JPH11236471A - ポリエチレン系樹脂成形材料及びそれよりなるフィルム - Google Patents

ポリエチレン系樹脂成形材料及びそれよりなるフィルム

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JPH11236471A
JPH11236471A JP5413398A JP5413398A JPH11236471A JP H11236471 A JPH11236471 A JP H11236471A JP 5413398 A JP5413398 A JP 5413398A JP 5413398 A JP5413398 A JP 5413398A JP H11236471 A JPH11236471 A JP H11236471A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面特性及び透明性に優れたフィルムを、広
い設定温度範囲で、かつ高い生産性で安定に製造できる
ポリエチレン系樹脂成形材料を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 メルトフローレートが0.2〜20g/
10分であり、密度が0.940g/cm3以下であ
り、190℃における溶融粘弾性測定において周波数
0.1rad/秒での溶融粘度Eta(0.1)と周波数1
00rad/秒での溶融粘度Eta(100)との比(Et
a(0.1)/Eta(100))が7〜12であるポリエチレン
系樹脂成形材料を用いてインフレーション成形によりフ
ィルムを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形可能な温度幅
が広く、様々な成形機や成形条件で成形することがで
き、かつ透明性に優れた成形品が得られるポリエチレン
系樹脂成形材料に関するものである。詳しくは、本発明
は、そのメルトフローレート(以下、MFRと略す)と
密度が一定範囲内にあり、且つ周波数0.1rad/秒
での溶融粘度と周波数100rad/秒での溶融粘度と
の比が一定範囲内にあるポリエチレン系樹脂成形材料、
およびそれよりなるフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン系樹脂を成形して得られる
フィルムは、袋用途を中心に様々な用途で大量に使用さ
れている。しかし、従来のポリエチレン系樹脂では、低
温で成形すると、シャークスキンと呼ばれるフィルム表
面の荒れが発生したり、成形機の樹脂圧力やモーター負
荷が上がり過ぎる等の現象が生じ、成形ができないか、
或いはかなり生産性を落とさなければ満足なフィルムが
得られないといった問題があった。また、高温で成形し
た場合には、インフレーション成形ではバブルが不安定
になり、Tダイ成形ではネックインが大きくなり過ぎる
といった問題があり、いずれも満足なフィルムが得られ
なかった。
【0003】一方、成形性に優れたエチレン・α−オレ
フィン共重合体に関する技術が、特開平6−30612
1号公報に提案されている。しかしながら、上記技術
は、本発明者らが知るところでは、従来のエチレン・α
−オレフィン共重合体に比べて高温成形でのバブルの安
定性には優れるものの、低温成形においてはフィルム表
面にシャークスキンが発生し、これを抑制するために吐
出量を低下させる必要があるなどの問題点があった。し
たがって、表面特性及び透明性に優れたポリエチレン系
樹脂製フィルムを、広い設定温度範囲で、しかも高い生
産性で製造できるポリエチレン系樹脂成形材料の開発が
強く望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生産性を犠
牲にすることなく、広い設定温度範囲で成形が可能であ
り、かつ透明性に優れる成形品を与えるポリエチレン系
樹脂成形材料を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、種々検討を行った結果、ある特定の特性
を満たすポリエチレン系樹脂成形材料を用いることによ
り、上記目的が達成されることを見出し、本発明に至っ
たものである。
【0006】すなわち、本発明は、以下の物性(A)、
(B)及び(C)を備えるポリエチレン系樹脂成形材料
を提供する。 (A):メルトフローレートが0.2〜20g/10分
であること。 (B):密度が0.940g/cm3以下であること。 (C):190℃における溶融粘弾性測定において、周
波数0.1rad/秒での溶融粘度Eta(0.1)と周波
数100rad/秒での溶融粘度Eta(100)の比(E
ta(0.1)/Eta(100))が7〜12であること。
【0007】また、本発明は、メルトフローレートが
0.1〜5g/10分であって且つフローレシオ(F
R)及びGPC測定による重量平均分子量と数平均分子
量との比(Mw/Mn)が下記数式(1)及び(2)を
満たすエチレン・α−オレフィン共重合体aと、メルト
フローレートが1〜40g/10分であって且つフロー
レシオが9〜20であるポリエチレンbとを、エチレン
・α−オレフィン共重合体a:ポリエチレンb=10〜
90:90〜10(重量比)の割合で含む樹脂組成物で
あることを特徴とする、前記ポリエチレン系樹脂成形材
料を提供する。
【0008】
【数2】 FR≧5.63・・・(1) Mw/Mn≦FR−4.63・・・(2)
【0009】また、本発明は、前記ポリエチレン系樹脂
成形材料からなるフィルムを提供する。なお、本発明に
おけるメルトフローレート(MFR)は、特に断らない
限り190℃、2.16kg荷重の条件下で測定した値
をいう。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 (1)ポリエチレン系樹脂 本発明のポリエチレン系樹脂成形材料は、ポリエチレン
系樹脂を主成分とするものである。ここで用いられるポ
リエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体、エチ
レンと他の重合性単量体との共重合体等いずれであって
もよく、またこれらのうちの2種以上を用いてもよい。
【0011】エチレンと他の重合性単量体との共重合体
としては、代表的にはエチレン・α−オレフィン共重合
体が挙げられる。エチレン・α−オレフィン共重合体と
しては、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンと
を遷移金属含有触媒の存在下に共重合することにより得
られるランダム共重合体が挙げられる。上記α−オレフ
ィンとしては、炭素数3〜12、より好ましくは4〜1
2のものが好ましく用いられ、具体的には、例えば1−
ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1
−オクテン、1−デセンが挙げられる。これらは2種以
上を任意に組み合わせて用いてもよい。共重合体中のα
−オレフィンの割合は、好ましくは、2〜20重量%で
ある。
【0012】また、前記エチレン・α−オレフィン共重
合体としては、エチレン及びα−オレフィンに加えて、
該α−オレフィン以外の他のα−オレフィン、或いはポ
リエン等が少量共重合された3元以上の共重合体であっ
てもよい。ここで他のα−オレフィンとしては、例えば
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン等が挙げられる。また、上記ポリエンとしては、ブタ
ジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロ
ペンタジエン等が挙げられる。
【0013】また、エチレンと他の重合性単量体との共
重合体としてはその他に、例えばエチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の
ようなエチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エステル等の
重合性単量体との共重合体を挙げることもできる。これ
らは高圧ラジカル法によって製造されたものであっても
よい。
【0014】エチレン単独重合体としては、高圧ラジカ
ル法によってエチレンを単独重合させて製造される低密
度ポリエチレン、中低圧イオン重合法によってエチレン
を単独重合させて製造される高密度ポリエチレン等が挙
げられる。
【0015】(2)物性 本発明のポリエチレン系樹脂成形材料は、以下の物性
(A)、(B)及び(C)をすべて備えることを特徴と
する。
【0016】(A)メルトフローレート(MFR) 本発明の成形材料は、190℃、2.16kg荷重での
MFRが0.2〜20g/10分、好ましくは0.5〜
10g/10分である。前記MFRが上記範囲未満で
は、成形時の押出負荷が高くなりすぎ、成形が困難とな
るか、或いは成形できたとしても十分な吐出量が得られ
ない傾向にある。また、シャークスキンが発生していな
い良好な表面状態を有するフィルムを得ることが難し
い。一方、上記範囲を超過すると、インフレーション成
形ではバブルが不安定になり、Tダイ成形ではネックイ
ンが大きくなりすぎて満足なフィルムが得られない傾向
にある。
【0017】(B)密度 本発明の成形材料は、密度が0.940g/cm3
下、好ましくは0.935g/cm3以下である。密度
が上記範囲を超過すると、成形後の透明性が悪化し、製
品価値が低下する場合がある。
【0018】(C)溶融粘度比(Eta(0.1)/Eta
(100)) 本発明の成形材料は、190℃(歪み10%)における
溶融粘弾性測定によって得られた周波数0.1rad/
秒における溶融粘度Eta(0.1)と、周波数100ra
d/秒における溶融粘度Eta(100)との比、すなわち
Eta(0.1)/Eta(100)の値が7〜12、好ましくは
8〜11である。この溶融粘度比の値が上記範囲未満で
は、高温成形時にインフレーション成形ではバブルが不
安定になり、Tダイ成形ではネックインが大きくなりす
ぎて、満足なフィルムが得られない。一方、上記範囲を
超過すると、低温成形時にフィルム表面の荒れが顕著と
なり、十分な吐出量が得られないという傾向にある。
【0019】(3)樹脂組成物 本発明のポリエチレン系樹脂成形材料としては、ポリエ
チレン系樹脂を主成分とし且つ上記物性(A)、
(B)、及び(C)をすべて備えるものであれば特に限
定されず、如何なる組成の樹脂材料であってもよいが、
好ましい例として、MFRが0.1〜5g/10分であ
って且つフローレシオ(以下、FRと略す)及びGPC
測定による重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)が下記数式(1)及び(2)
を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体aと、MF
Rが1〜40g/10分であって且つFRが9〜20で
あるポリエチレンbとからなる樹脂組成物を挙げること
ができる。
【0020】
【数3】 FR≧5.63・・・(1) Mw/Mn≦FR−4.63・・・(2)
【0021】なお、本発明におけるFRとは、190
℃、10kg荷重の条件下で測定したMFRであるI10
と、190℃、2.16kg荷重の条件下で測定したM
FRであるI2.16との比(I10/I2.16)である。
【0022】エチレン・α−オレフィン共重合体aのM
FRが上記範囲内であり、FRが上記数式(1)を満た
し、FRとMw/Mnが上記数式(2)を満たす場合
は、該エチレン・α−オレフィン共重合体は好ましい長
鎖分岐を有し、成形時の流動性と安定性がよい。一方、
ポリエチレンbのMFRが上記範囲内であれば、成形時
の流動性の点で好ましく、FRが上記範囲内であれば、
成形時の安定性と流動性の点で好ましい。
【0023】前記樹脂組成物中におけるエチレン・α−
オレフィン共重合体aとポリエチレンbとの配合比は、
好ましくはエチレン・α−オレフィン共重合体a:ポリ
エチレンb=10〜90:90〜10(重量比)、特に
好ましくはエチレン・α−オレフィン共重合体a:ポリ
エチレンb=60〜80:40〜20(重量比)であ
る。エチレン・α−オレフィン共重合体aとポリエチレ
ンbの割合が上記範囲内であれば、フィルム強度と成形
性のバランスがよいので好ましい。
【0024】エチレン・α−オレフィン共重合体aとし
ては、好ましくは、特開平6−306121号公報に示
される方法により製造されるエチレン・α−オレフィン
共重合体を挙げることができる。具体的には、拘束幾何
触媒を用いて溶液重合法で製造される共重合体で、α−
オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセン、1−
オクテン等が挙げられる。また、α−オレフィンの共重
合体中の割合は、2〜20重量%程度のものが好まし
い。
【0025】なお、エチレン・α−オレフィン共重合体
aの密度は、出来上がりのポリエチレン系樹脂成形材料
として上記物性(A)、(B)及び(C)を満足する限
り特に限定されないが、0.940g/cm3以下であ
ることが望ましい。
【0026】ポリエチレンbとしては、上記FRとMF
Rを満たす限り、エチレン単独重合体であってもエチレ
ンと他の重合性単量体との共重合体であってもよい。エ
チレン単独重合体としては、高圧ラジカル法によって製
造される低密度ポリエチレンが好ましく使用できる。共
重合体としては、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オク
テン等のα−オレフィンを用い、α−オレフィンの共重
合体中の割合が2〜20重量%程度のものが好ましい。
【0027】なお、ポリエチレンbの密度は、出来上が
りのポリエチレン系樹脂として上記物性(A)、(B)
及び(C)を満足する限り特に限定されないが、0.9
40g/cm3以下であることが望ましい。
【0028】本発明のポリエチレン系樹脂成形材料は、
上記物性(A)、(B)、(C)を満足する限り、他の
配合成分を少量含んでいてもよい。例えば、高密度ポリ
エチレン等上記以外のポリエチレン系樹脂が含まれてい
てもよいし、また、ポリプロピレン等、ポリエチレン系
樹脂以外の樹脂が含まれていてもよい。
【0029】また、本発明の効果を著しく阻害しない範
囲内で付加的成分、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、中
和剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、滑剤、帯電
防止剤、核剤、結露防止剤、分子量調整剤(有機過酸化
物、アゾ化合物等)、着色剤、衝撃改良剤、充填剤、難
燃剤、接着性向上剤及び印刷性向上剤等が配合されてい
てもよい。
【0030】本発明のポリエチレン系樹脂成形材料を得
るための方法は、特に限定されるものではないが、例え
ば前記エチレン・α−オレフィン共重合体aとポリエチ
レンbとの樹脂組成物を得る場合は、該エチレン・α−
オレフィン共重合体aとポリエチレンbとを混合したも
のに、必要に応じて上述した他の配合成分を加えた後、
溶融混練、あるいはドライブレンドすることにより得る
ことができる。また、エチレン・α−オレフィン共重合
体aとポリエチレンbとを多段連続重合する等の方法に
よって製造することもできる。
【0031】上記溶融混練は、一般に一軸押出機、二軸
押出機、バンバリーミキサー、ロール混練機、ブラベン
ダープラストグラフ、ニーダー等の通常の混練機を用い
て通常160〜250℃の温度で行う。次いで、好適に
は造粒することによって、本発明のポリエチレン系樹脂
成形材料を得ることができる。この場合、各成分の分散
を良好にすることができる混練・造粒方法を選択するこ
とが好ましく、通常は一軸押出機、或いは二軸押出機を
用いて混練・造粒が行われる。
【0032】このようにして得られた本発明のポリエチ
レン系樹脂成形材料は、低温成形時には生産性を落とさ
なくても、フィルム表面の荒れが起こり難く、比較的低
い樹脂圧力・モーター負荷で成形することができ、高温
成形時には成形安定性に優れる。従って、本発明のポリ
エチレン系樹脂成形材料は、生産性を犠牲にすることな
く広い設定温度範囲で成形することが可能で、各種フィ
ルム用途向けに好適であるが、インフレーションフィル
ム成形、Tダイフィルム成形等による通常のフィルム用
途に限らず、押出成形、中空成形等によって様々な容
器、パイプ、チューブ等の各種成形品に加工することが
できる。また、他のフィルムに押出被覆或いは共押出成
形することにより各種複合フィルムとすることもでき、
さらに鋼管被覆、電線被覆或いは発泡成形等の用途に使
用することもできる。
【0033】(4)フィルム 本発明のフィルムは、上述した本発明のポリエチレン系
樹脂成形材料からなるものであり、フィルム表面の荒れ
が少なく、且つ透明性に優れている。フィルムは単層で
あっても多層構造の複合フィルムであってもよい。フィ
ルムの厚みは特に限定されないが、好ましくは、単層で
あれば10〜80μm程度のものが好適に得られる。用
途は特に限定されず、例えば包装用、袋用、各種カバー
用等に用いられる。
【0034】本発明のフィルムは、上述した本発明のポ
リエチレン系樹脂成形材料を用いて当業界で行われてい
る通常のフィルム成形法により製造することができる。
成形法としては、例えばインフレーションフィルム成
形、Tダイフィルム成形、押出成形等が挙げられ、さら
にこれに延伸工程を加えることもできる。また、複合フ
ィルムの場合は、共押出成形、ラミネート成形等を行う
こともできる。
【0035】本発明においては、好ましくは、インフレ
ーション成形によりフィルムを成形する。本発明の樹脂
成形材料を用いてインフレーション成形を行えば、低温
成形はもちろんのこと高温成形であっても十分なバブル
安定性が得られる。具体的には、低温成形する場合、上
述した本発明のポリエチレン系樹脂成形材料を用いて、
140〜200℃の温度で、例えば1時間当たり15k
g以上の押出量にてインフレーション成形を行うことが
できる。このような低温で成形してもシャークスキンが
発生し難く、また、成形機の樹脂圧力やモーター負荷が
上がりすぎることがないため押出量を多くして高い生産
性を保つことができる。一方、高温成形する場合、前記
ポリエチレン系樹脂成形材料を用いて、200〜280
℃の温度でインフレーション成形を行う。このような高
温で成形してもバブルが不安定になることがない。
【0036】このように、本発明においては、前記ポリ
エチレン系樹脂成形材料を用いることにより、低温成形
でも高温成形でも高い生産性を保ちつつ、表面特性及び
透明性の良好なフィルムを得ることができ、広い設定温
度範囲でフィルムの成形を行うことができる。
【0037】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。なお、以下の実施例において用いた測定方
法及び測定条件は次の通りである。
【0038】(1)メルトフローレート(MFR) JIS−K6760に準拠し、190℃、2.16kg
荷重の条件下で測定した。
【0039】(2)フローレシオ(FR) JIS−K6760に準拠し、190℃、10kg荷重
の条件下で測定したMFRであるI10と、190℃、
2.16kg荷重の条件下で測定したMFRであるI
2.16との比、I10/I2.16を計算し、FRとした。
【0040】(3)密度 JIS−K6760に準拠して測定した。
【0041】(4)重量平均分子量と数平均分子量の比
(Mw/Mn) Mw/Mnは、「ゲルパーミエイションクロマトグラフ
ィー」(竹内著、丸善発行)記載の方法に準拠して値を
求めた。すなわち、分子量が既知の標準ポリスチレン
(東ソー社製単分散ポリスチレン)を使用し、ユニバー
サル法により数平均分子量(Mn)および重量平均分子
量(Mw)に換算し、Mw/Mnの値を求めた。測定
は、ウォーターズ社製ISOC−ALG/GPCを用
い、カラムとして昭和電工(株)製AD80M/Sを3
本使用し、試料はo−ジクロロベンゼンに溶解して0.
2重量%溶液として200μlを使用し、140℃、流
速1ml/分で実施した。
【0042】(5)溶融粘度 測定は、レオメトリクス社製メカニカルスペクトロメー
ターRMS−800を用い、温度190℃、伸長10%
設定で、ギャップ1.5mm、ダイナミックモーターモ
ードで周波数0.01〜100rad/秒の測定を実施
し、その測定結果のうち、周波数0.1rad/秒にお
ける溶融粘度Etaの値と、周波数100rad/秒に
おける溶融粘度Etaの値を、それぞれEta(0.1)
と、Eta(100)の値として用いた。
【0043】(6)ヘーズ JIS−K7105に準拠して測定した。なお、ヘーズ
値が小さいほど透明性は良好である。
【0044】<実施例1> (1)混練・造粒、MFR及び密度の測定 表1に示す市販のエチレン・α−オレフィン共重合体A
(α−オレフィン:1−オクテン)80重量部に対し、
高圧ラジカル法によって製造された日本ポリケム社から
市販されている低密度ポリエチレン「ノバテック−LD
・LF440B」(MFR:2.8g/10分、密度:
0.925g/cm3、FR:12。ノバテックは登録
商標)を20重量部加えたものを、容量50リットルの
スーパーミキサーを用いて回転数800rpmで5分間
混合した後、スクリュー径40mmφ、L/D26の押
出機で200℃、スクリュー回転数50rpmにて溶融
混練し、ペレット化した。このペレットについて、MF
Rと密度を測定した。
【0045】(2)160℃でのフィルム成形及び評価 このペレットをスクリュー径40mmφ、L/D26の
押出機を備えたダイ径75mmφ、ダイリップ幅3mm
のインフレーションフィルム成形機を用いて、温度16
0℃、スクリュー回転数50rpm、ブローアップ比
2.0、引取速度23m/分の条件で成形して、幅23
0mm、厚み30μmのインフレーションフィルムを得
た。このフィルムについて、フィルムの表面状態を目視
で確認し、顕著なシャークスキンが認められるものを
×、いくらかシャークスキンが認められるものを△、シ
ャークスキンが認められないものを○、と評価した。こ
のフィルムのヘーズ測定も行った。これらの結果を表2
に示す。
【0046】(3)240℃でのフィルム成形及び評価 (1)で作製したペレットを(2)で用いたのと同じイ
ンフレーションフィルム成形機を用いて温度240℃、
スクリュー回転数50rpm、ブローアップ比2.0、
引取速度23m/分の条件で成形して、幅230mm、
厚み30μmのインフレーションフィルムを得た。この
成形におけるバブルの安定性を目視で確認し、バブルが
激しく揺れるものを×、バブルの揺れが認められるもの
を△、バブルの揺れがほとんど認められないものを○、
と評価した。このフィルムのヘーズ測定も行った。これ
らの結果を表2に示す。
【0047】(4)溶融粘度比の測定 (1)で作製したペレットについて、温度190℃で一
定に保ち、周波数0.1rad/秒と周波数100ra
d/秒で測定した溶融粘度Eta(0.1)およびEta(10
0)の値から、溶融粘度比(Eta(0.1)/Eta(100))
の値を計算した。結果は表2に示した通りである。
【0048】<実施例2>表1に示す市販のエチレン・
α−オレフィン共重合体A(α−オレフィン:1−オク
テン)60重量部に対し、実施例1で用いたのと同じ高
圧ラジカル法によって製造された日本ポリケム社から市
販されている低密度ポリエチレン「ノバテック−LD・
LF440B」を40重量部加えたものを、実施例1と
同様にして、混練・造粒し、MFRと密度を測定後、1
60℃フィルム成形、シャークスキン評価、ヘーズ測
定、240℃フィルム成形、バブル安定性評価、ヘーズ
測定、溶融粘度測定、及びEta(0.1)/Eta(100)値
の計算を行った。結果を表2に示す。
【0049】<実施例3>表1に示す市販のエチレン・
α−オレフィン共重合体B(α−オレフィン:1−オク
テン)50重量%に対し、同じく表1に示す市販のエチ
レン・α−オレフィン共重合体C(α−オレフィン:1
−オクテン)50重量%を加えたものを、実施例1と同
様にして、混練・造粒し、MFRと密度を測定後、16
0℃フィルム成形、シャークスキン評価、ヘーズ測定、
240℃フィルム成形、バブル安定性評価、ヘーズ測
定、溶融粘度測定、Eta(0.1)/Eta(100)値の計算
を行った。結果を表2に示す。
【0050】<比較例1>表1に示す市販のエチレン・
α−オレフィン共重合体D(α−オレフィン:1−ヘキ
セン)を、MFRと密度を測定した後に、実施例1と同
様にして、160℃フィルム成形、シャークスキン評
価、ヘーズ測定、240℃フィルム成形、バブル安定性
評価、ヘーズ測定、溶融粘度測定、及びEta(0.1)/
Eta(100)値の計算を行った。結果を表2に示す。
【0051】<比較例2>表1に示す日本ポリケム社か
ら市販されているエチレン・α−オレフィン共重合体E
「ノバテック−LL・UF230」(α−オレフィン:
1−ブテン)を、MFRと密度を測定した後に、実施例
1と同様にして160℃フィルム成形、シャークスキン
評価、ヘーズ測定、240℃フィルム成形、バブル安定
性評価、ヘーズ測定、溶融粘度測定、Eta(0.1)/E
ta(100)値の計算を行った。結果を表2に示す。
【0052】<比較例3>表1に示す市販のエチレン・
α−オレフィン共重合体A(α−オレフィン:1−オク
テン)を、MFRと密度を測定した後に、実施例1と同
様にして160℃フィルム成形、シャークスキン評価、
ヘーズ測定、240℃フィルム成形、バブル安定性評
価、ヘーズ測定、溶融粘度測定、Eta(0.1)/Eta
(100)値の計算を行った。結果を表2に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表2に示す結果からわかるように、本発明
の溶融粘度比の範囲を満たすポリエチレン系樹脂成形材
料は、低温でインフレーション成形を行っても表面にシ
ャークスキンが発生せず良好な表面特性及び透明性を有
するフィルムが得られ、また高温でインフレーション成
形を行ってもバブルの安定性に優れ、且つ透明性の高い
フィルムを成形することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明のポリエチレン系樹脂成形材料を
用いることにより、表面特性及び透明性に優れたフィル
ムを、広い設定温度範囲で、かつ高い生産性で安定に製
造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の物性(A)、(B)及び(C)を
    備えるポリエチレン系樹脂成形材料。 (A):メルトフローレートが0.2〜20g/10分
    であること。 (B):密度が0.940g/cm3以下であること。 (C):190℃における溶融粘弾性測定において、周
    波数0.1rad/秒での溶融粘度Eta(0.1)と周波
    数100rad/秒での溶融粘度Eta(100)との比
    (Eta(0.1)/Eta(100))が7〜12であること。
  2. 【請求項2】 メルトフローレートが0.1〜5g/1
    0分であって且つフローレシオ(FR)及びGPC測定
    による重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/M
    n)が下記数式(1)及び(2)を満たすエチレン・α
    −オレフィン共重合体aと、メルトフローレートが1〜
    40g/10分であって且つフローレシオが9〜20で
    あるポリエチレンbとを、エチレン・α−オレフィン共
    重合体a:ポリエチレンb=10〜90:90〜10
    (重量比)の割合で含む樹脂組成物であることを特徴と
    する、請求項1記載のポリエチレン系樹脂成形材料。 【数1】 FR≧5.63・・・(1) Mw/Mn≦FR−4.63・・・(2)
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のポリエチレン系樹
    脂成形材料からなるフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014518317A (ja) * 2011-06-30 2014-07-28 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー メルトインデックス分別ポリエチレン組成物およびこれらから製造されるフィルム
JP2017170894A (ja) * 2016-03-17 2017-09-28 日本ポリエチレン株式会社 易引裂性多層フィルム

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