JPH05139999A - キラリテイ識別剤およびクロマトグラフイー用分離剤 - Google Patents

キラリテイ識別剤およびクロマトグラフイー用分離剤

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JPH05139999A
JPH05139999A JP3309092A JP30909291A JPH05139999A JP H05139999 A JPH05139999 A JP H05139999A JP 3309092 A JP3309092 A JP 3309092A JP 30909291 A JP30909291 A JP 30909291A JP H05139999 A JPH05139999 A JP H05139999A
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JP
Japan
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tartaric acid
acid
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compound
chirality
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JP3309092A
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English (en)
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Takafumi Oi
尚文 大井
Hajime Kitahara
一 北原
Reiko Nakamura
礼子 中村
Fumiko Seiko
史子 青黄
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SUMIKA BUNSEKI CENTER KK
Original Assignee
SUMIKA BUNSEKI CENTER KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 光学異性体混合物をクロマトグラフィーを用
いて分離するためのキラリティ識別剤および充填剤を提
供する。 【構成】 一般式: [式中、R1およびR2は、アルキル基(不飽和結合およ
び置換基としての芳香族基およびヒドロキシ基を含んで
いてもよい)、アリール基またはN−アルキルカルバモ
イル基のいずれでもよいが、R1とR2に互いに異なる基
でなければならない。R3は、水素またはアルキル基で
あるか、またはR3はR2と一緒になってアルカンジイル
基を構成していてもよく、R1は前記と同じである。な
お、R1、R2およびR3の炭素原子の合計は8個以上で
あり、酒石酸部分は光学活性形である。]で示される酒
石酸モノアミド化合物からなるキラリティ識別剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は上記一般式で示される
酒石酸モノアミド化合物の用途に関するものである。上
記用途には、キラリティ識別剤としての用途、特に、例
えば液体クロマトグラフィーにおいて、例えばアミノ酸
やオキシ酸、アミノアルコールのようなキラリティを有
する化合物の鏡像体混合物(例えばラセミ体)の分割を行
なうための分離剤としての用途が含まれる。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】逆相
用シリカゲル担体にアミノ酸誘導体、オキシ酸誘導体ま
たは酒石酸アミド誘導体などを被覆してなる光学分割用
分離剤は既に知られている。例えば担持させるアミノ酸
誘導体として、プロリンまたはヒドロキシプロリンのN
−アルキル誘導体[(1)クロマトグラフィア(Chromato
graphia)第13巻第677頁(1980年)および(2)特
開昭58−96062号]、セリン、アラニン等のN,
N−ジアルキル誘導体を担持アミノ酸誘導体とするもの
[(3)特開昭64−26523号]の例がある。上記
(1)、(2)のアミノ酸誘導体を使用した充填剤は、
特定のアミノ酸に対して優れた分割能を示すが、セリ
ン、ヒスチジン、リジン、グルタミン酸等の親水性アミ
ノ酸に対しては、ほとんど光学分割能を示さないという
欠点を有する。また(3)のアミノ酸誘導体を使用した
充填剤は、上記の親水性アミノ酸等に対しても光学分割
能を示すが、アスパラギン、システイン、3,4−ジヒ
ドロキシフェニルアラニン等の光学分割が困難である欠
点を有する。酒石酸のモノ−n−オクチルアミド
[(4)ジャーナル・オブ・リキッド・クロマトグラフ
ィー(J.Liq.Chromatogr.)第9巻第551頁(19
86)]またはジ−イソプロピルアミド誘導体[(5)
第46回分析科学討論会講演要旨集第53頁(1985
年)]を液相分離剤として用いるものもあるが、これら
は分離剤を移動相に使用するため溶離液から分離剤を再
分離することが必要である。分離剤として(R,R)−
酒石酸−モノ−イソプロピルアミド(5)、(R,R)
−酒石酸−モノ−1−(α−ナフチル)エチルアミド
[(6)日本分析化学会第34年会講演要旨集第310
頁(1985年)]および(R,R)−酒石酸−モノ−
イソプロピルアミド[(7)第48回分析化学討論会講
演要旨集第13頁(1987年)]をシリカゲルに共有
結合させて固定相とするものもあるが、いずれも配位子
交換型でないため光学分割能が低い。そのほか、(R,
R)酒石酸をシリカゲルに共有結合させて固定相とする
方法があり[(8)フレゼニウス・ツァイトシュリフト
・フュル・アナリティシェ・ヘミー(FreseniusZ. Ana
l.Chem.)第320巻第51−54頁]、これは配位子
交換型であるが、シリカゲルに共有結合させているため
カラムの耐久性が低く、またピークがテーリングすると
いう欠点を有する。この発明は、上記のような欠点をも
たない分離剤を提供しようとするものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】一般式:
【化2】 [式中、R1およびR2は、アルキル基(不飽和結合およ
び置換基としての芳香族基およびヒドロキシ基を含んで
いてもよい)、アリール基またはN−アルキルカルバモ
イル基のいずれでもよいが、R1とR2に互いに異なる基
でなければならない。R3は、水素またはアルキル基で
あるか、または、R3はR2と一緒になってアルカンジイ
ル基を構成していてもよく、R1は前記と同じである。
なお、R1、R2およびR3の炭素原子の合計は8個以上
であり、酒石酸部分は光学活性形である。]で示される
酒石酸モノアミド化合物からなる、キラリティ識別剤お
よびこのキラリティ識別剤を逆相系担体に被覆してな
る、クロマトグラフィー用分離剤を提供するものであ
る。
【0004】上記の一般式(I)において、R1、R2およ
びR3のアルキル基としては、炭素原子数1−20また
は18のものが好ましく、1−15または1−10のも
のがさらに好ましく、1−6のもの(低級アルキル)が
最も好ましい。
【0005】これらのアルキル基は、直鎖でもよく、ま
た1個以上、例えば1−2個の分枝を有していてもよ
い。また、これらのアルキル基は、主鎖または側鎖中に
1個以上、例えば1−3個の不飽和結合(2重結合また
は3重結合)を有していてもよい。さらに、これらのア
ルキル基は、置換基として、1個以上、例えば1−2個
のヒドロキシ基または芳香族基(好ましくはフェニル、
トリル、キシリル、クメニル等の単環性芳香族基および
非置換ナフチルまたは置換ナフチル基)を有することが
できる。
【0006】代表的なアルキル基の例は、R1およびR2
の場合、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘプチ
ル、イソヘプチル、2−エチルヘキシル、オクチル、イ
ソオクチル、ノニル、2,4,5−トリメチルヘキシル、
デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデ
シル、3−メチル−4−エチルウンデシル、ペンタデシ
ル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナ
デシル、イコサニル、およびこれらの不飽和体、例え
ば、ビニル、アリール、1−プロペニル、ブテニル、ペ
ンテニル、ヘキセニル、7−オクテニル、3,5−デカ
ジエニル、6−ドデシニル、並びに芳香族置換体、例え
ばベンジル、フエネチル、スチリル、2−フェニルプロ
ピル等であり、R3の場合、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、アリ
ル、ブテニル等が含まれる。
【0007】アリール基としては、非置換フェニル、お
よびトリル、キシリル、クメリルのようなアルキル置換
フェニル、非置換ナフチルまたはアルキル置換ナフチル
が含まれる。
【0008】N−アルキルカルバモイル基としては、窒
素原子上に上記のようなアルキル基、例えば炭素数4〜
18個、好ましくは6〜15個、最も好ましくは8〜1
4個の直鎖または分枝状のアルキル基を有するカルバモ
イル基が含まれる。
【0009】R3とR2が結合して生ずるアルカンジイル
基としては、炭素原子数1−10のものが好ましく、2
−5のものがさらに好ましく、また側鎖を有することが
できる。代表的なアルカンジイル基の例は、低級アルキ
レンおよび低級アルキリデン、例えばメチレン、エチレ
ン、トリメチレン、メチルエチレン、エチリデン、プロ
ピリデン、イソプロピリデン、ブチリデン、ペンチリデ
ン、ヘキシリデン等である。
【0010】上記化合物におけるR1およびR2、または
1、R2およびR3(水素以外の場合)の炭素原子数の合
計は、適度の疎水性を得るために8個以上であることを
必要とするが、8−25個が好ましく、10−20個が
さらに好ましく、11−18個が最も好ましい。R1
2およびR3に不斉炭素が含まれていてもよい。なお、
酒石酸部分は光学活性形、すなわち(R,R)−酒石酸
[d−または、L−またはR(R*,R*)-(天然形)酒石酸]
形、および(S,S)酒石酸[l−またはD−またはS(R
*,R*)-酒石酸]形のいずれか、またはそのいずれかが優
勢な混合物である。
【0011】この発明の好ましい化合物の例は、(R,
R)−酒石酸−モノ−1−(R)−(α−ナフチル)エチル
アミド、(R,R)酒石酸−モノ−1−(R)−(N−
ドデシルカルバモイル)イソブチルアミド、(R,R)
酒石酸−モノ−α−(R)−(N−ドデシルカルバモイ
ル)ベンジルアミド、(R,R)酒石酸−モノ−2−
(R)−(N−ドデシルカルバモイル)ピロリジンアミ
ド、(R,R)酒石酸−モノ−1−(R)−ベンジル−
2−ヒドロキシ−エチルアミド、(R,R)酒石酸−モ
ノ−α−(R)−(4−メチル)ベンジル−ベンジルア
ミドなどが含まれる。 上記化合物(I)は、純粋な光学
異性体または一方の光学異性体が圧倒的に優勢な異性体
混合物の形で用いるものとする。
【0012】上記の化合物(I)は、例えばヒドロキシ
基を保護した酒石酸またはそのカルボキシ基における反
応性誘導体に、アミンCH(R1)(R2)NH(R3
[式中、R1、R2およびR3は前記の意味]またはその
塩を反応させた後、保護基の脱離反応に付すことにより
製造することができる。ヒドロキシ保護基およびその脱
離法の例は、新実験化学講座第14巻第2497〜25
16頁に記載されている。代表的な例はアセチルであ
る。その他に例えば、酒石酸とアセトンを酸の存在下室
温にて反応させ、イソプロピリデンアセタールを生成さ
せる。脱離は酢酸の存在下室温または加熱して行う。酒
石酸のカルボキシル基における反応性誘導体としては、
酸ハライド、酸無水物、活性エステルおよび活性アミド
が含まれる。そのうち酸ハライドとしては、酸クロライ
ドが繁用される。酸無水物としては、対称無水物および
混合酸無水物が含まれ、後者には例えばジアルキル燐酸
混合無水物、ジアルキル亜燐酸混合無水物、アルキル炭
酸混合無水物、脂肪族カルボン酸(例えばピバリン酸、
トリクロロ酢酸)混合無水物等が含まれる。活性エステ
ルとしては、メチルエステル、エチルエステル、シアノ
メチルエステル、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒ
ドロキシスクシンイミドとのエステル等が用いられる。
活性アミドとしては、イミダゾール、ジメチルイミダゾ
ール、トリアゾールとのアミドが用いられる。これらの
うち、対称無水物が好ましい。対称無水物以外のもの
は、反応に使用しないカルボキシ基を保護することがで
きる。このような保護基および脱離法の例は、例えば新
実験化学講座第14巻第2535〜2544頁に記載さ
れている。代表的な例は無水酢酸である。反応に使用す
るカルボキシ基を遊離酸または塩のまま用いる場合に
は、反応縮合剤の存在下に行なうのが有利である。縮合
剤としては、SOCl2、SO2Cl2、PCl3、PCl
5、POCl3、PBr3等のハロゲン化剤、またはN,N'
−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−シク
ロヘキシル−N'−モルホリノエチルカルボジイミド、
N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド、ClCO2
3、ClCO225、BrCO2CH3、 (CH3CO)2
O、N−エチルベンズイソキサゾリウム塩、2−クロロ
−1−メチルピリジウム塩、N,N'−カルボニルジイミ
ダゾール(CDI)等が用いられる。この反応は通常不活
性溶媒中で行なわれる。不活性溶媒としては、ジオキサ
ン、メチレンクロライド、クロロホルム、エーテル、テ
トラヒドロフラン(THF)、アセトン、ジメチルホルム
アミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ピ
リジン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等が用いられる。反応は常温で充分進行するが、加温
すると促進される。
【0013】上記の化合物(I)は、例えば酒石酸を無水
酢酸と反応させることにより得られるO,O'−ジアセチ
ル酒石酸無水物を、不斉炭素に直結した1級アミノ基ま
たは2級アミノ基を有する化合物に反応させたのち、塩
基等の存在化でジアセチル基を加水分解して製造するこ
とができる。塩基としては、水酸化ナトリウムや水酸化
カリウムのような無機塩基が用いられる。反応生成物
は、溶媒抽出、再結晶、クロマトグラフィー等の慣用さ
れる分離手段により、分離精製することができる。
【0014】
【用途】式(I)で示される化合物は、例えばアミノ酸や
オキシ酸のようなキラリティを有する化合物に接触させ
ると、2種の光学異性体に対して量的または質的に異な
った物理化学的相互作用をするので、キラリティ識別剤
として用いることができる。この用途における最も簡単
な応用例は、化合物(I)を固体に結合させてなる分離剤
を用いた2種の光学異性体の分離または一方の光学異性
体の除去である。分離剤としては、固体担体の表面を化
合物(I)で被覆したものが便利である。固体担体として
は逆相系担体の顆粒が好ましい。このような担体として
は、疎水的な表面を持つものであれば、無機系、有機系
の別を問わず使用できる。好ましいものとしては、炭素
数3〜18個を有するアルキルシランで表面処理を施し
たシリカゲル、炭素数3〜18個のアルキル基を有する
アルキルシランで表面処理を施したポーラスガラス、お
よびスチレン系、アクリル系等の疎水性ポリマーゲル等
が例示される。
【0015】担体の形状は破砕状、球状のいずれでもよ
く、また、多孔質でも非多孔質でもよいが、1〜50μ
mの粒径を有する球状の多孔質担体であることが好まし
い。この場合、表面積の大きい多孔質担体を用いること
により、化合物(I)の被覆量を増加することができ、ま
た担体の表面積を制御することによりその被覆量を調整
することが可能である。多孔質担体の細孔直径は10〜
1000オングストローム、表面積は1〜1000m2
範囲にあることが好ましい。
【0016】化合物(I)による固体担体の被覆方法とし
ては、文献[クロマトグラフィア(Chromatographia)第
13巻第677頁(1980年)]の記載にしたがって逆
相系担体を充填した液体クロマトグラフィー用カラムに
化合物(I)を溶解したアルコール水溶液を直接導入し、
被覆する方法が便利であり、また逆相系担体と化合物
(I)の溶液を混合し、減圧下に溶媒を留去する方法等を
用いることもできる。化合物(I)を被覆した担体は、引
き続き適当な金属イオン、例えばCu2+、Ni2+、Z
n2+、Cd2+、Hg2+またはCo3+の錯塩の形とし、液体ク
ロマトグラフィー法によるラセミ体の光学分割に供せら
れる。これは、例えば次のようにして行なうことができ
る。適当な長さ、例えば1〜100cmの長さを有するガ
ラス、ステンレス、またはチタン等から作られたカラム
に分離剤を密に充填し、カラムの入口側に送液ポンプお
よび試料注入器と、また出口側に紫外検出器あるいは施
光度検出器等の検出器および必要に応じてフラクション
コレクターを接続する。分離は通常の方法で行なうこと
ができる。すなわち、ラセミ体を注入後、送液ポンプに
より溶離液を送液して注入したラセミ体をカラム中で展
開し、分割する。好適な溶離液としては、金属塩の水溶
液、例えば0.1〜10mMの硫酸銅または酢酸銅の水溶
液が挙げられる。この場合、アセトニトリル等の水と混
和性のある有機溶媒を0〜20容量%溶離液に添加する
と好ましい結果が得られ易い。一般に、有機溶媒の添加
量が増えるに従って、ラセミ体の保持時間が減少する傾
向にある。また、溶離液のpHを一定に保つことは再現
性の良いクロマトグラムを得るために極めて好ましい。
カラムから溶出した溶出液は、紫外検出器等の検出器に
導入され、分割された各鏡像体を例えば254nmにおけ
る吸光度により検出し、記録計でそのクロマトグラムを
記録する。
【0017】
【発明の効果】この発明の分離剤は、種々の光学異性体
混合物、特にアミノ酸およびオキシ酸の光学異性体混合
物をクロマトグラフィー方式で分離できる。アミノ酸に
ついては、従来分離が可能であったバリン、アロスレオ
ニン等は勿論、困難であったアスパラギン、システイ
ン、DOPAに加えてセリン、ヒスチジン、リジン、グ
ルタミン酸等の親水性アミノ酸を含む広範囲のアミノ酸
およびα−オキシカルボン酸、2−アミノアルコール、
β−アミノカルボン酸、1,2−ジアミンのような上記
金属イオンと配位結合する種々のラセミ体の光学分割が
可能である。しかも、この発明の分離剤は製造が容易で
耐久性にも優れているという利点を有する。
【0018】
【実施例】以下、この発明を実施例により説明するが、
実施例はこの発明を限定するものではない。 実施例1 (A)(R,R)−酒石酸−モノ−1−(R)−(α−
ナフチル)エチルアミドの製造ジアセチル−(R,R)
−酒石酸無水物22.7g(105ミリモル)にテトラヒド
ロフラン300mlを加えて溶かし、室温下攪拌しなが
ら、(R)−1−(α−ナフチル)エチルアミン17.1g
(100ミリモル)のテトラヒドロフラン100ml溶液
を2時間かけて滴下した。次に60℃に加温して4時間
攪拌したのち、室温に冷却し、テトラヒドロフランを減
圧留去した。残留物にジクロロメタン300mlを加え
て溶かし、1N−水酸化カリウム水溶液500mlで抽
出した。静置後水層と有機溶媒層を分液し、水層部を室
温下3時間攪拌した。これに、6N−塩酸を少しずつ加
えて攪拌し、pH約3.0に調整すると僅かに黄褐色の結
晶が折出した。この結晶をろ取し、水300mlで2回
洗浄したのち、3時間風乾し、最後に50℃で8時間減
圧乾燥して、(R,R)−酒石酸−モノ−1−(R)−
(α−ナフチル)エチルアミドの微黄褐色結晶28gを得
た。 融点(分解):107〜109℃
【0019】(B)担体の被覆 得られた(R,R)−酒石酸−モノ−1−(R)−(α
−ナフチル)エチルアミドを以下の方法により逆相系担
体に被覆した。オクタデシルシランによって表面処理さ
れた平均粒径5μmを有する多孔質シリカゲル1.5gを
充填したステンレス製カラム(内径4.6mm、長さ150
mm)に、まず、メタノール20容量%と水80容量%と
からなる混合液を流した。ついで、前記L−酒石酸−モ
ノ−1−(α−ナフチル)エチルアミドの微黄褐色結晶の
0.05%メタノール20容量%と水80容量%の混合
溶液500mlを、毎分0.6mlの速度でカラムに通液
したのち、水20mlを毎分0.6mlの速度でカラムに
通液した。続いて1ミリモル/lの硫酸銅水溶液300
mlを毎分1.0mlの速度で通液した。
【0020】(C)光学異性体の分離 以上のようにして被覆したカラムに、0.02重量%の
アミノ酸ラセミ体水溶液5μlを注入し、0.1〜10
ミリモル/lの硫酸銅水溶液等を0.2〜20ml/分の
流速で送液し、ラセミ体を展開した。このようにして各
種アミノ酸のラセミ体を分割した結果の一例を表1に示
す。なお、測定条件は次の通りであった。 温度:室温 溶離液流量:0.2〜1.0ml/min 検出器:紫外線吸収計(波長:254nm) この表において、保持時間とは、カラムにラセミ体を注
入してから各々の鏡像体に分割されてカラムから溶出す
るまでの時間、すなわち、各々の鏡像体のカラムに保持
される時間を意味する。また分離剤の光学分割能を表わ
す分離係数αは、次式により計算される。 α=(t2−t0)/(t1−t0) t1:より弱く吸着される鏡像体の保持時間 t2:より強く吸着される鏡像体の保持時間 t0:カラムの死容量に相当する保持時間 分離係数は、α=1の場合、全く光学分割能が無いこと
を示し、1との差が大きくなるに従って光学分割能が高
くなることを示す。
【0021】
【表1】 DL−アミノ酸 溶離液 流速 保持時間(分) 分離係数 (注1) ml/min 第1ピーク 第2ピーク α アスパラギン A 1.0 3.38 4.45 1.55 リジン A 1.0 3.81 6.96 2.31 アラニン A 1.0 4.71 7.86 1.95 セリン B 1.0 4.89 6.89 1.57 アルギニン B 1.0 5.40 18.55 4.28 アスパラギン酸 A 1.0 6.06 9.20 1.68 スレオニン A 1.0 6.42 10.55 1.82 アロスレオニン A 1.0 6.72 21.63 3.80 グルタミン A 1.0 8.92 20.90 2.59 プロリン C 1.0 9.37 11.04 1.21 バリン D 1.0 4.52 18.55 5.82 ノルバリン D 1.0 4.90 25.96 7.35 グルタミン酸 E 1.0 5.99 9.99 1.87 メチオニン D 1.0 7.63 33.90 5.36 イソロイシン D 1.0 8.39 64.39 9.24 チロシン D 1.0 8.54 18.38 2.42 ロイシン D 1.0 9.70 45.29 5.40 フェニルグリシン D 1.0 12.33 34.87 3.10 フェニルアラニン F 1.0 14.26 53.90 4.13 ヒスチジン G 1.0 6.40 11.83 2.13 トリプトファン G 1.0 17.73 21.44 1.23 (注1)A:1.0ミリモル/l硫酸銅水溶液 B:2.0ミリモル/l硫酸銅水溶液 C:1.0ミリモル/l酢酸銅水溶液 D:2.0ミリモル/l硫酸銅のメタノール・水(10:9
0)溶液 E:2.0ミリモル/l硫酸銅のアセトニトリル・水(5:
95)溶液 F:2.0ミリモル/l硫酸銅のアセトニトリル/水(1
0:90)溶液 G:2.0ミリモル/l硫酸銅のアセトニトリル・水(1
5:95)溶媒
【0022】DL−アスパラギンの分離例を図1に示す。
図1において、ピーク番号(1)はL−アスパラギンであ
り、ピーク番号(2)はD−アスパラギンである。また、
DL−リジンの分離例を図2に示す。図2において、ピー
ク番号(3)はD−リジンであり、ピーク番号(4)はL−リ
ジンである。DL−アスパラギンやDL−リジンは、従来市
販されているアミノ酸分割用カラムでは分割が困難なア
ミノ酸であるが、この発明の分離剤を充填したカラムで
は極めて効率良く完全に分割できることが判る。
【0023】実施例2 実施例1で得られたカラムを用いて、各種オキシ酸のラ
セミ体およびN−アシル−アミノ酸のラセミ体等を分割
した。結果の一例を表2に示す。
【表2】 DL−オキシ酸他 溶離液 流速 保持時間(分) 分離係数 (注2) ml/min 第1ピーク 第2ピーク α 乳酸 A 1.0 5.42 8.39 1.74 グリセリン酸 B 1.0 8.16 11.75 1.53 2−ヒドロキシ−n− B 1.0 8.69 15.77 1.97 酪酸 マンデル酸 C 1.0 11.55 20.38 1.87 リンゴ酸 D 1.0 8.68 25.57 3.32 N−アセチル− D 1.0 2.70 2.96 1.20 アラニン N−アセチル−バリン D 1.0 5.96 8.52 1.56 N−アセチル− D 1.0 5.94 6.89 1.21 メチオニン N−アセチル− D 1.0 12.05 19.62 1.71 ロイシン N−グリシル− E 1.0 2.62 4.09 2.21 アラニン N−アラニル− E 1.0 2.72 3.73 1.77 グリシン N−アラニル− E 1.0 6.87 13.39 2.19 グリシル−グリシン N−ロイシン− D 1.0 3.21 6.08 2.59 グリシル−グリシン (注2)A:0.5ミリモル/l硫酸銅水溶液 B:2.0ミリモル/l硫酸銅水溶液 C:2.0ミリモル/l硫酸銅のアセトニトリル−水(1
0:90)溶液 D:2.0ミリモル/l硫酸銅のアセトニトリル−水(1
5:85)溶液 E:1.0ミリモル/l硫酸銅水溶液
【0024】実施例3 実施例1で得られたカラムを用いて、各種アミノアルコ
ールのラセミ体を分割した。結果の一例を表3に示す。
【表3】 (±)−アミノ 溶離液 流速 保持時間(分) 分離係数 アルコール (注3) ml/min 第1ピーク 第2ピーク α オクトパミン A 1.0 2.74 2.90 1.14 ノルフェニレフリン A 1.0 4.46 5.03 1.20 ノルメタネフリン A 1.0 4.02 4.71 1.28 p−ヒドロキシノル A 1.0 4.13 5.46 1.53 エフェドリン ノルエフェドリン B 1.0 14.59 16.56 1.15 フェニルアラニ B 1.0 21.68 25.99 1.21 ノール (注3)A:0.5ミリモル/l硫酸銅水溶液 B:1.0ミリモル/l硫酸銅水溶液
【図面の簡単な説明】
【図1】 DL−アスパラギンをこの発明の分離剤を用い
て分割した場合の溶離曲線を示すグラフである。
【図2】 DL−リジンをこの発明の分離剤を用いて分割
した場合の溶離曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・L−アスパラギン 2・・D−アスパラギン 3・・D−リジン 4・・L−リジン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 235/06 7106−4H 235/08 7106−4H G01N 30/48 W 8506−2J (72)発明者 中村 礼子 愛媛県新居浜市新田町3丁目1番43号 株 式会社住化分析センター新居浜営業所内 (72)発明者 青黄 史子 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 135号 株式会社住化分析センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: 【化1】 [式中、R1およびR2は、アルキル基(不飽和結合およ
    び置換基としての芳香族基およびヒドロキシ基を含んで
    いてもよい)、アリール基またはN−アルキルカルバモ
    イル基のいずれでもよいが、R1とR2に互いに異なる基
    でなければならない。R3は、水素またはアルキル基で
    あるか、または、 R3はR2と一緒になってアルカンジイル基を構成してい
    てもよく、R1は前記と同じである。なお、R1、R2
    よびR3の炭素原子の合計は8個以上であり、酒石酸部
    分は光学活性形である。]で示される酒石酸モノアミド
    化合物からなるキラリティ識別剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化合物の逆相系担体に被
    覆してなるクロマトグラフィー用分離剤。
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