JPH11242360A - 静電潜像用トナー - Google Patents
静電潜像用トナーInfo
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- JPH11242360A JPH11242360A JP14372698A JP14372698A JPH11242360A JP H11242360 A JPH11242360 A JP H11242360A JP 14372698 A JP14372698 A JP 14372698A JP 14372698 A JP14372698 A JP 14372698A JP H11242360 A JPH11242360 A JP H11242360A
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Abstract
りが早く、耐久性、安定性に優れた正帯電特性を付与す
ることができる静電潜像用磁性トナーを提供する。 【解決手段】 バインダー樹脂と、荷電制御剤とを含有
する静電潜像用磁性トナーにおいて、荷電制御剤とし
て、帯電量を一定範囲内に調整する機能を有する電荷調
整剤(CCA)と、帯電量を増化させる機能を有する電
荷増強樹脂(CCR)とを併用する。
Description
プリンタ等で採用されている電子写真法、静電記録法、
静電印刷法等の現像プロセスにおいて用いられる静電潜
像用トナー(以下、単にトナーと称する場合がある。)
に関する。より詳しくは、帯電レベルが高く、帯電量に
ついて立ち上がりが早く、耐久性、安定性に優れた正帯
電特性を付与することができる静電潜像用トナーに関す
る。
視像とする際に用いられる磁性トナー(特に磁性一成分
トナー)は、一般に熱可塑性結着樹脂(バインダー樹
脂)、荷電制御剤、磁性粉体、及びその他の添加剤を予
備混合後、溶融混練、粉砕、分級の工程を経て、所望の
粒子径を有するトナーとして製造されている。このトナ
ー粒子は、粒子表面に一定量の正または負の電荷が摩擦
帯電により蓄積され、この帯電粒子が静電潜像の現像に
利用されている。
面に蓄積される電荷は、静電潜像の形成に用いられる光
導電性感光体の種類によって正または負のいずれかの電
荷とすることが必要である。また、その場合の帯電量
は、静電潜像をより正確に可視像化するのに十分な量と
する必要がある。このため、荷電制御剤ないしは導電物
質をバインダー樹脂中に混合分散し、トナー粒子表面の
電荷及び帯電量を制御するのが一般的である。
性感光体として、セレン感光体や有機光導電性感光体に
かえて、無公害でかつ高い高感度を有し、さらにビッカ
ース強度が1500〜2000と非常に硬い等の特性を
有する観点から、アモルファスシリコン感光体(以下、
a-Si感光体と称する。)が使用されている。そのた
め、a-Si感光体上に形成される静電潜像を現像するに
は、帯電性や耐久性に優れた正帯電性のトナーを用いる
ことが望まれている。
成分トナー粒子が知られている。このトナーは、荷電制
御剤として、ニグロシン等に代表される帯電量を一定範
囲内に調整する機能を有する電荷調整剤(CCA)を単
独で使用していた。
剤(CCA)は、バインダー樹脂との相溶性に乏しく、
特に、トナー中に磁性粉が含有されていると、電荷調整
剤の分散性が著しく低下し、トナーにおける帯電特性が
不安定になり、画像欠陥を生じたり、定着性が低下する
などの問題が見られた。また、かかる正帯電性の電荷調
整剤は、トナー粒子を製造する際の粉砕工程や、トナー
粒子表面に電荷を蓄積する際の複写機内での流動摩擦工
程において、粒子表面層に存在する荷電制御剤が離脱し
やすい傾向がある。そのため、トナー粒子の帯電量に変
化を生じさせたり、トナー粒子個々の帯電性にバラツキ
を生じさせる等の問題点が見られた。特に、複写回数が
増大し、流動摩擦の時間が長くなるにつれて増大するの
で、長期にわたって安定した帯電状態を維持するのが困
難であった。
代わりに、高分子に4級アンモニウム塩の官能基を導入
した電荷増強樹脂(CCR)が提案されている(特開昭
62−210472号、特開昭63−60458号、特
開平3−80259号)。しかしながら、かかる電荷増
強樹脂(CCR)を単独で使用しても、帯電量の立ち上
がり性に乏しいという問題が見られた。特に、高温高湿
環境下では、さらに立ち上がり性が低下し、帯電性を制
御することが困難であった。
従来の課題を鋭意検討した結果、帯電量を一定範囲内に
調整する機能を有する電荷調整剤(CCA)と、帯電量
を増化させる機能を有する電荷増強樹脂(CCR)とを
併用することにより、高温高湿等の環境下においても、
帯電量の立ち上がり性を素早くし、トナーが帯電しずら
いことによるトナーの耐久性劣化を防止することができ
ることを見出し本発明を完成させたものである。すなわ
ち、本発明の目的は、帯電量の立ち上がり性が早く、帯
電量の制御が容易で、しかも耐久性等に優れた静電潜像
用トナーを提供することにある。
脂と、荷電制御剤とを含有する静電潜像用トナーにおい
て、荷電制御剤として、帯電量を一定範囲内に調整する
機能を有する電荷調整剤(CCA)と、帯電量を増化さ
せる機能を有する電荷増強樹脂(CCR)とを併用する
ことを特徴とする静電潜像用トナーに関する。このよう
に構成することにより、トナーが素早く帯電し、いわゆ
る帯電量について立ち上がりを早くすることができ、ま
た、耐久性、安定性に優れた正帯電特性を付与すること
もできる。すなわち、電荷調整剤(CCA)および電荷
増強樹脂(CCR)のいずれか一方のみを用いても、素
早い立ち上がり性を得ることができず、しかも長時間の
帯電動作のためにトナーが劣化する傾向があるものの、
このように電荷調整剤(CCA)と電荷増強樹脂(CC
R)を組み合わせることにより、帯電量についての立ち
上がりを相乗的に早くすることができ、しかも帯電量の
制御が容易となり、高い帯電量を得ることができる。
るにあたり、電荷調整剤(CCA)が、アジン化合物、
アジン化合物からなる直接染料、ニグロシン、ニグロシ
ン塩、ニグロシン誘導体、ニグロシン化合物からなる酸
性染料、ナフテン酸、高級脂肪酸の金属塩類、アルコキ
シル化アミン、アルキルアミド、4級アンモニウム塩か
らなる群から選択される少なくとも一つの化合物である
ことが好ましい。
るにあたり、電荷増強樹脂(CCR)が、4級アンモニ
ウム塩を有する高分子またはオリゴマー、カルボン酸塩
を有する高分子またはオリゴマー、カルボキシル基を有
する高分子またはオリゴマーであることが好ましい。
るにあたり、電荷調整剤(CCA)がアジン化合物であ
り、電荷増強樹脂(CCR)が4級アンモニウム塩を有
するスチレン系樹脂共重合体であることが好ましい。
るにあたり、静電潜像用トナーの全体量を100重量%
としたときに、電荷調整剤(CCA)の添加量を、0.
5〜5重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
るにあたり、静電潜像用トナーの全体量を100重量%
としたときに、電荷増強樹脂(CCR)の添加量を、1
〜10重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
るにあたり、静電潜像用トナーの全体量を100重量%
としたときに、電荷調整剤(CCA)および電荷増強樹
脂(CCR)の合計量を、1.5〜15重量%の範囲内
の値とすることが好ましい。
別の態様は、バインダー樹脂と、荷電制御剤とを含有す
る静電潜像用トナーにおいて、荷電制御剤が、帯電量を
一定範囲内に調整する機能を有する電荷調整剤(CC
A)であり、かつ、バインダー樹脂が、帯電量を増化さ
せる機能を有することを特徴とする静電潜像用トナーに
関する。このようにバインダー樹脂が電荷増強樹脂(C
CR)の機能を有するため、バインダー樹脂中に電荷増
強樹脂を別途分散させる必要がない。したがって、成分
数を減少させることができるばかりか、電荷増強機能を
より安定して発揮させることができる。また、帯電量の
立ち上がりについても相乗的に早くすることができ、し
かも帯電量を制御して、より高い帯電量を得ることがで
きる。
の実施の形態を、静電潜像用トナー(以下、単にトナー
と称する場合がある。)を例に採り、具体的に説明す
る。
は特に制限されるものではないが、例えば、スチレン系
樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合
体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化
ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹
脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレ
ン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することが
好ましい。
て、スチレンの単独重合体でも、スチレンと共重合可能
な他の共重合モノマーとの共重合体でもよい。共重合モ
ノマーとしては、p−クロルスチレン;ビニルナフタレ
ン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンな
どのエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭
化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビ
ニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニ
ル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチ
ル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチルなど
の(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メ
タアクリロニトリル、アクリルアミドなどの他のアクリ
ル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチル
エーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケト
ン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトン
などのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニ
ルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピ
ロリデンなどのN−ビニル化合物などが挙げられる。こ
れらは、1種を単独で使用することもできるし、あるい
は2種以上を組み合わせてスチレン単量体と共重合させ
ることができる。
コール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合
によって得られるものであれば使用することができる。
ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分とし
ては、以下のものが挙げられる。まず、2価または3価
以上のアルコール成分としては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,
2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール等のジオール類;ビスフェノール
A、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化
ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノ
ールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,
3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペ
ンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、
1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグ
リセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチ
ル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、1,3,5,−トリヒ
ドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が
例示される。
分としては、2価または3価カルボン酸、この酸無水物
またはこの低級アルキルエステルが用いられ、マレイン
酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコ
ン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチ
ン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコ
ハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、
イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オ
クテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセ
ニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニル
コハク酸等のアルキルまたはアルケニルコハク酸等の2
価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸
(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボ
ン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタ
ントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン
酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレ
ンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサント
リカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタ
ン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロ
メリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボ
ン酸等が例示される。
観点から熱可塑性樹脂が好ましいが、ソックスレー抽出
器を用いて測定される架橋部分量(ゲル量)が10重量
%以下の値、より好ましくは0.1〜10重量%の範囲
内の値であれば、熱硬化性樹脂であっても良い。このよ
うに一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下
させることなく、トナーの保存安定性や形態保持性、あ
るいは耐久性をより向上させることができる。よって、
トナーのバインダー樹脂として、熱可塑性樹脂を100
重量%使用する必要はなく、架橋剤を添加したり、ある
いは、熱硬化性樹脂を一部使用することも好ましい。
シ系樹脂やシアネート系樹脂等が使用することができ
る。より具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ
樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等の
1種または2種以上の組み合わせが挙げられる。
散性を向上させるために、ヒドキロキシ(水酸)基、カ
ルボキシル基、アミノ基およびグリシドキシ(エポキ
シ)基から選択される少なくとも一つの官能基を分子内
に有する樹脂を使用することが好ましい。なお、これら
の官能基を有しているか否かは、FT−IR装置を用い
て確認することができ、さらに滴定法を用いて定量する
ことができる。
ク(低分子量ピークと、高分子量ピークと称する。)を
有することが好ましい。具体的に、低分子量ピークが
3、000〜20、000の範囲内であり、もう一つの
高分子量ピークが300、000〜1500、000の
範囲内であることが好ましい。重量分子量ピークがこの
ような範囲内にあれば、トナーを容易に定着させること
ができ、また、耐オフセット性を向上させることもでき
る。なお、バインダー樹脂の重量分子量は、分子量測定
装置(GPC)を用いて、カラムからの溶出時間を測定
し、標準ポリスチレン樹脂を用いて予め作成しておいた
検量線と照らし合わせることにより、求めることができ
る。
を55〜70℃の範囲内の値とするのが好ましい。バイ
ンダー樹脂のガラス転移点が、55℃未満では、得られ
たトナー同士が融着し、保存安定性が低下する傾向があ
る。一方、バインダー樹脂のガラス転移点が、70℃を
超えると、トナーの定着性が乏しくなる傾向がある。な
お、バインダー樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計
(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることがで
きる。
帯電レベルや帯電立ち上がり性(短時間で、一定の電荷
レベルに帯電するかの指標)が著しく向上し、耐久性や
安定性に優れ、さらには優れた流動性等が得られる観点
から、電荷制御剤を添加する必要がある。ここで、電荷
制御剤には、電荷(帯電量)を一定範囲内に調整する機
能を有する電荷調整剤(CCA)と、電荷(帯電量)を
増化させる機能を有する電荷増強樹脂(CCR)とがあ
る。そして、本発明のトナーにおいて、電荷調整剤およ
び電荷増強樹脂を併用して添加する必要がある。
的に、アジン化合物としてのピリダジン、ピリミジン、
ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオ
キサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジ
ン、1、2、3−トリアジン、1、2、4−トリアジ
ン、1、3、5−トリアジン、1、2、4−オキサジア
ジン、1、3、4−オキサジアジン、1、2、6−オキ
サジアジン、1、3、4−チアジアジン、1、3、5−
チアジアジン、1、2、3、4−テトラジン、1、2、
4、5−テトラジン、1、2、3、5−テトラジン、
1、2、4、6−オキサトリアジン、1、3、4、5−
オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサ
リン、アジン化合物からなる直接染料としての、アジン
ファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、
アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジン
ライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、
アジンディープブラックEWおよびアジンディープブラ
ック3RL、ニグロシン化合物としてのニグロシン、ニ
グロシン塩、ニグロシン誘導体、ニグロシン化合物から
なる酸性染料としての、ニグロシンBK、ニグロシンN
B、ニグロシンZ、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属
塩類、アルコキシル化アミン、アルキルアミド、4級ア
ンモニウム塩としてのベンジルメチルヘキシルデシルア
ンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド
等の1種または2種以上が挙げられる。特に、ニグロシ
ン化合物は、より迅速な立ち上がり性が得られる観点か
ら、本発明における使用に最適である。
級アンモニウム塩を有する樹脂またはオリゴマー、カル
ボン酸塩を有する樹脂またはオリゴマー、カルボキシル
基を有する樹脂またはオリゴマー等が挙げられ、より具
体的には、4級アンモニウム塩を有するポリスチレン系
樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4
級アンモニウム塩を有するスチレン-アクリル系樹脂、
4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カル
ボン酸塩を有するポリスチレン系樹脂、カルボン酸塩を
有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン
-アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル
系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、
カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル
基を有するスチレン-アクリル系樹脂、カルボキシル基
を有するポリエステル系樹脂等の1種または2種以上が
挙げられる。
あるいはカルボキシル基を官能基として有するスチレン
-アクリル系樹脂(スチレン-アクリル系共重合体)は、
帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができ
る観点から、本発明における使用に最適である。また、
上述したスチレン-アクリル系樹脂あるいはアクリル系
樹脂自体における好ましいアクリル系樹脂として、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、
アクリル酸iso −プロピル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸iso −ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メ
タアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso −ブチル
などが挙げられる。
ルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートから第4級
化の工程を経て誘導される単位が用いられる。誘導され
るジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとし
ては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチル
アミノエチル(メタ)アクリレート等のジ(低級アルキ
ル)アミノエチル(メタ)アクリレート;ジメチルメタ
クリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミ
ドが好適である。また、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重
合性モノマーを重合時に併用することもできる。
ち、電荷制御剤の添加量は所望の電荷量から決定するこ
とが好ましいが、具体的に、電荷調整剤(CCA)の添
加量を、0.5〜5重量%の範囲内の値とし、かつ電荷
増強樹脂(CCR)の添加量を、1〜10重量%の範囲
内の値するのが好ましい。それぞれこのような範囲内の
値とすることにより、分散性も良好であり、また、有効
に添加効果を発揮することができる。したがって、電荷
調整剤の添加量を、0.5〜3重量%の範囲内の値と
し、かつ電荷増強樹脂の添加量を、2〜5重量%の範囲
内の値するのが好ましい。
たときに、電荷調整剤および電荷増強樹脂を合計した電
荷制御剤の添加量を、1.5〜15重量%の範囲内の値
とするのが好ましい。電荷制御剤の添加量が1.5重量
%未満となると、トナーに対して、安定して帯電特性を
付与することが困難となり、画像濃度が低くなったり、
耐久性が低下する傾向がある。また、分散不良が起こり
やすく、いわゆるカブリの原因となったり、感光体汚染
が激しくなる等の傾向がある。一方、電荷制御剤の添加
量が15重量%を超えると、耐環境性、特に高温高湿下
での帯電不良、画像不良となり、感光体汚染等の欠点が
生じやすくなる傾向がある。したがって、電荷制御機能
と、トナーの耐久性等とのバランスがより良好な観点か
ら、電荷制御剤の添加量を、2.0〜8.0重量%の範
囲内の値とするのがより好ましく、3.0〜7.0重量
%の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
へのオフセットや像スミアリングを有効に防止すること
ができる観点から、ワックス類を添加することが好まし
い。
は、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエチ
レンワックス、ポリプロピレンワックス、テフロン系ワ
ックス、フィッシャートロプッシュワックス等を使用す
ることが好ましい。かかるワックスを添加することによ
り、読取ヘッドへのオフセットや像スミアリングをより
効率的に防止することができる。なお、フィッシャート
ロプッシュワックスは、一酸化炭素の接触水素化反応で
あるフィッシャートロプッシュ反応を利用して製造され
る、イソ(iso)構造分子や側鎖が少ない、直鎖炭化
水素化合物である。
の中でも、重量平均分子量が1000以上の値であり、
かつ100〜120℃の範囲内にDSCによる吸熱ボト
ムピークを有するものがより好ましい。このようなフィ
ッシャートロプッシュワックスとしては、サゾール社か
ら入手できるサゾールワックスC1(H1の結晶化によ
る高分子量グレード、吸熱ボトムピーク:106.5
℃)、サゾールワックスC105(C1の分留法による
精製品、吸熱ボトムピーク:102.1℃)、サゾール
ワックスSPRAY(C105の微粒子品、吸熱ボトム
ピーク:102.1℃)等が挙げられる。
制限されるものではないが、例えば、トナー全体量を1
00重量%としたときに、ワックス類の添加量を1〜5
重量%の範囲内の値とするのが好ましい。ワックス類の
添加量が1重量%未満となると、読取ヘッドへのオフセ
ットや像スミアリング等を効率的に防止することができ
ない傾向があり、一方、ワックス類の添加量が5重量%
を超えると、トナー同士が融着してしまい、保存安定性
が低下する傾向がある。
保存安定性を維持したり、あるいは多機能とする目的
で、着色剤、染料、顔料、カップリング剤、シリカ粒子
等を添加配合することも可能である。特に、流動性、保
存安定性を維持する目的で、平均粒径が5〜12μmの
範囲内であるトナー中にコロイダルシリカ、疎水性シリ
カ等を使用するのが好ましい。なお、シリカ粒子につい
ては、トナーの流動性をより制御できる観点から、トナ
ーに対して外添することが好ましい。その場合、シリカ
粒子として、シランカップリング剤を用いて正帯電極性
基(アミノ基等)を導入し、シリコーンオイルにより疎
水化処理した乾式シリカ微粉末を使用することが好まし
い。
説明する。なお、言うまでもないが、以下の説明は本発
明を例示するものであり、特に理由なく、以下の説明に
本発明の範囲は限定されるものではない。
トナーを作製した。 スチレン−アクリル樹脂・・・・・・・・・・ 87.5重量部 アジン化合物系(荷電調整剤)・・・・・・・・0.5重量部 4級アンモニウム塩を官能基とする・・・・・・4.0重量部 スチレン系樹脂共重合体(荷電増強樹脂) ポリプロピレンワックス・・・・・・・・・・・3.0重量部 カーボンブラック・・・・・・・・・・・・・・5.0重量部
リプロピレンワックスを3重量部、カーボンブラックを
5重量部にそれぞれ固定し、さらにスチレン−アクリル
樹脂(共重合体)の添加量は、残重量部である87.5
重量部を添加するものとする。次いで、各成分を2軸押
出機にて溶融混練した後、これを冷却し、粉砕、分級し
て平均粒径が7μmの粉体を得た。なお、荷電調整剤
(CCA)と荷電増強樹脂(CCR)の配合比率は、表
1に示したとおりであり、アジン化合物系(CCA)が
0.5重量部、4級アンモニウム塩を官能基とするスチ
レン系樹脂共重合体(CCR)が1.0重量部の割合で
ある。得られた粉体に、シリカ(SiO2)微粉末を
0.5重量%外添混合し、表面に付着させて本発明のト
ナーとし、以下の評価に供した。
ーを磁性一成分現像剤として用い、a−Siドラム搭載
京セラ製ページプリンタ(FS−3700)に収容し、
画像評価パターン(ソリッドパターン)を出力させ定着
性を評価した。また、併せて以下に示す方法で帯電特
性、画像特性、および現像スリーブ汚れの評価をそれぞ
れ行った。得られた結果を表2に示す。
量部とを混合し、通常環境条件(20℃、65%RH)
にて、容器内で振動させて60分間摩擦帯電させた時の
帯電量(μC/g)を初期の帯電量とした。結果を表2
に示す。
い、上述した京セラ製ページプリンタ内に収容し、10
万枚の連続印刷(通紙)を行った。その際のトナー帯電
量を耐久後の帯電量とした。結果を表2に示す。なお、
トナーの帯電量は、東芝ケミカル社製ブローオフ粉体帯
電量測定装置を用いて測定した。
拌前(0分)、撹拌後3分、10分、20分、30分、
40分後にもそれぞれ測定し、トナーにおける帯電の立
ち上がり性も検討した。この結果を図1に示す。図1に
おいて、横軸に撹拌時間(分)を採ってあり、縦軸に帯
電量(μC/g)を採って示してある。記号Aで示され
る曲線が本実施例を表している。なお、比較のため、比
較例1についての同様のデータを記号Bで示す曲線で表
しており、比較例2についての同様のデータを記号Cで
示す曲線で表しており、さらに、記号Dで示される曲線
は、実施例1において荷電調整剤(CCA)と荷電増強
樹脂(CCR)をいずれも添加していない例を示してい
る。結果から理解されるように、荷電調整剤および荷電
増強樹脂を添加した本実施例は、撹拌後3分程度で15
μC/g以上の帯電量を示し、撹拌後10分程度で、3
0μC/gという高いレベルでもって飽和する。それに
対して、荷電調整剤および荷電増強樹脂のいずれか一方
を添加した系(曲線BおよびC)は、帯電量の立ち上が
り性が明らかに遅く、しかも、飽和した帯電レベルの値
も20〜24μC/gとかなり低いことがわかる。
た京セラ製ページプリンタに収容し、画像特性の評価を
行った。すなわち、通常環境(20℃、65%RH)に
て得られた画像評価パターン(ソリッドパターン)を初
期画像とし、その後、10万枚の連続印刷(通紙)を行
い、画像パターンを印字して耐久画像とした。そして、
マクベス反射濃度計を用いて、初期画像および耐久画像
における画像濃度(印字濃度)をそれぞれ測定した。結
果を表2に示す。
画像のカブリ性を、以下の基準により、目視で行った。 ○:カブリは全く観察されず、良好な状態である。 △:ややカブリの発生が観察される。 ×:顕著なカブリが観察される。
分間冷却した後、電源を入れ(ON)、画像評価パター
ン(ソリッドパターン)を連続5枚印字して、測定用画
像を得た。次いで、得られた画像上に、綿布で包んだ黄
銅製分銅(1kg荷重)を10往復させた。この操作の
前後の画像濃度をマクベス反射濃度計で測定し、その濃
度の定着率(操作前濃度/操作後濃度)を求めて、以下
の基準から定着性を評価した。結果を表2に示す。な
お、評価紙は、クラシック・クレスト紙を用いた。 ○:定着率が95以上の値である。 △:定着率が90%以上〜95%未満の値である。 ×:定着率が90%未満の値である。
た京セラ製ページプリンタに収容し、画像特性の評価を
行った。すなわち、通常環境(20℃、65%RH)に
て10万枚連続印刷し、得られた画像評価パターン(ソ
リッドパターン)を目視で観察し、以下の基準から現像
スリーブ付着性を評価した。結果を表2に示す。 ○:汚れは認められず、きれいで良好である。 △:少しの汚れが認められる。 ×:かなりの汚れが認められる。
剤(CCA)と荷電増強樹脂(CCR)の添加量をそれ
ぞれ変えたほかは、実施例1と同様に、静電潜像用トナ
ーを作製した。
潜像用トナーについて、実施例1と同様に定着性および
画像特性等の評価結果を行った。結果を表2に示す。
剤(CCA)と荷電増強樹脂(CCR)のいずれか一方
を添加したほかは、実施例1と同様に、静電潜像用トナ
ーを作製した。
潜像用トナーについて、実施例1と同様に定着性および
画像特性等の評価結果を行った。結果を表2に示す。
制御剤とを含有する静電潜像用トナーにおいて、荷電制
御剤として、帯電量を一定範囲内に調整する機能を有す
る電荷調整剤(CCA)と、帯電量を増化させる機能を
有する電荷増強樹脂(CCR)とを併用することによ
り、帯電レベルが高く、帯電量について立ち上がりが早
く、しかも耐久性、安定性に優れた正帯電特性を付与す
ることができる静電潜像用トナー(静電潜像用トナー)
を提供することができるようになった。
量との関係を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 バインダー樹脂と、荷電制御剤とを含有
する静電潜像用トナーにおいて、 前記荷電制御剤として、帯電量を一定範囲内に調整する
機能を有する電荷調整剤(CCA)と、帯電量を増化さ
せる機能を有する電荷増強樹脂(CCR)とを併用する
ことを特徴とする静電潜像用トナー。 - 【請求項2】 前記電荷調整剤が、アジン化合物、アジ
ン化合物からなる直接染料、ニグロシン、ニグロシン
塩、ニグロシン誘導体、ニグロシン化合物からなる酸性
染料、ナフテン酸、高級脂肪酸の金属塩類、アルコキシ
ル化アミン、アルキルアミド、4級アンモニウム塩から
なる群から選択される少なくとも一つの化合物であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の静電潜像用トナー。 - 【請求項3】 前記電荷増強樹脂が、4級アンモニウム
塩を有する高分子またはオリゴマー、カルボン酸塩を有
する高分子またはオリゴマー、カルボキシル基を有する
高分子またはオリゴマーであることを特徴とする請求項
1または2に記載の静電潜像用トナー。 - 【請求項4】 前記電荷調整剤がアジン化合物であり、
前記電荷増強樹脂が4級アンモニウム塩を有するアクリ
ル−スチレン系共重合体であることを特徴とする請求項
1〜3のいずれか一項に記載の静電潜像用トナー。 - 【請求項5】 前記静電潜像用トナーの全体量を100
重量%としたときに、前記電荷調整剤の添加量を、0.
5〜5重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求
項1〜4のいずれか一項に記載の静電潜像用トナー。 - 【請求項6】 前記静電潜像用トナーの全体量を100
重量%としたときに、前記電荷増強樹脂の添加量を、1
〜10重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求
項1〜5のいずれか一項に記載の静電潜像用トナー。 - 【請求項7】 前記静電潜像用トナーの全体量を100
重量%としたときに、前記電荷調整剤および前記電荷増
強樹脂の合計量を、1.5〜15重量%の範囲内の値と
することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記
載の静電潜像用トナー。 - 【請求項8】 バインダー樹脂と、荷電制御剤とを含有
する静電潜像用トナーにおいて、 前記荷電制御剤が、帯電量を一定範囲内に調整する機能
を有する電荷調整剤であり、かつ、 前記バインダー樹脂が、帯電量を増化させる機能を有す
ることを特徴とする静電潜像用トナー。
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JP35585297 | 1997-12-24 | ||
JP14372698A JP4117812B2 (ja) | 1997-12-24 | 1998-05-26 | 静電潜像用トナー |
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JP (1) | JP4117812B2 (ja) |
-
1998
- 1998-05-26 JP JP14372698A patent/JP4117812B2/ja not_active Expired - Fee Related
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