JP3099765B2 - インダクタンス素子及び無線端末装置 - Google Patents

インダクタンス素子及び無線端末装置

Info

Publication number
JP3099765B2
JP3099765B2 JP09062654A JP6265497A JP3099765B2 JP 3099765 B2 JP3099765 B2 JP 3099765B2 JP 09062654 A JP09062654 A JP 09062654A JP 6265497 A JP6265497 A JP 6265497A JP 3099765 B2 JP3099765 B2 JP 3099765B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inductance element
base
conductive film
element according
buffer layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09062654A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10256042A (ja
Inventor
廣実 崎田
和弘 竹田
賢蔵 磯▲ざき▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP09062654A priority Critical patent/JP3099765B2/ja
Publication of JPH10256042A publication Critical patent/JPH10256042A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3099765B2 publication Critical patent/JP3099765B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信などの
電子機器に用いられ、特に高周波回路等に好適に用いら
れるインダクタンス素子及び無線端末装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図15は従来のインダクタンス素子を示
す側面図である。図15において、1は四角柱状の基
台、2は基台1の上に形成された導電膜、3は導電膜2
に設けられた溝、4は導電膜3の上に積層された保護材
である。
【0003】この様な電子部品は、溝3の間隔などを調
整することによって、所定の特性に調整する。
【0004】先行例としては、特開平7−307201
号公報,特開平7−297033号公報,特開平5−1
29133号公報,特開平1−238003号公報,実
開昭57−117636号公報,特開平5−29925
0号公報,特開平7−297033号公報等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上のよ
うな構成では、導電膜2に形成された溝3の間の部分が
非常に狭いので、外力(衝突の際の衝撃や、実装機でピ
ックアップする際の吸引力等)によって、導電膜2の溝
3と溝3の間の部分が断線したりすることがあり、所定
の特性を得ることができないという問題点があった。
【0006】更に、素子の小型化が進むと、導電膜2の
溝3と溝の間の部分の幅が狭くなり、導電膜2が基台1
から剥がれるなどの不具合が生じていた。
【0007】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、特性の劣化を防止できるインダクタンス素子及び無
線端末装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、基台と導電膜
の間に基台と導電膜間の接合強度を得ることが可能なバ
ッファ層を設けた。
【0009】また、保護材の厚みを、端部よりも中央部
を厚くした。更に、上記バッファ層を設けるとともに、
保護材の中央部の厚みを厚く形成した。
【0010】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、角柱状で
ありアルミナを主成分とする材料で構成された基台と、
前記基台の上に設けられたバッファ層(メッキ法などの
溶液を用いて形成されたバッファ層は除く)と、前記バ
ッファ層の上に設けられた導電膜と、前記導電膜及び前
記バッファ層に設けられた溝と、前記溝を覆う樹脂製の
保護材とを備えたことによって、導電膜と基台の密着強
度を向上させることができるので、溝などの形成によっ
て、導電膜の溝間の部分が細くなったりしても、導電膜
の剥がれ等は発生しない。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、バッファ層としてCr,Ni,Cu,Ag,Au,
Tiの内少なくとも1以上からなる金属材料で構成した
ことによって、密着強度を確実に向上させることがで
き、しかも作製が非常に容易になる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1,2にお
いてバッファ層の厚さを数Å〜1μmとしたことによっ
て、Q値の劣化を防止でき、しかもコスト及び製造時間
を短縮することができる。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1〜3にお
いて、バッファ層を真空薄膜形成技術で形成したことに
よって基台の劣化を防止できる、確実なバッファ層形成
を行うことができる。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項4におい
て、真空薄膜形成技術として、蒸着法かスパッタリング
法のいずれか一方を用いたことによって、生産性を向上
させることができる。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項1〜5にお
いて、基台に段落ち部を設け、その段落ち部に溝を設け
るとともに、前記段落ち部に保護材を設けたことによっ
て、導電膜の溝間の部分を回路基板等の実装面より離す
ことができ、しかも保護材が素子から大きくはみ出すこ
とはない。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項1〜6にお
いて基台の両端部に端子電極を設けるとともに、基台の
中央部にスパイラル状の溝を設けたことによって、溝の
間隔を変更することでインダクタンスを設置できる。
【0017】請求項8記載の発明は、請求項1〜7にお
いて、基台の両端部を多角形状としたことによって、回
路基板等への実装しても、素子の転がり等を防止できる
ので、実装性を向上させることができる。
【0018】請求項9記載の発明は、請求項1〜8にお
いて、溝はレーザ加工によって形成されていることによ
って、溝の形成が容易になり、生産性が向上し、しかも
容易に溝の形状や間隔などを変える事ができるので、他
品種少量生産などに適している。
【0019】請求項10記載の発明は、請求項1〜9に
おいて、長さL1,幅L2,高さL3とした場合、 L1=0.5〜1.5mm L2=0.2〜0.7mm L3=0.2〜0.7mm としたことによって、電子機器の小型化ができ、しかも
素子折れ等が発生しない。
【0020】請求項11記載の発明は、請求項1におい
て、保護材の端部の厚さよりも中央部の厚さを厚くした
ことによって、導電膜の最も傷つきやすい中央部分の保
護膜を厚くすることによって、導電膜の断線等を防止で
き、特性の劣化を防止できる。
【0021】請求項12に記載の発明は、請求項にお
いて、基台に面取りを施した事によって、導電膜の膜厚
のばらつきを抑えることができ、素子特性のばらつきを
抑えることができる。
【0022】請求項13に記載の発明は、請求項6に
いて、基台の段落ち部の深さを5μm〜50μmとした
によって、良好な保護特性を得ることができ、しかも
素子の機械的強度が弱くなることはない。
【0023】請求項14に記載の発明は、請求項にお
いて、両端部の高さの差を80μm以下としたことによ
って、マンハッタン現象を抑えることができる。
【0024】請求項15に記載の発明は、請求項1にお
いて、基台の表面粗さを0.15μm〜0.5μmとし
たことによって、更に導電膜と基台の付着力を高くする
ことができ、しかもQ値等の特性も向上させることがで
きる
【0025】請求項16に記載の発明は、請求項にお
いて、導電膜とバッファ層の境界部に導電膜の構成材料
とバッファ層の構成材料の複合材料で構成された境界層
を設けたことによって、バッファ層と導電膜の付着強度
を向上させることができる。
【0026】請求項17に記載の発明は、請求項1にお
いて、導電膜を銅或いは銅合金で作製し、前記導電膜の
表面粗さを1μm以下としたことによって、高周波領域
でのQ値を向上させることができる。
【0027】請求項18に記載の発明は、音声を音声信
号に変換する音声信号変換手段と、電話番号等を入力す
る操作手段と、着信表示や電話番号等を表示する表示手
段と、音声信号を復調して送信信号に変換する送信手段
と、受信信号を音声信号に変換する受信手段と、前記送
信信号及び前記受信信号を送受信するアンテナと、各部
を制御する制御手段を備えた無線端末装置であって、受
信手段及び送信手段を構成するフィルタ回路やマッチン
グ回路を構成するインダクタンス素子として、請求項1
1〜17いずれか1記載のインダクタンス素子を用いた
ことによって、特性の劣化したインダクタンス素子が実
装される確率が極めて低くなるので、品質が向上すると
ともに、装置の小型化を行うことができ、しかも、素子
を基板などに実装する際に、素子折れ等を防止すること
ができるので、不良率を低減させることができ、生産性
を向上させることができる。
【0028】以下、本発明におけるインダクタンス素子
及び無線端末装置の実施の形態について説明する。
【0029】図1,図2はそれぞれ本発明の一実施の形
態におけるインダクタンス素子を示す斜視図及び側面図
である。
【0030】図1において、11は絶縁材料などをプレ
ス加工,押し出し法等を施して構成されている基台、1
2は基台11の上に設けられている導電膜で、導電膜1
2は、メッキ法やスパッタリング法等の蒸着法等によっ
て基台11上に形成される。13は基台11及び導電膜
12に設けられた溝で、溝13は、レーザ光線等を導電
膜12に照射することによって形成したり、導電膜12
に砥石等を当てて機械的に形成されている。14は基台
11及び導電膜12の溝13を設けた部分に塗布された
保護材、15,16はそれぞれ端子電極が形成された端
子部で、端子部15と端子部16の間には、溝13及び
保護材14が設けられている。なお、図2は、保護材1
4の一部を取り除いた図である。
【0031】また、本実施の形態のインダクタンス素子
は、実用周波数帯域が1〜6GHzと高周波数域に対応
するとともに、50nH以下の微小インダクタンスを有
し、しかもインダクタンス素子の長さL1,幅L2,高
さL3は以下の通りとなっていることが好ましい。
【0032】L1=0.5〜1.5mm(好ましくは
0.6〜1.1mm、更に好ましくは0.6〜1.0m
m) L2=0.2〜0.7mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) L3=0.2〜0.7mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) L1が0.5mm以下であると、自己共振周波数f0が
下がってしまうとともにQ値が低下してしまい、良好な
特性を得ることができない。また、L1が1.5mmを
超えてしまうと、素子自体が大きくなってしまい、電子
回路等が形成された基板など(以下回路基板等と略す)
回路基板等の小型化ができず、ひいてはその回路基板等
を搭載した電子機器等の小型化を行うことができない。
また、L2,L3それぞれが0.2mm以下であると、
素子自体の機械的強度が弱くなりすぎてしまい、実装装
置などで、回路基板等に実装する場合に、素子折れ等が
発生することがある。また、L2,L3が0.7mm以
上となると、素子が大きくなりすぎて、回路基板等の小
型化、ひいては装置の小型化を行うことができない。な
お、L4(段落ちの深さ)は5μm〜50μm程度が好
ましく、5μm以下であれば、保護材14の厚さ等を薄
くしなければならず、良好な保護特性等を得ることがで
きない。また、L4が50μmを超えると基台の機械的
強度が弱くなり、やはり素子折れ等が発生することがあ
る。
【0033】以上の様に構成されたインダクタンス素子
について、以下各部の詳細な説明をする。図3は本発明
の一実施の形態におけるインダクタンス素子に用いられ
る導電膜を形成した基台の断面図、図4(a)(b)は
それぞれ基台の側面図及び底面図である。
【0034】まず、基台11の形状について説明する。
基台11は、図3及び図4に示す様に、回路基板等に実
装しやすいように断面が四角形状の中央部11aと中央
部11aの両端に一体に設けられ、しかも断面が四角形
状の端部11b,11cによって構成されている。な
お、端部11b,11c及び中央部11aは断面四角形
状としたが、五角形状や六角形状などの多角形状でも良
い。中央部11aは端部11b,11cから段落ちした
構成となっている。本実施の形態では、端部11b,1
1cの断面形状を略正四角状とすることによって、回路
基板等へのインダクタンス素子を装着性を良好にした。
また、本実施の形態では中央部11aに横向きに溝13
を形成することによって、どのように回路基板等に実装
しても方向性が無いために、取り扱いが容易になる。ま
た、中央部11aには素子部(溝13や保護材14)が
形成されることとなり、端部11b,11cには端子部
15,16が形成される。
【0035】なお、本実施の形態では、中央部11a及
び端部11b,11cをともに略正四角形状としたが、
正五角形状等の正多角形状にしてもよい。さらに、本実
施の形態では、中央部11aと端部11c,11bそれ
ぞれの断面形状を正四角形というように同一にしたが、
異なっても良い。すなわち、端部11b、11cの断面
形状を正多角形状とし、中央部11aの断面形状を他の
多角形状としたり、円形状としても良い。中央部11a
の断面形状を円形とすることによって、良好に溝13を
形成することができる。
【0036】さらに、本実施の形態では、中央部11a
を端部11b,11cより段落ちさせることによって、
保護材14を塗布した際に、その保護材14と回路基板
等が接触することなどを防止していたが、特に保護材1
4の厚みや実装される回路基板等の状況(回路基板等の
実装される部分に溝が形成されていたり、回路基板等の
電極部が盛り上がっている等)によって、中央部11a
を段落ちさせなくてもよい。中央部11aを端部11
b,11cから段落ちさせないと、基台11の構造が簡
単になり、生産性が向上し、さらに中央部11aの機械
的強度も向上する。この様に段落ちさせない場合でも、
断面四角形状の四角柱形状としてもよいし、さらに断面
を多角形状とする角柱とすることもできる。
【0037】また、図4(a)に示す様に基台11の端
部の高さZ1及びZ2は下記の条件を満たすことが好ま
しい。
【0038】 |Z1−Z2|≦80μm(好ましくは50μm) Z1とZ2の高さの違いが80μm(好ましくは50μ
m以下)を超えると、素子を基板に実装し、半田等で回
路基板等に取り付ける場合、半田等の表面張力によって
素子が一方の端部に引っ張られて、素子が立ってしまう
というマンハッタン現象の発生する確率が非常に高くな
る。このマンハッタン現象を図5に示す。図5に示すよ
うに、基板200の上にインダクタンス素子を配置し、
端子部15,16それぞれと基板200の間に半田20
1,202が設けられているが、リフローなどによって
半田201,202を溶かすと、半田201,202の
それぞれの塗布量の違いや、材質が異なることによる融
点の違いによって、溶融した半田201,202の表面
張力が端子部15と端子部16で異なり、その結果、図
5に示すように一方の端子部(図5の場合は端子部1
5)を中心に回転し、インダクタンス素子が立ち上がっ
てしまう。Z1とZ2の高さの違いが80μm(好まし
くは50μm以下)を超えると、素子が傾いた状態で基
板200に配置されることとなり、素子立ちを促進す
る。また、マンハッタン現象は特に小型軽量のチップ型
の電子部品(チップ型インダクタンス素子を含む)にお
いて顕著に発生し、しかもこのマンハッタン現象の発生
要因の一つとして、端子部15,16の高さの違いによ
って素子が傾いて基板200に配置されることを着目し
た。この結果、Z1とZ2の高さの差を80μm以下
(好ましくは50μm以下)となるように、基台11を
成形などで加工することによって、このマンハッタン現
象の発生を大幅に抑えることができた。Z1とZ2の高
さの差を50μm以下とすることによって、ほぼ、マン
ハッタン現象の発生を抑えることができる。
【0039】次に基台11の面取りについて説明する。
図6は本発明の一実施の形態におけるインダクタンス素
子に用いられる基台の斜視図である。図6に示されるよ
うに、基台11の端部11b,11cそれぞれの角部1
1e,11dには面取りが施されており、その面取りし
た角部11e,11dのそれぞれの曲率半径R1及び中
央部11aの角部11fの曲率半径R2は以下の通りに
形成されることが好ましい。
【0040】0.03<R1<0.15(mm) 0.01<R2(mm) R1が0.03mm以下であると、角部11e,11d
が尖った形状となっているので、ちょっとした衝撃など
によって角部11e,11dに欠けなどが生じることが
あり、その欠けによって、特性の劣化等が発生したりす
る。また、R1が0.15mm以上であると、角部11
e,11dが丸くなりすぎて、前述のマンハッタン現象
を起こしやすくなり、不具合が生じる。更にR2が0.
01mm以下であると、角部11fにバリなどが発生し
やすく、中央部11a上に形成され、しかも素子の特性
を大きく左右する導電膜12の厚みが角部11fと平坦
な部分で大きく異なることがあり、素子特性のばらつき
が大きくなる。
【0041】次に基台11の構成材料について説明す
る。基台11の構成材料として下記の特性を満足してお
くことが好ましい。
【0042】体積固有抵抗:1013以上(好ましくは1
14以上) 熱膨張係数:5×10-4以下(好ましくは2×10-5
下)[20℃〜500℃における熱膨張係数] 誘電率:1MHzにおいて12以下(好ましくは10以
下) 曲げ強度:1300kg/cm2以上(好ましくは20
00kg/cm2以上) 密度:2〜5g/cm3(好ましくは3〜4g/cm3) 基台11の構成材料が体積固有抵抗が1013以下である
と、導電膜12とともに基台11にも所定に電流が流れ
始めるので、並列回路が形成された状態となり、自己共
振周波数f0及びQ値が低くなってしまい、高周波用の
素子としては不向きである。
【0043】また熱膨張係数が5×10-4以上である
と、基台11にヒートショック等でクラックなどが入る
ことがある。すなわち熱膨張係数が5×10-4以上であ
ると、上述の様に溝13を形成する際にレーザ光線や砥
石等を用いるので、基台11が局部的に高温になり、基
台11にクラックなどが生じることあるが、上述の様な
熱膨張係数を有することによって、大幅にクラック等の
発生を抑止できる。
【0044】また、誘電率が1MHzにおいて12以上
であると、自己共振周波数f0及びQ値が低くなってし
まい、高周波用の素子としては不向きである。
【0045】曲げ強度が1300kg/cm2以下であ
ると、実装装置で回路基板等に実装する際に素子折れ等
が発生することがある。
【0046】密度が2g/cm3以下であると、基台1
1の吸水率が高くなり、基台11の特性が著しく劣化
し、素子としての特性が悪くなる。また密度が5g/c
3以上になると、基台の重量が重くなり、実装性など
に問題が発生する。特に密度を上述の範囲内に設定する
と、吸水率も小さく基台11への水の進入もほとんどな
く、しかも重量も軽くなり、チップマウンタなどで基板
に実装する際にも問題は発生しない。
【0047】この様に基台11の体積固有抵抗,熱膨張
係数,誘電率,曲げ強度,密度を規定することによっ
て、自己共振周波数f0やQが低下しないので、高周波
用の素子として用いることができ、ヒートショック等で
基台11にクラック等が発生することを抑制できるの
で、不良率を低減することができ、更には、機械的強度
を向上させることができるので、実装装置などを用いて
回路基板等に実装できるので、生産性が向上する等の優
れた効果を得ることができる。
【0048】上記の諸特性を得る材料としては、アルミ
ナを主成分とするセラミック材料が挙げられる。しかし
ながら、単にアルミナを主成分とするセラミック材料を
用いても上記諸特性を得ることはできない。すなわち、
上記諸特性は、基台11を作製する際のプレス圧力や焼
成温度及び添加物によって異なるので、作製条件などを
適宜調整しなければならない。具体的な作製条件とし
て、基台11の加工時のプレス圧力を2〜5t,焼成温
度を1500〜1600℃,焼成時間1〜3時間等の条
件が挙げられる。また、アルミナ材料の具体的な材料と
しては、Al23が92重量%以上,SiO2が6重量
%以下,MgOが1.5重量%以下,Fe23が0.1
%以下,Na2Oが0.3重量%以下等が挙げられる。
【0049】また、基台11の構成材料としては、Mn
−Znフェライトなどの磁性材料を用いても良い。磁性
材料を用いる場合には、上述の体積抵抗率等の特性を満
足してもしなくても良い。
【0050】次に基台11の表面粗さについて説明す
る。なお、以下の説明で出てくる表面粗さとは、全て中
心線平均粗さを意味するものであり、導電膜12の説明
等に出てくる粗さも中心線平均粗さである。
【0051】基台11の表面粗さは0.15〜0.5μ
m程度、好ましくは0.2〜0.3μm程度がよい。図
7は本発明の一実施の形態におけるインダクタンス素子
に用いられる基台の表面粗さと剥がれ発生率を示したグ
ラフである。図7は下記に示すような実験の結果であ
る。基台11,導電膜12はそれぞれアルミナ,銅で構
成し、基台11の表面粗さをいろいろ変えたサンプルを
作製し、その各サンプルの上に同じ条件で導電膜12を
形成した。それぞれのサンプルに超音波洗浄を行い、そ
の後に導電膜12の表面を観察して、導電膜12の剥が
れの有無を測定した。基台11の表面粗さは、表面粗さ
測定器(東京精密サーフコム社製 574A)を用い
て、先端Rが5μmのものを用いた。この結果から判る
ように平均表面粗さが0.15μm以下であると、基台
11の上に形成された導電膜12の剥がれの発生率が5
%程度であり、良好な基台11と導電膜12の接合強度
を得ることができる。更に、表面粗さが0.2μm以上
であれば導電膜12の剥がれがほとんど発生していない
ので、できれば、基台11の表面粗さは0.2μm以上
が好ましい。導電膜12の剥がれは、素子の特性劣化の
大きな要因となるので、歩留まり等の面から発生率は5
%以下が好ましい。
【0052】図8は本発明の一実施の形態におけるイン
ダクタンス素子に用いられる基台の表面粗さに対する周
波数とQ値の関係を示すグラフである。図8は以下のよ
うな実験の結果である。まず、表面粗さが0.1μm以
下の基台11と、表面粗さが0.2〜0.3μmの基台
11と、表面粗さが0.5μm以上の基台11のそれぞ
れのサンプルを作製し、それぞれのサンプルに同じ材料
(銅)で同じ厚さの導電膜を形成した。そして、各サン
プルにおいて、所定の周波数FにおけるQ値を測定し
た。図8から判るように基台11の表面粗さが0.5μ
m以上であると、導電膜12の膜構造が悪くなることが
原因と考えられるQ値の低下が見られる。特に高周波領
域で顕著にQ値の劣化が見られる。また、自己共振周波
数f0(各線の極大値)も基台11の表面粗さが0.5
μmのものは、低周波側にシフトしている。従ってQ値
の面及び自己共振周波数f0の面から見れば基台11の
表面粗さは0.5μm以下とすることが好ましい。
【0053】以上の様に、導電膜12と基台11との密
着強度,導電膜のQ値及び自己共振周波数f0の双方の
結果から判断すると、基台11の表面粗さは、0.15
μm〜0.5μmが好ましく、さらに好ましくは0.2
〜0.3μmが良い。
【0054】また、表面粗さは、端部11b,11cと
中央部11aでは、平均表面粗さを異ならせた方が好ま
しい。すなわち、平均表面粗さ0.15〜0.5μmの
範囲内で端部11b,11cの平均表面粗さを中央部1
1aの平均表面粗さよりも小さくすることが好ましい。
端部11b,11cは導電膜12を積層することによっ
て上述の様に端子部15,16が構成されるので、端部
11b,11cの表面粗さを中央部11aより小さくす
ることによって、端部11b,11c上に形成される導
電膜12の表面粗さを小さくできるので、回路基板等の
電極との密着性を向上させることができ、確実な回路基
板等とインダクタンス素子の接合をおこなうことができ
る。また、中央部11aには導電膜12を積層し溝13
を形成するので、溝13をレーザ等で形成する際に導電
膜12が基台11からはがれ落ちないように導電膜12
と基台11の密着強度を向上させなければないので、端
部11b,11cよりも中央部11aの表面粗さを大き
くした方が好ましい。特にレーザで溝13を形成する場
合、レーザが照射された部分は他の部分よりも急激に温
度が上昇し、ヒートショック等で導電膜12が剥がれる
ことがある。従って、レーザで溝13を形成する場合に
は導電膜12と基台11の接合密度を他の部分よりも向
上させることが必要である。
【0055】この様に中央部11aと端部11b,11
cとの表面粗さを異ならせることによって、回路基板等
との密着性及び溝13の加工の際の導電膜12のはがれ
を防止することができる。
【0056】なお、本実施の形態では、導電膜12と基
台11の接合強度を基台11の表面粗さを調整すること
によって、向上させたが、例えば、図3に示す様に基台
11と導電膜12の間にバッファ層700を設けること
によって導電膜12と基台11の密着強度を向上させる
ことも可能である。当然のことながら、基台11の表面
粗さの調整とバッファ層700を同時に満たすことによ
って、更に基台11と導電膜の密着強度を向上させるこ
とができる。バッファ層700の構成材料としては、C
r,Ni,Cu,Ag,Au,Ti等の導電性の金属材
料単体かそれら金属材料の内少なくとも2つ以上からな
る金属材料などが好適に用いることができる。なお、上
記構成材料には、C,Fe,O,N,Si等の不純物が
特性に影響しない程度に添加されてもよい。また、バッ
ファ層700は、上記金属材料単体を積層して構成して
も良いし、上記金属材料の少なくとも2つ以上からなる
金属材料を積層して構成しても良い。特に、バッファ層
700の作り易さやコスト面を考慮すると、バッファ層
700の構成材料としてはCr単体またはCrと他の金
属の合金あるいはCuで構成した方が好ましい。Crと
他の金属との合金を用いる場合には、生産性や電気特性
を考慮に入れるとNi−Cr合金を用いることが好まし
い。また、バッファ層700の厚さとしては、数Å(好
ましくは10Å)〜1μm程度の厚さが好ましい。バッ
ファ層700の厚さが10Å以下になると、電気抵抗が
高くなることによって生じる素子のQ値が低下したり、
十分な密着強度を得ることが困難である。また、バッフ
ァ層700の厚さが1μm程度あれば十分な密着強度等
を得ることができるので、コストの面や製造工程の短縮
を行うために、バッファ層700の厚さは1μm以下が
好ましい。更に、バッファ層700は、真空薄膜形成技
術(真空蒸着法やスパッタリング法などの物理的な薄膜
形成技術)で構成することが好ましい。バッファ層70
0を真空薄膜技術で形成すると、メッキ法などでバッフ
ァ層700を形成した場合に比較して、基台11の特性
を劣化させることは少ない。即ち、メッキ法などの溶液
を用いる場合では、バッファ層700を構成する場合
に、メッキ液の中の溶液が、基台11の中に入り込み基
台11の特性劣化を引き起こすことがあるからである。
特に、基台11をフェライトなどの多結晶材料を用いる
と、ポーラス部が大きく、しかもポーラス部の数も多い
ため、溶液が進入しやすくなる。以上の様な理由から、
バッファ層は真空薄膜形成技術で構成した方が好まし
い。
【0057】また、バッファ層700の構成される構成
材料の電気抵抗をその上に形成される導電膜12の電気
抵抗より大きくしたり、小さくしたりすることによっ
て、温度係数などの諸特性を調整することができる。本
実施の形態では、バッファ層700としてNi−Cr合
金を用い、導電膜12に動を用いた。この場合には、導
電膜12の方が電気抵抗が小さくなり、諸特性を向上さ
せることができる。
【0058】また、バッファ層700と導電膜12の境
界部にバッファ層700の構成材料と導電膜12の構成
材料の複合材料で構成された境界層を設けるように各層
を形成することによって、更にバッファ層700と導電
膜12の密着性を向上させることができる。
【0059】なお、本実施の形態においては、生産性を
考慮して、基台11上の全面にバッファ層700を設け
た後に、導電膜12を形成したが、溝13を形成する部
分にのみ(本実施の形態では、端子部15と端子部16
の間または、端子部15,16間の段落ち部)バッファ
層700を設けることで、基台11と導電膜12の密着
強度を向上させることができ、溝13形成後の導電膜1
2の剥がれを防止することができる。
【0060】以上の様に、基台11と導電膜12の間
に、基台11と導電膜12密着強度を向上させることが
可能なバッファ層700を設ける(特に、少なくとも溝
13を形成する部分にバッファ層を設ける)ことによっ
て、導電膜12と基台11間の接合強度を向上させるこ
とができる。特に、導電膜12の溝13と溝13の間の
部分(以下溝間部分と略す)が狭くなってくると、溝間
部分は、基台11との接合面積が小さくなるので、密着
強度も弱くなるが、上述の様にバッファ層700を設け
ることによって、溝間部分が狭くなっても基台11との
密着強度を上げることができる。従って、従来の様に、
製造工程の途中などに、溝13を形成した部分に衝撃や
急激な温度変化などが発生しても、導電膜12が剥がれ
る確率は非常に小さくなり、不良品などの発生を防止で
きる。特に上述に示した素子のサイズ、即ち、インダク
タンス素子の長さL1,幅L2,高さL3とした場合、 L1=0.5〜1.5mm(好ましくは0.6〜1.1
mm、更に好ましくは0.6〜1.0mm) L2=0.2〜0.7mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) L3=0.2〜0.7mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) のサイズを有するインダクタ素子には有効である。
【0061】バッファ層700の製造方法としては、先
ず基台11を所定の形状に作製した後に、真空蒸着装置
やスパッタリング装置などによって、金属の蒸着膜かス
パッタ膜を基台11上に形成し、この膜をバッファ層7
00とする。次にメッキ法などによって、バッファ層7
00の上に導電膜12を形成する。
【0062】次に導電膜12について説明する。導電膜
12としては、50nH以下の微少インダクタンスを有
し、しかも800MHz以上の高周波信号に対してQ値
が30以上であり、しかも自己共振周波数が1〜6GH
z程度のものが好ましい。この様な特性の導電膜12を
得るためには、材料及び製法等を選択しなければならな
い。
【0063】以下具体的に導電膜12について説明す
る。導電膜12の構成材料としては、銅,銀,金,ニッ
ケルなどの導電材料が挙げられる。この銅,銀,金,ニ
ッケル等の材料には、耐候性等を向上させために所定の
元素を添加してもよい。また、導電材料と非金属材料等
の合金を用いてもよい。構成材料としてコスト面や耐食
性の面及び作り易さの面から銅及びその合金がよく用い
られる。導電膜12の材料として、銅等を用いる場合に
は、まず、基台11上に無電解メッキによって下地膜を
形成し、その下地膜の上に電解メッキにて所定の銅膜を
形成して導電膜12が形成される。更に、合金等で導電
膜12を形成する場合には、スパッタリング法や蒸着法
で構成することが好ましい。また、構成材料に銅及びそ
の合金を用いた場合導電膜12の形成厚みは15μm以
上が好ましい。厚みが15μmより薄いと、導電膜12
のQ値が小さくなり所定の特性を得ることができにく
い。図9は、導電膜12の膜厚とQ値の関係を示すグラ
フである。導電膜12の構成材料としては銅を用い、基
台11の材料及び表面粗さ等は、同じ条件にし、その基
台11の上に形成する導電膜12の厚さを変化させ、そ
れぞれの場合におけるQ値を測定した。図9から判るよ
うに導電膜12の厚さが15μm以上であると、Q値は
30を超えている。また、導電膜12の膜厚は15μm
以上の領域では、Q値はあまり向上しないので、コスト
面や不良率の低減のために導電膜12の膜厚は35μm
以下とすることが好ましい。更に導電膜12の厚さは2
1以上が好ましい。
【0064】導電膜12は単層で構成してもよいが、多
層構造としてもよい。すなわち、構成材料の異なる導電
膜を複数積層して構成しても良い。例えば、基台11の
上に先ず銅膜を形成し、その上に耐候性の良い金属膜
(ニッケル等)を積層する事によって、やや耐候性に問
題がある銅の腐食を防止することができる。
【0065】導電膜12の形成方法としては、メッキ法
(電解メッキ法や無電解メッキ法など),スパッタリン
グ法,蒸着法等が挙げられる。この形成方法の中でも、
量産性がよく、しかも膜厚のばらつきが小さなメッキ法
がよく用いられる。
【0066】導電膜12の表面粗さは1μm以下が好ま
しく、更に好ましくは0.2μm以下が好ましい。導電
膜12の表面粗さが1μmを超えると、表皮効果によっ
て高周波でのQ値が低下する。図10は導電膜12の周
波数とQ値の関係を示すグラフである。図10は下記の
様な実験を通して導き出された。まず、同じ大きさ同じ
材料同じ表面粗さで構成された基台11の上に銅を構成
材料とする導電膜12の表面粗さを変えて形成し、それ
ぞれのサンプルにて各周波数におけるQ値を測定した。
図10から判るように、導電膜12の表面粗さが1μm
以上であれば高周波領域におけるQ値が低くなっている
ことが判る。更に導電膜12の表面粗さが0.2μm以
下であれば特に高周波領域におけるQ値が、非常に高く
なっていることがわかる。
【0067】以上の様に導電膜12の表面粗さは、1.
0μm以下が良く、更に好ましくは、0.2μm以下と
することによって、導電膜12の表皮効果を低減させる
ことができ、特に高周波におけるQ値を向上させる事が
できる。
【0068】更に導電膜12と基台11の密着強度は、
導電膜12を形成した基台11を400℃の温度下に数
秒間放置した後に基台11から導電膜12がはがれない
程度以上であることが好ましい。素子を基板等に実装し
た際に、素子には自己発熱や他の部材からの熱が加わる
ことによって、素子に200℃以上の温度が加わること
がある。従って、400℃で基台11からの導電膜12
のはがれが発生しない程度の密着強度であれば、たとえ
素子に熱が加わっても、素子の特性劣化等は発生しな
い。
【0069】次に保護材14について説明する。保護材
14としては、耐候性に優れた有機材料、例えばエポキ
シ樹脂などの絶縁性を示す材料が用いられる。また、保
護材14としては、溝13の状況等が観測できるような
透明度を有する事が好ましい。更に保護材14には透明
度を有したまま、所定の色を有することが好ましい。保
護材14に赤,青,緑などの、導電膜12や端子部1
5,16等と異なる色を着色する事によって、素子各部
の区別をする事ができ、素子各部の検査などが容易に行
える。また、素子の大きさ、特性、品番等の違いで保護
材14の色を変えることによって、特性や品番等の異な
る素子を誤った部分に取り付けるなどのミスを低減させ
ることができる。
【0070】また、保護材14は、図11に示すように
溝13の角部13aと保護材14の表面までの長さZ1
が5μm以上となるように塗布することが好ましい。Z
1が5μmより小さいと特性劣化や放電などが発生し易
くなり素子の特性が大幅に劣化することが考えられる。
また、溝13の角部13aは特に放電などが発生しやす
い部分であり、この角部13a上に厚さ5μm以上の保
護材14が形成されることが非常に好ましい。また、保
護材14を形成した後に再びメッキを施して電極膜等を
形成することがあるが、角部13a上に5μm以上の保
護材14が形成されていないと、電極膜等が付着すると
不具合が生じる保護材14上に電極膜等が形成されるこ
とになり、特性の劣化が生じる。
【0071】また、図1,2に示す様に、保護材14の
中央部14aの厚みを端部14b,14cの厚さよりも
厚くなるように構成している(保護材14の中央部14
aが他の部分よりも盛り上がっている状態)。この様に
構成することによって、最も衝撃が加わりやすく、溝1
3によって細くなった導電膜12を有する素子の中央部
の機械的強度を向上させることができるので、衝撃や応
力によって導電膜12の断線等を防止することができ、
特性劣化を低減できる。また、素子自体の機械的強度も
向上させることができるので、素子折れ等が発生するこ
とも少なくなる。
【0072】なお、保護材14の厚さを中心部14aに
行くに従って次第に厚くしていく方法としては、保護材
14の表面が曲線を描くように形成することが、最も製
作しやすく、生産性が向上する。また、本実施の形態で
説明した中央部14aとは、保護材14の正確な中央部
分でなく、保護材14の端部14bと端部14cの間を
示すものである。しかしながら、最も好ましい形状とし
ては、端部14bと端部14cの間の中心が最も保護材
14の厚みが厚い方が良い。これは前述の様に、素子の
中央に最も他の部材等の接触する確率が大きいからであ
る。
【0073】様々な実験の結果、上述の様にインダクタ
ンス素子のサイズが、長さL1,幅L2,高さL3とし
た場合 L1=0.5〜1.5mm(好ましくは0.6〜1.1
mm、更に好ましくは0.6〜1.0mm) L2=0.2〜0.7mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) L3=0.2〜0.7mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) となった場合に、特に溝13間の導電膜12部分が非常
に細くなってしまい機械的強度が弱くなり、断線等が発
生するので、上述の様に保護材14の中央部14aを厚
くすることによって解決することができ、しかも素子自
体の機械的強度も向上させることができるので、上述の
様な小さな素子であっても素子折れ等は発生しない。
【0074】次に端子部15,16について説明する。
端子部15,16は、導電膜12のみでも十分に機能す
るが、様々な環境条件等に順応させるために、多層構造
とすることが好ましい。
【0075】図12は本発明の一実施の形態におけるイ
ンダクタンス素子の端子部の断面図である。図12にお
いて、基台11の端部11bの上に導電膜12が形成さ
れており、しかも導電膜12の上には耐候性を有するニ
ッケル,チタン等の材料で構成される保護層300が形
成されており、更に保護層300の上には半田等で構成
された接合層301が形成されている。保護層300は
接合層と導電膜12の接合強度を向上させるとともに、
導電膜の耐候性を向上させることができる。本実施の形
態では、保護層300の構成材料として、ニッケルかニ
ッケル合金の少なくとも一方とし、接合層301の構成
材料としては半田を用いた。保護層300(ニッケル)
の厚みは2〜7μmが好ましく、2μmを下回ると耐候
性が悪くなり、7μmを上回ると保護層300(ニッケ
ル)自体の電気抵抗が高くなり、素子特性が大きく劣化
する。また、接合層301(半田)の厚みは5μm〜1
0μm程度が好ましく、5μmを下回ると半田食われ現
象が発生して素子と回路基板等との良好な接合が期待で
きず、10μmを上回るとマンハッタン現象が発生し易
くなり、実装性が非常に悪くなる。
【0076】また、図2の点線で示す様に、端子部1
5,16に保護層300か接合層301の少なくとも一
方を厚く形成して、端子部15,16の突出高さを、保
護材14の最大突出高さと同等かそれ以上にしてもよ
い。上述の様に保護材14を上述の様に中央部14aの
厚みを厚くすると、その中央部14aが端子部15,1
6よりもはみ出してしまい、そのままの構成であると、
回路基板などに実装した際に、中央部14aが回路基板
に接触して、一方の端子部が回路基板と接触しない状態
が発生し、リフローなどを行うとマンハッタン現象が発
生することがある。すなわち、中央部14aを中心とし
て、素子の実装姿勢が不安定(中央部14aを中心とし
て素子にがたつきが生じる)になる。これを防止するた
めの一つの手段として、上述の様に端子部15,16に
形成される電極膜などを厚く形成し、中心部14aより
も端子部15,16が突出するような構成とする。本実
施の形態では、特に半田等で構成される接合層301が
低コストで、厚く形成するのに時間が短いので、この接
合層301を厚く形成した。この構成によって、マンハ
ッタン現象の発生などを防止することができた。なお、
他の方法として、段落ち部を深く形成することも考えら
れるが、この構成では、素子の段落ち部の厚さが薄くな
り機械的強度が落ちてしまい素子折れ等が発生してしま
うことがある。
【0077】以上の様に構成されたインダクタンス素子
は、特性劣化が無く、しかも,実装性及び生産性が非常
によい。
【0078】以上の様に構成されたインダクタンス素子
について、以下その製造方法について説明する。
【0079】まず、アルミナ等の絶縁材料をプレス成形
や押し出し法によって、基台11を作製する。次にその
基台11全体にメッキ法やスパッタリング法などによっ
て導電膜12を形成する。次に導電膜12を形成した基
台11にスパイラル状の溝13を形成する。溝13はレ
ーザ加工や切削加工によって作製される。レーザ加工
は、非常に生産性が良いので、以下レーザ加工について
説明する。まず、基台11を回転装置に取り付け、基台
11を回転させ、そして基台11の中央部11aにレー
ザを照射して導電膜12及び基台11の双方を取り除
き、スパイラル状の溝を形成する。このときのレーザ
は、YAGレーザ,エキシマレーザ,炭酸ガスレーザな
どを用いることができ、レーザ光をレンズなどで絞り込
むことによって、基台11の中央部11aに照射する。
更に、溝13の深さ等は、レーザのパワーを調整し、溝
13の幅等は、レーザ光を絞り込む際のレンズを交換す
ることによって行える。また、導電膜12の構成材料等
によって、レーザの吸収率が異なるので、レーザの種類
(レーザの波長)は、導電膜12の構成材料によって、
適宜選択することが好ましい。
【0080】溝13を形成した後に、溝13を形成した
部分(中央部11a)に保護材14を塗布し、乾燥させ
る。
【0081】この時点でも、製品は完成するが、特に端
子部15,16にニッケル層や半田層を積層して、耐候
性や接合性を向上させることもある。ニッケル層や半田
層は、メッキ法等によって保護材14を形成した半完成
品に形成する。
【0082】なお、本実施の形態は、インダクタンス素
子について説明したが、絶縁材料によって構成された基
台の上に導電膜を形成する電子部品でも同様な効果を得
ることができる。
【0083】図13及び図14はそれぞれ本発明の一実
施の形態における無線端末装置を示す斜視図及びブロッ
ク図である。図13及び図14において、29は音声を
音声信号に変換するマイク、30は音声信号を音声に変
換するスピーカー、31はダイヤルボタン等から構成さ
れる操作部、32は着信等を表示する表示部、33はア
ンテナ、34はマイク29からの音声信号を復調して送
信信号に変換する送信部で、送信部34で作製された送
信信号は、アンテナを通して外部に放出される。35は
アンテナで受信した受信信号を音声信号に変換する受信
部で、受信部35で作成された音声信号はスピーカー3
0にて音声に変換される。36は送信部34,受信部3
5,操作部31,表示部32を制御する制御部である。
【0084】以下その動作の一例について説明する。先
ず、着信があった場合には、受信部35から制御部36
に着信信号を送出し、制御部36は、その着信信号に基
づいて、表示部32に所定のキャラクタ等を表示させ、
更に操作部31から着信を受ける旨のボタン等が押され
ると、信号が制御部36に送出されて、制御部36は、
着信モードに各部を設定する。即ちアンテナ33で受信
した信号は、受信部35で音声信号に変換され、音声信
号はスピーカー30から音声として出力されると共に、
マイク29から入力された音声は、音声信号に変換さ
れ、送信部34を介し、アンテナ33を通して外部に送
出される。
【0085】次に、発信する場合について説明する。ま
ず、発信する場合には、操作部31から発信する旨の信
号が、制御部36に入力される。続いて電話番号に相当
する信号が操作部31から制御部36に送られてくる
と、制御部36は送信部34を介して、電話番号に対応
する信号をアンテナ33から送出する。その送出信号に
よって、相手方との通信が確立されたら、その旨の信号
がアンテナ33を介し受信部35を通して制御部36に
送られると、制御部36は発信モードに各部を設定す
る。即ちアンテナ33で受信した信号は、受信部35で
音声信号に変換され、音声信号はスピーカー30から音
声として出力されると共に、マイク29から入力された
音声は、音声信号に変換され、送信部34を介し、アン
テナ33を通して外部に送出される。
【0086】上記で説明したインダクタンス素子(図1
〜図12に示すもの)は、送信部34や受信部35の中
のフィルタ回路やマッチング回路などに用いられてお
り、その数は、一つの無線端末装置に数個〜40個程度
用いられている。上述の様なインダクタンス素子を用い
ることによって、装置内部に用いられる基板等を小型化
できるので、装置の小型化を行うことができ、しかも素
子折れ等を防止できるので、不良率を低減でき、生産性
が向上する。また、導電膜12の断線などが発生したイ
ンダクタンス素子が実装されることが無く、装置自体の
特性や不良の発生を防止できる。特に装置内の回路基板
にインダクタンス素子を実装機等を用いて実装する際
に、実装機でインダクタンス素子をピックアップする際
の応力等によって、素子の断線などが発生しない。ま
た、インダクタンス素子の端子部に形成される導電膜な
どの厚さを厚く形成することによって、素子の実装姿勢
を安定できるので、リフロー等の際にマンハッタン現象
が発生することはないので、装置の特性劣化等を防止で
きる。また、導電膜12の剥がれの発生が極めて少ない
インダクタンス素子を用いることによって、長期間装置
を使用してもノイズ等が発生することはない。
【0087】
【発明の効果】本発明は、基台と導電膜の間にバッファ
層を設けたことによって、導電膜の剥がれを防止するこ
とができる。
【0088】また、導電膜に形成された溝を覆うように
保護材を設け、その保護材の厚みを端部よりも中央部を
厚くしたことによって、特に小型のインダクタンス素子
に対して、機械的強度を向上させることができるので、
導電膜の断線の発生を抑えることができ、特性劣化を防
止できる。
【0089】また、上記インダクタンス素子を無線端末
装置に用いることによって、特性の劣化したインダクタ
ンス素子が搭載されることはなく、性能が落ちることは
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子を示す側面図
【図3】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる導電膜を形成した基台の断面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台を示す図
【図5】マンハッタン現象を示す側面図
【図6】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台の斜視図
【図7】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台の表面粗さと剥がれ発生率を示し
たグラフ
【図8】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台の表面粗さに対する周波数とQ値
の関係を示すグラフ
【図9】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる導電膜の膜圧と、Q値の関係を示すグ
ラフ
【図10】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子に用いられる導電膜の表面粗さに対する周波数と
Q値の関係を示すグラフ
【図11】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子の保護材を設けた部分の側面図
【図12】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子の端子部の断面図
【図13】本発明の一実施の形態における無線端末装置
を示す斜視図
【図14】本発明の一実施の形態における無線端末装置
を示すブロック図
【図15】従来のインダクタンス素子を示す側面図
【符号の説明】
11 基台 11a 中央部 11b,11c 端部 11d,11e,11f 角部 12 導電膜 13 溝 14 保護材 14a 中央部 14b、14c 端部 15,16 端子部 30 スピーカー 31 操作部 32 表示部 33 アンテナ 34 送信部 35 受信部 36 制御部 700 バッファ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−129134(JP,A) 特開 平5−299250(JP,A) 実開 昭56−164510(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 17/00 - 17/04

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】角柱状でありアルミナを主成分とする材料
    で構成された基台と、前記基台の上に設けられたバッフ
    ァ層(メッキ法などの溶液を用いて形成されたバッファ
    層は除く)と、前記バッファ層の上に設けられた導電膜
    と、前記導電膜及び前記バッファ層に設けられた溝と
    前記溝を覆う樹脂製の保護材とを備えたことを特徴とす
    るインダクタンス素子。
  2. 【請求項2】バッファ層はCr,Ni,Cu,Ag,A
    u,Tiの内少なくとも1以上からなる金属材料で構成
    したことを特徴とする請求項1記載のインダクタンス素
    子。
  3. 【請求項3】バッファ層の厚さを数Å〜1μmとしたこ
    とを特徴とする請求項1,2いずれか1記載のインダク
    タンス素子。
  4. 【請求項4】バッファ層を真空薄膜形成技術で形成した
    ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1記載のインダ
    クタンス素子。
  5. 【請求項5】真空薄膜形成技術として、蒸着法かスパッ
    タリング法のいずれか一方を用いたことを特徴とする請
    求項4記載のインダクタンス素子。
  6. 【請求項6】基台に段落ち部を設け、その段落ち部に溝
    を設けるとともに、前記段落ち部に保護材を設けたこと
    を特徴とする請求項1〜5記載いずれか1記載のインダ
    クタンス素子。
  7. 【請求項7】基台の両端部に端子電極を設けるととも
    に、基台の中央部にスパイラル状の溝を設けたことを特
    徴とする請求項1〜6いずれか1記載のインダクタンス
    素子。
  8. 【請求項8】基台の両端部を多角形状としたことを特徴
    とする請求項1〜7いずれか1記載のインダクタンス素
    子。
  9. 【請求項9】溝はレーザ加工によって形成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜8いずれか1記載のインダク
    タンス素子。
  10. 【請求項10】長さL1,幅L2,高さL3とした場
    合、 L1=0.5〜1.5mm L2=0.2〜0.7mm L3=0.2〜0.7mm としたことを特徴とする請求項1〜9いずれか1記載の
    インダクタンス素子。
  11. 【請求項11】保護材の端部の厚さよりも中央部の厚さ
    を厚くしたことを特徴とする請求項1記載のインダクタ
    ンス素子。
  12. 【請求項12】基台に面取りを施した事を特徴とする請
    求項1記載のインダクタンス素子。
  13. 【請求項13】基台の段落ち部の深さを5μm〜50μ
    mとした事を特徴とする請求項6記載のインダクタンス
    素子。
  14. 【請求項14】両端部の高さの差を80μm以下とした
    ことを特徴とする請求項1記載のインダクタンス素子。
  15. 【請求項15】基台の表面粗さを0.15μm〜0.5
    μmとした事を特徴とする請求項1記載のインダクタン
    ス素子。
  16. 【請求項16】導電膜とバッファ層の境界部に導電膜の
    構成材料とバッファ層の構成材料の複合材料で構成され
    た境界層を設けた事を特徴とする請求項1記載のインダ
    クタンス素子。
  17. 【請求項17】導電膜を銅或いは銅合金で作製し、前記
    導電膜の表面粗さを1μm以下とした請求項1記載のイ
    ンダクタンス素子。
  18. 【請求項18】音声を音声信号に変換する音声信号変換
    手段と、電話番号等を入力する操作手段と、着信表示や
    電話番号等を表示する表示手段と、音声信号を復調して
    送信信号に変換する送信手段と、受信信号を音声信号に
    変換する受信手段と、前記送信信号及び前記受信信号を
    送受信するアンテナと、各部を制御する制御手段を備え
    た無線端末装置であって、受信手段及び送信手段を構成
    するフィルタ回路やマッチング回路を構成するインダク
    タンス素子として、請求項1〜17いずれか1記載のイ
    ンダクタンス素子を用いたことを特徴とする無線端末装
    置。
JP09062654A 1997-03-17 1997-03-17 インダクタンス素子及び無線端末装置 Expired - Fee Related JP3099765B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09062654A JP3099765B2 (ja) 1997-03-17 1997-03-17 インダクタンス素子及び無線端末装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09062654A JP3099765B2 (ja) 1997-03-17 1997-03-17 インダクタンス素子及び無線端末装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10256042A JPH10256042A (ja) 1998-09-25
JP3099765B2 true JP3099765B2 (ja) 2000-10-16

Family

ID=13206536

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09062654A Expired - Fee Related JP3099765B2 (ja) 1997-03-17 1997-03-17 インダクタンス素子及び無線端末装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3099765B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI255934B (en) 1998-12-04 2006-06-01 Samsung Electronics Co Ltd A substrate and a liquid crystal display panel capable of being cut by using a laser and a method for manufacturing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10256042A (ja) 1998-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5963119A (en) Electric component having conductor film formed on insulative base
JP3097603B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
US6609009B1 (en) Electronic component and radio terminal using the same
JP3242022B2 (ja) インダクタンス素子
JP3093660B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP3083482B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP3099765B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP3093658B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP3093659B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP3088668B2 (ja) インダクタンス素子の製造方法及び無線端末装置
JP3088669B2 (ja) インダクタンス素子の製造方法及び無線端末装置
JP3283778B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP3283814B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP3334684B2 (ja) 電子部品及び無線端末装置
JP3297638B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP3289824B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP2947266B1 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP3283838B2 (ja) 電子部品及び製造方法及び無線端末装置
JPH10125536A (ja) インダクタンス素子及びその製造方法及び無線端末装置
JPH11121233A (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JPH10125535A (ja) インダクタンス素子及びその製造方法及び無線端末装置
JP2001015341A (ja) 電子部品及び無線端末装置
JPH11111504A (ja) チップ抵抗器
JP2000348942A (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP3339480B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070818

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080818

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080818

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090818

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090818

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100818

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110818

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees