JPH11238086A - 物体の形状データの作成方法および物体の形状データの作成装置ならびに物品の製造方法 - Google Patents

物体の形状データの作成方法および物体の形状データの作成装置ならびに物品の製造方法

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JPH11238086A
JPH11238086A JP10345579A JP34557998A JPH11238086A JP H11238086 A JPH11238086 A JP H11238086A JP 10345579 A JP10345579 A JP 10345579A JP 34557998 A JP34557998 A JP 34557998A JP H11238086 A JPH11238086 A JP H11238086A
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shape
shape data
deformation
data
clothing
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Junichi Takinami
純一 滝波
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1つの物体の形状データから、該物体を変形し
たときの物体の形状データを簡単かつ短時間に作成する
方法および装置を提供すること。 【解決手段】物体の形状を表す物体形状データと、物体
の概略形状を表す物体概略形状データと、その物体の概
略形状を変形させた時の物体概略形状データまたは変形
量データを入力する。入力した、変形前の物体概略形状
データおよび変形後の物体概略形状データにもとづいて
物体が変形したときの物体形状データを近似的に計算す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータを使
って物体の形状を変更したときの物体の形状データを作
成する方法および装置並びにかかる物体の形状データの
作成方法を利用した物品の製造方法に関する。さらに好
適には、衣料・服飾品のイージーオーダー販売等におい
て、顧客の体型に合わせてコンピュータ上の人体の形状
モデルや衣料・服飾品の形状モデルを変形した形状デー
タを作成する方法および装置並びにかかる形状データの
作成方法を利用した物品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、衣服のイージーオーダー販売等に
おいて、衣服のデザインや適用する素材などを決定する
際、最終出来上がり状態を予測することは難しく、出来
上がった後に、顧客のイメージしていた品物と違ってし
まう場合があった。また、顧客のイメージしていた品物
と異なる品物が出来上がることを恐れて、新しい素材
や、顧客の持っている衣服と全く異なるタイプの衣服の
製造および購入が躊躇される場合や、イージーオーダー
そのものを利用できない場合があった。
【0003】このような問題に対して、コンピュータを
用いて衣料の出来上がり状態を表示し、確認する方法が
提案されている。例えば従来より写真やイラストなどの
2次元画像を使ってコンピュータを用いて種々素材の画
像を合成して表示することにより、衣服の出来上がり状
態を確認する方法がある。このような方法として、特開
昭55−93808号公報には、素材の画像データと所
望の衣料の形状を規定するデータとに基づき、素材の画
像を前記衣料の形状にあてはめた画像を作成し、ディス
プレーに表示する方法が開示されている。
【0004】ところで、前述した2次元画像中の衣服の
素材の色柄を他の素材の色柄に設定する方法は、色や柄
のコーディネートの良否を判断することはできるが、素
材の変更によるドレープやシルエットの違いまでは確認
することができない。特に婦人服の場合はドレープ性の
高い衣服が多く、問題となる。
【0005】この問題に対しては、コンピュータ上に衣
服の3次元モデルを定義し、素材の物性を加味した力学
計算によって、衣服の着衣状態を予測計算する方法(以
下、素材の物性を加味した力学計算によって衣服の形状
を求めることを、着装計算と呼ぶ)が提案されている。
例えば、本出願人らによる特許第1984093号の方
法、本出願人による特開平10−124538号公報の
方法、本出願人による特開平10−134095号公報
の方法、特開平5−31979号公報の方法、P.Volin
o, M.Courchesne, N.Thalmann; Versatile and Efficie
nt Techniques for Simulating Cloth and Other Defor
mable Objects, Computer Graphics, Vol.29, pp.137-1
44, 1995の方法などがある。
【0006】コンピュータ上で衣服の出来上がり状態を
確認するためには、素材の色柄、素材の物性の違いによ
る衣服のシルエットやドレープの他に、顧客の体型も反
映したものが好ましいことは言うまでもない。体型によ
って似合う色柄・似合わない色柄、似合うデザイン・似
合わないデザインがあることは一般によく言われること
であり、特にデザインや素材のバリエーションが幅広い
婦人服では重要なポイントとなる。
【0007】前述した着装計算によっても、計算に使用
する人体モデルの形状データを顧客の体型を反映したも
のにし、かつ衣服のデータも顧客の体型を反映したもの
にして計算すれば、顧客の体型を反映した衣服の出来上
がり状態を確認することができる。しかし、衣服の着衣
状態を着装計算によって求めるためには膨大な計算量が
必要で、通常1つの衣服の着衣状態を計算するのに数十
分から数時間かかる場合が少なくない。また、イージー
オーダー販売では、衣服は顧客の体型にフィットするよ
う、標準体型用のマスター型紙からグレーディングによ
って個人型紙が作成され、個人型紙を用いて衣服が製作
される。このため、衣服の形状データも、個人型紙を使
って縫製された時の衣服の形状データを使用する必要が
ある。イージーオーダー販売等において、店頭にて個人
体型を反映した衣服の形状データを作成し、さらに着装
計算することは、手間的にも時間的にも非常に困難であ
る。
【0008】このため、標準に対する素材の変更と顧客
の体型の標準モデルとの差違の両方が反映できるような
衣服の出来上がり状態の簡便な表示や、これを利用した
衣料・服飾品の製造をすることは困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点に鑑みてなされたもので、その目的は、1つの物体
の形状データから、該物体を変形したときの物体の形状
データを簡単かつ短時間に作成する方法および装置を提
供することにある。
【0010】また、本発明の別の目的は、内部物体が変
形したときの、内部物体の外部に合って少なくとも一部
が内部物体の表面に密着または密接する外部物体の形状
データを簡単かつ短時間に作成する方法および装置を提
供することにある。
【0011】また、本発明の別の目的は、上記のような
物体の形状データの作成方法あるいは装置を用いて物品
の仕様を顧客のイメージ通りに決定し、その結果に基づ
いて顧客のイメージ通りの物品を製造することができる
物品の製造方法を提供することにある。
【0012】また、本発明の別の目的は、上記のような
物体の形状データの作成方法あるいは装置を用いて衣料
・服飾品の仕様を顧客のイメージ通りに決定し、その結
果に基づいて顧客のイメージ通りの衣料・服飾品を製造
することができる衣料・服飾品およびその製造方法を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明によれば、物体の形状を表す物体形状デー
タと、該物体の概略形状を表す物体概略形状データと、
前記物体の概略形状を変形させた時の物体概略形状デー
タまたは変形量データとを入力し、変形前の物体概略形
状データおよび変形後の物体概略形状データにもとづい
て物体が変形したときの物体形状データを近似的に計算
し、前記物体の変形後の形状データを作成することを特
徴とする物体の形状データの作成方法が提供される。
【0014】また、本発明の別の態様によれば、内部物
体の外部にあって少なくとも一部が前記内部物体表面に
密着または近接する外部物体の形状を表す外部物体形状
データと、前記内部物体が変形したときの外部物体の形
状を予測するための概略形状であって前記内部物体に対
応した外部物体予測用概略形状データと、前記内部物体
の変形に合わせて前記外部物体予測用概略形状を変形さ
せた時の形状データまたは変形量とを入力し、変形前の
外部物体予測用概略形状データおよび変形後の外部物体
予測用概略形状データにもとづいて前記外部物体が前記
外部物体予測用概略形状の変形に応じて変形したときの
形状データを近似的に計算し、前記外部物体の変形後の
形状データを作成することを特徴とする物体の形状デー
タの作成方法が提供される。
【0015】また、本発明の別の態様によれば、内部物
体の形状をあらわす内部物体形状データと、内部物体の
外部にあって少なくとも一部が前記内部物体表面に密着
または近接する外部物体の形状を表す外部物体形状デー
タと、内部物体および外部物体の周囲に配置した制御格
子点データとを入力し、制御格子点の位置を移動させ、
前記制御格子点の移動量にもとづいて内部物体および外
部物体を変形させたときの形状データを作成することを
特徴とする物体の形状データの作成方法が提供される。
【0016】また、本発明の別の態様によれば、物体の
形状を表す物体形状データと、該物体の概略形状を表す
物体概略形状データと、変形前後の物体の変形パラメー
タとを入力し、前記入力された物体の変形パラメータを
もとに前記物体概略形状を変形した物体概略形状データ
を作成し、変形前の物体概略形状データおよび変形後の
物体概略形状データにもとづいて物体が変形したときの
物体形状データを近似的に計算し、前記物体の変形後の
形状データを作成することを特徴とする物体の形状デー
タの作成方法が提供される。
【0017】また、本発明の別の態様によれば、内部物
体の外部にあって少なくとも一部が前記内部物体表面に
密着または近接する外部物体の形状を表す外部物体形状
データと、前記内部物体が変形したときの外部物体の形
状を予測するための概略形状であって前記内部物体に対
応した外部物体予測用概略形状データと、変形前後の内
部物体の変形パラメータを入力し、前記入力された内部
物体の変形パラメータとをもとに前記外部物体予測用概
略形状を変形した外部物体予測用概略形状データを作成
し、変形後の外部物体予測用概略形状データにもとづい
て外部物体が前記内部物体の変形に応じて変形したとき
の形状データを近似的に計算し、前記外部物体の変形後
の形状データを作成することを特徴とする物体の形状デ
ータの作成方法が提供される。
【0018】また、本発明の別の態様によれば、内部物
体の形状をあらわす内部物体形状データと、内部物体の
外部にあって少なくとも一部が前記内部物体表面に密着
または近接する外部物体の形状を表す外部物体形状デー
タと、内部物体および外部物体の周囲に配置した制御格
子点データと、変形前後の内部物体の変形パラメータと
を入力し、前記内部物体の変形パラメータをもとに制御
格子点の移動量を計算し、制御格子点の移動量に応じて
内部物体および外部物体を変形させた形状データを作成
することを特徴とする物体の形状データの作成方法が提
供される。
【0019】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記変形パラメータをもとに前記物体概略形状を変形する
計算式は、回帰分析によって求めたものであることを特
徴とする、物体の形状データの作成方法が提供される。
【0020】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記変形パラメータをもとに前記内部物体予測用概略形状
または前記外部物体予測用概略形状を変形する計算式
は、回帰分析によって求めたものであることを特徴とす
る、物体の形状データの作成方法が提供される。
【0021】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記物体は人体または人体モデルであることを特徴とす
る、物体の形状データの作成方法が提供される。
【0022】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記内部物体は人体または人体モデルであり、前記外部物
体は衣料・服飾品またはその部品であることを特徴とす
る物体の形状データの作成方法が提供される。
【0023】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記外部物体は少なくとも一部にシート状物を含むもので
あり、前記外部物体予測用概略形状データのうち少なく
とも前記内部物体の所定の位置より重力方向側にある前
記内部物体各部に対応する部位については、前記各部を
重力方向側に射影したときの外縁部に対応する前記各部
よりも重力の反対方向側にある部位については前記内部
物体の概略形状とし、前記外縁部に対応する各部よりも
重力方向にある部位については前記内部物体の各部にお
ける外縁部を重力方向におのおの延長したときにできる
形状の概略形状であることを特徴とする、物体の形状デ
ータの作成方法が提供される。
【0024】また、本発明の別の態様によれば、数値計
算によって求めた衣料・服飾品の形状データと、体型に
関するデータを入力し、前記衣料・服飾品の形状を前記
体型に関するデータに応じて変形した形状データを作成
することを特徴とする、物体の形状データの作成方法が
提供される。
【0025】また、本発明の別の態様によれば、物体の
概略形状を表す物体概略形状データの記憶手段と、該物
体概略形状データおよび前記物体の概略形状を変形させ
たときの物体概略形状データにもとづいて物体が変形し
たときの物体形状データを近似的に計算する物体形状変
形手段とを有することを特徴とする、物体の形状データ
の作成装置が提供される。
【0026】また、本発明の別の態様によれば、内部物
体が変形したときの内部物体の外部にあって少なくとも
一部が前記内部物体表面に密着または近接する外部物体
の形状を予測するための概略形状である外部物体予測用
概略形状データの記憶手段と、該外部物体予測用概略形
状データおよび前記外部物体予測用概略形状を変形させ
たときの外部物体予測用概略形状データにもとづいて前
記外部物体が前記外部物体予測用概略形状の変形に応じ
て変形したときの形状データを近似的に計算する外部物
体形状変形手段とを有することを特徴とする、物体の形
状データの作成装置が提供される。
【0027】また、本発明の別の態様によれば、内部物
体の形状データの記憶手段と、該内部物体の外部にあっ
て少なくとも一部が前記内部物体表面に密着または近接
する外部物体の形状データの記憶手段と、前記内部物体
の形状データおよび前記外部物体の形状データの周囲に
配置した制御格子点の移動量にもとづいて内部物体およ
び外部物体を変形させたときの形状データを作成する物
体形状変形手段とを有することを特徴とする、物体の形
状データの作成装置が提供される。
【0028】また、本発明の別の態様によれば、物体の
概略形状を表わす概略形状データの記憶手段と、変形前
後の前記物体の変形パラメータにもとづいて前記概略形
状を変形させたときの概略形状データを作成する概略形
状変形手段と、変形前の物体概略形状データおよび変形
後の物体概略形状データにもとづいて物体が変形したと
きの物体形状データを近似的に計算する物体形状変形手
段とを有することを特徴とする、物体の形状データの作
成装置が提供される。
【0029】また、本発明の別の態様によれば、内部物
体の外部にあって少なくとも一部が前記内部物体表面に
密着または近接する外部物体の形状を予測するための概
略形状である外部物体予測用概略形状データの記憶手段
と、内部物体が変形したときの変形前後の内部物体の変
形パラメータにもとづいて前記外部物体予測用概略形状
変形させ変形後の前記外部物体予測用概略形状データに
もとづいて前記外部物体が前記内部物体の変形に応じて
変形したときの形状データを近似的に計算する外部物体
形状変形手段を有することを特徴とする、物体の形状デ
ータの作成装置が提供される。
【0030】また、本発明の別の態様によれば、内部物
体の形状データの記憶手段と、前記内部物体の外部にあ
って少なくとも一部が前記内部物体表面に密着又は近接
する外部物体の形状データの記憶手段と、変形前後の内
部物体の変形パラメータにもとづいて内部物体および外
部物体の周囲に配置した制御格子点の移動量を計算する
制御格子点移動手段と、制御格子点の移動量にもとづい
て内部物体および外部物体を変形させたときの形状デー
タを作成する物体形状変形手段を有することを特徴とす
る、物体の形状データの作成装置が提供される。
【0031】また、本発明の別の態様によれば、数値計
算によって求めた衣料・服飾品の形状データの記憶手段
と、該衣料・服飾品の形状を体型に関するデータに応じ
て変形したときの形状データを作成する形状変形手段を
有することを特徴とする、物体の形状データの作成装置
体型に関するデータに応じて数値計算によって求めた衣
料・服飾品の形状データを変形した形状データを作成す
る形状変形手段を有することを特徴とする、物体の形状
データの作成装置が提供される。
【0032】また、本発明の別の態様によれば、上記の
物体の形状データの作成方法により物品の変形後の形状
を予測し、前記変形後の物品形状にもとづいて物品の仕
様を最終決定し、該最終決定された仕様にもとづいて物
品を製造することを特徴とする、物品の製造方法が提供
される。
【0033】また、本発明の別の態様によれば、数値計
算によって求めた衣料・服飾品の形状データと、体型に
関するデータを入力し、前記衣料・服飾品の形状を前記
体型に関するデータに応じて変形した形状データを作成
して変形後の衣料・服飾品の形状を予測し、前記変形後
の衣料・服飾品の形状にもとづいて衣料・服飾品の仕様
を最終決定し、該最終決定された仕様にもとづいて衣料
・服飾品を製造することを特徴とする、衣料・服飾品の
製造方法が提供される。
【0034】また、本発明の記憶媒体によれば、上記の
物体の形状データの作成方法の各手順をコンピュータを
用いて実施できるようにコンピュータを動作させるソフ
トウエアを記憶した記憶媒体が提供される。
【0035】また、本発明の別の態様によれば、上記の
物品の製造方法または上記の衣料・服飾品の製造方法に
よって製造された衣料服飾品が提供される。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、本発明における
内部物体として人体、外部物体としてシート状物である
衣服を用いる婦人服のイージーオーダーに適用した例に
ついて3例説明する。衣服は、人体表面に密着または近
接したシート状物であり、本発明を好適に適用できる。
【0037】図1は、本発明の形状データの作成装置の
第1から第3の実施態様例の装置構成を説明するブロッ
ク図である。本実施態様例において、(101)はパー
ソナルコンピュータ、(102)はキーボード、(10
3)はマウス、(104)はディスプレー、(105)
はプリンター、(106)はハードディスク装置であ
る。(103)は、マウスの他にタッチペンやタッチパ
ネルなどのポインティングデバイスを利用することも可
能である。
【0038】ハードディスク装置(106)には、物品
モデル情報記憶手段(107)、物品画像情報記憶手段
(108)、物品属性情報記憶手段(109)、素材情
報記憶手段(110)、人体モデル情報記憶手段(11
1)、着衣順序に関する知識記憶手段(112)が含ま
れる。本実施態様例では、これらの記憶手段は汎用リレ
ーショナルデータベースを用いて実現している。
【0039】物品モデル情報記憶手段(107)には、
衣服のデザインと該衣服に適用可能な素材のごとにあら
かじめ力学計算によって着衣状態を計算した衣服の形状
モデルと、該衣服の個別仕様部品の形状モデルと、該形
状モデルに対応した衣服のデザインコードおよび素材コ
ードが記憶されている。衣服の形状モデルは、標準体型
用に作成されたマスター型紙のCADデータを使って、
コンピュータ上で3次元形状に組み上げたものを初期形
状とし、素材の物性と標準体型の形状データを使用して
力学計算したものを使用した。型紙のCADデータをコ
ンピュータ上で3次元形状に組み上げる方法は、本出願
人による特許第1984093号の方法や、本出願人に
よる特開平10−134095号公報の方法や、本出願
人による特開平10−124538号公報の方法が使用
可能である。衣服の形状モデルの例を図2に示す。図2
の(a)、(b)はそれぞれ同じ衣服のデザインである
が、図2(a)は堅い素材を適用したときの形状モデル
で、図2(b)は柔らかい素材を適用したときの形状モ
デルである。柔らかい素材を用いると、ドレープが細か
く発生することが分かる。衣服の個別仕様部品とは、衣
服のデザイン中で変更可能な部品のことで、例えば襟の
形をノッチド・ラペル、ピークド・ラペル、クローバー
リーフ・ラペルの中から選択可能なデザインの場合、こ
れらの各襟が個別仕様部品である。個別仕様部品の形状
データは、衣服の形状モデルに合成あるいは衣服の形状
モデル中の個別仕様部品と変更可能なように、いくつか
の形状バリエーションが用意されている。各形状バリエ
ーションは、標準体型で着装計算された衣服の形状モデ
ルに合成可能なように、着装計算によって作成してあ
る。
【0040】物品画像情報記憶手段(108)には、物
品の画像と、画像中の衣服のデザインコードと、画像中
の衣服の素材コードが記憶されている。物品の画像とし
ては、本実施態様例では、ファッションモデルが衣服を
着用した状態を写真撮影した画像を利用したが、着装計
算によって作成した衣服の形状モデルにCG(コンピュ
ータグラフィックス)によって素材の画像を合成したも
のを利用してもよい。前記物品の画像中の物品は、それ
ぞれ対応する物品の形状モデルが物品モデル情報記憶手
段(107)に記憶されており、それらは衣服のデザイ
ンコードで関連づけられている。
【0041】物品属性情報記憶手段(109)には、衣
服のデザインごとに衣服の属性情報が記憶されている。
衣服の属性情報としては、本実施態様例では衣服のデザ
インコード、衣服の種類(ジャケット、ドレス、スカー
ト、パンツなど)、年度、シーズンが記憶されている。
【0042】素材情報記憶手段(110)には、衣服に
用いられる素材の画像、素材の属性情報、衣服の3次元
モデルに素材の画像を合成する時のCG合成用情報が記
憶されている。素材の画像としては、本実施態様例では
イメージスキャナやデジタルカメラで撮像したカラー画
像を、テクスチャマッピングした際に色柄が連続してつ
ながるように必要に応じて加工した画像を用いた。テク
スチャマッピングした際に色柄が連続してつながるため
の加工方法としては、本出願人による特開平10−18
3418号公報の方法が利用できる。素材の属性情報と
しては、本実施態様例では素材コード、年度、シーズ
ン、色、柄、品質(ウール100%や、綿70%麻30%など)お
よび素材の説明文が記憶されている。CG合成用情報と
しては、本実施態様例では反射率と拡散係数が記憶され
ている。
【0043】人体モデル情報記憶手段(111)には、
標準体型の人体モデルと、物体の変形用情報とが含まれ
る。図3に標準体型の人体モデルの例を示す。物体の変
形用情報は、説明する3例の実施態様例でそれぞれ異な
るので、後で詳しく説明する。
【0044】着衣順序に関する知識記憶手段(112)
には、衣服の組み合わせ順序に関する知識が記憶されて
いる。図19に着衣順序に関する知識記憶手段(11
2)の例の一部を示す。この例では、着衣順序の数値が
小さいほど内側にあることを示している。例えば、ジャ
ケットとスカートを組み合わせた場合、スカートはジャ
ケットの内側にならなければならないので、スカートの
着衣順序の数値はジャケットの着衣順序の数値より小さ
いものにする。着衣順序に関する知識記憶手段(11
2)については、本出願人による特開平10−1834
18号公報に詳しく記載されている。
【0045】次にパーソナルコンピュータ(101)、
具体的には中央演算装置および汎用揮発メモリにより提
供される各種機能について説明する。
【0046】パーソナルコンピュータ(101)には、
物品モデル選択支援手段(113)、物体形状変形手段
(114)、物品個別仕様部品選択支援手段(11
5)、素材選択支援手段(116)、素材色柄設定手段
(117)、色柄設定画像表示手段(118)、色柄設
定画像印刷手段(119)とが含まれる。
【0047】物品モデル選択支援手段(113)には、
キーワード検索による物品の画像の検索機能と、検索さ
れた物品の画像を画面に複数個一覧表示して、顧客が好
みの衣服のデザインを選択することを支援する機能があ
る。図4に物品モデル選択支援手段の画面(以下物品モ
デル選択画面と呼ぶ。)の一例を示す。図4において、
キーボード(102)やマウス(103)を用いて検索
条件入力エリア(401)に検索条件を入力し、検索実
行ボタン(402)を押すと、物品属性情報記憶手段
(109)から該当する衣服のデザインコードを検索
し、次に検索されたデザインコードをもとに物品画像情
報記憶手段(108)から物品画像を検索し、画面に一
覧表示する。顧客は一覧表示された画像から好みの衣服
のデザインをマウス(103)を使って指定する。一覧
表示される画像は、ファッションモデルが衣服を着用し
た状態を写真撮影したものなので、1つの画像には通常
複数の衣服のデザイン(たとえばジャケットとスカー
ト)が含まれる。図5において、たとえば顧客が2番目
の画像(501)中のジャケットが気に入った場合、マ
ウス(103)を用いて2番目の画像(501)を選択
する。そして、画像に含まれる衣服のデザイン情報表示
エリア(502)において、マウス(103)を使って
ジャケットの箇所のチェックボックス(503)にチェ
ックマークをつけ、OKボタン(504)を押せばよ
い。あるいは、画像中のジャケットの部分をクリックす
ることで選択してもよい。衣服のデザインが指定される
と、すでに他の衣服が選ばれていた場合、すでに選ばれ
ている衣服の形状モデル(人体モデルも含まれている)
に新たに選ばれた衣服の形状モデルを追加する。はじめ
て衣服を選んだ場合は、人体モデルに選んだ衣服の形状
モデルを追加する。衣服の形状モデルを追加するとき、
着衣順序に関する知識記憶手段(112)に記憶された
着衣順序を使って、本来内側にあるはずの形状モデルが
外側に出ている場合、内側になるよう形状データを修正
する。上記のモデルの追加方法については、本出願人に
よる特開平10−183417号公報に詳しく記載され
ている。
【0048】物体形状変形手段(114)には、顧客の
体型に合わせて人体モデルや衣服の形状モデルを変形す
る機能がある。この機能については、説明する3例の実
施例でそれぞれ異なるので、後で詳しく説明する。
【0049】物品個別仕様部品選択支援手段(115)
には、顧客が物品に適用可能な個別仕様部品を選択する
ことを支援する機能がある。例えば顧客が襟の変更を指
定したとすると、物品モデル情報記憶手段(107)か
ら該当する個別仕様部品の形状モデルを検索し、レンダ
リング処理によって個別仕様部品の2次元画像を作成
し、画面に一覧表示する。顧客は一覧表示された個別仕
様部品から好みの個別仕様部品をマウス(103)を使
って選択することができる。個別仕様部品が選択される
と、物品モデル選択支援手段(113)によって選択さ
れた衣服の形状モデルの該当する個別仕様部品を、あら
たに選ばれた個別仕様部品に変更した形状モデルを作成
する。
【0050】素材選択支援手段(116)には、物品に
適用可能な素材の画像を素材情報記憶手段(110)か
ら検索し、画面に複数個一覧表示して、顧客が素材を選
択することを支援する機能がある。画面に一覧表示され
た素材の画像から、好みの素材の画像をマウス(10
3)を使って指定すると、先に選ばれていた衣服のデザ
インコードと、新たに選ばれた素材の素材コードをもと
に、物品モデル情報記憶手段(107)から顧客が選択
した素材を使って計算した衣服の形状モデルを検索し、
先に選ばれていた衣服の形状モデルと置き換える。これ
によって、素材を変更したとき、衣服のドレープ性やシ
ルエットも反映可能となる。なお、本実施態様例ではあ
らかじめ各素材の物性を使って着装計算した衣服の形状
モデルを物品モデル情報記憶手段(107)に記憶して
おいたが、例えば素材が選ばれる度に選択された素材の
物性を使って着装計算してもよい。しかし、着装計算に
は時間がかかる場合が多いので、本実施態様例のように
あらかじめ着装計算を済ませた形状モデルを用いるのが
望ましい。
【0051】素材色柄設定手段(117)には、衣服の
形状モデルと素材の画像を使って、衣服の形状モデルに
素材の画像を合成しかつ陰影をつけた2次元画像(以下
色柄設定画像と呼ぶ)を作成する機能がある。このと
き、衣服の形状モデルだけでなく、人体モデルにも皮膚
の画像を合成して2次元画像を作成する。形状モデルに
素材の画像(皮膚の画像も含む)を合成しかつ陰影をつ
ける技術には、一般的なCG技術であるテクスチャマッ
ピング技術とレンダリング技術を利用している。
【0052】色柄設定画像表示手段(118)には、素
材色柄設定手段(117)で作成された色柄設定画像を
ディスプレー(104)に表示する機能がある。マウス
(103)で、画像の回転を指定すると、形状モデルが
微小回転したときの色柄設定画像を素材色柄設定手段
(117)で逐次作成しディスプレー(104)に逐次
表示することによって、衣服の形状モデルを回転させ、
見る方向を自由に設定可能である。
【0053】色柄設定画像印刷手段(119)には、デ
ィスプレー(104)に表示中の色柄設定画像をプリン
ター(105)に表示する機能がある。
【0054】次に、本実施態様例の動作の概要を図6の
フローチャートを用いて説明する。
【0055】ステップ601において、オペレーター
(販売店の店員または顧客)はキーボード(102)や
マウス(103)を操作して、物品モデル選択支援手段
(113)を使って好みの衣服のデザインを選択する。
さらに複数の衣服を組み合わせる場合(例えば、ジャケ
ットとスカートなど)、物品モデル選択支援手段(11
3)を繰り返し使って、組み合わせる衣服のデザインを
追加すればよい。複数の衣服を自由に組み合わせること
ができるので、ジャケットとスカートの組み合わせとい
った上下のデザインのコーディネートの良否を顧客が確
認可能となる。
【0056】ステップ602において、物品個別仕様部
品選択支援手段(115)を使って、ステップ601で
選ばれた衣服の個別仕様部品のうち、変更可能な個別仕
様部品を顧客の好みによって選択し、個別仕様部品を変
更した形状モデルを作成する。
【0057】ステップ603において、素材選択支援手
段(116)を使って、ステップ601で選ばれた各衣
服に適用する素材を選択する。オペレータがマウス(1
03)等を使って素材を選択すると、素材選択支援手段
(116)はオペレータが選択した素材を使ったときの
衣服の形状モデルを物品モデル情報記憶手段(113)
から検索し、素材を選択する前の衣服の形状モデルと置
き換えるので、素材を変えたときの色柄だけでなく、衣
服の形状(シルエットやドレープ性)も、顧客が確認可
能となる。なお、ステップ602より先にステップ60
3を実施してもよい。
【0058】ステップ604において、物体形状変形手
段(114)を使って、顧客の体型に合うように衣服の
形状モデルおよび人体モデルを変更する。これによっ
て、顧客の体型によるコーディネートの良否や、顧客に
似合うか似合わないか等の確認が可能となる。さらに、
後述のように体型が変わったときの衣服の形状を近似的
に計算するので、顧客の体型に合わせて人体モデルを変
形し、個人型紙を作成し、さらに着装計算するのに比べ
て、遙かに短時間で顧客の体型に合わせて衣服の形状を
変形することができる。なお、ステップ602やステッ
プ603より先にステップ604を実施してもよい。
【0059】ステップ605において、素材色柄設定手
段(117)を使って、ステップ604で選ばれた素材
の画像をテクスチャマッピング技術により衣服の形状モ
デルに合成して、さらにレンダリング技術により陰影を
付け、色柄設定画像を作成する。
【0060】ステップ606において、色柄設定画像表
示手段(118)を使って、ステップ605で作成され
た色柄設定画像をディスプレー(104)に表示する。
顧客は、ディスプレーに表示された画像を見て、色や柄
に関するコーディネートの良否、衣服の組み合わせによ
るコーディネートの良否、衣服のシルエットやドレープ
性を確認することができる。さらに、人体モデルや衣服
の形状モデルは、顧客の体型を反映したものとなってい
るので、体型による似合う・似合わないの確認ができ
る。また素材の色柄や衣服のシルエット等によって、よ
りやせて見えるとか、よりふっくらして見えるとかを確
認することができる。顧客はディスプレーに表示された
色柄設定画像によって衣服の出来上がり状態を確認し、
気に入れば衣服の仕様を決定し、オーダーするためにス
テップ608に進む。気に入らなければ、ステップ60
1に戻って衣服のデザインから選びなおしたり、ステッ
プ602に戻って衣服の個別仕様部品を選びなおした
り、ステップ603に戻って素材を選びなおしたりする
ことができる。
【0061】ステップ607において、色柄設定画像印
刷手段(119)を使って、ステップ606で表示され
た色柄設定画像を、プリンター(105)から紙、プラ
スチックシート、布帛等の有形担体に印刷出力する。印
刷出力された色柄設定画像は、顧客が衣服をオーダーす
る際の確認やサービスとして顧客に配布してもよいし、
衣服を縫製工場にオーダーする際の確認のためにオーダ
ーシートに添付してもよい。
【0062】ステップ608において、衣服の製造のた
めに顧客の詳細な個人体型を採寸し、ステップ605で
決定した衣服の仕様と採寸情報をもとに衣服を製造す
る。縫製工場が販売店と別の場所にある場合は、ネット
ワーク等を使ってオーダーシートを縫製工場に送信して
もよいし、FAXを使ってオーダーシートを縫製工場に
送信してもよい。
【0063】なお、本実施態様例では、衣服のデザイン
を選んでから、衣服の素材を選んだが、逆に素材を選ん
でから、次に衣服のデザインを選んでもよい。素材を先
に選んでから、次に衣服のデザインを選ぶ方法として
は、本出願人による特願平9−292373の方法が利
用できる。
【0064】上記のとおり、顧客が衣服の仕様を定めて
その場合の仮想的な試着状況を上記形状データの作成装
置により作成して画面に表示し、その表示に基づいて顧
客がさらに好みの仕様を示して同様の仮想試着を繰り返
すことによって最適な衣服の仕様を最終決定することが
できる。このようにして最終決定された仕様に基づいて
衣服を製造すると、顧客のイメージした通りの衣服を迅
速かつ確実に製造することができる。
【0065】[実施態様例1]次に、本発明の第1の実施
態様例における人体モデル情報記憶手段(111)と物
体形状変形手段(114)について説明する。
【0066】人体モデル情報記憶手段(111)には、
標準体型の人体モデルと、物体の変形用情報が含まれ
る。標準の人体モデルとしては、図7に示すように、型
紙作成時に使用する人台の形状をモデル化したものを使
用した。物体の変形用情報としては、図8に示すよう
な、人体モデルのまわりに直方体状に格子制御点(以下
制御点と呼ぶ)を配置したもの(802)と、変形パラ
メータ(本実施態様例では、バスト、ウエスト、ヒッ
プ、身長を用いたが、一般に物体の形状データそのもの
ではないが物体の特徴的部位の寸法等を調べることによ
り物体の形状が必要な範囲で把握できる場合におけるそ
うした特徴的部位の寸法を、ここでは変形パラメータと
呼ぶ。物体が人体である場合には、上記のごとき人体各
部の寸法が、自動車なら全高、全長、ホイールベース等
の特徴的寸法が変形パラメータたりうる。)と制御点の
移動量の対応データを使用した。制御点は、人体モデル
の変形だけでなく、衣服の形状モデルの変形にも使用す
るので、人体モデルに衣服の形状モデルが追加されたと
きにも、衣服の形状モデルが制御点よりも外側にならな
いよう広範囲に配置する必要がある。変形パラメータと
制御点の移動量の対応データは、代表的な変形パラメー
タの値と制御点の移動量の関係をあらかじめ試行錯誤的
に調べた結果を入力した。例えば、図8において、標準
体型(バスト80cm、ウエスト62cm、ヒップ91
cm、身長160cm)のバストからバスト90cmに
人体モデル(801)を変形するためには、各格子点を
どれだけ移動すればよいかを調べる。例えば制御点(8
03)は(10,20,0)移動すればよいことが分か
ったとすると、制御点(803)のバスト90cmに対
する移動量は(10,20,0)となる。以下同様に各
制御点の移動量を調べて、対応データを作成する。この
ようにして、バストの代表的な値、例えば70cm、8
0cm、90cm、100cmに対応する制御点の移動
量を調べて対応データを作成する。このとき、バスト8
5cmに対応する制御点の移動量は、バスト80cmに
対応する制御点の移動量とバスト90cmに対応する制
御点の移動量から近似計算によって求めればよい。本実
施態様例では、近似計算は線形近似を使用した。バスト
以外の変形パラメータについても、同様に変形パラメー
タと制御点の移動量の対応データを作成する。なお、本
実施態様例では、変形パラメータを入力し、入力された
変形パラメータに基づいて制御点の移動量を計算した
が、変形対象モデルの変形前後の制御点の移動量(すな
わち格子制御点の変形量)を入力することによって制御
点を移動してもよい。
【0067】物体形状変形手段(114)には、人体モ
デル情報記憶手段(111)の情報を利用して、顧客の
体型に合わせて人体モデルや衣服の形状モデルを変形す
る機能がある。本実施態様例では、CGのモーフィング
技術の1つであるFree FormDeformation法(以下FFD
法)を利用した。FFD法とは、変形対象空間に制御点
(格子制御点)を設定し、その制御点を操作することに
よって形態変形を行う手法である。FFD法については、
T.W.Sederberg, S.R.Parry; Free-Form Deformationof
Solid Geometric Models, Proceedings of ACM SIGGRAP
H'86 in Computer Graphics, Vol.20, No.4,p.151-160,
1986に詳しく記載されている。人体モデル、衣服の形
状モデル、個別仕様部品の形状モデルを同じ変形用デー
タを使って変形することにより、衣服や個別仕様部品の
変更が可能となる。つまり、例えば衣服の個別仕様部品
を変更する場合、変更後の個別仕様部品を同じ変形用デ
ータで変形することにより、個別仕様部品の大きさや位
置座標が形状変形後の衣服と合うので、衣服や個別仕様
部品の変更を簡単におこなうことができる。
【0068】図9(a)に、標準体型の人体モデルと衣
服としてワンピースを着用した時の形状モデルを、図9
(b)に、バスト95cm、ウエスト82cm、ヒップ
97cm、身長158cmを入力して物体形状変形手段
(114)で形状変形した同モデルを示す。
【0069】本発明者らの知見によれば、本実施態様例
のように、人体モデルの形状が単純な場合、FFD法等の
モーフィング技術を使って形状変形しても良好な結果が
得られるが、長袖の衣服を扱う場合など腕がついている
人体モデルが必要な場合や、ポーズが複雑な場合、不自
然に腕が変形したり、格子制御点の配置が困難になる。
また、格子制御点の移動量と形状モデルの変形量の相関
が複雑なため、試行錯誤的に対応データを作成する必要
があるので、変形パラメータが多くなると対応データ作
成に要する手間が多くなるという欠点がある。また、体
への密着性が高い衣服(例えばボディコンシャスのドレ
スや、タイトスカート、水着など)に適用する場合は良
好な結果が得られるが、体との密着性が低い衣服(例え
ばフレアスカートや体との密着性が低いドレスなど)に
適用すると、人体モデルの変形量に合わせてダイレクト
に衣服のモデルも変形されるので、不自然な形状になる
ことがある。例えば、ワンピースの場合、標準体型(図
10(a))から腹部が出ている体型に変形すると、個
人体型に合わせて衣服を製作すれば図10(b)のよう
に胸と腹部を結ぶラインに近い形でスカート部のシルエ
ットが形成されるところが、図10(c)のようにワン
ピースの形状も腹部の部分が出たようになる。伸縮性の
高いワンピースで、かつ標準体型用に作られたものを、
腹部が出た人が着用すると図10(c)のようになる
が、イージーオーダー販売のように個人の体型に合った
衣服を製作する場合は図10(b)のようになる場合が
多いので、問題となる。
【0070】なお、本実施態様例ではモーフィング技術
としてFFD法を利用したが、これに限ることなく、例え
ば形状モデルを力学モデルに置き換えて、形状モデルの
内側から圧力をかけたときの形状を計算することによっ
て形状モデルを変形してもよい。圧力による形状モデル
の変形方法としては、例えばG.Celniker, D.Gossard;De
formable Curve and Surface Finite-Elements for Fre
e-Form Shape Design, Computer Graphics, Vol.25, N
o.4, 1991の方法が適用できる。
【0071】[実施態様例2]次に、本発明の第2の実施
態様例における人体モデル情報記憶手段(111)と物
体形状変形手段(114)について説明する。本発明の
第2の実施態様例は、本発明の第1の実施態様例の欠点
である、腕がついている人体モデルの場合に不自然に腕
が変形したり、ポーズが複雑な場合に格子制御点の配置
が困難なこと、変形パラメータと制御点の移動量の対応
データ作成に手間を要するという点を解消するためのも
のである。
【0072】人体モデル情報記憶手段(111)(物体
概略形状データ記憶手段、内部物体概略形状データ記憶
手段あるいは外部物体予測用概略形状データ記憶手段)
には、標準体型の人体モデルと、物体の変形用情報が含
まれる。本実施態様例の標準体型の人体モデルを、図3
に示す。物体の変形用情報としては、図11に示すよう
な、標準体型の人体モデルの概略形状を表す形状データ
(物体概略形状データあるいは内部物体概略形状データ
あるいは外部物体予測用概略形状データ。以下制御用ボ
ディと呼ぶ)と、変形パラメータと制御用ボディの各要
素の頂点(以下、制御点と呼ぶ)の移動量の関係を表す
関数(以下、制御点移動関数と呼ぶ)がある。制御用ボ
ディは、標準体型に近い人間やマネキンから、必要な特
徴点(乳頭位やウエスト位など)の位置を測定して、測
定結果をもとにそれらの特徴点の座標を計算して作成す
ればよい。あるいは、多数の人体の測定結果から必要な
特徴点の位置の平均を求め、それらの特徴点の平均値を
もとに特徴点の座標を求め、制御用ボディを作成しても
よい。あるいは、例えば図3に示すような、人体モデル
から標準体型の特徴点を抽出して制御点を設定して作成
してもよい。制御用ボディの作成は、汎用3次元CAD
システムなどの利用すると効率的におこなえる。変形パ
ラメータと制御用ボディの各制御点の移動量の関係を表
す関数は、多数の人体の測定データを統計処理すること
によって求める。制御用ボディの制御点は、例えば乳頭
位置や腋点、腰点、指先点など人体の特徴となる点なの
で、人体の計測によってこれらの位置を求めることは難
しくない。
【0073】物体の変形用情報として、上記のように制
御用ボディと制御用ボディの各要素の頂点の移動量の関
係を表す関数を用いる代わりに、制御用ボディのデータ
を変形パラメータと制御用ボディの制御点の位置の関係
を表す関数の集合としてもよい。この場合、変形パラメ
ータの値を関数に代入すれば、入力した変形パラメータ
に対応する制御用ボディの形状が直接計算できる。
【0074】制御用ボディの各制御点の移動量を表す関
数や、変形パラメータと制御点の位置の関係を表す関数
は、統計処理の1つである回帰分析によって求めること
ができる。例えば、変形パラメータと制御点の1つであ
る乳頭点の位置関係を表す関数を求める場合、まず多数
の人体データから、変形パラメータ(本実施態様例で
は、身長(HI)、肩幅(SB)、バスト(BT)、ウエスト(WT)、
ヒップ(HP))と乳頭部の3次元座標値(x、y、z)
(ここで、xは人体の幅方向、yは人体の奥行き方向、
zは人体の高さ方向とする)を抽出する。そして、乳頭
部の3次元座標値と変形パラメータの関数X,Y,Zを、 X=Ax*HI+Bx*SB+Cx*BT+Dx*WT+Ex …(式1) Y=Ay*HI+By*SB+Cy*BT+Dy*WT+Ey …(式2) Z=Az*HI+Bz*SB+Cz*BT+Dz*WT+Ez …(式3) と仮定して、回帰分析により係数Ax,Bx,Cx,Dx,Ex,Ay,B
y,Cy,Dy,Ey,Az,Bz,Cz,Dz,Ezをもとめればよい。なお、
回帰分析によって変形パラメータと特徴点の座標値の相
関を確認し、相関が低い変形パラメータは関数から削除
した方が良い結果が選られる場合が多い。人体の特徴点
には、直接測定することが容易なものと難しいものがあ
り、乳頭位は直接測定することが難しい特徴点の1つで
あるが、本実施態様例ではこのような直接測定すること
が難しい特徴点については、人体を正面と側面から撮影
した写真を利用して3次元座標値を測定した。このよう
に写真を使う方法の他に、3次元測定器を利用する方法
も考えられる。
【0075】ところで、本発明者の知見によれば、人体
データの件数が十分でない場合や、人体データが十分で
あっても変形パラメータとの相関が低い特徴点の場合、
経験に基づいて関数の形を決めた上で回帰分析によって
変形パラメータにかかる係数を決めて、関数を求める方
が良い場合が多い。特に、バスト、ウエスト、ヒップと
いった変形パラメータは周長を表すものであり、それだ
けではバスト、ウエスト、ヒップ位置における人体の幅
と奥行きの比率は一意に決まらないので、これらの変形
パラメータ測定ライン付近の特徴点の(x、y)の座標
値と変形パラメータとの相関は低くなり、誤差が大きく
なる場合が多い。例えば、変形パラメータとしてバスト
80cmと入力した時、制御用ボディのバストが90c
mになってしまうことが起こる。あるいは、バスト80
cmで一定としてその他の変形パラメータを変えた時
に、制御用ボディのバストがバスト以外の変形パラメー
タの値によって70cmになったり90cmになったり
することが起こる。変形パラメータとしてバストの値を
指定した以上、制御用ボディのバストの値は変形パラメ
ータとして与えたバストと一致することが好ましいこと
は言うまでもない。この問題を解決するには、例えば、
まず変形パラメータと人体の幅と奥行きの比率の関係を
表す関数を求め、次に人体の幅および奥行きと特徴点と
の関係を求め、それらを合成して関数を決めればよい。
この方法を、バストの測定ライン付近の特徴点の1つで
ある乳頭点の(x、y)と変形パラメータの関係を表す
関数の求め方を例に説明する。まず、人体の幅方向と奥
行き方向の比率と変形パラメータの関係を表す式G(GX,G
Y)の係数Ax',Bx',Cx',Dx',Ex',Ay',By',Cy',Dy',Ey'を
回帰分析によって求める。
【0076】 GX=Ax'*HI+Bx'*SB+Cx'*BT+Dx'*WT+Ex' …(式4) GY=Ay'*HI+By'*SB+Cy'*BT+Dy'*WT+Ey' …(式5) (式4)(式5)は、同じバストでもバスト測定ライン
における人体の幅と奥行きは人によって異なり、それが
変形パラメータと何らかの相関があると仮定した形とな
っている。例えば同じバストの人でも、肩幅が広い人と
肩幅が狭い人がいた場合、前者はバスト測定ラインにお
ける人体の幅がより大きいと推測されるし、後者はバス
ト測定ラインにおける人体の幅が小さいかわりに人体の
奥行きがより大きいと推測されるが、(式4)(式5)
はこのような関係を表すものである。次に、(式4)
(式5)に多数の人体の変形パラメータを代入し、GX,
GYの平均値を求める。GX, GYの平均値を GXavg, GYavg
とする。そして、乳頭点のx座標、y座標の値を表す関
数X', Y'を X'=Hx*GXavg*BT+Ix …(式6) Y'=Hy*GYavg*BT+Iy …(式7) と仮定して、係数Hx,Ix,Hy,Iyを求める。これらの係数
は、多数の人体のバストと、乳頭点のX座標およびY座標
を回帰分析することによって求めることができる。(式
6)(式7)では、X', Y'の値はバストのみの関数とな
っている。GX, GYの値は、変形パラメータによってそれ
ほど大きく変化しなければ、次のように(式4)〜(式
7)を合成して、変形パラメータと乳頭点のx座標、y
座標の値を表す関数X'', Y''を求めることができる。
【0077】 X''=Hx*GX*BT+Ix …(式8) Y''=Hy*GY*BT+Iy …(式9) このようにして求めた(式8)(式9)を(式1)(式
2)の代わりに使えば、例えば変形パラメータとして与
えたバストの値と制御用ボディのバストの値の誤差をよ
り小さくすることができる。GX, GYの値がGXavg, GYavg
より大きく異なる場合は、(式8)(式9)でも誤差が
でるので、さらに関数の形を工夫するか、あるいはGX,G
Yの値をいくつかのグループ、例えば人体の幅が広いグ
ループ、幅が中程度のグループ、幅が狭いグループに分
け、それぞれのグループごとにHx,Hy, Ix, Iyを決めて
もよい。
【0078】物体形状変形手段(114)には、人体モ
デル情報記憶手段(111)の情報を利用して、顧客の
体型に合わせて人体モデルや衣服の形状モデルを変形す
る機能がある。この機能について、図12のフローチャ
ートを用いて説明する。本実施態様例では、制御用ボデ
ィおよび変形対象となる形状モデルは、3角形要素から
なるポリゴンデータとした。以下、3角形要素を単に要
素と呼び、要素を構成する3つの接点(3角形要素の各
頂点に相当する)を単に接点と呼ぶ。
【0079】ステップ1201において、変形対象とな
る形状モデル(標準体型の人体モデル、またはマスター
型紙のデータを使って初期形状モデルを作成し標準体型
の人体モデルに対して着装計算した衣服の形状モデル)
を入力する。(以下、変形対象となる形状モデルを変形
対象モデルと呼ぶ。) ステップ1202において、変形対象モデルの各接点が
制御を受ける制御用ボディの要素を求める。すなわち、
後のステップで制御用ボディの各要素の変形に合わせて
変形対象モデルの各接点を移動するが、変形対象モデル
の各接点をどの制御用ボディの要素の変形量に合わせて
移動するかを求める。本実施態様例では、変形対象モデ
ルの接点と制御用ボディの要素との距離を計算し、変形
対象モデルの各接点について、最も距離が小さい制御用
ボディの要素を、前記変形対象モデルの各接点が制御を
受ける要素とした。
【0080】ステップ1203において、キーボード
(102)やマウス(103)を用いて、変形パラメー
タ(バスト、ウエスト、ヒップ、身長)を入力する。
【0081】ステップ1204において、ステップ12
03で入力された変形パラメータにしたがって、人体モ
デル情報記憶手段(111)に記憶された標準体型の制
御用ボディ(以下、標準制御用ボディと呼ぶ)を変形し
た制御用ボディ(以下、変形制御用ボディと呼ぶ)を作
成する。標準制御用ボディの変形は、人体モデル情報記
憶手段(111)に記憶された制御点移動関数に変形パ
ラメータを代入して変形制御用ボディの各制御点の位置
座標を求めることによっておこなう。なお、本実施態様
例では、変形パラメータを使って形状変形後の制御用ボ
ディを求めたが、例えば変形パラメータの代わりに変形
前後の制御用ボディの変形量(標準体型の制御用ボディ
の制御点に対する変形後の制御用ボディの制御点の差
分)を直接入力して変形後の制御用ボディを作成しても
よい。また、変形後の制御用ボディをたとえば顧客の採
寸データなどからあらかじめ作成しておいて、変形パラ
メータによって変形後の制御用ボディを作成する代わり
に使用してもよい。
【0082】ステップ1205において、標準制御用ボ
ディと変形制御用ボディから形状モデルの各接点の移動
量を計算し、変形後の形状モデル(以下、変形形状モデ
ルと呼ぶ)を作成する。形状モデルの接点の移動量の計
算方法については、後で詳しく説明する。このようにし
て、標準体型の人体モデルや、標準体型の人体モデルと
マスター型紙のデータを使って着装計算によって求めた
衣服の形状モデルを、個人体型に合わせて近似的に変形
するので、個人体型にあわせて型紙を変形して着装計算
しなおすのに比較して、短時間で体型変更が可能であ
る。計算機の能力にもよるが、汎用的なパーソナルコン
ピュータを用いた本実施態様例の場合、物体形状の変形
に要する時間は数秒であり、イージーオーダー販売等に
おいて顧客が待てる時間内に顧客の体型を反映するよう
人体モデルや衣服の形状モデルを変形することができ
る。また、ポーズが複雑であったり、腕がついている人
体モデルの場合にも、容易に適用ができる。
【0083】次に、形状モデルの接点の移動量の計算方
法について、図13のフローチャートと、図14の図形
を用いて説明する。
【0084】移動対象となる形状モデルの接点の位置ベ
クトルをP=[Px, Py, Pz]、移動後の接点の位置ベクトル
をP'=[P'x, P'y, P'z]とする。接点Pが制御を受ける標
準制御用ボディの要素をE、該要素に対応する変形制御
用ボディの要素(つまり要素Eの変形後の要素)をE'と
する。要素Eを構成する3接点の位置ベクトルをそれぞ
れC1, C2, C3とする。要素E'を構成する3接点の位置ベ
クトルをそれぞれC1', C2', C3'とする。ただし、接点C
1'は接点C1の変形後の接点とし、以下同様に接点C2'は
接点C2の、接点C3'は接点C3の変形後の接点とする。接
点Pと要素Eの最短距離となる要素E上の点の位置ベクト
ルをHとし、Hに対応するE'における点の位置ベクトルを
H'とする。本実施態様例では、制御用ボディ上に3次ス
プラインからなる曲面を定義して、形状モデルの接点の
移動量を計算するが、要素Eの3接点C1, C2, C3を通る
3次スプライン曲面をS、要素E'の3接点C1', C2', C3'
を通る3次スプライン曲面をS'とする。形状モデルの接
点Pと要素E上の点Hを通る直線と曲面Sの交点の位置ベク
トルをQとし、交点Qに対応するE'における点の位置ベク
トルをQ'する。
【0085】ステップ1301において、形状モデルの
接点Pと要素Eの最短距離となる要素E上の点Hを求める。
ここで、Hは通常Pから要素Eにおろした垂線の足となる
が、接点Pと要素Eの位置関係によっては、接点Pから要
素Eを構成する3辺のいずれかにおろした垂線の足にな
る場合もあるし、要素Eを構成する3接点C1,C2,C3のい
ずれかに一致する場合もある。なお、点Hの位置の計算
は、物体形状変形手段(114)のステップ1202に
おいて、変形対象モデルの各接点が制御を受ける制御用
ボディの要素を求めるときに計算しておいてもよい。
【0086】ステップ1302からステップ1305
は、要素Eの3接点C1, C2, C3を通る3次スプライン曲
面をSの式を求めるものである。
【0087】ステップ1302において、曲面Sの接点C
1, C2, C3における法線ベクトルを求める。本実施態様
例では計算を簡単にするため、各接点における法線ベク
トルは、各接点に隣接する要素の法線ベクトルの平均値
とした。例えば、図15において、接点Ci(i=1,2,3)の
隣接要素がE1, E2, …, Ej, …, En(j=1,2,…,n)とす
る。また、要素Ejの接点Ci(すなわち、三角形要素Ejの
頂点Ci)の内角の大きさをθj(度)とする。また、要
素Ejの法線ベクトルをNjとする。このとき、接点Ciにお
ける曲面Sの法線ベクトルNCiは、 によって計算する。
【0088】ステップ1303において、曲面Sの接点C
1, C2, C3を通る3つの境界曲線の、接点C1, C2, C3に
おける接線ベクトルを求める。以下接点C1, C2を通る境
界曲線の接点C1における接線ベクトルを例にとって、接
線ベクトルの計算方法を説明する。接点C1から接点C2へ
の方向ベクトルをC12とする。ここで、C12は、 C12 = C2 - C1 ……(式11) で計算できる。すでに、ステップ1302において、接
点C1における曲面Sの法線ベクトルがNC1と計算されてい
る。このとき、接点C1における接線ベクトルをA12_1と
すると、接線ベクトルA12_1は、ベクトルNC1とベクトル
C12とで定義される平面上のベクトルと定義すると、 A12_1 = C12 + k * NC1 ……(式12) と書ける。(kはスカラー値。) 一方、接線ベクトルA
12_1は接点C1における法線ベクトルNC1に垂直なので、A
12_1とNC1の内積は0になる。つまり、 A12_1・NC1 = 0 ……(式13) となる。したがって、 k = - NC1・C12 / |NC1|2 ……(式14) となり、A12_1は(式14)を(式12)に代入するこ
とにより計算することができる。同様に、接点C1, C2を
通る境界線の接点C2における接線ベクトルA12_2、接点C
2, C3を通る境界線の両接点における接線ベクトルA23_
2, A23_3、接点C3, C1を通る境界線の両接点における接
線ベクトルA31_3, A31_1が計算できる。
【0089】ステップ1304において、曲面Sの接点C
1, C2, C3を通る3つの境界曲線を求める。境界曲線
は、本実施態様例では3次スプライン曲線とした。以
下、接点C1, C2を通る境界曲線を例にとって、境界曲線
の計算方法を説明する。まず、境界曲線の式を、 F(t) = B3 * t3 + B2 * t2 + B1 * t + B0 ……(式15) と定義する。ここで、F(t)=[x(t), y(t), z(t)] は、t
(tは、0≦ t ≦ 1)をパラメータとするベクトルで表
された関数である。Bi(i=1,2,3)はxyzの成分をもつ係
数ベクトルで、Bi=[Bix, Biy, Biz]と書ける。F(t)の接
線ベクトルは、F(t)をtで微分することによって求めら
れる。F(t)のtに関する微分をF'(t)とすると、 F'(t) = 3 * B3 * t2 + 2 * B2 * t + B1 ……(式16) となる。さて、(式15)に対する条件として、F(t)が
接点C1, C2を通るという条件と、F(t)の接点C1, C2にお
ける傾きがそれぞれ接点C1, C2における接線ベクトルA1
2_1, A12_2であるという条件から、 F(0) = B0 = C1 ……(式17) F(1) = B3 + B2 + B1 + B0 = C2 …… (18) F'(0) = B1 = A12_1 ……(式19) F'(1) = 3 * B3 + 2 * B2 + B1 = A12_2 ……(式20) の4つの連立方程式から、B1, B2, B3, B4が計算でき
る。このようにして、各境界曲線の式(3次スプライン
関数)が求まる。
【0090】ステップ1305において、曲面Sの3つ
の境界曲線をブレンドして、曲面S上の点Qの位置ベクト
ルを計算する。点Qの位置ベクトルは次のようにして求
める。図16は要素Eを表しているが、点Hから要素Eの
各辺におろした垂線の足の位置ベクトルをU1、U2、U3と
する。また要素Eで定義される曲面Sの境界曲線上の点で
U1, U2, U3に対応する点の位置ベクトルをそれぞれV1,
V2, V3とする。ここで、Vi (i=1,2,3)は、UiからViへの
方向ベクトルがUiが属する要素Eの辺と垂直となる点で
ある。例えば接点C2,C3上に点U1があるとき、V1は次の
ように計算できる。接点C2からC3への方向ベクトルをC2
3と定義する。V1は、パラメータtを用いて、ステップ1
304において求めた境界曲線の式から、 V1 = F(t) ……(式21) と定義できる。V1からU1への方向ベクトルと、方向ベク
トルC23は垂直なので、それらの内積は0となる。つま
り、 (U1 - V1)・C23 = 0 ……(式22) となる。(式21)と(式22)からパラメータtが計
算でき、そのパラメータtを使って位置ベクトルV1が計
算できる。同様にV2, V3も計算できる。V1, V2, V3が計
算できると、各境界曲線をブレンドするわけだが、本実
施態様例では次の式によって境界曲線をブレンドして、
点Qの位置ベクトルを求めた。
【0091】 Q = (V1*h2*h3 + V2*h3*h1 + V3*h1*h2) / (h1*h2+h2*h3+h3*h1) ……23 (式) ここで、h1は点Hから点U1までの距離であり、以下同様
にh2は点Hから点U2までの、h3は点Hから点U3までの距離
である。
【0092】ステップ1306において、要素Eにおけ
る点Hの要素E'に対応する点H'の位置ベクトルを求め
る。位置ベクトルH'は、要素Eの接点の位置ベクトルC1,
C2,C3と要素E'の接点の位置ベクトルC1',C2',C3'から次
の計算式によって求める。
【0093】 H' = H + △H ……(式24) △H = {(C1'-C1)*s1 + (C2'-C2)*s2 + (C3'-C3)*s3}/(s1+s2+s3) …… (式25) ここで、s1は点H, C2, C3から構成される3角形の面積
であり、同様にs2は点H,C3, C1から構成される、s3は点
H, C3, C1から構成される3角形の面積である。
【0094】ステップ1307から1310は、要素E'
の3接点C1', C2', C3'を通る3次スプライン曲面S'を
求めるものである。
【0095】ステップ1307において、曲面S'の接点
C1', C2', C3'における法線ベクトルを求める。これら
の法線ベクトルは、ステップ1302の曲面Sの接点C1,
C2,C3における法線ベクトルの計算方法を説明したが、
同様の方法で計算できる。
【0096】ステップ1308において、曲面S'の接点
C1', C2', C3'を通る3つの境界曲線の、接点C1', C2',
C3'における接線ベクトルを求める。これらの接線ベク
トルは、ステップ1303と同様の方法で計算できる。
【0097】ステップ1309において、曲面S'の接点
C1', C2', C3'を通る3つの境界曲線を求める。これら
の境界曲線は、ステップ1304と同様の方法で求める
ことができる。
【0098】ステップ1310において、曲面S'の3つ
の境界曲面をブレンドして、曲面S'上の点Q'の位置ベク
トルを計算する。点Q'の位置ベクトルは、ステップ13
05と同様の方法で計算することができる。
【0099】ステップ1311において、形状モデルの
接点Pの移動後の点P'の位置ベクトルを求める。点P'の
位置ベクトルは、次の計算式によって求める。
【0100】P' = Q' + (P - Q) ……(式26) この式は、形状モデルの接点Pと制御用ボディの曲面上
の点Qの位置関係は保存されると仮定して、点Qが点Q'に
移動した移動量でP'の位置を近似していることを意味す
る。物体形状変形手段(114)によって人体モデルを
変形する場合、制御用ボディは人体モデルの概略形状な
ので、(式26)の P-Q の項は小さいものとなるた
め、(式26)で近似しても良い結果となる。この場
合、(式26)による近似の誤差は、制御用ボディと人
体モデルとの一致度が高いほど、小さくなる。物体形状
変形手段(114)によって衣服の形状モデルを変形す
る場合、一般に個人体型に合わせた衣服を作るときには
人体と衣服のゆとり分は同じ程度となるように個人体型
型紙を作成し、個人体型に合った衣服を製造する。ゆと
り分は(式26)の P-Q の項に相当するので、(式2
6)で衣服の形状モデルの変形を近似しても良い結果と
なる。しかも、上述したように形状モデルの接点の移動
量の計算は、力学計算によって衣服の形状を着装計算す
るのに比較して遙かに簡単なので、短時間で個人体型を
反映した衣服の形状モデルを作成することができる。
【0101】本発明者らの知見によれば、本実施態様例
の手法を、体への密着性が高い衣服(例えばボディコン
シャスのドレスや、タイトスカート、タイトパンツな
ど)や、トップス(ジャケットやブラウスなど)に適用
する場合、良好な結果が得られる。しかし、体との密着
性が低いボトムス(例えばフレアスカートなど)や丈の
長い衣服(例えばワンピースやコートなど)に適用する
と、人体モデルの変形量に合わせてダイレクトに衣服の
モデルも変形されるので、実施態様例1の欠点と同様
に、不自然な形状になることがある。これは、本実施態
様例では、衣服のゆとり量は個人体型に合わせた衣服で
も一定と仮定して近似計算しているが、体との密着性が
低いボトムスの場合、衣服のゆとり量が一定にならない
ケースがあるためである。例えば、ワンピースなどの衣
服の場合、例えば腹部が出ている人に合わせて製造した
ワンピースでは、胸と腹部を結ぶラインに近い形でスカ
ート部のシルエットが形成される。すなわち、スカート
部のゆとり量は、標準体型のワンピースのゆとり量に比
較して、大きくなる。したがって、このような衣服に本
手法を適用する場合、注意が必要である。
【0102】なお、本実施態様例では制御ボディー上に
3次スプライン曲面からなる曲面を定義して形状モデル
の接点の移動量を計算したが、例えば制御ボディーは平
面から構成されると過程して、線形近似によって形状モ
デルの接点の移動量を計算してもよい。線形近似によっ
て形状モデルの接点の移動量を計算する方法は、本実施
態様例のように曲面を定義して計算する方法に比較し
て、さらに計算時間を短くすることができる。反面、変
形量が大きくなると、変形後の形状モデルがなめらかな
曲面とならず角張った形状になる場合がある。
【0103】[実施態様例3]次に、本発明の第3の実施
態様例における人体モデル情報記憶手段(111)と物
体形状変形手段(114)について説明する。本発明の
第3の実施態様例は、本発明の第1および第2の実施態
様例の欠点である、体との密着性が低いボトムス(例え
ばフレアスカートなど)や丈の長い衣服(例えばワンピ
ースやコートなど)に適用した場合に不自然な形状にな
る場合がある点を解消するため、本発明の第2の実施態
様例の手法を拡張したものである。
【0104】人体モデル情報記憶手段(111)には、
標準体型の人体モデルと、物体の変形用情報が含まれ
る。物体の変形用情報としては、図11に示すような、
標準体型の人体モデルの概略形状を表す形状データ(以
下、人体制御用ボディと呼ぶ)と、図17に示すよう
な、人体制御用ボディのうちある制御点より下(重力方
向側あるいは足先方向側)は該制御点の重力方向側への
平行移動によって作成された形状データ(外部物体予測
用概略形状データ。以下、ドレス制御用ボディと呼ぶ)
と、変形パラメータと人体制御用ボディおよびドレス制
御用ボディの各制御点の移動量の関係を表す関数(以
下、制御点移動関数と呼ぶ)がある。前述したドレス制
御用ボディを作成するための人体制御用ボディのうちの
ある制御点としては、腹部の一番前に出たところ(一般
に、腹部最前突部と呼ばれる)の制御点、臀部の一番後
ろに出たところ(一般に、臀部突出点と呼ばれる)の制
御点、臀部の左右の最外側突出部の制御点、およびそれ
らの制御点の間にある制御点とした。これらの制御点
は、見方を変えると、ウエストライン(所定の位置の
例)よりも重力方向側における、人体の最外突出部と言
える。これらの最外突出部が人体を重力方向側に射影し
たときの外縁部を形成することになる。以下これらの制
御点を、ヒップライン付近の制御点と呼ぶ。制御点移動
関数は、多数の人体の測定データを統計処理することに
よって求める。
【0105】物体形状変形手段(114)には、人体モ
デル情報記憶手段(111)の情報を利用して、顧客の
体型に合わせて人体モデルや衣服の形状モデルを変形す
る機能がある。物体形状変形手段(114)の機能は、
ほとんど前述した第2の実施態様例と同じであるが、変
形対象となる形状データが人体モデルの場合は、制御用
ボディとして人体制御用ボディを使用し、変形対象とな
る形状データが衣服の形状モデルの場合は、制御用ボデ
ィとしてドレス制御用ボディを使用するところが異な
る。
【0106】このようにして、衣服の形状モデルを変形
する時にドレス制御用ボディを使用すれば、ヒップライ
ン付近より下の変形量はヒップライン付近における変形
量と同じになる。人間の体は、一般にヒップライン付近
における最大突出部より下(足先方向)は最大突出部を
越えるような突出部はないため、体への密着性の低い衣
服のヒップライン付近より下の形状は、ヒップライン付
近の最大突出部で拘束されて、重力によってシルエット
が形成されたものとなる。したがって、衣服の形状モデ
ルを変形するときにドレス制御用ボディを使えば、体と
の密着性が低いボトムス(例えばフレアスカートなど)
や丈の長い衣服(例えばワンピースやコートなど)に適
用した場合にも、シルエットを再現可能となる。図18
(a)に、第2の実施態様例の方法で形状変形した人体
モデルおよびワンピースの形状モデルを、図18(b)
に第3の実施態様例の方法で形状変形した人体モデルお
よびワンピースの形状モデルを示す。
【0107】本実施態様例では、衣服の形状モデルの変
形にはドレス制御用ボディを使用したが、例えば体との
密着性が高い衣服の形状モデルを変形する場合は、衣服
の形状モデルの変形にも人体制御用ボディを使用し、体
との密着性が低い衣服の形状モデルを変形する場合は、
衣服の形状モデルの変形にドレス制御用ボディを使用す
る、というように制御用ボディを使い分けても良い。ま
た、衣服の形状をさらに細かくグループ分けし、ドレス
制御用ボディを各衣服の形状グループごとにより適した
ものにして、衣服の形状グループごとにドレス制御用ボ
ディを使い分けても良い。また、本実施態様例では、ド
レス制御用ボディは、ウエスト位置より重力方向につい
ては、人体の最外突出部を制御点とし、その制御点を重
力方向に平行移動することによって作成された形状デー
タとしたが、ウエスト付近での絞りのない衣服(例えば
Aラインのドレスや、アンプル・ラインのドレスなど)
の場合は、頭の位置より下(つまり、人体モデルの全
体)について人体の最外突出部を制御点として、その制
御点を重力方向に平行移動することによって作成された
形状データとすれば良い場合もある。
【0108】本発明の第1〜第3の実施態様例では、人
体や衣服の形状モデルを顧客の体型に合わせて変形する
方法について説明したが、本発明の形状データの作成方
法は衣服を重ね着したときの厚みの補正にも適用可能で
ある。この場合、重ね着したときの厚みに応じて、制御
用ボディが大きくなるように各制御点を移動すればよ
い。
【0109】以上、本発明を衣服のイージーオーダーに
適用した例について説明したが、これに限ることなく、
例えば車のカバーなどのシート状物に適用すれば、車種
が変わったときのカバーの形状を簡単に確認することが
でき、顧客が確認した仕様にもとづいて製品を製造すれ
ば、顧客のイメージどおりの製品を製造できる。あるい
は帽子のオーダーメードに適用すれば、頭の形状が変わ
ったときの帽子の形状を簡単に確認することができ、顧
客が確認した仕様にもとづいて帽子を製造すれば、顧客
のイメージどおりの帽子が製造できる。また、本実施態
様例における形状データの作成装置をインターネットや
CATVを利用して遠隔地から操作可能にすれば、イン
ターネットやCATVを利用した通信販売にも適用可能
である。
【0110】以上のような物体データの作成方法によっ
て作成した物体データを可視化し、仮想試着あるいは仮
想試作した物品のイメージを表示することにより物品の
最終仕様を決定し、決定した仕様に基づいて物品を製造
するようにすれば、実際に試着したり試作したりする手
間なくイメージどおりの物品を製造することができる。
【0111】上述のごとく、上記実施態様例の形状デー
タの作成方法は、コンピュータとこれを動作させるプロ
グラム等によって実現されている。上記のごときプログ
ラムおよび各種記憶手段のデータはフロッピーディス
ク、CD−ROM等の有形記憶媒体あるいは有線もしく
は無線のネットワーク等の伝送手段等によって流通され
る。
【0112】
【発明の効果】このように本発明によれば、1つの物体
の形状データから、該物体を変形したときの物体の形状
データを簡単かつ短時間に作成する方法および装置を提
供することができる。
【0113】また、本発明によれば、内部物体が変形し
たときの内部物体を包むあるいは覆う外部物体の形状デ
ータを簡単かつ短時間に作成する方法および装置を提供
することができる。
【0114】また、本発明によれば、上記のような物体
の形状データの作成方法あるいは装置を用いて物品の仕
様を顧客のイメージ通りに決定し、その結果に基づいて
顧客のイメージ通りの物品を製造することができる物品
の製造方法を提供することができる。
【0115】また、本発明によれば、上記のような物体
の形状データの作成方法あるいは装置を用いて衣料・服
飾品の仕様を顧客のイメージ通りに決定し、その結果に
基づいて顧客のイメージ通りの衣料・服飾品を製造する
ことができる衣料・服飾品の製造方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様例の構成を示すブロック
図である。
【図2】 本発明の一実施態様例の衣服の形状モデルの
例である。
【図3】 本発明の一実施態様例の標準体型の人体モデ
ルである。
【図4】 本発明の一実施態様例の物品モデル選択画面
である。
【図5】 本発明の一実施態様例の物品モデル選択画面
の一表示例である。
【図6】 本発明の一実施態様例の動作の概要を示すフ
ローチャートである。
【図7】 本発明の第1の実施態様例の人体モデルであ
る。
【図8】 本発明の第1の実施態様例の格子制御点であ
る。
【図9】 本発明の第1の実施態様例の形状変形の例で
ある。
【図10】 本発明の一実施態様例のワンピースの形状
変形の例である。
【図11】 本発明の第2の実施態様例の制御用ボディ
である。
【図12】 本発明の第2の実施態様例の物体形状変形
手段の動作のフローチャートである。
【図13】 本発明の第2の実施態様例の形状モデルの
接点の移動量の計算方法を示すフローチャートである。
【図14】 本発明の第2の実施態様例の形状モデルの
接点の移動量の計算方法を説明するための図である。
【図15】 本発明の第2の実施態様例の形状モデルの
接点の移動量の計算方法を説明するための図である。
【図16】 本発明の第2の実施態様例の形状モデルの
接点の移動量の計算方法を説明するための図である。
【図17】 本発明の第3の実施態様例のドレス制御用
ボディである。
【図18】 本発明の第2、第3の実施態様例のワンピ
ースの形状変形の例である。
【図19】 本発明の一実施態様例の着衣順序に関する
知識記憶手段に記憶された情報の例である。
【符号の説明】
101…パーソナルコンピュータ 102…キーボード 103…マウス 104…ディスプレー 105…プリンタ 106…ハードディスク装置 107…物品モデル情報記憶手段 108…物品画像情報記憶手段 109…物品属性情報記憶手段 110…素材情報記憶手段 111…人体モデル情報記憶手段 112…着衣順序に関する知識記憶手段 113…物品モデル選択支援手段 114…物体形状変形手段 115…物品個別仕様部品選択支援手段 116…素材選択支援手段 117…素材色柄設定支援手段 118…色柄設定画像表示手段 119…色柄設定画像印刷手段

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体の形状を表す物体形状データと、該
    物体の概略形状を表す物体概略形状データと、前記物体
    の概略形状を変形させた時の物体概略形状データまたは
    変形量データとを入力し、変形前の物体概略形状データ
    および変形後の物体概略形状データにもとづいて物体が
    変形したときの物体形状データを近似的に計算し、前記
    物体の変形後の形状データを作成することを特徴とする
    物体の形状データの作成方法。
  2. 【請求項2】 内部物体の外部にあって少なくとも一部
    が前記内部物体表面に密着または近接する外部物体の形
    状を表す外部物体形状データと、前記内部物体が変形し
    たときの外部物体の形状を予測するための概略形状であ
    って前記内部物体に対応した外部物体予測用概略形状デ
    ータと、前記内部物体の変形に合わせて前記外部物体予
    測用概略形状を変形させた時の形状データまたは変形量
    とを入力し、変形前の外部物体予測用概略形状データお
    よび変形後の外部物体予測用概略形状データにもとづい
    て前記外部物体が前記外部物体予測用概略形状の変形に
    応じて変形したときの形状データを近似的に計算し、前
    記外部物体の変形後の形状データを作成することを特徴
    とする物体の形状データの作成方法。
  3. 【請求項3】 内部物体の形状をあらわす内部物体形状
    データと、内部物体の外部にあって少なくとも一部が前
    記内部物体表面に密着または近接する外部物体の形状を
    表す外部物体形状データと、内部物体および外部物体の
    周囲に配置した制御格子点データとを入力し、制御格子
    点の位置を移動させ、前記制御格子点の移動量にもとづ
    いて内部物体および外部物体を変形させたときの形状デ
    ータを作成することを特徴とする物体の形状データの作
    成方法。
  4. 【請求項4】 物体の形状を表す物体形状データと、該
    物体の概略形状を表す物体概略形状データと、変形前後
    の物体の変形パラメータとを入力し、前記入力された物
    体の変形パラメータをもとに前記物体概略形状を変形し
    た物体概略形状データを作成し、変形前の物体概略形状
    データおよび変形後の物体概略形状データにもとづいて
    物体が変形したときの物体形状データを近似的に計算
    し、前記物体の変形後の形状データを作成することを特
    徴とする物体の形状データの作成方法。
  5. 【請求項5】 内部物体の外部にあって少なくとも一部
    が前記内部物体表面に密着または近接する外部物体の形
    状を表す外部物体形状データと、前記内部物体が変形し
    たときの外部物体の形状を予測するための概略形状であ
    って前記内部物体に対応した外部物体予測用概略形状デ
    ータと、変形前後の内部物体の変形パラメータを入力
    し、前記入力された内部物体の変形パラメータとをもと
    に前記外部物体予測用概略形状を変形した外部物体予測
    用概略形状データを作成し、変形後の外部物体予測用概
    略形状データにもとづいて外部物体が前記内部物体の変
    形に応じて変形したときの形状データを近似的に計算
    し、前記外部物体の変形後の形状データを作成すること
    を特徴とする物体の形状データの作成方法。
  6. 【請求項6】 内部物体の形状をあらわす内部物体形状
    データと、内部物体の外部にあって少なくとも一部が前
    記内部物体表面に密着または近接する外部物体の形状を
    表す外部物体形状データと、内部物体および外部物体の
    周囲に配置した制御格子点データと、変形前後の内部物
    体の変形パラメータとを入力し、前記内部物体の変形パ
    ラメータをもとに制御格子点の移動量を計算し、制御格
    子点の移動量に応じて内部物体および外部物体を変形さ
    せた形状データを作成することを特徴とする物体の形状
    データの作成方法。
  7. 【請求項7】 前記変形パラメータをもとに前記物体概
    略形状を変形する計算式は、回帰分析によって求めたも
    のであることを特徴とする、請求項4記載の物体の形状
    データの作成方法。
  8. 【請求項8】 前記変形パラメータをもとに前記内部物
    体予測用概略形状または前記外部物体予測用概略形状を
    変形する計算式は、回帰分析によって求めたものである
    ことを特徴とする、請求項5記載の物体の形状データの
    作成方法。
  9. 【請求項9】 前記物体は人体または人体モデルである
    ことを特徴とする、請求項1、4または7記載の物体の
    形状データの作成方法。
  10. 【請求項10】 前記内部物体は人体または人体モデル
    であり、前記外部物体は衣料・服飾品またはその部品で
    あることを特徴とする請求項2、3、5、6または8記
    載の物体の形状データの作成方法。
  11. 【請求項11】 前記外部物体は少なくとも一部にシー
    ト状物を含むものであり、前記外部物体予測用概略形状
    データのうち少なくとも前記内部物体の所定の位置より
    重力方向側にある前記内部物体各部に対応する部位につ
    いては、前記各部を重力方向側に射影したときの外縁部
    に対応する前記各部よりも重力の反対方向側にある部位
    については前記内部物体の概略形状とし、前記外縁部に
    対応する各部よりも重力方向側にある部位については前
    記内部物体の各部における外縁部を重力方向におのおの
    延長したときにできる形状の概略形状であることを特徴
    とする、請求項2、5または8記載の物体の形状データ
    の作成方法。
  12. 【請求項12】 数値計算によって求めた衣料・服飾品
    の形状データと、体型に関するデータを入力し、前記衣
    料・服飾品の形状を前記体型に関するデータに応じて変
    形した形状データを作成することを特徴とする、物体の
    形状データの作成方法。
  13. 【請求項13】 物体の概略形状を表す物体概略形状デ
    ータの記憶手段と、該物体概略形状データおよび前記物
    体の概略形状を変形させたときの物体概略形状データに
    もとづいて物体が変形したときの物体形状データを近似
    的に計算する物体形状変形手段とを有することを特徴と
    する、物体の形状データの作成装置。
  14. 【請求項14】 内部物体が変形したときの内部物体の
    外部にあって少なくとも一部が前記内部物体表面に密着
    または近接する外部物体の形状を予測するための概略形
    状である外部物体予測用概略形状データの記憶手段と、
    該外部物体予測用概略形状データおよび前記外部物体予
    測用概略形状を変形させたときの外部物体予測用概略形
    状データにもとづいて前記外部物体が前記外部物体予測
    用概略形状の変形に応じて変形したときの形状データを
    近似的に計算する外部物体形状変形手段とを有すること
    を特徴とする、物体の形状データの作成装置。
  15. 【請求項15】 内部物体の形状データの記憶手段と、
    該内部物体の外部にあって少なくとも一部が前記内部物
    体表面に密着または近接する外部物体の形状データの記
    憶手段と、前記内部物体の形状データおよび前記外部物
    体の形状データの周囲に配置した制御格子点の移動量に
    もとづいて内部物体および外部物体を変形させたときの
    形状データを作成する物体形状変形手段とを有すること
    を特徴とする、物体の形状データの作成装置。
  16. 【請求項16】 物体の概略形状を表わす概略形状デー
    タの記憶手段と、変形前後の前記物体の変形パラメータ
    にもとづいて前記概略形状を変形させたときの概略形状
    データを作成する概略形状変形手段と、変形前の物体概
    略形状データおよび変形後の物体概略形状データにもと
    づいて物体が変形したときの物体形状データを近似的に
    計算する物体形状変形手段とを有することを特徴とす
    る、物体の形状データの作成装置。
  17. 【請求項17】 内部物体の外部にあって少なくとも一
    部が前記内部物体表面に密着または近接する外部物体の
    形状を予測するための概略形状である外部物体予測用概
    略形状データの記憶手段と、内部物体が変形したときの
    変形前後の内部物体の変形パラメータにもとづいて前記
    外部物体予測用概略形状変形させ変形後の前記外部物体
    予測用概略形状データにもとづいて前記外部物体が前記
    内部物体の変形に応じて変形したときの形状データを近
    似的に計算する外部物体形状変形手段を有することを特
    徴とする、物体の形状データの作成装置。
  18. 【請求項18】 内部物体の形状データの記憶手段と、
    前記内部物体の外部にあって少なくとも一部が前記内部
    物体表面に密着又は近接する外部物体の形状データの記
    憶手段と、変形前後の内部物体の変形パラメータにもと
    づいて内部物体および外部物体の周囲に配置した制御格
    子点の移動量を計算する制御格子点移動手段と、制御格
    子点の移動量にもとづいて内部物体および外部物体を変
    形させたときの形状データを作成する物体形状変形手段
    を有することを特徴とする、物体の形状データの作成装
    置。
  19. 【請求項19】 数値計算によって求めた衣料・服飾品
    の形状データの記憶手段と、該衣料・服飾品の形状を体
    型に関するデータに応じて変形したときの形状データを
    作成する形状変形手段を有することを特徴とする、物体
    の形状データの作成装置体型に関するデータに応じて数
    値計算によって求めた衣料・服飾品の形状データを変形
    した形状データを作成する形状変形手段を有することを
    特徴とする、物体の形状データの作成装置。
  20. 【請求項20】 請求項1〜8および9〜11の物体の
    形状データの作成方法により物品の変形後の形状を予測
    し、前記変形後の物品形状にもとづいて物品の仕様を最
    終決定し、該最終決定された仕様にもとづいて物品を製
    造することを特徴とする、物品の製造方法。
  21. 【請求項21】 数値計算によって求めた衣料・服飾品
    の形状データと、体型に関するデータを入力し、前記衣
    料・服飾品の形状を前記体型に関するデータに応じて変
    形した形状データを作成して変形後の衣料・服飾品の形
    状を予測し、前記変形後の衣料・服飾品の形状にもとづ
    いて衣料・服飾品の仕様を最終決定し、該最終決定され
    た仕様にもとづいて衣料・服飾品を製造することを特徴
    とする、衣料・服飾品の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項1〜12のいずれかの物体の形
    状データの作成方法の各手順をコンピュータを用いて実
    施できるようにコンピュータを動作させるソフトウエア
    を記憶した記憶媒体。
  23. 【請求項23】 請求項20の物品の製造方法または請
    求項21の衣料・服飾品の製造方法によって製造された
    衣料服飾品。
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