JPH11233943A - グリーンシートの製造方法及びそれを用いたセラミック多層配線基板の製造方法と転写用パターン付支持体の製造装置 - Google Patents

グリーンシートの製造方法及びそれを用いたセラミック多層配線基板の製造方法と転写用パターン付支持体の製造装置

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JPH11233943A
JPH11233943A JP2792998A JP2792998A JPH11233943A JP H11233943 A JPH11233943 A JP H11233943A JP 2792998 A JP2792998 A JP 2792998A JP 2792998 A JP2792998 A JP 2792998A JP H11233943 A JPH11233943 A JP H11233943A
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green sheet
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paste
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Nobuhito Katsumura
宣仁 勝村
Masahide Okamoto
正英 岡本
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】信頼性の高い微細且つ高アスペクトのパターン
を感光性ペーストの塗布工程なしに直接支持体上に形成
し、これをグリーンシートに転写するグリーンシートの
製造方法と転写用パターン付支持体の製造装置及びこの
グリーンシートを用いて高密度、高信頼性のセラミック
多層配線基板が得られる製造方法とを実現する。 【解決手段】感光性ペースト3を容器2に収容し、活性
エネルギー4を露光窓21を介して照射する光学的造形
方法によりアスペクト比の高いパターンを支持体上に形
成し、これをグリーンシート上に転写することにより、
グリーンシート上に回路パターンを形成する。回路パタ
ーン付グリーンシートを積層し、焼結して多層配線セラ
ミック基板を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グリーンシートの
製造方法、セラミック多層配線基板の製造方法及び転写
用パターン付支持体の製造装置に係り、特にアルミナ等
のいわゆるセラミック多層配線基板を形成する際に、グ
リーンシート上に、感光性ペーストを用いて光学的造形
方法によりアスペクト比の高い回路パターンを形成する
グリーンシートの製造方法、それによって得られたグリ
ーンシートを用いたセラミック多層配線基板の製造方法
及びグリーンシートの製造方法を実施するに好適な転写
用パターン付支持体の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、セラミック多層配線基板
を製造するに際しては、出発材料として表面に導体パタ
ーンが形成されたセラミック・グリーンシート(以下、
単にグリーンシートと称する)が使用されている。
【0003】グリーンシート上に導体パターンを形成す
る方法として、感光性ペーストを用いて、回路パターン
を形成する方法が知られている。例えば(1)特開昭63
-265979号公報、特開平5-67405号公報及び特開平5-2041
51号公報に見られるように、焼結基板上にパターンを形
成し、再度焼結する方法や、(2)特開平7-135386号公
報に見られるように、光硬化させたグリーンシートを用
いることにより、グリーンシートの耐薬品性や耐溶解性
を向上させることにより感光性ペーストに含まれる有機
溶剤とグリーンシート中のバインダとの反応を回避し、
現像液を用いてパターン形成を行う方法、また(3)特
開平8-34096号公報に見られるように、予め保護膜とし
て感光性樹脂組成物をグリーンシートに塗布、光硬化す
る表面処理を行い、次いで(2)と同様にパターン形成
を行う方法が知られている。
【0004】さらにまた、(4)表面が不活性で剥がし
易い支持体上に感光性ペーストを塗布し、この塗膜にリ
ソグラフィにて回路パターンを形成した転写用パターン
付支持体を用いてグリーンシートに転写印刷する方法も
試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記(1)の
方法では、基板製造プロセスにおいて、焼結を複数回行
わなければならないため、セラミック基板の製造時間が
長くなる。従って、コストが高くなる。また、一旦焼結
したセラミック基板に配線形成するため、セラミック基
板の最表面しか適用できず、基板が積層構造の場合、中
間層に適用できないと云う問題がある。
【0006】また、(2)や(3)では、配線パターン
を形成する際の現像時に、グリーンシートを現像液に晒
さなければならない。この際にグリーンシート中のバイ
ンダが現像液により膨潤し、グリーンシートが変形して
しまう。この変形は、設計に対するビアホールの位置を
ずらし、複数枚のグリーンシートを積層して圧着する時
の位置合わせが出来なくなる。
【0007】とりわけ(3)の場合には、グリーンシー
ト上に保護膜として予め塗布した感光性樹脂膜中のバイ
ンダを光硬化させるため、グリーンシート中に硬化物を
多量に含むことになる。硬化物は、脱バインダ時に炭素
として残りやすく、これを除去するために脱バインダに
時間がかかってしまう。または、脱バインダが十分でな
いと残留炭素が多くなり、セラミック基板の性能や信頼
性が低下する。特に、ガラスセラミック基板は焼結温度
が低いため、炭素が残留しやすい。基板中の残留炭素量
は200ppm以下であることが必要であり、これよりも多い
と、基板中にボイドが発生して基板の強度を低下、誘電
率を増加、絶縁抵抗を低下等の問題が発生する。
【0008】また、(4)の転写印刷法におけるパター
ン形成は、露光、現像工程に先立って感光性ペーストの
塗膜を形成するペースト塗布工程及び塗布後の乾燥工程
が必須となる。しかし、塗布工程により微細パターンを
形成するには、パーターンが微細化するほど膜厚を薄く
して露光せざるを得ず、例えば配線パターンを形成する
場合には、必然的に配線抵抗が大きくなってしまうと云
う決定的な問題がある。それ故、この種の従来技術で配
線膜厚を厚くすることは不可能であり、配線抵抗を高く
することなく微細化することは不可能である。さらには
塗布後の乾燥工程も製造工程を長引かせるので好ましく
ない。
【0009】高密度の配線基板を製造するには、信頼性
の高い微細且つ高アスペクトのパターン形成が最重要課
題となる。ここでのアスペクトとは、パターンの膜厚b
に対するパターンの幅aの比(b/a)を云う。
【0010】従って、本発明の目的は、上記これら従来
の問題点を解消することにあり、第一の目的は信頼性の
高い微細且つ高アスペクトのパターンを感光性ペースト
の塗布工程なしに直接支持体上に形成し、これをグリー
ンシートに転写する改良されたグリーンシートの製造方
法を、第二の目的はこのグリーンシートを用いて高密
度、高信頼性のセラミック多層配線基板の製造方法を、
そして第三の目的は転写用パターン付支持体の製造装置
を、それぞれ提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、グリーンシート上にパターンを形成するに際し
て、従来のようにグリーンシートに特別な表面処理等を
必要とせず、またグリーンシートを現像液に晒すことな
く、感光性ペーストから塗布工程なしに光学的造形方法
により直接所定の支持体上に任意の膜厚のパターンを形
成し、このパターン付支持体を用いてグリーンシート上
にアスペクト比の高い回路パターンを転写可能であるこ
とを見出した。
【0012】すなわち、本発明は、上記知見に基づいて
なされたものであり、本発明の第一の目的は、グリーン
シート上に、転写用パターン付支持体を位置合わせして
圧着し、前記支持体上に形成された転写用パターンを前
記グリーンシート上に転写する工程を有するグリーンシ
ートの製造方法であって、前記転写用パターン付支持体
を形成する工程を、露光窓を有する容器に液状の感光
性ペーストを収容すると共に、前記露光窓に対向して所
定の間隔おいてテーブル上に保持された支持体を、前記
液状の感光性ペースト中にて対面せしめる工程と、前
記露光窓を通して活性エネルギーを前記支持体上に照射
することにより、所定パターンの露光を行い支持体上の
感光性ペーストを感光硬化せしめて支持体上に感光領域
を形成する工程と、前記感光領域を現像して前記支持
体上に所定のペーストパターンを形成する工程と、前
記支持体を前記テーブルから切り離す工程とで構成して
成るグリーンシートの製造方法によって達成される。
【0013】そして、パターンの膜厚調整は、上記の
露光を繰り返し複数回行い、露光を繰り返す毎にテーブ
ルの位置を露光窓から一定距離段階的に後退移動させる
ことによって可能であり、露光回数に見合った厚さの感
光領域を支持体上に積層形成することができる。
【0014】また、上記の露光窓を通して活性エネル
ギーを支持体上に照射することにより、所定パターンの
露光を行い支持体上の感光性ペーストを感光硬化せしめ
て支持体上に感光領域を形成する工程においては、照射
する活性エネルギーのパターンを照射光学系により発生
させて直接的に支持体上にパターンを描画して露光する
工程とするか、もしくは予め所定パターンが形成された
マスクを介して投影露光する工程とすることができる。
前者は直接描画であるのに対し、後者はマスクを使った
一括露光でのパターン形成であり、使用目的に応じて適
宜選択することができる。
【0015】この製造方法によりグリーンシート上に形
成されたパターンは、光学的造形方法により3次元的に
形成されるので、アスペクト比を高くすることが出来
る。また、パターンはフォトリソグラフィで形成される
ので、線幅を微細にすることができ、更に、断面形状を
矩形にすることができる。これは、配線の場合、抵抗
(断面積)を維持しながら、XY方向での配線幅の微細
化をすることが容易であることを示す。
【0016】グリーンシート上のパターン形成において
は、通常、導体パターンを形成する配線パターンが多い
が、グリーンシートの用途によっては抵抗体、誘電体、
または絶縁体のパターンを形成する場合もある。この様
な場合には、用途に応じて、感光性ペーストに混入する
成分を適宜選択すればよい。配線パターンの場合は、導
体成分として金属粉末、炭素粉末等の導体粉末を混入す
れば良く、抵抗体、誘電体、又は絶縁体に対応する成分
の粉末をそれぞれ混入させておけばよい。
【0017】パターンを転写するセラミック・グリーン
シートには、予め所定箇所にビアホールを形成され、ビ
アホール内には金属ペーストが埋め込まれて構成され、
転写されるパターンが配線パターンの場合には転写する
ときにパターンとビアホールとが位置合わせされて、ビ
アホールも金属ペーストが電気的に接続される。
【0018】本発明の第二の目的は、上記パターン付グ
リーンシートの製造に引き続き、得られたパターン付グ
リーンシートを複数枚積層、圧着、積層し、焼結する各
工程を有するセラミック多層配線基板の製造方法によっ
て、達成される。グリーンシートの積層に際しては、目
的とする多層配線基板の種類に応じて必要なパターンの
形成されたグリーンシートを順次積層すればよい。例え
ば、配線パターン形成された複数層のグリーンシート間
に誘電体パターン等の他の種類のパターンが形成された
グリーンシートを挟み込むこともできる。
【0019】本発明の第三の目的は、 露光窓を有する容器と、 前記容器内に収容された液状の感光性ペーストと、 テーブル上に保持された支持体が、前記容器内に収容
された感光性ペースト中に投入され、前記支持体面が前
記露光窓に対面し、かつ前記露光窓から所定間隔を保持
するようにテーブルを位置決めする手段と、 前記露光窓を通して活性エネルギーを前記支持体上に
照射することにより、所定パターンの露光を行う手段と
を具備して成る転写用パターン付支持体の製造装置によ
って、達成される。
【0020】上記の露光窓を通して活性エネルギーを
支持体上に照射することにより、所定パターンの露光を
行う手段においては、パターンの膜厚を制御するために
前記露光を複数回繰り返す毎に、1回の露光で感光性
ペーストが硬化する厚み相当分の移動距離だけテーブル
を段階的に後退移動する手段を設けることが望ましい。
また、上記の露光窓を通して所定パターンの露光を
行う手段としては、支持体上に照射する活性エネルギー
のパターンを照射光学系により発生させる手段と、前記
発生した活性エネルギーのパターンを直接的に支持体上
に描画して露光する手段とで構成するか、もしくは、予
め所定パターンが形成されたマスクを介して支持体上に
活性エネルギーを投影露光する手段で構成する。
【0021】前者の場合は、照射光学系により露光光を
所定の断面形状となるように絞り込み、このビームをX
Y二次元に移動させることで所定パターンを発生させる
ことができる。マスクを使わずに直接描画できると云う
点では優れている。また、後者の場合は予め所定パター
ンが形成されたマスクを用いるので一括露光が可能で露
光スピードが速いと云う点では優れている。
【0022】露光を複数回繰り返す毎にテーブルを段階
的に後退移動する手段としては、例えばマイクロコンピ
ュータにより微動移動機構を駆動させれば、露光手段と
同期させることができ自動化も可能となる。微動移動機
構は直線移動できる簡単な構成でよい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、実施の形態によって本発
明を詳細に説明する。まず、図1に示した転写用パター
ン付支持体の製造装置(露光装置)の概略図を用いて説
明すると、感光性ペースト3を露光窓21が設けられた
容器2に収容し、ペースト3中にテーブル20に保持さ
れた支持体1を挿入する。支持体1としては、ポリエス
テルやポリエチレン等の高分子、ステンレス等の金属、
ガラスやセラミックス等から成る板、円筒体、ブロック
等が使用でき、好ましくは熱又は光剥離性層を持つ板が
用いられる。これをペースト中に挿入し、支持体1をテ
ーブル保持体20aを介して接続された微動移動機構2
3により移動しつつ容器外側より活性エネルギー4を光
学系40を通して照射、硬化することによりアスペクト
比の高いパターンを支持体1上に形成することができ
る。
【0024】露光光学系40の構成例について説明する
と、活性エネルギー4(例えばレーザー光)、シャッタ
41、レンズ43a、43b、これらレンズ間を接続す
る光ファイバ42及びレンズ43bをXY二次元に移動
させるXY軸位置制御系22で構成され、レンズ43b
で光スポットの大きさや形状を決め、予めパターン情報
が蓄積されたパソコン24からの制御信号にしたがって
XY軸位置制御系22が駆動することによって所定形状
のパターンが直接支持体上に描画露光される。
【0025】また、シャッタ41及び微動移動機構23
もパソコン24からの制御信号にしたがって駆動させれ
ば露光処理を完全に自動化することができる。
【0026】また、上記のような露光光学系40とパソ
コン24とを用いて露光用のパターンを発生させる変わ
りに、予め所定のパターンが形成されたマスクを用いる
周知の投影露光装置の原理にしたがって露光光学系を構
成すこともできる。
【0027】感光性ペーストは、感光性樹脂組成物、ペ
ースト用粉末、溶剤等から成る。感光性樹脂組成物とし
ては、周知のものが使用できるが、基板焼結時の残留炭
素低減の観点から、ビニル系樹脂組成物が好ましい。特
には、側鎖又は分子末端にエチレン性不飽和基を有する
(メタ)アクリル系共重合体、例えば、メタクリル酸−
メタクリル酸エステルの共重合体のメタクリル酸のカル
ボキシル基にメタクリル酸グリシジルを付加反応させた
もの、と光重合開始剤、例えばベンゾフェノン等の光ラ
ジカル発生剤が好ましい。この感光性樹脂組成物によ
り、フォトリソグラフィ法によるパターンニングが可能
になる。
【0028】従って、上記感光性樹脂組成物を用いて、
パターンの種類に応じた感光性ペーストが作製できる。
つまり、感光性樹脂組成物に、導電体粉末、抵抗体粉
末、誘電体粉末、絶縁体粉末などを使用目的に応じて適
宜混合することにより、各々感光性導電ペースト、感光
性抵抗体ペースト、感光性誘電ペースト、感光性絶縁ペ
ーストが得られる。
【0029】導電体粉末としては、例えばW、Mo、A
g、Au、Pt、Pd、Cu、Ni等の金属又はこれら
の一種類以上の導体を主成分とした合金が用いられる。
【0030】抵抗体粉末としては、例えばRuO2系、
LaB6系、SnO2−Ta系等があるが、これらに30
〜90%の割合でガラス粉末を添加しても良い。
【0031】誘電体粉末としては、例えばPdTi
3、PdZnO3、PdFeO3、PdMgO3、PdN
bO3、PdNiO3、PdZrO3等があげられる。
【0032】また、絶縁体粉末としては、例えばAl2
3、SiO2、3Al23・SiO2、PbO、Al2
3・MgO、B23、CaO、BaO、ZrO2、Zn
O、Na2O、K2O、Li2O等から少なくとも1種以
上より選ばれたものがある。更に詳しく言えば、アルミ
ナ(Al23)、ムライト(Mullite,3Al2
3・2SiO2)、コージェライト(Cordieri
te,2MgO・2Al23・5SiO2)のうち少な
くとも一種のセラミック粉末、SiO2−B23−Na2
O系、SiO2−B23−K2O系、SiO2−B23
Li2O系、SiO2−B23−ZnO系等の硼珪酸ガラ
スのうち、少なくとも1種以上のガラスセラミック粉末
より選ばれたものがあげられる。
【0033】溶剤としては、上記感光性樹脂組成物を溶
解させる有機溶剤であれば良いが、感光性ペーストの経
時変化を小さく抑えるために、沸点100℃以上の単一
有機溶剤、又は沸点100℃以上のものを含有する混合
有機溶剤が好ましい。例えば、ブタノール等のアルコー
ル類、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレ
ングリコールジブチルエーテル等のエチレングリコール
類、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピ
レングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコ
ール類、酢酸ブチル等のエステル又はラクトン類、N−
メチルピロリドン等のアミド又はラクタム類等や、これ
らを1種類以上含む混合有機溶剤が用いられる。また、
液体状のポリマを用いて作製されたペーストであれば、
溶剤を使用しなくともよい。
【0034】次に、活性エネルギーを容器外側から露光
窓(透明板)21を通して選択的に照射、露光して感光
性ペーストを光硬化させる。図1の5は、露光により支
持体1上の感光性ペーストが硬化した感光領域を示して
おり転写用パターン5となるものである。
【0035】露光方法は、前述したように所定のパター
ンを露光光学系40により発生させて支持体上に直接描
画する方法、もしくは図示してないが予めパターンを有
するフォトマスクを介して全面より照射露光しても良
い。
【0036】露光時に照射する活性エネルギーとして
は、紫外線、電子線、X線、放射線、あるいは高周波等
が用いることが出来る。これらの内でも紫外線が好まし
く、光源としては、紫外線レーザー、低圧水銀灯、高圧
水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ等が使用でき
る。
【0037】なお、露光は、容器2の露光窓(透明板)
21と支持体1のギャップ調整→照射→微動移動機構2
3を動作させてテーブル保持体20aを上昇させること
によりテーブル20上の支持体1を後退させて露光窓2
1と支持体1との間のギャップ調整の順序で行う。この
ギャップ長は1回の露光で感光性ペーストが硬化する膜
厚相当分とすることが望ましく、微細なパターンを形成
することから多少のずれは許容されるが大きくし過ぎな
いことである。硬化膜の厚みを増加させるためには、露
光を複数回繰り返し、露光のたびに既に硬化した露光領
域の最表面と露光窓21との間隔を上記のように1回の
露光で硬化する膜厚相当分の間隔とすることである。
【0038】現像は、浸漬、パドル、スプレー等の方法
により行う。現像液には、感光性ペーストに用いた溶剤
をはじめ、支持体を変形又は支持体の表面を変質しない
一般有機溶剤が使用できる。また、感光性樹脂(未硬化
部)を溶解する有機溶剤に、感光性樹脂(未硬化部)の溶
解性を落とさない程度に水を加えても良い。更に、現像
後、水シャワー等のリンスを行っても良い。次に、必要
であれば加熱乾燥を行い、水分等を除去する。この後、
支持体上に形成されたパターンを加熱するか、または更
にエネルギー線を照射することにより硬化反応を更に促
進させても良い。このようにして転写用パターン付支持
体を得ることができる。
【0039】次に、この転写用パターン付支持体を用い
てパターンをグリーンシートへ転写することになる。そ
れには、先ず、常法によりグリーンシートが成形され
る。例えば、平均粒径50μm以下のセラミック粉末1
00重量部、溶剤、セラミック成形用有機バインダ2〜
30重量部、及び可塑剤を加え合わせ、ボールミル装置
にて混練し、セラミック前駆体組成物スラリを作製す
る。これを減圧で脱泡した後、更に減圧濃縮により粘度
を1000〜10000cPに調整したスラリを、ドク
ターブレード法等によりグリーンシートを作製する。
【0040】得られたグリーンシートを所定の大きさに
切断し、パンチにより所定位置にスルーホールを打ち抜
く。次に導体ペーストをグリーンシートにあけたスルー
ホールに充填し、ビアとし、穴埋めグリーンシートを作
製する。
【0041】次に、先に説明した転写用パターン付支持
体を用いてこのグリーンシート上にパターンを転写す
る。以下、図3(a)〜図3(b)を用いて転写の手順
について説明する。先ず図3(a)に示すように、パタ
ーン付支持体51とグリーンシート91とを位置合わせ
し、次いでパターン付支持体とグリーンシートとを圧着
する。
【0042】図3(b)に示すように、パターン付支持
体51とグリーンシート91とに加えられた接触圧を解
放し、パターン付支持体51とグリーンシート91とか
らなる圧着体から支持体1を剥離する。
【0043】a)この剥離に際しては、支持体1として
熱剥離性シート又は熱剥離性の離型剤を塗布したものを
用いる場合には、剥離の為に加熱を行う。或いはb)室
温にて(支持体1とパターン5の接着力)≧(パターン
5とグリーンシート9の接着力)の場合、パターン5と
グリーンシート9の接着力をあげるために加熱を行って
もよい。
【0044】a)の場合、加熱は脱圧〜剥離の時点で行
う。位置合わせ又は圧着の時点で加熱を行うと、位置ズ
レ、パターン付支持体51の変形、断線、パターン5の
支持体1からの脱落等が起こる。
【0045】b)の場合では、加熱は圧着〜剥離の時点
で行う。位置合わせの時点で加熱を行うと、支持体1と
パターン5及びグリーンシート9の熱膨張係数の違いか
ら、位置ズレ、パターン付支持体の変形等が起こる。
【0046】こうして回路形成されたグリーンシート9
2を数層から数十層積層し、温度80〜150℃、圧力
0.98MPa〜29.4MPa(10〜300kgf
/cm2)で熱プレス圧着する。得られた積層体を所定
の形状、大きさになるように切断する。これを、上記導
体の種類によって焼成温度が異なる(一般には導体の融
点以下で焼成)が、約350〜1800℃の温度で少な
くとも5時間以上空気中或いは非還元性雰囲気中で焼成
することによってセラミック多層配線基板が得られる。
【0047】以上説明したように本発明のパターン転写
工程を有するグリーンシートの製造方法の特徴は、転写
用パターン付支持体を製造する際に、支持体上に感光性
ペーストを塗布することなしに感光性ペースト液中で直
接露光して支持体上にパターンを形成する方法(パター
ンの光学的造形方法と称する)を採用した点にあり、パ
ターンの微細化並びに工程短縮に極めて有効である。
【0048】そして、この転写用パターン付支持体から
グリーンシートへのパターンの転写は在来の転写方法で
対処でき、感光性ペーストをグリーンシートへ塗布して
からフォトリソグラフィでパターンを形成する従来法と
異なるため、表面処理等の特別な処理を施すことなく、
感光性ペーストを用いてフォトリソグラフィで回路パタ
ーンをグリーンシート上に形成でき、脱バインダ、配線
の微細化において有利である。また、このグリーンシー
トを積層、焼成すれば容易に微細パターンのセラミック
多層配線基板を得ることができる。
【0049】本発明の光学的造形方法による支持体上へ
のパターンの形成は、露光を複数回繰り返すことによ
り、露光の度にパターンを層状に形成し、積み重ねによ
って所定の膜厚とするため、高アスペクトのパターンが
可能であり、更にCAD/CAMと合わせることによ
り、マスクを使用しないでも直接描画により支持体上に
パターン形成が可能となる。
【0050】
【実施例】以下、図面にしたがって本発明の実施例を示
す。
【0051】
【実施例1〜10】(1)転写用パターン付支持体の作
製:図1(a)に示した製造装置の概略図を参照して説
明する。感光性ペースト3を入れる容器2は、外光を遮
断するため金属製とし、露光窓21のみ透明板(石英)
で構成した。露光光学系40は、He−Cdレーザー
4、シャッタ41、レンズ43aと43bとを光学的に
接続する光ファイバ42及びレンズ43bを光ヘッドと
して露光窓21上をXY二次元に走査して光像を形成す
るXY軸制御系22で構成している。
【0052】また、容器内に収容される支持体1は、テ
ーブル20に保持され、テーブル保持体20aを介して
微動移動機構23によって上下に移動できる構成となっ
ている。これらテーブル20の位置制御、露光光学系4
0のシャッタ(41)制御及び光像を形成するXY軸制
御系22はパソコン24からの情報によって制御され
る。本実施例ではこのような光学系・テーブル制御シス
テムによって光造形システムを構成している。
【0053】支持体1には、200mm角の樹脂フィル
ム〔熱剥離性シートリバアルファ(商品名:日東電工
(株)製)〕を使用し、熱剥離面でない面を接着面とし
てテーブル20に貼付し、容器中の感光性ペースト3中
へ挿入した。
【0054】感光性ペースト3は、配線パターン形成用
として感光性銅ペーストPC−6000〔商品名:東レ
(株)製〕を使用した。ペースト粘度は1300Pであ
る。支持体1と容器底面の露光窓21との初期のギャッ
プを10μmとし、紫外線照射とテーブル上昇を数回繰
り返した後、ペースト中より引き上げた。紫外線照射に
よる露光は室温中で行った。
【0055】この例では露光を5回繰り返し、露光の度
にテーブルを10μmづつ段階的に上昇させ積層厚さb
=50μm、幅a=83μmのパターンを形成した。ア
スペクト比b/aは0.625である。
【0056】なお、露光回数は目的とするパターンの膜
厚を考慮して定め、露光を繰り返す度に上昇させる1回
のテーブルの上昇距離は、感光性ペーストの感度を考慮
して調整すればよい。ここでは1〜10μmの幅で調整
した。また、パターン幅は、光学系を制御して調整し
た。
【0057】なお、このようにして形成した配線パター
ンは後述するようにグリーンシート上に転写され、複数
枚積層され、焼成されて最終的には表1の実施例1に示
したように配線幅50μm、膜厚30μmの配線パター
ンとなり、アスペクト比b/aは0.6となった。焼成
により寸法は縮小されたがアスペクト比はほとんど変化
していない。
【0058】図1(b)は、このようにして得られた転
写用パターン付支持体51の断面図を示している。すな
わち、容器2から支持体1を取り出し、25℃に保持し
たモノエタノールアミンの0.5重量%の水溶液に浸漬
して現像し、その後水スプレーにより洗浄して、転写用
パターン5を支持体上に作製し、転写用パターン付支持
体51とした。
【0059】(2)アルミナ・グリーンシートの作製:
図2を参照して説明する。セラミック・グリーンシート
用粉末として、全体の組成としては酸化アルミニウム
(Al2393%)、シリカゲル(SiO25%)、酸
化マグネシウム(MgO2%)の成分を有する粒径5μ
m以下のセラミック粉末100重量部、溶剤150重量
部、ポリメタクリル酸エステル系のセラミック成形用有
機バインダ8重量部、及び可塑剤を加え合わせ、工程
(a)に示すように、これをアルミナ製内張り容器、ア
ルミナ製ボールを用いたボールミル装置6にて24時間
混練した。このようにしてセラミック前駆体組成物スラ
リを作製した後、これから減圧で脱泡した。更に減圧濃
縮により粘度を1000〜10000cPに調整したス
ラリ7を、工程(b)に示すように、ドクターブレード
型キャスト装置8を用い、ポリエステルフィルム上に塗
布して100℃で乾燥し、グリーンシート9を作製し
た。
【0060】(3)ガラスセラミック・グリーンシート
の作製:ガラスセラミック・グリーンシート用粉末とし
て、全体の組成としては硼珪酸ガラス(SiO284
%、B239%、K2O4%、Al233%)50%、
ムライト50%の成分を有する粒径5μm以下のセラミ
ック粉末100重量部、溶剤150重量部、ポリメタク
リル酸エステル系のセラミック成形用有機バインダ14
重量部、及び可塑剤を加え合わせた他はアルミナ・グリ
ーンシートと同様の製造工程により作製した。
【0061】(4)アルミナ多層配線基板の作製:図2
の工程(c)に示したように、グリーンシート9をパン
チ金型を用いて、200mm×200mm角に切断し、
ガイド用穴10を施した。その後、このガイド用穴10
を利用してグリーンシート9を固定し、パンチ11によ
り所定位置にスルーホール12を打ち抜いた。
【0062】次に工程(d)に示すように、粒径5μm
以下のタングステン粉末:エチルセルロース:α−テレ
ピネオール=100: 2:18(重量比)の導体ペー
スト13をスキージ14を用いてグリーンシート9にあ
けたスルーホール12に充填し、ビア15とし、穴埋め
グリーンシート91を作製した。
【0063】このグリーンシート91と転写用パターン
付支持体51とを図3(a)の如くビア15とパターン
5とを位置合わせして、100kgf/cm2の圧力に
てプレス圧着を行なった。脱圧後、120℃に加熱し、
図3(b)に示すように、支持体1を剥離してパターン
5を穴埋めグリーンシート91に転写することにより、
パターン付グリーンシート92を作製した。
【0064】このように回路形成されたグリーンシート
92を図3(c)に示すように、ガイド用穴10にガイ
ドピン16を通して位置を合わせ、40枚を積層し、1
30℃、120kgf/cm2の圧力にて熱プレス圧着
を行なった。得られた積層体を必要な形状に切断し、1
50mm×150mm角のグリーンシート積層板とし、
これを図3(d)に示したように、窒素−水素−水蒸気
の混合雰囲気焼成炉17内にて1600℃で2時間焼成
した。昇温の際に脱バインダを十分行った。これにより
120mm×120mm角、厚さ7mmのセラミック多
層配線基板93を作製した。
【0065】(5)ガラスセラミック多層配線基板の作
製:図2の工程(c)に示したように、グリーンシート
9をパンチ金型を用いて、200mm×200mm角に
切断し、ガイド用穴10を施した。その後、このガイド
用穴10を利用してグリーンシート9を固定し、パンチ
11により所定位置にスルーホール12を打ち抜いた。
次に工程(d)に示したように、粒径5μm以下の銅粉
末:エチルセルロース:2,2,4−トリメチルペンタ
ンジオールモノイソブチレート=100:2:10(重
量比)の導体ペースト13をスキージ14を用いてグリ
ーンシート9にあけたスルーホール12に充填し、ビア
15とし、穴埋めグリーンシート91を作製した。これ
と転写用パターン付支持体51とを図3(a)の如く位
置合わせして、100kgf/cm2の圧力にてプレス
圧着を行なった。脱圧後、120℃に加熱し、支持体1
を剥離してパターン5を穴埋めグリーンシート91に転
写することにより、パターン付グリーンシート92を作
製した。
【0066】このように回路形成されたグリーンシート
92を図3(c)に示すように、ガイド用穴10にガイ
ドピン16を通して位置を合わせ、40枚を積層し、1
30℃、120kgf/cm2の圧力にて熱プレス圧着
を行なった。得られた積層体を必要な形状に切断し、1
50mm×150mm角のグリーンシート積層板とし、
これを図3(d)に示したように、窒素−水素−水蒸気
の混合雰囲気焼成炉17内にて850℃、12時間の脱
バインダを行い、続けて950〜1000℃で2時間焼
成した。これにより120mm×120mm角、厚さ7
mmのセラミック多層配線基板93を作製した。
【0067】(6)評価:焼結後の基板について残留炭
素、配線について膜厚、比抵抗を測定した。残留炭素
は、基板の一部を粉砕し、これを酸化雰囲気で燃焼し、
生成した二酸化炭素を赤外線スペクトルにて定量した。
膜厚は、基板断面から測定した。比抵抗は4端子法測定
した。また、断線発生率を導通の有無で評価した。結果
を表1に示す。 〈比較
例1〉図2(c)で説明したように、実施例で作製した
ガラスセラミック・グリーンシート9をパンチ金型を用
いて、200mm×200mm角に切断し、ガイド用の
穴10を施した。その後、このガイド用の穴を利用して
グリーンシートを固定し、パンチ法により所定位置にス
ルーホールを打ち抜いた。次いで図2(d)で説明した
ように、粒径5μm以下の銅粉末:エチルセルロース:
2,2,4−トリメチルペンタンジオールモノイソブチ
レート=100:2:10(重量比)の導体ペーストを
グリーンシートにあけたスルーホールに充填した。
【0068】こうして得られたグリーンシート表面に導
体ペーストを用いて周知のスクリーン印刷法により回路
パターンを形成した。
【0069】このように回路形成されたグリーンシート
を図3(c)に示した工程と同様にしてガイド用の穴の
位置を合わせて40枚を積層し、130℃、120kg
f/cm2の圧力にて熱プレス圧着を行なった。得られ
た積層体を必要な形状に切断し、150mm×150m
m角のグリーンシート積層板とし、図3(d)に示した
工程と同様にして窒素−水素−水蒸気の混合雰囲気焼成
炉内にて850℃、12時間の脱バインダを行い、続け
て950〜1000℃で2時間焼成した。これにより1
20mm×120mm角、厚さ7mmのセラミック多層
配線基板を作製した。実施例と同じ評価を行った結果を
表2に示す。
【0070】〈比較例2〉実施例で使用したガラスセラ
ミック粉末100重量部にバインダとしてポリビニルブ
チラール12重量部、溶剤としてトルエン、エチルケト
ン及びイソプロピルアルコールの混合溶剤22重量部、
可塑剤3.1重量部、カチオン系分散剤1.2重量部を
加え合わせ、これをアルミナ製内張り容器、アルミナ製
ボールを用いたボールミルにて24時間混練した。この
ようにしてセラミック前駆体組成物スラリを作製した
後、これから減圧で脱泡した。更に減圧濃縮によりスラ
リ混合液の粘度を調整して1500〜10000cPと
し、ドクターブレード型キャスト装置を用い、ポリエス
テルフィルム上に塗布して100℃で乾燥し、グリーン
シートを作製した。
【0071】ポリマバインダとして40%のメタクリル
酸、30%のメチルメタクリレート及び30%のスチレ
ンからなる共重合体のカルボキシル基n対して0.4当
量のグリシジルメタクリレートを付加させたポリマ20
%と、光反応性化合物としてトリメチロール・プロパン
・トリアクリラート20%と、溶媒としてγ−ブチロラ
クトンと、光重合開始剤として2−メチル−1−[4−
(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−
1と2,4−ジエチルチオキサントンをポリマとモノマ
との総和に対して各々20%とをアトライタで12時間
湿式混合し、これを16時間脱泡して3500cPのス
ラリを作製した。
【0072】これをグリーンシート上に回転数1200
rpmでスピンコートして膜厚30μmの塗布膜を形成
した。これに上面から露光量1500mJ/cm2で紫
外線露光し、硬化させ、表面処理したグリーンシートを
作製した。
【0073】この様に作製したガラスセラミック・グリ
ーンシートをパンチ金型を用いて、200mm×200
mm角に切断し、ガイド用の穴を施した。その後、この
ガイド用の穴を利用してグリーンシートを固定し、パン
チ法により所定位置にスルーホールを打ち抜いた。粒径
5μm以下の銅粉末:エチルセルロース:2,2,4−
トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート=10
0:2:10(重量比)の導体ペーストをグリーンシー
トにあけたスルーホールに充填した。
【0074】次に、紫外線遮光下にて、グリーンシート
上に、250メッシュのスクリーンを用いて感光性銅ペ
ーストPC−6000〔商品名:東レ(株)製〕を16
0mm角に印刷した。これを100℃、30分で乾燥し
た。塗布膜の厚さは約20μmであった。
【0075】これを、30〜60μmの範囲で5μm間
隔のファインパターンを形成したクロムマスクを用い
て、上面から500mJ/cm2の出力の超高圧水銀灯
で紫外線露光した。次に25℃に保持したモノエタノー
ルアミンの0.5重量%の水溶液に浸漬して現像し、そ
の後水スプレーにより洗浄して、パターン付グリーンシ
ートを作製した。
【0076】このように回路形成されたグリーンシート
をガイド用の穴の位置を合わせて40枚を積層し、13
0℃、120kgf/cm2の圧力にて熱プレス圧着を
行なった。得られた積層体を必要な形状に切断し、15
0mm×150mm角のグリーンシート積層板とし、窒
素−水素−水蒸気の混合雰囲気焼成炉内にて850℃、
12時間の脱バインダを行い、続けて950〜1000
℃で2時間焼成した。これにより120mm×120m
m角、厚さ7mmのセラミック多層配線基板を作製し
た。実施例と同じ評価を行った結果を表2に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】これら表1及び表2の結果からアスペクト
比と断線発生率とについて実施例と比較例とを対比して
みると、配線パターンの形成をスクリーン印刷法で行っ
た比較例1の場合は、断線発生率90%と著しく劣る。
また、感光性ペースト塗布膜を使用した比較例2では断
線発生率0%で断線は生じないが、アスペクト比が0.
4と小さい。ここに示した本実施例のアスペクト比は
0.5〜1.75であるが、露光回数を調整することに
よって容易に任意の値に設定可能である。
【0080】なお、実施例では配線パターンの形成例に
ついて説明したが、感光性ペーストの組成を使用目的の
パターンの種類に合わせて選択すれば、抵抗体、誘電
体、絶縁体等のパターンについても同様に形成すること
ができる。
【0081】また、本実施例ではパターンを露光する際
に、マスクなしで露光光学系による光学的造形方法によ
ってパターンを発生させ、感光性ペースト液中で直接支
持体上に露光硬化させる方法を採用したが、さらに光学
系を簡素化し従来のマスクを用いた露光方法でもよいこ
とは云うまでもない。
【0082】
【発明の効果】以上詳述したように本発明により、所期
の目的を達成することができた。即ち、本発明によれ
ば、グリーンシート上に高精細且つ高アスペクト比のパ
ターンを容易に形成することができる。更に具体的に
は、グリーンシート上に、これに表面処理等を施すこと
なく感光性ペーストによる微細な導体、抵抗体、誘電
体、絶縁体のパターンを、従来の必須条件であった表面
処理等の格別な処理を施すことなく、高精度に、シート
に何等ダメージを与えずに、高アスペクトにて形成で
き、脱バインダ時間を長く必要とすることもない。
【0083】また、積層されたグリーンシートを焼結し
たセラミック多層配線基板は、焼結後においてもグリー
ンシート上に転写されたパターン形状を保持して、断面
が矩形で低抵抗の表層及び内装導体パターンが得られる
ようになった。その結果、パターンの高密度化、信号伝
搬の高速化、基板の小型化、省スペース化等に対応する
セラミック多層配線基板の実現が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写用パターン付支持体の製造装置の概略説明
図。
【図2】グリーンシートの製造工程図。
【図3】パターン転写工程を有するセラミック多層配線
基板の製造工程図。
【符号の説明】
1…支持体、 2…容器、 2
0…テーブル、20a…テーブル保持体、21…露光窓
(透明板)、22…XY軸位置制御系、23…微動移動
機構(Z軸位置制御系)、 24…パソコン、
3…感光性ペースト、 4…レーザー光、 4
0…露光光学系、41…シャッタ、 42…光フ
ァイバ、 43…レンズ、5…転写用パターン、
6…ボールミル装置、 7…スラリ、8…キャスト
装置、 9…グリーンシート、 10…ガイド用
穴、11…パンチ、 12…スルーホール、
13…導体ペースト、14…スキージ、 15
…ビア、 16…ガイドピン、17…焼成
炉、 51…転写用パターン付支持体、91…
穴埋めグリーンシート、92…パターン付グリーンシー
ト、93…セラミック多層配線基板。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリーンシート上に、転写用パターン付支
    持体を位置合わせして圧着し、前記支持体上に形成され
    た転写用パターンを前記グリーンシート上に転写する工
    程を有するグリーンシートの製造方法であって、前記転
    写用パターン付支持体を形成する工程を、露光窓を有
    する容器に液状の感光性ペーストを収容すると共に、前
    記露光窓に対向して所定の間隔をおいてテーブル上に保
    持された支持体を、前記液状の感光性ペースト中にて対
    面せしめる工程と、前記露光窓を通して活性エネルギ
    ーを前記支持体上に照射することにより、所定パターン
    の露光を行い支持体上の感光性ペーストを感光硬化せし
    めて支持体上に感光領域を形成する工程と、前記感光
    領域を現像して前記支持体上に所定のペーストパターン
    を形成する工程と、前記支持体を前記テーブルから切
    り離す工程とで構成して成るグリーンシートの製造方
    法。
  2. 【請求項2】上記の露光を繰り返し複数回行い、露光
    を繰り返す毎にテーブルの位置を露光窓から一定距離段
    階的に後退移動させて露光回数に見合った厚さの感光領
    域を支持体上に積層形成する工程を有して成る請求項1
    記載のグリーンシートの製造方法。
  3. 【請求項3】上記の露光窓を通して活性エネルギーを
    支持体上に照射することにより、所定パターンの露光を
    行い支持体上の感光性ペーストを感光硬化せしめて支持
    体上に感光領域を形成する工程においては、照射する活
    性エネルギーのパターンを照射光学系により発生させて
    直接的に支持体上にパターンを描画して露光する工程を
    有して成る請求項1もしくは2記載のグリーンシートの
    製造方法。
  4. 【請求項4】上記の露光窓を通して活性エネルギーを
    支持体上に照射することにより、所定パターンの露光を
    行い支持体上の感光性ペーストを感光硬化せしめて支持
    体上に感光領域を形成する工程においては、予め所定パ
    ターンが形成されたマスクを介して投影露光する工程を
    有して成る請求項1もしくは2記載のグリーンシートの
    製造方法。
  5. 【請求項5】感光性ペーストは、感光剤と導電ペース
    ト、抵抗体ペースト、誘電ペースト、もしくは絶縁ペー
    ストの何れか一つのペーストを含有して成る請求項1も
    しくは2記載のグリーンシートの製造方法。
  6. 【請求項6】グリーンシートには少なくともビアホール
    が形成され、ビアホール内には金属ペーストが埋め込ま
    れて構成されて成る請求項1もしくは2記載のグリーン
    シートの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6の何れか一に記載のグリー
    ンシートの製造方法によって得られたパターン付グリー
    ンシートを複数枚積層し、圧着、焼結する工程を有して
    成るセラミック多層配線基板の製造方法。
  8. 【請求項8】露光窓を有する容器と、 前記容器内に収容された液状の感光性ペーストと、 テーブル上に保持された支持体が、前記容器内に収容
    された感光性ペースト中に投入され、前記支持体面が前
    記露光窓に対面し、かつ前記露光窓から所定間隔を保持
    するようにテーブルを位置決めする手段と、 前記露光窓を通して活性エネルギーを前記支持体上に
    照射することにより、所定パターンの露光を行う手段と
    を具備して成る転写用パターン付支持体の製造装置。
  9. 【請求項9】露光窓を有する容器と、 前記容器内に収容された液状の感光性ペーストと、 テーブル上に保持された支持体が、前記容器内に収容
    された感光性ペースト中に投入され、前記支持体面が前
    記露光窓に対面し、かつ前記露光窓から所定間隔を保持
    するようにテーブルを位置決めする手段と、 前記露光窓を通して活性エネルギーを前記支持体上に
    照射することにより、所定パターンの露光を行う手段
    と、 前記露光を複数回繰り返す毎に、1回の露光で感光性
    ペーストが硬化する厚み相当分の移動距離だけテーブル
    を段階的に後退移動する手段とを具備して成る転写用パ
    ターン付支持体の製造装置。
  10. 【請求項10】上記の露光窓を通して活性エネルギー
    を支持体上に照射することにより、所定パターンの露光
    を行う手段を、支持体上に照射する活性エネルギーのパ
    ターンを照射光学系により発生させる手段と、前記発生
    した活性エネルギーのパターンを直接的に支持体上に描
    画して露光する手段とで構成して成る請求項8もしくは
    9記載の転写用パターン付支持体の製造装置。
  11. 【請求項11】上記の露光窓を通して活性エネルギー
    を支持体上に照射することにより、所定パターンの露光
    を行う手段を、予め所定パターンが形成されたマスクを
    介して支持体上に活性エネルギーを投影露光する手段で
    構成して成る請求項8もしくは9記載の転写用パターン
    付支持体の製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003008215A (ja) * 2001-06-18 2003-01-10 Sumitomo Metal Electronics Devices Inc セラミック多層基板の製造方法
US7326310B2 (en) * 2003-08-28 2008-02-05 Tdk Corporation Method for manufacturing ceramic green sheet and method for manufacturing electronic part using that ceramic green sheet

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