される回転子と、回転子を囲うように設
けられ、固定子コイルが巻装された円筒状の固定子と、
軸受を介して回転子を回転可能に支持し、また回転子と
一定の相対位置関係をもって固定子を支持するブラケッ
トと、発電量調整のため、励磁電圧を調整する電圧調整
器と、固定子コイルに誘起された交流電圧を直流電圧に
変換する整流器とより構成される。
【0003】界磁コイルによって励磁された回転子が、
エンジンの駆動力により、固定子の中を回転すると、固
定子コイルに誘導起電力が発生する。誘起された交流電
圧は、整流器により、直流電圧に変換され、車両に供給
される。回転子の励磁電圧は、電圧調整器により調整さ
れ、車両の電気負荷の変化に対応して、発電量が調整さ
れる仕組みとなっている。
【0004】オルタネータには次のようなことが要求さ
れている。第一に、車両の電気負荷の増大に対応するた
め、オルタネータには高出力化,小型化が要求されてい
る。第二に、オルタネータ自体が発生する騒音の低減が
要求されている。
【0005】界磁コイル,固定子,電圧調整器,整流器
は運転中発熱をともなうが、それぞれは、その機能を維
持するために、一定温度以下に保たれる必要がある。従
来のほとんどのオルタネータは、冷却風によって各部の
冷却を行っている空冷方式である。オルタネータの高出
力化をすれば、固定子,電圧調整器,整流器などの発熱
量が増大する。また、高出力化,小型化のためには、回
転子の磁極間に、磁性材料をはめ込むなどの構造変更が
必要である。
【0006】そうすれば、固定子の内側、すなわち、回
転子の磁極間の、軸方向の冷却風流れをつくることが困
難となるため、固定子の放熱が妨げられることになる。
さらに、小型化をすすめると、放熱面積が減少し、各部
の温度が上昇し易くなる。このため、各部の冷却性能を
向上させることが必要とされている。
【0007】冷却性能の向上には、現在空気の流れを用
いているために冷却風流量の増大があげられる。そのた
め回転子と同期する大型のファンもしくは複数のファン
が取り付けられ、前記ファンによって起こる冷却風の流
れによって、界磁コイル,固定子,電圧調整器,整流器
などを冷却している。
【0008】それとは別に冷媒によってオルタネータの
冷却性能を向上する方法がある。冷媒を用いることによ
り、空冷方式で用いられるファンは必要なく、騒音低減
には大きな効果がある。
【0009】冷媒の一つとしてエンジンの冷却水を用い
る方法がある。オルタネータの水冷方式の従来技術とし
ては、特開平4−67429号公報が挙げられる。この技術で
は、界磁コイルを回転子中に配置せず、固定された界磁
コイルと、界磁コイルとエアギャップを持った回転子
と、前記回転子と更にエアギャップを持った固定子コイ
ルとで形成されるブラシレス型のオルタネータであっ
て、固定子コイルが巻装されている固定子の外周部に冷
却水流路を設けるとともに、界磁コイル,電圧調整器,
整流器を冷却水で冷却している。
【0010】また、回転電機における回転子の冷却手段
の従来技術として、特開平9−9561号公報が挙げられ
る。この従来技術はモータ等の回転電機において、回転
子の軸方向両端に冷却ディスクを設け、回転子を冷却し
ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には、以下のような課題が残されている。空冷方
式では、基本的にはファンの流量増大に頼らざるを得な
い。しかしファンの大型化による冷却風流量の増大は直
接騒音の増大につながる。
【0012】ファンの大型化をせずに冷却性能を向上さ
せるためには液冷化が効果がある。しかし特開平4−674
29号公報では、冷却水によって冷却を行うので、ファン
自体が存在せず、騒音低減には大きな効果がある。しか
し、ブラシレス型のため界磁コイルは固定されていて回
転しないので容易に冷却面に接触できる反面、界磁コイ
ル−回転子鉄心間および回転子鉄心−固定子間と2つの
エアギャップが存在するために、発電効率が悪く、大型
となる欠点がある。
【0013】また、特開平9−9561 号公報では、回転子
には外部から電流が供給されておらず回転子自体の発熱
量は小さいため回転子を冷却する効果は小さい。
【0014】モータと異なり、発電機であるオルタネー
タにおいて、界磁コイルを回転子鉄心に巻装し、ブラ
シ,スリップリングから電流を供給させれば上記のよう
な効率低下,大型化の問題は起こらないが、界磁コイル
自体の発熱および固定子コイルからエアギャップを開し
ての熱侵入により界磁コイルが熱を持つ。そのとき界磁
コイルの温度上昇による界磁コイルの抵抗値の増大が生
じ、界磁電流が流れにくくなり十分な界磁ができないの
で発電量が低下する。そのためオルタネータでは界磁コ
イルから発生する熱および固定子コイルからの熱侵入に
対する回転子の冷却が必要となる。
【0015】本発明の目的は、このような問題を解決す
るために、固定子の外周部を冷媒流路を持ったハウジン
グで囲い、冷媒流路を流れる冷媒で冷却することによっ
て、ファンを取り除き低騒音化を図る。さらに、界磁コ
イルの界磁電流はブラシ,スリップリングを介して供給
し、界磁コイルを冷却することで高出力,小型,低騒音
な液冷式オルタネータを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明では、車両の機関
により回転されるプーリと、前記プーリと一体となって
回転する回転軸と、前記回転軸に固着され、回転子を励
磁する界磁コイルが巻装されている回転子と、前記回転
子の界磁コイルに電流を供給するブラシおよびスリップ
リングと、前記回転子を囲い固定子コイルが巻装された
略円筒形状の固定子と、前記固定子コイルからの出力電
流を整流する整流器と、出力電圧を調整する電圧調整器
と、前記固定子外周に冷媒流路を備えたハウジングと、
前記ハウジング、もしくは前記ハウジングと篏合し回転
子を軸受で支持するブラケットによって構成される液冷
式オルタネータにおいて、前記回転子に複数の同心円状
の略凹凸部を有した回転ディスクを備え、前記ディスク
とエアギャップをもって噛合う複数の同心円状の略凹凸
部を有した固定ディスクがブラケットに固着され、回転
子の界磁コイルで発生した熱を回転ディスクから固定デ
ィスクを介して冷媒に放熱する熱経路を持つ構造とす
る。
【0017】さらに、前記固定子コイルは熱伝導材によ
ってモールドされ前記ハウジングの冷却面と接触し、固
定子コイルで発生した熱が前記熱伝導体のモールド層を
介してハウジング内を流れる冷媒に放熱される熱経路を
持つとともに、界磁コイルで発生した熱が回転ディスク
から固定ディスクを介する熱経路を持つ構造としてい
る。
【0018】さらに、前記固定ディスクと前記整流器と
の間に配置されるブラケットには冷媒流路が構成されて
いて、前記固定ディスクと整流器間に前記冷媒流路が介
在することを特徴とする液冷式オルタネータである。
【0019】さらに、前記固定子コイルをモールドして
いる良熱伝導材の表面と、回転子及び回転ディスク,固
定ディスクとの間に断熱材が存在する構造としている。
【0020】さらに、前記回転ディスクおよび固定ディ
スクは焼結金属によって成形される。
【0021】さらに、前記固定ディスクは、回転軸を支
えるブラケットと一体となっており、アルミダイキャス
トによって成形される。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施例であ
る液冷式オルタネータの構成を示す縦断面図である。
【0023】まず、本発明の第1の実施例である液冷式
オルタネータの構成を図1を用いて説明する。本発明は
冷媒としては水,油等、さまざまな冷媒を用いることが
できるが、以下実施例ではエンジン冷却水を冷媒として
用いている。
【0024】図1において、1は回転軸でプーリ2,回
転子磁極鉄心3,回転子鉄心4,スリップリング5a,
5bが固着されている。回転子鉄心4の周りには界磁コ
イル6が巻装される。回転子磁極鉄心3,回転子鉄心
4、および界磁コイル6から回転子21が構成される。
界磁コイル6にはスリップリング5a,5bが電気的に
つながっており、スリップリング5a,5bにはそれぞ
れブラシ13a,13bが回転自由に接触している。
【0025】回転子21の外周にはあるエアギャップを
持って固定子鉄心7が配置されており、固定子鉄心7に
は固定子コイル8が巻装されており、固定子鉄心7より
はみ出た部分(以下コイルエンドと呼ぶ。)8a,8b
が存在する。
【0026】固定子鉄心7の外周にはハウジング10が
配置されており、ハウジング10内には、冷却水流路1
7が存在する。固定子鉄心7はハウジング10に圧入さ
れ、固定子鉄心7外周部とハウジング10内周部とは接
触している。
【0027】固定子鉄心7が支持されたハウジング10
は、前ブラケット9と後ブラケット18によって篏合支
持される。また、前ブラケット9に設けられた前軸受1
1と、後ブラケット18に設けられた後軸受12とによ
り、回転軸1は回転可能な状態に支持される構成となっ
ている。
【0028】回転子21の軸方向両サイドには、複数の
凹凸部を有し、前記凹凸部が回転軸1の軸心と同心円状
に配置されている円版(以下回転デイスクと呼ぶ)19
a,19bが存在する。回転ディスク19a,19bの
凹凸部と反対の面は、回転子21の軸方向両サイドの面
と接触するように固定されており、界磁コイル6で発生
した熱が冷却ディスク19a,19bに達するような熱
経路となっている。
【0029】回転ディスク19a,19bの略凹凸部
が、あるエアギャップを介して固定ディスク20a,2
0bの略凹凸部が噛合うように配置される。また固定デ
ィスク20a,20bは前ブラケット9および後ブラケ
ット18の内面と接触するように固着している。図2に
示すように固定ディスク20a,20bにも回転ディス
ク19a,19bと同様に回転軸1と同心円状の略凹凸
部を持ち、回転ディスク19a,19bの凹部と固定デ
ィスク20a,20bの凸部が、回転ディスク19a,
19bの凸部と固定ディスク20a,20bの凹部がそ
れぞれ軸方向および半径方向にあるエアギャップを保っ
て噛合っている。
【0030】そのため、回転軸1が回転したときに回転
子21は一体となって回転し、回転ディスク19a,1
9bも同様に回転するが、この時に回転ディスク19
a,19bの凹凸部は固定ディスク20a,20bとあ
るエアギャップを保ちながら回転するので、固定ディス
ク20a,20bと接触せずに回転できる。
【0031】オルタネータの整流器14と固定ディスク
20bとの間には後ブラケット18に設けられた冷却水
流路が存在し、整流器14で発生した熱が固定ディスク
20bに影響を与えないようになっている。
【0032】次に動作について説明する。
【0033】エンジン(図示せず)が起動を始めると、
車両から冷却水が供給されると共に、回転軸1が回転す
る。バッテリ(図示せず)の充電量が不足すると、発電を
開始し、ブラシ13a,13b及びスリップリング5
a,5bを介して界磁コイル6に励磁電圧が供給され、
回転子磁極鉄心3が励磁される。エンジンからの駆動力
がプーリ2を介して回転軸1に伝達されているので、回
転子磁極鉄心3が、固定子コイル8の中で回転する。す
ると固定子コイル8をよぎる磁束が変化するため、固定
子コイル8には誘導起電力が発生する。発生する電流は
交流であるから、整流器14により直流に変換され車両
に供給される。車両の電気負荷の大きさに応じて、電圧
調整器15がはたらき、界磁コイル6に供給される励磁
電圧が調整され、適切な発電量が保たれる。
【0034】発電中、界磁コイル6,固定子コイル8,
整流器14,電圧調整器15は運転中発熱をともなう
が、それらは、その機能を維持するために、一定温度以
下に保たれる必要がある。
【0035】発電中に出力を十分に出すためには界磁電
流を十分流さなくてはならない。しかし界磁コイル6に
電流を流すと、界磁コイル6の内部抵抗によって界磁コ
イル6自体が発熱する。界磁コイル6が発熱し温度が上
昇すると、界磁コイル6の内部抵抗はさらに増大し、十
分な界磁が行われず、出力を得られないため、界磁コイ
ルの冷却は重要である。
【0036】上記のような構成とすることによって、界
磁コイル6で発生した熱は回転子21,回転ディスク1
9a,19b,固定ディスク20a,20b,前ブラケ
ット9,後ブラケット18,冷却水の順に伝達される熱
経路を作ることができ、界磁コイル6の熱は冷却水へ放
熱される。
【0037】以下に、本発明の第2の実施例を図面を用
いて説明する。
【0038】図3は第1の実施例における各部の熱の流
れを簡単にモデル化した熱回路網である。いま、固定子
コイル8と固定子鉄心7の間の熱抵抗をR1とし、固定
子鉄心7とハウジング10間の熱抵抗をR2,ハウジン
グ10と冷却水との間の熱抵抗をR3としている。また
回転子21側では、界磁コイル6と回転ディスク19間
の熱抵抗をR4,回転ディスク19と固定ディスク20
間の熱抵抗をR5,固定ディスク20と冷却水との間の
熱抵抗をR6とする。
【0039】また、固定子鉄心7と界磁コイル6間には
エアギャップによる熱抵抗Rgが存在する。固定子コイ
ル8には発熱量Q1が、界磁コイルには発熱量Q2が与
えられる。オルタネータでは界磁コイル6の発熱量Q2
が数十ワットに対して、固定子コイル8の発熱量Q1は
1キロワットを超えるので、発熱量としては固定子コイ
ル8で発生する発熱量Q1の方が10倍以上大きい。
【0040】そのため固定子鉄心7から回転子磁極鉄心
3を介して界磁コイル6に熱侵入Q1′が起こり、回転
ディスク19,固定ディスク20、冷却水の熱経路で構
成される冷却能力以上の熱量Q2+Q1′が界磁コイル
6に加わるため、界磁コイル6の温度が上昇してしまう
可能性がある。
【0041】図4は本発明の第2の実施例における液冷
式オルタネータの部分断面図である。図4に示すよう
に、固定子コイル8のコイルエンド部8a,8bとハウ
ジング10の間に良熱伝導材によるモールド層22を介
在させることにより、図5に示す熱回路網のように固定
子鉄心7とハウジング10間の熱抵抗R2と並列にモー
ルド層22の熱抵抗Rmを挿入することができ、固定子
コイル8から冷却水への熱抵抗を減らすことができる。
【0042】空気(温度110℃)の熱伝導率は、約
0.03(W/m・K)であり、固定子コイル8−ハウジ
ング10間にモールド層22がなければ、ほぼ断熱とい
える。本実施例では固定子コイル8−ハウジング10間
をモールドする良熱伝導体として、熱硬化性のシリコン
ゴム(熱伝導率1.88(W/m・K)程度)を用いてモ
ールド層22を形成している。モールド層22を形成す
る良熱伝導材は、固定子コイル8の発熱量によって選定
すべきであり、発熱量が小さければ、ナイロン樹脂(熱
伝導率0.2(W/m・K)程度)を用いても良い。ま
た、発熱量が大きければPPS樹脂にアルミナ粉を混入
したもの(熱伝導率3.0(W/m・K)程度)を用いても
良い。
【0043】以上のような構成をとることにより、界磁
コイル6への熱侵入量Q1″は図3における熱侵入量Q
1′と比較してが小さくでき、界磁コイル6の冷却を良
好に行うことができる。
【0044】次に本発明の第3に実施例を示す。
【0045】前述したように、界磁コイル6の冷却がオ
ルタネータの発電能力の重要な要因となる。第2の実施
例では、固定子コイル8と冷却水への熱抵抗を減らすこ
とにより、界磁コイル6への熱侵入を防ぐ手法を示した
が、第3の実施例では固定子鉄心7と界磁コイル6との
間の熱抵抗を増大させ、固定子鉄心7から界磁コイル6
への熱侵入を妨げる手法を記述する。
【0046】図6,図7は本発明の第3の実施例におけ
る液冷式オルタネータの部分断面図である。
【0047】図6では第1の実施例の構成で、固定子鉄
心7の内周面と回転子21の外周面との間に、断熱材2
3を挿入している。このような構成とすることで、図3
の熱回路網における固定子鉄心7と界磁コイル6との間
の熱抵抗値を、エアギャップの熱抵抗Rgから、エアギ
ャップの熱抵抗値Rg+断熱材の熱抵抗値Rsに増大す
ることができ、固定子鉄心7から回転子21への熱侵入
Q1′を低減することができ、界磁コイル6の冷却を良
好に行うことができる。
【0048】この時断熱材23は固定子鉄心7内周面,
回転子21外周面のどちらか一方でも良いし、両方でも
良い。また、図7では第3の実施例の構成で、固定子コ
イル8のコイルエンド部8a,8bにモールドされてい
るモールド層16a,16bの内周面にも断熱材を配置
した例である。
【0049】以上のように本発明における液冷式オルタ
ネータは構成される。このときハウジング10と前ブラ
ケット9が一体となっていても良い。またハウジング1
0と後ブラケット18が一体となっていても良い。また
前ブラケットと固定ディスク20aが一体となっていて
も良く、後ブラケット18と固定ディスク20bが一体
となっていても良い。また、固定子21と回転ディスク
19a,19bが一体となっていても良い。
【0050】前ブラケット9と固定ディスク20a,後
ブラケット18と20bが別体のときは、固定ディスク
20a,20bは焼結金属で製作しても良い。また前ブ
ラケット9と固定ディスク20a,後ブラケット18と
20bが一体のときは、アルミダイキャストで一体成形
しても良い。
【0051】
【発明の効果】本発明では、以下のような効果が得られ
る。
【0052】オルタネータの液冷化を図ることにより、
ファンを省くことができ、低騒音化を図ることができ
る。
【0053】同時に、回転子に回転ディスクおよび固定
ディスクからなる熱経路を設けることにより、ブラシ,
スリップリングによって通電できる界磁コイルの冷却を
良好とし、高出力,高効率を図ることができる。
【0054】さらに、固定子コイルのコイルエンド部を
良熱伝導体によってモールドすることによって、界磁コ
イルへの熱侵入を防ぎ、高出力,高効率を図ることがで
きる。
【0055】また、固定子鉄心と回転子の間に断熱材を
介在させることにより、界磁コイルへの熱侵入を防ぎ、
高出力,高効率を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液冷式オルタネータの第1の実施例を
示す縦断面図である。
【図2】(a)及び(b)は本発明の第1の実施例のう
ち回転ディスクと固定ディスクの位置関係を示した断面
及び拡大部分断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例の熱回路網を示す回路図
である。
【図4】本発明の液冷式オルタネータの第2の実施例に
おける部分断面図である。
【図5】本発明の液冷式オルタネータの第2の実施例の
熱回路網を示す回路図である。
【図6】本発明の第3の実施例における液冷式オルタネ
ータの部分断面図である。
【図7】本発明の第3の実施例における液冷式オルタネ
ータの部分断面図である。
【符号の説明】
1…回転軸、2…プーリ、3…回転子磁極鉄心、4…回
転子鉄心、5a,5b…スリップリング、6…回転子コ
イル、7…固定子鉄心、8…固定子コイル、9…前ブラ
ケット、10…ハウジング、11…前軸受、12…後軸
受、13a,13b…ブラシ、14…整流器、15…電
圧調整器、16,16a,16b…モールド層、17…
後ブラケット内冷却水流路、18…後ブラケット、1
9,19a,19b…回転ディスク、20,20a,20
b…固定ディスク、21…回転子、22…モールド層、
23…断熱材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 義明 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 高野 雅美 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の機関により回転されるプーリと、前
    記プーリと一体となって回転する回転軸と、前記回転軸
    に固着され、回転子を励磁する界磁コイルが巻装されて
    いる回転子と、前記回転子の界磁コイルに電流を供給す
    るブラシおよびスリップリングと、前記回転子を囲い固
    定子コイルが巻装された略円筒形状の固定子と、前記固
    定子コイルからの出力電流を整流する整流器と、出力電
    圧を調整する電圧調整器と、前記固定子外周に冷媒流路
    を備えたハウジングと、前記ハウジング、もしくは前記
    ハウジングと篏合し回転子を軸受で支持するブラケット
    によって構成される液冷式オルタネータにおいて、 前記回転子に複数の同心円状の略凹凸部を有した回転デ
    ィスクを備え、前記ディスクとエアギャップをもって噛
    合う複数の同心円状の略凹凸部を有した固定ディスクが
    ブラケットに固着され、回転子の界磁コイルで発生した
    熱を回転ディスクから固定ディスクを介して冷媒に放熱
    する熱経路を持つことを特徴とする液冷式オルタネー
    タ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の液冷式オルタネータにおい
    て、 前記固定子コイルは熱伝導材によってモールドされ前記
    ハウジングの冷却面と接触し、固定子コイルで発生した
    熱が前記熱伝導体のモールド層を介してハウジング内を
    流れる冷媒に放熱される熱経路を持つとともに、界磁コ
    イルで発生した熱が回転ディスクから固定ディスクを介
    する熱経路を持つことを特徴とする液冷式オルタネー
    タ。
  3. 【請求項3】請求項1記載の液冷式オルタネータにおい
    て、 前記固定ディスクと前記整流器との間に配置されるブラ
    ケットには冷媒流路が構成されていて、前記固定ディス
    クと整流器間に前記冷媒流路が介在することを特徴とす
    る液冷式オルタネータ。
  4. 【請求項4】請求項2記載の液冷式オルタネータにおい
    て、 前記固定子コイルをモールドしている熱伝導材の表面
    と、回転子及び回転ディスク,固定ディスクとの間に断
    熱材が存在することを特徴とする液冷式オルタネータ。
  5. 【請求項5】請求項1記載の液冷式オルタネータにおい
    て、 前記回転ディスクおよび冷却ディスクは焼結金属によっ
    て成形されることを特徴とした液冷式オルタネータ。
  6. 【請求項6】請求項1記載の液冷式オルタネータにおい
    て、 前記固定ディスクは、回転軸を支えるブラケットと一体
    となっており、アルミダイキャストによって成形される
    ことを特徴とする液冷式オルタネータ。
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