JPH11233345A - インダクタンス素子及び無線端末装置 - Google Patents

インダクタンス素子及び無線端末装置

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JPH11233345A
JPH11233345A JP10026951A JP2695198A JPH11233345A JP H11233345 A JPH11233345 A JP H11233345A JP 10026951 A JP10026951 A JP 10026951A JP 2695198 A JP2695198 A JP 2695198A JP H11233345 A JPH11233345 A JP H11233345A
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inductance
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和弘 竹田
Hiromi Sakida
広実 崎田
Yoshihiro Inoue
佳廣 井上
Kenzo Isozaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高インダクタンスを有し、小型で
生産効率がよいインダクタンス素子及び無線端末装置を
提供することを目的としている。 【解決手段】 基台11と、基台11上に設けられた導
電膜12と、導電膜12に設けられたスパイラル状の溝
13とを備え、長さL1,幅L2,高さL3としたとき
に、 L1=0.5〜2.1mm L2=0.2〜1.5mm L3=0.2〜1.5mm のサイズを有しており、しかも55nH以上のインダク
タンスを有するインダクタンス素子であって、導電膜1
2の巻回部の巻回密度を15ターン/mm〜50ターン
/mmとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信などの
電子機器に用いられ、特に高周波回路等に好適に用いら
れるインダクタンス素子及び無線端末装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図18は従来のインダクタンス素子を示
す側面図である。図18において、1は四角柱状また
は、円柱状の基台、2は基台1の上に形成された導電
膜、3は導電膜2に設けられた溝、4は導電膜3の上に
積層された保護材である。
【0003】この様な電子部品は、溝3の間隔などを調
整することによって、所定の特性に調整する。
【0004】先行例としては、特開平7−307201
号公報,特開平7−297033号公報,特開平5−1
29133号公報,特開平1−238003号公報,実
開昭57−117636号公報,特開平5−29925
0号公報,特開平7−297033号公報等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上のよ
うな構成では、高いインダクタンスを実現することはで
きず、素子の適応範囲を広くすることはできなかった。
また、無理に高いインダクタンスを実現するために巻数
をむやみに増やすと、断線などが発生し、歩留まりが非
常に悪くなっていた。
【0006】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、高いインダクタンスを実現でき、しかも製造歩留ま
りを向上させることができるインダクタンス素子及び無
線端末装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基台上に設け
られた導電膜と、導電膜に設けられたスパイラル状の溝
とを備え、長さL1,幅L2,高さL3としたときに、 L1=0.5〜2.1mm L2=0.2〜1.5mm L3=0.2〜1.5mm のサイズを有しており、しかも55nH以上のインダク
タンスを有するインダクタンス素子であって、導電膜の
巻回部の巻回密度を15ターン/mm〜50ターン/m
mとした。
【0008】
【発明の実施の形態】請求項1に係る発明は、基台と、
前記基台上に設けられた導電膜と、前記導電膜に設けら
れたスパイラル状の溝とを備え、長さL1,幅L2,高
さL3としたときに、 L1=0.5〜2.1mm L2=0.2〜1.5mm L3=0.2〜1.5mm のサイズを有しており、しかも55nH以上のインダク
タンスを有するインダクタンス素子であって、導電膜の
巻回部の巻回密度を15ターン/mm〜50ターン/m
mとした事によって、小型で、高いインダクタンスを有
する事が可能になるとともに、断線などの不具合が生じ
ず、量産的にも優れた構成となる。
【0009】請求項2に係る発明は、基台と、前記基台
上に設けられた導電膜と、前記導電膜に設けられたスパ
イラル状の溝とを備え、長さL1,幅L2,高さL3と
したときに、 L1=1.5〜1.7mm L2=0.7〜0.9mm L3=0.7〜0.9mm のサイズを有しており、しかも120nH以上のインダ
クタンスを有するインダクタンス素子であって、導電膜
の巻回部の巻回密度を18ターン/mm〜50ターン/
mmとした事によって、小型で、非常に高いインダクタ
ンスを有することが可能となり、断線などが生じずに量
産的にも非常に優れた構成となる。
【0010】請求項3に係る発明は、基台と、前記基台
上に設けられた導電膜と、前記導電膜に設けられたスパ
イラル状の溝とを備え、長さL1,幅L2,高さL3と
したときに、 L1=0.9〜1.1mm L2=0.4〜0.6mm L3=0.4〜0.6mm のサイズを有しており、しかも55nH以上のインダク
タンスを有するインダクタンス素子であって、導電膜の
巻回部の巻回密度を15ターン/mm〜30ターン/m
mとした事によって、非常に小型で、しかも高いインダ
クタンスを有することが可能となり、断線などが生じず
に量産的にも非常に優れた構成となる。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項1〜3にお
いて、導電膜の膜厚を5μm〜20μmとした事によっ
て、リーク発生率を極めて小さくすることができ、しか
も直流抵抗が大きくなったり、Q値が劣化することを防
止できる。
【0012】請求項5に係る発明は、請求項1〜4にお
いて、溝と溝で挟まれた導電膜の幅をP5、溝自身の幅
をP6とした場合、P5÷P6の値が、0.85〜1.
1である事によって、直流抵抗が大きくなったり、Q値
の劣化を防止できる。
【0013】請求項6に係る発明は、音声を音声信号に
変換する音声信号変換手段と、電話番号等を入力する操
作手段と、着信表示や電話番号等を表示する表示手段
と、音声信号を復調して送信信号に変換する送信手段
と、受信信号を音声信号に変換する受信手段と、前記送
信信号及び前記受信信号を送受信するアンテナと、各部
を制御する制御手段を備えた無線端末装置であって、ノ
イズ除去用の素子として、請求項1〜5いずれか1記載
のインダクタンス素子を用いた事によって、高いインダ
クタンスを有し、且つ小型でQ値の劣化の少なく、しか
も非常に小型の素子でノイズ除去も行うことができるの
で、装置の小型軽量化を行うことができる。
【0014】図1,図2はそれぞれ本発明の一実施の形
態におけるインダクタンス素子を示す斜視図及び側面図
である。
【0015】図1において、11は絶縁材料などをプレ
ス加工,押し出し法等を施して構成されている基台、1
2は基台11の上に設けられている導電膜で、導電膜1
2は、メッキ法やスパッタリング法等の蒸着法等によっ
て基台11上に形成される。13は基台11及び導電膜
12に設けられた溝で、溝13は、レーザ光線等を導電
膜12に照射することによって形成したり、導電膜12
に砥石等を当てて機械的に形成されている。14は基台
11及び導電膜12の溝13を設けた部分に塗布された
保護材、15,16はそれぞれ端子電極が形成された端
子部で、端子部15と端子部16の間には、溝13及び
保護材14が設けられている。なお、図2は、保護材1
4の一部を取り除いた図である。
【0016】また、本実施の形態のインダクタンス素子
は、55nH以上の高いインダクタンスを有し、しかも
インダクタンス素子の長さL1,幅L2,高さL3は以
下の通りとなっていることが好ましい。
【0017】L1=0.5〜2.1mm(好ましくは
0.6〜1.8mm) L2=0.2〜1.5mm(好ましくは0.2〜1.0
mm) L3=0.2〜1.5mm(好ましくは0.2〜1.0
mm) (なお、L1,L2,L3のそれぞれの寸法誤差は0.
02mm以下が好ましい)。
【0018】L1が0.5mm以下であると、必要とす
るインダクタンスを得ることができない。また、L1が
2.1mmを超えてしまうと、素子自体が大きくなって
しまい、電子回路等が形成された基板など(以下回路基
板等と略す)回路基板等の小型化ができず、ひいてはそ
の回路基板等を搭載した電子機器等の小型化を行うこと
ができない。また、L2,L3それぞれが0.2mm以
下であると、素子自体の機械的強度が弱くなりすぎてし
まい、実装装置などで、回路基板等に実装する場合に、
素子折れ等が発生することがある。また、L2,L3が
1.5mm以上となると、素子が大きくなりすぎて、回
路基板等の小型化、ひいては装置の小型化を行うことが
できない。なお、L4(段落ちの深さ)は5μm〜50
μm程度が好ましく、5μm以下であれば、保護材14
の厚さ等を薄くしなければならず、良好な保護特性等を
得ることができない。また、L4が50μmを超えると
基台の機械的強度が弱くなり、やはり素子折れ等が発生
することがある。
【0019】以上の様に構成されたインダクタンス素子
について、以下各部の詳細な説明をする。図3は本発明
の一実施の形態におけるインダクタンス素子に用いられ
る導電膜を形成した基台の断面図、図4は本発明の一実
施の形態におけるインダクタンス素子に用いられる基台
を示す図である。
【0020】まず、基台11の形状について説明する。
基台11は、図3及び図4に示す様に、回路基板等に実
装しやすいように断面が四角形状の中央部11aと中央
部11aの両端に一体に設けられ、しかも断面が四角形
状の端部11b,11cによって構成されている。な
お、端部11b,11c及び中央部11aは断面四角形
状としたが、五角形状や六角形状などの多角形状でも良
い。中央部11aは端部11b,11cから段落ちした
構成となっている。本実施の形態では、端部11b,1
1cの断面形状を略正四角状とすることによって、回路
基板等へのインダクタンス素子を装着性を良好にした。
また、本実施の形態では中央部11aに横向きに溝13
を形成することによって、どのように回路基板等に実装
しても方向性が無いために、取り扱いが容易になる。ま
た、中央部11aには素子部(溝13や保護材14)が
形成されることとなり、端部11b,11cには端子部
15,16が形成される。
【0021】なお、本実施の形態では、中央部11a及
び端部11b,11cをともに略正四角形状としたが、
正五角形状等の正多角形状にしてもよい。さらに、本実
施の形態では、中央部11aと端部11c,11bそれ
ぞれの断面形状を正四角形というように同一にしたが、
異なっても良い。すなわち、端部11b、11cの断面
形状を正多角形状とし、中央部11aの断面形状を他の
多角形状としたり、円形状としても良い。中央部11a
の断面形状を円形とすることによって、良好に溝13を
形成することができる。
【0022】さらに、本実施の形態では、中央部11a
を端部11b,11cより段落ちさせることによって、
保護材14を塗布した際に、その保護材14と回路基板
等が接触することなどを防止していたが、特に保護材1
4の厚みや実装される回路基板等の状況(回路基板等の
実装される部分に溝が形成されていたり、回路基板等の
電極部が盛り上がっている等)によって、中央部11a
を段落ちさせなくてもよい。中央部11aを端部11
b,11cから段落ちさせないと、基台11の構造が簡
単になり、生産性が向上し、さらに中央部11aの機械
的強度も向上する。この様に段落ちさせない場合でも、
断面四角形状の四角柱形状としてもよいし、さらに断面
を多角形状とする角柱とすることもできる。
【0023】また、図4(a)に示す様に基台11の端
部の高さZ1及びZ2は下記の条件を満たすことが好ま
しい。
【0024】 |Z1−Z2|≦80μm(好ましくは50μm) Z1とZ2の高さの違いが80μm(好ましくは50μ
m以下)を超えると、素子を基板に実装し、半田等で回
路基板等に取り付ける場合、半田等の表面張力によって
素子が一方の端部に引っ張られて、素子が立ってしまう
というマンハッタン現象の発生する確率が非常に高くな
る。このマンハッタン現象の側面図を図5に示す。図5
に示すように、基板200の上にインダクタンス素子を
配置し、端子部15,16それぞれと基板200の間に
半田201,202が設けられているが、リフローなど
によって半田201,202を溶かすと、半田201,
202のそれぞれの塗布量の違いや、材質が異なること
による融点の違いによって、溶融した半田201,20
2の表面張力が端子部15と端子部16で異なり、その
結果、図5に示すように一方の端子部(図5の場合は端
子部15)を中心に回転し、インダクタンス素子が立ち
上がってしまう。Z1とZ2の高さの違いが80μm
(好ましくは50μm以下)を超えると、素子が傾いた
状態で基板200に配置されることとなり、素子立ちを
促進する。また、マンハッタン現象は特に小型軽量のチ
ップ型の電子部品(チップ型インダクタンス素子を含
む)において顕著に発生し、しかもこのマンハッタン現
象の発生要因の一つとして、端子部15,16の高さの
違いによって素子が傾いて基板200に配置されること
を着目した。この結果、Z1とZ2の高さの差を80μ
m以下(好ましくは50μm以下)となるように、基台
11を成形などで加工することによって、このマンハッ
タン現象の発生を大幅に抑えることができた。Z1とZ
2の高さの差を50μm以下とすることによって、ほ
ぼ、マンハッタン現象の発生を抑えることができる。
【0025】また、基台11の形状として、円柱状とし
てもよい。基台11の形状を円柱状とすることによっ
て、後述するように基台11上に導電膜12を形成し、
その導電膜12にレーザ加工等によって溝を形成する場
合、その溝の深さなどを精度よく形成することができ、
特性のばらつきを抑えることができる。また、基台11
を円筒状とした場合に、基台11の中央部の直径を両端
の直径よりも小さくすることが特性の面から好ましい。
【0026】次に基台11の面取りについて説明する。
図6は本発明の一実施の形態におけるインダクタンス素
子に用いられる基台の斜視図である。図6に示されるよ
うに、基台11の端部11b,11cそれぞれの角部1
1e,11dには面取りが施されており、その面取りし
た角部11e,11dのそれぞれの曲率半径R1及び中
央部11aの角部11fの曲率半径R2は以下の通りに
形成されることが好ましい。
【0027】0.03<R1<0.15(mm) 0.01<R2(mm) R1が0.03mm以下であると、角部11e,11d
が尖った形状となっているので、ちょっとした衝撃など
によって角部11e,11dに欠けなどが生じることが
あり、その欠けによって、特性の劣化等が発生したりす
る。また、R1が0.15mm以上であると、角部11
e,11dが丸くなりすぎて、前述のマンハッタン現象
を起こしやすくなり、不具合が生じる。更にR2が0.
01mm以下であると、角部11fにバリなどが発生し
やすく、中央部11a上に形成され、しかも素子の特性
を大きく左右する導電膜12の厚みが角部11fと平坦
な部分で大きく異なることがあり、素子特性のばらつき
が大きくなる。
【0028】次に基台11の構成材料について説明す
る。基台11の構成材料として下記の特性を満足してお
くことが好ましい。
【0029】体積固有抵抗:1013Ωm以上(好ましく
は1014Ωm以上) 熱膨張係数:5×10-4/℃以下(好ましくは2×10
-5/℃以下)[20℃〜500℃における熱膨張係数] 比誘電率:1MHzにおいて12以下(好ましくは10
以下) 曲げ強度:1300kg/cm2以上(好ましくは20
00kg/cm2以上) 密度:2〜5g/cm3(好ましくは3〜4g/cm3) 基台11の構成材料が体積固有抵抗が1013Ωm以下で
あると、導電膜12とともに基台11にも所定に電流が
流れ始めるので、並列回路が形成された状態となり、自
己共振周波数f0及びQ値が低くなってしまい、高周波
用の素子としては不向きである。
【0030】また熱膨張係数が5×10-4/℃以上であ
ると、基台11にヒートショック等でクラックなどが入
ることがある。すなわち熱膨張係数が5×10-4/℃以
上であると、上述の様に溝13を形成する際にレーザ光
線や砥石等を用いるので、基台11が局部的に高温にな
り、基台11にクラックなどが生じることあるが、上述
の様な熱膨張係数を有することによって、大幅にクラッ
ク等の発生を抑止できる。
【0031】また、誘電率が1MHzにおいて12以上
であると、自己共振周波数f0及びQ値が低くなってし
まい、高周波用の素子としては不向きである。
【0032】曲げ強度が1300kg/cm2以下であ
ると、実装装置で回路基板等に実装する際に素子折れ等
が発生することがある。
【0033】密度が2g/cm3以下であると、基台1
1の吸水率が高くなり、基台11の特性が著しく劣化
し、素子としての特性が悪くなる。また密度が5g/c
3以上になると、基台の重量が重くなり、実装性など
に問題が発生する。特に密度を上述の範囲内に設定する
と、吸水率も小さく基台11への水の進入もほとんどな
く、しかも重量も軽くなり、チップマウンタなどで基板
に実装する際にも問題は発生しない。
【0034】この様に基台11の体積固有抵抗,熱膨張
係数,誘電率,曲げ強度,密度を規定することによっ
て、自己共振周波数f0やQが低下しないので、高周波
用の素子として用いることができ、ヒートショック等で
基台11にクラック等が発生することを抑制できるの
で、不良率を低減することができ、更には、機械的強度
を向上させることができるので、実装装置などを用いて
回路基板等に実装できるので、生産性が向上する等の優
れた効果を得ることができる。
【0035】上記の諸特性を得る材料としては、アルミ
ナを主成分とするセラミック材料が挙げられる。しかし
ながら、単にアルミナを主成分とするセラミック材料を
用いても上記諸特性を得ることはできない。すなわち、
上記諸特性は、基台11を作製する際のプレス圧力や焼
成温度及び添加物によって異なるので、作製条件などを
適宜調整しなければならない。具体的な作製条件とし
て、基台11の加工時のプレス圧力を2〜5t,焼成温
度を1500〜1600℃,焼成時間1〜3時間等の条
件が挙げられる。また、アルミナ材料の具体的な材料と
しては、Al23が92重量%以上,SiO2が6重量
%以下,MgOが1.5重量%以下,Fe23が0.1
%以下,Na2Oが0.3重量%以下等が挙げられる。
【0036】また、基台11の構成材料として、フェラ
イト等の磁性材料で構成してもよい。基台11をフェラ
イト等の磁性材料で構成すると、更に高いインダクタン
スを有する素子を形成することができる。
【0037】次に基台11の表面粗さについて説明す
る。なお、以下の説明で出てくる表面粗さとは、全て中
心線平均粗さを意味するものであり、導電膜12の説明
等に出てくる粗さも中心線平均粗さである。
【0038】基台11の表面粗さは0.15〜0.5μ
m程度、好ましくは0.2〜0.3μm程度がよい。図
7は本発明の一実施の形態におけるインダクタンス素子
に用いられる基台11の表面粗さと剥がれ発生率を示し
たグラフである。図7は下記に示すような実験の結果で
ある。基台11及び導電膜12はそれぞれアルミナ,銅
で構成し、基台11の表面粗さをいろいろ変えたサンプ
ルを作製し、その各サンプルの上に同じ条件で導電膜1
2を形成した。それぞれのサンプルに超音波洗浄を行
い、その後に導電膜12の表面を観察して、導電膜12
の剥がれの有無を測定した。基台11の表面粗さは、表
面粗さ測定器(東京精密サーフコム社製574A)を用
いて、先端Rが5μmのものを用いた。この結果から判
るように平均表面粗さが0.15μm以下であると、基
台11の上に形成された導電膜12の剥がれの発生率が
5%程度であり、良好な基台11と導電膜12の接合強
度を得ることができる。更に、表面粗さが0.2μm以
上であれば導電膜12の剥がれがほとんど発生していな
いので、できれば、基台11の表面粗さは0.2μm以
上が好ましい。導電膜12の剥がれは、素子の特性劣化
の大きな要因となるので、歩留まり等の面から発生率は
5%以下が好ましい。
【0039】図8は本発明の一実施の形態におけるイン
ダクタンス素子に用いられる基台の表面粗さに対する周
波数とQ値の関係を示すグラフである。図8は以下のよ
うな実験の結果である。まず、表面粗さが0.1μm以
下の基台11と、表面粗さが0.2〜0.3μmの基台
11と、表面粗さが0.5μm以上の基台11のそれぞ
れのサンプルを作製し、それぞれのサンプルに同じ材料
(銅)で同じ厚さの導電膜を形成した。そして、各サン
プルにおいて、所定の周波数FにおけるQ値を測定し
た。図8から判るように基台11の表面粗さが0.5μ
m以上であると、導電膜12の膜構造が悪くなることが
原因と考えられるQ値の低下が見られる。特に高周波領
域で顕著にQ値の劣化が見られる。また、自己共振周波
数f0(各線の極大値)も基台11の表面粗さが0.5
μmのものは、低周波側にシフトしている。従ってQ値
の面及び自己共振周波数f0の面から見れば基台11の
表面粗さは0.5μm以下とすることが好ましい。
【0040】以上の様に、導電膜12と基台11との密
着強度,導電膜のQ値及び自己共振周波数f0の双方の
結果から判断すると、基台11の表面粗さは、0.15
μm〜0.5μmが好ましく、さらに好ましくは0.2
〜0.3μmが良い。
【0041】また、表面粗さは、端部11b,11cと
中央部11aでは、平均表面粗さを異ならせた方が好ま
しい。すなわち、平均表面粗さ0.15〜0.5μmの
範囲内で端部11b,11cの平均表面粗さを中央部1
1aの平均表面粗さよりも小さくすることが好ましい。
端部11b,11cは導電膜12を積層することによっ
て上述の様に端子部15,16が構成されるので、端部
11b,11cの表面粗さを中央部11aより小さくす
ることによって、端部11b,11c上に形成される導
電膜12の表面粗さを小さくできるので、回路基板等の
電極との密着性を向上させることができ、確実な回路基
板等とインダクタンス素子の接合をおこなうことができ
る。また、中央部11aには導電膜12を積層し溝13
を形成するので、溝13をレーザ等で形成する際に導電
膜12が基台11からはがれ落ちないように導電膜12
と基台11の密着強度を向上させなければないので、端
部11b,11cよりも中央部11aの表面粗さを大き
くした方が好ましい。特にレーザで溝13を形成する場
合、レーザが照射された部分は他の部分よりも急激に温
度が上昇し、ヒートショック等で導電膜12が剥がれる
ことがある。従って、レーザで溝13を形成する場合に
は導電膜12と基台11の接合密度を他の部分よりも向
上させることが必要である。
【0042】この様に中央部11aと端部11b,11
cとの表面粗さを異ならせることによって、回路基板等
との密着性及び溝13の加工の際の導電膜12のはがれ
を防止することができる。
【0043】なお、本実施の形態では、導電膜12と基
台11の接合強度を基台11の表面粗さを調整すること
によって、向上させたが、例えば、基台11と導電膜1
2の間にCr単体またはCrと他の金属の合金の少なく
とも一方で構成された中間層を設けることによって、表
面粗さを調整せずとも導電膜12と基台11の密着強度
を向上させることができる。もちろん基台11の表面粗
さを調整し、その上その基台11の上に中間層及び導電
膜12を積層する場合では、より強力な導電膜12と基
台11の密着強度を得ることができる。
【0044】次に導電膜12について説明する。導電膜
12としては、55nH以上の高いインダクタンスを得
ると共に、自己共振周波数やQ値の劣化を防ぐために、
材料及び製法等を選択しなければならない。
【0045】以下具体的に導電膜12について説明す
る。導電膜12の構成材料としては、銅,銀,金,ニッ
ケルなどの導電材料が挙げられる。この銅,銀,金,ニ
ッケル等の材料には、耐候性等を向上させために所定の
元素を添加してもよい。また、導電材料と非金属材料等
の合金を用いてもよい。構成材料としてコスト面や耐食
性の面及び作り易さの面から銅及びその合金がよく用い
られる。導電膜12の材料として、銅等を用いる場合に
は、まず、基台11上に無電解メッキによって下地膜を
形成し、その下地膜の上に電解メッキにて所定の銅膜を
形成して導電膜12が形成される。更に、合金等で導電
膜12を形成する場合には、スパッタリング法や蒸着法
で構成することが好ましい。
【0046】導電膜12は単層で構成してもよいが、多
層構造としてもよい。すなわち、構成材料の異なる導電
膜を複数積層して構成しても良い。例えば、基台11の
上に先ず銅膜を形成し、その上に耐候性の良い金属膜
(ニッケル等)を積層する事によって、やや耐候性に問
題がある銅の腐食を防止することができる。
【0047】導電膜12の形成方法としては、メッキ法
(電解メッキ法や無電解メッキ法など),スパッタリン
グ法,蒸着法等が挙げられる。この形成方法の中でも、
量産性がよく、しかも膜厚のばらつきが小さなメッキ法
がよく用いられる。
【0048】次に、導電膜12の膜厚について図9を用
いて説明する。図9は、本発明の一実施の形態における
インダクタンス素子に用いられる導電膜12の膜厚とリ
ーク発生率の関係を示すグラフである。リーク発生率と
は、溝13を形成する際に、溝13と導電膜12の境界
部に、導電膜12にバリが発生し、そのバリが溝13を
またがって隣接する導電膜13に接触して、隣同士の導
電膜13が接触してしまうと言う不良品がどの程度発生
するかということである。すなわち、リーク発生率10
%というのは、100個のインダクタンス素子を作製し
た場合に、10個のインダクタンス素子において上述の
ようなリーク不良を起こすことを意味している。特に本
実施の形態のように、高インダクタンスを有する素子を
作製する場合には、どうしても溝13の幅を狭くして、
導電膜13の巻数を多くする必要があり、このリークに
よる不良が顕著に発生してくるので、このリーク発生率
の低減が課題となってくる。ここで、導電膜12の膜厚
と、リーク発生率の関係を図9を参照して見てみると、
導電膜12の膜厚が27μm以下であるとリーク発生率
が10%以下となり、十分な実用に耐えうる生産効率を
得ることができる。また、導電膜12の膜厚が20μm
以下であると、リーク発生率が5%以下となり極めて優
れた効果を有する事がわかる。
【0049】従って高インダクタンスを有するインダク
タンス素子としては、導電膜12の膜厚としては、20
μm以下が最も良いことがわかる。なお、直流抵抗がが
あまり大きくならず、しかもQ値が悪くならない事を考
慮すると、導電膜12の膜厚は5μm以上とすることが
好ましい。すなわち、高インダクタンスを有するインダ
クタンス素子の導電膜12の膜厚としては、5μm〜2
0μmとする事が好ましい。
【0050】導電膜12の表面粗さは1μm以下が好ま
しく、更に好ましくは0.2μm以下が好ましい。導電
膜12の表面粗さが1μmを超えると、表皮効果によっ
て高周波でのQ値が低下する。図10は本発明の一実施
の形態におけるインダクタンス素子に用いられる導電膜
12の周波数とQ値の関係を示すグラフである。図10
は下記の様な実験を通して導き出された。まず、同じ大
きさ同じ材料同じ表面粗さで構成された基台11の上に
銅を構成材料とする導電膜12の表面粗さを変えて形成
し、それぞれのサンプルにて各周波数におけるQ値を測
定した。図10から判るように、導電膜12の表面粗さ
が1μm以上であれば高周波領域におけるQ値が低くな
っていることが判る。更に導電膜12の表面粗さが0.
2μm以下であれば特に高周波領域におけるQ値が、非
常に高くなっていることがわかる。
【0051】以上の様に導電膜12の表面粗さは、1.
0μm以下が良く、更に好ましくは、0.2μm以下と
することによって、導電膜12の表皮効果を低減させる
ことができ、特に高周波におけるQ値を向上させる事が
できる。
【0052】更に導電膜12と基台11の密着強度は、
導電膜12を形成した基台11を400℃の温度下に数
秒間放置した後に基台11から導電膜12がはがれない
程度以上であることが好ましい。素子を基板等に実装し
た際に、素子には自己発熱や他の部材からの熱が加わる
ことによって、素子に200℃以上の温度が加わること
がある。従って、400℃で基台11からの導電膜12
のはがれが発生しない程度の密着強度であれば、たとえ
素子に熱が加わっても、素子の特性劣化等は発生しな
い。
【0053】次に保護材14について説明する。保護材
14としては、耐候性に優れた有機材料、例えばエポキ
シ樹脂などの絶縁性を示す材料が用いられる。また、保
護材14としては、溝13の状況等が観測できるような
透明度を有する事が好ましい。更に保護材14には透明
度を有したまま、所定の色を有することが好ましい。保
護材14に赤,青,緑などの、導電膜12や端子部1
5,16等と異なる色を着色する事によって、素子各部
の区別をする事ができ、素子各部の検査などが容易に行
える。また、素子の大きさ、特性、品番等の違いで保護
材14の色を変えることによって、特性や品番等の異な
る素子を誤った部分に取り付けるなどのミスを低減させ
ることができる。
【0054】また、保護材14は、図11に示すように
溝13の角部13aと保護材14の表面までの長さZ1
が5μm以上となるように塗布することが好ましい。Z
1が5μmより小さいと特性劣化や放電などが発生し易
くなり素子の特性が大幅に劣化することが考えられる。
また、溝13の角部13aは特に放電などが発生しやす
い部分であり、この角部13a上に厚さ5μm以上の保
護材14が形成されることが非常に好ましい。また、保
護材14を形成した後に再びメッキを施して電極膜等を
形成することがあるが、角部13a上に5μm以上の保
護材14が形成されていないと、電極膜等が付着すると
不具合が生じる保護材14上に電極膜等が形成されるこ
とになり、特性の劣化が生じる。
【0055】なお、本実施の形態の様に導電膜12を厚
く形成して、自己発熱等を抑える様にした場合、溝13
の深さが非常に深くなり、保護材14に凹凸が形成され
る事がある。例えば上述の様に導電膜12を銅などの材
料で構成するとともに膜厚を50μm以上とした場合、
溝13の深さは80μm〜100μm程度に達するが、
このとき保護材14を溝13の上に形成すると、保護材
14に大きな段差が生じることがある。この現象を詳細
に検討した結果、凹凸の段差が非常に大きいと、その凹
凸内に不要物が溜まって基板などに実装する際の衝撃に
よって、基板上にその不要物が落下して悪さをしたり、
同様に基板などに実装する際に、ノズルで保護材14部
分を吸着するが、上述の様に凹凸が非常に大きいと、ノ
ズルで吸着できない場合があり、実装の確実性を得るこ
とはできない事が分かった。そこで、凹凸の段差K3を
70μm以下(好ましくは50μm以下)とすれば、不
要物の付着やノズルの吸着ミスなどをかなりの確率で抑
制することができることを見出した。またこの段差の大
きな凹凸を少なくする方法として、例えば保護材の2度
塗り等がある。この方法は、先ず薄く保護材14を塗布
し、溝13内に保護材14を埋め込み、その後に再度保
護材14を塗布済みの保護材14の上に塗布するもので
ある。この様に保護材14の塗布方法等を工夫すること
によってたとえ、導電膜12の膜厚を大きくし、溝13
を深く形成しても、段差の大きな(K3が70μm以
下)凹凸が保護材14に形成される事はない。
【0056】次に端子部15,16について説明する。
端子部15,16は、導電膜12のみでも十分に機能す
るが、様々な環境条件等に順応させるために、多層構造
とすることが好ましい。
【0057】図12は本発明の一実施の形態におけるイ
ンダクタンス素子の端子部15の断面図である。図12
において、基台11の端部11bの上に導電膜12が形
成されており、しかも導電膜12の上には耐候性を有す
るニッケル,チタン等の材料で構成される保護層300
が形成されており、更に保護層300の上には半田等で
構成された接合層301が形成されている。保護層30
0は接合層と導電膜12の接合強度を向上させるととも
に、導電膜の耐候性を向上させることができる。本実施
の形態では、保護層300の構成材料として、ニッケル
かニッケル合金の少なくとも一方とし、接合層301の
構成材料としては半田を用いた。保護層300(ニッケ
ル)の厚みは2〜7μmが好ましく、2μmを下回ると
耐候性が悪くなり、7μmを上回ると保護層300(ニ
ッケル)自体の電気抵抗が高くなり、素子特性が大きく
劣化する。また、接合層301(半田)の厚みは5μm
〜10μm程度が好ましく、5μmを下回ると半田食わ
れ現象が発生して素子と回路基板等との良好な接合が期
待できず、10μmを上回るとマンハッタン現象が発生
し易くなり、実装性が非常に悪くなる。
【0058】次に溝13の幅と、溝13間に挟まれた導
電膜12の幅について説明する。図15は本発明の一実
施の形態におけるインダクタンス素子を示す部分拡大図
である。図15において、P4は前述の様に導電膜12
の膜厚であり、P4は5μm〜20μmである事が好ま
しい。P5は溝13と溝13に挟まれた導電膜の幅であ
り、P6は溝13自身の幅である。ここでC=(P5÷
P6)を定義する。
【0059】図16は本発明の実施の形態におけるイン
ダクタンス素子のCと直流抵抗の関係を示すグラフであ
る。図16から判るようにCが0.85以上であると、
直流抵抗は急激に減少しており、Cは0.85以上が好
ましいことが判る。図17は本発明の実施の形態におけ
るインダクタンス素子のCとQ値の関係を示すグラフで
ある。図17から判るようにCが1.1以上となると急
激にQ値が悪くなり、効率が悪い素子となることが判
る。従って、Cは0.85〜1.1とすることが直流抵
抗やQ値面から好ましいことが判る。
【0060】また、溝13と溝13で挟まれた導電膜1
2の巻線部分の巻回密度は、15ターン/mm〜50タ
ーン/mmとすることが好ましい。巻回密度が15ター
ン/mm以下であると、高インダクタンスを得ることは
できず、50ターン/mm以上であると、断線などが発
生し安くなり製造歩留まりが悪くなる。この様な構成に
よって、55nH以上の高インダクタンスを有するイン
ダクタンス素子を得ることができる。
【0061】なお、特にインダクタンス素子の長さL
1,幅L2,高さL3としたときに、 L1=1.5〜1.7mm L2=0.7〜0.9mm L3=0.7〜0.9mm となるようなサイズのインダクタンス素子の場合には、
巻回密度は18ターン/mm〜50ターン/mmとする
ことが好ましく、この様な構成によって、120nH以
上の高インダクタンスを有する素子を実現でき、しかも
断線などの防止を行うことができる。
【0062】また、インダクタンス素子の長さL1,幅
L2,高さL3としたときに、 L1=0.9〜1.1mm L2=0.4〜0.6mm L3=0.4〜0.6mm となるようなサイズのインダクタンス素子の場合には、
巻回密度は15ターン/mm〜30ターン/mmとする
ことが好ましく、この様な構成によって、55nH以上
の高インダクタンスを有する素子を実現でき、しかも断
線などの防止を行うことができる。
【0063】以上の様に構成されたインダクタンス素子
について、以下その製造方法について説明する。
【0064】まず、アルミナ等の絶縁材料をプレス成形
や押し出し法によって、基台11を作製する。次にその
基台11全体にメッキ法やスパッタリング法などによっ
て導電膜12を形成する。次に導電膜12を形成した基
台11にスパイラル状の溝13を形成する。溝13はレ
ーザ加工や切削加工によって作製される。レーザ加工
は、非常に生産性が良いので、以下レーザ加工について
説明する。まず、基台11を回転装置に取り付け、基台
11を回転させ、そして基台11の中央部11aにレー
ザを照射して導電膜12及び基台11の双方を取り除
き、スパイラル状の溝を形成する。このときのレーザ
は、YAGレーザ,エキシマレーザ,炭酸ガスレーザな
どを用いることができ、レーザ光をレンズなどで絞り込
むことによって、基台11の中央部11aに照射する。
更に、溝13の深さ等は、レーザのパワーを調整し、溝
13の幅等は、レーザ光を絞り込む際のレンズを交換す
ることによって行える。また、導電膜12の構成材料等
によって、レーザの吸収率が異なるので、レーザの種類
(レーザの波長)は、導電膜12の構成材料によって、
適宜選択することが好ましい。
【0065】溝13を形成した後に、溝13を形成した
部分(中央部11)に保護材14を塗布し、乾燥させ
る。
【0066】この時点でも、製品は完成するが、特に端
子部15,16にニッケル層や半田層を積層して、耐候
性や接合性を向上させることもある。ニッケル層や半田
層は、メッキ法等によって保護材14を形成した半完成
品に形成する。
【0067】なお、本実施の形態は、インダクタンス素
子について説明したが、絶縁材料によって構成された基
台の上に導電膜を形成する電子部品でも同様な効果を得
ることができる。
【0068】図13及び図14はそれぞれ本発明の一実
施の形態における無線端末装置を示す斜視図及びブロッ
ク図である。図13及び図14において、29は音声を
音声信号に変換するマイク、30は音声信号を音声に変
換するスピーカー、31はダイヤルボタン等から構成さ
れる操作部、32は着信等を表示する表示部、33はア
ンテナ、34はマイク29からの音声信号を復調して送
信信号に変換する送信部で、送信部34で作製された送
信信号は、アンテナ33を通して外部に放出される。3
5はアンテナ33で受信した受信信号を音声信号に変換
する受信部で、受信部35で作成された音声信号はスピ
ーカ30にて音声に変換される。36は送信部34,受
信部35,操作部31,表示部32を制御する制御部で
ある。
【0069】以下その動作の一例について説明する。先
ず、着信があった場合には、受信部35から制御部36
に着信信号を送出し、制御部36は、その着信信号に基
づいて、表示部32に所定のキャラクタ等を表示させ、
更に操作部31から着信を受ける旨のボタン等が押され
ると、信号が制御部36に送出されて、制御部36は、
着信モードに各部を設定する。即ちアンテナ33で受信
した信号は、受信部35で音声信号に変換され、音声信
号はスピーカー30から音声として出力されると共に、
マイク29から入力された音声は、音声信号に変換さ
れ、送信部34を介し、アンテナ33を通して外部に送
出される。
【0070】次に、発信する場合について説明する。ま
ず、発信する場合には、操作部31から発信する旨の信
号が、制御部36に入力される。続いて電話番号に相当
する信号が操作部31から制御部36に送られてくる
と、制御部36は送信部34を介して、電話番号に対応
する信号をアンテナ33から送出する。その送出信号に
よって、相手方との通信が確立されたら、その旨の信号
がアンテナ33を介し受信部35を通して制御部36に
送られると、制御部36は発信モードに各部を設定す
る。即ちアンテナ33で受信した信号は、受信部35で
音声信号に変換され、音声信号はスピーカー30から音
声として出力されると共に、マイク29から入力された
音声は、音声信号に変換され、送信部34を介し、アン
テナ33を通して外部に送出される。
【0071】上記で説明したインダクタンス素子(図1
〜図12に示すもの)は、無線端末装置のIF部でのフ
ィルタ回路やマッチング回路に用いられていると共に、
ノイズ除去用のフィルタとして用いられている。上述の
様に、高いインダクタンスを有し、且つ小型でQ値の劣
化の少ないインダクタンスを搭載することで、装置の小
型化が行える。又、上述の様な非常に高いインダクタン
スを有するインダクタンス素子を用いることによって、
ノイズ除去用のフィルタとして用いることができ、フィ
ルタを非常に小型にできるので、装置自体の小型化を実
現することができる。
【0072】
【発明の効果】本発明は、基台と、前記基台上に設けら
れた導電膜と、前記導電膜に設けられたスパイラル状の
溝とを備え、長さL1,幅L2,高さL3としたとき
に、 L1=0.5〜2.1mm L2=0.2〜1.5mm L3=0.2〜1.5mm のサイズを有しており、しかも55nH以上のインダク
タンスを有するインダクタンス素子であって、導電膜の
巻回部の巻回密度を15ターン/mm〜50ターン/m
mとした事によって、小型で、高いインダクタンスを有
する事が可能になるとともに、断線などの不具合が生じ
ず、量産的にも優れた構成となる。
【0073】また、音声を音声信号に変換する音声信号
変換手段と、電話番号等を入力する操作手段と、着信表
示や電話番号等を表示する表示手段と、音声信号を復調
して送信信号に変換する送信手段と、受信信号を音声信
号に変換する受信手段と、前記送信信号及び前記受信信
号を送受信するアンテナと、各部を制御する制御手段を
備えた無線端末装置であって、ノイズ除去用の素子とし
て、請求項1〜5いずれか1記載のインダクタンス素子
を用いた事によって、高いインダクタンスを有し、且つ
小型でQ値の劣化の少なく、しかも非常に小型の素子で
ノイズ除去も行うことができるので、装置の小型軽量化
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子を示す側面図
【図3】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる導電膜を形成した基台の断面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台を示す図
【図5】マンハッタン現象を示す側面図
【図6】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台の斜視図
【図7】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台の表面粗さと剥がれ発生率を示し
たグラフ
【図8】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台の表面粗さに対する周波数とQ値
の関係を示すグラフ
【図9】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる導電膜の膜厚とリーク発生率の関係を
示すグラフ
【図10】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子に用いられる導電膜の表面粗さに対する周波数と
Q値の関係を示すグラフ
【図11】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子の保護材を設けた部分の側面図
【図12】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子の端子部の断面図
【図13】本発明の一実施の形態における無線端末装置
を示す斜視図
【図14】本発明の一実施の形態における無線端末装置
を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態におけるインダクタンス
素子を示す部分拡大図
【図16】本発明の実施の形態におけるインダクタンス
素子のCと直流抵抗の関係を示すグラフ
【図17】本発明の実施の形態におけるインダクタンス
素子のCとQ値の関係を示すグラフ
【図18】従来のインダクタンス素子を示す側面図
【符号の説明】
11 基台 11a 中央部 11b,11c 端部 11d,11e,11f 角部 12 導電膜 13 溝 14 保護材 15,16 端子部 30 スピーカー 31 操作部 32 表示部 33 アンテナ 34 送信部 35 受信部 36 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯崎 賢蔵 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基台と、前記基台上に設けられた導電膜
    と、前記導電膜に設けられたスパイラル状の溝とを備
    え、長さL1,幅L2,高さL3としたときに、 L1=0.5〜2.1mm L2=0.2〜1.5mm L3=0.2〜1.5mm のサイズを有しており、しかも55nH以上のインダク
    タンスを有するインダクタンス素子であって、導電膜の
    巻回部の巻回密度を15ターン/mm〜50ターン/m
    mとした事を特徴とするインダクタンス素子。
  2. 【請求項2】基台と、前記基台上に設けられた導電膜
    と、前記導電膜に設けられたスパイラル状の溝とを備
    え、長さL1,幅L2,高さL3としたときに、 L1=1.5〜1.7mm L2=0.7〜0.9mm L3=0.7〜0.9mm のサイズを有しており、しかも120nH以上のインダ
    クタンスを有するインダクタンス素子であって、導電膜
    の巻回部の巻回密度を18ターン/mm〜50ターン/
    mmとした事を特徴とするインダクタンス素子。
  3. 【請求項3】基台と、前記基台上に設けられた導電膜
    と、前記導電膜に設けられたスパイラル状の溝とを備
    え、長さL1,幅L2,高さL3としたときに、 L1=0.9〜1.1mm L2=0.4〜0.6mm L3=0.4〜0.6mm のサイズを有しており、しかも55nH以上のインダク
    タンスを有するインダクタンス素子であって、導電膜の
    巻回部の巻回密度を15ターン/mm〜30ターン/m
    mとした事を特徴とするインダクタンス素子。
  4. 【請求項4】導電膜の膜厚を5μm〜20μmとした事
    を特徴とする請求項1〜3いずれか1記載のインダクタ
    ンス素子。
  5. 【請求項5】溝と溝で挟まれた導電膜の幅をP5、溝自
    身の幅をP6とした場合、P5÷P6の値が、0.85
    〜1.1である事を特徴とする請求項1〜4いずれか1
    記載のインダクタンス素子。
  6. 【請求項6】音声を音声信号に変換する音声信号変換手
    段と、電話番号等を入力する操作手段と、着信表示や電
    話番号等を表示する表示手段と、音声信号を復調して送
    信信号に変換する送信手段と、受信信号を音声信号に変
    換する受信手段と、前記送信信号及び前記受信信号を送
    受信するアンテナと、各部を制御する制御手段を備えた
    無線端末装置であって、ノイズ除去用の素子として、請
    求項1〜5いずれか1記載のインダクタンス素子を用い
    たことを特徴とする無線端末装置。
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