JP3686553B2 - 電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信などの電子機器に用いられ、特に高周波回路等に好適に用いられる電子部品に関するものである。特に、絶縁性の基体上に導電膜を設けた電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14は従来のインダクタンス素子を示す側面図である。図14において、1は四角柱状または、円柱状の基台、2は基台1の上に形成された導電膜、3は導電膜2に設けられた溝、4は導電膜2の上に積層された保護材である。
【0003】
この様な電子部品は、溝3の間隔などを調整することによって、所定の特性に調整する。
【0004】
先行例としては、特開平7−307201号公報,特開平7−297033号公報,特開平5−129133号公報,特開平1−238003号公報,実開昭57−117636号公報,特開平5−299250号公報,特開平7−297033号公報等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら素子の小型化を行っていくと、素子の実装性が悪くなったり特性が悪くなるという問題点があり、従来の技術では何等検討されていない。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、生産の容易性,実装性の良さ,特性の向上の少なくとも一方が実現可能な電子部品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基台と、前記基台の少なくとも側面上に設けられた導電膜と、前記導電膜に設けられたスパイラル状の溝と、前記基台を挟むように前記基台の端面上に設けられ、前記導電膜と接合された一対の端子部と、前記溝を覆うように前記基台の全側面上に設けられた絶縁性を示す樹脂製の保護材とを備えた電子部品であって、前記一対の端子部が向き合う方向の前記電子部品の全長をL1とした場合に、前記一対の端子部の互いに向き合う方向における前記一対の端子部それぞれの長さP5,P6はそれぞれ、
0.07<P5÷L1<0.3
0.07<P6÷L1<0.3
の関係を有し、前記端子部を前記基台の端面上から前記基台の側面上に設けられた前記保護材上まで延在させるとともに、前記端子部と前記導電膜の間に前記保護材を挟み込んでおり、しかも前記溝の両最端部と前記一対の端子部とをそれぞれ前記保護材を介して対向させると共に、前記端子部上に耐食膜か接合膜の少なくとも一つを設けた構成とした。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、基台と、前記基台の少なくとも側面上に設けられた導電膜と、前記導電膜に設けられたスパイラル状の溝と、前記基台を挟むように前記基台の端面上に設けられ、前記導電膜と接合された一対の端子部と、前記溝を覆うように前記基台の全側面上に設けられた絶縁性を示す樹脂製の保護材とを備えた電子部品であって、前記一対の端子部が向き合う方向の前記電子部品の全長をL1とした場合に、前記一対の端子部の互いに向き合う方向における前記一対の端子部それぞれの長さP5,P6はそれぞれ、
0.07<P5÷L1<0.3
0.07<P6÷L1<0.3
の関係を有し、前記端子部を前記基台の端面上から前記基台の側面上に設けられた前記保護材上まで延在させるとともに、前記端子部と前記導電膜の間に前記保護材を挟み込んでおり、しかも前記溝の両最端部と前記一対の端子部とをそれぞれ前記保護材を介して対向させると共に、前記端子部上に耐食膜か接合膜の少なくとも一つを設けた事によって、回路基板等との接合面積を大きく取れて接合強度を大きくでき、実装性を向上させることができ、しかも端子部間のショートなどを防止でき、特性の劣化を防止できる。更に、端子部の形成領域を大きくすることができ、基台の端面の上に形成された端子部のみの膜厚だけを厚くせずに、端子部の長さを所定の長さにすることができ、実装性等を向上させることができる。加えて、スパイラル状に残されたコイル状の導電膜を形成する領域を広くすることができ、巻数を多くすることができるので、高いインダクタンスを有する電子部品を提供できる。そして、導電膜などの劣化を防止でき、特性が劣化するのを防止できる。更に、耐食膜を設けた場合には、端子部の特性劣化を防止でき、接合膜を設けた場合には、回路基板等との接合性を向上させることができ、実装性が向上する。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1において、端子部の表面粗さを中心線平均粗さで1μm〜10μmとした事によって、接合面積を大きくできて接合強度を向上させることができ、実装性を向上させることができると共に、端子部上に形成される膜の特性劣化を防止できる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1において、端子部の基台の端面上における膜厚を10μm〜30μmとした事によって、端子部の電極食われを防止でき、実装性を向上させることができると共に、基台が小さくなることによって生じるQ値劣化を防止できるので、損失が小さくなり、特性を向上させることができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1において、側面上に形成される端子部の厚みを10μm〜25μmとしたことによって生じるQ値劣化を防止できるので、損失が小さくなり、特性を向上させることができる。
【0014】
請求項5記載の発明は、基台と、前記基台の少なくとも側面上に設けられた導電膜と、前記導電膜に設けられたスパイラル状の溝と、前記基台を挟むように前記基台の端面上に設けられ、前記導電膜と接合された一対の端子部と、前記溝を覆うように前記基台の全側面上に設けられた絶縁性を示す樹脂製の保護材とを備えた電子部品であって、前記一対の端子部が向き合う方向の前記電子部品の全長をL1とした場合に、前記一対の端子部の互いに向き合う方向における前記一対の端子部それぞれの長さP5,P6はそれぞれ、
0.07<P5÷L1<0.3
0.07<P6÷L1<0.3
の関係を有するとともに、前記端子部を前記基台の端面上から前記基台の側面上に設けられた前記保護材上まで延在させるとともに、前記端子部と前記導電膜の間に前記保護材を挟み込んでおり、しかも前記溝の両最端部と前記一対の端子部とをそれぞれ前記保護材を介して対向させると共に、前記端子部上に耐食膜か接合膜の少なくとも一つを設けた構成とし、前記端子部の表面粗さを中心線平均粗さで1μm〜10μmとし、前記端子部の基台の端面上における膜厚を10μm〜30μmとし、前記端子部を前記基台の端面上と前記端面に隣接する側面に設けるとともに、前記側面上に形成される端子部の厚みを10μm〜25μmとした事によって、端子部の劣化やQ値劣化を防止でき、しかも端子部と回路基板などとの接合強度を増すことができるので、実装性や特性を向上させることができる。更に、端子部の形成領域を大きくすることができ、基台の端面の上に形成された端子部のみの膜厚だけを厚くせずに、端子部の長さを所定の長さにすることができ、実装性等を向上させることができる。加えてスパイラル状に残されたコイル状の導電膜を形成する領域を広くすることができ、巻数を多くすることができるので、高いインダクタンスを有する電子部品を提供できる。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5において、基台の端面上にも導電膜を設け、前記導電膜を介して端子部を設けた事によって、比較的平坦な導電膜の上に端子部を設ける事になるので、端子部の結晶性などがよくなり、特性が良好になる。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6において、端子部として導電ペーストを固化させて形成した事によって、実装性が良く、特性劣化がない端子部を容易に作製することができる。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項7において、端子部を構成する結晶粒をフレーク状とすると共に、結晶粒径を1〜5μmとしたことによって、端子部の結晶性を向上させ、端子部の電気特性の劣化を防止できる。
【0018】
請求項9記載の発明は、請求項7において、端子部を構成する結晶粒を球状体とすると共に、結晶粒径を0.1μm〜0.8μmとしたことによって、端子部の結晶性を向上させ、端子部の電気特性の劣化を防止できる。
【0019】
請求項10記載の発明は、請求項7において、導電ペーストには導電材料、樹脂材料、溶剤を含むことによって、基台に塗布可能な導電ペーストを容易に作製できる。
【0020】
請求項11記載の発明は、請求項10において、樹脂材料として熱硬化性樹脂を用いると共に、150℃〜230℃で硬化させる事によって、熱を加えるだけで容易に特性の良い端子部を形成することができ、しかも接合膜を素子に設けた場合、接合膜の溶融などを防止でき、特性の劣化を防止できる。
【0021】
請求項12記載の発明は、請求項10において、導電材料として銀粒子を用いることによって、端子部の電気的特性が良く、しかも製造面及びコスト面で有利になる。
【0022】
請求項13記載の発明は、請求項12において、導電ペースト中の銀粒子は、50重量%〜70重量%とした事によって、塗布がしやすい導電ペーストを作製でき、しかも電気的特性の優れた端子部を作製することができる。
【0023】
請求項14記載の発明は、請求項7において、端子部に導電ペーストをディップ法或いはローラを介して塗布する事によって、簡単に特性の良い端子部を作製することができる。
【0024】
請求項15記載の発明は、請求項1〜14において、保護材を電着膜で構成した事によって、薄くしかも確実な素子の保護を行うことができ、しかも一度に沢山の素子に保護材を形成できるので、生産性が向上する。
【0025】
請求項16記載の発明は、請求項1〜15において、基台を底面が略正方形状の角柱状とした事によって、簡単な構成で、しかも素子の転がりを抑制できるので、コスト面で非常に有利になると共に、基台の作製が容易になり、生産性が向上し、しかも実装性も向上する。
【0026】
請求項17記載の発明は、請求項1〜16において、前記電子部品において、長さL1,幅L2,高さL3としたときに、
L1=0.2〜2.0mm
L2=0.1〜1.0mm
L3=0.1〜1.0mm
のサイズを有する事によって、小型で、しかも素子折れ等が発生し難いので、実装性にも優れ、しかも非常に小さな回路基板を構成できる。
【0027】
請求項18記載の発明は、請求項1〜17において、端子部の比抵抗値を1×10-4Ωcm以上としたことによって、電気的特性を向上させることができる。
【0028】
請求項19記載の発明は、請求項15において、電着膜を熱処理したことで、保護材の表面がなだらかになって表面粗さが小さくなる。
【0029】
請求項20記載の発明は、請求項1〜19において、端子部は全面的に曲面状となっている事によって、端子部において角部が形成されないので、屑の発生などがない。
【0030】
請求項21記載の発明は、請求項1〜20において、導電膜と溝によって、インダクタンス成分を形成することによって、実装性に優れ、製造が容易で、しかも特性の劣化が小さな、チップインダクタを作製することができる。
【0031】
請求項22記載の発明は、請求項1〜20において、導電膜の代わりに抵抗膜を用いた事によって、実装性に優れ、製造が容易で、しかも特性の劣化が小さな、チップ抵抗器を作製することができる。
【0034】
以下、本発明における電子部品及び無線端末装置の実施の形態についてインダクタンス素子を例に挙げて具体的に説明する。
【0035】
図1,図2はそれぞれ本発明の一実施の形態におけるインダクタンス素子を示す側断面図である。
【0036】
図1において、11は絶縁材料などをプレス加工,押し出し法等を施して構成されている基台、12は基台11の上に設けられている導電膜で、導電膜12は、メッキ法やスパッタリング法等の蒸着法等によって基台11上に形成される。
【0037】
13は基台11及び導電膜12に設けられた溝で、溝13は、レーザ光線等を導電膜12に照射することによって形成したり、導電膜12に砥石等を当てて機械的に形成されたり、レジストなどを用いた選択的エッチングによって形成されている。
【0038】
14は基台11及び導電膜12の溝13を設けた部分に塗布された保護材、15,16はそれぞれ基台11の端部にそれぞれ取り付けられた端子部で、端子部15と端子部16の間には、基台11が挟み込まれている。すなわち、基台11における端子部15,16との接合部位は、基台11の端部となり、基台11の側面と端子部15,16は非接触とすることが基本である。
【0039】
また、本実施の形態のインダクタンス素子は、実用周波数帯域が1〜6GHzと高周波数域に対応し、しかも非常に高いQ値(35以上)を有しており、そのインダクタンス素子の長さL1,幅L2,高さL3は以下の通りとなっていることが好ましい。
【0040】
L1=0.2〜2.0mm(好ましくは0.3〜0.8mm)
L2=0.1〜1.0mm(好ましくは0.1〜0.4mm)
L3=0.1〜1.0mm(好ましくは0.1〜0.4mm)
(なお、L1,L2,L3のそれぞれの寸法誤差は0.02mm以下が好ましい。)
L1が0.2mm以下であると、必要とするインダクタンスを得ることができない。また、L1が2.0mmを超えてしまうと、素子自体が大きくなってしまい、電子回路等が形成された基板など(以下回路基板等と略す)回路基板等の小型化ができず、ひいてはその回路基板等を搭載した電子機器等の小型化を行うことができない。また、L2,L3それぞれが0.1mm以下であると、素子自体の機械的強度が弱くなりすぎてしまい、実装装置などで、回路基板等に実装する場合に、素子折れ等が発生することがある。また、L2,L3が1.0mm以上となると、素子が大きくなりすぎて、回路基板等の小型化、ひいては装置の小型化を行うことができない。
【0041】
以上の様に構成されたインダクタンス素子について、以下各部の詳細な説明をする。
【0042】
まず、基台11の形状について説明する。
【0043】
基台11は角柱状もしくは円柱状とすることが好ましく、図1,2に示す様に基台11を角柱状とすることによって、実装性を向上させることができ、素子の転がり等を防止できる等の効果を有する。また、基台11を角柱状とする中でも特に四角柱状とすることが非常に実装性や、素子の回路基板上での位置決めを容易にする。なお、更に好ましくは底面が正方形の直方体とすることが更に実装性等を向上させることができる。更に、基台11を角柱状とすることによって構造が非常に簡単になるので、生産性がよく、しかもコスト面が非常に有利になる。
【0044】
また、基台11の形状を円柱状とすることによって、後述するように基台11上に導電膜12を形成し、その導電膜12にレーザ加工等によって溝を形成する場合、その溝の深さなどを精度よく形成することができ、特性のばらつきを抑えることができる。
【0045】
次に基台11の面取りについて図3を用いて説明する。
【0046】
図3は基台11を示す斜視図である。
【0047】
基台11の角部11b,11cには面取りが施されており、その面取りした角部11b,11cのそれぞれの曲率半径R1及び角部11aの曲率半径R2は以下の通りに形成されることが好ましい。
【0048】
0.03<R1<0.15(mm)
0.0.07<R2(mm)
R1が0.03mm以下であると、角部11b,11cが尖った形状となっているので、ちょっとした衝撃などによって角部11b,11cに欠けなどが生じることがあり、その欠けによって、特性の劣化等が発生したりする。また、R1が0.15mm以上であると、角部11b,11cが丸くなりすぎて、前述のマンハッタン現象を起こしやすくなり、不具合が生じる。更にR2が0.01mm以下であると、角部11aにバリなどが発生しやすく、素子の特性を大きく左右する導電膜12の厚みが角部11fと平坦な部分で大きく異なることがあり、素子特性のばらつきが大きくなる。
【0049】
次に基台11の構成材料について説明する。基台11の構成材料として下記の特性を満足しておくことが好ましい。
【0050】
体積固有抵抗:1013Ωm以上(好ましくは1014Ωm以上)
熱膨張係数:5×10-4/℃以下(好ましくは2×10-5/℃以下)[20℃〜500℃における熱膨張係数]
比誘電率:1MHzにおいて12以下(好ましくは10以下)
曲げ強度:1300kg/cm2以上(好ましくは2000kg/cm2以上)
密度:2〜5g/cm3(好ましくは3〜4g/cm3)
基台11の構成材料が体積固有抵抗が1013Ωm以下であると、導電膜12とともに基台11にも所定に電流が流れ始めるので、並列回路が形成された状態となり、自己共振周波数f0及びQ値が低くなってしまい、高周波用の素子としては不向きである。
【0051】
また熱膨張係数が5×10-4/℃以上であると、基台11にヒートショック等でクラックなどが入ることがある。すなわち熱膨張係数が5×10-4/℃以上であると、上述の様に溝13を形成する際にレーザ光線や砥石等を用いるので、基台11が局部的に高温になり、基台11にクラックなどが生じることあるが、上述の様な熱膨張係数を有することによって、大幅にクラック等の発生を抑止できる。
【0052】
また、誘電率が1MHzにおいて12以上であると、自己共振周波数f0及びQ値が低くなってしまい、高周波用の素子としては不向きである。
【0053】
曲げ強度が1300kg/cm2以下であると、実装装置で回路基板等に実装する際に素子折れ等が発生することがある。
【0054】
密度が2g/cm3以下であると、基台11の吸水率が高くなり、基台11の特性が著しく劣化し、素子としての特性が悪くなる。また密度が5g/cm3以上になると、基台の重量が重くなり、実装性などに問題が発生する。特に密度を上述の範囲内に設定すると、吸水率も小さく基台11への水の進入もほとんどなく、しかも重量も軽くなり、チップマウンタなどで基板に実装する際にも問題は発生しない。
【0055】
この様に基台11の体積固有抵抗,熱膨張係数,誘電率,曲げ強度,密度を規定することによって、自己共振周波数f0やQが低下しないので、高周波用の素子として用いることができ、ヒートショック等で基台11にクラック等が発生することを抑制できるので、不良率を低減することができ、更には、機械的強度を向上させることができるので、実装装置などを用いて回路基板等に実装できるので、生産性が向上する等の優れた効果を得ることができる。
【0056】
上記の諸特性を得る材料としては、アルミナを主成分とするセラミック材料が挙げられる。しかしながら、単にアルミナを主成分とするセラミック材料を用いても上記諸特性を得ることはできない。すなわち、上記諸特性は、基台11を作製する際のプレス圧力や焼成温度及び添加物によって異なるので、作製条件などを適宜調整しなければならない。具体的な作製条件として、基台11の加工時のプレス圧力を2〜5t,焼成温度を1500〜1600℃,焼成時間1〜3時間等の条件が挙げられる。また、アルミナ材料の具体的な材料としては、Al2O3が92重量%以上,SiO2が6重量%以下,MgOが1.5重量%以下,Fe2O3が0.1%以下,Na2Oが0.3重量%以下等が挙げられる。
【0057】
また、基台11の構成材料として、フェライト等の磁性材料で構成してもよい。基台11をフェライト等の磁性材料で構成すると、高いインダクタンス(大体18nH〜50nH)を有する素子を形成することができる。
【0058】
次に基台11の表面粗さについて説明する。なお、以下の説明で出てくる表面粗さとは、全て中心線平均粗さを意味するものであり、導電膜12の説明等に出てくる粗さも中心線平均粗さである。
【0059】
基台11の表面粗さは0.15〜0.5μm程度、好ましくは0.2〜0.3μm程度がよい。図4は基台11の表面粗さと剥がれ発生率を示したグラフである。図4は下記に示すような実験の結果である。基台11及び導電膜12はそれぞれアルミナ,銅で構成し、基台11の表面粗さをいろいろ変えたサンプルを作製し、その各サンプルの上に同じ条件で導電膜12を形成した。それぞれのサンプルに超音波洗浄を行い、その後に導電膜12の表面を観察して、導電膜12の剥がれの有無を測定した。基台11の表面粗さは、表面粗さ測定器(東京精密サーフコム社製 574A)を用いて、先端Rが5μmのものを用いた。この結果から判るように平均表面粗さが0.15μm以下であると、基台11の上に形成された導電膜12の剥がれの発生率が5%程度であり、良好な基台11と導電膜12の接合強度を得ることができる。更に、表面粗さが0.2μm以上であれば導電膜12の剥がれがほとんど発生していないので、できれば、基台11の表面粗さは0.2μm以上が好ましい。導電膜12の剥がれは、素子の特性劣化の大きな要因となるので、歩留まり等の面から発生率は5%以下が好ましい。
【0060】
図5は本発明の一実施の形態におけるインダクタンス素子に用いられる基台の表面粗さに対する周波数とQ値の関係を示すグラフである。図5は以下のような実験の結果である。まず、表面粗さが0.1μm以下の基台11と、表面粗さが0.2〜0.3μmの基台11と、表面粗さが0.5μm以上の基台11のそれぞれのサンプルを作製し、それぞれのサンプルに同じ材料(銅)で同じ厚さの導電膜12を形成した。そして、各サンプルにおいて、所定の周波数FにおけるQ値を測定した。図5から判るように基台11の表面粗さが0.5μm以上であると、導電膜12の膜構造が悪くなることが原因と考えられるQ値の低下が見られる。特に高周波領域で顕著にQ値の劣化が見られる。また、自己共振周波数f0(各線の極大値)も基台11の表面粗さが0.5μmのものは、低周波側にシフトしている。従ってQ値の面及び自己共振周波数f0の面から見れば基台11の表面粗さは0.5μm以下とすることが好ましい。
【0061】
以上の様に、導電膜12と基台11との密着強度,導電膜12のQ値及び自己共振周波数f0の双方の結果から判断すると、基台11の表面粗さは、0.15μm〜0.5μmが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.3μmが良い。
【0062】
なお、本実施の形態では、導電膜12と基台11の接合強度を基台11の表面粗さを調整することによって、向上させたが、例えば、基台11と導電膜12の間にCr単体またはCrと他の金属の合金の少なくとも一方で構成された中間層を設けることによって、表面粗さを調整せずとも導電膜12と基台11の密着強度を向上させることができる。もちろん基台11の表面粗さを調整し、その上その基台11の上に中間層及び導電膜12を積層する場合では、より強力な導電膜12と基台11の密着強度を得ることができる。
【0063】
次に導電膜12について説明する。
【0064】
導電膜12としては、800MHz以上の高周波信号に対してQ値が35以上であり、しかも自己共振周波数が1〜6GHz程度のものが好ましい。この様な特性の導電膜12を得るためには、材料及び製法等を選択しなければならない。
【0065】
以下具体的に導電膜12について説明する。
【0066】
導電膜12の構成材料としては、銅,銀,金,ニッケルなどの導電材料が挙げられる。この銅,銀,金,ニッケル等の材料には、耐候性等を向上させたために所定の元素を添加してもよい。また、導電材料と非金属材料等の合金を用いてもよい。構成材料としてコスト面や耐食性の面及び作り易さの面から銅及びその合金がよく用いられる。導電膜12の材料として、銅等を用いる場合には、まず、基台11上に無電解メッキによって下地膜を形成し、その下地膜の上に電解メッキにて所定の銅膜を形成して導電膜12が形成される。更に、合金等で導電膜12を形成する場合には、スパッタリング法や蒸着法で構成することが好ましい。
【0067】
更に、本実施の形態の様に、導電膜12を例えば銅などで構成し、その膜厚を厚くして自己発熱を抑える場合、導電膜12に形成される溝13の幅K1と溝13と溝13の間の導電膜12の幅K2は以下の関係を有する事が好ましい。
【0068】
20μm>K1>15μm
200μm>K2>100μm
特に前述の様に長さL1,幅L2,高さL3を、
L1=0.2〜2.0mm(好ましくは0.3〜0.8mm)
L2=0.1〜1.0mm(好ましくは0.1〜0.4mm)
L3=0.1〜1.0mm(好ましくは0.1〜0.4mm)
(なお、L1,L2,L3のそれぞれの寸法誤差は0.02mm以下が好ましい。)
としたインダクタンス素子とした場合、上述のK1,K2は上述の範囲とすることによって、電気抵抗を小さくすることができ、しかも導電膜12に形成される溝13を精度良く形成することができ、更に導電膜12の膜厚を厚くした場合に確実に溝13を形成することができる。
【0069】
導電膜12は単層で構成してもよいが、多層構造としてもよい。すなわち、構成材料の異なる導電膜12を複数積層して構成しても良い。例えば、基台11の上に先ず銅膜を形成し、その上に耐候性の良い金属膜(ニッケル等)を積層する事によって、やや耐候性に問題がある銅の腐食を防止することができる。
【0070】
導電膜12の形成方法としては、メッキ法(電解メッキ法や無電解メッキ法など),スパッタリング法,蒸着法等が挙げられる。この形成方法の中でも、量産性がよく、しかも膜厚のばらつきが小さなメッキ法がよく用いられる。
【0071】
導電膜12の表面粗さは1μm以下が好ましく、更に好ましくは0.2μm以下が好ましい。導電膜12の表面粗さが1μmを超えると、表皮効果によって高周波でのQ値が低下する。図6は本発明の一実施の形態におけるインダクタンス素子に用いられる導電膜12の表面粗さに対する周波数とQ値の関係を示すグラフである。図6は下記の様な実験を通して導き出された。まず、同じ大きさ同じ材料同じ表面粗さで構成された基台11の上に銅を構成材料とする導電膜12の表面粗さを変えて形成し、それぞれのサンプルにて各周波数におけるQ値を測定した。図6から判るように、導電膜12の表面粗さが1μm以上であれば高周波領域におけるQ値が低くなっていることが判る。更に導電膜12の表面粗さが0.2μm以下であれば特に高周波領域におけるQ値が、非常に高くなっていることがわかる。
【0072】
以上の様に導電膜12の表面粗さは、1.0μm以下が良く、更に好ましくは、0.2μm以下とすることによって、導電膜12の表皮効果を低減させることができ、特に高周波におけるQ値を向上させる事ができる。
【0073】
更に導電膜12と基台11の密着強度は、導電膜12を形成した基台11を400℃の温度下に数秒間放置した後に基台11から導電膜12がはがれない程度以上であることが好ましい。素子を基板等に実装した際に、素子には自己発熱や他の部材からの熱が加わることによって、素子に200℃以上の温度が加わることがある。従って、400℃で基台11からの導電膜12のはがれが発生しない程度の密着強度であれば、たとえ素子に熱が加わっても、素子の特性劣化等は発生しない。
【0074】
次に保護材14について説明する。
【0075】
保護材14としては、耐候性に優れた有機材料、例えばエポキシ樹脂などの絶縁性を示す材料や電着膜が用いられる。また、保護材14としては、溝13の状況等が観測できるような透明度を有する事が好ましい。更に保護材14には透明度を有したまま、所定の色を有することが好ましい。保護材14に赤,青,緑などの、導電膜12や端子部15,16等と異なる色を着色する事によって、素子各部の区別をする事ができ、素子各部の検査などが容易に行える。また、素子の大きさ、特性、品番等の違いで保護材14の色を変えることによって、特性や品番等の異なる素子を誤った部分に取り付けるなどのミスを低減させることができる。
【0076】
特に保護材14を電着膜で構成することによって、非常に薄くて絶縁性を確保でき、しかも耐熱性も向上させることができる。すなわち、エポキシ樹脂やレジストなどを塗布する方法であると、保護材14の部分が大きく盛り上がり、回路基板等に実装する場合、素子の端子部と回路基板の配線の間に隙間が生じることがあり、十分な電気的接合を行うことができないことがあるが、電着膜で保護材14を形成することによって、薄くしかも均一な保護材14を形成できるので、素子を回路基板などに実装したときに、端子部と配線との間の隙間が非常に小さくなり、配線と基盤の端子間の電気的接合は十分に行うことができる。
【0077】
また、レジストなどを塗布する方法であると、一つ一つの素子にそれぞれテープなどを用いて塗布しなければならないので、工程が多くなり生産性が向上せず、製造コストも低減することはできないが、本実施の形態の様に、電着膜で保護材14を作製することによって、一度にたくさんの素子に保護材14を設けることができるので、生産性が向上しコストも低減させることができる。
【0078】
保護材14の具体的構成材料としては、アクリル系樹脂,エポキシ系樹脂,フッ素系樹脂,ウレタン系樹脂,ポリイミド系樹脂などの樹脂材料の少なくとも1つで構成された電着樹脂膜によって構成されている。また、保護材14を電着膜で構成する場合、カチオン系,アニオン系のどちらかを選択する場合には、導電膜12の構成材料、電着膜の構成材料、インダクタンス素子の使用用途などを考慮して決定することが好ましい。保護材14は異なる材料で構成された電着膜を積層して構成しても良いし、同一材料を積層しても良く、更には、複数の電着膜を溝部13の上に並列して設けてもよい。
【0079】
保護材14を電着膜で構成する場合、保護材14の厚さが数十ミクロンで20V以上の耐圧を有することが好ましく、しかもハンダの融点である183℃で、燃焼したり、蒸発しない特性を有するものが好ましい。なお、183℃で保護材14が軟化する程度のものは不具合は生じない。
【0080】
また、図7(a)に示す様に電着膜で構成された保護材14は、導電膜12と基台11の少なくとも一部の双方を覆うように設けることが好ましい。この様に保護材14を設けることによって、導電膜12をほぼ覆うことができ、しかも導電膜12と外気などとの接触確率を極めて小さくすることができるので、導電膜12の腐食や電流の漏洩等を防止することができる。図7(b)に示す様に保護材14を導電膜12のみに設ける場合では、導電膜12の角部12zがむき出しになる可能性が高く、導電膜12の腐食の原因となることがある。
【0081】
従って、図7(a)に示す様に、導電膜12の角部12zをオバーして基台11の少なくとも一部も保護材14で覆うように構成することによって、確実な導電膜12の保護を行うことができる。
【0082】
また、図7(a)に示す様に導電膜12の外方の角部12p上に形成される保護材14の一部14zは他の部分よりも膜厚を厚くすることが好ましい。一部14zを厚くすることによって、角部12pが他の部分との間で放電することなどを防止でき、インダクタンス素子としての特性の劣化を防止できる。
【0083】
また、特殊用途などに用いられるインダクタンス素子には、導電膜12と保護材14の密着強度を持たせることが重要になってくる場合がある。この場合には、導電膜12の表面を化学的エッチングすることによって粗面化し、その粗面化した表面に電着膜で構成した保護材14を設けることが好ましい。前述したように、導電膜12の表面の粗面化を行うとQ値の低下を招く危険はあるが、特殊用途等の場合、Q値よりも保護材14と導電膜12の密着強度を向上することが重要な場合があるので、このときは、用途などを考慮して導電膜12の粗さを適宜決定する必要がある。
【0084】
また、導電膜12を銅を含む材料で構成した場合、電着膜である保護材14は不均一な膜厚で形成されることがあるので、この場合には、導電膜12の上にNi等の金属膜を形成し、その金属膜の上に保護材14を形成しても良い。
【0085】
次に、電着膜で構成された保護材14の形成方法について説明する。
【0086】
図8に示す様に100は容器で、容器100中には、水,電着樹脂,pH調整剤などの調整剤及び他の添加剤などを混合した溶液101が収納されている。102は電極板、103はインダクタンス素子、104,105はそれぞれ保持部材で、保持部材104,105は、インダクタンス素子103の両端がはまりこむ孔が設けられている。保持部材105には通電部106が設けられており、この通電部106はインダクタンス素子103に接触している。
【0087】
電極板102及び通電部106に所定の電圧を加えると、インダクタンス素子103の両端部を除く部分に電着膜が形成される。これは、インダクタンス素子103の端子部15,16は、保持部材104,105に入り込んでおり、溶液101とは余り接触していないからである。なお、本実施の形態では、保持部材104,105に端子部15,16を入り込ませたが、フォトレジスト等の他のマスク部材を端子部15,16に設ける構成にしてもよい。
【0088】
以上の様に、電着膜で構成された保護材14を有するインダクタンス素子を作製した後に、素子に熱処理を加えることが好ましい。この熱処理によって、保護材14の表面がなだらかになって、表面粗さが小さくなり、確実に保護材14を覆うようになる。また、熱処理を加えると、導電膜12の角部12pの保護材14の厚さが薄くなることがあるが、この場合には、溶液101の中に絶縁性の粒子(例えば金属酸化物など)を混入させて、電着膜で構成された保護材14の中にこの絶縁性の粒子を保持させることによって、導電膜12の角部の保護材14の厚さが薄くなることを防止できる。
【0089】
次に端子部15,16について説明する。
【0090】
端子部15,16は、図2に示すように、基台11がむき出しになった端面に及び保護材14上に設けられており、この様に、基台11上に直接端子部15,16を形成するようにする事によって、端子部15,16と基台11間の接合強度を向上させることができる。なお、導電膜12を基台11の端面まで形成し、その端面上に形成された導電膜12上に端子部15,16を設けても良く、この様な構成によって、比較的平坦な導電膜12の上に端子部15,16を形成すると、その端子部15,16をメッキ法や塗布法によって形成しても、端子部15,16の結晶性や膜質が良くなるので、端子部としての特性が向上する。
【0091】
基台11の長手方向における端子部15,16それぞれの長さP5,P6は以下の関係を満たすことが好ましい。なお、L1は前述したように素子の全長を表す。
【0092】
0.07<P5÷L1<0.3
0.07<P6÷L1<0.3
P5÷L1及びP6÷L1が0.1以下の場合には、素子を回路基板上に実装した場合に、回路基板上に設けられた電極などとの接合面積が小さくなり、接合強度が劣化したり、マンハッタン現象などが生じる可能性があり、0.3以上の場合には、端子部15,16間が近接してしまい、回路基板上などに実装した際に、端子部15,16間が回路基板上などで短絡してしまう可能性がある。
【0093】
次に、端子部15,16の表面粗さは1μm〜10μm(好ましくは1μm〜5μm)とする事が好ましい。すなわち、端子部15,16の表面粗さが1μm以下であると、回路基板などに設けられた電極との接合面積が小さくなってしまい、接合強度が小さくなってしまい、表面粗さが10μm以上であると、端子部15,16上に他の導電膜などを形成する際に、その導電膜の特性が劣化してしまう。
【0094】
また、端子部15,16の比抵抗値は1×10-4Ωcm以上(好ましくは5×10-4Ωcm以上)とする事が電気的特性を向上させるために有効である。
【0095】
更に、端子部15,16の結晶粒径は、フレーク状体である場合には1〜5μm(好ましくは2〜3μm)であることが結晶性上あるいは電気的特性上有効であり、球状体の場合には、0.1μm〜0.8μm(好ましくは0.2μm〜0.5μm)であることが、結晶性上あるいは電気的特性上有効である。
【0096】
また、基台11の端面上に形成される端子部15,16の最大厚みP1,P2はそれぞれ10μm〜30μm(好ましくは18μm〜25μm)とする事が好ましい。P1,P2が10μm以下であると端子部15,16の電極食われ時間が短くなってしまうという問題が生じる可能性がある。これは回路基板などに素子を実装してリフロー等を行う際に、短時間でリフローを行わなければ、端子部15,16に電極食われ現象が発生して、素子と回路の接合に不具合が生じる。従って、リフロー等の加熱時間を短くしなければならないが、加熱時間が短くなってしまうと、素子と回路基板を接合する接合材が十分に融解せず接合強度等に問題が生じる。
【0097】
半田ディップ試験(350℃)において、電極食われ時間TとP1,P2(t)の関係は、図10に示すようになっている。図10から判るように、P1,P2の膜厚が10μm以下であれば、7.5sec以下で半田食われ現象が発生するので、前述のように、十分に接合材が融解しないので、十分な接合強度を得ることはできないので、P1,P2の膜厚は10μm以上とすることが好ましい。また、P1、P2が30μm以上であると、基台11の長さが短くなってしまい、Q値が劣化してしまうことになる。図11に示すように、P1,P2の厚さをtaとした場合に、taが大きくなると、必然的に基台11の長さが短くなっていくので、Q値の劣化を生じることになる。従って、P1,P2は30μmを超えると、基台11自体の長さが短くなり、Q値劣化を招くことになるので、P1,P2は30μm以下とすることが好ましい。
【0098】
更に、基台11の側面上であって、保護材14上に形成される端子部15,16の最大厚みP3,P4はそれぞれ10μm〜25μm(好ましくは15μm〜20μm)とする事が好ましい。P3,P4が10μmより小さいと、図10に示すように、電極食われ現象が発生する時間が短くなるので、P3,P4は10μm以上であることが好ましい。更に、図11に示すように、P3,P4(図11のtb)を大きくすることによって、基台11の太さが、細くなり、Q値劣化が生じるので、P3,P4は25μm以下であることが好ましい。また、図11から判るように、tbが大きくなるとtaよりもQ値劣化が著しく生じる事になるので、P3,P4それぞれの厚みはP1,P2よりも薄くすることが、Q値劣化を防止する上で好ましい。具体的に説明すると、P1,P2の厚みをそれぞれ30μmとした場合に、P3,P4それぞれの厚みは30μmよりも小さく、しかも10μm以上の膜厚で構成することが好ましい。
【0099】
基台11の端面側の角部上に形成される端子部15,16の厚みP7,P8は10μm〜20μmとする事が好ましく、P7,P8が10μmより小さいと、電極食われ現象が発生する時間が短くなるので好ましくなく、膜厚P1〜P4よりも薄くすることが、角部上に設けられた端子部15,16が突出しないので、実装性を向上させることができる。具体的には、P7,P8は20μm以下とすることが好ましい。
【0100】
また、端子部15,16は全面的に曲面状となっており端子部15,16にエッジが存在しないように構成することによって、屑の発生などを抑えるように構成することが好ましい。
【0101】
また、端子部15,16の耐候性を向上させる様にするには、端子部15,16の上に、Ti,Ni,W,Cr等の腐食しにくい金属膜や、それら金属材料の合金膜(Ni−Cr等)等の耐食膜を膜厚0.5〜3μmの膜厚で構成することが良い。特に、Ni単体か若しくはNi合金を用いることが、特性面やコスト面等で優れている。
【0102】
更に、端子部15,16と回路基板などとの接合性を向上させるためには、端子部15,16或いは耐食膜の上に半田や鉛フリーの接合材(Sn単体もしくはSnにAg,Cu,Zn,Bi,Inの少なくとも一つを含ませた鉛フリー半田等)で構成された接合膜を5〜10μmの膜厚で形成しても良い。
【0103】
上記耐食膜及び接合膜を端子部15,16上に形成する事を前提として、端子部15,16に関係する長さP1〜P8が決められており、端子部15,16のみの場合には、前述のP1〜P8の長さで形成され、耐食膜か接合膜の少なくとも一つを端子部15,16上に形成する場合には、そのP1〜P8に示される長さに、耐食膜,接合膜の厚みがP1〜P8に加わることになる。
【0104】
以上の様な端子部15,16を構成する一つの手段として、導電ペーストを基台11の端面に塗布し、加熱処理などを施して端子部15,16を形成する方法がある。以下塗布型端子部の形成方法について、説明する。
【0105】
まず、導電ペーストについては、少なくとも導電材料、樹脂材料、溶剤を有しており、導電材料としては例えば金,銀,銅等の導電性を示す金属粒子を用いることができ、特に銀粒子は特性面、加工性の面、コストの面等で特に優れている。金属粒子としてフレーク状のものを用いる場合には1〜5μm(好ましくは2〜3μm)であることが有効であり、球状体の場合には、0.1μm〜0.8μm(好ましくは0.2μm〜0.5μm)が好ましい。樹脂材料としては、フェノール,エポキシ樹脂等の少なくとも一つが用いられ、溶剤としては、ブチルカルビトール等が好適に用いられる。
【0106】
導電ペーストの配合割合としては、導電材料50〜70重量%、樹脂材料10〜20重量%、溶剤20〜30重量%とする事が好ましい。なお、この導電ペーストに外割で、粘度調整材等の調整材料を含ませても良い。
【0107】
以上の様に構成された導電ペーストをディップ法により基台11の端部に付着させたり、導電ペーストをローラなどを介して基台11の端部に付着させる。この時、ディップ法の場合には、導電ペーストの粘度を10〜30PaS程度に調整し、ローラを用いる場合には、20〜50PaS程度の調整する。
【0108】
基台11に導電ペーストを塗布した後に、150℃〜230℃程度の温度で30〜60分間熱処理を行って、端子部15,16を形成する。この時の端子部15,16のP1〜P8の寸法等は、前述の説明の通りであり、これに耐食膜や接合膜などが必要に応じて設けられる。
【0109】
また、図2に示す様に端子部15,16の高さZ1及びZ2は下記の条件を満たすことが好ましい。
【0110】
|Z1−Z2|≦80μm(好ましくは50μm)
Z1とZ2の高さの違いが80μm(好ましくは50μm以下)を超えると、素子を基板に実装し、半田等で回路基板等に取り付ける場合、半田等の表面張力によって素子が一方の端部に引っ張られて、素子が立ってしまうというマンハッタン現象の発生する確率が非常に高くなる。このマンハッタン現象を図9に示す。図9に示すように、基板200の上にインダクタンス素子を配置し、端子部15,16それぞれと基板200の間に半田201,202が設けられているが、リフローなどによって半田201,202を溶かすと、半田201,202のそれぞれの塗布量の違いや、材質が異なることによる融点の違いによって、溶融した半田201,202の表面張力が端子部15と端子部16で異なり、その結果、図9に示すように一方の端子部を中心に回転し、インダクタンス素子が立ち上がってしまう。Z1とZ2の高さの違いが80μm(好ましくは50μm以下)を超えると、素子が傾いた状態で基板200に配置されることとなり、素子立ちを促進する。また、マンハッタン現象は特に小型軽量のチップ型の電子部品(チップ型インダクタンス素子を含む)において顕著に発生し、しかもこのマンハッタン現象の発生要因の一つとして、端子部15,16の高さの違いによって素子が傾いて基板200に配置されることを着目した。この結果、Z1とZ2の高さの差を80μm以下(好ましくは50μm以下)となるように、基台11を成形などで加工することによって、このマンハッタン現象の発生を大幅に抑えることができた。Z1とZ2の高さの差を50μm以下とすることによって、ほぼ、マンハッタン現象の発生を抑えることができる。
【0111】
また、端子部15,16と溝13の関係について説明する。
【0112】
端子部15,16と溝13の端部は保護材14を介して対向している構造とすることによって、溝13をスパイラル状に設ける際に、その溝13の形成長さを長くできるので、高いインダクタンスを必要とする場合のインダクタンス素子では有効である。別の見知からすると、溝13によって形成されるコイル状の導体が端子部15,16と保護材14を介して対向させることによって、コイル状の導体の巻数を多くすることができ、インダクタンスを高く設定できる。
【0113】
以上の様に構成されたインダクタンス素子について、以下その製造方法について説明する。
【0114】
まず、アルミナ等の絶縁材料をプレス成形や押し出し法によって、数素子から数十素子分の基台を作製し次にその基台11全体にメッキ法やスパッタリング法などによって導電膜12をほぼ全面に形成する。次に導電膜12を形成した基台11にスパイラル状の溝13を所定間隔で複数個設け、そのスパイラル状の溝13を挟むように基台を切断し、基台11に導電膜12と溝13を形成した反官制素子を作製する。溝13はレーザ加工や切削加工によって作製される。レーザ加工は、非常に生産性が良いので、以下レーザ加工について説明する。まず、基台11を回転装置に取り付け、基台11を回転させ、そして基台11にレーザを照射して導電膜12及び基台11の双方を取り除き、スパイラル状の溝を形成する。このときのレーザは、YAGレーザ,エキシマレーザ,炭酸ガスレーザなどを用いることができ、レーザ光をレンズなどで絞り込むことによって、基台11に照射する。更に、溝13の深さ等は、レーザのパワーを調整し、溝13の幅等は、レーザ光を絞り込む際のレンズを交換することによって行える。また、導電膜12の構成材料等によって、レーザの吸収率が異なるので、レーザの種類(レーザの波長)は、導電膜12の構成材料によって、適宜選択することが好ましい。なお、砥石などを用いて溝13を形成しても良い。
【0115】
溝13を形成した後に、電着法などを用いて、基台11の両端面を除いた部分(基台11の側面部分)に保護材14を形成する。
【0116】
次に、基台11の両端面に導電ペーストを塗布して、熱処理などを施して、端子部15,16を形成する。
【0117】
この時点でも、製品は完成するが、前述の様に、仕様等によって、耐食膜や接合膜を設ける。
【0118】
なお、本実施の形態は、インダクタンス素子について説明したが、絶縁材料によって構成された基台の上に導電膜を形成する電子部品でも同様な効果を得ることができる。
【0119】
また、導電膜12を抵抗膜とすることによって、小型のチップ抵抗器を作製することができ、導電膜12にスパイラル状の溝13を設けるのではなく、環状の溝等を設けることによって、導電膜12を少なくとも2分する事によって、チップコンデンサとしても使用することができる。
【0120】
図12及び図13はそれぞれ本発明の一実施の形態における無線端末装置を示す斜視図及びブロック図である。図12及び図13において、29は音声を音声信号に変換するマイク、30は音声信号を音声に変換するスピーカー、31はダイヤルボタン等から構成される操作部、32は着信等を表示する表示部、33はアンテナ、34はマイク29からの音声信号を復調して送信信号に変換する送信部で、送信部34で作製された送信信号は、アンテナ33を通して外部に放出される。35はアンテナ33で受信した受信信号を音声信号に変換する受信部で、受信部35で作成された音声信号はスピーカー30にて音声に変換される。36は送信部34,受信部35,操作部31,表示部32を制御する制御部である。
【0121】
以下その動作の一例について説明する。
【0122】
先ず、着信があった場合には、受信部35から制御部36に着信信号を送出し、制御部36は、その着信信号に基づいて、表示部32に所定のキャラクタ等を表示させ、更に操作部31から着信を受ける旨のボタン等が押されると、信号が制御部36に送出されて、制御部36は、着信モードに各部を設定する。即ちアンテナ33で受信した信号は、受信部35で音声信号に変換され、音声信号はスピーカー30から音声として出力されると共に、マイク29から入力された音声は、音声信号に変換され、送信部34を介し、アンテナ33を通して外部に送出される。
【0123】
次に、発信する場合について説明する。
【0124】
まず、発信する場合には、操作部31から発信する旨の信号が、制御部36に入力される。続いて電話番号に相当する信号が操作部31から制御部36に送られてくると、制御部36は送信部34を介して、電話番号に対応する信号をアンテナ33から送出する。その送出信号によって、相手方との通信が確立されたら、その旨の信号がアンテナ33を介し受信部35を通して制御部36に送られると、制御部36は発信モードに各部を設定する。即ちアンテナ33で受信した信号は、受信部35で音声信号に変換され、音声信号はスピーカー30から音声として出力されると共に、マイク29から入力された音声は、音声信号に変換され、送信部34を介し、アンテナ33を通して外部に送出される。
【0125】
なお、本実施の形態では、音声を送信受信した例を示したが、音声に限らず、文字データ等の音声以外のデータの送信もしくは受信の少なくとも一方を行う装置についても同様な効果を得ることができる。
【0126】
上記で説明した電子部品(図1〜図11に示すもの)は、発信回路,フィルタ回路,アンテナ部及び各段とのマッチング回路周辺部等の高いQを必要とする箇所の少なくとも一つに用いられ、その数は、一つの無線端末装置に数個〜40個程度用いられている。上述の様な電子部品を用いることによって、装置内部の基板等を小型化でき、素子立ち現象などを抑えることができるので、回路基板などの不良率が極めて小さくなり、生産性が非常によくなる。
【0127】
【発明の効果】
本発明は、基台と、前記基台の少なくとも側面上に設けられた導電膜と、前記導電膜に設けられたスパイラル状の溝と、前記基台を挟むように前記基台の端面上に設けられ、前記導電膜と接合された一対の端子部と、前記溝を覆うように前記基台の全側面上に設けられた絶縁性を示す樹脂製の保護材とを備えた電子部品であって、前記一対の端子部が向き合う方向の前記電子部品の全長をL1とした場合に、前記一対の端子部の互いに向き合う方向における前記一対の端子部それぞれの長さP5,P6はそれぞれ、
0.07<P5÷L1<0.3
0.07<P6÷L1<0.3
の関係を有し、前記端子部を前記基台の端面上から前記基台の側面上に設けられた前記保護材上まで延在させるとともに、前記端子部と前記導電膜の間に前記保護材を挟み込んでおり、しかも前記溝の両最端部と前記一対の端子部とをそれぞれ前記保護材を介して対向させると共に、前記端子部上に耐食膜か接合膜の少なくとも一つを設けた事によって、回路基板等との接合面積を大きく取れて接合強度を大きくでき、実装性を向上させることができ、しかも端子部間のショートなどを防止でき、特性の劣化を防止できる。更に、端子部の形成領域を大きくすることができ、基台の端面の上に形成された端子部のみの膜厚だけを厚くせずに、端子部の長さを所定の長さにすることができ、実装性等を向上させることができる。加えて、スパイラル状に残されたコイル状の導電膜を形成する領域を広くすることができ、巻数を多くすることができるので、高いインダクタンスを有する電子部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス素子を示す側断面図
【図2】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス素子を示す側断面図
【図3】基台を示す斜視図
【図4】基台の表面粗さと剥がれ発生率を示したグラフ
【図5】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス素子に用いられる基台の表面粗さに対する周波数とQ値の関係を示すグラフ
【図6】本発明の一実施の形態におけるインダクタンス素子に用いられる導電膜の表面粗さに対する周波数とQ値の関係を示すグラフ
【図7】本発明の一実施の形態における電子部品の一例として挙げたインダクタンス素子の保護材を設けた部分の拡大断面図
【図8】本発明の一実施の形態における電子部品の一例として挙げたインダクタンス素子の保護材を設ける工程を示した図
【図9】マンハッタン現象を示す図
【図10】本発明の一実施の形態における電子部品の端子部の膜厚と電極食われ現象が発生する時間の関係を示したグラフ
【図11】本発明の一実施の形態における電子部品の端子部の膜厚と素子のQ値の関係を示したグラフ
【図12】本発明の一実施の形態における無線端末装置を示す斜視図
【図13】本発明の一実施の形態における無線端末装置を示すブロック図
【図14】従来のインダクタンス素子を示す側面図
【符号の説明】
11 基台
12 導電膜
13 溝
14 保護材
15,16 端子部
30 スピーカー
31 操作部
32 表示部
33 アンテナ
34 送信部
35 受信部
36 制御部
Claims (22)
- 基台と、前記基台の少なくとも側面上に設けられた導電膜と、前記導電膜に設けられたスパイラル状の溝と、前記基台を挟むように前記基台の端面上に設けられ、前記導電膜と接合された一対の端子部と、前記溝を覆うように前記基台の全側面上に設けられた絶縁性を示す樹脂製の保護材とを備えた電子部品であって、前記一対の端子部が向き合う方向の前記電子部品の全長をL1とした場合に、前記一対の端子部の互いに向き合う方向における前記一対の端子部それぞれの長さP5,P6はそれぞれ、
0.07<P5÷L1<0.3
0.07<P6÷L1<0.3
の関係を有し、前記端子部を前記基台の端面上から前記基台の側面上に設けられた前記保護材上まで延在させるとともに、前記端子部と前記導電膜の間に前記保護材を挟み込んでおり、しかも前記溝の両最端部と前記一対の端子部とをそれぞれ前記保護材を介して対向させると共に、前記端子部上に耐食膜か接合膜の少なくとも一つを設けた事を特徴とする電子部品。 - 前記端子部の表面粗さを中心線平均粗さで1μm〜10μmとした事を特徴とする請求項1記載の電子部品。
- 前記端子部の基台の端面上における膜厚を10μm〜30μmとした事を特徴とする請求項1記載の電子部品。
- 側面上に形成される前記端子部の厚みを10μm〜25μmとした事を特徴とする請求項1記載の電子部品。
- 基台と、前記基台の少なくとも側面上に設けられた導電膜と、前記導電膜に設けられたスパイラル状の溝と、前記基台を挟むように前記基台の端面上に設けられ、前記導電膜と接合された一対の端子部と、前記溝を覆うように前記基台の全側面上に設けられた絶縁性を示す樹脂製の保護材とを備えた電子部品であって、前記一対の端子部が向き合う方向の前記電子部品の全長をL1とした場合に、前記一対の端子部の互いに向き合う方向における前記一対の端子部それぞれの長さP5,P6はそれぞれ、
0.07<P5÷L1<0.3
0.07<P6÷L1<0.3
の関係を有するとともに、前記端子部を前記基台の端面上から前記基台の側面上に設けられた前記保護材上まで延在させるとともに、前記端子部と前記導電膜の間に前記保護材を挟み込んでおり、しかも前記溝の両最端部と前記一対の端子部とをそれぞれ前記保護材を介して対向させると共に、前記端子部上に耐食膜か接合膜の少なくとも一つを設けた構成とし、前記端子部の表面粗さを中心線平均粗さで1μm〜10μmとし、前記端子部の基台の端面上における膜厚を10μm〜30μmとし、前記端子部を前記基台の端面上と前記端面に隣接する側面に設けるとともに、前記側面上に形成される端子部の厚みを10μm〜25μmとした事を特徴とする電子部品。 - 前記基台の端面上にも導電膜を設け前記導電膜を介して前記端子部を設けた事を特徴とする請求項1〜5いずれか1記載の電子部品。
- 前記端子部として導電ペーストを固化させて形成した事を特徴とする請求項1〜6いずれか1記載の電子部品。
- 前記端子部を構成する結晶粒をフレーク状とすると共に、結晶粒径を1〜5μmとしたことを特徴とする請求項7記載の電子部品。
- 前記端子部を構成する結晶粒を球状体とすると共に、結晶粒径を0.1μm〜0.8μmとしたことを特徴とする請求項7記載の電子部品。
- 前記導電ペーストには導電材料、樹脂材料、溶剤を含むことを特徴とする請求項7記載の電子部品。
- 前記樹脂材料として熱硬化性樹脂を用いると共に、150℃〜230℃で硬化させる事を特徴とする請求項10記載の電子部品。
- 前記導電材料として銀粒子を用いることを特徴とする請求項10記載の電子部品。
- 前記導電ペースト中の銀粒子は、50重量%〜70重量%とした事を特徴とする請求項12記載の電子部品。
- 前記端子部に導電ペーストをディップ法或いはローラを介して塗布する事を特徴とする請求項7記載の電子部品。
- 前記保護材を電着膜で構成した事を特徴とする請求項1〜14いずれか1記載の電子部品。
- 前記基台を、前記端面が略正方形状の角柱状とした事を特徴とする請求項1〜15いずれか1記載の電子部品。
- 前記電子部品において、長さL1,幅L2,高さL3としたときに、
L1=0.2〜2.0mm
L2=0.1〜1.0mm
L3=0.1〜1.0mm
のサイズを有する事を特徴とする請求項1〜16いずれか1記載の電子部品。 - 前記端子部の比抵抗値を1×10-4Ωcm以上としたことを特徴とする請求項1〜17いずれか1記載の電子部品。
- 前記電着膜を熱処理したことを特徴とする請求項15記載の電子部品。
- 前記端子部は全面的に曲面状となっている事を特徴とする請求項1〜19いずれか1記載の電子部品。
- 前記導電膜と前記溝によって、インダクタンス成分を形成することを特徴とする請求項1〜20いずれか1記載の電子部品。
- 前記導電膜の代わりに抵抗膜を用いた事を特徴とする請求項1〜20いずれか1記載の電子部品。
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