JP3093659B2 - インダクタンス素子及び無線端末装置 - Google Patents

インダクタンス素子及び無線端末装置

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JP3093659B2
JP3093659B2 JP08269584A JP26958496A JP3093659B2 JP 3093659 B2 JP3093659 B2 JP 3093659B2 JP 08269584 A JP08269584 A JP 08269584A JP 26958496 A JP26958496 A JP 26958496A JP 3093659 B2 JP3093659 B2 JP 3093659B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信などの
電子機器に用いられ、特に高周波回路等に好適に用いら
れるインダクタンス素子及び無線端末装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図15は従来のインダクタンス素子を示
す側面図である。図15において、1は四角柱状の基
台、2は基台1の上に形成された導電膜、3は導電膜2
に設けられた溝、4は導電膜2の上に積層された保護材
である。
【0003】この様な電子部品は、溝3の間隔などを調
整することによって、所定の特性に調整する。
【0004】先行例としては、特開平7−307201
号公報,特開平7−297033号公報,特開平5−1
29133号公報,特開平1−238003号公報,実
開昭57−117636号公報,特開平5−29925
0号公報,特開平7−297033号公報等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上のよ
うな構成では、製造中や基板等にインダクタンス素子を
搭載した後に、素子に熱が加わったりすることによって
導電膜3のはがれ等が生じて、特性劣化を生じることが
あったり、また、導電膜と基台の密着強度を上げようと
すると、導電膜自体の特性の劣化を生じるという課題を
有していた。
【0006】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、導電膜の剥がれや特性劣化を防止して、耐久性があ
り長期間安定した特性を得ることができるインダクタン
ス素子及び無線端末装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基台の表面粗
さを0.15〜0.5μmとし、基台の上に導電膜を形
成した。
【0008】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、基台と、
前記基台上に形成された導電膜と、前記導電膜に設けら
れた溝とを備え、長さL1,幅L2,高さL3とした時
に、 L1=0.5〜1.1mm L2=0.2〜0.7mm L3=0.2〜0.7mm である インダクタンス素子であって、基台の表面粗さを
0.15〜0.5μmとしたことによって、導電膜と基
台の密着強度を十分確保できると共に、しかも導電膜の
膜構造の悪化起因すると思われるQ値(特に高周波に
おける)の低下を防止でき、しかも自己共振周波数f0
の低下を防止できる。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、導電膜の膜厚を15μm〜35μmとした事によっ
て、Q値を向上させることができ、しかもコスト面や不
良率の低減などの点で有利である。
【0010】請求項3記載の発明は請求項1,2にお
いて基台の両端部に端子電極を設けるとともに、前記
基台の中央部にスパイラル状の溝を設けたことによっ
て、チップ部品として用いることができるとともに、イ
ンダクタなどの特性をスパイラル状の溝の間隔などを変
更する事によって容易に調整することができる。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項におい
て、基台の両端部の表面粗さよりも基台の中央部の表面
粗さを大きくしたことによって、中央部では、表面粗さ
を粗くしているので、レーザ加工等の際に生じる局部的
なヒートショックなどが生じても導電膜のはがれるのを
防止でき、更に端子部となる両端部の表面粗さを小さく
することによって回路基板等との接合性を向上させるこ
とができる
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項におい
て、中央部を両端部よりも段落ちさせたことによって、
保護材を段落ち部に設けた場合に、回路基板等とその保
護材の接触を防止できる
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項5におい
て、段落ちの深さを5μm〜50μmとしたことによっ
て、保護材を段落ち部に設けた場合に、保護材の膜厚を
大きくでき良好な保護特性を得ることができ、しかも素
子の機械的強度が弱くなるのを抑制できるので、素子折
れを防止できる
【0014】請求項7に記載の発明は、両端部に端子部
を設けるとともに前記端子部の間に中央部を設けた基台
と、前記基台上に設けられ膜厚15μm〜35μmで形
成された導電膜と、前記中央部上に形成された導電膜に
横向きに設けられたスパイラル状の溝とを備え、長さL
1,幅L2,高さL3とした時に、 L1=0.5〜1.1mm L2=0.2〜0.7mm L3=0.2〜0.7mm であるインダクタンス素子であって、基台の表面粗さを
0.15〜0.5μmとした ことによって、導電膜と基
台の密着強度を十分確保できると共に、しかも導電膜の
膜構造の悪化が起因すると思われるQ値(特に高周波に
おける)の低下を防止でき、しかも自己共振周波数f0
の低下を防止でき、又磁束がプリント基板と平行で方向
性が存在しないので、回路基板等に実装しやすく、しか
も導電膜の膜厚を15μm〜35μmとした事によっ
て、Q値を向上させることができ、加えてコスト面や不
良率の低減などの点で有利である。
【0015】請求項8に記載の発明は、絶縁材料で構成
され両端部の断面を略正四角形状とするとともに前記両
端部を端子部とし、前記端子部の間に中央部を設け前記
中央部を前記端子部よりも窪ませた基台と、前記基台表
面に形成された導電膜と、前記基台の中央部に横向きに
設けられ、前記導電膜及び基台の一部を取り除くように
形成されたスパイラル状の溝と、前記溝を覆うように前
記基台上に設けられた保護材とを備え、長さL1,幅L
2,高さL3とした時に、 L1=0.5〜1.1mm L2=0.2〜0.7mm L3=0.2〜0.7mm である インダクタンス素子であって、基台の表面粗さを
0.15〜0.5μmとしたことによって、導電膜と基
台の密着強度を十分確保できると共に、導電膜の膜構造
の悪化と起因すると思われるQ値(特に高周波におけ
る)の低下を防止でき、しかも自己共振周波数f0の低
下を防止でき、又両端部の断面形状を正四角形状として
いるので、回路基板等への装着性が良く、磁束がプリン
ト基板と平行で方向性が存在しないので、回路基板等に
実装しやすく、加えて保護材を設けているので、耐候性
を向上させることができる。
【0016】請求項9に記載の発明は、請求項7,8に
おいて、基台の端子部の表面粗さよりも基台の中央部の
表面粗さを大きくしたことによって、中央部では、表面
粗さを粗くしているので、レーザ加工等の際に生じる局
部的なヒートショックなどが生じても導電膜がはがれの
を防止でき、更に端子部となる両端部の表面粗さを小さ
くすることによって回路基板等との接合性を向上させる
ことができる
【0017】請求項10記載の発明は、請求項7,8,
9において、端子部上に端子電極を設けたことによっ
て、チップ部品として用いることができる。
【0018】請求項11記載の発明は、請求項10にお
いて、端子電極は導電膜の上に、ニッケルと半田を順に
積層した構成を有することによって、耐候性の劣化防
止,特性の劣化防止及び良好な接合が期待できる。
【0019】請求項12に記載の発明は、請求項11に
おいて、ニッケルの厚みを2〜7μmとし、半田の厚み
を5〜10μmとしたことによって、耐候性を向上さ
せ、しかも電気抵抗の増大を防止し、さらに、半田食わ
れ現象やマンハッタン現象の発生を抑制できる。
【0020】請求項13に記載の発明は、基台と、前記
基台上に形成された導電膜と、前記導電膜に設けられた
溝とを備え、長さL1,幅L2,高さL3とした時に、 L1=0.5〜1.1mm L2=0.2〜0.7mm L3=0.2〜0.7mm である インダクタンス素子であって、基台の表面粗さを
0.15〜0.5μmとするとともに、前記基台の両端
部を端子部とし、前記基台の中央部に溝が設けられてお
り、前記端子部の表面粗さよりも前記中央部の表面粗さ
を大きくしたことによって、導電膜と基台の密着強度を
十分確保できると共に、導電膜の膜構造の悪化と起因す
ると思われるQ値(特に高周波における)の低下を防止
でき、しかも自己共振周波数f0の低下を防止でき、中
央部では、表面粗さを粗くしているので、レーザ加工等
の際に、生じる局部的なヒートショックなどが生じても
導電膜のはがれるのを防止でき、更に端子部となる両端
部の表面粗さを小さくすることによって回路基板等との
接合性を向上させることができる。
【0021】請求項14に記載の発明は、音声を音声信
号に変換する音声信号変換手段と、電話番号等を入力す
る操作手段と、着信表示や電話番号等を表示する表示手
段と、音声信号を復調して送信信号に変換する送信手段
と、受信信号を音声信号に変換する受信手段と、前記送
信信号及び前記受信信号を送受信するアンテナと、各部
を制御する制御手段を備えた無線端末装置であって、受
信手段及び送信手段を構成するフィルタ回路やマッチン
グ回路を構成するインダクタンス素子として、請求項1
〜13いずれか1記載のインダクタンス素子を用いたこ
とによって、耐候性が向上し、しかもインダクタンス素
子の特性劣化による、雑音の発生などを防止することが
できる。
【0022】以下、本発明におけるインダクタンス素子
及び無線端末装置の実施の形態について説明する。
【0023】図1,図2はそれぞれ本発明の一実施の形
態におけるインダクタンス素子を示す斜視図及び側面図
である。
【0024】図1において、11は絶縁材料などをプレ
ス加工,押し出し法等を施して構成されている基台、1
2は基台11の上に設けられている導電膜で、導電膜1
2は、メッキ法やスパッタリング法等の蒸着法等によっ
て基台11上に形成される。13は基台11及び導電膜
12に設けられた溝で、溝13は、レーザ光線等を導電
膜12に照射することによって形成したり、導電膜12
に砥石等を当てて機械的に形成されている。14は基台
11及び導電膜12の溝13を設けた部分に塗布された
保護材、15,16はそれぞれ端子電極が形成された端
子部で、端子部15と端子部16の間には、溝13及び
保護材14が設けられている。なお、図2は、保護材1
4の一部を取り除いた図である。
【0025】また、本実施の形態のインダクタンス素子
は、実用周波数帯域が1〜6GHzと高周波数域に対応
するとともに、50nH以下の微小インダクタンスを有
し、しかもインダクタンス素子の長さL1,幅L2,高
さL3は以下の通りとなっていることが好ましい。
【0026】L1=0.5〜1.1mm(好ましくは
0.6〜1.0mm) L2=0.2〜0.7mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) L3=0.2〜0.7mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) L1が0.5mm以下であると、自己共振周波数f0が
下がってしまうとともにQ値が低下してしまい、良好な
特性を得ることができない。また、L1が1.1mmを
超えてしまうと、素子自体が大きくなってしまい、電子
回路等が形成された基板など(以下回路基板等と略す)
回路基板等の小型化ができず、ひいてはその回路基板等
を搭載した電子機器等の小型化を行うことができない。
また、L2,L3それぞれが0.2mm以下であると、
素子自体の機械的強度が弱くなりすぎてしまい、実装装
置などで、回路基板等に実装する場合に、素子折れ等が
発生することがある。また、L2,L3が0.7mm以
上となると、素子が大きくなりすぎて、回路基板等の小
型化、ひいては装置の小型化を行うことができない。な
お、L4(段落ちの深さ)は5μm〜50μm程度が好
ましく、5μm以下であれば、保護材14の厚さ等を薄
くしなければならず、良好な保護特性等を得ることがで
きない。また、L4が50μmを超えると基台の機械的
強度が弱くなり、やはり素子折れ等が発生することがあ
る。
【0027】以上の様に構成されたインダクタンス素子
について、以下各部の詳細な説明をする。図3は本発明
の一実施の形態におけるインダクタンス素子に用いられ
る導電膜を形成した基台の断面図、図4は本発明の一実
施の形態におけるインダクタンス素子に用いられる基台
を示す図である。
【0028】まず、基台11の形状について説明する。
基台11は、図3及び図4に示す様に、回路基板等に実
装しやすいように断面が四角形状の中央部11aと中央
部11aの両端に一体に設けられ、しかも断面が四角形
状の端部11b,11cによって構成されている。な
お、端部11b,11c及び中央部11aは断面四角形
状としたが、五角形状や六角形状などの多角形状でも良
い。中央部11aは端部11b,11cから段落ちした
構成となっている。本実施の形態では、端部11b,1
1cの断面形状を略正四角状とすることによって、回路
基板等へのインダクタンス素子を装着性を良好にした。
また、本実施の形態では中央部11aに横向きに溝13
を形成することによって、どのように回路基板等に実装
しても方向性が無いために、取り扱いが容易になる。ま
た、中央部11aには素子部(溝13や保護材14)が
形成されることとなり、端部11b,11cには端子部
15,16が形成される。
【0029】なお、本実施の形態では、中央部11a及
び端部11b,11cをともに略正四角形状としたが、
正五角形状等の正多角形状にしてもよい。さらに、本実
施の形態では、中央部11aと端部11b,11cそれ
ぞれの断面形状を正四角形というように同一にしたが、
異なっても良い。すなわち、端部11b、11cの断面
形状を正多角形状とし、中央部11aの断面形状を他の
多角形状としたり、円形状としても良い。中央部11a
の断面形状を円形とすることによって、良好に溝13を
形成することができる。
【0030】さらに、本実施の形態では、中央部11a
を端部11b,11cより段落ちさせることによって、
保護材14を塗布した際に、その保護材14と回路基板
等が接触することなどを防止していたが、特に保護材1
4の厚みや実装される回路基板等の状況(回路基板等の
実装される部分に溝が形成されていたり、回路基板等の
電極部が盛り上がっている等)によって、中央部11a
を段落ちさせなくてもよい。中央部11aを端部11
b,11cから段落ちさせないと、基台11の構造が簡
単になり、生産性が向上し、さらに中央部11aの機械
的強度も向上する。この様に段落ちさせない場合でも、
断面四角形状の四角柱形状としてもよいし、さらに断面
を多角形状とする角柱とすることもできる。
【0031】また、図4(a)に示す様に基台11の端
部の高さZ1及びZ2は下記の条件を満たすことが好ま
しい。
【0032】|Z1−Z2|≦80μm(好ましくは5
0μm) Z1とZ2の高さの違いが80μm(好ましくは50μ
m以下)を超えると、素子を基板に実装し、半田等で回
路基板等に取り付ける場合、半田等の表面張力によって
素子が一方の端部に引っ張られて、素子が立ってしまう
というマンハッタン現象の発生する確率が非常に高くな
る。このマンハッタン現象を図5に示す。図5に示すよ
うに、基板200の上にインダクタンス素子を配置し、
端子部15,16それぞれと基板200の間に半田20
1,202が設けられているが、リフローなどによって
半田201,202を溶かすと、半田201,202の
それぞれの塗布量の違いや、材質が異なることによる融
点の違いによって、溶融した半田201,202の表面
張力が端子部15と端子部16で異なり、その結果、図
5に示すように一方の端子部(図5の場合は端子部1
5)を中心に回転し、インダクタンス素子が立ち上がっ
てしまう。Z1とZ2の高さの違いが80μm(好まし
くは50μm以下)を超えると、素子が傾いた状態で基
板200に配置されることとなり、素子立ちを促進す
る。また、マンハッタン現象は特に小型軽量のチップ型
の電子部品(チップ型インダクタンス素子を含む)にお
いて顕著に発生し、しかもこのマンハッタン現象の発生
要因の一つとして、端子部15,16の高さの違いによ
って素子が傾いて基板200に配置されることを着目し
た。この結果、Z1とZ2の高さの差を80μm以下
(好ましくは50μm以下)となるように、基台11を
成形などで加工することによって、このマンハッタン現
象の発生を大幅に抑えることができた。Z1とZ2の高
さの差を50μm以下とすることによって、ほぼ、マン
ハッタン現象の発生を抑えることができる。
【0033】次に基台11の面取りについて説明する。
図6は本発明の一実施の形態におけるインダクタンス素
子に用いられる基台の斜視図である。図6に示されるよ
うに、基台11の端部11b,11cそれぞれの角部1
1e,11dには面取りが施されており、その面取りし
た角部11e,11dのそれぞれの曲率半径R1及び中
央部11aの角部11fの曲率半径R2は以下の通りに
形成されることが好ましい。
【0034】0.03<R1<0.15(mm) 0.01<R2(mm) R1が0.03mm以下であると、角部11e,11d
が尖った形状となっているので、ちょっとした衝撃など
によって角部11e,11dに欠けなどが生じることが
あり、その欠けによって、特性の劣化等が発生したりす
る。また、R1が0.15mm以上であると、角部11
e,11dが丸くなりすぎて、前述のマンハッタン現象
を起こしやすくなり、不具合が生じる。更にR2が0.
01mm以下であると、角部11fにバリなどが発生し
やすく、中央部11a上に形成され、しかも素子の特性
を大きく左右する導電膜12の厚みが角部11fと平坦
な部分で大きく異なることがあり、素子特性のばらつき
が大きくなる。
【0035】次に基台11の構成材料について説明す
る。基台11の構成材料として下記の特性を満足してお
くことが好ましい。
【0036】体積固有抵抗:1013以上(好ましくは1
14以上) 熱膨張係数:5×10-4以下(好ましくは2×10-5
下)[20℃〜500℃における熱膨張係数] 誘電率:1MHzにおいて12以下(好ましくは10以
下) 曲げ強度:1300kg/cm2以上(好ましくは20
00kg/cm2以上) 密度:2〜5g/cm3(好ましくは3〜4g/cm3) 基台11の構成材料が体積固有抵抗が1013以下である
と、導電膜12とともに基台11にも所定に電流が流れ
始めるので、並列回路が形成された状態となり、自己共
振周波数f0及びQ値が低くなってしまい、高周波用の
素子としては不向きである。
【0037】また熱膨張係数が5×10-4以上である
と、基台11にヒートショック等でクラックなどが入る
ことがある。すなわち熱膨張係数が5×10-4以上であ
ると、上述の様に溝13を形成する際にレーザ光線や砥
石等を用いるので、基台11が局部的に高温になり、基
台11にクラックなどが生じることあるが、上述の様な
熱膨張係数を有することによって、大幅にクラック等の
発生を抑止できる。
【0038】また、誘電率が1MHzにおいて12以上
であると、自己共振周波数f0及びQ値が低くなってし
まい、高周波用の素子としては不向きである。
【0039】曲げ強度が1300kg/cm2以下であ
ると、実装装置で回路基板等に実装する際に素子折れ等
が発生することがある。
【0040】密度が2g/cm3以下であると、基台1
1の吸水率が高くなり、基台11の特性が著しく劣化
し、素子としての特性が悪くなる。また密度が5g/c
3以上になると、基台の重量が重くなり、実装性など
に問題が発生する。特に密度を上記範囲内に設定する
と、吸水率も小さく基台11への水の進入もほとんどな
く、しかも重量も軽くなり、チップマウンタなどで基板
に実装する際にも問題は発生しない。
【0041】この様に基台11の体積固有抵抗,熱膨張
係数,誘電率,曲げ強度,密度を規定することによっ
て、自己共振周波数f0及びQ値が低下しないので、高
周波用の素子として用いることができ、ヒートショック
等で基台11にクラック等が発生することを抑制できる
ので、不良率を低減することができ、更には、機械的強
度を向上させることができるので、実装装置などを用い
て回路基板等に実装できるので、生産性が向上する等の
優れた効果を得ることができる。
【0042】上記の諸特性を得る材料としては、アルミ
ナを主成分とするセラミック材料が挙げられる。しかし
ながら、単にアルミナを主成分とするセラミック材料を
用いても上記諸特性を得ることはできない。すなわち、
上記諸特性は、基台11を作製する際のプレス圧力や焼
成温度及び添加物によって異なるので、作製条件などを
適宜調整しなければならない。具体的な作製条件とし
て、基台11の加工時のプレス圧力を2〜5t,焼成温
度を1500〜1600℃,焼成時間1〜3時間等の条
件が挙げられる。また、アルミナ材料の具体的な材料と
しては、Al23が92重量%以上,SiO2が6重量
%以下,MgOが1.5重量%以下,Fe23が0.1
%以下,Na2Oが0.3重量%以下等が挙げられる。
【0043】次に基台11の表面粗さについて説明す
る。なお、以下の説明で出てくる表面粗さとは、全て中
心線平均粗さを意味するものであり、導電膜12の説明
等に出てくる粗さも中心線平均粗さである。
【0044】基台11の表面粗さは0.15〜0.5μ
m程度、好ましくは0.2〜0.3μm程度がよい。図
7は基台11の表面粗さと剥がれ発生率を示したグラフ
である。図7は下記に示すような実験の結果である。基
台11及び導電膜12はそれぞれアルミナ,銅で構成
し、基台11の表面粗さをいろいろ変えたサンプルを作
製し、その各サンプルの上に同じ条件で導電膜12を形
成した。それぞれのサンプルに超音波洗浄を行い、その
後に導電膜12の表面を観察して、導電膜12の剥がれ
の有無を測定した。基台11の表面粗さは、表面粗さ測
定器(東京精密サーフコム社製 574A)を用いて、
先端Rが5μmのものを用いた。この結果から判るよう
に平均表面粗さが0.15μm以下であると、基台11
の上に形成された導電膜12の剥がれの発生率が5%程
度であり、良好な基台11と導電膜12の接合強度を得
ることができる。更に、表面粗さが0.2μm以上であ
れば導電膜12の剥がれがほとんど発生していないの
で、できれば、基台11の表面粗さは0.2μm以上が
好ましい。導電膜12の剥がれは、素子の特性劣化の大
きな要因となるので、歩留まり等の面から発生率は5%
以下が好ましい。
【0045】図8は基台の表面粗さに対する周波数とQ
値の関係を示すグラフである。図8は以下のような実験
の結果である。まず、表面粗さが0.1μm以下の基台
11と、表面粗さが0.2〜0.3μmの基台11と、
表面粗さが0.5μm以上の基台11のそれぞれのサン
プルを作製し、それぞれのサンプルに同じ材料(銅)で
同じ厚さの導電膜を形成した。そして、各サンプルにお
いて、所定の周波数FにおけるQ値を測定した。図8か
ら判るように基台11の表面粗さが0.5μm以上であ
ると、導電膜12の膜構造が悪くなることが原因と考え
られるQ値の低下が見られる。特に高周波領域で顕著に
Q値の劣化が見られる。また、自己共振周波数f0(各
線の極大値)も基台11の表面粗さが0.5μmのもの
は、低周波側にシフトしている。従ってQ値の面及び自
己共振周波数f0の面から見れば基台11の表面粗さは
0.5μm以下とすることが好ましい。
【0046】以上の様に、導電膜12と基台11との密
着強度,導電膜のQ値及び自己共振周波数f0の双方の
結果から判断すると、基台11の表面粗さは、0.15
μm〜0.5μmが好ましく、さらに好ましくは0.2
〜0.3μmが良い。
【0047】また、表面粗さは、端部11b,11cと
中央部11aでは、平均表面粗さを異ならせた方が好ま
しい。すなわち、平均表面粗さ0.15〜0.5μmの
範囲内で端部11b,11cの平均表面粗さを中央部1
1aの平均表面粗さよりも小さくすることが好ましい。
端部11b,11cは導電膜12を積層することによっ
て上述の様に端子部15,16が構成されるので、端部
11b,11cの表面粗さを中央部11aより小さくす
ることによって、端部11b,11c上に形成される導
電膜12の表面粗さを小さくできるので、回路基板等の
電極との密着性を向上させることができ、確実な回路基
板等とインダクタンス素子の接合をおこなうことができ
る。また、中央部11aには導電膜12を積層し溝13
を形成するので、溝13をレーザ等で形成する際に導電
膜12が基台11からはがれ落ちないように導電膜12
と基台11の密着強度を向上させなければないので、端
部11b,11cよりも中央部11aの表面粗さを大き
くした方が好ましい。特にレーザで溝13を形成する場
合、レーザが照射された部分は他の部分よりも急激に温
度が上昇し、ヒートショック等で導電膜12が剥がれる
ことがある。従って、レーザで溝13を形成する場合に
は導電膜12と基台11の接合密度を他の部分よりも向
上させることが必要である。
【0048】この様に中央部11aと端部11b,11
cとの表面粗さを異ならせることによって、回路基板等
との密着性及び溝13の加工の際の導電膜12のはがれ
を防止することができる。
【0049】なお、本実施の形態では、導電膜12と基
台11の接合強度を基台11の表面粗さを調整すること
によって、向上させたが、例えば、基台11と導電膜1
2の間にCr単体またはCrと他の金属の合金の少なく
とも一方で構成された中間層を設けることによって、表
面粗さを調整せずとも導電膜12と基台11の密着強度
を向上させることができる。もちろん基台11の表面粗
さを調整し、その上その基台11の上に中間層及び導電
膜12を積層する場合では、より強力な導電膜12と基
台11の密着強度を得ることができる。
【0050】次に導電膜12について説明する。導電膜
12としては、50nH以下の微少インダクタンスを有
し、しかも800MHz以上の高周波信号に対してQ値
が30以上のものが好ましい。この様な特性の導電膜1
2を得るためには、材料及び製法等を選択しなければな
らない。
【0051】以下具体的に導電膜12について説明す
る。導電膜12の構成材料としては、銅,銀,金,ニッ
ケルなどの導電材料が挙げられる。この銅,銀,金,ニ
ッケル等の材料には、耐候性等を向上させために所定の
元素を添加してもよい。また、導電材料と非金属材料等
の合金を用いてもよい。構成材料としてコスト面や耐食
性の面及び作り易さの面から銅及びその合金がよく用い
られる。導電膜12の材料として、銅等を用いる場合に
は、まず、基台11上に無電解メッキによって下地膜を
形成し、その下地膜の上に電解メッキにて所定の銅膜を
形成して導電膜12が形成される。更に、合金等で導電
膜12を形成する場合には、スパッタリング法や蒸着法
で構成することが好ましい。また、構成材料に銅及びそ
の合金を用いた場合導電膜12の形成厚みは15μm以
上が好ましい。厚みが15μmより薄いと、導電膜12
のQ値が小さくなり所定の特性を得ることができにく
い。図9は、導電膜12の膜厚とQ値の関係を示すグラ
フである。導電膜12の構成材料としては銅を用い、基
台11の材料及び表面粗さ等は、同じ条件にし、その基
台11の上に形成する導電膜12の厚さを変化させ、そ
れぞれの場合におけるQ値を測定した。図9から判るよ
うに導電膜12の厚さが15μm以上であると、Q値は
30を超えている。また、導電膜12の膜厚は15μm
以上の領域では、Q値はあまり向上せず、又、コスト面
や不良率の低減のために導電膜12の膜厚は35μm以
下とすることが好ましい。なお、導電膜12の膜厚は2
1μm以上が更に好ましい。
【0052】導電膜12は単層で構成してもよいが、多
層構造としてもよい。すなわち、構成材料の異なる導電
膜を複数積層して構成しても良い。例えば、基台11の
上に先ず銅膜を形成し、その上に耐候性の良い金属膜
(ニッケル等)を積層する事によって、やや耐候性に問
題がある銅の腐食を防止することができる。
【0053】導電膜12の形成方法としては、メッキ法
(電解メッキ法や無電解メッキ法など),スパッタリン
グ法,蒸着法等が挙げられる。この形成方法の中でも、
量産性がよく、しかも膜厚のばらつきが小さなメッキ法
がよく用いられる。
【0054】導電膜12の表面粗さは1μm以下が好ま
しく、更に好ましくは0.2μm以下が好ましい。導電
膜12の表面粗さが1μmを超えると、表皮効果によっ
て高周波でのQ値が低下する。図10は導電膜12の周
波数とQ値の関係を示すグラフである。図10は下記の
様な実験を通して導き出された。まず、同じ大きさ同じ
材料同じ表面粗さで構成された基台11の上に銅を構成
材料とする導電膜12の表面粗さを変えて形成し、それ
ぞれのサンプルにて各周波数におけるQ値を測定した。
図10から判るように、導電膜12の表面粗さが1μm
以上であれば高周波領域におけるQ値が低くなっている
ことが判る。更に導電膜12の表面粗さが0.2μm以
下であれば特に高周波領域におけるQ値が、非常に高く
なっていることがわかる。
【0055】以上の様に導電膜12の表面粗さは、1.
0μm以下が良く、更に好ましくは、0.2μm以下と
することによって、導電膜12の表皮効果を低減させる
ことができ、特に高周波におけるQ値を向上させる事が
できる。
【0056】更に導電膜12と基台11の密着強度は、
導電膜12を形成した基台11を400℃の温度下に数
秒間放置した後に基台11から導電膜12がはがれない
程度以上であることが好ましい。素子を基板等に実装し
た際に、素子には自己発熱や他の部材からの熱が加わる
ことによって、素子に200℃以上の温度が加わること
がある。従って、400℃で基台11からの導電膜12
のはがれが発生しない程度の密着強度であれば、たとえ
素子に熱が加わっても、素子の特性劣化等は発生しな
い。
【0057】次に保護材14について説明する。保護材
14としては、耐候性に優れた有機材料、例えばエポキ
シ樹脂などの絶縁性を示す材料が用いられる。また、保
護材14としては、溝13の状況等が観測できるような
透明度を有する事が好ましい。更に保護材14には透明
度を有したまま、所定の色を有することが好ましい。保
護材14に赤,青,緑などの、導電膜12や端子部1
5,16等と異なる色を着色する事によって、素子各部
の区別をする事ができ、素子各部の検査などが容易に行
える。また、素子の大きさ、特性、品番等の違いで保護
材14の色を変えることによって、特性や品番等の異な
る素子を誤った部分に取り付けるなどのミスを低減させ
ることができる。
【0058】また、保護材14は、図11に示すように
溝13の角部13aと保護材14の表面までの長さZ1
が5μm以上となるように塗布することが好ましい。Z
1が5μmより小さいと特性劣化や放電などが発生し易
くなり素子の特性が大幅に劣化することが考えられる。
また、溝13の角部13aは特に放電などが発生しやす
い部分であり、この角部13a上に厚さ5μm以上の保
護材14が形成されることが非常に好ましい。また、保
護材14を形成した後に再びメッキを施して電極膜等を
形成することがあるが、角部13a上に5μm以上の保
護材14が形成されていないと、電極膜等が付着すると
不具合が生じる保護材14上に電極膜等が形成されるこ
とになり、特性の劣化が生じる。
【0059】次に端子部15,16について説明する。
端子部15,16は、導電膜12のみでも十分に機能す
るが、様々な環境条件等に順応させるために、多層構造
とすることが好ましい。
【0060】図12は端子部15の断面図である。図1
2において、基台11の端部11bの上に導電膜12が
形成されており、しかも導電膜12の上には耐候性を有
するニッケル,チタン等の材料で構成される保護層30
0が形成されており、更に保護層300の上には半田等
で構成された接合層301が形成されている。保護層3
00は接合層と導電膜12の接合強度を向上させるとと
もに、導電膜の耐候性を向上させることができる。本実
施の形態では、保護層300の構成材料として、ニッケ
ルかニッケル合金の少なくとも一方とし、接合層301
の構成材料としては半田を用いた。保護層300(ニッ
ケル)の厚みは2〜7μmが好ましく、2μmを下回る
と耐候性が悪くなり、7μmを上回ると保護層300
(ニッケル)自体の電気抵抗が高くなり、素子特性が大
きく劣化する。また、接合層301(半田)の厚みは5
μm〜10μm程度が好ましく、5μmを下回ると半田
食われ現象が発生して素子と回路基板等との良好な接合
が期待できず、10μmを上回るとマンハッタン現象が
発生し易くなり、実装性が非常に悪くなる。
【0061】以上の様に構成されたインダクタンス素子
は、特性劣化が無く、しかも,実装性及び生産性が非常
によい。
【0062】以上の様に構成されたインダクタンス素子
について、以下その製造方法について説明する。
【0063】まず、アルミナ等の絶縁材料をプレス成形
や押し出し法によって、基台11を作製する。次にその
基台11全体にメッキ法やスパッタリング法などによっ
て導電膜12を形成する。次に導電膜12を形成した基
台11にスパイラル状の溝13を形成する。溝13はレ
ーザ加工や切削加工によって作製される。レーザ加工
は、非常に生産性が良いので、以下レーザ加工について
説明する。まず、基台11を回転装置に取り付け、基台
11を回転させ、そして基台11の中央部11aにレー
ザを照射して導電膜12及び基台11の双方を取り除
き、スパイラル状の溝を形成する。このときのレーザ
は、YAGレーザ,エキシマレーザ,炭酸ガスレーザな
どを用いることができ、レーザ光をレンズなどで絞り込
むことによって、基台11の中央部11aに照射する。
更に、溝13の深さ等は、レーザのパワーを調整し、溝
13の幅等は、レーザ光を絞り込む際のレンズを交換す
ることによって行える。また、導電膜12の構成材料等
によって、レーザの吸収率が異なるので、レーザの種類
(レーザの波長)は、導電膜12の構成材料によって、
適宜選択することが好ましい。
【0064】溝13を形成した後に、溝13を形成した
部分(中央部11)に保護材14を塗布し、乾燥させ
る。
【0065】この時点でも、製品は完成するが、特に端
子部15,16にニッケル層や半田層を積層して、耐候
性や接合性を向上させることもある。ニッケル層や半田
層は、メッキ法等によって保護材14を形成した半完成
品に形成する。
【0066】なお、本実施の形態は、インダクタンス素
子について説明したが、絶縁材料によって構成された基
台の上に導電膜を形成する電子部品でも同様な効果を得
ることができる。
【0067】図13及び図14はそれぞれ本発明の一実
施の形態における無線端末装置を示す斜視図及びブロッ
ク図である。図13及び図14において、29は音声を
音声信号に変換するマイク、30は音声信号を音声に変
換するスピーカー、31はダイヤルボタン等から構成さ
れる操作部、32は着信等を表示する表示部、33はア
ンテナ、34はマイク29からの音声信号を復調して送
信信号に変換する送信部で、送信部34で作製された送
信信号は、アンテナを通して外部に放出される。35は
アンテナで受信した受信信号を音声信号に変換する受信
部で、受信部35で作成された音声信号はスピーカ30
にて音声に変換される。36は送信部34,受信部3
5,操作部31,表示部32を制御する制御部である。
【0068】以下その動作の一例について説明する。先
ず、着信があった場合には、受信部35から制御部36
に着信信号を送出し、制御部36は、その着信信号に基
づいて、表示部32に所定のキャラクタ等を表示させ、
更に操作部31から着信を受ける旨のボタン等が押され
ると、信号が制御部36に送出されて、制御部36は、
着信モードに各部を設定する。即ちアンテナ33で受信
した信号は、受信部35で音声信号に変換され、音声信
号はスピーカー30から音声として出力されると共に、
マイク29から入力された音声は、音声信号に変換さ
れ、送信部34を介し、アンテナ33を通して外部に送
出される。
【0069】次に、発信する場合について説明する。ま
ず、発信する場合には、操作部31から発信する旨の信
号が、制御部36に入力される。続いて電話番号に相当
する信号が操作部31から制御部36に送られてくる
と、制御部36は送信部34を介して、電話番号に対応
する信号をアンテナ33から送出する。その送出信号に
よって、相手方との通信が確立されたら、その旨の信号
がアンテナ33を介し受信部35を通して制御部36に
送られると、制御部36は発信モードに各部を設定す
る。即ちアンテナ33で受信した信号は、受信部35で
音声信号に変換され、音声信号はスピーカー30から音
声として出力されると共に、マイク29から入力された
音声は、音声信号に変換され、送信部34を介し、アン
テナ33を通して外部に送出される。
【0070】上記で説明したインダクタンス素子(図1
〜図12に示すもの)は、送信部34や受信部35の中
のフィルタ回路やマッチング回路などに用いられてお
り、その数は、一つの無線端末装置に数個〜40個程度
用いられている。上述の様に導電膜が剥がれ難く、しか
も特性の劣化のないインダクタンス素子を用いると、電
話機の充電を長時間行うことによって機械内が高温にな
ったり、長期間使用したりしても、インダクタンス素子
の特性が変化しないので、耐候性がよく、しかも故障の
少ない無線端末装置を提供することができる。
【0071】
【発明の効果】本発明は、基台の表面粗さを0.15〜
0.5μmとし、基台の上に導電膜を形成したことによ
って、導電膜の剥がれやQ値の低下及び自己共振周波数
f0の低下などを防止でき、耐久性があり長期間安定し
た特性を得ることができる。
【0072】また、上記インダクタンス素子を搭載した
無線端末装置は、高熱の下にさらされてもインダクタン
ス素子の劣化が生じなく、耐候性に優れ、安定した特性
を長期間有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子を示す側面図
【図3】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる導電膜を形成した基台の断面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台を示す図
【図5】マンハッタン現象を示す側面図
【図6】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台の斜視図
【図7】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台の表面粗さと剥がれ発生率を示し
たグラフ
【図8】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる基台の表面粗さに対する周波数とQ値
の関係を示すグラフ
【図9】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス
素子に用いられる導電膜の膜圧と、Q値の関係を示すグ
ラフ
【図10】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子に用いられる導電膜の表面粗さに対する周波数と
Q値の関係を示すグラフ
【図11】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子の保護材を設けた部分の側面図
【図12】本発明の一実施の形態におけるインダクタン
ス素子の端子部の断面図
【図13】本発明の一実施の形態における無線端末装置
を示す斜視図
【図14】本発明の一実施の形態における無線端末装置
を示すブロック図
【図15】従来のインダクタンス素子を示す側面図
【符号の説明】
11 基台 11a 中央部 11b,11c 端部 11d,11e,11f 角部 12 導電膜 13 溝 14 保護材 15,16 端子部 30 スピーカー 31 操作部 32 表示部 33 アンテナ 34 送信部 35 受信部 36 制御部
フロントページの続き (72)発明者 磯▲ざき▼ 賢蔵 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 佐藤 紀哉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−74023(JP,A) 特開 平7−307201(JP,A) 特開 平1−238007(JP,A) 実開 平7−10913(JP,U) 実開 昭57−117636(JP,U) 特公 昭62−8924(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 17/00 H01F 27/29 H01F 41/06

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基台と、前記基台上に形成された導電膜
    と、前記導電膜に設けられた溝とを備え、長さL1,幅
    L2,高さL3とした時に、 L1=0.5〜1.1mm L2=0.2〜0.7mm L3=0.2〜0.7mm であるインダクタンス素子であって、基台の表面粗さを
    0.15〜0.5μmとしたことを特徴とするインダク
    タンス素子。
  2. 【請求項2】導電膜の膜厚を15μm〜35μmとした
    事を特徴とする請求項1記載のインダクタンス素子。
  3. 【請求項3】基台の両端部に端子電極を設けるととも
    に、前記基台の中央部にスパイラル状の溝を設けたこと
    を特徴とする請求項1,2いずれか1記載のインダクタ
    ンス素子。
  4. 【請求項4】基台の両端部の表面粗さよりも基台の中央
    部の表面粗さを大きくしたことを特徴とする請求項3記
    載のインダクタンス素子。
  5. 【請求項5】中央部を両端部よりも段落ちさせた事を特
    徴とする請求項3記載のインダクタンス素子。
  6. 【請求項6】段落ちの深さを5μm〜50μmとしたこ
    とを特徴とする請求項5記載のインダクタンス素子。
  7. 【請求項7】両端部に端子部を設けるとともに前記端子
    部の間に中央部を設けた基台と、前記基台上に設けられ
    膜厚15μm〜35μmで形成された導電膜と、前記中
    央部上に形成された導電膜に横向きに設けられたスパイ
    ラル状の溝とを備え、長さL1,幅L2,高さL3とし
    た時に、 L1=0.5〜1.1mm L2=0.2〜0.7mm L3=0.2〜0.7mm であるインダクタンス素子であって、基台の表面粗さを
    0.15〜0.5μmとしたことを特徴とするインダク
    タンス素子。
  8. 【請求項8】絶縁材料で構成され両端部の断面を略正四
    角形状とするとともに前記両端部を端子部とし、前記端
    子部の間に中央部を設け前記中央部を前記端子部よりも
    窪ませた基台と、前記基台表面に形成された導電膜と、
    前記基台の中央部に横向きに設けられ、前記導電膜及び
    基台の一部を取り除くように形成されたスパイラル状の
    溝と、前記溝を覆うように前記基台上に設けられた保護
    材とを備え、長さL1,幅L2,高さL3とした時に、 L1=0.5〜1.1mm L2=0.2〜0.7mm L3=0.2〜0.7mm である インダクタンス素子であって、基台の表面粗さを
    0.15〜0.5μmとしたことを特徴とするインダク
    タンス素子。
  9. 【請求項9】基台の端子部の表面粗さよりも基台の中央
    部の表面粗さを大きくしたことを特徴とする請求項7,
    8いずれか1記載のインダクタンス素子。
  10. 【請求項10】端子部上に端子電極を設けたことを特徴
    とする請求項7,8,9いずれか1記載のインダクタン
    ス素子。
  11. 【請求項11】端子電極は導電膜の上に、ニッケルかニ
    ッケル合金と半田を順に積層した構成を有することを特
    徴とする請求項10記載のインダクタンス素子。
  12. 【請求項12】ニッケルかニッケル合金の厚みを2〜7
    μmとし、半田の厚みを5〜10μmとしたことを特徴
    とする請求項11記載のインダクタンス素子。
  13. 【請求項13】基台と、前記基台上に形成された導電膜
    と、前記導電膜に設けられた溝とを備え、長さL1,幅
    L2,高さL3とした時に、 L1=0.5〜1.1mm L2=0.2〜0.7mm L3=0.2〜0.7mm である インダクタンス素子であって、基台の表面粗さを
    0.15〜0.5μmとするとともに、前記基台の両端
    部を端子部とし、前記基台の中央部に溝が設けられてお
    り、前記端子部の表面粗さよりも前記中央部の表面粗さ
    を大きくしたことを特徴とするインダクタンス素子。
  14. 【請求項14】音声を音声信号に変換する音声信号変換
    手段と、電話番号等を入力する操作手段と、着信表示や
    電話番号等を表示する表示手段と、音声信号を復調して
    送信信号に変換する送信手段と、受信信号を音声信号に
    変換する受信手段と、前記送信信号及び前記受信信号を
    送受信するアンテナと、各部を制御する制御手段を備え
    た無線端末装置であって、受信手段及び送信手段を構成
    するフィルタ回路やマッチング回路を構成するインダク
    タンス素子として、請求項1〜13いずれか1記載のイ
    ンダクタンス素子を用いたことを特徴とする無線端末装
    置。
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