JP3179512B2 - ペニシラミン誘導体、キラリテイ識別剤および分離剤 - Google Patents

ペニシラミン誘導体、キラリテイ識別剤および分離剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ペニシラミンのS−
およびN−アルキル誘導体およびその用途に関するもの
である。上記用途には、キラリテイ識別剤としての用
途、特に、例えば液体クロマトグラフィーにおいて、例
えばアミノ酸のようなキラリテイを有する化合物の鏡像
体混合物(例えばラセミ体)の分割を行なうための分離剤
としての用途が含まれる。
【0002】
【従来の技術】逆相用シリカゲル担体にアミノ酸誘導体
を被覆してなる光学分割用分離剤は既に知られている
[(1)クロマトグラフイア(Chromatographia)第13巻
第667頁(1980年)、(2)特開昭58−96062
号、(3)特開昭64−26523号]。上記(1)および
(2)に記載されている分離剤は、担持させるアミノ酸と
して、プロリンまたはヒドロキシプロリンのN−アルキ
ル誘導体を使用しており、(3)に記載されている分離剤
は、担持させるアミノ酸として、セリン、アラニンまた
はノルパリンのN,N−ジアルキル誘導体を使用してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記(1),(2)のアミ
ノ酸誘導体を使用した充填剤は、特定のアミノ酸に対し
ては優れた分割能を示すが、セリン、ヒスチジン、リジ
ン、グルタミン酸等の親水性アミノ酸に対しては、ほと
んど光学分割能を示さないという欠点を有する。また
(3)のアミノ酸誘導体を使用した充填剤は、上記の親水
性アミノ酸等に対しても光学分割能を示すが、アスパラ
ギン、システイン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラ
ニン(以下DOPAと略称)等の光学分割が困難である欠
点を有する。この発明は、上記のような欠点をもたない
分離剤を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、 (1) 一般式
【化2】 [式中、R1およびR2はアルキル基(不飽和結合、および
置換基としての芳香族基を含んでいてもよい)である
か、R1は上記式(I)からR1を除いて得られる基でR2
は上記の意味であるか、またはR1とR2が一緒になって
アルカンジイル基を意味し、R3は水素またはアルキル
基(不飽和結合、および置換基としての芳香族基を含ん
でいてもよい)を意味する。但し、R1、R2およびR3
炭素原子数の合計は8個以上である]で示される化合
物。 (2) 上記(1)記載の化合物からなる、キラリテイ識別
剤。 (3) 上記(1)記載の化合物の逆相系担体に被覆してな
る、分離剤 を提供するものである。
【0005】上記の一般式(I)において、R1のアルキル
基としては、炭素原子数5−20のものが好ましく、7
−18のものがさらに好ましく、8−15のものが最も
好ましい。また、R2およびR3のアルキル基としては、
炭素原子数1−20のものが好ましく、5−19または
7−18のものがさらに好ましく、8−15のものが最
も好ましい。これらのアルキル基は、直鎖でもよく、ま
た1個以上、例えば1−2個の分枝を有していてもよ
い。また、これらのアルキル基は、主鎖または側鎖中に
1個以上、例えば1−3個の不飽和結合(2重結合また
は3重結合)を有していてもよい。さらに、これらのア
ルキル基は、置換基として、1個以上、例えば1−2個
の芳香族基(好ましくはフェニル、トリル、キシリル、
クメニル等の単環性芳香族基)を有することができる。
【0006】代表的なアルキル基の例は、R1の場合、
ヘプチル、イソヘプチル、2−エチルヘキシル、オクチ
ル、イソオクチル、ノニル、2,4,5−トリメチルヘキ
シル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テ
トラデシル、3−メチル−4−エチルウンデシル、ヘン
タデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシ
ル、ノナデシル、イコサニル、およびこれらの不飽和
体、例えば7−オクテニル、3,5−デカジエニル、6
−ドデシニル、並びに芳香族置換体、例えばベンジル、
フエネチル、スチリル、2−フェニルプロピル等であ
り、R2およびR3の場合、上記のものに加えて、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、アリル、ブテニル等が含まれる。R1
2が結合して生ずるアルカンジイル基としては、炭素
原子数1−10のものが好ましく、2−5のものがさら
に好ましく、また側鎖を有することができる。代表的な
アルカンジイル基の例は、低級アルキレンおよび低級ア
ルキリデン、例えばメチレン、エチレン、トリメチレ
ン、メチルエチレン、エチリデン、プロピリデン、イソ
プロピリデン、ブチリデン、ペンチリデン、ヘキシリデ
ン等である。上記化合物におけるR1およびR2、または
1、R2およびR3(水素以外の場合)の炭素原子数の合
計は、適度の疎水性を得るために8個以上であることを
必要とするが、8−25個が好ましく、10−20個が
さらに好ましく、13−18個が最も好ましい。R1
式(I)からR1を除いて得られる基の場合、化合物(I)
は−S−S−結合を介した2量体の形をとる。
【0007】この発明の化合物の例は、N,S−ジオク
チル−D−ペニシラミン、N,N−ジメチル−S−ドデ
シル−D−ペニシラミン、N,N,S−トリペンチル−D
−ペニシラミン、N,N−ジオクチル−ジ−D−ペニシ
ラミン、2,2,5,5−テトラメチル−3−オクチルチ
アゾリジン−4−カルボン酸である。 上記化合物(I)は、純粋な光学異性体または一方の光学
異性体が圧倒的に優勢な異性体混合物の形で用いるもの
とする。上記の化合物(I)は、例えばペニシラミンに2
個(R1およびR2)または3個(R1、R2およびR3)のア
ルキル基を、段階的(2段階または3段階)または一挙に
導入するか、またはR1とR2がアルカンジイル基を形成
した化合物を得るためにアルデヒドもしくはケトンを反
応させるか、または−S−S−結合を介した2量体を形
成させるために対応する−SH化合物を酸化することに
より製造される。
【0008】アルキル基の導入反応は、SおよびN原子
のアルキル化に用いられている通常の方法によって行な
われる。代表的な方法は、ペニシラミンに、好ましくは
塩基の存在下、式:R−X(ここでRはR1、R2またはR
3(水素以外)のアルキル基、Xは無機酸または有機酸の
反応性エステル基である)で示される化合物を反応させ
る方法である。上式中、反応性エステル基としては、ハ
ライド(例えばクロリド、ブロモミド)、スルホン酸(例
えばメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸)エステ
ル、酒石酸エステル等が含まれる。塩基としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムのような無機塩基および
トリアルキルアミン、ジメチルアニリン等の有機塩基が
用いられる。この反応は、よう化物(例えばよう化カリ
ウム)のような促進剤の存在下に行なうのが好ましい。
反応は、加熱により促進される。別の方法として、還元
条件下(例えば白金、パラジウム等の接触還元用金属触
媒と水素ガス、亜鉛等の金属と酸)にアルデヒドR'−
CHO(ここで、R'は前記Rより炭素原子数が1個少
ないアルキル基または水素原子)を反応させる方法も可
能である。アルカンジイル基の導入反応は、グリコール
の環状アセタール化と同様に行なわれる。代表的な方法
は、酸触媒(塩酸、トルエンスルホン酸、塩化亜鉛等)の
存在下にアルデヒドまたはケトンを反応させる方法であ
る。−S−S−結合の形成反応は、ジスルフィドの製造
に一般に用いられる方法により行なわれる。代表的な方
法は、例えば鉄、銅等の金属イオン触媒を用いる空気酸
化または酸化剤(例えば過酸化水素、ハロゲン、次亜ハ
ロゲン酸、酸化マンガン等)による酸化である。反応生
成物は、溶媒抽出、再結晶、クロマトグラフィー等の慣
用される分離手段により分離精製することができる。
【0009】[用途]式(I)で示される化合物は、例えば
アミノ酸のようなキラリテイを有する化合物に接触させ
ると、2種の光学異性体に対して量的または質的に異な
った物理化学的相互作用をするので、キラリテイ識別剤
として用いることができる。この用途における最も簡単
な応用例は、化合物(I)を固体に結合させてなる分離剤
を用いた2種の光学異性体の分離または一方の光学異性
体の除去である。分離剤としては、固体担体の表面を化
合物(I)で被覆したものが便利である。固体担体として
は逆相系担体の顆粒が好ましい。このような担体として
は、疎水的な表面を持つものであれば、無機系,有機系
の別を問わず使用できる。好ましいものとしては、炭素
数3〜18個を有するアルキルシランで表面処理を施し
たシリカゲル、炭素数3〜18個のアルキル基を有する
アルキルシランで表面処理を施したポーラスガラス、お
よびスチレン系、アクリル系等の疎水性ポリマーゲル等
が例示される。担体の形状は破砕状,球状のいずれでも
よく、また、多孔質でも非多孔質でもよいが、1〜50
μmの粒径を有する球状の多孔質担体であることが好ま
しい。この場合、表面積の大きい多孔質担体を用いるこ
とにより、化合物(I)の被覆量を増加することができ、
また担体の表面積を制御することによりその被覆量を調
整することが可能である。多孔質担体の細孔直径は10
〜1000オングストローム、表面積は1〜1000m2
の範囲にあることが好ましい。化合物(I)による固体担
体の被覆方法としては、文献[クロマトグラフイア(Chr
omatographia)第13巻第667頁(1980年)]の記載
にしたがって逆相系担体を充填した液体クロマトグラフ
ィー用カラムに化合物(I)を溶解したアルコール水溶液
を直接導入し、被覆する方法が便利であり、また逆相系
担体と化合物(I)の溶液を混合し、減圧下に溶媒を留去
する方法等を用いることもできる。化合物(I)を被覆し
た担体は、引き続き適当な金属イオン、例えばCu2+
Ni2+、Zn2+、Cd2+、Hg2+またはCo3+の錯塩の形と
し、液体クロマトグラフィー法によるラセミ体の光学分
割に供せられる。これは、例えば次のようにして行なう
ことができる。適当な長さ、例えば1〜100cmの長さ
を有するガラス、ステンレス、またはチタン等から作ら
れたカラムに分離剤を密に充填し、カラムの入口側に送
液ポンプおよび試料注入器と、また出口側に紫外検出器
あるいは旋光度検出器等の検出器および必要に応じてフ
ラクションコレクターを接続する。分離は通常の方法で
行なうことができる。すなわち、ラセミ体を注入後、送
液ポンプにより溶離液を送液して注入したラセミ体をカ
ラム中で展開し、分割する。好適な溶離液としては、金
属塩の水溶液、例えば0.1〜10mMの硫酸銅または酢
酸銅の水溶液が挙げられる。この場合、メタノールまた
はアセトニトリル等の水と混和性のある有機溶媒を0〜
30容量%溶離液に添加すると好ましい結果が得られ易
い。一般に、有機溶媒の添加量が増えるに従って、ラセ
ミ体の保持時間が減少する傾向にある。また、溶離液の
pHを一定に保つことは再現性の良いクロマトグラムを
得るために極めて好ましい。カラムから溶出した溶出液
は、紫外検出器等の検出器に導入され、分割された各鏡
像体を例えば254nmにおける吸光度により検出し、記
録計でそのクロマトグラムを記録する。
【0010】
【発明の効果】この発明の分離剤は、種々の光学異性体
混合物、特にアミノ酸の光学異性体混合物をクロマトグ
ラフィー方式で分離できる。アミノ酸については、従来
分離が可能であったプロリン、アロスレオニン等は勿
論、困難であったアスパラギン、システイン、DOPA
に加えてセリン、ヒスチジン、リジン、グルタミン酸等
の親水性アミノ酸を含む広範囲のアミノ酸およびα−オ
キシカルボン酸、2−アミノアルコール、β−アミノカ
ルボン酸、1,2−ジアミンのような上記金属イオンと
配位結合する種々のラセミ体の光学分割が可能である。
しかも、この発明の分離剤は製造が容易で耐久性にも優
れているという利点を有する。
【0011】
【実施例】以下、この発明を実施例により説明するが、
実施例はこの発明を限定するものではない。 実施例1 (A)D−ペニシラミン3.0g(20.1ミリモル)、よう
化カリウム3.3g(20.1ミリモル)およびトリエチル
アミン10.2g(100.5ミリモル)にクロロホルム2
55mlおよびメタノール45mlの混液を加えたのち、室
温で12時間撹拌して溶解させた。これに、1−ブロモ
オクタン23.3g(120.6ミリモル)を加えたのち、
浴温70〜80℃で加熱し、8時間還流した。この時反
応液の温度は55℃であった。反応後、室温に冷却し、
析出した沈澱物を濾別した。濾液を減圧濃縮したのち、
残留物に酢酸エチル400mlおよび1N−塩酸300ml
を加えてよく振り混ぜ、静置、分液した。酢酸エチル層
に無水硫酸マグネシウム50gを加えて脱水し、濾過し
たのち、濾液を減圧濃縮した。残留物に酢酸エチル50
mlを加えて溶かし、5℃に冷却して一夜静置した。析出
した結晶を濾取し、減圧乾燥して、N,S−ジ−n−オク
チル−D−ペニシラミンの微黄色結晶1.7gを得た。 融点:123〜124℃ この微黄色結晶の赤外吸収スペクトル(臭化カリウム混
合法および流動パラフィン混合法)において、3400cm
-1付近に二級アミノ基のN−H伸縮振動に基づく吸収、
2850〜2950cm-1に直鎖状アルキル基のC−H伸
縮振動に基づく強い吸収、および1590cm-1にカルボ
ン酸に基づく吸収が観測され、また、FDマススペクト
ルにおいて分子イオン+1に基づく質量数374のスペ
クトルが観測された。これらと元素分析結果と伴せ考え
ると微黄色結晶はN,S−ジ−n−オクチル−D−ペニシ
ラミンであることが確認される。
【0012】(B)得られたN,S−ジ−n−オクチル−D
−ペニシラミンを以下の方法により逆相系担体に被覆し
た。オクタデシルシランによって表面処理された平均粒
径5μmを有する多孔質シリカゲル2.5gを充填したス
テンレス製カラム(内径6mm、長さ150mm)に、まず、
メタノール50容量%と水50容量%とからなる混合液
を流した。ついで、前記N,S−ジ−n−オクチル−D−
ペニシラミンの微黄色結晶の0.06%メタノール50
容量%と水50容量%の混合溶液1リットルを、毎分
0.8mlの速度でカラムに通液したのち、水20mlを毎
分0.8mlの速度でカラムに通液した。続いて1ミリモ
ル/lの硫酸銅水溶液500mlを毎分1.0mlの速度で通
液した。
【0013】(C)以上のようにして被覆したカラムに、
0.02重量%のアミノ酸ラセミ体水溶液5μlを注入
し、0.1〜10ミリモル/lの硫酸銅水溶液を0.2〜
2.0ml/分の流速で送液し、ラセミ体を展開した。こ
のようにして各種アミノ酸のラセミ体を分割した結果の
一例を第1表に示す。なお、測定条件は次の通りであっ
た。 温度:室温あるいは50℃ 溶離液流量:0.2〜1.0ml/分 検出器:紫外線吸収計(波長:254nm) この表において、保持時間とは、カラムにラセミ体を注
入してから各々の鏡像体に分割されてカラムから溶出す
るまでの時間、すなわち、各々の鏡像体のカラムに保持
される時間を意味する。また分離剤の光学分割能を表わ
す分離係数αは、次式により計算される。 α=t2−t0/t1−t01:より弱く吸着される鏡像体の保持時間 t2:より強く吸着される鏡像体の保持時間 t0:カラムの死容積に相当する保持時間 分離係数は、α=1の場合、全く光学分割能が無いこと
を示し、1との差が大きくなるに従って光学分割能が高
くなることを示す。
【表1】 DL−アスパラギンの分離例を図1に示す。図1におい
て、ピーク番号(1)はD−アスパラギンであり、ピーク
番号(2)はL−アスパラギンである。また、DL−リジ
ンの分離例を図2に示す。図2において、ピーク番号
(3)はL−リジンであり、ピーク番号(4)はD−リジン
である。DL−アスパラギンやDL−リジンは、従来市
販されているアミノ酸分割用カラムでは分割が困難なア
ミノ酸であるが、この発明の分離剤を充填したカラムで
は極めて効率良く完全に分割できることが判る。
【0014】実施例2 オクタデシルシランによって表面処理された平均粒径5
μmを有する多孔質シリカゲル0.5gを充填したステン
レス製カラム(内径4.6mm、長さ50mm)に、まず、メ
タノール50容量%と水50容量%とからなる混合液を
流し、つぎに、実施例1で得られたN,S−ジオクチル
−D−ペニシラミンの微黄色結晶の0.04%メタノー
ル50容量%と水50容量%の混合溶液100mlを毎分
0.8mlの速度でカラムに通液したのち、以下実施例1
と同様に操作して各種アミノ酸のラセミ体を分割した。
結果の一例を第2表に示す。
【表2】
【0015】実施例3 実施例1および実施例2で得られたカラムを用いて、各
種オキシ酸のラセミ体を分割した。結果の一例を第3表
に示す。
【表3】
【0016】実施例4 (A) 実施例1で得られたN,S−ジオクチル−D−ペ
ニシラミン1.0g(2.7ミリモル)を酢酸30mlおよび
水5mlの混液に溶かし、35%ホルマリン水溶液3mlお
よび酸化白金100mgを添加した。水素ガスを吹き込
み、系内を水素ガスで置換したのち、密閉し、40℃で
24時間撹拌した。これをろ過して、白金を除き、ろ液
を減圧濃縮したのち、残留物を減圧乾燥して、N−メチ
ル−N,S−ジオクチル−D−ペニシラミンの微黄色油
状物質1.11gを得た。 本品は赤外線吸収スペクトルにおいて、実施例1のN,
S−ジオクチル−D−ペニシラミンで観測された340
0cm-1付近の二級アミノ基のN−H伸縮振動に基づく吸
収がほぼ消滅し、2850〜2950cm-1に直鎖状アル
キル基のC−H伸縮振動に基づく強い吸収、および15
90cm-1にカルボン酸に基づく吸収が観測され、また、
FDマス・スペクトルにおいて分子イオン+1に基づく
質料数388のスペクトルが観測された。これらと元素
分析結果と併せ考えると微黄色油状物質はN−メチル−
N,S−ジ−n−オクチル−D−ペニシラミンであること
が確認される。 (B) 得られたN−メチル−N,S−ジ−n−オクチル−
D−ペニシラミンを以下の方法により逆相系担体に被覆
した。オクタデシルシランによって表面処理された平均
粒径5μmを有する多孔質シリカゲル1.5gを充填した
ステンレス製カラム(内径4.6mm、長さ150mm)に、
まず、メタノール50容量%と水50容量%とからなる
混合液を流した。ついで、前記N−メチル−N,S−ジ
オクチル−D−ペニシラミンの微黄色油状物質の0.0
6%メタノール50容量%と水50容量%の混合溶液
0.6リットルを、毎分0.8mlの速度でカラムに通液し
たのち、以下実施例1と同様に操作して各種アミノ酸の
ラセミ体を分割した。結果の一例を第4表に示す。
【表4】
【0017】実施例5 実施例4で得られたカラムを用いて、各種オキシ酸のラ
セミ体を分割した。結果の一例を第5表に示す。
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】 DL−アスパラギンをこの発明の分離剤を用
いて分割した場合の溶離曲線を示すグラフである。
【図2】 DL−リジンをこの発明の分離剤を用いて分
割した場合の溶離曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1 D−アスパラギン 2 L−アスパラギン 3 L−リジン 4 D−リジン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 277/06 C07D 277/06 // C07C 227/34 C07C 227/34 G01N 30/48 G01N 30/48 W C07M 7:00 (56)参考文献 J.Chromatogr. (1989),466,407−414 「化学増刊97 不斉合成と光学分割の 進歩」化学同人(1987年)第183−190頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 323/00 C07B 57/00 C07D 277/00 C07C 227/00 G01N 30/48 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【式1】 R1−S−C(CH3)2−CH(COOH)−NR23 (I) [式中、R1は炭素原子数5−20のアルキル基を示
    し、R2は炭素原子数1−20のアルキル基を示し、R3
    は水素または炭素原子数1−8のアルキル基を示すが、
    1〜R3の炭素原子数の合計は8以上であり、またはR
    1は式(I)からR1を除いた基であって、R2とR3は上記
    と同意義である。]で示される化合物。
  2. 【請求項2】 光学活性を有するものである、請求項1
    記載の化合物。
  3. 【請求項3】 N,S−ジオクチルペニシラミンであ
    る、請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の化合物からな
    る、光学分割剤。
  5. 【請求項5】 アミノ酸の光学分割に使用される、請求
    項4記載の光学分割剤。
  6. 【請求項6】 α−オキシカルボン酸の光学分割に使用
    される、請求項4記載の光学分割剤。
  7. 【請求項7】 請求項2または3記載の化合物を逆相系
    担体に被覆してなる、クロマトグラフィーによる光学分
    割用分離材。
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