JPH11239520A - 移動物置棚 - Google Patents

移動物置棚

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JPH11239520A
JPH11239520A JP825198A JP825198A JPH11239520A JP H11239520 A JPH11239520 A JP H11239520A JP 825198 A JP825198 A JP 825198A JP 825198 A JP825198 A JP 825198A JP H11239520 A JPH11239520 A JP H11239520A
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JP825198A
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Inventor
Kunio Miyazaki
邦雄 宮崎
Mitsuo Komori
光雄 小森
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Kongo Co Ltd
Original Assignee
Kongo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感震装置が作動したとき、既形成通路に作業
者が入っており、または作業者が入っている蓋然性が高
い場合にのみ、既形成通路に面する物置棚の隣接棚接近
阻止部材のみを突出させ作業者を保護する移動物置棚を
得る。 【解決手段】 物置棚2、3、4に取り付けられ、物置
棚間に形成される作業通路に突出した態位と退避した態
位との間で変位可能な隣接棚接近阻止部材7、隣接棚接
近阻止部材7を変位させる駆動手段または退避態位に保
持する保持手段、物置棚を移動不能にロックするロック
手段、地震を感知する感震装置を有する。形成された作
業通路に面する物置棚の少なくとも片方の物置棚がロッ
クされ、感震装置が作動したときに、作業通路に面する
物置棚の駆動手段が作動しまたは保持手段が保持を解除
して隣接棚接近阻止部材7を作業通路に突出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動物置棚に関
し、特に、隣接する物置棚間に作業通路を確保して、作
業通路内にいる作業者を保護する移動物置棚に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】書庫や倉庫等に用いられる物置棚とし
て、室内の床上に敷設されたレール上を移動可能な複数
の物置棚を組み合わせた移動物置棚がある。移動物置棚
は、一般的に、上述のように床上に敷設されたレール上
に走行車輪付きの複数の物置棚を設置し、物品の出し入
れを行う場合に希望の物置棚あるいはそれに隣接する物
置棚をレールに沿って移動させることにより希望の物置
棚の前面に作業通路用の隙間を設けることができるよう
になっている。移動物置棚は、物品の出し入れ時にのみ
希望する物置棚あるいはそれに隣接する物置棚を移動さ
せて、隣接する物置棚同士の間に作業通路を設け、それ
以外の時には物置棚同士を密着させておくことができる
ので、多数の物置棚を室内に固定して設置した場合に比
べ、限られた室内の空間を有効に使うことができるとい
う利点がある。
【0003】移動物置棚の駆動方式には、手動式と電動
式がある。手動式は、手動力で直接押し動かすものと、
ハンドル回転方式のものとに大別できる。ハンドル回転
方式は、物置棚の側壁等に手動回転操作用のハンドルを
設け、このハンドルと走行車輪との間にチェーンやベル
ト等の伝達部材を介在させ、ハンドルの回転力を走行車
輪に伝達するものである。電動式は、物置棚に駆動源と
なるモータを装備し、そのモータと走行車輪との間に配
置した減速機構により走行車輪を回転させるようになっ
ている。電動式は一般に、物置棚ごとに駆動源としての
モータと開指令スイッチを有し、形成しようとする作業
通路に対応する開指令スイッチを選択操作することによ
って開指令信号を出力し、この開指令信号と物置棚の移
行余裕がどっちにあるかとによって物置棚のモータの回
転の向きを決定して各モータを制御し、開指令スイッチ
によって指定された位置に作業通路を形成するようにな
っている。本発明は、駆動方式の如何にかかわらず、何
れの駆動方式の移動物置棚にも適用可能なものである。
【0004】移動物置棚は、隣接する物置棚同士の間に
通路を設けた場合、隣接する物置棚同士が接近するのを
防止して作業通路内の作業者を保護するために、作業通
路を挟んで対向する物置棚の一方または双方に、他方の
物置棚との間に突出可能な隣接棚接近阻止部材を設ける
ことがある。
【0005】この隣接棚接近阻止部材は、隣接する物置
棚の移動方向における一方向の面において隣接する物置
棚間に形成される作業通路に突出した態位と退避した態
位との間で変位可能な棒状の部材であり、棚間に作業者
が挟み込まれない程度の空間を確保できる長さに設定さ
れている。隣接棚接近阻止部材は、作業通路から退避し
た態位、例えば物置棚の間口面と平行に起立した態位か
ら、作業通路に突出した態位、例えば倒された態位との
間で変位可能であり、作業通路に突出した態位にするこ
とにより、隣接する物置棚が近づいてきた場合に、隣接
棚接近阻止部材の先端が隣接する上記物置棚に衝合する
ことにより接近を阻止し、空間を確保できるようになっ
ている。このような隣接棚接近阻止部材を設けることに
より、通路内のオペレータは、安心して物品の出し入れ
作業を行うことができる。
【0006】従来、隣接棚接近阻止部材を突出させて隙
間を確保する操作は、オペレータに委ねられているが現
状であったが、以下のような問題があった。すなわち、
隣接棚接近阻止部材を突出させて隙間を確保する操作は
人手に頼っていることから、オペレータがその操作を怠
り、隣接棚接近阻止部材を突出した態位にすることな
く、通路用内にオペレータが入ることがある。そのと
き、たまたま地震が発生すると、それぞれの物置棚がレ
ール上を移動し、物置棚と物置棚との間にオペレータが
挟み込まれることが考えられる。
【0007】移動物置棚によっては、棚を移動させると
き以外は、例えば、走行車輪を回転不能にロックするな
どして物置棚を移動不能にロックするものがあるが、た
とえ、移動不能にロックしていたとしても、地震が発生
すると、車輪およびレールの表面がきわめて平滑にされ
ていることによって車輪がレール上を容易に滑動する。
また、地震の際の振動によりレール末端に設けられてい
るエンドストッパに物置棚が衝突し、その反動により、
あるいは物置棚同士が相互に反発し合い、レール上を滑
動する場合もある。
【0008】地震によって一旦動き出した物置棚を人間
の力で押し返そうとしても、物置棚自体の重量が重い上
に、物置棚に収納されている物品の重量もかかっている
ために、押し返すことはほとんど不可能といえ、通路内
にいるオペレータにとっては不安である。しかも、地震
が発生した場合、人間はその場に立ちすくむか身近なも
のにしがみつくことしかできないことも相俟って通路内
にいるオペレータの脱出が阻まれる可能性がある。この
ような状態は、ハンドルの回転操作や直接的な手動操作
によって移動させる手動式移動物置棚だけでなく、電動
式移動物置棚においてもいえる。
【0009】そこで、地震による移動が発生した場合
に、物置棚相互間に一定の空間を確保することができる
安全装置を備えた移動物置棚が提案されている。この安
全装置は、物置棚の間口面(物品の出し入れ面)から、
対向する物置棚の間口面に向かって隣接棚接近阻止部材
を自動的に突出させ、隣接する移動物置棚の接近を阻止
するものであるため、地震によって物置棚が不意に移動
してもオペレータの脱出路としての物置棚相互間の空間
を確保することができ、オペレータを不安な状態に晒す
ような事態を未然に防止することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記安
全装置は、地震が発生した場合には、オペレータが作業
通路内にいるか、いないかに拘わらず、また、形成され
ている作業通路に面する物置棚のみでなく、全ての物置
棚の隣接棚接近阻止部材を自動的に突出態位に変位させ
るようになっている。地震発生時、上記隣接棚接近阻止
部材は、形成されている作業通路に面する物置棚におい
てのみ突出すれば十分であるにもかかわらず、従来考え
られている安全装置は上記のように全ての物置棚の隣接
棚接近阻止部材が突出することができるようになってい
るため、無駄な動作が多いばかりでなく、各物置棚がレ
ール上で互いに反発し合っている間に各物置棚の隣接棚
接近阻止部材が突出態位になって、物置棚相互間に空間
を確保しながら物置棚相互間で突っ張り合って移動しう
る空間が制限され、移動物置棚がもともと有している免
震機能が減殺され、物置棚が倒れたり、収納物品が転落
したりすることも考えられる。
【0011】本発明は、このような従来技術をさらに改
良し、感震装置が作動したとき、既に形成されている作
業通路に作業者が入っているときのみ、または作業通路
に作業者が入っている蓋然性が高い場合にのみ、かつ、
既に形成されている作業通路に面する物置棚の隣接棚接
近阻止部材のみを突出させることにより、隣接棚接近阻
止部材の無駄な動作がなく、また、移動物置棚がもとも
と有している免震機能が隣接棚接近阻止部材によって減
殺されことがないようにした移動物置棚を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
物置棚に取り付けられ、隣接する物置棚間に形成される
作業通路に突出した態位と退避した態位との間で変位可
能な隣接棚接近阻止部材と、この隣接棚接近阻止部材を
変位させる駆動手段と、物置棚を移動不能にロックする
ロック手段と、地震を感知する感震装置とを有し、形成
された上記作業通路に面する物置棚の少なくとも片方の
物置棚のロック手段がロックされており、かつ、感震装
置が作動したときに、上記形成されている作業通路に面
する物置棚の駆動手段が、隣接棚接近阻止部材を上記作
業通路に突出させることを特徴とする。
【0013】請求項2記載の発明のように、請求項1記
載の発明における駆動手段に代わるものとして隣接棚接
近阻止部材を退避態位に保持する保持手段を設け、隣接
棚接近阻止部材は自然体で突出態位に変位するものであ
り、形成された作業通路に面する物置棚の少なくとも片
方の物置棚のロック手段がロックされており、かつ、感
震装置が作動したときに、上記形成されている作業通路
に面する物置棚の上記保持手段が隣接棚接近阻止部材の
保持を解除して隣接棚接近阻止部材を作業通路に突出さ
せるようにしてもよい。
【0014】上記ロック手段に代えて、請求項3記載の
発明のように、物置棚に制動力を与える制動手段を設け
てもよい。上記保持手段は、請求項4記載の発明のよう
に、通常は隣接棚接近阻止部材を退避した態位で係止
し、感震装置の作動によって隣接棚接近阻止部材の係止
を解除するアクチュエータを有するものであってもよい
し、請求項5記載の発明のように、磁力で隣接棚接近阻
止部材を退避した態位で吸引する永久磁石と、感震装置
の作動によって上記磁力に対し反発する向きの磁力を発
生させる電磁石とを有するものであってもよい。
【0015】請求項1、2または3記載の発明における
ロック手段または制動手段は、請求項6記載の発明のよ
うに、アクチュエータによって作動し物置棚を移動不能
にロックしまたは制動力を与えるものであってもよい
し、請求項7記載の発明のように、手動操作によって物
置棚を移動不能にロックしまたは制動力を与えるもので
あってもよい。また、請求項8記載の発明のように、請
求項6記載の発明において、ロック手段または制動手段
のアクチュエータを作動させて物置棚を移動不能にロッ
クしまたは制動力を与えるロックスイッチまたは制動ス
イッチを有するものであってもよい。
【0016】請求項9記載の発明のように、請求項1、
2または3記載の発明において、形成された作業通路に
面する物置棚の少なくとも片方の物置棚のロック手段ま
たは制動手段がロックまたは制動されており、かつ、感
震装置が作動したときに、上記形成されている作業通路
に面する少なくとも片方の物置棚の隣接棚接近阻止部材
が上記作業通路に突出するようにしてもよい。請求項1
0記載の発明のように、請求項1または2記載の発明に
おいて、駆動源から走行車輪に至る動力伝達系を連結し
また切断するクラッチを物置棚に設け、このクラッチ
は、感震装置が作動したときに切断するようにしてもよ
い。
【0017】請求項11記載の発明のように、請求項
1、2または3記載の発明におけるロック手段または制
動手段は地震によってロックまたは制動力が解除される
ようにするとよい。請求項12記載の発明のように、請
求項7記載のロック手段または制動手段は地震による機
械的な振動でロックまたは制動力が解除されるようにす
るとよい。請求項13記載の発明のように、請求項6記
載のロック手段または制動手段は感震装置からの感震信
号でロックまたは制動力が解除されるようにするとよ
い。請求項14記載の発明のように、請求項1、2また
は3記載の発明において、ロック手段または制動手段が
物置棚を一旦ロックまたは制動すると、このロックまた
は制動力が解除されたとしても、感震装置が作動するこ
とによって、形成されている作業通路に面する物置棚の
隣接棚接近阻止部材が上記作業通路に突出するようにす
るとよい。請求項15記載の発明のように、請求項14
記載の発明において、ロック手段または制動手段による
ロックまたは制動力が解除されても、駆動手段または保
持手段に伝達されるロック信号または制動信号が維持さ
れるようにするとよい。請求項16記載の発明のよう
に、請求項15記載の発明において、ロック信号または
制動信号の維持はタイマーによって行うことができる。
【0018】請求項17記載の発明は、複数の物置棚を
電動力によりレールに沿って移動可能に置き並べ、形成
することができる作業通路に対応して設けられている開
指令スイッチの選択操作により、選択操作された物置棚
とこれに隣接する物置棚との間に作業通路を形成する電
動式の移動物置棚において、物置棚に取り付けられ、隣
接する物置棚間に形成される作業通路に突出した態位と
退避した態位との間で変位可能な隣接棚接近阻止部材
と、この隣接棚接近阻止部材を変位させる駆動手段と、
地震を感知する感震装置とを有し、この感震装置が作動
したときに、上記開指令スイッチが操作されることによ
り形成されている作業通路に面する物置棚の駆動手段が
隣接棚接近阻止部材を上記作業通路に突出させることを
特徴とする。
【0019】請求項18記載の発明のように、請求項1
7記載の発明における駆動手段に代わるものとして隣接
棚接近阻止部材を退避態位に保持する保持手段を設け、
上記隣接棚接近阻止部材は自然体で突出態位に変位する
ようにし、感震装置が作動したとき、上記形成されてい
る作業通路に面する物置棚の上記保持手段が隣接棚接近
阻止部材の保持を解除して、隣接棚接近阻止部材を上記
作業通路に突出させるようにしてもよい。
【0020】請求項19記載の発明のように、請求項1
7または18記載の発明において、感震装置が作動した
ときに、開指令スイッチが操作されることにより形成さ
れている作業通路に面する少なくとも片方の物置棚の隣
接棚接近阻止部材が上記作業通路に突出するようにして
もよい。請求項20記載の発明のように、請求項17ま
たは18記載の発明において、物置棚は、操作すること
によって電気的なインターロックをかけ既に形成されて
いる作業通路を確保するロックスイッチを有し、感震装
置が作動したときに、形成されている作業通路を挟んで
上記ロックスイッチが操作されている物置棚またはこれ
に対向する物置棚の隣接棚接近阻止部材を上記作業通路
に突出させるようにしてもよい。請求項21記載の発明
のように、請求項17または18記載の発明において、
物置棚は、操作することによって物置棚を移動不能に機
械的にロックするロックスイッチを有し、感震装置が作
動したときに、形成されている作業通路を挟んで上記ロ
ックスイッチが操作されている物置棚またはこれに対向
する物置棚の隣接棚接近阻止部材を上記作業通路に突出
させるようにしてもよい。
【0021】請求項22記載の発明のように、請求項1
7または18記載の発明において、駆動源から走行車輪
に至る動力伝達系を連結しまた切断するクラッチを物置
棚に設け、このクラッチは、感震装置が作動したときに
切断されて走行車輪にかかる抵抗を小さくするようにし
てもよい。請求項23記載の発明のように、請求項22
記載の発明において、感震装置が作動したとき、全ての
物置棚のクラッチが切断されて全ての物置棚の走行車輪
にかかる抵抗が小さくなるようにするとよい。請求項2
4記載の発明のように、請求項17または18記載の発
明において、物置棚の駆動源から走行車輪に至る動力伝
達系に制動手段を設け、この制動手段は、感震装置が作
動したときに制動力を解除して走行車輪にかかる抵抗を
小さくするようにするとよい。請求項25記載の発明の
ように、請求項24記載の発明において、感震装置が作
動したとき、全ての物置棚の制動手段の制動力が解除さ
れて全ての物置棚の走行車輪にかかる抵抗が小さくなる
ようにするとよい。
【0022】請求項26記載の発明は、レールに沿って
複数の物置棚を移動可能に置き並べた移動物置棚におい
て、物置棚に取り付けられ、隣接する物置棚間に形成さ
れる作業通路に突出した態位と退避した態位との間で変
位可能な隣接棚接近阻止部材と、この隣接棚接近阻止部
材を変位させる駆動手段と、地震を感知する感震装置
と、形成された作業通路に人が進入するとこれを検知す
る通路進入センサとを有し、上記感震装置が作動したと
きに、上記通路進入センサが検知動作した上記作業通路
に面する物置棚の少なくとも片方の物置棚の駆動手段が
動作して、隣接棚接近阻止部材を上記作業通路に突出さ
せることを特徴とする。
【0023】請求項27記載の発明は、請求項26記載
の発明における駆動手段に代わるものとして隣接棚接近
阻止部材を退避態位に保持する保持手段を設け、隣接棚
接近阻止部材は自然体で突出態位に変位するようにし、
感震装置が作動したときに、通路進入センサが検知動作
した作業通路に面する物置棚の少なくとも片方の物置棚
の上記保持手段が隣接棚接近阻止部材の保持を解除し
て、隣接棚接近阻止部材を上記作業通路に突出させるよ
うにしたものである。
【0024】請求項28記載の発明のように、請求項2
6または27記載の発明における通路進入センサは、形
成可能な作業通路ごとに設けてもよい。請求項29記載
の発明のように、請求項26または27記載の発明にお
いて、通路進入センサは複数の物置棚にまたがって設置
し、物置棚間には物置棚の移行余裕の有無を検知するリ
ミットスイッチを設け、感震装置が作動したときに、通
路進入センサが検知動作しており、かつ、上記リミット
スイッチが移行余裕ありと検知している作業通路の隣接
棚接近阻止部材を作業通路に突出させるようにしてもよ
い。
【0025】請求項30記載の発明は、物置棚に取り付
けられ、隣接する物置棚間に形成される作業通路に突出
した態位と退避した態位との間で変位可能な隣接棚接近
阻止部材と、この隣接棚接近阻止部材を変位させる駆動
手段と、形成されるべき作業通路ごとの照明灯を選択的
に点灯させるためのスイッチ手段と、地震を感知する感
震装置とを有し、この感震装置が作動したときに、上記
スイッチ手段の選択操作によって照明されている作業通
路に面する物置棚の上記駆動手段が、上記隣接棚接近阻
止部材を上記作業通路に突出させることを特徴とする。
請求項31記載の発明のように、駆動手段に代わるもの
として隣接棚接近阻止部材を退避態位に保持する保持手
段を設け、隣接棚接近阻止部材は自然体で突出態位に変
位するようにし、感震装置が作動したときに、上記スイ
ッチ手段の選択操作によって照明されている作業通路に
面する物置棚の上記保持手段が隣接棚接近阻止部材の保
持を解除して隣接棚接近阻止部材を上記作業通路に突出
させるようにしてもよい。
【0026】請求項32記載の発明は、物置棚に取り付
けられ、隣接する物置棚間に形成される作業通路に突出
した態位と退避した態位との間で変位可能な隣接棚接近
阻止部材と、隣接棚接近阻止部材を変位させる駆動手段
と、形成されるべき作業通路ごとに選択操作することが
できる選択操作手段と、地震を感知する感震装置とを有
し、上記感震装置が作動したときに、上記選択操作手段
によって選択されている作業通路に面する物置棚の上記
駆動手段が、隣接棚接近阻止部材を上記作業通路に突出
させることを特徴とする。請求項33記載の発明のよう
に、駆動手段に代わるものとして隣接棚接近阻止部材を
退避態位に保持する保持手段を設け、隣接棚接近阻止部
材は自然体で突出態位に変位するようにし、感震装置が
作動したときに、上記選択操作手段によって選択されて
いる作業通路に面する物置棚の上記保持手段が隣接棚接
近阻止部材の保持を解除して隣接棚接近阻止部材を上記
作業通路に突出させるようにしてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
にかかる移動物置棚の実施の形態について説明する。図
1において、底部に車輪1が設けられている複数の物置
棚2、3、4・・・(図1では、便宜上3台の物置棚が
示されている)は、床上に敷設されているレール5上に
並べて移動可能に配置されている。図1中、符号A1、
A2は、レール5上の末端部に固定配置されている固定
物置棚を示している。
【0028】図1に示す例は電動式移動棚の例であっ
て、物置棚2、3、4は、それぞれ走行車輪回転駆動用
モータ6を内蔵しており、モータ6からの回転力が図示
しない減速機構および無端伝達部材などの動力伝達系を
介して走行車輪1に伝達され、物置棚2、3、4が図1
において左右方向に移動することができるようになって
いる。上記無端伝達部材としては、歯付きベルトやチェ
ーンなどがある。
【0029】物置棚のうち、移動可能な物置棚2、3、
4には、隣接する物置棚間で作業するための通路(以
下、「作業通路」という)を形成した状態で、物置棚が
不用意に移動して作業通路が狭められたとき、相隣接す
る物置棚間に作業者が挟み込まれるのを防止することが
できる隣接棚接近阻止部材7が設けられている。この隣
接棚接近阻止部材7は、物置棚の開口面に取り付けら
れ、隣接する物置棚間に形成される作業通路に突出した
態位と退避した態位との間で変位可能なものである。こ
の隣接棚接近阻止部材7の変位は、駆動手段によって行
われるようにしてもよく、あるいは、保持手段によって
退避体に保持され、保持手段による保持が解除されると
隣接棚接近阻止部材7が自然体で突出態位に変位するよ
うにしてもよい。そして、手動によっても退避態位と突
出態位との間で変位させることができるようになってい
る。
【0030】図2は、隣接棚接近阻止部材7の一例を示
す。この隣接棚接近阻止部材7は、物置棚の骨格をなす
複数の支柱11のうち、物置棚の移動方向前面に向いて
いる支柱11の少なくとも一つに設けられている。図2
に示すように、この隣接棚接近阻止部材7は、基端に挿
通された支軸12を有し、この支軸12がチャンネル形
状のブラケット13によって回転自在に支持されてい
る。隣接棚接近阻止部材7は、基端から先端までの長さ
が、隣接する物置棚間で作業者が狭圧されない程度の空
間を確保できる長さに設定されている。ブラケット13
は、その底面が支柱11に固定されており、これによ
り、隣接棚接近阻止部材7が支柱11側に支持されてい
る。ブラケット13の固定方法としては、溶接等の一般
的な一体化手法だけでなく、ボルトあるいはリベットを
用いた取付手法等でもよい。
【0031】支柱11によって基端側が支持されている
隣接棚接近阻止部材7は、物置棚の前面と平行する起立
態位、すなわち作業通路から退避した態位と、物置棚の
前方に突出する横倒し態位、すなわち作業通路に突出し
た態位との間で揺動することができ、横倒し態位に揺動
変位した場合には、隣接する物置棚が接近してきても、
その先端が隣接物置棚に当接し、物置棚相互間で作業者
を狭圧しない幅の空間を確保することができるようにな
っている。隣接棚接近阻止部材7の突出態位は適宜の回
転規制手段によって保持される。
【0032】隣接棚接近阻止部材7の先端近くには、隣
接棚接近阻止部材7の起立態位において支柱11と対向
する面に、隣接棚接近阻止部材7を起立態位、すなわち
退避態位に保持するための保持手段としての磁性体をな
す永久磁石14が取り付けられ、支柱11にも上記永久
磁石を吸着する永久磁石15が取り付けられている。も
っとも、支柱11は、鉄製であり、また、隣接棚接近阻
止部材7も鉄で作られるものと考えられるため、上記保
持手段としての永久磁石14、15のうちの一方は省略
してもよい。
【0033】駆動手段は、上記隣接棚接近阻止部材7を
変位させるものであり、この駆動手段は、隣接棚接近阻
止部材7に直接接して隣接棚接近阻止部材7を退避した
態位から作業通路に突出した態位に変位させるソレノイ
ド16で構成されている。この駆動手段としてのソレノ
イド16には、地震を感知してソレノイド16を動作さ
せる感震装置、物置棚を機械的に移動不能にロックする
ロック手段、駆動モータ6の駆動力によって物置棚を移
動させるための開指令スイッチ20、隣接棚接近阻止部
材7が作業通路に突出していることを表示する表示手段
などがそれぞれ電気的に関連している。
【0034】駆動手段としてのソレノイド16は、図2
に示すように、励磁時にプランジャ16Aがソレノイド
本体から突出するプッシュ形式のものが用いられてい
る。プランジャ16Aの突出量は、永久磁石14、15
間での磁気的吸引力に打ち勝って隣接棚接近阻止部材7
が突出態位に向かい回転することができる量になってい
る。このソレノイド16は、上記ロック手段からのロッ
ク信号および上記感震装置からの感震信号が共に送信さ
れているときに、プランジャ16Aをソレノイド本体か
ら突出させ、隣接棚接近阻止部材7を退避した態位から
作業通路に突出した態位に向かって押し出し、永久磁石
14、15間の磁気的吸着が解消されたあとは隣接棚接
近阻止部材7を自重で回転させ、作業通路に突出した態
位に変位させる。
【0035】上記感震装置は、地震を感知してソレノイ
ド16を動作させるものであり、例えば、水銀式加速度
検出スイッチを用いることができ、予め設定された震度
以上の地震を検知すると感震信号を出力するようになっ
ている。この感震装置は、各物置棚に取り付けることが
できるし、移動物置棚を設置した建物の壁、床、天井な
どに取り付けることもできる。上記感震信号によってソ
レノイド16が励磁されるようになっている。
【0036】開指令スイッチ20(図1参照)は、物置
棚を移動させる際に用いられるスイッチであり、形成す
べき作業通路位置に対応して各物置棚に設けられてい
る。所望の位置に作業通路を形成させようとするとき
は、所望の作業通路に対応する開指令スイッチ20を選
択して操作する。これにより、選択操作された開指令ス
イッチ20の位置と、その時点で物置棚が移行すること
ができる余裕空間がどちら側にあるかとの関係で、各物
置棚の駆動用モータ6への給電、正転または逆転が制御
され、所望の位置に作業通路を形成するのに必要な物置
棚が移動して所望の位置に作業通路が形成される。
【0037】前記表示手段は、隣接棚接近阻止部材7が
作業通路に突出しているときに表示するようになってい
る。また、この表示手段は、作業者が適宜の場所に設け
られた表示解除手段を作動させるまで表示を維持するこ
とができるようになっている。また、隣接棚接近阻止部
材7が作業通路に突出した状態から退避した状態になっ
たとき、表示を解除するようにすることもできる。さら
に、地震によって隣接棚接近阻止部材7が作業通路に突
出したときその旨を表示し、地震がおさまったときに表
示を解除するようにすることもできる。この表示手段で
表示を行わせるための検出スイッチの例を図2に符号1
8で示す。この検出スイッチ18は、図2(a)に示す
ように隣接棚接近阻止部材7が退避態位にあるとき隣接
棚接近阻止部材7に押されて作動し、図2(b)に示す
ように隣接棚接近阻止部材7が突出態位に向かって回動
すると隣接棚接近阻止部材7による押圧が解除されるた
め、隣接棚接近阻止部材7の動作態位を検出することが
できる。検出スイッチ18の検知、非検知に応じて表示
手段による表示、非表示を切り換え、または、表示内容
を切り換えれば、隣接棚接近阻止部材7が作業通路に突
出しているとき、その旨を表示することができるし、隣
接棚接近阻止部材7が退避していることも表示すること
ができる。
【0038】この表示手段は、表示ランプ、芳香剤によ
るにおい、音声やブザーなどの音、液晶パネルなど、隣
接棚接近阻止部材7が作業通路に突出していることを表
示できるものであればどのようなものでもよい。また、
作業通路を照明するための照明灯を表示手段として兼用
させることもできる。表示手段の取付場所は、作業者が
隣接棚接近阻止部材7が作業通路に突出していることを
認識することができる場所であればどこでもよい。
【0039】電動式移動棚には、開指令スイッチの操作
によって所望位置に作業通路が形成されると、リセット
操作をしない限り新たな開指令信号の入力を無視して既
に形成されている作業通路を確保するようにしたいわゆ
る電気的なインターロックをかけるインターロック手段
が設けられるのが普通である。この電気的なインターロ
ック手段は、開指令スイッチ20を選択操作して、物置
棚を移動させ、通路幅検知部等によって一定幅の作業通
路を形成したら自動的にインターロックをかけるものも
あれば、一定幅の作業通路を形成した後に、作業者が各
物置棚に取り付けられているロックスイッチをオンする
ことにより、インターロックをかけるものもある。ま
た、一定幅の作業通路でなく、作業者の所望する幅の作
業通路が形成されたら自動的にインターロックをかける
ものもあれば、所望する幅の作業通路を形成した後に、
作業者が各物置棚に取り付けられているロックスイッチ
をオンすることにより、インターロックをかけるものも
ある。さらに、移動物置棚の間口面に設けられている安
全バーに接触することによりインターロックをかけるよ
うにしてもよい。上記安全バーは、もともと、物置棚と
物置棚との間に作業者等が挟み込まれないように、接近
してくる物置棚の安全バーに作業者等が接触すると物置
棚の移動を停止させるために設けたものであるが、移動
物置棚が停止中であっても、上記のように、その安全バ
ーに作業者等が触れるとインターロックがかかるように
することもできる。
【0040】ロックスイッチを手動的にオンすることに
よってインターロックをかける場合、作業通路に面する
両側の物置棚のロックスイッチをオンすることによりイ
ンターロックをかけるようにしてもよいし、片側の物置
棚のみのロックスイッチをオンすることによってインタ
ーロックをかけるようにしてもよい。同様に、インター
ロックを解除する場合も、作業通路に面する両側の物置
棚のリセットスイッチを操作することによって解除する
ようにしてもよいし、片側の物置棚のリセットスイッチ
を操作することによって解除するようにしてもよい。
【0041】このほかにも、形成された作業通路を照明
する照明灯が点灯することによってインターロックをか
けるもの、非常停止スイッチをオンすることによりイン
ターロックをかけるもの、作業通路を形成するための操
作が重複してなされることにより発する二重指令信号に
基づいてインターロックをかけるもの、各物置棚の台枠
等の開口面に取り付けられた安全バーに作業者が触れる
ことによりインターロックをかけるもの、マットスイッ
チその他の機械的なスイッチ、光センサ、赤外線セン
サ、CCDカメラ等を用いた通路進入センサによって作
業者が作業通路に入ったことを検知したときにインター
ロックをかけるものなど、様々なものがある。
【0042】電気的なインターロック手段には次のよう
なものも考えられる。電動式移動棚の開口面には安全バ
ーが設置されていて、棚が移動中に作業者が安全バーに
接触すると棚が停止するようになっている。そこで、安
全バーが作動して棚が停止した場合はインターロックが
かかるようにし、これを解除しなければ再び移動するこ
とができないようにする。さらにその場合、通路内の作
業者から見て通路が広がる向きに移動しているときに安
全バーに接触しても、棚が停止することなく、従ってイ
ンターロックもかからないようにし、上記通路が狭まる
向きに移動しているときに安全バーに接触したときにの
み棚が停止してインターロックがかかるようにするとよ
い。また、棚が停止中に安全バーに接触した場合にもイ
ンターロックがかかるようにしてもよい。
【0043】さらに、隣接棚接近阻止部材7の先端に検
出スイッチを設け、隣接棚接近阻止部材7が突出態位に
あるとき上記検出スイッチに作業者等が接触した場合に
も棚の移動を停止させて作業者の安全を確保するように
することも考えられる。そこで、この場合にも電気的な
インターロックをかけるようにしてもよい。さらに、上
記通路が狭まる向きに移動してるとき上記検出スイッチ
に作業者等が接触した場合に限って棚を停止させインタ
ーロックをかけるようにするとよい。隣接棚接近阻止部
材が作業通路に突出しているときインターロックをかけ
るようにしてもよい。インターロックがかかった物置棚
は、何れの向きにも移動することができないようにして
もよいし、安全側すなわち作業通路が開く向きには移動
することができ、作業通路を狭める向きにのみ移動する
ことができないようにしてもよい。
【0044】さて、本発明に特有の構成として、図1に
示すような電動式移動棚の場合、前記感震装置が作動し
たときに、開指令スイッチ20が操作されることにより
形成されている作業通路に面する物置棚に設けられてい
る駆動手段としてのソレノイド16が、上記感震装置か
らの感震信号により励磁されてプランジャ16Aがソレ
ノイド16から突出させられ、隣接棚接近阻止部材7が
プランジャ16Aに押されて突出態位をとるようになっ
ている。図1に示す例のように、物置棚3の開指令スイ
ッチ20の操作により物置棚3と物置棚4との間に作業
通路を形成した状態で感震装置が作動したとすれば、上
記作業通路に面する物置棚3の隣接棚接近阻止部材7を
作業通路に突出させる。このようにした理由は、開指令
スイッチ20が操作されることにより形成されている作
業通路内では作業者が物品の出し入れ作業をしている蓋
然性が高く、このとき地震が発生して物置棚同志が反発
し合うと、上記作業者が物置棚間に挟み込まれる可能性
があるため、上記作業通路に面する物置棚3の隣接棚接
近阻止部材7を作業通路に突出させ、隣接する棚3、4
同志の接近を隣接棚接近阻止部材7で阻止し、上記作業
者を保護するためである。
【0045】上記の説明では、形成された作業通路に面
する物置棚のうちの片方の物置棚の隣接棚接近阻止部材
7を感震信号によって突出させるものとしていたが、作
業通路に面する双方の物置棚の隣接棚接近阻止部材7を
突出させてもよい。また、前述のように、ロックスイッ
チの操作によって電気的なインターロックをかけ、既に
形成されている作業通路を確保するようにしたものにお
いては、感震装置が作動したとき、形成されている作業
通路を挟んで上記ロックスイッチが操作されている物置
棚またはこれに対向する物置棚の隣接棚接近阻止部材を
上記作業通路に突出させるようにしてもよい。さらに、
形成されている作業通路を挟んで両側に位置する物置棚
双方のロックスイッチを操作することによって初めてイ
ンターロックがかかるようにしてもよいし、何れか片方
の物置棚のロックスイッチを操作することによってイン
ターロックがかかるようにしてもよい。インターロック
を解除するときも、形成されている作業通路を挟んで両
側に位置する物置棚双方のロックスイッチを解除操作す
ることによって初めてインターロックが解除されるよう
にしてもよいし、何れか片方の物置棚のロックスイッチ
を解除操作することによってインターロックが解除され
るようにしてもよい。
【0046】電動式移動棚では、上記のように電気的な
インターロック手段が設けられ、物置棚を移動不能に機
械的にロックすることは一般には行われていないが、物
置棚を機械的にロックするロック手段を設けても差し支
えない。例えば、駆動源としてのモータから走行車輪に
至る動力伝達系を強制的に作動不能にロックし、また
は、物置棚本体から閂を突出させてレールや床などに係
合させるようにする。ただし、物置棚を移動させようと
するとき強制的にロックされていたのではモータに過大
な負荷がかかるので、モータ、ソレノイド等のアクチュ
エータを介して機械的なロックをかけまたロックを外す
ようにする。例えば、開指令スイッチの操作により物置
棚が移動するときはロックを外し、通路形成動作が終わ
ったらロックをかけるようにする。あるいは、各物置棚
にロックスイッチを設け、ロックスイッチがロック解除
の状態にあるときにのみ開指令スイッチの操作による開
指令操作が可能になるようにし、作業通路形成後、上記
ロックスイッチを操作することによって機械的なロック
がかかるようにするとよい。
【0047】そして、上記ロックスイッチを有するもの
においては、このロックスイッチが操作されているとい
うことは、作業者が作業通路内で作業をしている蓋然性
が高いため、感震装置が作動したときに、形成されてい
る作業通路を挟んで上記ロックスイッチが操作されてい
る物置棚またはこれに対向する物置棚の隣接棚接近阻止
部材を上記作業通路に突出させ、前述のように作業通路
内の作業者を保護するようにするとよい。この場合も、
感震装置が作動したときに隣接棚接近阻止部材を作業通
路に突出させるための前提として、形成されている作業
通路を挟んで両側に位置する物置棚双方のロックスイッ
チが操作されていることを条件としてもよいし、何れか
片方の物置棚のロックスイッチが操作されていることを
条件としてもよい。
【0048】電動式移動棚においてはまた、駆動源から
走行車輪に至る動力伝達系を連結しまた切断する電磁的
なクラッチが各物置棚に設けられ、あるいは各物置棚の
駆動源から走行車輪に至る動力伝達系に電磁ブレーキ等
の制動手段が設けられる場合がある。これらクラッチや
制動手段手段は、一般に駆動源としてのモータと一体に
組み込まれる。これらクラッチや制動手段手段を有する
電動式物置棚において、クラッチがつながったままの状
態、あるいは制動手段が制動力をかけたままの状態で
は、走行車輪にかかる機械的な回転抵抗が大きく、従っ
て、この状態で地震が発生すると、走行車輪を通じて物
置棚に加わる地震エネルギーが大きく、物置棚が転倒し
やすく、また収納物品が転落しやすくなるので、感震装
置が作動したとき、上記クラッチを切断して走行車輪に
かかる抵抗を小さくし、また、制動手段による制動力を
解除して走行車輪にかかる抵抗を小さくするとよい。こ
のクラッチの切断や制動力の解除は、感震信号でアクチ
ュエータを作動させることによって行ってもよいし、振
動によって機械的に行わせるようにしてもよい。こうす
ることによって、物置棚に伝達される地震エネルギーを
軽減し、地震時の物置棚の転倒や収納物品の転落等を防
止することができる。地震発生時に、形成されている作
業通路に面する物置棚のクラッチを切断し、あるいは制
動手段手段の制動力を解除するようにしてもよいが、全
ての物置棚のクラッチを切断し、あるいは制動手段の制
動力を解除するようにするのが望ましい。
【0049】上記のように、クラッチがつながったまま
の状態、あるいは制動手段が制動力をかけたままの状態
では、走行車輪にかかる機械的な回転抵抗が大きいた
め、これをロック手段に類似する手段として利用し、形
成された作業通路に面する物置棚のクラッチをつないで
おき、あるいは制動手段を制動状態にして、物置棚が妄
りに動かないようにするとよい。クラッチをつなぎ、あ
るいは制動手段で制動をかける動作は、形成された作業
通路に面する物置棚のロックスイッチを操作することに
よって行うことができる。この場合、形成されている作
業通路を挟んで両側に位置する物置棚双方のロックスイ
ッチを操作することによって、または通路進入センサが
検知動作することによってクラッチがつながり、あるい
は制動がかかるようにしてもよいし、作業通路を挟んで
片方の物置棚のロックスイッチを操作することによっ
て、または通路進入センサが検知動作することによって
クラッチがつながり、あるいは制動がかかるようにして
もよい。また、感震装置が作動したときに隣接棚接近阻
止部材を作業通路に突出させるための前提として、形成
されている作業通路を挟んで両側に位置する物置棚双方
のロックスイッチが操作され、または通路進入センサが
検知動作していることを条件としてもよいし、何れか片
方の物置棚のロックスイッチが操作され、または通路進
入センサが検知動作していることを条件としてもよい。
上記クラッチの形式は任意で、摩擦クラッチであっても
よいし、駆動側と従動側で凹凸が互いに嵌まり合う形式
のものであってもよい。
【0050】電動式移動棚では、一般に駆動源としての
モータから走行車輪に至る動力伝達系中に減速機構が介
在し、この減速機構が地震時の抵抗となって地震エネル
ギーが物置棚に伝達される。しかし、インバータやチョ
ッパによってモータを制御するようにすれば、減速比を
小さくすることができ、地震時の抵抗も小さくなって物
置棚に伝達される地震エネルギーも少なくなるため、免
震効果が大きくなる。
【0051】クラッチを設けた物置棚においては、メイ
ン電源オフまたは停電のとき、次のように対応するよう
にしておくとよい。例えば、メイン電源オフまたは停電
のときクラッチを切断し、メイン電源がオンしまたは停
電が復帰したときクラッチを接続するようにする。また
は、メイン電源オフまたは停電のときクラッチを切断
し、メイン電源がオンして制御盤のスイッチがオンする
ことによってクラッチを接続するようにしてもよい。さ
らに、メイン電源オフまたは停電のときクラッチを切断
し、メイン電源がオンして操作盤のスイッチがオンする
ことによってクラッチを接続するようにしてもよい。
【0052】以上、電動式移動棚に本発明思想を適用し
た実施の形態について説明したが、本発明思想は手動式
移動棚にも適用することができる。手動式移動棚には、
前述のように移動棚を直接手動力で押し動かすものもあ
るが、一般的には手動力で回転操作するハンドルの回転
力を歯車、チェーン、ベルトその他の動力伝達手段から
なる動力伝達系を介して走行車輪に伝達し、物置棚を移
動させるようになっている。そして、多くのハンドル回
転式移動棚には、形成された作業通路を維持するため
に、上記ハンドルから走行車輪に至る動力伝達系を動作
不能にロックすることによって物置棚を移動不能にロッ
クし、あるいは、物置棚から突出させた閂をレールまた
は床などに係合させることによって物置棚を移動不能に
ロックするロック手段が設けられている。また、動力伝
達系を構成する部品の一部を例えばブレーキシューに類
似の部品で挟み込み、物置棚に制動力を与えるようにし
た制動手段を設ける場合もある。
【0053】上記ロック手段は、手動操作によって機械
的に個々の物置棚を移動不能にロックするものである。
その例としては、各物置棚に取り付けられたハンドルを
手動で回転操作することによって、走行車輪を回転駆動
するようにした移動物置棚において、ハンドルを回転不
能にロックするもの(実公平4−27395号公報、実
公平4−27396号公報参照)、減速ギヤをロックす
るもの、ハンドルから車輪に至る動力伝達機構を作動不
能にロックするもの、車輪を回転不能にロックするも
の、車輪の軸に取り付けられたドラムをロックするもの
などがある。また、物置棚を直接手動力で動かす移動棚
にも適用可能なロック手段として、設置床やレールある
いはレール側方に固定したプレートなどの係合穴に閂を
突き刺してロックするものなどがある。要は、ロック手
段は、各物置棚を移動不能にロックすることができるも
のであればどのようなものでもよい。
【0054】上記ロック手段または制動手段は、形成さ
れた作業通路を維持するために、また、みだりに物置棚
が移動することのないようにするために用いられるもの
であるから、ロック手段または制動手段によって物置棚
がロックまたは制動されているということは、形成され
ている作業通路内に作業者がいる可能性が高いことを意
味している。そこで、形成された作業通路に面する物置
棚の少なくとも片方の物置棚のロック手段または制動手
段がロックまたは制動されており、かつ、前記感震装置
が作動したときに、上記形成されている作業通路に面す
る物置棚の前記駆動手段としてのソレノイド16(図2
参照)が、前記隣接棚接近阻止部材7を上記作業通路に
突出させるようにする。こうしておけば、地震が発生し
たとき、作業者が入っている蓋然性が高い作業通路に面
する物置棚の隣接棚接近阻止部材7が突出して隣接棚の
接近を阻止するため、地震によって物置棚が移動して
も、作業通路内の作業者は保護される。
【0055】また、地震発生時に上記ロック手段または
制動手段がロックまたは制動されたままであるとすれ
ば、もともと移動棚が有している免震機能が減殺される
ので、地震の発生によってロック手段または制動手段に
よるロックまたは制動が解除されるようにする。このロ
ック解除手段の例としては、実公平4−27395号公
報に記載されているように、地震時に揺れる振り子など
を用いて機械的にロックを解除するものであってもよい
し、実公平4−27396号公報に記載されているよう
に、ソレノイドなどのアクチュエータを用いてロックを
解除するものであってもよい。アクチュエータを用いる
場合は、ロック解除用感震装置を設けてその感震信号で
アクチュエータを作動させるようにしてもよいし、地震
時に前記隣接棚接近阻止部材を突出させるための感震装
置を兼用しその感震信号でアクチュエータを作動させる
ようにしてもよい。
【0056】上記ロック手段または制動手段は、ロック
または制動動作およびロック解除または制動解除動作が
モータ、ソレノイド等のアクチュエータによって行われ
るようにし、このアクチュエータの動作はロックスイッ
チまたは制動スイッチの操作によって行われるものであ
ってもよい。例えば、ロックスイッチまたは制動スイッ
チとこのロックスイッチまたは制動スイッチによって動
作するアクチュエータを各物置棚に設けておき、一つの
物置棚におけるロックスイッチまたは制動スイッチを操
作することによりその棚のアクチュエータが動作し、そ
の棚のロック手段または制動手段がその棚を移動不能に
ロックまたは制動するようにする。また、上記アクチュ
エータは感震装置からの感震信号によってもロックまた
は制動を解除するようにしておく。さらに、形成された
作業通路に面する物置棚の少なくとも片方の物置棚のロ
ック手段または制動手段がロックまたは制動されてお
り、かつ、感震装置が作動したときに、形成されている
作業通路に面する少なくとも片方の物置棚の隣接棚接近
阻止部材が上記作業通路に突出するようにしてもよい。
【0057】上記ハンドル回転式の各移動棚にも、駆動
源としての回転操作ハンドルから走行車輪に至る動力伝
達系中に、この動力伝達系を連結しまた切断するクラッ
チを設けてもよい。そして、地震発生時に物置棚に伝達
される地震エネルギーができるだけ小さくなるように、
上記クラッチは、感震装置が作動したときに切断される
ようにするとよい。
【0058】前に説明したように、形成された作業通路
に面する物置棚のロック手段または制動手段がロックま
たは制動されていることと、感震装置が作動したという
条件が成立したとき前記ソレノイド16が隣接棚接近阻
止部材7を突出させるようにした場合、上記ロック手段
または制動手段が地震発生によってロック解除または制
動解除されるようになっていると、感震信号の発生タイ
ミングのずれや、ソレノイド16の動作遅れ等の様々な
要因によって、上記隣接棚接近阻止部材7を突出させる
ための条件が崩れ、隣接棚接近阻止部材7が突出せず、
隣接棚接近阻止部材7が機能しないことが考えられる。
そこで、地震発生時に隣接棚接近阻止部材7が確実に突
出動作するように、次に説明するような対策を講じてお
くとよい。
【0059】図3に示す例は、機械的なロック手段を有
するものにおいて、地震時のロック手段と隣接棚接近阻
止部材の動作タイミングを示す。図3に示すように、ロ
ック手段が物置棚を移動不能にロックしている状態で地
震が発生し、B時点で感震装置が検知信号を出力し、こ
の検知信号で駆動手段が作動して隣接棚接近阻止部材が
突出態位に作動し、続いてA時点でロック解除動作が行
われれば特に問題はない。ところが、何らかの原因でロ
ック解除動作後に感震装置から感震信号が出力される
と、上記のように隣接棚接近阻止部材7を突出させるた
めの条件が崩れ、隣接棚接近阻止部材7の突出動作は行
われない。仮に感震装置が感震信号を出力した後にロッ
ク解除動作が行われたとしても、感震装置が感震信号を
出力した時点とロック解除動作時点とが接近している
と、駆動手段による隣接棚接近阻止部材7の突出動作が
途中で中断され、隣接棚接近阻止部材7の突出動作が行
われないこともあり得る。
【0060】そこで図3に示す例では、ロック手段が物
置棚を移動不能に一旦ロックすれば、その後ロック解除
動作が行われたとしても、ロック解除動作時点からタイ
マーが作動し、一定時間ロック保持信号が出力されるよ
うになっている。このロック保持信号が出力されている
間は隣接棚接近阻止部材7の駆動手段としてのソレノイ
ド16を励磁する条件が維持される。従って、ロック手
段が物置棚を移動不能に一旦ロックすれば、その後隣接
棚接近阻止部材7を突出させるための感震装置が感震知
信号を出力する前にロック手段によるロックが解除され
ても、隣接棚接近阻止部材7の突出動作が確実に行われ
ることになる。上記ロック信号の維持は、例えば、タイ
マーや、メモリ、シーケンサ、CR時定数回路、CPU
を有する場合はCPUが有するタイマー機能などを利用
することができる。タイマー等によってロック信号を維
持する時間は、隣接棚接近阻止部材7を退避した態位か
ら作業通路に突出した態位に確実に変位させることがで
きる時間であればよい。また、隣接棚接近阻止部材7は
作業者が作業通路に入るときに手動で作業通路に突出し
た態位に変位させることができるため、作業者によって
すでに隣接棚接近阻止部材7が作業通路に突出した態位
になっている場合は、あえて作動させる必要はないが、
作動させても差し支えない。
【0061】上記実施の形態の動作を図4ないし図6を
参照しながらより具体的に説明する。図4ないし図6
は、手動式の移動物置棚であって機械式のロック手段を
有するものの例を示していて、図4、図5はロック手段
の解除が振り子などを用いて機械的に行われるものの例
を示し、図6はロック手段のロックの解除がソレノイド
等のアクチュエータによって行われるものの例を示して
いる。まず、図4、図5を参照しながら、手動式の移動
物置棚であって機械式のロック手段を有し、ロック手段
の解除が機械的に行われるものについて説明する。
【0062】まず、手動で物置棚を移動させて作業通路
を形成する。この際、移動させる必要がある物置棚がロ
ックされていれば、このロックを解除して物置棚を移動
させることができるようにする。作業通路を形成した
ら、この作業通路を挟んだ両側の物置棚のうち少なくと
も一方の物置棚をロック手段によって移動不能にロック
する。図5に示す物置棚1、物置棚2は、作業通路を挟
んだ両側の物置棚を示していて、この場合は両方の物置
棚がロックされている。ロック手段機械式であり手動で
ロックするため、物置棚1と物置棚2間のロックに多少
の時間のズレが生じている。
【0063】この状態で地震が発生し、所定以上の震度
になると、振り子などを有してなるロック解除手段によ
ってロックが解除される。この場合のロックの解除は振
り子などによる機械的な動作によって行われるため、物
置棚1と物置棚2とではロックの解除に多少の時間のズ
レが生じる。両方の物置棚1、2のロックが解除された
ら(A時点)、タイマー等によってロック信号が維持さ
れる。図5に示すロック信号は、A時点からD時点まで
維持される。
【0064】一方、地震が発生して、感震装置が任意に
設定された震度以上の地震を検知すると、感震装置はB
時点で感震信号を出力する。図5に示す例では、上記A
時点からD時点までの間にあるB時点で感震信号が出力
され、上記ロック解除のタイミングよりも感震信号のタ
イミングが遅れている。しかし、上記のようにロック信
号がD時点まで維持されているため、駆動手段としての
ソレノイド16の動作による隣接棚接近阻止部材7の突
出動作条件が維持され、隣接棚接近阻止部材7は退避し
た態位から作業通路に突出した態位に変位する。地震が
発生しない通常時は、作業通路内で所定の作業を行い、
作業が終了するとロックを解除して初期の状態に戻る。
【0065】次に、図4及び図6を参照しながら、手動
式の移動物置棚であって機械式のロック手段であり、ロ
ック手段の解除がソレノイド等の電気的なアクチュエー
タを用いたものの動作について説明する。なお、これま
で説明してきた動作と同じところは説明を省略し、違う
ところを重点的に説明する。この例ではロックの解除を
アクチュエータで行っているため、物置棚1のロックの
解除と物置棚2のロックの解除は、図6にA時点で示す
ように同時に行われている。また、ロック解除用アクチ
ュエータは、ロック解除用感震装置が予め設定された震
度以上の地震を検知したとき、上記感震装置からの感震
信号によってロックを解除するようになっている。従っ
て、ロック解除用感震装置と隣接棚接近阻止部材作動用
感震装置とを兼用することができる。図6に示す例で
は、ロック解除用感震装置と隣接棚接近阻止部材作動用
感震装置とをそれぞれ別に設けているため、両者の検知
信号の出力タイミングに多少の時間のズレが生じている
が、上記のように感震装置を兼用すればズレはないし、
コストを削減することができる。
【0066】次に、図7及び図8を参照しながら、電動
式移動物置棚の場合の動作について説明する。まず、物
品の出し入れ作業を行うための物置棚を選択し、この物
置棚の前面に作業通路を形成すべく、所望の物置棚の開
指令スイッチ20(図1参照)を選択して操作する。こ
れにより、既に説明したとおり物置棚が移動して指定位
置に作業通路が形成され、物置棚が停止する。物置棚が
停止すると、図8に示すO時点でインターロックがかか
る。インターロックは、これをリセットしない限り新た
な開指令信号の出力を禁止して、既形成通路を確保する
ように回路的にロックするものであって、ロック手段の
一つと考えてよい。インターロックは、形成された作業
通路を挟んだ両側の物置棚において行うのが望ましい
が、両側の物置棚のうち少なくとも片方の物置棚におい
て行うようにしてもよい。図8に示す物置棚1、2は、
作業通路を挟んだ両側の物置棚を示していて、両方の物
置棚1、2がインターロックされる。なお、作業通路を
形成する際、作業通路を形成する側にすでにロックされ
ている物置棚があれば、このロックを解除して物置棚を
移動させる。図8に示すように、インターロックは回路
的に行われるため、物置棚1、2との間でのインターロ
ックのタイミングにズレはない。
【0067】この状態で地震が発生し、ロック解除用感
震装置が予め設定された震度以上の地震を検知したら、
この検知信号でインターロックが解除される(図8のA
時点参照)。また、阻止部材用感震装置からも感震信号
が出力される(図8のB時点)。ここでも、インターロ
ックが解除された時点から一定時間tだけインターロッ
ク信号が維持され、阻止部材用感震信号のタイミングが
インターロック解除のタイミングより早い場合であって
も、阻止部材の駆動手段が確実に動作し、隣接棚接近阻
止部材が確実に作業通路に突出させられる。
【0068】なお、インターロック解除用感震装置と阻
止部材用感震装置が兼用される場合は感震信号のタイミ
ングのずれはなく、隣接棚接近阻止部材の突出動作が確
実に行われないと行った問題は比較的少ない。図7にお
いて、地震が発生しない通常の動作では、作業通路形成
後作業を行いかつ作業が終了すると、リセット操作して
インターロックを解除することによって現状に復帰し、
新たな開指令信号を出力することができる。
【0069】電動式移動棚には、1箇所にのみ作業通路
を形成できる形式のものと、1箇所に作業通路を形成す
ると作業通路に面する物置棚のみにインターロックをか
け、他の物置棚は移動可能とし、別の位置に作業通路を
形成することができるようにした多通路方式のものとが
ある。多通路方式のものにおいては、形成された作業通
路ごとに、感震装置が作動したとき、形成されている作
業通路に面する物置棚の駆動手段を動作させ、または保
持手段による隣接棚接近阻止部材の保持を解除して、隣
接棚接近阻止部材を上記作業通路に突出させるようにす
る。
【0070】以上説明した図3〜図8に示す例では、ロ
ック手段が物置棚を移動不能に一旦ロックすると、この
ロックが解除されたとしても、感震装置が作動すること
によって、駆動手段は隣接棚接近阻止部材7を作業通路
内に突出させるようになっているが、これは、移動物置
棚のメインスイッチのオン・オフに関係なく作動できる
ようにするとよい。すなわち、移動物置棚のメインスイ
ッチがオフになっているときであっても、駆動手段は隣
接棚接近阻止部材7を作業通路内に突出させることがで
きるようにする。こうしておけば、移動物置棚用のメイ
ンスイッチがオフのまま、作業通路内に作業者が入って
いるとき、たまたま地震が発生しても、隣接棚接近阻止
部材7によって作業者が保護される。
【0071】さらに、電源をバッテリやソーラー発電機
などでバックアップすることもできる。電源バックアッ
プ装置を具備しておけば、メインスイッチのオン・オフ
に関係なく、隣接棚接近阻止部材7を作業通路に突出し
た態位に変位させることができるとともに、停電時にお
いても、隣接棚接近阻止部材7を作業通路に突出した態
位に変位させることができる。図3〜図8に示す例にお
いて、ロック手段を制動手段に代えてもよく、ほぼ同様
の作用効果を得ることができる。
【0072】これまで述べてきた隣接棚接近阻止部材7
は、図2に示すように、ソレノイド16その他のアクチ
ュエータによって、支軸12を中心に、物置棚の前面と
平行に起立した退避態位から下方に揺動することによっ
て突出するようになっていたが、支軸12を中心にして
下から上方に揺動して突出態位になるものでもよい。ま
た、退避態位と突出態位のなす最大角度は90度であっ
てもよいし、90度以下または90度以上の角度であっ
てもよい。要するに、作業者を狭圧しない通路幅を確保
することができる角度であればよい。隣接棚接近阻止部
材は水平面内で回転して退避態位から突出態位に変位す
るものであってもよい。
【0073】隣接棚接近阻止部材7を取り付ける場所
は、隣接棚の接近を阻止することができる場所であれ
ば、物置棚の天板、柱、側板、台枠等どこでもよい。床
から低いところに隣接棚接近阻止部材7を取り付けた場
合は、作業者は、隣接棚接近阻止部材7をまたいで通過
することができるし、逆に、床から高いところに隣接棚
接近阻止部材7を取り付けた場合は、作業者は、隣接棚
接近阻止部材7の下をくぐって通過することができる。
また、通常時において作業者が隣接棚接近阻止部材7を
手動で変位させることができるようにするのであれば、
操作性のよい位置に設ければよい。
【0074】隣接棚接近阻止部材7の駆動手段の例とし
て図2ではソレノイド16用いていたが、ソレノイド1
6の代わりに隣接棚接近阻止部材7の回転軸をモータに
連結させ、このモータの回転力によって隣接棚接近阻止
部材7を変位させるようにしてもよいし、弾性体、シリ
ンダー、エアー吹き付け、プッシャー、磁気的反発力等
で隣接棚接近阻止部材7を変位させるようにしてもよ
い。駆動手段としてモータを用いた場合は、モータの駆
動力によって、隣接棚接近阻止部材7を退避態位から突
出態位に移動させることもできるし、退避態位から突出
態位に移動させることもできる。従って、感震装置の作
動によって隣接棚接近阻止部材7を突出させた後、地震
が収まって感震装置からの感震信号が途絶えたとき、ま
たは、感震信号が途絶えたあと一定時間経過したとき、
上記モータの駆動力によって隣接棚接近阻止部材7を退
避態位に復帰させることもできる。
【0075】駆動手段としてモータを用いた場合は、隣
接棚接近阻止部材7をその長さ方向に直線的に移動させ
て突出させることができる。すなわち、隣接棚接近阻止
部材7にラックを取り付け、このラックに対応するピニ
オンを駆動手段としてのモータの軸に取り付けた構成に
しておき、モータの駆動力でピニオンを回転させ、この
ピニオンの回転力でピニオンに接しているラックを動か
すことにより、隣接棚接近阻止部材7を退避した態位か
ら作業通路に突出した態位に変位させることができる。
また、長さ方向に直線的に移動可能な隣接棚接近阻止部
材を突出付勢し、付勢力に抗した退避態位で係止する係
止手段を設けてこれを保持手段とすることができる。そ
して、この保持手段による保持を解除し、上記付勢力で
突出した隣接棚接近阻止部材を突出態位で係止する係止
手段を設けるとよい。
【0076】軸を中心に回転することができる前記隣接
棚接近阻止部材7は、これを突出方向に付勢することも
できる。図9および図10には、その一例を示してい
る。図9に示すように、物置棚の移動方向前面に位置す
る棚支柱、棚板、側パネル、その他適宜の部材の前面に
はブラケット30が固着され、ブラケット30に取り付
けられた水平方向の軸31を中心にして隣接棚接近阻止
部材7が垂直面内において回転可能に支持されている。
隣接棚接近阻止部材7の回転範囲は、物置棚の前面とほ
ぼ平行に立ち上がった退避態位と、物置棚の前面から隣
の物置棚に向かって突出し、隣の物置棚との接近を阻止
することができる突出態位との間のほぼ90゜の範囲で
ある。上記退避態位は保持手段32によって暫定的に保
持される。
【0077】保持手段32は、例えばマグネット、スプ
リングキャッチ、ファスナ、その他適宜の暫定的保持手
段を用いることができる。あるいは、このような暫定的
保持手段を特別に設けなくても、軸31と隣接棚接近阻
止部材7との摩擦抵抗によって暫定的に保持するように
してもよい。あるいは、隣接棚接近阻止部材7の一部
(例えば隣接棚接近阻止部材7に設けたピンなど)を移
動棚本体に引っかけておき、さらには単に立てかけてお
くなどの手段であってもよい。何れにせよ、比較的弱い
外力で暫定的保持態位が解除されるように、暫定的保持
力も弱く設定されている。隣接棚接近阻止部材7の上記
突出態位は、ブラケット30の内底面に隣接棚接近阻止
部材7が当接することによって保持される。
【0078】上記ブラケット30の下方には別のブラケ
ット33が固着され、このブラケット33と隣接棚接近
阻止部材7との間には引っ張りばね34が掛けられてい
る。隣接棚接近阻止部材7が図9に実線で示すように垂
直方向に立ち上がった退避態位にあるとき、隣接棚接近
阻止部材7とばね34との連結点とブラケット33とば
ね34との連結点とを結ぶ線に、軸31の延長線が重な
っている。従って、ソレノイド16によりプランジャ1
6Aを突出させると、隣接棚接近阻止部材7が押されて
退避態位での暫定的保持態位が解除され、隣接棚接近阻
止部材7はばね34の引っ張り力で突出態位に向かって
回転付勢され、敏速に回転する。そして、隣接棚接近阻
止部材7がほぼ水平位置まで回転したとき、隣接棚接近
阻止部材7がブラケット30の内底面に当接して回転範
囲が規制され、このとき隣接棚接近阻止部材7が反動で
戻ろうとする。しかし、ばね34の引っ張り力が働いて
いるため、隣接棚接近阻止部材7が反動で戻ろうとする
動きが抑制され、隣接棚接近阻止部材7のばたつきが抑
制されて早期に安定する。
【0079】このように、隣接棚接近阻止部材7を突出
方向に付勢することにより、隣接棚接近阻止部材7が退
避した態位から突出した態位に敏速に変位すると共に、
ばね34の引っ張り力が働いているため、隣接棚接近阻
止部材7が反動で戻ろうとする動きが抑制され、隣接棚
接近阻止部材7を早期に安定させることができる。
【0080】上記の例におけるばね34はいわゆる思案
ばねとして作用するものであってもよい。すなわち、隣
接棚接近阻止部材7が垂直方向に立ち上がった退避態位
にあるとき、隣接棚接近阻止部材7とばね34との連結
点とブラケット33とばね34との連結点とを結ぶ線を
軸31の延長線よりも内側、すなわち物置棚本体側に位
置させることにより、隣接棚接近阻止部材7を物置棚本
体側に向かって回転付勢して上記退避態位を暫定的に保
持し、一方、ソレノイド16によってプランジャ16A
を突出させることにより、隣接棚接近阻止部材7が突出
態位に向かって僅かに回転し、隣接棚接近阻止部材7と
ばね34との連結点とブラケット33とばね34との連
結点とを結ぶ線と軸31の延長線とが重なった思案点を
超えたとき、上記のようにばね34の引っ張り力が隣接
棚接近阻止部材7を突出態位に向かって回転付勢するよ
うに作用させる。このように、ばね34を思案ばねとし
て作用させれば、図9に示す保持手段32を別に設ける
必要はない。
【0081】なお、隣接棚接近阻止部材7が垂直方向に
立ち上がった退避態位において、隣接棚接近阻止部材7
とばね34との連結点とブラケット33とばね34との
連結点とを結ぶ線が軸31の延長線よりも外側にあって
も、隣接棚接近阻止部材7と軸31との間にある程度の
摩擦抵抗があって隣接棚接近阻止部材7が退避態位を保
持できれば差し支えない。なお、ばね34に代えてゴ
ム、合成樹脂その他適宜の弾性体を用いてもよいし、図
10に示すように重り35を用いてもよい。
【0082】図10において、前述の例と同様にブラケ
ット30を介して物置棚に垂直面内において回転可能に
支持された隣接棚接近阻止部材7には、軸31寄りの位
置において連結部材36を介して重り35が吊り下げら
れている。連結部材36は、ワイヤ、ロープ、紐、チェ
ーン等の可撓性部材であってもよいし、レバー、ロッド
等の剛体であってもよい。連結部材36が剛体の場合
は、隣接棚接近阻止部材7に回転可能に連結される。こ
の場合も、前述の例のようにばね34を用いた場合と同
様に動作する。すなわち、隣接棚接近阻止部材7が図1
0に破線で示すように垂直方向に立ち上がった退避態位
にあるとき、重り35の荷重による連結部材36の垂下
線に軸31の延長線が重なっていて、隣接棚接近阻止部
材7と軸31との摩擦抵抗によって上記退避態位が保持
されている。
【0083】この状態からソレノイド16によってプラ
ンジャ16Aを突出させることにより、隣接棚接近阻止
部材7が突出態位に向かって僅かに回転し、連結部材3
6の垂下線が軸31の延長線よりも外側に移動したと
き、重り35の荷重が隣接棚接近阻止部材7を図におい
て時計方向への回転付勢力として作用し、これによって
隣接棚接近阻止部材7が回転して実線で示すような突出
態位をとることになる。隣接棚接近阻止部材7が退避態
位を保持することができれば、隣接棚接近阻止部材7の
退避態位において連結部材36の垂下線が軸31の延長
線よりも外側にあってもよいし、もちろん内側であって
もよい。図10に示す例も、前述の例と同様の効果を奏
する。
【0084】隣接棚接近阻止部材7は、これらに限られ
るものではなく、要は、隣接する物置棚間に形成される
作業通路に突出した態位と退避した態位との間で変位可
能なものであって、作業者を狭圧しない通路幅を形成す
ることができるものであればどのようなものでもよい。
また、図2に示す保持手段は永久磁石14、15である
ため、隣接棚接近阻止部材7を退避した態位に保持する
ことができると共に、隣接棚接近阻止部材7を作業通路
に突出させた後、再び、隣接棚接近阻止部材7を退避し
た態位に保持させることができる。
【0085】これまで説明してきた実施の形態では、駆
動手段と感震装置とを連動させ、隣接棚接近阻止部材7
を駆動手段により積極的に突出態位に作動させている
が、隣接棚接近阻止部材7を退避態位に保持する前記保
持手段を有する移動棚においては、隣接棚接近阻止部材
7が上記保持手段による保持が解除されたとき自然体で
突出態位に変位するようにしておけば、前記駆動手段に
代えて上記保持手段を用いることができる。図11にそ
の一例を示す。
【0086】図11において、隣接棚接近阻止部材7の
先端近くには、磁力で隣接棚接近阻止部材7を退避した
態位で吸引する永久磁石21が取り付けられている。物
置棚の支柱側(図示せず)であって永久磁石21と対向
する位置には、上記感震装置の作動によって永久磁石2
1の磁力に対し反発する向きの磁力を発生させる電磁石
22が取り付けられている。通常は永久磁石21が電磁
石22のコアを吸引して隣接棚接近阻止部材7を退避態
位に保持しているが、感震装置から感震信号が出力され
ると、電磁石22に通電されて図11(b)に示すよう
に永久磁石21との間に磁気的反発力が生じ、隣接棚接
近阻止部材7が突出態位に向かって押され、あとは隣接
棚接近阻止部材7が自然に回転して突出態位となる。電
磁石22の通電は適宜の時間行われた後オフする。従っ
て、隣接棚接近阻止部材7を作業通路に突出させた後、
再び、隣接棚接近阻止部材7を退避態位に戻してこの退
避態位を保持させることができる。
【0087】図11に示す例における電磁石22と永久
磁石21は、永久磁石22の磁気的吸引力で隣接棚接近
阻止部材7を退避態位に保持するため、隣接棚接近阻止
部材7の保持手段ともいえるし、感震装置からの感震信
号で磁気的反発力を発生させて隣接棚接近阻止部材7を
突出態位に向かって押すものであるから、隣接棚接近阻
止部材7の駆動手段ともいえる。
【0088】隣接棚接近阻止部材7を退避態位に保持す
る保持手段は、通常は隣接棚接近阻止部材7を退避した
状態で係止し、感震装置の作動によってこの係止を解除
するアクチュエータで構成することもできる。このアク
チュエータには、モータやソレノイド等を用いることが
できる。図12には、アクチュエータとしてモータを用
いた例を示している。図12において、隣接棚接近阻止
部材7の先端近くには底部25aを有するブラケット2
5が取り付けられている。このブラケット25には、係
合部材26が支軸27を中心に回転自在に取り付けられ
ている。また、図13に示すように支軸27には、コイ
ルばね27が取り付けられており、これにより係合部材
26は支軸27を中心に図12において時計方向に付勢
され、係合部材26の底面がブラケット25の底部25
aに当接することによって上記付勢力による回転が規制
されている。係合部材26は隣接棚接近阻止部材7の前
面からほぼ直角に突出している。この係合部材26の先
端は湾曲するとともに鈎形に形成されている。
【0089】物置棚本体側には、モータ24が取り付け
られている。モータ24は可逆転モータであり、モータ
24が正転しまた逆転することによってシャフト24a
が上下方向に進出するようになっていて、通常は上方に
進出している。隣接棚接近阻止部材7が物置棚本体の間
口面と平行に立ち上がった退避態位にあるとき、上記係
合部材26の鈎形の先端部が上記シャフト24aに係合
し、隣接棚接近阻止部材7が退避態位に保持されるよう
になっている。この実施の形態においては、上記係合部
材26とモータ24のシャフト24aからなる保持手段
による保持が解除されると、隣接棚接近阻止部材7は自
然体となって突出態位に変位するようになっている。
【0090】上記モータ24は、感震装置が作動すると
シャフト24aが引っ込む向きに回転制御される。図1
4に示すように、モータ24のシャフト24aの突出量
を検知するセンサAとセンサBが取り付けられている。
センサAとセンサBは一種のリミットスイッチとして機
能するもので、図14(a)に示すように、シャフト2
4aが所定量突出したときセンサAが検知してモータ2
4を停止させ、図14(b)に示すように、シャフト2
4aが所定位置まで後退したとはセンサBが検知してモ
ータ24を停止させるようになっている。
【0091】図12に示すように、係合部材26とシャ
フト24aとが係合している状態、すなわち、隣接棚接
近阻止部材7が退避した態位でこれを係止している状態
で、前述のように感震装置が作動すると、図14(b)
に示すようにモータ24のシャフト24aは引っ込み、
上記係止が解除され、隣接棚接近阻止部材7は自然に倒
れて作業通路に突出する。モータ24は一定時間経過後
逆転してシャフト24aを図14(a)に示す突出態位
にする。地震がおさまって、作業通路に突出した隣接棚
接近阻止部材7を手動的に退避した態位にすると、係合
部材26の先端の湾曲部がシャフト24aの上端に当た
ることによって係合部材26を付勢力に抗し回転させな
がら係合部材26の鈎形の先端部がシャフト24aを乗
り越え、この係合部材26の鈎形の先端部とシャフト2
4aとが係合する。こうして、隣接棚接近阻止部材7は
退避態位に係止される。隣接棚接近阻止部材7を任意に
突出態位にしようとするときは、係合部材26を手動に
より付勢力に抗し回転させて上記シャフト24aとの係
合を外せばよい。
【0092】図12、図13に示す係合部材26は、回
転自在にブラケット25に取り付けられているが、係合
部材26を弾性体で成形すれば、係合部材26をブラケ
ット25に固定することもできる。この場合は、係合部
材26を撓ませながらシャフト24aと係合させること
ができる。また、図2に示す隣接棚接近阻止部材7の支
軸12を支持しているブラケット13の軸孔を上下方向
に長い長孔に形成して、この長孔の範囲内で隣接棚接近
阻止部材7の支軸12を上下方向にスライドできるよう
にしておけば、係合部材26を弾性体で成形しなくて
も、隣接棚接近阻止部材7をスライドさせながらその係
合部材26をシャフト24aと係合させることができ
る。
【0093】次に、隣接棚接近阻止部材を退避態位に保
持する保持手段のアクチュエータとして、上記モータ2
4に代えてソレノイドを用いた例について説明する。図
15(a)(b)に示す例は、隣接棚接近阻止部材7が
図12、図13に示す例と同様の係合部材26を有し、
ソレノイド40のプランジャ40aが係合部材26と係
合するようにしたものである。図15(a)に示す例
は、プランジャ40aが係合部材26から離間する向き
にばね41で付勢し、ソレノイド40を励磁することに
よってプランジャ40aをソレノイド40から上方に進
出させて係合部材26を係止するものである。感震装置
からの感震信号によってソレノイド40の励磁を停止し
て隣接棚接近阻止部材7の保持を解除し、隣接棚接近阻
止部材7を突出態位にするようになっている。図15
(b)に示す例は、プランジャ40aが係合部材26に
係合する向きにばね41で付勢し、ソレノイド40が非
励磁のときプランジャ40aを上記付勢力でソレノイド
40から上方に進出させて係合部材26を係止するもの
である。感震装置からの感震信号によってソレノイド4
0を励磁して隣接棚接近阻止部材7の保持を解除し、隣
接棚接近阻止部材7を突出態位にするようになってい
る。
【0094】隣接棚接近阻止部材を退避態位に保持する
保持手段は、以上説明したもののほかに、スプリングキ
ャッチ、マジックテープ(商品名)、ファスナ、吸盤、
その他、隣接棚接近阻止部材7を退避した状態に保持す
ることができるものであれば何でもよい。また、隣接棚
接近阻止部材7を単に支柱11(図2参照)側に立て掛
けておくようにすれば、立て掛けておくこと自体が隣接
棚接近阻止部材7を退避した状態に保持する保持手段を
構成したのと実質同一となり、保持手段を別部材として
設ける必要がなく、機構を簡単にすることができる。
【0095】図16は、保持手段の別の例を示す。図1
6において、隣接棚接近阻止部材7は、各物置棚の間口
面、すなわち物品の出し入れ面に取り付けられている。
隣接棚接近阻止部材7は、隣接する物置棚間に形成され
る作業通路に突出した態位と退避した態位との間で変位
可能であり、かつ自然体で突出態位に変位するものであ
る。隣接棚接近阻止部材7は、物置棚の支柱51の一つ
に設けられている。隣接棚接近阻止部材7は、基端部に
挿通された支軸52を有し、この支軸52がチャンネル
形状のブラケット53によって回転自在に支持されてい
る。隣接棚接近阻止部材7の長さは、隣接する物置棚間
で作業者が狭圧されない程度の通路幅が設定できる長さ
に設定されている。
【0096】隣接棚接近阻止部材7の先端近くには、隣
接棚接近阻止部材7の起立状態において支柱51と対向
する面に断面L字状の係止部材54が取り付けられてい
る。この係止部材54は、図に示すように、支柱51に
取り付けられた保持手段としてのソレノイド55のプラ
ンジャ55Aに係止されている。また、支柱51には、
退避状態の隣接棚接近阻止部材7と対向するように付勢
部材56が取り付けられている。この付勢部材56は、
隣接棚接近阻止部材7を退避した態位から作業通路に突
出した態位に向かって押すように付勢している。付勢部
材56が隣接棚接近阻止部材7を押すことができる範囲
は限られているが、付勢部材56による付勢範囲をすぎ
たあとは、隣接棚接近阻止部材7は自重で、すなわち自
然体で突出態位に変位することができるようになってい
る。
【0097】保持手段としてのソレノイド55は、隣接
棚接近阻止部材7を退避態位に保持するものであり、上
記駆動手段と同様に、ロック手段や感震装置などと電気
的に接続されている。ソレノイド55は、ロック手段か
らのロック信号および感震装置からの感震信号が共に送
信されているときに励磁され、ソレノイド本体から突出
しているプランジャ55Aをソレノイド本体内に退避さ
せる。このソレノイド55の作動によって、プランジャ
55Aと係止部材54との係止が解除され、隣接棚接近
阻止部材7は、上記付勢部材56の付勢力によって作業
通路に突出した態位に自然体で変位する。
【0098】ロック手段が物置棚を移動不能に一旦ロッ
クすれば、その後ロック手段によってロックが解除され
たとしても、保持手段としてのソレノイド55にロック
信号が送信されるようになっている。つまり、ロック手
段が物置棚を移動不能に一旦ロックすれば、その後ロッ
ク手段によるロックが解除されたとしても、ロック信号
は維持されるようになっている。このロック信号の維持
に関しては既に説明したとおりである。
【0099】ロック手段が物置棚を移動不能に一旦ロッ
クした状態になると、ロック信号がソレノイド55に送
信される。この状態で地震が発生し、感震装置が予め設
定された震度以上の地震を検知すると、感震装置はソレ
ノイド55に感震信号を送信する。ソレノイド55は感
震信号を送信された時点から励磁され、ソレノイド本体
から突出しているプランジャ55Aをソレノイド本体内
に退避させる。この退避動作最中に何らかの要因でロッ
クが解除されると、本来のロック信号はソレノイド55
に送信されないが、前述のように、ロック信号はタイマ
ー等によって維持されているため、この間の感震信号に
よってソレノイド55は励磁され、プランジャ55Aを
ソレノイド本体内に確実に退避させることができる。こ
れによってプランジャ55Aと係止部材54との係止が
解除され、隣接棚接近阻止部材7を上記付勢部材56の
付勢力によって作業通路に突出した態位に自然体で変位
させることができる。既に説明したとおり、上記ロック
手段は制動手段に代えてもよい。
【0100】上記付勢部材56として、例えば、板ば
ね、コイルばね等の弾性体を用いることができる。ま
た、隣接棚接近阻止部材7の回転軸の部分にコイルバネ
を設けて隣接棚接近阻止部材7を回転付勢してもよい。
また、隣接棚接近阻止部材7が突出方向側に傾いた退避
態位で保持手段によりに保持するようにしておけば、隣
接棚接近阻止部材7は、自身の重力で突出態位に変位す
ることができるため、付勢部材を設けなくても上記目的
を達成することができる。
【0101】また、上記付勢部材56に代えて駆動手段
を設けることもできる。図17にその一例を示す。図1
7に示す例では、駆動手段としてソレノイド60を用い
ている。このソレノイド60は、励磁時にプランジャ6
0Aがソレノイド本体から突出するプッシュ形式になっ
ている。ソレノイド55などからなる保持手段は、前記
条件を満たしたら、隣接棚接近阻止部材7の保持を解除
するようになっているが、駆動手段としてのソレノイド
60は、隣接棚接近阻止部材7の保持を解除する保持手
段の動作と同時にプランジャ60Aをソレノイド本体か
ら突出させる。また、保持手段が隣接棚接近阻止部材7
の保持を解除したことを適宜の検知手段によって検知し
た後に、プランジャ60Aをソレノイド本体から突出さ
せるようにしてもよい。あるいは、保持手段が隣接棚接
近阻止部材7の保持を解除した後、タイマー、シーケン
サ、あるいはロジック回路等により時間差を設けてプラ
ンジャ60Aをソレノイド本体から突出させるようにし
てもよい。
【0102】感震装置からの感震信号によって隣接棚接
近阻止部材を作業通路に突出させるのは、作業通路内の
作業者を保護するためであるから、作業通路内に作業者
がいない場合は、感震信号が出力されても隣接棚接近阻
止部材を突出させる必要はない。そこで、形成された作
業通路に人が進入するとこれを検知する通路進入センサ
を設け、感震装置が作動したときに、上記通路進入セン
サが検知動作した上記作業通路に面する物置棚の少なく
とも片方の物置棚の駆動手段を動作させて、隣接棚接近
阻止部材を作業通路に突出させるようにするとよい。こ
うしておけば、作業通路内に作業者がいない場合は、感
震信号が出力されても隣接棚接近阻止部材は突出しない
から、無駄な隣接棚接近阻止部材の動作を回避すること
ができる。
【0103】上記通路進入センサとしては、形成するこ
とができる作業通路の床に敷設したフットスイッチなど
の機械的な検出スイッチ、作業通路を横切って光ビーム
を出射する発光部とこの光ビームを受光する受光部など
からなる光センサ、人体の熱を感知する赤外線センサ、
CCD等の撮像素子を用い、対象物が移動したことを検
知することによって人が通路に進入していることを検知
するようにしたセンサ、その他適宜のセンサを用いるこ
とができる。
【0104】通路進入センサは、形成可能な作業通路ご
とに設けてもよい。例えば、図18に示すように、複数
の移動物置棚71、72、73、74を有してなる移動
物置棚装置において、相隣接する物置棚相互間に相対向
させて発光素子81と受光素子82を設け、物置棚間に
作業通路を形成したとき、この作業通路を挟んで対向す
る一方の物置棚の発光素子81からこれと対向する物置
棚の受光素子82に向かって光ビームを出射させる。こ
の光ビームを作業者が横切ると受光素子の出力が変化す
るので、これによって作業通路に作業者が進入したこと
を検知することができる。上記発光素子81と受光素子
82は、物置棚相互間に形成される作業通路への入口近
くに設けられ、作業者が作業通路に入るときはもちろん
作業通路から出る場合も光ビームが遮られて検出信号が
出力される。そこで、物置棚の側面に解除スイッチを設
けておき、作業者が作業通路に入ることによって出力さ
れた検出信号を有効な通路進入信号として用い、作業者
が作業通路から出たら、上記解除スイッチを操作して上
記通路進入信号の出力を停止させるようにするとよい。
そして、感震装置が作動したときに、上記通路進入信号
が出力されている上記作業通路に面する物置棚の少なく
とも片方の物置棚から隣接棚接近素子部材を突出させる
ようにする。電動式移動棚の場合は、上記発光素子81
と受光素子82からなる通路進入センサから検出信号が
出力されている間インターロックをかけ、このインター
ロックがかかっている間に感震装置が動作したとき、隣
接棚接近阻止部材7を作業通路に突出させるようにして
もよい。
【0105】上記発光素子81と受光素子82は、相対
向する物置棚の間口に一定の間隔で複数個設置し、受光
素子82の一つでも光ビームの入射が遮られると作業者
が通路に進入したものと判断するようにしてもよい。こ
の場合、人間が片足でも作業通路に踏み込めばこれを検
出することができるように、上記発光素子81と受光素
子82の間隔は比較的狭い間隔とする。そして、発光素
子81と受光素子82の一対でも検出信号を出力してい
る間は通路に作業者等が入っているものと判断し、その
間に感震装置が作動すると、その作業通路に隣接棚接近
素子部材を突出させる。発光素子81と受光素子82の
全ての対から検出信号が出力されなくなったら、通路に
作業者等がいないものと判断する。上記のように通路に
作業者等が入っているものと判断している間はインター
ロックをかけ、このインターロックがかかっている間に
感震装置が動作したとき、隣接棚接近阻止部材7を作業
通路に突出させるようにしてもよい。
【0106】作業通路の出入り口に発光素子81と受光
素子82を設置する場合、対をなす発光素子81と受光
素子82を2対、作業通路への出入り方向に並べて設置
し、外側の受光素子への光ビームが遮られた後内側の受
光素子への光ビームが遮られたとき、作業者が通路に進
入したものと判断し、内側の受光素子への光ビームが遮
られた後外側の受光素子への光ビームが遮られたとき、
作業者が通路から出たものと判断するようにしてもよ
い。そして、通路に進入したものと判断するごとに一つ
アップカウントし、通路から出たものと判断するごとに
ダウンカウントし、カウントの結果が1以上の場合に感
震装置が動作したとき、隣接棚接近阻止部材7を作業通
路に突出させるようにしてもよい。
【0107】通路進入センサは複数の物置棚にまたがっ
て設置し、各物置棚間には物置棚の移行余裕の有無を検
知するリミットスイッチを設け、感震装置が作動したと
き、通路進入センサが検知動作しており、かつ、上記リ
ミットスイッチが移行余裕ありと検知している作業通路
の隣接棚接近阻止部材を作業通路に突出させるようにし
てもよい。例えば図19に示すように、複数の移動物置
棚71、72、73、74を有してなる移動物置棚装置
の上記複数の移動物置棚71、72、73、74の側方
を光ビームが通るように発光素子81を設置するととも
に、上記複数の移動物置棚71、72、73、74の側
方を通った光ビームを受光する受光素子82を設置す
る。物置棚相互間に形成される作業通路の何れかに作業
者が進入したとき、上記光ビームが遮られて受光素子8
2の出力が変化するため、作業通路に作業者が進入した
ものと判断することができる。また、この場合も、対を
なす発光素子81と受光素子82を2対、作業通路への
出入り方向に並べて設置し、外側の受光素子への光ビー
ムが遮られた後内側の受光素子への光ビームが遮られた
とき、作業者が通路に進入したものと判断するようにし
てもよい。
【0108】発光素子81と受光素子82からなり、か
つ、複数の物置棚にまたがって設置される通路進入セン
サは、これを複数対物置棚の間口幅方向に比較的狭い一
定の間隔で設置し、光りビームが各物置棚の台枠と設置
床との空間を通るようにし、一対の発光素子81と受光
素子82でも光ビームが遮断されると、物置棚相互間に
形成される作業通路の何れかに作業者が進入したものと
判断するようにする。そして、作業者が進入したものと
判断されているときに感震装置が動作した場合は、次に
説明するリミットスイッチLSL,LSRが移行余裕あ
りと検知している作業通路に面する隣接棚接近阻止部材
7を作業通路に突出させるようにする。
【0109】図19に示す例では、各物置棚71、7
2、73、74は図19において左側の間口面側に物置
棚の左側への移行余裕の有無を検知するリミットスイッ
チLSLを有し、右側の間口面側に物置棚の右側への移
行余裕の有無を検知するリミットスイッチLSRとを有
している。そして、感震装置が作動したとき、発光素子
81と受光素子82からなる通路進入センサが作業通路
に作業者が進入したことを検知しており、かつ、リミッ
トスイッチLSL,LSRが移行余裕ありと検知してい
る作業通路に面する隣接棚接近阻止部材7を作業通路に
突出させるようになっている。
【0110】発光素子81と受光素子82からなる通路
進入センサは、必ずしも物置棚の間口面に対し直角に光
ビームを出射しこれを受光するものである必要はなく、
間口面に対し斜めに光ビームを出射しこれを受光するも
のであってもよい。また、発光素子81から出射した光
ビームをミラーで反射したのち受光素子82で受光する
ようにしてもよい。電動式移動棚にあっては、何れの光
センサ方式にせよ、作業者が通路に進入しているものと
判断している間はインターロックをかけ、全ての作業者
が通路から退避したと判断されるとインターロックを解
除するようにしてもよい。また、一旦インターロックが
かかると、別の解除スイッチを操作することにより初め
てインターロックが解除されるようにしてもよい。手動
式の移動棚にあっては、作業者が通路に進入しているも
のと判断している間は物置棚を移動不能にロックし、一
旦ロックしたあとは、別の解除スイッチを操作すること
により初めてロックが解除されるようにしてもよい。
【0111】図18、図19に示す実施の形態におい
て、隣接棚接近阻止部材7を作業通路に突出させる手段
は、図2、図9、図10に示すような駆動手段を用いて
もよい。また、駆動手段に代えて図11、図12、図1
3、図16、図17に示すような保持手段を設け、隣接
棚接近阻止部材7は自然体で突出態位に変位するように
してもよい。図18、図19に示す実施の形態のような
通路進入センサを有する移動物置棚は、手動式であって
もよいし電動式であってもよい。
【0112】図18、図19に示す実施の形態によれ
ば、感震装置が作動したとき、作業者がいる作業通路に
面する物置棚の隣接棚接近阻止部材7のみが突出態様を
とることになり、隣接棚接近阻止部材7の無駄な突出動
作が回避される。また、必要な個所の隣接棚接近阻止部
材7のみが突出態位をとるため、隣接棚接近阻止部材7
の介在のもとに各物置棚相互間で突っ張り合うこともな
くなり、移動物置棚の免震効果が減殺されることもな
い。
【0113】どこかに作業通路が形成されている場合で
あっても、作業通路内に人がいないときは、地震が発生
したとしても、作業通路に面する物置棚の隣接棚接近阻
止部材を突出させない方が、免震機能を十分に発揮させ
るためには望ましい。隣接棚接近阻止部材を突出させる
ということは、地震時に移動物置棚が動くことができる
範囲が上記隣接棚接近阻止部材の長さ分だけ制限される
とともに、突出した隣接棚接近阻止部材が隣接する棚に
当接して突っ張り合い、免震機能が低下するからであ
る。そこで、仮に移動棚装置のメインスイッチがオンに
なっていたとしても、作業通路に作業者がいないものと
考えられる場合は、地震が発生しても、作業通路に面す
る物置棚の隣接棚接近阻止部材を突出させないようにす
るとよい。作業通路に作業者がいないものと考えられる
場合とは、移動棚装置が設置されている室内の照明灯、
移動棚装置照明用の照明灯、あるいは物置棚間に形成さ
れる作業通路ごとの照明灯が点灯していない場合、また
は、移動棚装置が設置されている室の空調装置が停止し
ている場合などである。そこで、移動棚装置が設置され
ている室内の照明灯、移動棚装置照明用の照明灯、ある
いは物置棚間に形成される作業通路ごとの照明灯の点灯
スイッチがオフの場合、あるいは空調装置のスイッチが
オフの場合は、たとえ移動棚装置のメインスイッチがオ
ンであったとしても、前記駆動手段または保持手段が動
作しないようにして、地震発生時に隣接棚接近阻止部材
が突出動作しないようにするとよい。
【0114】また、上記照明灯との関連で、隣接棚接近
阻止部材の突出動作を次のように行わせるようにしても
よい。すなわち、各物置棚間に形成される作業通路ごと
に、これらの通路を照明する照明灯を設け、形成される
べき作業通路ごとの上記照明灯を選択的に点灯させるた
めのスイッチ手段を設け、感震装置が作動したとき、上
記スイッチ手段の選択操作によって照明されている作業
通路に面する物置棚の前記駆動手段が、上記隣接棚接近
阻止部材を上記作業通路に突出させるようにする。ある
いは、上記駆動手段に代わる保持手段を設けた場合は、
感震装置が作動したとき、上記スイッチ手段の選択操作
によって照明されている作業通路に面する物置棚の上記
保持手段が隣接棚接近阻止部材の保持を解除して隣接棚
接近阻止部材を上記作業通路に突出させるようにする。
このように、地震時に照明灯との関連で隣接棚接近阻止
部材を突出動作させるようにした例を図20〜図22に
示す。
【0115】図20に示す例は、各移動物置棚2、3、
4の天井部から斜め前上方に突き出たアーム89によっ
て例えば蛍光灯からなる照明灯84を保持し、各移動物
置棚2、3、4にはそれぞれの照明灯84を点灯しまた
消灯するスイッチ手段86を設けたものである。一つの
物置棚の照明灯84は、その物置棚とこれに隣接する物
置棚との間に形成される作業通路を照明する。図20の
例では、物置棚2の照明灯84は、物置棚2と物置棚3
との間に形成される作業通路を照明するようになってい
る。そこで、ある作業通路を照明する照明灯84が点灯
しているということは、その作業通路に人が入って作業
をしている蓋然性が高いので、感震装置が作動したとき
に、上記スイッチ手段86の選択操作によって照明され
ている作業通路に面する物置棚の駆動手段または保持手
段を作動させて、形成されている作業通路に面する物置
棚の少なくとも片方の物置棚の隣接棚接近阻止部材7を
作業通路に突出させる。感震装置が作動したとしても、
そのとき照明灯84の何れもが点灯していなければ、隣
接棚接近阻止部材7の突出条件が成立しないため、何れ
の隣接棚接近阻止部材7も退避したままであり、前述の
ように、移動棚装置自体が有する免震機能が十分に発揮
されることになる。
【0116】図21、図22に示す例は、相隣接する物
置棚間に形成される作業通路は、相隣接する物置棚双方
に設けられた照明灯84によって照明されるようにした
ものである。各移動物置棚2、3、4の天井部の前後か
らは斜め上方にアーム89が突き出ていて、この各アー
ム89によって照明灯84が保持され、各移動物置棚
2、3、4にはそれぞれの物置棚とこれに隣接する物置
棚との間に形成される作業通路を照明する照明灯84を
点灯しまた消灯するスイッチ手段86が設けられてい
る。ちなみに、図21、図22に示す例では、相隣接す
る物置棚の照明灯84が互いに干渉し合うことがないよ
うに、一方の物置棚の照明灯84と他方の物置棚の照明
灯84とが平面的に見て互い違いに配置されている。形
成された作業通路に面する物置棚のうち片方の物置棚の
スイッチ手段86を操作することによって上記作業通路
を照明する照明灯84が点灯するようにしてもよいし、
作業通路に面する双方の物置棚のスイッチ手段86を操
作することによって上記作業通路を照明する照明灯84
が点灯するようにしてもよい。さらに、所定の幅以上の
作業通路が形成されている場合に、その作業通路に対応
するスイッチ手段が操作されて初めてその作業通路を照
明する照明灯84が点灯するようにするとなおよい。
【0117】各作業通路を照明するためのスイッチ手段
は、図21に示すように物置棚以外の場所、例えば移動
物置棚装置が設置されている部屋の壁面などに集中操作
スイッチ手段87として設けても差し支えない。集中操
作スイッチ手段87は、形成される作業通路ごとに対応
する複数のスイッチ手段を有し、このスイッチ手段の選
択操作によってそれに対応した作業通路の照明灯84が
点灯するようにする。この場合も、上記作業通路の幅が
所定の幅以上であることを前提として照明灯84が点灯
するようにすることが望ましい。物置棚相互間に形成さ
れる作業通路の位置はほぼ定まっているので、図21に
示すように、移動棚装置が設置される室内の天井など
に、形成される各作業通路の上方に照明灯85を固定し
て設置してもよい。照明灯85の点灯は、上に述べたよ
うに物置棚に設けられているスイッチ手段86によって
行うようにしてもよいし、集中操作スイッチ手段87に
よって行うようにしてもよい。また、各照明灯85の点
灯条件も、上に述べた条件と同じであってもよい。
【0118】ところで、作業通路照明灯の点灯を、ロッ
ク装置の動作に連動させたり、電動式移動棚の場合は開
指令スイッチの操作に連動させたりしたものがある。こ
の場合も、感震装置が作動したときに、照明灯の点灯に
連動させてその照明灯が点灯している作業通路に面する
物置棚の駆動手段または保持手段を作動させてその物置
棚から隣接棚接近阻止部材7を作業通路に突出させるよ
うにするとよい。この例では、地震時の隣接棚接近阻止
部材7の動作条件が照明灯の点灯によるとはいえ、照明
灯の点灯はロック装置の動作または開指令スイッチの操
作によるものであるから、結局、既に説明したとおり、
地震発生時に、物置棚のロック手段がロックされている
ことを条件として隣接棚接近阻止部材7が動作するも
の、または、開指令スイッチが操作されされていること
を条件として隣接棚接近阻止部材7が動作するものと同
一に帰することになる。同様に、形成された作業通路に
人が進入するとこれを検知する通路進入センサを有する
ものにおいても、この通路進入センサの検知動作に連動
させてその作業通路を照明する照明灯を点灯させるよう
にしてもよい。
【0119】なお、図20〜図22に示す例では、各移
動物置棚2、3、4の移動方式が、各物置棚2、3、4
の側面に設けられた回転操作ハンドル88の回転操作力
を図示されない減速動力伝達機構を介して走行車輪に伝
達することにより各物置棚を走行させるようにしたハン
ドル回転式になっているが、電動式移動棚であってもよ
いし、各物置棚2、3、4を直接手動で押しまたは引い
て動かす方式であってもよい。
【0120】本発明の目的を達成するためには、形成さ
れるべき作業通路ごとに選択操作することができる選択
操作手段を設け、感震装置が作動したときに、上記選択
操作手段によって選択されている作業通路に面する物置
棚の駆動手段または保持手段が、隣接棚接近阻止部材を
上記作業通路に突出させるようにしたものであってもよ
い。上記選択操作手段は隣接棚接近阻止部材を動作させ
るための専用の操作手段というべきもので、前記ロック
スイッチや開指令スイッチから独立した操作手段であ
る。上記選択操作手段による選択操作の解除は、その選
択操作手段の手動的な復帰操作によって行われるように
してもよいし、また、他のスイッチ、例えばロックスイ
ッチ、開指令スイッチのオフや、通路進入センサのオフ
などに連動して行われるようにしてもよい。
【0121】本発明を適用可能な移動棚の駆動形式乃至
は移動形式は任意である。移動棚の形態も任意であり、
例えば、複数段の棚板を有するものであってもよいし、
台枠のみからなるフラットな形態の移動棚であってもよ
い。また、移動棚の操作は有線または無線の遠隔操作で
あってもよい。その場合、開指令スイッチ、ロックスイ
ッチ、その他それぞれの物置棚に設けられるスイッチ手
段と全く同様のスイッチ手段を遠隔操作装置が有してい
てもよいし、キーボード等が付属したコンピュータ操作
であってもよい。
【0122】感震装置の動作によって突出することがで
きる隣接棚接近阻止部材は、全ての物置棚の隣接棚接近
阻止部材である必要はない。例えば、複数の物置棚から
なる移動棚装置では、一部の物置棚に滅多に出し入れす
ることがない書類や物品を収納し、他の物置棚に比較的
頻繁に出し入れする書類や物品を収納することがある。
滅多に出し入れすることがない書類や物品が収納された
物置棚は滅多に移動されることもなく、その全面に作業
通路が形成されることも滅多にないから、そのような使
われ方をする移動棚装置では、滅多に移動されることの
ない物置棚には、あえて隣接棚接近阻止部材を設ける必
要はなく、仮に隣接棚接近阻止部材を設けたとしても、
感震装置の動作によって隣接棚接近阻止部材を突出させ
るようにする必要はない。もちろん、コスト上の問題が
なければ、全ての物置棚に隣接棚接近阻止部材を設け、
かつ、感震装置の動作によって、そのとき形成されてい
る通路に面する物置棚の隣接棚接近阻止部材が突出する
ようにするのが望ましいことはいうまでもない。
【0123】
【発明の効果】請求項1ないし9記載の発明によれば、
感震装置が作動したとき、形成された作業通路に面する
物置棚の少なくとも片方の物置棚のロック手段または制
動手段がロックまたは制動されていると、上記形成され
ている作業通路に面する物置棚の上記駆動手段が、上記
隣接棚接近阻止部材を上記作業通路に突出させるように
なっているため、ロック手段または制動手段がロックま
たは制動されて作業者がいる蓋然性が高い作業通路に面
する物置棚の隣接棚接近阻止部材のみが突出態様をとる
ことになり、隣接棚接近阻止部材の無駄な突出動作が回
避される。また、感震装置が作動したとき全ての隣接棚
接近阻止部材が突出態位をとるものとすれば、物置棚相
互が隣接棚接近阻止部材によって突っ張り合い、移動物
置棚がもともと有している免震効果が減殺されて物置棚
が倒れやすくなったり、収納物品が転落しやすくなった
りするが、本発明によれば、必要な個所の隣接棚接近阻
止部材のみが突出態位をとるため、移動物置棚の免震効
果が減殺されることはない。
【0124】請求項10記載の発明によれば、駆動源か
ら走行車輪に至る動力伝達系を連結しまた切断するクラ
ッチを物置棚に設け、このクラッチは、感震装置が作動
したときに切断するようにした構成を付加したため、地
震が発生するとクラッチが切断されて走行車輪にかかる
抵抗が軽減され、移動物置棚がもともと有する免震効果
をより一層高めることができる。請求項11ないし13
記載の発明によれば、ロック手段または制動手段は地震
によってロックまたは制動が解除されるようにしたた
め、移動物置棚がもともと有する免震効果を活かすこと
ができる。
【0125】請求項14ないし16記載の発明によれ
ば、ロック手段または制動手段が物置棚を一旦ロックま
たは制動すると、このロックまたは制動が解除されたと
しても、感震装置が作動することによって、形成されて
いる作業通路に面する物置棚の隣接棚接近阻止部材が作
業通路に突出するようにしたため、隣接棚接近阻止部材
が作業通路に突出する前にロックまたは制動が解除され
たとしても、隣接棚接近阻止部材が作業通路に突出する
条件が維持され、隣接棚接近阻止部材を作業通路に確実
に突出させることができる。
【0126】請求項17ないし25記載の発明によれ
ば、電動式の移動物置棚において、感震装置が作動した
ときに、開指令スイッチが操作されることにより形成さ
れている作業通路に面する物置棚の隣接棚接近阻止部材
を作業通路に突出させるようにしたため、作業者がいる
蓋然性が高い作業通路に面する物置棚の隣接棚接近阻止
部材のみが突出態様をとることになり、隣接棚接近阻止
部材の無駄な突出動作が回避される。また、必要な個所
の隣接棚接近阻止部材のみが突出態位をとるため、移動
物置棚の免震効果が減殺されることはない。
【0127】請求項26ないし29記載の発明によれ
ば、形成された作業通路に人が進入するとこれを検知す
る通路進入センサを設け、感震装置が作動したときに、
上記通路進入センサが検知動作した作業通路に面する物
置棚の少なくとも片方の物置棚の隣接棚接近阻止部材を
上記作業通路に突出させるようにしたため、作業者がい
る作業通路に面する物置棚の隣接棚接近阻止部材のみが
突出態様をとることになり、隣接棚接近阻止部材の無駄
な突出動作が回避される。また、必要な個所の隣接棚接
近阻止部材のみが突出態位をとるため、移動物置棚の免
震効果が減殺されることもない。
【0128】請求項30、31記載の発明によれば、形
成されるべき作業通路ごとの照明灯を選択的に点灯させ
るためのスイッチ手段を設け、感震装置が作動したとき
に、上記スイッチ手段の選択操作によって照明されてい
る作業通路に面する物置棚の隣接棚接近阻止部材を上記
作業通路に突出させるようにしたため、地震発生時に、
照明されていることによって、作業者がいる蓋然性が高
い作業通路に面する物置棚の隣接棚接近阻止部材のみが
突出態様をとることになり、請求項1〜9記載の発明と
同様の効果を得ることができる。
【0129】請求項32、33記載の発明によれば、形
成されるべき作業通路を選択することができる選択操作
手段を設け、感震装置が作動したときに、上記選択走査
手段の選択操作によって照明されている作業通路に面す
る物置棚の隣接棚接近阻止部材を上記作業通路に突出さ
せるようにしたため、地震発生時に、選択されることに
よって、作業者がいる蓋然性が高い作業通路に面する物
置棚の隣接棚接近阻止部材のみが突出態様をとることに
なり、請求項1〜9記載の発明と同様の効果を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる移動物置棚の実施の形態を示す
側面図である。
【図2】本発明に適用可能な隣接棚接近阻止部材用の駆
動手段の例を示す一部断面側面図である。
【図3】上記実施の形態における地震時の隣接棚接近阻
止部材の動作例を示すタイミングチャートである。
【図4】上記実施の形態におけるロック手段と隣接棚接
近阻止部材の動作を示すフローチャートである。
【図5】移動物置棚が手動式で機械的なロック手段を有
するものの動作を示すタイミングチャートである。
【図6】移動物置棚が手動式でアクチュエータによるロ
ック手段を有するものの動作を示すタイミングチャート
である。
【図7】移動物置棚が電動式の場合のロック手段と隣接
棚接近阻止部材の動作を示すフローチャートである。
【図8】移動物置棚が電動式の場合の動作を示すタイミ
ングチャートである。
【図9】本発明に適用可能な隣接棚接近阻止部材の別の
例を示す側面図である。
【図10】本発明に適用可能な隣接棚接近阻止部材のさ
らに別の例を示す側面図である。
【図11】本発明に適用可能な隣接棚接近阻止部材用保
持手段の例を示す側面図である。
【図12】本発明に適用可能な隣接棚接近阻止部材用保
持手段の別の例を示す側面図である。
【図13】同上隣接棚接近阻止部材用保持手段の正面断
面図である。
【図14】同上隣接棚接近阻止部材用保持手段のモータ
部分を示す側面図である。
【図15】本発明に適用可能な隣接棚接近阻止部材用保
持手段のさらに別の例を示す側面図である。
【図16】本発明に適用可能な隣接棚接近阻止部材のさ
らに別の例を示す側面図である。
【図17】本発明に適用可能な隣接棚接近阻止部材のさ
らに別の例を示す側面図である。
【図18】本発明にかかる移動物置棚の別の実施の形態
を示す側面図である。
【図19】本発明にかかる移動物置棚のさらに別の実施
の形態を示す側面図である。
【図20】本発明にかかる移動物置棚のさらに別の実施
の形態を示す側面図である。
【図21】本発明にかかる移動物置棚のさらに別の実施
の形態を示す側面図である。
【図22】同上実施の形態の平面図である。
【符号の説明】
2 物置棚 3 物置棚 4 物置棚 5 レール 7 隣接棚接近阻止部材 16 駆動手段としてのソレノイド 21 保持手段としての永久磁石 22 保持手段としての電磁石 24 保持手段としてのソレノイド 26 保持手段としての係合部材 40 保持手段としてのソレノイド 55 保持手段としてのソレノイド 60 駆動手段としてのソレノイド 71 物置棚 72 物置棚 73 物置棚 84 照明灯

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レールに沿って複数の物置棚を移動可能
    に置き並べた移動物置棚において、 上記物置棚に取り付けられ、隣接する物置棚間に形成さ
    れる作業通路に突出した態位と退避した態位との間で変
    位可能な隣接棚接近阻止部材と、 上記隣接棚接近阻止部材を変位させる駆動手段と、 物置棚を移動不能にロックするロック手段と、 地震を感知する感震装置とを有し、 形成された上記作業通路に面する物置棚の少なくとも片
    方の物置棚のロック手段がロックされており、かつ、上
    記感震装置が作動したときに、上記形成されている作業
    通路に面する物置棚の上記駆動手段が、上記隣接棚接近
    阻止部材を上記作業通路に突出させることを特徴とする
    移動物置棚。
  2. 【請求項2】 レールに沿って複数の物置棚を移動可能
    に置き並べた移動物置棚において、 上記物置棚に取り付けられ、隣接する物置棚間に形成さ
    れる作業通路に突出した態位と退避した態位との間で変
    位可能な隣接棚接近阻止部材と、 隣接棚接近阻止部材を退避態位に保持する保持手段と、 物置棚を移動不能にロックするロック手段と、 地震を感知する感震装置とを有し、 上記隣接棚接近阻止部材は自然体で突出態位に変位する
    ものであり、形成された作業通路に面する物置棚の少な
    くとも片方の物置棚のロック手段がロックされており、
    かつ、感震装置が作動したときに、上記形成されている
    作業通路に面する物置棚の上記保持手段が隣接棚接近阻
    止部材の保持を解除して隣接棚接近阻止部材を上記作業
    通路に突出させることを特徴とする移動物置棚。
  3. 【請求項3】 ロック手段に代わり、物置棚に制動力を
    与える制動手段を有する請求項1または2記載の移動物
    置棚。
  4. 【請求項4】 保持手段は、通常は上記隣接棚接近阻止
    部材を退避した態位で係止し、上記感震装置の作動によ
    って上記係止を解除するアクチュエータを有してなる請
    求項2記載の移動物置棚。
  5. 【請求項5】 上記保持手段は、磁力で上記隣接棚接近
    阻止部材を退避した態位で吸引する永久磁石と、上記感
    震装置の作動によって上記磁力に対し反発する向きの磁
    力を発生させる電磁石とを有してなることを特徴とする
    請求項2記載の移動物置棚。
  6. 【請求項6】 ロック手段または制動手段は、アクチュ
    エータにより作動して物置棚を移動不能にロックしまた
    は制動力を与える請求項1、2または3記載の移動物置
    棚。
  7. 【請求項7】 ロック手段または制動手段は、手動操作
    により物置棚を移動不能にロックしまたは制動力を与え
    る請求項1、2または3記載の移動物置棚。
  8. 【請求項8】 ロック手段または制動手段のアクチュエ
    ータを作動させて物置棚を移動不能にロックしまたは制
    動力を与えるロックスイッチまたは制動スイッチを有し
    てなる請求項6記載の移動物置棚。
  9. 【請求項9】 形成された作業通路に面する物置棚の少
    なくとも片方の物置棚のロック手段または制動手段が物
    置棚をロックまたは制動しており、かつ、感震装置が作
    動したときに、上記形成されている作業通路に面する少
    なくとも片方の物置棚の隣接棚接近阻止部材が上記作業
    通路に突出することを特徴とする請求項1、2または3
    記載の移動物置棚。
  10. 【請求項10】 駆動源から走行車輪に至る動力伝達系
    を連結しまた切断するクラッチが物置棚に設けられ、こ
    のクラッチは、感震装置が作動したときに切断される請
    求項1または2記載の移動物置棚。
  11. 【請求項11】 ロック手段または制動手段は地震によ
    ってロックまたは制動力が解除される請求項1、2また
    は3記載の移動物置棚。
  12. 【請求項12】 ロック手段または制動手段は地震によ
    る機械的な振動でロックまたは制動力が解除される請求
    項7記載の移動物置棚。
  13. 【請求項13】 ロック手段または制動手段は感震装置
    からの感震信号でロックまたは制動力が解除される請求
    項6記載の移動物置棚。
  14. 【請求項14】 ロック手段または制動手段が物置棚を
    一旦ロックまたは制動すると、このロックまたは制動力
    が解除されたとしても、感震装置が作動することによっ
    て、形成されている作業通路に面する物置棚の隣接棚接
    近阻止部材が上記作業通路に突出する請求項1、2また
    は3記載の移動物置棚。
  15. 【請求項15】 ロック手段または制動手段によるロッ
    クまたは制動力が解除されても、駆動手段または保持手
    段に伝達されるロック信号または制動信号が維持されて
    いることを特徴とする請求項14記載の移動物置棚。
  16. 【請求項16】 上記ロック信号または制動信号の維持
    は、タイマーによって行われることを特徴とする請求項
    15記載の移動物置棚。
  17. 【請求項17】 複数の物置棚を電動力によりレールに
    沿って移動可能に置き並べ、形成することができる作業
    通路に対応して設けられている開指令スイッチの選択操
    作により、選択操作された物置棚とこれに隣接する物置
    棚との間に作業通路を形成する電動式の移動物置棚にお
    いて、 上記物置棚に取り付けられ、隣接する物置棚間に形成さ
    れる作業通路に突出した態位と退避した態位との間で変
    位可能な隣接棚接近阻止部材と、 上記隣接棚接近阻止部材を変位させる駆動手段と、 地震を感知する感震装置とを有し、 上記感震装置が作動したときに、上記開指令スイッチが
    操作されることにより形成されている作業通路に面する
    物置棚の上記駆動手段が隣接棚接近阻止部材を上記作業
    通路に突出させることを特徴とする移動物置棚。
  18. 【請求項18】 複数の物置棚を電動力によりレールに
    沿って移動可能に置き並べ、形成することができる作業
    通路に対応して設けられている開指令スイッチの選択操
    作により、選択操作された物置棚とこれに隣接する物置
    棚との間に作業通路を形成する電動式の移動物置棚にお
    いて、 上記物置棚に取り付けられ、隣接する物置棚間に形成さ
    れる作業通路に突出した態位と退避した態位との間で変
    位可能な隣接棚接近阻止部材と、 隣接棚接近阻止部材を退避態位に保持する保持手段と、 地震を感知する感震装置とを有し、 上記隣接棚接近阻止部材は自然体で突出態位に変位する
    ものであり、感震装置が作動したときに、上記形成され
    ている作業通路に面する物置棚の上記保持手段が隣接棚
    接近阻止部材の保持を解除して、隣接棚接近阻止部材を
    上記作業通路に突出させることを特徴とする移動物置
    棚。
  19. 【請求項19】 感震装置が作動したときに、開指令ス
    イッチが操作されることにより形成されている作業通路
    に面する少なくとも片方の物置棚の隣接棚接近阻止部材
    が上記作業通路に突出することを特徴とする請求項17
    または18記載の移動物置棚。
  20. 【請求項20】 物置棚は、操作することによって電気
    的なインターロックをかけ既に形成されている作業通路
    を確保するロックスイッチを有し、感震装置が作動した
    ときに、形成されている作業通路を挟んで上記ロックス
    イッチが操作されている物置棚またはこれに対向する物
    置棚の隣接棚接近阻止部材を上記作業通路に突出させる
    ことを特徴とする請求項17または18記載の移動物置
    棚。
  21. 【請求項21】 物置棚は、操作することによって物置
    棚を移動不能に機械的にロックするロックスイッチを有
    し、感震装置が作動したときに、形成されている作業通
    路を挟んで上記ロックスイッチが操作されている物置棚
    またはこれに対向する物置棚の隣接棚接近阻止部材を上
    記作業通路に突出させることを特徴とする請求項17ま
    たは18記載の移動物置棚。
  22. 【請求項22】 駆動源から走行車輪に至る動力伝達系
    を連結しまた切断するクラッチが物置棚に設けられ、こ
    のクラッチは、感震装置が作動したときに切断されて走
    行車輪にかかる抵抗を小さくすることを特徴とする請求
    項17または18記載の移動物置棚。
  23. 【請求項23】 感震装置が作動したとき、全ての物置
    棚のクラッチが切断されて全ての物置棚の走行車輪にか
    かる抵抗が小さくなることを特徴とする請求項22記載
    の移動物置棚。
  24. 【請求項24】 物置棚の駆動源から走行車輪に至る動
    力伝達系に制動手段が設けられ、この制動手段は、感震
    装置が作動したときに制動力が解除されて走行車輪にか
    かる抵抗を小さくすることを特徴とする請求項17また
    は18記載の移動物置棚。
  25. 【請求項25】 感震装置が作動したとき、全ての物置
    棚の制動手段の制動力が解除されて全ての物置棚の走行
    車輪にかかる抵抗が小さくなることを特徴とする請求項
    24記載の移動物置棚。
  26. 【請求項26】 レールに沿って複数の物置棚を移動可
    能に置き並べた移動物置棚において、 上記物置棚に取り付けられ、隣接する物置棚間に形成さ
    れる作業通路に突出した態位と退避した態位との間で変
    位可能な隣接棚接近阻止部材と、 上記隣接棚接近阻止部材を変位させる駆動手段と、 地震を感知する感震装置と、 形成された作業通路に人が進入するとこれを検知する通
    路進入センサとを有し、 上記感震装置が作動したときに、上記通路進入センサが
    検知動作した上記作業通路に面する物置棚の少なくとも
    片方の物置棚の上記駆動手段が動作して、上記隣接棚接
    近阻止部材を上記作業通路に突出させることを特徴とす
    る移動物置棚。
  27. 【請求項27】 レールに沿って複数の物置棚を移動可
    能に置き並べた移動物置棚において、 上記物置棚に取り付けられ、隣接する物置棚間に形成さ
    れる作業通路に突出した態位と退避した態位との間で変
    位可能な隣接棚接近阻止部材と、 隣接棚接近阻止部材を退避態位に保持する保持手段と、 地震を感知する感震装置と、 形成された作業通路に人が進入するとこれを検知する通
    路進入センサとを有し、 上記隣接棚接近阻止部材は自然体で突出態位に変位する
    ものであり、感震装置が作動したときに、通路進入セン
    サが検知動作した作業通路に面する物置棚の少なくとも
    片方の物置棚の上記保持手段が隣接棚接近阻止部材の保
    持を解除して、隣接棚接近阻止部材を上記作業通路に突
    出させることを特徴とする移動物置棚。
  28. 【請求項28】 通路進入センサは、形成可能な作業通
    路ごとに設けられている請求項26または27記載の移
    動物置棚。
  29. 【請求項29】 通路進入センサは複数の物置棚にまた
    がって設置され、物置棚間には物置棚の移行余裕の有無
    を検知するリミットスイッチが設けられており、感震装
    置が作動したときに、通路進入センサが検知動作してお
    り、かつ、上記リミットスイッチが移行余裕ありと検知
    している作業通路の隣接棚接近阻止部材を作業通路に突
    出させる請求項26または27記載の移動物置棚。
  30. 【請求項30】 レールに沿って複数の物置棚を移動可
    能に置き並べた移動物置棚において、 上記物置棚に取り付けられ、隣接する物置棚間に形成さ
    れる作業通路に突出した態位と退避した態位との間で変
    位可能な隣接棚接近阻止部材と、 上記隣接棚接近阻止部材を変位させる駆動手段と、 形成されるべき作業通路ごとの照明灯を選択的に点灯さ
    せるためのスイッチ手段と、 地震を感知する感震装置とを有し、 上記感震装置が作動したときに、上記スイッチ手段の選
    択操作によって照明されている作業通路に面する物置棚
    の上記駆動手段が、上記隣接棚接近阻止部材を上記作業
    通路に突出させることを特徴とする移動物置棚。
  31. 【請求項31】 レールに沿って複数の物置棚を移動可
    能に置き並べた移動物置棚において、 上記物置棚に取り付けられ、隣接する物置棚間に形成さ
    れる作業通路に突出した態位と退避した態位との間で変
    位可能な隣接棚接近阻止部材と、 隣接棚接近阻止部材を退避態位に保持する保持手段と、 形成されるべき作業通路の照明灯を選択的に点灯させる
    ためのスイッチ手段と、 地震を感知する感震装置とを有し、 上記隣接棚接近阻止部材は自然体で突出態位に変位する
    ものであり、感震装置が作動したときに、上記スイッチ
    手段の選択操作によって照明されている作業通路に面す
    る物置棚の上記保持手段が隣接棚接近阻止部材の保持を
    解除して隣接棚接近阻止部材を上記作業通路に突出させ
    ることを特徴とする移動物置棚。
  32. 【請求項32】 レールに沿って複数の物置棚を移動可
    能に置き並べた移動物置棚において、 上記物置棚に取り付けられ、隣接する物置棚間に形成さ
    れる作業通路に突出した態位と退避した態位との間で変
    位可能な隣接棚接近阻止部材と、 上記隣接棚接近阻止部材を変位させる駆動手段と、 形成されるべき作業通路を選択することができる選択操
    作手段と、 地震を感知する感震装置とを有し、 上記感震装置が作動したときに、上記選択操作手段によ
    って選択されている作業通路に面する物置棚の上記駆動
    手段が、上記隣接棚接近阻止部材を上記作業通路に突出
    させることを特徴とする移動物置棚。
  33. 【請求項33】 レールに沿って複数の物置棚を移動可
    能に置き並べた移動物置棚において、 上記物置棚に取り付けられ、隣接する物置棚間に形成さ
    れる作業通路に突出した態位と退避した態位との間で変
    位可能な隣接棚接近阻止部材と、 隣接棚接近阻止部材を退避態位に保持する保持手段と、 形成されるべき作業通路を選択することができる選択操
    作手段と、 地震を感知する感震装置とを有し、 上記隣接棚接近阻止部材は自然体で突出態位に変位する
    ものであり、感震装置が作動したときに、上記選択操作
    手段によって選択されている作業通路に面する物置棚の
    上記保持手段が隣接棚接近阻止部材の保持を解除して隣
    接棚接近阻止部材を上記作業通路に突出させることを特
    徴とする移動物置棚。
JP825198A 1997-12-26 1998-01-20 移動物置棚 Pending JPH11239520A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001346637A (ja) * 2000-06-09 2001-12-18 Okamura Corp 移動棚装置
JP2002000365A (ja) * 2000-06-19 2002-01-08 Okamura Corp 電動式移動棚装置
JP2004331256A (ja) * 2003-05-01 2004-11-25 Itoki Crebio Corp 移動棚装置における安全装置
JP2006109929A (ja) * 2004-10-12 2006-04-27 Kongo Co Ltd 電動式移動棚装置およびその安全装置
CN104490106A (zh) * 2014-12-10 2015-04-08 中国石油大学(华东) 图书馆用多功能组合箱

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