JPH11242022A - クロマトグラフィー用充填剤 - Google Patents

クロマトグラフィー用充填剤

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JPH11242022A
JPH11242022A JP10057355A JP5735598A JPH11242022A JP H11242022 A JPH11242022 A JP H11242022A JP 10057355 A JP10057355 A JP 10057355A JP 5735598 A JP5735598 A JP 5735598A JP H11242022 A JPH11242022 A JP H11242022A
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JP
Japan
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group
carbamoylalkyl
general formula
chromatography
derivative
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Pending
Application number
JP10057355A
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English (en)
Inventor
Sotaro Miyano
壮太郎 宮野
Nobuhiko Iki
伸彦 壹岐
Fumitaka Narumi
史高 鳴海
Atsushi Sugawara
淳 菅原
Tomohiro Suzuki
智博 鈴木
Yoshihiro Sugawa
能裕 栖川
Hitoshi Kumagai
仁志 熊谷
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by COSMO SOGO KENKYUSHO KK, Cosmo Oil Co Ltd filed Critical COSMO SOGO KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学異性体や芳香族化合物の構造異性体など
に対し、優れた識別性能を有するクロマトグラフィー用
充填剤を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で表される環状フェノール
硫化物のカルバモイルアルキル誘導体を有効成分として
含ませる。 (一般式(1)中、Xは水素原子または−R1−CON
H−CR234(R1はアルキレン基である。また、R
2、R3、R4は水素原子またはアルキル基であり、それ
ぞれ同一ではない。)で表されるカルバモイルアルキル
基であり、4つのXのうち少なくともひとつはカルバモ
イルアルキル基である。Yは水素原子またはアルキル基
であり、4つのYはそれぞれ同一であってもよいし、異
なってもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性なカルバモイ
ルアルキル基を有する環状フェノール硫化物誘導体を含
有するクロマトグラフィー用の充填剤に関し、優れた分
離特性を有し、特に光学異性体や芳香族構造異性体など
の分離に用いると有効であるクロマトグラフィー用充填
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬、農薬、食品などに用いられる化合
物には、いわゆる光学異性体と呼称される化合物が多く
含まれるが、光学異性体は通常生体に対して異なる作用
を持つ。したがって、光学異性体を分離するか、あるい
はそれぞれを選択的に製造することなどにより、単位当
たりの薬効を向上させたり、副作用等の薬害を防止する
ことは非常に重要な課題であり、精力的な研究や実用化
が図られている。光学異性体の混合物を分離する方法と
しては、従来、優先晶析法、ジアステレオマー法などが
用いられているが、クロマトグラフィーなどの光学分割
操作が簡便な技術に対する期待は大きい。光学活性な固
定相を有するクロマトグラフィーにより鏡像異性体対を
直接分離する方法は公知の方法であり、これまで、固定
相に使用する光学活性化合物として、(L)−バリンや
(L)−フェニルグリシン誘導体などのアミノ酸類、光
学活性アミド化合物あるいはシクロデキストリン誘導体
など各種の化合物が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の充填剤の多くは、適用できる鏡像異性体試料の範囲に
限界があった。また、特にガスクロマトグラフィーにお
いては、熱安定性の低い試料を分離・分析する場合に
は、低温での運転が可能なカラムが必要であり、そのた
めには低融点の充填剤が望ましく、また、高沸点の試料
を分離・分析する場合には、カラム充填剤の沸点や熱安
定性が高いことが要求されるが、上記提案の充填剤は、
融点が高かったり、耐熱性に劣るなどの欠点を有してい
た。本発明が解決しようとする課題は、このクロマトグ
ラフィー法において、従来にない新しい構造を有し、光
学異性体や芳香族化合物の構造異性体などに対し、優れ
た識別性能を有するクロマトグラフィー用充填剤を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に、基
本骨格にフェノール骨格を3以上含む環状フェノール硫
化物群を見い出し(特開平9−227553号)、ま
た、これらの環状フェノール硫化物群が金属補足剤、イ
オンセンサー、高分子材料、酸化触媒、人工酵素、光エ
ネルギー変換材料、あるいはその他のイオンや分子認識
を利用した機能性分子の中間体などとして有用であるこ
とを見い出した。該環状フェノール硫化物は耐熱性に非
常に優れており、したがって、本発明者らは、該環状フ
ェノール硫化物に光学異性体などの認識部位を導入する
ことが可能であれば、上記の光学異性体の効率的な分離
及び分析を可能にすることができるものと考え、鋭意検
討を重ねた結果、一般式(1)
【0005】
【化3】
【0006】(一般式(1)中、Xは水素原子または一
般式(2)で表されるカルバモイルアルキル基であり、
4つのXのうち少なくともひとつはカルバモイルアルキ
ル基である。Yは水素原子またはアルキル基であり、4
つのYはそれぞれ同一であってもよいし、異なってもよ
い。)
【0007】
【化4】 −R1−CONH−CR234 (2)
【0008】(一般式(2)中、R1はアルキレン基で
ある。また、R2、R3、R4は水素原子またはアルキル
基であり、それぞれ同一ではない。)で表される環状フ
ェノール硫化物のカルバモイルアルキル誘導体が、耐熱
性に優れ、また、融点も低く、アミノ酸、アルコール誘
導体、エーテル誘導体、カルボン酸誘導体、エステル誘
導体、シラン化合物、アミン誘導体、アミノアルコール
誘導体などの光学異性体及びジメチルフェノールなどの
芳香族化合物の構造異性体などに対し高い識別能を有す
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、一般式(1)(一般
式(1)中、Xは水素原子または一般式(2)で表され
るカルバモイルアルキル基であり、4つのXのうち少な
くともひとつはカルバモイルアルキル基である。Yは水
素原子またはアルキル基であり、4つのYはそれぞれ同
一であってもよいし、異なってもよい。また、式(2)
中、R1はアルキレン基である。また、R2、R3、R4
水素原子またはアルキル基であり、それぞれ同一ではな
い。)で表される環状フェノール硫化物のカルバモイル
アルキル誘導体を含むことを特徴とするクロマトグラフ
ィー用充填剤を提供するものである。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のクロマトグラフィー用充
填剤は、上記一般式(1)で表される環状フェノール硫
化物のカルバモイルアルキル誘導体を含む。一般式
(1)中のXは、水素原子または上記の一般式(2)で
表されるカルバモイルアルキル基である。一般式(2)
中のR1は、アルキレン基である。アルキレン基の炭素
数は、1以上であれば特に制限はないが、好ましくは1
〜6であり、好適な例としては、−CH2−、−CH2
2−、−CH(CH3)−などが挙げられる。一般式
(2)中のR2、R3、R4は、水素原子またはアルキル
基であり、それぞれ同一ではない。このアルキル基の炭
素数は、1以上であれば特に制限はないが、好ましくは
1〜12であり、好適な例としては、メチル基、エチル
基、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基などが挙げら
れる。これらのアルキル基の水素は、カルボキシル基、
エステル、水酸基などで置換されていてもよい。一般式
(1)中の4つのXのうち少なくともひとつはカルバモ
イルアルキル基である。
【0011】また、一般式(1)中のYは水素原子また
はアルキル基である。アルキル基の炭素数は、1以上で
あれば特に制限されないが、好ましくは1〜30、より
好ましくは1〜18である。これらのアルキル基として
は、飽和脂肪族炭化水素基、不飽和炭化水素基、脂環式
炭化水素基、脂環式−脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水
素基、芳香族−脂肪族炭化水素基等が挙げられる。飽和
脂肪族炭化水素基の適当な具体例としては、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネ
オペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、tert−
オクチル、n−ノニル、イソノニル、n−ドデシル、及
びエチレンやプロピレン、ブチレンの重合物あるいはそ
れらの共重合物からなる基などが挙げられる。不飽和脂
肪族炭化水素基の適当な具体例としては、例えばビニ
ル、アリル、イソプロペニル、2−ブテニル、及びアセ
チレンやブタジエン、イソプレンの重合物あるいはそれ
らの共重合物からなる基などが挙げられる。
【0012】脂環式炭化水素基の適当な具体例として
は、例えばシクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、エ
チルシクロヘキシルなどが挙げられる。脂環式−脂肪族
炭化水素基の適当な具体例としては、例えばシクロヘキ
シルメチル、シクロヘキシルエチルなどが挙げられる。
芳香族炭化水素基の適当な具体例としては、例えばフェ
ニル、ナフチルなどのアリール基、メチルフェニル、ジ
メチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニ
ル、ブチルフェニルなどのアルキルアリール基などが挙
げられる。芳香族−脂肪族炭化水素基の適当な具体例と
しては、例えばベンジル、フェニルエチル、フェニルプ
ロピル、フェニルブチル、メチルフェニルエチルなどが
挙げられる。一般式(1)中の4つのYはそれぞれ同一
であってもよいし、異なってもよい。次に、この一般式
(1)の環状フェノール硫化物のカルバモイルアルキル
誘導体の製造方法について説明する。一般式(1)の環
状フェノール硫化物のカルバモイルアルキル誘導体の製
造例は、特願平9−366037に記載されている。適
当な製造例としては、先ず、一般式(3)
【0013】
【化5】
【0014】(一般式(3)中、Rはアルキル基であ
る。)で表される4位にアルキル基を有するアルキルフ
ェノール類と、適当量の単体硫黄を、適当量のアルカリ
金属試薬及びアルカリ土類金属試薬から選ばれる少なく
とも1種の金属試薬の存在下反応させる方法である。R
で表されるアルキル基の例として、Yで表されるアルキ
ル基が挙げられる。アルキルフェノール類と単体硫黄の
原料仕込比は、アルキルフェノール類1グラム当量に対
し、単体硫黄が0.1グラム当量以上であり、好ましく
は0.35グラム当量以上である。単体硫黄の原料仕込
比の上限は特に限定されないが、アルキルフェノール類
1グラム当量に対し、20グラム当量以下が好ましく、
特に10グラム当量以下が好ましい。
【0015】アルカリ金属試薬としては、例えばアルカ
リ金属単体、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金
属、炭酸アルカリ金属、アルカリ金属アルコキシド、ハ
ロゲン化アルカリ金属などが挙げられる。また、アルカ
リ土類金属試薬としては、例えばアルカリ土類金属単
体、水素化アルカリ土類金属、水酸化アルカリ土類金
属、酸化アルカリ土類金属、炭酸アルカリ土類金属、ア
ルカリ土類金属アルコキシド、ハロゲン化アルカリ土類
金属などが挙げられる。アルカリ金属試薬またはアルカ
リ土類金属試薬の使用量は、アルキルフェノール類1グ
ラム当量に対し、0.005グラム当量以上であり、好
ましくは0.01グラム当量以上である。アルカリ金属
試薬またはアルカリ土類金属試薬の使用量の上限は特に
制限はないが、好ましくは10グラム当量以下であり、
特に好ましくは5グラム当量以下である。
【0016】このようにして得られた環状アルキルフェ
ノール硫化物のRは、必要により脱アルキル化して、水
素原子に置換することができる。脱アルキル化の方法例
は、特願平8−252240に記載されている。適当な
製造例としては、塩化アルミニウムなどの酸触媒の存在
下、脱アルキルを行う方法が挙げられる。生成した環状
フェノール硫化物のフェノール性水酸基の水素原子を、
カルバモイルアルキル基で置換すれば、一般式(1)で
表される環状フェノール硫化物のカルバモイルアルキル
誘導体を製造することができる。適当な製造例として
は、先ず、特願平8−352619号明細書に記載され
ている方法により、すなわち、環状フェノール硫化物の
フェノール性水酸基の水素原子をアルカリ金属に置換
し、これをアルコキシカルボニルアルキルハロゲンと反
応させた後、さらに、これを公知の方法、例えば加水分
解することにより、カルボキシアルキル基に転換する方
法が挙げられる。
【0017】このカルボキシアルキル基をカルバモイル
アルキル基に変換する方法例は、特願平9−29959
4号明細書に記載されている。例えば、カルボキシアル
キル基を酸クロリドに変換した後、これにアミンを反応
させることにより、カルバモイルアルキル基とすること
ができる。本発明のクロマトグラフィー用充填剤は、一
般式(1)で表される環状フェノール硫化物のカルバモ
イルアルキル誘導体のみで構成されていてもよいし、他
の成分を併せて含有していてもよいし、これらを担体に
担持させたものでもよい。本発明のクロマトグラフィー
用充填剤は、クロマトグラフィーに利用することによ
り、種々の化合物を分離することができる。本発明のク
ロマトグラフィー用充填剤を利用できるクロマトフラフ
ィー法には、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグ
ラフィー、薄層クロマトグラフィーなどが挙げられる。
特に、ガスクロマトグラフィーに利用すれば、従来分離
が困難であったラセミ体などの鏡像異性体対の光学分割
に優れた効果が発揮される。
【0018】本発明のクロマトグラフィー用充填剤をカ
ラムに充填するには、従来一般に行われている方法、例
えば、固定相を担体に担持させてカラムに充填する充填
カラム方式、あるいは固定相のみでカラムの内部表面を
被覆するキャピラリーカラム方式などをそのまま適用す
ることができる。充填カラム方式では、例えばシリカゲ
ル、ガラスビーズ、ケイソウ土、アルミナなどの多孔性
担体に一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の
カルバモイルアルキル誘導体を均一に吸着させた本発明
のクロマトグラフィー用充填剤をカラムに充填すること
により行うことができる。環状フェノール硫化物のカル
バモイルアルキル誘導体の吸着量は、適宜選定すればよ
く、特に制限ないが、好ましくは担体に対して1〜20
重量%である。多孔性担体としては、特に制限はない
が、粒径約1〜100μm、細孔径約50〜500Aの
球状のものが好ましい。
【0019】キャピラリーカラム方式では、例えば内径
約0.1〜0.5mm、長さ約10〜100mのガラス
製またはステンレス製などのキャピラリーカラムの内部
表面に一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の
カルバモイルアルキル誘導体から成る本発明のクロマト
グラフィー用充填剤をダイナミック法あるいはスタティ
ック法などを用いて均一に被覆することにより行うこと
ができる。環状フェノール硫化物のカルバモイルアルキ
ル誘導体の被覆量は、適宜選定すればよく、特に制限な
いが、好ましくは膜厚が0.1〜0.5μmである。ま
た、本発明のクロマトグラフィー用充填剤は、単独で用
いることができるが、他の充填剤と併用してもよい。他
の充填剤の例としては、例えばOV−17、OV−17
01、SE−30、SF−96、SP−2100、XE
−60など、また、PEG−20M、FFAPなどが挙
げられる。本発明のクロマトグラフィー用充填剤を他の
充填剤と併用する場合、その他の充填剤の使用割合は、
本発明の充填剤と他の充填剤との溶解性により限定され
る以外は、特に制限はないが、好ましくは全充填剤量の
80重量%以下である。また、液体クロマトグラフィー
あるいは薄層クロマトグラフィーを行う場合の展開溶媒
としては、該環状フェノール硫化物カルバモイル誘導体
を溶解またはこれと反応する液体を除いて、制限はな
い。
【0020】本発明のクロマトグラフィー用充填剤を用
いれば、種々の官能基を有する化合物の分離・分析を行
うことができるが、特に、アミノ酸誘導体、アルコール
誘導体、エーテル誘導体、カルボン酸誘導体、エステル
誘導体、シラン化合物、アミン誘導体、アミノアルコー
ル誘導体などの光学異性体やジメチルフェノールなどの
芳香族化合物の構造異性体などに対して優れた効果を有
する。また、本発明のクロマトグラフィー用充填剤をガ
スクロマトグラフィーに利用した場合、低沸点から高沸
点の広範囲な化合物を分析できる。カラム温度は、特に
制限なく、環状フェノール硫化物カルバモイルアルキル
誘導体の種類により適宜選択すればよいが、特に好まし
い温度範囲としては50〜260℃が挙げられる。
【0021】
【実施例】本発明を実施例により、さらに詳細に説明す
る。ただし、本発明はこれらの例によって何ら限定され
るものではない。
【0022】製造例1 一般式(1)の4つのXが、一般式(2)におけるR1
がCH2であり、R2、R3、R4がそれぞれH、CH3
Phであるカルバモイルアルキル基であり、Yがt−ブ
チルである(S)−環状フェノール硫化物カルバモイル
アルキル誘導体(I)の合成 4−tert−ブチルフェノール45.2gに、単体硫
黄14.4gおよび水酸化ナトリウム3.0gを加え、
窒素気流中、撹拌しながら、4時間かけて徐々に230
℃に加熱し、さらに2時間撹拌を続けた。この間、反応
で生成する水および硫化水素を除去した。反応中に留出
した水は約0.8gであり、反応により生成した硫化水
素は約6gであった。この反応混合物を室温まで冷却
し、エーテル500mlを加え溶解させた後、1規定の
硫酸水溶液で加水分解した。分液したエーテル層からエ
ーテルを留去して得られた反応混合物を、さらにシリカ
ゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)に
より分割し、粗生成物を得、これをクロロホルム/アセ
トンから再結晶させたところ、無色透明の結晶である
5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−2
5,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,1
4,20−テトラチア[19.3.1.13,79,13
15,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(2
8),9,11,13(27),15,17,19(2
6),21,23−ドデカエン4.32gが得られた。
【0023】次に、この無色透明の結晶2.49gにア
セトン35ml、Na2CO34.17g及びブロモ酢酸
エチル3.5mlを順次加え、窒素雰囲気下、30時間
加熱環流した。放冷後、Na2CO3をろ過し、アセトン
を留去し、さらに減圧乾燥によりブロモ酢酸エチルを留
去した。この反応混合物から、シリカゲルクロマトグラ
フィー(酢酸エチル/n−ヘキサン)及び再結晶(エタ
ノール)を行うことにより、白色粉状結晶の5,11,
17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,
27,28−テトラキス(エトキシカルボニルメトキ
シ)−2,8,14,20−テトラチア[19.3.
1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(25),
3,5,7(28),9,11,13(27),15,
17,19(26),21,23−ドデカエン(コーン
型)2.84gを得た。
【0024】次に、この白色粉状結晶2.14gにDM
SO60ml、炭酸カリウム水溶液(5.52g/10
ml)を順次加え、120℃で12時間加熱した。放冷
した後、氷冷下で2N−HCl水溶液120mlを加
え、室温に昇温し、そのまま6時間撹拌した。生成した
沈殿物をろ別し、水洗した。得られた固形物をクロロホ
ルムに溶解し、不純物を除去した後、クロロホルムを留
去し、さらに再結晶(アセトン/蒸留水)させたとこ
ろ、白色の粉状結晶1.68gを得た。さらに、この白
色の粉状結晶0.96gに、塩化チオニル10mlを加
え、2時間加熱環流した。放冷後、塩化チオニルを留去
し、80℃で1時間さらに減圧乾燥を行い、これに塩化
メチレン20mlを加え溶解させた。これとは別に、
(S)−フェネチルアミン0.90mgにトリエチルア
ミン0.68mg、塩化メチレン20mlを加え、氷冷
し、前記の塩化メチレン溶液を滴下した。室温まで昇温
させ、1時間撹拌した後、再び氷冷し、2N−HCl水
溶液を加えた。クロロホルムで抽出した後、水洗、乾燥
後、溶媒を留去し、減圧乾燥した。この粗生成物から、
シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/クロロホ
ルム)を行うことにより、1.03gの(S)−環状フ
ェノール硫化物カルバモイルアルキル誘導体(I)(一
般式(1)の4つのXが、一般式(2)におけるR1
CH2であり、R2、R3、R4がそれぞれH、CH3、P
hであるカルバモイルアルキル基であり、Yがt−ブチ
ルである)が得られた。以下に、物性を示す。
【0025】融点:117.8〜119.1℃1 H−NMR(δ,ppm,CDCl3)7.89(d,
d=8.0Hz,4H,NH),7.28〜7.15
(m,28H,ArH),5.21〜5.14(m,4
H,CH),4.77(ABq,JABq=15.0H
z,Δν=40Hz,8H,OCH2CO),1.59
(d,Jd=7.0Hz,12H,CH3),1.10
(s,36H,C(CH33) IR(cm-1,KBr) ν 3585〜3317(N
H),2964(CH),1668(CO)
【0026】製造例2 (S)−環状フェノール硫化物カルバモイルアルキル誘
導体(I)をコーティングしたキャピラリーカラムの調
製 脱気したジクロロメタンに、製造例1で製造した(S)
−環状フェノール硫化物カルバモイルアルキル誘導体
(I)(一般式(1)の4つのXが、一般式(2)にお
けるR1がCH2であり、R2、R3、R4がそれぞれH、
CH3、Phであるカルバモイルアルキル基であり、Y
がt−ブチルである)を12mgとOV−17(国産化
学製)を8mg溶解させ総容積5mlとし、メンブラン
ろ過した。これを、予め出口側に内径0.5mmのシリ
コンチューブを取り付けたガラスキャピラリーカラムの
中に気泡が入らないように通した。この際、接続部分か
ら空気が入らないように熱収縮チューブを用いてしっか
りと固定した。溶液が完全にキャピラリーカラムに充填
された後、気泡が入らないようにシリコンチューブをク
リップで押さえて出口側を封じた。カラムを恒温槽に入
れ一定温度25℃に保ちながら、入口側を真空ポンプに
接続し、最初は50mmHgとし、ジクロロメタンをカ
ラムの端から留去した。溶媒が留去される速度を一定と
するように徐々に圧力を下げ、最終的に3mmHgまで
下げた。ジクロロメタンを完全に留去した後、ガラスキ
ャピラリーを長さ25mになるように切断し、この両端
にガードカラムとして25cmの不活性処理されたフュ
ーズドシリカキャピラリーカラム(内径0.25mm)
を熱収縮チューブを用いて接続した。
【0027】実施例1 製造例2で調製した(S)−環状フェノール硫化物カル
バモイルアルキル誘導体(I)(一般式(1)の4つの
Xが、一般式(2)におけるR1がCH2であり、R2
3、R4がそれぞれH、CH3、Phであるカルバモイ
ルアルキル基であり、Yがt−ブチルである)をコーテ
ィングしたキャピラリーカラムを用い、下記の測定条件
でラセミ体のアミノ酸誘導体R5CH(COOPri)N
HCOCF3(式中、R5は表1に示す置換基であり、P
iはイソプロピル基である。)の分離を行い、保持係
数から分離係数(α)を求めた。その結果を表1に示
す。
【0028】 [測定条件] カラム :内径0.25mm,外径1.0mm,長さ25m カラム温度 :90〜150℃ キャリアーガス:He 流量 :0.44ml/min 検出器 :FID 注入量 :5mg/ml 注入口温度 :120〜180℃
【0029】
【表1】
【0030】実施例2〜6 同じ(S)−環状フェノール硫化物カルバモイルアルキ
ル誘導体(I)をコーティングしたキャピラリーカラム
を用い、実施例1と同様の測定条件において、アルコー
ル誘導体、カルボン酸誘導体、アミン誘導体、アミノア
ルコール誘導体のラセミ体の分離を行い、αを求めた。
その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明のクロマトグラフィー用充填剤に
よると光学異性体および芳香族化合物の構造異性体を効
率よく分離できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳴海 史高 宮城県仙台市青葉区栗生5−6−14コーポ AOBA2−102 (72)発明者 菅原 淳 宮城県仙台市泉区将監12−14−15 (72)発明者 鈴木 智博 宮城県仙台市太白区八木山本町2−2−7 −307 (72)発明者 栖川 能裕 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 熊谷 仁志 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表される環状フェノール硫
    化物のカルバモイルアルキル誘導体を含むことを特徴と
    するクロマトグラフィー用充填剤。 【化1】 (一般式(1)中、Xは水素原子または一般式(2)で
    表されるカルバモイルアルキル基であり、4つのXのう
    ち少なくともひとつはカルバモイルアルキル基である。
    Yは水素原子またはアルキル基であり、4つのYはそれ
    ぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。) 【化2】 −R1−CONH−CR234 (2) (一般式(2)中、R1はアルキレン基である。また、
    2、R3、R4は水素原子またはアルキル基であり、そ
    れぞれ同一ではない。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014077288A1 (ja) * 2012-11-16 2014-05-22 保土谷化学工業株式会社 電荷制御剤及びトナー
JP5552581B1 (ja) * 2012-11-16 2014-07-16 保土谷化学工業株式会社 電荷制御剤及びトナー

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