JPH0937519A - 車両用交流発電機 - Google Patents

車両用交流発電機

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Publication number
JPH0937519A
JPH0937519A JP18546095A JP18546095A JPH0937519A JP H0937519 A JPH0937519 A JP H0937519A JP 18546095 A JP18546095 A JP 18546095A JP 18546095 A JP18546095 A JP 18546095A JP H0937519 A JPH0937519 A JP H0937519A
Authority
JP
Japan
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fan
cooling
rotor
vehicle
bracket
Prior art date
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Pending
Application number
JP18546095A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyuki Maekawa
典幸 前川
Hiroichi Miyata
弘市 宮田
Kenji Takahashi
研二 高橋
Yoshiaki Honda
義明 本田
Sakae Ishida
栄 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)
  • Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】コスト高騰を招くことなく、冷却風量を増加さ
せ、低回転時においても十分な冷却性能を確保できる車
両用交流発電機を提供する。 【構成】車両用交流発電機100は、回転軸1の前ブラ
ケット9から突出した部分に固着された冷却用の第1前
ファン16と;回転子50の前ブラケット9側端面に固
着された第2前ファン17と;回転子50の後ブラケッ
ト10側端面に固着された後ファン18とを有する。遠
心ファンである第1前ファン16は、回転軸1の中心側
から半径方向外側へ向かう冷却風の流れF03及びF0
4をつくる。軸流ファンである第2前ファン17は、後
ブラケット10側から前ブラケット9側へ向かう冷却風
の流れF01及びF02をつくる。このとき、第2前フ
ァン17の入り口側にできる負圧により、前ブラケット
9の外側から内側へ向かう冷却風のながれF05及びF
06をつくる。遠心ファンである後ファン18は、回転
軸1の中心側から半径方向外側へ向かう風の流れF07
及びF08をつくる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車などの車両に搭
載される車両用交流発電機に係わり、特に、冷却用の冷
却ファンを搭載した車両用交流発電機に関する。
【0002】
【産業上の利用分野】一般に、この種の車両用交流発電
機は、蓄電池から電源を供給される励磁コイルで励磁さ
れる回転子と、回転子を囲うように設けられ、固定子コ
イルが巻装される円筒状の固定子と、軸受けを介し回転
子を回転可能に支持し、かつ回転子と一定の相対位置関
係をもって固定子を支持する前ブラケット及び後ブラケ
ットと、発電量調整のために励磁電圧を調整する電圧調
整器と、固定子コイルに誘起された交流電圧を直流電圧
に変換する整流器等により構成される。そして、エンジ
ンの駆動力により、励磁された回転子が固定子の中を回
転すると、固定子コイルに誘導起電力が発生する。誘起
された交流電圧は、整流器によって直流電圧に変換さ
れ、車両に供給される。なおこのとき、回転子の励磁電
圧は予め電圧調整器により調整されており、これによ
り、車両の電気負荷の変化に対応し発電量が調整され
る。このような運転中においては、固定子・電圧調整器
・整流器等で発熱をともなうが、これらはその機能を維
持するために一定温度以下に保たれる必要がある。よっ
て、これらを冷却する機構が必要となる。
【0003】冷却用の冷却ファンを搭載した車両用交流
発電機の公知技術として、例えば以下のものがある。 特公昭59−42546号公報 この公知技術は、前ブラケット・後ブラケット間の回転
軸に、半径方向及び軸方向の両方に送風する機能を備え
た1つの混流ファン及び1つの遠心ファンを固着するこ
とにより、小型冷却ファンでバランス良く発電機内部を
冷却するものである。 特開昭58−39240号公報 特開昭58−39241号公報 特開昭58−39242号公報 これらの公知技術は、発電機の回転軸にこれと一体とな
って回転する誘導子を設けるとともに、この誘導子と対
向する位置に、発電機冷却用ファンと一体となって回転
する被誘導子を設ける。そして、発電機の交流出力で誘
導子を付勢することにより、発電機の回転軸よりも速い
回転速度でファンを回転させ、冷却風量を増加させるも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、出力増大の要請
にともなって発電機における発熱量も大きくなる傾向に
あり、よって、冷却ファンの発生する冷却風量を増加さ
せ、各部の冷却性能を向上させる必要が生じている。
【0005】しかしながら、公知技術は、発電機内の
冷却風バランスは適正になるものの、全体的な風量が十
分でなく、特に低回転時(例えば約3000rpm)に
おける風量が不足する。また、混流ファンは、遠心ファ
ンの機能と軸流ファンの機能とを併せもつので、構造が
複雑となってコストアップの要因となる。
【0006】また、公知技術においては、発電機の回
転軸よりも速い回転速度でファンを回転させる2つの誘
導ファンを用いることから、上記のような風量不足の
問題は生じない。しかしながら、コイルを伴った誘導子
・被誘導子、誘導子を付勢するための電気配線、及び、
冷却ファンを発電機の回転軸に対して相対回転可能に支
持する軸受け等が必要となるので、部品コストが高くな
る。そしてこれに対応して、コイルの巻き線工程、誘導
子・被誘導子の組み付け工程、及び、軸受けの装着工程
等が必要となって、工程も増大する。したがって、生産
コストが高騰する。
【0007】本発明の目的は、コスト高騰を招くことな
く、冷却風量を増加させ、低回転時においても十分な冷
却性能を確保できる車両用交流発電機を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、車両の機関により回転される回転
軸に固着され、励磁コイルにより励磁される回転子と;
この回転子の外周に設けられ、固定子コイルが巻装され
た固定子と;軸受けを介し前記回転軸をそれぞれ支持す
る前ブラケット及び後ブラケットと;前記回転軸の、前
記前ブラケット及び後ブラケットのうちいずれか一方か
ら突出した部分に連結された第1の冷却用ファンと;を
有する車両用交流発電機において、前記回転軸にそれぞ
れ連結されるとともに、前ブラケットと後ブラケットの
間にそれぞれ配置される第2及び第3の冷却用ファンを
有することを特徴とする車両用交流発電機が提供され
る。
【0009】好ましくは、前記車両用交流発電機におい
て、前記第2及び第3の冷却用ファンのうち、第2の冷
却用ファンは前記回転子の前記前ブラケット側端面に固
着され、第3の冷却用ファンは前記回転子の前記後ブラ
ケット側端面に固着されていることを特徴とする車両用
交流発電機が提供される。
【0010】さらに好ましくは、前記車両用交流発電機
において、前記第1〜第3の冷却用ファンのそれぞれ
は、遠心ファン及び軸流ファンのいずれか一方であるこ
とを特徴とする車両用交流発電機が提供される。
【0011】さらに好ましくは、前記車両用交流発電機
において、前記第1〜第3の冷却用ファンのうち、いず
れか1つのファンが軸流ファンであり、他の2つのファ
ンが遠心ファンであることを特徴とする車両用交流発電
機が提供される。
【0012】さらに好ましくは、前記車両用交流発電機
において、前記第1の冷却用ファンは前記回転軸の前記
前ブラケットから突出した部分に連結された遠心ファン
であり、前記第2の冷却用ファンは軸流ファンであり、
前記第3の冷却用ファンは遠心ファンであることを特徴
とする車両用交流発電機が提供される。
【0013】また好ましくは、前記車両用交流発電機に
おいて、前記第1の冷却用ファンは前記回転軸の前記後
ブラケットから突出した部分に連結された遠心ファンで
あり、前記第2の冷却用ファンは遠心ファンであり、前
記第3の冷却用ファンは軸流ファンであることを特徴と
する車両用交流発電機が提供される。
【0014】また好ましくは、前記車両用交流発電機に
おいて、前記第1〜第3の冷却用ファンのうち、いずれ
か1つのファンが遠心ファンであり、他の2つのファン
が軸流ファンであることを特徴とする車両用交流発電機
が提供される。
【0015】さらに好ましくは、前記車両用交流発電機
において、前記第1の冷却用ファンは前記回転軸の前記
後ブラケットから突出した部分に連結された軸流ファン
であり、前記第2の冷却用ファンは軸流ファンであり、
前記第3の冷却用ファンは遠心ファンであることを特徴
とする車両用交流発電機が提供される。
【0016】また好ましくは、前記車両用交流発電機に
おいて、前記回転子と前記後ブラケットとの間の空間に
設けられるとともに該後ブラケット近傍に配置された、
前記励磁コイルへの供給電圧を調整する電圧調整器及び
前記固定子コイルに誘起された交流電圧を直流電圧に変
換する整流器と、前記空間を前後2つに分割して仕切る
仕切壁とをさらに有することを特徴とする車両用交流発
電機が提供される。
【0017】また好ましくは、前記車両用交流発電機に
おいて、前記第1〜第3の冷却用ファンはすべて軸流フ
ァンであることを特徴とする車両用交流発電機が提供さ
れる。
【0018】また好ましくは、前記車両用交流発電機に
おいて、前記第1〜第3の冷却用ファンはすべて遠心フ
ァンであることを特徴とする車両用交流発電機が提供さ
れる。
【0019】また好ましくは、前記車両用交流発電機に
おいて、前記軸流ファンは、多段式軸流ファンであるこ
とを特徴とする車両用交流発電機が提供される。
【0020】また好ましくは、前記車両用交流発電機に
おいて、前記第1〜第3の冷却用ファンのうち少なくと
も1つは、熱伝導率の高い高伝導率材料で構成されてい
ることを特徴とする車両用交流発電機が提供される。
【0021】さらに好ましくは、前記車両用交流発電機
において、前記高伝導率材料は、アルミニウムであるこ
とを特徴とする車両用交流発電機が提供される。
【0022】また好ましくは、前記車両用交流発電機に
おいて、前記回転子は、前記励磁コイルを内包するよう
に互いに軸方向に対向して配置された一対の爪形磁極を
さらに有し、かつ、これら一対の爪形磁極どうしの間及
び該一対の爪形磁極と前記励磁コイルとの間に形成され
た間隙は、一部分に複数の封鎖部材が挿入されて封鎖さ
れるとともに、未封鎖部分が前記回転子の前ブラケット
側端から後ブラケット側端へそれぞれ通じる互いに略平
行な複数の通風路を形成していることを特徴とする車両
用交流発電機が提供される。
【0023】さらに好ましくは、前記車両用交流発電機
において、前記封鎖部材は、磁性材料で構成されている
ことを特徴とする車両用交流発電機が提供される。
【0024】また好ましくは、前記車両用交流発電機に
おいて、前記封鎖部材は、板状の整流部材であることを
特徴とする車両用交流発電機が提供される。
【0025】また好ましくは、前記車両用交流発電機に
おいて、前記封鎖部材は、第2及び第3の冷却用ファン
のうちいずれか一方と一体成形されていることを特徴と
する車両用交流発電機が提供される。
【0026】また好ましくは、前記車両用交流発電機に
おいて、前記第1の冷却用ファンの外周部に、騒音防止
用の囲いを設けたことを特徴とする車両用交流発電機が
提供される。
【0027】
【作用】以上のように構成した本発明においては、回転
軸のうち、前ブラケット又は後ブラケットから突出した
位置に第1の冷却用ファンが連結され、これに加えて、
前ブラケット・後ブラケット間に第2及び第3の冷却用
ファンが連結されている。これにより、前ブラケット・
後ブラケット間に混流ファンと遠心ファンとを設ける従
来と同様、冷却風流れを発電機内部に適正に配分して各
部を効率的に冷却できる。すなわち例えば、第1の冷却
用ファンを回転軸の前ブラケット外側部分に設けた遠心
ファンとし、第2の冷却用ファンを回転子の前ブラケッ
ト側端面に設けた軸流ファンとし、第3の冷却用ファン
を回転子の後ブラケット側端面に設けた遠心ファンとす
る。これにより、第1の冷却用ファンによって前ブラケ
ット外周近傍において回転軸中心から径方向外側へ向か
う冷却風流れを作り、第2の冷却用ファンによって後ブ
ラケット側から軸方向に前ブラケット側へ向かう冷却風
流れを作り、またこのとき第2の冷却用ファンの入口側
に生じる負圧によって回転子の前ブラケット側端面近傍
において前ブラケットの外側から径方向内側へ向かう冷
却風流れを作り、第3の冷却用ファンによって回転子の
後ブラケット側端面近傍において回転軸中心から径方向
外側へ向かう冷却風流れを作ることができるので、発電
機内部を効率的に冷却できる。またこのとき、混流ファ
ン及び遠心ファンを用いる従来に比べると、回転軸の前
ブラケット外側部分の第1の冷却用ファンがある分、冷
却用ファンが1個多いので、全体としての冷却風量を増
加させることができる。したがって、低回転時において
も十分な冷却性能を確保することができる。また第1の
冷却用ファンを通常の遠心ファンか軸流ファンにすれ
ば、混流ファンを用いる従来のように構造複雑化による
コストアップが生じることがない。さらに、第1〜第3
の冷却用ファン全てが回転軸に連結されており、回転軸
と一体となって回転するので、誘導ファンを用いる従来
のように、冷却用ファンと回転軸の間に軸受けを設ける
必要がない。また、誘導子や被誘導子、誘導子を付勢す
るための電気配線も新たに設ける必要がなく、部品点数
の増加が少ない。さらに生産工程についても、増設する
冷却用ファンの成形工程及び組み付け工程だけを付け加
えればよい。よって、最小限のコスト上昇で、冷却風量
を増加させ冷却性能を向上させることができる。
【0028】また、第1の冷却用ファンは回転軸の後ブ
ラケットから突出した部分に連結された遠心ファンであ
り、第2の冷却用ファンは遠心ファンであり、第3の冷
却用ファンは軸流ファンであることにより、第1の冷却
用ファンによって後ブラケット外周近傍において回転軸
中心から径方向外側へ向かう冷却風流れを作り、第2の
冷却用ファンによって回転子の前ブラケット側端面近傍
において回転軸中心から径方向外側へ向かう冷却風流れ
を作り、第3の冷却用ファンによって前ブラケット側か
ら軸方向に後ブラケット側へ向かう冷却風流れを作り、
またこのとき第3の冷却用ファンの入口側に生じる負圧
によって回転子の後ブラケット側端面近傍において後ブ
ラケットの外側から径方向内側へ向かう冷却風流れを作
ることができるので、発電機内部を効率的に冷却する構
成を実現できる。
【0029】また、第1〜第3の冷却用ファンのうち、
1つのファンを遠心ファンとし、他の2つを軸流ファン
とする。例えば、第1の冷却用ファンを回転軸の後ブラ
ケットから突出した部分に連結された軸流ファンとし、
第2の冷却用ファンを軸流ファンとし、第3の冷却用フ
ァンを遠心ファンとすると、第1の冷却用ファンによっ
て後ブラケットの内側から軸方向に外側へ向かう冷却風
流れを作り、第2の冷却用ファンによって後ブラケット
側から軸方向に前ブラケット側へ向かう冷却風流れを作
り、また第3の冷却用ファンを外径側から中心側へ取り
込む遠心ファンとして後ブラケットの外部より後ブラケ
ットの内部へ向かう冷却風を作ることができるので、発
電機内部を効率的に冷却する構成を実現できる。そして
このとき、回転子と後ブラケットとの間の空間を仕切壁
で仕切れば、冷却風流れを、第3の冷却用ファンで後ブ
ラケット外部から取り込まれた後第2の冷却用ファンで
軸方向に前ブラケット側へと向かう第1の冷却風流れ
と、第1の冷却用ファンで後ブラケット外部から取り込
まれた後に軸方向に後ブラケット側へと向かう第2の冷
却風流れとの2つの系統に分離することができる。そし
てこのとき、励磁コイルへの供給電圧を調整する電圧調
整器と、固定子コイルに誘起された交流電圧を直流電圧
に変換する整流器とを、回転子・後ブラケット間の空間
内の後ブラケット近傍に配置すれば、第1の冷却風流れ
が主として固定子コイルを冷却し、第2の冷却風流れが
主として電圧調整器・整流器を冷却することとなる。す
なわち一度高温部分を冷却して温度上昇した冷却風が、
他の高温部分を冷却するようなことはなく、固定子コイ
ル及び電圧調整器・整流器にはいずれも外部から導入さ
れた新鮮な低温風が直接供給される。よって冷却性能を
向上させることができる。
【0030】また、軸流ファンは、多段式軸流ファンで
あることにより、十分な風圧が得られるので、通風抵抗
が大きい部分があっても、十分な冷却風を得ることがで
きる。
【0031】また、第1〜第3の冷却用ファンのうち少
なくとも1つは、熱伝導率の高い高伝導率材料、例えば
アルミニウムで構成されていることにより、ファン表面
からの放熱が促進され、冷却性能を向上することができ
る。
【0032】また、回転子は、励磁コイルを内包するよ
うに互いに軸方向に対向して配置された一対の爪形磁極
と;これら一対の爪形磁極どうしの間及び一対の爪形磁
極と励磁コイルとの間に形成され間隙の一部が複数の封
鎖部材が挿入されて封鎖され、未封鎖部分が回転子の前
ブラケット側端から後ブラケット側端へそれぞれ通じる
互いに略平行な複数の通風路を形成している。これによ
り、回転子が回転すると、各通風路の両端に圧力差が生
じ、回転子の一方側から他方側への冷却風の流れを作る
ことができるので、回転子に軸流ファンの機能を持たせ
ることができる。よってさらに冷却風量を増加させ、冷
却性能を向上させることができる。
【0033】さらに、封鎖部材は、磁性材料で構成され
ていることにより、一対の爪型電極端面どうしの間から
の漏れ磁束、すなわち発電に寄与しない磁束を減少させ
ることができるので、高出力化を達成できる。
【0034】また、封鎖部材は、板状の整流部材である
ことにより、複数の通風路を1つおきに封鎖する手段を
実現できる。
【0035】また、封鎖部材は、第2及び第3の冷却用
ファンのうちいずれか一方と一体成形されていることに
より、部品点数の増加を抑えることができるので、さら
に低コスト化を図ることができる。
【0036】また、第1の冷却用ファンの外周部に、騒
音防止用の囲いを設けたことにより、第1の冷却用ファ
ンの発生する騒音を低減し、低騒音化を図ることができ
る。
【0037】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照しつつ説明す
る。本発明の第1の実施例を図1〜図3により説明す
る。本実施例による車両用交流発電機100の構成を図
1及び図2に示す。図1は車両用交流発電機100の全
体構造を表す縦断面図であり、図2は、回転子50及び
回転軸1(後述)の詳細構造を表す斜視図である。図1
及び図2において、車両用交流発電機100は、概略的
に言うと、車両のエンジンにより回転される回転軸1に
固着され、回転子コイル6により励磁される回転子50
と;この回転子50の外周に設けられ、固定子コイル8
が巻装された固定子60と;前軸受け11及び後軸受け
12を介し回転軸1をそれぞれ支持する前ブラケット9
及び後ブラケット10と;回転軸1の前ブラケット9か
ら突出した部分に固着された冷却用の第1前ファン16
と;回転子50の前ブラケット9側端面に固着された第
2前ファン17と;回転子50の後ブラケット10側端
面に固着された後ファン18と;を有する。
【0038】回転軸1には、さらに、プーリ2、スリッ
プリング5a,5bが固着されている。スリップリング
5a,5bには、回転子コイル6に電圧を供給するため
のブラシ13a,13bが電気的に接続されている。固
定子60は、固定子鉄心7と、固定子鉄心7に巻装され
た固定子コイル8とから構成されている。そしてこの固
定子鉄心7は、前ブラケット9及び後ブラケット10の
間に支持されている。回転子50は、回転子鉄心4、回
転子鉄心4のまわりに巻装された回転子コイル6、回転
子コイル6を内包するように対向した配置された爪形の
回転子磁極鉄心3a,3b等から構成されている。ま
た、回転子磁極鉄心3aの端面3aoと、回転子磁極鉄
心3bの端面3boと、回転子コイル6との間には、図
2に示されるように、複数個の空間70が互いにジグザ
グ状に形成されて周方向に並んでいる。各空間70は、
回転軸1とねじれの位置の関係にあり、回転子50の前
ブラケット9側端面から後ブラケット10側端面へと通
じる通風路を構成している。なお、図2においては、回
転子50のX軸の負の方向に前ブラケット9、正の方向
に後ブラケット10が配置されることになる。
【0039】また、3つ設けられた冷却用のファンのう
ち、第1前ファン16及び後ファン18は遠心ファンで
あり、第2前ファン17は軸流ファンである。
【0040】上記構成において、ブラシ13a,13b
及びスリップリング5a,5bを介して回転子コイル6
に励磁電圧が供給されると、回転子磁極鉄心3a,3b
が励磁される。この状態で、図示しないエンジンからの
駆動力がプーリ2を介して回転軸1に伝達され、回転子
磁極鉄心3a,3bが固定子コイル8の中で回転する
と、固定子コイル8をよぎる磁束が変化して固定子コイ
ル8に誘導起電力が発生する。このとき発生する電流は
交流であり、整流器14によって直流に変換され、車両
に供給される。またこのとき、車両の電気負荷の大きさ
に応じて、電圧調整器15がはたらき、回転子コイル6
に供給される励磁電圧が調整され、適切な発電量が保た
れるようになっている。
【0041】以上のような動作中において、固定子コイ
ル8、整流器14、及び電圧調整器15等は発熱をとも
なうので、これらを第1前ファン16、第2前ファン1
7、及び後ファン18によって冷却して一定温度以下に
保ち、これらの機能が阻害されないように維持する。こ
の冷却風の流れを表す縦断面図を図3に示す。図3にお
いて、遠心ファンである第1前ファン16は、回転軸1
の中心側から半径方向外側へ向かう冷却風の流れF03
及びF04をつくる。軸流ファンである第2前ファン1
7は、後ブラケット10側から前ブラケット9側へ向か
う冷却風の流れF01及びF02をつくる。このとき、
第2前ファン17の入り口側にできる負圧により、前ブ
ラケット9の外側から内側へ向かう冷却風のながれF0
5及びF06がつくられる。遠心ファンである後ファン
18は、回転軸1の中心側から半径方向外側へ向かう風
の流れF07及びF08をつくる。
【0042】これらの冷却風のながれにより、前ブラケ
ット・後ブラケット10間に混流ファンと遠心ファンと
を設ける従来と同様、冷却風流れを車両用交流発電機1
00内部に適正に配分して各部を効率的に冷却できる。
そしてこのとき、混流ファン及び遠心ファンを用いる従
来と比べると、回転軸1の前ブラケット9外側部分の第
1前ファン16がある分、回転軸駆動の冷却用ファンが
1個多いので、全体としての冷却風量を増加させること
ができる。したがって、低回転時においても十分な冷却
性能を確保することができる。また第1前ファン16が
遠心ファンであることにより、混流ファンのような構造
複雑化によるコストアップが生じることがない。また、
第1前ファン16、第2前ファン17、及び後ファン1
8の全てが回転軸1に連結されており、回転軸1と一体
となって回転するので、誘導ファンを用いる従来のよう
にファンと回転軸1との間に軸受けを設ける必要がな
い。また、誘導子や被誘導子、誘導子を付勢するための
電気配線も新たに設ける必要がなく、部品点数の増加が
少ない。さらに生産工程についても、増設する冷却用フ
ァンの成形工程及び組み付け工程だけを付け加えればよ
い。よって、誘導ファンを用いる従来に比し、最小限の
コスト上昇で、冷却風量を増加させ冷却性能を向上させ
ることができる。
【0043】なお、上記第1の実施例における、第1前
ファン16、第2前ファン17、後ファン18のファン
形式は上記に限定するものではない。すなわち例えば、
第1前ファン16を軸流ファン、第2前ファン17を遠
心ファン、後ファン18を遠心ファンとしたり;第1前
ファン16を遠心ファン、第2前ファン17を遠心ファ
ン、後ファン18を軸流ファンとしたり;第1前ファン
16を軸流ファン、第2前ファン17を軸流ファン、後
ファン18を遠心ファンとしたり;第1前ファン16を
軸流ファン、第2前ファン17を遠心ファン、後ファン
18を軸流ファンとしたり;第1前ファン16を遠心フ
ァン、第2前ファン17を軸流ファン、後ファン18を
軸流ファンとしたり;第1前ファン16、第2前ファン
17、後ファン18の全てを軸流ファンとしたり;第1
前ファン16、第2前ファン17、後ファン18の全て
を遠心ファンとしてもよい。これらの場合は、冷却風の
流れ態様が変化するが、各ファンの羽根形状、羽根枚
数、径方向寸法等を適宜調整すれば、第1の実施例と同
様の効果を得ることができる。
【0044】本発明の第2の実施例を図4により説明す
る。本実施例による車両用交流発電機200の全体構造
を表す縦断面図を図4に示す。本実施例の車両用交流発
電機200が、第1の実施例の車両用交流発電機100
と異なる点は、図1の第2前ファン17を、多段式軸流
ファン219としたことである。その他の部分の構成、
及び冷却風の流れ態様は、それぞれ、第1の実施例にお
いて図1及び図3に示したものとほぼ同様である。
【0045】本実施例の車両用交流発電機200によっ
ても、第1の実施例と同様の効果を得る。またこれに加
え、軸流ファンを多段式とすることにより充分な風圧が
得られる。したがって、冷却風の流路に断面積の小さい
部分があっても、すなわち通風抵抗の大きい部分があっ
ても、充分な冷却風量が得られ、冷却性能を向上させる
ことができる。
【0046】本発明の第3の実施例を図5及び図6によ
り説明する。本実施例による車両用交流発電機300の
全体構造を表す縦断面図を図5に示す。第1の実施例と
同等の部材には同一の符号を付す。図5において、車両
用交流発電機300が第1の実施例の車両用交流発電機
100と異なる点は、各ファンの設置位置及びファン形
式である。すなわち、回転子磁極鉄心3aの端部に遠心
ファンである前ファン320を設け、回転子磁極鉄心3
bの端部に軸流ファンである第1後ファン321を設
け、後ブラケット10の外側の回転軸1に遠心ファンで
ある第2後ファン322をそれぞれ設けている。その他
の構成は第1の実施例の車両用交流発電機100とほぼ
同様である。
【0047】上記構成における冷却風の流れを表す縦断
面図を図6に示す。図6において、遠心ファンである前
ファン320は、回転軸1の中心側から半径方向外側へ
向かう冷却風の流れF13及びF14をつくる。軸流フ
ァンである第1後ファン321は、前ブラケット9側か
ら後ブラケット10側へ向かう冷却風の流れF11及び
F12をつくる。そしてこのとき、第1後ファン321
の入り口側にできる負圧により、後ブラケット10の外
側から内側へ向かう冷却風の流れF15及びF16がつ
くられる。遠心ファンである第2後ファン322は、回
転軸1の中心側から半径方向外側へ向かう冷却風の流れ
F17及びF18をつくる。
【0048】本実施例によっても、第1の実施例と同様
の効果を得る。
【0049】なお、上記第3の実施例における、前ファ
ン320、第1後ファン321、第2後ファン322の
ファン形式は上記に限定するものではない。すなわち例
えば、前ファン320を軸流ファン、第1後ファン32
1を遠心ファン、第2後ファン322を遠心ファンとし
たり;前ファン320を遠心ファン、第1後ファン32
1を遠心ファン、第2後ファン322を軸流ファンとし
たり;前ファン320を軸流ファン、第1後ファン32
1を軸流ファン、第2後ファン322を遠心ファンとし
たり;前ファン320を軸流ファン、第1後ファン32
1を遠心ファン、第2後ファン322を軸流ファンとし
たり;前ファン320を遠心ファン、第1後ファン32
1を軸流ファン、第2後ファン322を軸流ファンとし
たり;前ファン320、第1後ファン321、第2後フ
ァン322の全てを軸流ファンとしたり;前ファン32
0、第1後ファン321、第2後ファン322の全てを
遠心ファンとしてもよい。これらの場合は、冷却風の流
れ態様が変化するが、各ファンの羽根形状、羽根枚数、
径方向寸法等を適宜調整すれば、第3の実施例と同様の
効果を得ることができる。
【0050】本発明の第4の実施例を図7〜図9により
説明する。本実施例による車両用交流発電機400の全
体構造を表す縦断面図を図7に示す。第1〜第3の実施
例と同等の部材には同一の符号を付す。図7において、
車両用交流発電機400が第3の実施例の車両用交流発
電機300と異なる点は、後ブラケット10内の空間
(回転子50の後ブラケット10側端面と後ブラケット
10との間の空間)を、固定子コイル8などが収められ
る空間と整流器14及び電圧調整器15が収められる空
間とに分離するガイド423が設けられていることと、
各ファンの形式が異なっていることである。すなわち、
回転子磁極鉄心3aの端部の前ファン420が軸流ファ
ンとなり、回転子磁極鉄心3bの端部の第1後ファン4
21が外径方向より中心側へ冷却風を取り込む形式の遠
心ファンとなり、後ブラケット10の外側の回転軸1に
設けた第2後ファン422が軸流ファンとなっている。
その他の構成は第3の車両用交流発電機300とほぼ同
様である。
【0051】上記構成における冷却風の流れを表す縦断
面図を図8に示す。図8において、遠心ファンである第
1後ファン421は、後ブラケット10の外部より冷却
風を径方向に後ブラケット10内部に取り込む働きを
し、また軸流ファンである前ファン420は、後ブラケ
ット10側から軸方向に前ブラケット9へ向かう冷却風
の流れをつくり、これらによって流れF21及びF22
がつくられる。一方、軸流ファンである第2後ファン4
22は、後ブラケット10の内側から軸方向へ外側へ向
かう冷却風の流れをつくり、これによって、流れF23
及びF24がつくられる。そしてこれら流れF21,F
22とF23,F24とは、ガイド423で互いに分離
されている。
【0052】本実施例によっても、第1の実施例と同様
の効果を得る。またこれに加え、後ブラケット10近傍
に設けられた整流器14及び電圧調整器15を主として
冷却する冷却風の流れF23,F24と、固定子コイル
8を主として冷却する冷却風の流れF21,F22を完
全に分離した別系統とすることができる。よって、一度
固定子コイル8を冷却して温度上昇した冷却風が、整流
器14や電圧調整器15を冷却するようなことはなく、
また逆に一度整流器14や電圧調整器15を冷却して温
度上昇した冷却風が、固定子コイル8を冷却するような
ことはない。すなわち、整流器14及び電圧調整器15
を冷却する冷却風は、外部から導入された低温かつ新鮮
な冷却風であり、固定子コイル8を冷却する冷却風も外
部から導入された、低温かつ新鮮な冷却風である。した
がって、高温部分と冷却風との温度差を大きくとること
ができ、放熱量を増加させ、冷却性能を向上させること
ができる。
【0053】なお、上記第4の実施例における前ファン
420、第1後ファン421、第2後ファン422によ
る冷却風流れの向きは上記に限定されるものではない。
他の向きにした変形例を図9により説明する。本変形例
による車両用交流発電機410の全体構造及び冷却風の
ながれを表す縦断面図を図9に示す。第1〜4の実施例
と同等の部材には同一の符号を付す。図9において、車
両用交流発電機410が第4の実施例の車両用交流発電
機400と異なる点は、軸流ファンである前ファン42
0が前ブラケット9の外部から軸方向に内部へ向かう冷
却風の流れをつくり、遠心ファンである第1後ファン4
21が後ブラケット10の内部から外部へ向かう径方向
の冷却風の流れをつくり、これらによって流れF31及
びF32が作られていることと、軸流ファンである第2
後ファン422が、後ブラケット10の外部から内部へ
向かう軸方向の冷却風の流れをつくり、これによって流
れF33及びF34が作られていることである。その他
の構造は第4の実施例の車両用交流発電機400とほぼ
同様である。
【0054】本変形例によっても、第4の実施例と同
様、整流器14と電圧調整器15を主として冷却する冷
却風の流れと、固定子コイル8を主として冷却する冷却
風の流れを別系統とすることができ、冷却性能を向上さ
せることができる。
【0055】なお、上記第1〜第4の実施例において説
明したすべてのファン、すなわち、第1前ファン16、
第2前ファン17、後ファン18、多段式軸流ファン2
19、前ファン320、第1後ファン321、第2後フ
ァン322、前ファン420、第1後ファン421、第
2後ファン422は、いずれも、アルミニウムなどの熱
伝導率の高い材質で製作することが好ましい。これによ
りファン表面からの放熱が促進され、冷却性能を向上す
ることができる。また、ファンの材質はアルミニウムな
どに限定するものではなく、伝熱性よりも成形性を重視
して、樹脂製のファンを用いてもよい。
【0056】また、上記第1〜第4の実施例において説
明したすべての軸流ファンを、第2の実施例の多段式軸
流ファン219と同様に多段式としても良い。これらの
場合も、第2の実施例同様、通風抵抗の大きい部分があ
っても、充分な冷却風量が得られ冷却性能を向上できる
効果が得られる。
【0057】本発明の第5の実施例を図10及び図11
により説明する。本実施例は、異なる構造の回転子を備
えた車両用交流発電機の実施例である。第1〜第4の実
施例と同等の部材には同一の符号を付す。本実施例の車
両用交流発電機に備えられた回転子550の要部構造を
表す側面図を図10に示す。図10において、本実施例
の回転子550が図1及び図2に示した第1の実施例の
回転子50と異なる点は、回転子磁極鉄心3a・回転子
磁極鉄心3bどうしの間及びこれらと回転子コイル6と
の間に形成されている間隙の一部分に、複数の永久磁石
524が挿入されて封鎖されていることである。詳細に
は、回転子磁極鉄心3a・回転子磁極鉄心3bどうしの
間について言うと、回転子磁極鉄心3aの端面3ao
回転子磁極鉄心3bの端面3boとの間に互いにジグザ
グ状に形成されていた複数個の空間70が、円周方向へ
の並び配置において1つおきに永久磁石524で封鎖さ
れ、互いに略平行な半数の空間70がほぼ同一間隔で残
されている。また回転子磁極鉄心3a・回転子磁極鉄心
3bと回転子コイル6との間に形成されていた略環状の
空間(図示せず)においても、永久磁石524が回転子
コイル6の外周まで差し込まれる結果、対応する形状・
個数に分割されている。その他の車両用交流発電機の構
造は、第1の実施例の車両用交流発電機100の構造と
ほぼ同様である。
【0058】本実施例においては、第1の実施例と同様
の効果に加え、回転子550が例えば図10中に白矢印
で示す方向に回転すると、残存している空間70両端に
圧力差が生じ、細矢印で示すような回転子550の右側
から左側への冷却風の流れを作ることができる。よって
すなわち、回転子550に軸流ファンの機能をもたせる
ことができ、冷却風の風量をさらに増加させ、冷却性能
を向上させることができる。また、永久磁石524のは
たらきにより、回転子磁極鉄心3aと3bとの間の漏れ
磁束、すなわち発電に寄与しない磁束を減少させること
もできるので、高出力化を同時に達成することもでき
る。
【0059】なお、上記実施例においては、永久磁石5
24を空間70に配置したが、これに限られず、他の磁
性材料を配置しても良い。この場合も、同様の効果を得
る。
【0060】また、上記構成の変形例として、図11に
示すように永久磁石524を配置すれば、図11で細矢
印で示すような回転子550の左側から右側への冷却風
の流れをつくることもできる。この場合も、図10の構
成と同様の効果を得ることは言うまでもない。
【0061】本発明の第6の実施例を図12及び図13
により説明する。本実施例は、板状の部材で封鎖を行っ
た回転子を備えた車両用交流発電機の実施例である。第
1〜第5の実施例と同等の部材には同一の符号を付す。
本実施例の車両用交流発電機に備えられた回転子650
の要部構造を表す側面図を図12に示す。図12におい
て、本実施例の回転子650が第5の実施例と異なる点
は、第5の実施例の永久磁石524の代わりに、板状の
整流部材である遮蔽板626を設けたことである。その
他の車両用交流発電機の構造は、第5の実施例の車両用
交流発電機の構造とほぼ同様である。
【0062】本実施例によっても、第5の実施例と同
様、例えば回転子650が図12中白矢印で示す方向に
回転すると細矢印で示すような回転子650の右側から
左側への冷却風の流れをつくり、冷却性能を向上させる
ことができる。
【0063】なお、上記構成の変形例として、図13に
示すように遮蔽板626を配置すれば、図13で細矢印
で示すような回転子650の左側から右側への図12と
逆向きの冷却風の流れをつくることもできる。この場合
も、図12の構成と同様の効果を得ることは言うまでも
ない。
【0064】本発明の第7の実施例を図14及び図15
により説明する。本実施例は、封鎖を行う板状部材を冷
却用ファンと一体成形した回転子を備えた車両用交流発
電機の実施例である。第1〜第6の実施例と同等の部材
には同一の符号を付す。本実施例の車両用交流発電機に
備えられた回転子750の要部構造を表す側面図を図1
4に示す。図14において、本実施例の回転子750が
第6の実施例と異なる点は、第6の実施例の遮蔽板62
6の代わりに、樹脂等によって後ファン18(図1参
照)と一体的に成形されたファン一体遮蔽板728を設
けたことである。その他の車両用交流発電機の構造は、
第6の実施例の車両用交流発電機の構造とほぼ同様であ
る。
【0065】本実施例によっても、第6の実施例と同
様、例えば回転子750が図14中白矢印で示す方向に
回転すると細矢印で示すような冷却風の流れをつくり、
冷却性能を向上させることができる。またこれに加え、
ファン一体遮蔽板728がファン18と一体的に成形さ
れることから、部品点数の増加が抑えられ、低コスト化
を図ることができる。
【0066】なお、上記第7の実施例において、後ファ
ン18は遠心ファンであったが、これに限られず、軸流
ファンである場合でもファン一体遮蔽板728の一体成
形は可能である。
【0067】また、上記構成の変形例として、図15に
示すようにファン一体遮蔽板728を第2前ファン17
(図1参照)と樹脂等で一体的に成形すれば、図13で
細矢印で示すような図14と逆向きの冷却風の流れをつ
くることもできる。この場合も、図14の構成と同様の
効果を得ることは言うまでもない。ここで、上記変形例
において、第2前ファン17は軸流ファンであったが、
これに限られず、遠心ファンである場合でもファン一体
遮蔽板728の一体成形は可能である。
【0068】また、上記第5〜第7の実施例で示した回
転子550,650,750(すなわち図中右側から左
側への冷却風の流れをつくる回転子)は、図7で示した
第4の実施例の車両用交流発電機400の回転子に適用
することもできる。これらの場合も同様に、冷却風の風
量をさらに増大することができ、冷却性能を向上させる
効果を奏する。さらに上記第5〜第7の変形例で示した
回転子550,650,750(すなわち図中左側から
右側への冷却風の流れをつくる回転子)は、図5で示し
た第3の実施例の車両用交流発電機300の回転子や、
図9で示した第4の実施例の変形例の車両用交流発電機
410の回転子に適用することもできる。これらの場合
も同様に、冷却風の風量をさらに増大することができ、
冷却性能を向上させる効果を奏する。
【0069】本発明の第8の実施例を図16により説明
する。本実施例は、第1の実施例における第1前ファン
16まわりに騒音防止用のシュラウドを設けた実施例で
ある。第1の実施例と同等の部材には同一の符号を付
す。本実施例による車両用交流発電機800の構成を表
す縦断面図を図16に示す。図16において、車両用交
流発電機800が第1の実施例の車両用交流発電機10
0と異なる点は、第1前ファン16の外周部付近に騒音
防止用の前シュラウド832が設けられていることであ
る。その他の構造は第1の実施例とほぼ同様である。
【0070】本実施例においては、第1の実施例の効果
に加え、前ブラケット9の外部に設けられた第1前ファ
ン16で発生する騒音を前シュラウド832で遮ること
により、低騒音化を図ることができる。
【0071】本発明の第9の実施例を図17により説明
する。本実施例は、第3の実施例における第2後ファン
322まわりに騒音防止用のシュラウドを設けた実施例
である。第3の実施例と同等の部材には同一の符号を付
す。本実施例による車両用交流発電機900の構成を表
す縦断面図を図17に示す。図17において、車両用交
流発電機900が第3の実施例の車両用交流発電機10
0と異なる点は、第2後ファン322の外周部付近に騒
音防止用の後シュラウド933が設けられていることで
ある。その他の構造は第3の実施例とほぼ同様である。
【0072】本実施例においては、第3の実施例の効果
に加え、後ブラケット10の外部に設けられた第2後フ
ァン322で発生する騒音を後シュラウド933で遮る
ことにより、低騒音化を図ることができる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、回転軸のうち、前ブラ
ケット又は後ブラケットから突出した位置に第1の冷却
用ファンが連結され、これに加えて、前ブラケット・後
ブラケット間に第2及び第3の冷却用ファンが連結され
ているので、全体としての冷却風量を増加させることが
できる。したがって、低回転時においても十分な冷却性
能を確保することができる。また第1の冷却用ファンを
通常の遠心ファンか軸流ファンにすれば、混流ファンを
用いる従来のように構造複雑化によるコストアップが生
じることがない。さらに、第1〜第3の冷却用ファン全
てが回転軸に連結されており、回転軸と一体となって回
転するので、冷却用ファンと回転軸の間に軸受けを設け
る必要がなく、誘導子や被誘導子、誘導子を付勢するた
めの電気配線も新たに設ける必要がなく、部品点数の増
加が少ない。さらに生産工程についても、増設する冷却
用ファンの成形工程及び組み付け工程だけを付け加えれ
ばよい。よって、最小限のコスト上昇で、冷却風量を増
加させ冷却性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による車両用交流発電機
の全体構造を表す縦断面図である。
【図2】図1に示された回転子及び回転軸の詳細構造を
表す斜視図である。
【図3】図1に示された車両用交流発電機における冷却
風の流れを表す縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例による車両用交流発電機
の全体構造を表す縦断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例による車両用交流発電機
の全体構造を表す縦断面図である。
【図6】図5に示された車両用交流発電機における冷却
風の流れを表す縦断面図である。
【図7】本発明の第4の実施例による車両用交流発電機
の全体構造を表す縦断面図である。
【図8】図7に示された車両用交流発電機における冷却
風の流れを表す縦断面図である。
【図9】本発明の第4の実施例の変形例による車両用交
流発電機の全体構造及び冷却風の流れを表す縦断面図で
ある。
【図10】本発明の第5の実施例による車両用交流発電
機に備えられた回転子の要部構造を表す側面図である。
【図11】本発明の第5の実施例の変形例による車両用
交流発電機に備えられた回転子の要部構造を表す側面図
である。
【図12】本発明の第6の実施例による車両用交流発電
機に備えられた回転子の要部構造を表す側面図である。
【図13】本発明の第6の実施例の変形例による車両用
交流発電機に備えられた回転子の要部構造を表す側面図
である。
【図14】本発明の第7の実施例による車両用交流発電
機に備えられた回転子の要部構造を表す側面図である。
【図15】本発明の第7の実施例の変形例による車両用
交流発電機に備えられた回転子の要部構造を表す側面図
である。
【図16】本発明の第8の実施例による車両用交流発電
機の全体構造を表す縦断面図である。
【図17】本発明の第9の実施例による車両用交流発電
機の全体構造を表す縦断面図である。
【符号の説明】
1 回転軸 2 プーリ 3a,b 回転子磁極鉄心 3ao,bo 端面 4 回転子鉄心 5a,b スリップリング 6 回転子コイル(励磁コイル) 7 固定子鉄心 8 固定子コイル 9 前ブラケット 10 後ブラケット 11 前軸受け 12 後軸受け 13a,b ブラシ 14 整流器 15 電圧調整器 16 第1前ファン(第1の冷却用ファ
ン) 17 第2前ファン(第2の冷却用ファ
ン) 18 後ファン(第3の冷却用ファン) 50 回転子 60 固定子 70 空間 100 車両用交流発電機 200 車両用交流発電機 219 多段式軸流ファン(第2の冷却
用ファン) 300 車両用交流発電機 320 前ファン(第2の冷却用ファ
ン) 321 第1後ファン(第3の冷却用フ
ァン) 322 第2後ファン(第1の冷却用フ
ァン) 400 車両用交流発電機 410 車両用交流発電機 420 前ファン(第2の冷却用ファ
ン) 421 第1後ファン(第3の冷却用フ
ァン) 422 第2後ファン(第1の冷却用フ
ァン) 423 ガイド(仕切壁) 524 永久磁石(封鎖部材) 550 回転子 626 遮蔽板(封鎖部材、整流部材) 650 回転子 728 ファン一体遮蔽板(封鎖部材) 750 回転子 800 車両用交流発電機 832 前シュラウド(囲い) 900 車両用交流発電機 933 後シュラウド(囲い)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 義明 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 石田 栄 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プーリを介して、車両の機関より回転力
    が伝達される回転軸と、この回転軸に固着され、励磁コ
    イルにより励磁される回転子と、この回転子の外周に設
    けられ、固定子コイルが巻装された固定子と、この固定
    子を、前記回転軸方向のプーリ側より支持するととも
    に、軸受けを介し前記回転軸を支持する前ブラケット
    と、前記固定子を、前記回転軸方向のプーリとは反対側
    より支持するとともに、軸受けを介し前記回転軸を支持
    する後ブラケットとを有する車両用交流発電機におい
    て、 前記回転軸の、前記前ブラケット及び後ブラケットのう
    ちいずれか一方から突出した部分に連結された第1の冷
    却用ファンと、 前記回転軸にそれぞれ連結されるとともに、前ブラケッ
    トと後ブラケットの間にそれぞれ配置される第2及び第
    3の冷却用ファンと、を有することを特徴とする車両用
    交流発電機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用交流発電機におい
    て、前記第2及び第3の冷却用ファンのうち、第2の冷
    却用ファンは前記回転子の前記前ブラケット側端面に固
    着され、第3の冷却用ファンは前記回転子の前記後ブラ
    ケット側端面に固着されていることを特徴とする車両用
    交流発電機。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の車両用交流発電機におい
    て、前記第1〜第3の冷却用ファンのそれぞれは、遠心
    ファン及び軸流ファンのいずれか一方であることを特徴
    とする車両用交流発電機。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の車両用交流発電機におい
    て、前記第1〜第3の冷却用ファンのうち、いずれか1
    つのファンが軸流ファンであり、他の2つのファンが遠
    心ファンであることを特徴とする車両用交流発電機。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の車両用交流発電機におい
    て、前記第1の冷却用ファンは前記回転軸の前記前ブラ
    ケットから突出した部分に連結された遠心ファンであ
    り、前記第2の冷却用ファンは軸流ファンであり、前記
    第3の冷却用ファンは遠心ファンであることを特徴とす
    る車両用交流発電機。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の車両用交流発電機におい
    て、前記第1の冷却用ファンは前記回転軸の前記後ブラ
    ケットから突出した部分に連結された遠心ファンであ
    り、前記第2の冷却用ファンは遠心ファンであり、前記
    第3の冷却用ファンは軸流ファンであることを特徴とす
    る車両用交流発電機。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の車両用交流発電機におい
    て、前記第1〜第3の冷却用ファンのうち、いずれか1
    つのファンが遠心ファンであり、他の2つのファンが軸
    流ファンであることを特徴とする車両用交流発電機。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の車両用交流発電機におい
    て、前記第1の冷却用ファンは前記回転軸の前記後ブラ
    ケットから突出した部分に連結された軸流ファンであ
    り、前記第2の冷却用ファンは軸流ファンであり、前記
    第3の冷却用ファンは遠心ファンであることを特徴とす
    る車両用交流発電機。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の車両用交流発電機におい
    て、前記回転子と前記後ブラケットとの間の空間に設け
    られるとともに該後ブラケット近傍に配置された、前記
    励磁コイルへの供給電圧を調整する電圧調整器及び前記
    固定子コイルに誘起された交流電圧を直流電圧に変換す
    る整流器と、前記空間を前後2つに分割して仕切る仕切
    壁とをさらに有することを特徴とする車両用交流発電
    機。
  10. 【請求項10】 請求項3記載の車両用交流発電機にお
    いて、前記第1〜第3の冷却用ファンはすべて軸流ファ
    ンであることを特徴とする車両用交流発電機。
  11. 【請求項11】 請求項3記載の車両用交流発電機にお
    いて、前記第1〜第3の冷却用ファンはすべて遠心ファ
    ンであることを特徴とする車両用交流発電機。
  12. 【請求項12】 請求項3記載の車両用交流発電機にお
    いて、前記軸流ファンは、多段式軸流ファンであること
    を特徴とする車両用交流発電機。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の車両用交流発電機にお
    いて、前記第1〜第3の冷却用ファンのうち少なくとも
    1つは、熱伝導率の高い高伝導率材料で構成されている
    ことを特徴とする車両用交流発電機。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の車両用交流発電機に
    おいて、前記高伝導率材料は、アルミニウムであること
    を特徴とする車両用交流発電機。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の車両用交流発電機にお
    いて、前記回転子は、前記励磁コイルを内包するように
    互いに軸方向に対向して配置された一対の爪形磁極をさ
    らに有し、かつ、これら一対の爪形磁極どうしの間及び
    該一対の爪形磁極と前記励磁コイルとの間に形成された
    間隙は、一部分に複数の封鎖部材が挿入されて封鎖され
    るとともに、未封鎖部分が前記回転子の前ブラケット側
    端から後ブラケット側端へそれぞれ通じる互いに略平行
    な複数の通風路を形成していることを特徴とする車両用
    交流発電機。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の車両用交流発電機に
    おいて、前記封鎖部材は、磁性材料で構成されているこ
    とを特徴とする車両用交流発電機。
  17. 【請求項17】 請求項15記載の車両用交流発電機に
    おいて、前記封鎖部材は、板状の整流部材であることを
    特徴とする車両用交流発電機。
  18. 【請求項18】 請求項15記載の車両用交流発電機に
    おいて、前記封鎖部材は、第2及び第3の冷却用ファン
    のうちいずれか一方と一体成形されていることを特徴と
    する車両用交流発電機。
  19. 【請求項19】 請求項1記載の車両用交流発電機にお
    いて、前記第1の冷却用ファンの外周部に、騒音防止用
    の囲いを設けたことを特徴とする車両用交流発電機。
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