JPH1123234A - Bgaの半田ボールの高さ測定方法およびその装置 - Google Patents

Bgaの半田ボールの高さ測定方法およびその装置

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JPH1123234A
JPH1123234A JP17406697A JP17406697A JPH1123234A JP H1123234 A JPH1123234 A JP H1123234A JP 17406697 A JP17406697 A JP 17406697A JP 17406697 A JP17406697 A JP 17406697A JP H1123234 A JPH1123234 A JP H1123234A
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bga
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solder
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隆夫 伊藤
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
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Abstract

(57)【要約】 【課題】BGAの裏面の各半田ボールの高さを正確かつ
簡単に測定する。 【解決手段】本発明の測定方法及び測定装置では、BG
Aの裏面にスリット光を照射角度θで半田ボール4の配
列方向に沿って走査させるとともに、BGAの裏面を略
正面から撮影した撮影画像に基づく画像信号処理によ
り、ちょうど半田ボール4の頂点Kaに当たる時のスリ
ット光LCの分断光跡同士の光跡間距離dを正確に求出
した後、d×tanθ(=Z)なる程度の簡単な演算処
理をおこなうことにより、半田ボール4の高さZが求め
られる構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールグリッドア
レイ(BGA)の裏面に設けられている各半田ボールの
高さを測る方法ならびに装置に係り、特にBGAの裏面
を撮影して得た画像に対する信号処理により、各半田ボ
ールの高さが求められるようにするための技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近、IC(集積回路)の入・出力端子
数の増加に対応して出現して来た半導体装置のパッケー
ジとして、図13および図14に示されるボールグリッ
ドアレイ(以下、適宜「BGA」と略記)1がある。こ
のBGA1は、図13に示すように、(絶縁)基板2の
表面2aにICチップ(半導体チップ)3がダイボンデ
ィングされているとともに、図14に示すように、基板
2の裏面(BGAの裏面)2bに非常に多数の半田ボー
ル4が、縦横に直交するアレイ配列で設けられた構成と
なっている。
【0003】各半田ボール4は、ボンディングワイヤ5
と所謂スルホール6およびバンプ7を介してICチップ
(半導体チップ)3の各端子と電気的に接続されてい
て、半田ボール4は外部(例えばマザーボード)との接
続端子(接続部位)となっている。BGA1は、例え
ば、各半田ボール4をマザーボードの上の各ランドに対
して正確に位置合した状態でリフローハンダされて実装
される。このBGA1は、裏面2bの全域が接続領域と
して利用できるので、周縁だけしか接続領域として使え
ないリード端子方式のデバイスと比べ、端子数の増加に
対応する能力に優れており、今後、非常に発展が期待さ
れるデバイスである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、発展が
期待されるBGA1であるが、裏面にある各半田ボール
4の高さが簡単に測れないという問題がある。BGA1
の裏面に設けられた多数の半田ボール4の間において、
ボール高さの不揃いの度合が大きい場合には、リフロー
ハンダの際、半田ボール4の中にはマザーボードのラン
ドとの間に大きな隙間ができてしまうものが出て来て、
リフローハンダの時に十分な半田付けがなされず、その
結果、半田ボール4とマザーボードのランドの間で接続
不良が発生する。したがって、信頼性の高いBGA1を
実現する上で、各半田ボール4の高さを測定することが
必要となる。
【0005】従来、スポット状のレーザビームを半田ボ
ール4に照射するとともに、半田ボール4の表面で反射
されて戻ってくる反射光を捉えて半田ボール4の高さを
測定している。しかしながら、半田ボール4の表面状態
は一定しておらず、反射光にボール高さ以外の要因によ
る変動が生じる。ボール高さ以外の要因による反射光の
変動は、当然、半田ボールの高さの測定誤差の原因とな
るので、測定精度が悪い。測定精度を良くするには、例
えばスポット状のレーザビームを広い範囲に渡って走査
(スキャンニング)することが考えられる。しかし、そ
うすると半田ボールひとつ当たりの測定時間が長くな
り、多数の半田ボール4の高さを全て測るには膨大な時
間がかかるので、何ら問題の解決にはならない。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑み、BGAの裏
面の各半田ボールの高さを正確かつ簡単に測ることので
きる方法ならびに装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、請求項1の発明は、半導体装置のパッケージの裏
面に、多数の半田ボールがアレイ配列で設けられてなる
ボールグリッドアレイ(BGA)における前記半田ボー
ルの高さを測る方法であって、前記BGAの裏面に対し
て、スリット光を一定の斜め照射角度が保たれるように
しながら走査させるとともに、前記半田ボールで遮られ
ずにBGAの裏面の上にあらわれる前記スリット光の光
跡と半田ボールで遮られて半田ボールの表面に映る前記
スリット光の光跡との間に生じる光跡間距離を求出し、
この光跡間距離に基づいて半田ボールの高さを求めるこ
とを特徴とする。
【0008】また、上記の課題を達成するために、請求
項2の発明は、半導体装置のパッケージの裏面に、多数
の半田ボールがアレイ配列で設けられてなるボールグリ
ッドアレイ(BGA)の前記裏面にスリット光を照射す
るスリット光照射手段と、前記スリット光を一定の斜め
照射角度が保たれるようにしながら走査させる光走査手
段と、前記スリット光が照射されているBGAの裏面の
外観像を略正面より撮影して映像信号を出力する電子撮
像手段と、前記電子撮像手段からの映像信号をディジタ
ル変換し電子画像として記憶する記憶手段と、前記半田
ボールで遮られずにBGAの裏面にあらわれる光跡と半
田ボールで遮られて半田ボールの表面にあらわれる光跡
との間に生じる光跡間距離を前記電子画像に対する信号
処理により求出する距離求出手段と、前記光跡間距離に
基づき前記半田ボールの高さを求出する高さ求出手段と
を備えている。
【0009】
【作用】次に、本発明に係る方法ならびに装置により、
BGAの裏面における半田ボール4の高さを測る際の作
用について説明する。請求項1の発明のBGAの半田ボ
ールの高さ測定方法(以下、適宜「測定方法」と略記)
では、スリット光を一定の斜め照射角度が保たれるよう
にしながら走査させる。そして、スリット光の走査と同
時に、BGAの裏面におけるスリット光走査域を(例え
ば電子カメラで)略正面から撮影して撮影画像を得る。
この撮影画像には、BGAの半田ボールで遮られずにB
GAの裏面の上にあらわれるスリット光の光跡と半田ボ
ールで遮られて半田ボールの表面に映るスリット光の光
跡があらわれるので、これら両光跡の光跡間距離を画像
信号処理により求出し、この光跡間距離に基づいて半田
ボールの高さを求める。
【0010】スリット光が一定の斜め照射角度θが保た
れるようにしながら半田ボールに照射されるので、BG
Aの半田ボールで遮られずにBGAの裏面の上にあらわ
れるスリット光の光跡と、半田ボールで遮られて半田ボ
ールの表面に映るスリット光の光跡との間の光跡間距離
が、半田ボールの高さと比例することになり、スリット
光がちょうど半田ボール4の頂点に当たる時は、両光跡
の間の光跡間距離dと半田ボールの高さZの間に、Z=
d×tanθ(但し,θはスリット光の照射角度)なる
関係が成立し、これにより簡単に半田ボールの高さZが
求まる。スリット光はスポット光に比べて走査時間が少
なくてすみ、半田ボールの表面に映るスリット光の光跡
も、一定の長さがあってデータ量が多いので、画像信号
処理で半田ボールの表面状態の変動を補正して正しい光
跡を割り出し、正確な光跡間距離dが求めることができ
る。
【0011】請求項2の発明のBGAの半田ボールの高
さ測定装置(以下、適宜「測定装置」と略記)では、請
求項1の測定方法が実行されて、BGAの各半田ボール
の高さが測定される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しながら詳しく説明する。図1は実施例に係る測定装
置の全体構成を示すブロック図である。この実施例装置
は、本発明の測定方法を実施して、BGAの裏面の半田
ボールの高さ測定をおこなうことができる装置である。
実施例の測定装置は、図1に示すように、BGA1の裏
面2bに設けられた測定対象の半田ボール4の撮影をお
こなう撮像部11と、撮像部11のコントロールおよび
撮像部11から出力される映像信号を利用して測定に必
要な各種の信号処理(データ処理)をおこなう制御部1
2とからなる。
【0013】実施例が測定対象とするBGA1は、図1
3および図14に示すとおりの通常のものである。BG
A1の裏面2bには多数の半田ボール4が縦横直交のア
レイ配列(マトリックス配列)で設けられている。BG
A1は、1辺が例えば20〜40mm程度の正方形ない
し長方形のかたちである。半田ボール4の個数は特定の
数に限らないが、普通、数十〜数百程度である。半田ボ
ール4の直径は、例えば0.3〜1mm程度であり、半
田ボール4のピッチ間隔は、例えば0.5〜1.5mm
程度である。
【0014】撮像部11には、測定対象のBGA1の裏
面2bを照明するために、3種類の光源が配備されてい
る。すなわち、全周斜光照明光源13、スリット光源1
6、および、落射光源17の3つの光源が配設されてお
り、一つの光源による単独照明、あるいは、複数の光源
による併合照明もできるよう構成されている。各光源の
具体的な構成は以下のとおりである。
【0015】スリット光源16は、図2に示すように、
いわゆる光切断法に用いられているレーザ光源であり、
スポット光を円筒レンズ(図示省略)を用いてスリット
化したスリット光LをBGA1の裏面2bに照射する。
そして、撮像部11には光走査機構10が設けられてお
り、この光走査機構(光走査手段)10により、スリッ
ト光Lが、スリット長手方向を半田ボール4の配列方向
と平行の方向に向け、一定の斜め照射角度を保ちながら
前記半田ボール4の配列方向と直交方向に走査させられ
るようセットされている。スリット光Lの長手方向の寸
法は、BGA1の裏面2bの上で複数個(例えば3〜6
個)の半田ボール4を同時に横切れる程度に設定され
る。
【0016】全周斜光照明光源13は、図1および図3
に示すように、リング状本体14の内面側に多数の赤色
発光ダイオード(赤色LED)15が、リングの周方向
に沿って等間隔で配置されているとともに、BGA1の
裏面2bを全周より斜め方向に照射光LSを出して照明
できるようセットされている。全周斜光照明光源13の
大きさは、図3に示すように、リング状本体14の内側
の照明区域に複数個(例えば6〜9個)の半田ボール4
が同時に存在する程度に選定される。BGA1の裏面2
bに対する全周斜光照明光源13の照射光LSの照射角
度は、通常、30〜60°程度の範囲に設定される。
【0017】全周斜光照明光源13の照射光LSは可視
光に限らず、例えば赤外光などの非可視光であってもよ
い。また、赤色発光ダイオード15を多数設置する代わ
りに、各赤色発光ダイオード15のある位置に多数の光
ファイバーの各先端を斜めの向きに配置し、1個の光源
からの光を各光ファイバーで分割して全周より同時照射
させることにより全周斜光照明をおこなう構成の光源
を、全周斜光照明光源13として用いるようにすること
も出来る。
【0018】BGA1は保持テーブルTaの移動に伴い
水平方向の縦横移動および垂直方向の上下移動が可能で
あり、BGA1の裏面2bの撮影位置の移動がおこなえ
る。勿論、保持テーブルTaの方を固定状態とし、照明
系・撮影系の方を移動することで撮影位置の移動がおこ
なわれる構成してもよいし、照明系・撮影系と保持テー
ブルの両方とも移動可能な構成としてもよい。また、ス
リット光源16が使用される場合には、全周斜光照明光
源13を側方に退避させられるよう構成されていてもよ
い。
【0019】落射光源17は、図1に示すように、照射
光がハーフミラー18で直角に曲げられ、BGA1の裏
面2b垂直に当てられる。落射光源17はBGA1の裏
面2bを真正面から照明するための光源なのである。こ
の落射光源17の光は、通常、可視光である。
【0020】さらに、撮像部11では、BGA1の裏面
2bの外観像を正面から撮影できるようにして電子カメ
ラ(電子撮像手段)19がセットされている。電子カメ
ラ19としては、通常のCCD式TVカメラなどが用い
られる。もちろん、電子カメラ19は、上記の3つの光
源13,16,17のいずれの光源の照明でも、撮影可
能である。
【0021】続いて、実施例の測定装置における制御部
12の構成についての説明をおこなう。制御部12は、
電子カメラ19から送出される映像信号(撮影画像)を
受け、2値電子画像化および多値電子画像化して記憶す
る構成(電子画像化記憶手段)を備えている。アナログ
信号である映像信号は、2値ディジタル変換部21によ
り、一定以上の輝度の信号は「H(白レベル)」とさ
れ、一定以下の輝度の信号は「L(黒レベル)」とされ
た後、X−Yアドレス形態のフレームメモリである2値
電子画像メモリ22に送られて記憶される。同時に、多
値ディジタル変換部23によっても、信号強度と比例す
る値の(例えは8ビット)ディジタル信号に変換された
後、X−Yアドレス形態のフレームメモリである多値電
子画像メモリ24に送られて記憶される。勿論、多値電
子画像は2値電子画像より情報量が多いから、多値電子
画像メモリ24の方は2値電子画像メモリ22よりも記
憶容量の大きなメモリ素子が使われる。
【0022】さらに、制御部12には、撮影画像に対応
する2値電子画像や多値電子画像について半田ボール4
の高さ測定に必要なデータ処理をおこなうデータ処理部
(画像信号処理手段)25を備えている。このデータ処
理部25の具体的な構成については、後ほど測定動作と
の関連において詳しく説明する。
【0023】また、制御部12には、測定装置の稼働に
必要な指令やデータ入力をおこなうための入力操作手段
として、マウス26およびキーボード27が配設されて
いるとともに、2値電子画像や多値電子画像の表示や、
測定メニュー・操作メニューの表示および測定データな
どの表示・出力をおこなうTVモニタ28およびプリン
タ29が設置されている。この他、マウス26およびキ
ーボード27の入力操作等に応じて測定動作に必要な制
御信号(例えばスリット光源16の光走査機構10の制
御信号)などを撮像部11の各部へ送出する撮影コント
ローラ部30なども備えている。
【0024】次に、以上に述べた構成の測定装置による
半田ボールの高さ測定動作と、これに伴う具体的なデー
タ処理を、図面を参照しながら説明する。この半田ボー
ルの高さ測定の時には、スリット光源16が用いられ
る。
【0025】図2に示すように、スリット光源16から
出射されるスリット光Lは、光走査機構10により、B
GA1の裏面2bの上を、スリット長手方向を半田ボー
ル4の配列方向と平行なY方向に向けた状態で、Y方向
と直交するX方向へ走査させられる。スリット光Lは、
走査に伴って図で見て左側から右側へ移動してゆくが、
図4に示すように、走査中の各スリット光LA〜LDの
照射角度(スリット光とBGA1の裏面2bとの角度)
θは一定の値に保持される。
【0026】TVカメラ19によりBGA1の裏面2b
の外観像が正面(図では上方)から撮影される。図5に
示すように、TVカメラ19で撮影される撮影画像PC
では、各スリット光LA〜LDは、それぞれ、垂直方向
(Y方向)に走る略線状の光跡La〜Ldとなって順に
出現する。図4および図5の間では、スリット光LAと
光跡La,スリット光LBと光跡Lb,スリット光LC
と光跡Lc,スリット光LDと光跡Ldがそれぞれ対応
している。半田ボール4で全く遮られることのないスリ
ット光の場合は画像中で光跡が連続状態となり、半田ボ
ール4で一部が遮られるスリット光の場合は画像中で光
跡が不連続状態となる。なお、図4〜7は、画像がポジ
画像であるので、光跡La〜Ldは明るい線で現れるの
であるが、説明の便宜上、太めの黒線で示してある。勿
論、画像がネガ画像の場合は光跡が図示のとおりに黒線
となる。
【0027】一方、図4に示すように、半田ボール4の
頂上点Kaに当たる走査位置に来たスリット光LCにつ
いて見ると、半田ボール4の高さZ=d×tanθの関
係にあることが分かる。dは、半田ボール4の頂上点K
aの真下点Kbと光跡Lcとの間の距離である。勿論、
θはスリット光の照射角度であり、予め分かっている値
である。他方、図5に示すように、撮影画像PCの上で
は、dは、光跡Lcの不連続部分における最大離間距離
(最大光跡間距離)となる。すなわち、スリット光LC
が仮に半田ボール4で遮られなかった場合に比べて、半
田ボール4の遮蔽で生じる光跡の水平方向の最大ズレ量
が最大離間距離dなのである。したがって、以下では、
データ処理部25により、光跡の水平方向の最大ズレ量
に相当する最大離間距離dを求出し、さらに上のZ=d
×tanθの演算処理をおこなって、半田ボール4の高
さZを求出することになる。
【0028】スリット光LはX方向に僅かづつステップ
送りされ、各ステップ位置でのBGA1の裏面2bの外
観像が電子カメラ19で正面より撮影される。電子カメ
ラ19で得られた撮影画像は制御部12の各ディジタル
変換部21,23で2値化あるいは多値化された後、2
値電子画像および多値電子画像としてメモリ22,24
に格納される。
【0029】通常、図6に示すように、2値電子画像P
Dでは、光跡Laだけが明瞭なかたちであらわれる。デ
ータ処理部25は、2値電子画像メモリ22からデータ
を読み出して来て、光跡Laを示す「H」領域の続き具
合をチェックして光跡の連続・不連続を判別する処理を
おこなう。光跡が連続の場合は、最大離間距離dは求め
られない。光跡が不連続の場合は、最大離間距離dが求
まる可能性がある。図6に示す場合は連続という判定が
出て、直ちにスリット光Lが次のステップへ進められ、
同様に、光跡の連続・不連続を判別する処理が繰り返さ
れる。図7の2値電子画像PEのように、光跡Lbが分
断されている場合は、不連続という判定となり、最大離
間距離dが求出される可能性があるので、データ処理部
25は、不連続点Ga,Gbと不連続線Gcを内側に含
む四角区域Hb1,Hb2を二つ設定する。
【0030】このように、データ処理部25で2値電子
画像に基づいて撮影画像中の光跡領域を抽出する処理、
つまり不要な非光跡領域をカットする前処理をおこな
う。2値電子画像の中の光跡領域は、「H」領域として
簡単に抽出することができる。2値電子画像の場合は各
画素のデータがHとLの2種だけであるからデータ処理
に伴う負荷が少ない。
【0031】抽出区画Hbが設定されると、先ず抽出区
画Hb1に対応する多値電子画像メモリ24の中の多値
データを読み出して来て、より厳密に光跡Lcにおける
不連続点Ga,Gbの番地(座標)と不連続線Gcにお
ける各番地(座標)を割り出す。情報量の多い多値電子
画像データに基づき、半田ボール4の表面状態の変動に
起因する誤差を除いた適切な光跡Lcを割り出したり、
正確な不連続点Ga,Gbの位置を求め直すなどの補正
処理が行われる。そして、不連続点Ga又は不連続点G
bのX方向の番地と、不連続線Gcの上の各点における
X番地の差を求めるとともに、さらに番地差の中で最も
大きな値(最大値Md1)を検索保持する。最大値Md
は光跡Lcにおける最大離間距離と対応している。次に
抽出区画Hb2についても同様にして最大値Md2を検
索保持する処理が終われば、スリット光を次のステップ
に進める。光跡の不連続状態が一端始まると、一定数の
ステップの間、光跡の不連続状態が継続するので、上記
と同様、抽出区画Hb1,Hb2の設定および番地差の
最大値Md1,Md2の検索保持処理が繰り返される。
【0032】2値電子画像に基づく光跡の連続・不連続
の判定が連続に変わった時点で、データ処理部25は、
保持しておいた抽出区画Hb1の番地差の最大値Md1
の中の最も大きな値を選びだし、(必要に応じて番地差
−距離換算用の処理を施して)これを抽出区画Hb1の
中の半田ボール4の最大離間距離dと決定した後、d×
tanθなる演算処理を行い、上側の半田ボール4の高
さZを求める。さらに、データ処理部25は、保持して
おいた抽出区画Hb2の番地差の最大値Md2の中の最
も大きな値を選びだし、(必要に応じて番地差−距離換
算用の処理を施して)これを抽出区画Hb2の中の半田
ボール4の最大離間距離dと決定した後、d×tanθ
なる演算を行って、下側の半田ボール4の高さZも求め
る。
【0033】スリット光Lが次々ステップ走査されて、
スリット光Lが再び次列の半田ボール4で遮られるよう
になると再び上記の一連の処理が繰り返し行われ、最終
的に全半田ボール4の高さZが求出される。求出された
各半田ボール4の高さZは、測定結果として必要に応じ
てTVモニタ28およびプリンタ29によって出力表示
される。また、BGA1の寸法が大きくて、スリット光
Lの走査域ではBGA1の裏面2bを走査し切れない場
合には、適宜にBGA1の方も移動させながら測定が進
められることになる。図15のフローチャートは上記の
半田ボールの高さ測定動作の一連の流れを纏めて示すも
のである。なお、データ処理部25は、光跡間距離を電
子画像に対する信号処理により求出する距離求出手段、
および、光跡間距離に基づき半田ボールの高さを求出す
る高さ求出手段を兼ねるものであるが、コンピュータ
(中央演算処理装置)、および、その動作制御プログラ
ムを中心に構成されているものである。
【0034】次に、実施例の測定装置による半田ボール
の接続状態などの検査動作を説明する。BGA1の半田
ボール4は、低融点半田材の外殻4aにより高融点半田
材の内球4bが覆われた2層構造の球体であり、この球
体をBGA1の裏面に形成された各バンプ7にそれぞれ
配置しておいてヒート処理することによりBGA1と半
田ボール4の接合がおこなわれる。
【0035】ヒート処理の際、外殻4aの低融点半田材
がよく溶け、図8(a)の中の黒塗域Baによって示さ
れるように、半田ボール4とバンプ7の接合が十分な場
合は問題ない。しかし、外殻4aの低融点半田材が殆ど
溶けず、図8(b)の中の黒塗域Bbによって示される
ように、半田ボール4とバンプ7の接合が不十分(ヌレ
性が不十分)な場合は半田ボール4の接続信頼性が低下
する。ヒート処理は外殻4aの低融点半田材だけを溶か
す微妙な熱処理であるから、多数の半田ボールの全てが
十分に接合される保証はない。したがって、デバイスの
良否を確認するには、各半田ボール4の接合状態の検査
が必要となる。しかし、半田ボール4とバンプ7の接合
箇所は半田ボール4の陰に隠れて見え難いことから、半
田ボール4とバンプ7の接合状態を検査することは、簡
単に出来ないのである。
【0036】しかし、実施例装置では、以下に詳述する
ように、全周斜光照明光源13を利用して半田ボール4
についての検査も的確かつ簡単に行えるという有用な装
置となっているのである。実施例装置の場合、図9に示
すように、撮影領域に対応する外観像PAには、半田ボ
ール4が4つある。全周斜光照明光源13により4個の
半田ボール4を含む区域が照射光LSで全周斜光照明さ
れるとともに、電子カメラ19により4個の半田ボール
4が正面から撮影される。電子カメラ19で得られた撮
影画像は制御部12の各ディジタル変換部21,23で
2値化あるいは多値化された後、2値電子画像および多
値電子画像としてメモリ22,24に格納される。
【0037】図10の中に一点鎖線で示すように、半田
ボール4を映した撮影画像PBでは、通常、半田ボール
4の像の周縁に沿ってリング状の高輝度領域HBが出現
する。このリング状の高輝度領域HBは、主として半田
ボール4とバンプ7を接合する外殻4aの低融点半田材
の乱反射作用によって生じる。2値電子画像では、高輝
度領域HBが明るく、それ以外の領域は暗くなるので、
図11に示すように、暗いバックに高輝度領域HBのリ
ングが浮かんだ画像になる。したがって、2値電子画像
メモリ22から2値電子画像データを読み出して来て、
データ処理部25で2値電子画像の中のリング状の
「H」領域を検索し、図11の中に太い実線で示すよう
に、「H」領域を囲む方形の抽出区画Haを各々設定す
る。
【0038】データ処理部25では、抽出区画Haの設
定に続いて、多値電子画像メモリ24の中から一つの抽
出区画Haに対応する多値電子画像データを読み出して
来て、図12に示すように、スレッシュホールドレベル
の精密調整などにより厳密な高輝度領域HIの検索を行
う。そして、さらに、高輝度領域HIの面積や、高輝度
領域HIの全信号積算量、あるいは、高輝度領域HIの
各部の幅Hw1〜Hw4などを検査データとしてそれぞ
れ求出し、それぞれの検査データの基準値と比較するこ
とにより、その接続部位の良品を判定する。
【0039】ひとつの抽出区画Haに対する処理が終わ
れば、次の抽出区画Haに対する処理を同様にして繰り
返して、全ての半田ボール4についての検査を行う。得
られた検査結果は必要に応じてTVモニタ28やプリン
タ29により出力される。
【0040】図16のフローチャートは上記の半田ボー
ルの検査動作の一連の流れを纏めて示すものである。な
お、データ処理部25は、電化画像に対する信号処理に
より半田ボール4のまわりの高輝度領域のデータを求出
する画像信号処理手段であるが、コンピュータ(中央演
算処理装置)、および、その動作制御プログラムを中心
に構成されているものである。
【0041】半田ボール4とバンプ7を接合する外殻4
aの低融点半田材が十分に溶け、接合が正常であるほ
ど、高輝度領域の面積や、高輝度領域の全信号積算量お
よび幅は、増大する。また、高輝度領域における各幅の
寸法が揃っているほど偏りのない接合がなされているこ
とにもなる。半田ボール4の外殻4aの低融点半田材が
殆ど溶けず接合が不十分な場合は、高輝度領域の面積が
非常に狭くなり、極端な場合は高輝度領域が殆どあらわ
れない。また、高輝度領域が出現しても各幅の寸法が極
端に不揃いな場合、半田ボール4に導通検査をおこなっ
た時に治具による傷が付いてしまっていると言ったよう
な検査結果が出ることもある。つまり、高輝度領域につ
いて得られた検査データにより半田ボール4の傷の検査
も可能なのである。
【0042】すなわち、上の検査の場合、撮影画像の中
の半田ボールの近傍に出現する高輝度領域(ハイライト
領域)の情況によって検査がおこなわれるのである。外
観像に対応する撮影画像の中の高輝度領域は半田ボール
における乱反射情況を反映している。一方、半田ボール
の状態変化は半田ボールにおける乱反射情況の変化を誘
起する。したがって、高輝度領域の情況変化は半田ボー
ルの状態変化と対応関係にあることになるので、画像中
にあらわれる高輝度領域についてのデータにより半田ボ
ール検査ができるのである。
【0043】加えて、上の検査の場合、照明光は斜めか
ら照射され、撮影は正面からなされる結果、照明光のう
ち鏡面反射光は除かれて乱反射光が抽出されるかたちで
撮影画像が得られる。したがって、撮影画像では高輝度
領域が強調され、正面からは見えない位置の半田ボール
の状態変化も、高輝度領域の変化となってあらわれ、正
確な検査結果が得られることになる。なお、高輝度領域
はポジ画像では外観像と同じく明るい領域であるが、ネ
ガ画像では暗い領域となり、明暗が反転することにな
る。したがって、ネガ画像を用いる場合は、暗い領域が
高輝度領域を意味することになる。
【0044】また、落射光源17を用いて照明をおこな
う場合は、鏡面反射光による従来と同様の撮影画像(い
わゆる顕微鏡画像)が得られるものであり、適宜、必要
に応じて使われる。
【0045】本発明は、上記実施例に限られるものでは
なく、次のように変形実施することができる。 (1)上記実施例では、2値電子画像による前処理を行
った後、多値電子画像による本処理を行う二段処理構成
であったが、多値電子画像だけに基づいて多値電子画面
全体に対してデータ処理をおこなう一段処理構成のもの
が変形例として挙げられる。ただ、この変形例の場合に
は、多値電子画像データは情報量が多いので全画面の処
理に非常に時間がかかり、実施例の場合と比べて処理ス
ピードが遅くなる。
【0046】(2)上記実施例では、スリット光源16
を移動させてスリット光Lの走査をおこなう構成となっ
ていたが、スリット光源16は常に固定しておき、BG
A1の方を常に移動させるようにしてスリット光Lの走
査をおこなう構成のものが、変形例として挙げられる。
この変形例は、BGA1の寸法が大きくて走査領域が広
い場合に対処し易い上に、スリット光Lの光跡が常に画
面の略一定位置に来て、データ処理が容易となる可能性
がある。
【0047】
【発明の効果】請求項1の発明の測定方法によれば、ス
リット光が走査されるBGAの裏面の撮影画像に対する
画像信号処理によって、半田ボールによる遮光に伴って
生じるスリット光の分断光跡同士の間の離間距離(光跡
間距離)が求められた後、光跡間距離に基づく簡単な演
算処理で半田ボールの高さが求出される構成であるの
で、BGAの各半田ボールの高さが簡単に測れる。その
上、半田ボールの表面状態の変動を、半田ボールの表面
に現れる(単なるスポットでない)長い光跡のデータを
利用する信号処理で補正して光跡間距離を正確に求出す
ることもできることので、半田ボール高さの測定精度も
向上させられる。
【0048】請求項2の発明の測定装置によれば、請求
項1の発明の測定方法を実施することにより、半田ボー
ルの高さを簡単かつ高精度で測ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の測定装置の全体構成を示すブロック図
である。
【図2】実施例装置のスリット光源による照明情況を示
す模式的斜視図である。
【図3】実施例装置における全周斜光照明光源を示す平
面図である。
【図4】実施例でのスリット光の走査情況を示す模式図
である。
【図5】実施例でのスリット光照明時の撮影画像を示す
模式的平面図である。
【図6】実施例でのスリット光照明時の2値電子画像を
示す模式的平面図である。
【図7】実施例でのスリット光照明時の他の2値電子画
像を示す模式的平面図である。
【図8】ボールグリッドアレイにおける半田ボールの接
合情況を示す模式図である。
【図9】実施例での全周斜光照明時の外観像を示す模式
的平面図である。
【図10】実施例での全周斜光照明時の撮影画像を示す
模式的平面図である。
【図11】実施例での全周斜光照明時の2値電子画像を
示す模式的平面図である。
【図12】実施例での全周斜光照明時の多値電子画像の
一部を示す模式的平面図である。
【図13】ボールグリッドアレイの構成を示す模式図で
ある。
【図14】ボールグリッドアレイの裏面構成を示す平面
図である。
【図15】実施例の半田ボール高さ測定動作の流れを示
すフローチャートである。
【図16】実施例の半田ボールの接続検査動作の流れを
示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…ボールグリッドアレイ(BGA) 2b…BGAの裏面 4…半田ボール 10…光走査機構 16…スリット光源 19…TVカメラ 22…2値電子画像メモリ 23…多値電子画像メモリ 25…データ処理部 d…最大離間距離(最大光跡間距離) L,LA〜LD…スリット光 La〜Ld…スリット光 PC…撮影画像 PD,PE…2値電子画像 Z…半田ボールの高さ θ…照射角度

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体装置のパッケージの裏面に、多数
    の半田ボールがアレイ配列で設けられてなるボールグリ
    ッドアレイ(BGA)における前記半田ボールの高さを
    測る方法であって、 前記BGAの裏面に対して、スリット光を一定の斜め照
    射角度が保たれるようにしながら走査させるとともに、
    前記半田ボールで遮られずにBGAの裏面の上にあらわ
    れる前記スリット光の光跡と半田ボールで遮られて半田
    ボールの表面に映る前記スリット光の光跡との間に生じ
    る光跡間距離を求出し、この光跡間距離に基づいて半田
    ボールの高さを求めることを特徴とするBGAの半田ボ
    ールの高さ測定方法。
  2. 【請求項2】 半導体装置のパッケージの裏面に、多数
    の半田ボールがアレイ配列で設けられてなるボールグリ
    ッドアレイ(BGA)の前記裏面にスリット光を照射す
    るスリット光照射手段と、 前記スリット光を一定の斜め照射角度が保たれるように
    しながら走査させる光走査手段と、 前記スリット光が照射されているBGAの裏面の外観像
    を略正面より撮影して映像信号を出力する電子撮像手段
    と、 前記電子撮像手段からの映像信号をディジタル変換し電
    子画像として記憶する記憶手段と、 前記半田ボールで遮られずにBGAの裏面にあらわれる
    光跡と半田ボールで遮られて半田ボールの表面にあらわ
    れる光跡との間に生じる光跡間距離を前記電子画像に対
    する信号処理により求出する距離求出手段と、 前記光跡間距離に基づき前記半田ボールの高さを求出す
    る高さ求出手段とを備えていることを特徴とするBGA
    の半田ボールの高さ測定装置。
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