JPH11231245A - 光学機器の光書込み装置における長尺光学部材及びその支持機構 - Google Patents

光学機器の光書込み装置における長尺光学部材及びその支持機構

Info

Publication number
JPH11231245A
JPH11231245A JP5131098A JP5131098A JPH11231245A JP H11231245 A JPH11231245 A JP H11231245A JP 5131098 A JP5131098 A JP 5131098A JP 5131098 A JP5131098 A JP 5131098A JP H11231245 A JPH11231245 A JP H11231245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
unit
optical member
resonance
long
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5131098A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Kozuka
直樹 小塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP5131098A priority Critical patent/JPH11231245A/ja
Publication of JPH11231245A publication Critical patent/JPH11231245A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laser Beam Printer (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】光書込みユニットにおける長尺光学部材の1次
共振周波数を高めて支持部ないしは固定部から伝わる振
動に対する振動感度を低くすることによって、回避すべ
き振動周波数領域における長尺光学部材の振動を低減す
るように、上記長尺光学部材の固定・支持方法、また
は、当該長尺光学部材の構造を工夫すること。 【解決手段】レーザー光源部4、ポリゴンモータ5を有
する光学ユニット2と、前記光学ユニット2から照射さ
れるレーザー光7を感光体8へ反射する析り返しミラー
3あるいは光学的に拡大する光学レンズ6と光学ユニッ
ト2を保持するためのフレームを備えた光書込みユニッ
トの長尺光学部材の支持機構を前提として、上記長尺光
学部材の自由共振における1次共振モードの節に当たる
部分を支持・固定したこと、または、上記長尺光学部材
の自由共振における1次共振モードの節の部分を他の部
分よりも厚くしたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電子写真方式のレーザ
プリンタ、複写機、ファクシミリなどの光学機器の光書
込みユニットにおける長尺光学部材(fΘレンズ、折り
返しミラー等の光学部材である長尺部材)及びその支持
機構に関するものであり、上記長尺光学部材の駆動源の
振動との共振を回避して、当該共振による光書込みの乱
れを防止するのに有効なものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】レーザプリンタ、複写機、フ
ァクシミリなどの光学機器における光書込みユニット
は、レーザー光源部、ポリゴンモータ及びFθレンズを
有する光学ユニットと、前記光学ユニットから照射され
るレーザー光を感光体へ反射する折り返しミラーを備え
ている。レーザー光源部から、出力されたレーザー光
は、ポリゴンモータで回転する多面鏡により走査され、
Fθレンズを通過して折り返しミラーに到達する。折り
返しミラーに到達したレーザー光は、下方に折り返えさ
れ、感光体ドラムに照射されて画像を形成する。このよ
うな光学機器においては、Fθレンズ、折り返しミラー
等の長尺光学部材がポリゴンモータ、感光体ドラム(円
筒体)等からの振動を受けて振動することは避けられな
いが、これらの振幅が大きくなると、これによってレー
ザー光の光路が大きく乱されて著しく画質を低下させる
ことになるので、これらの長尺光学部材の振動を如何に
抑制するかが、画質を向上させるための一つの大きな問
題である。この問題を解決するための発明が多数成され
ている。例えば、特開平8ー002000号公報に記載
された電子複写装置に関する発明は、ポリゴンモータと
折り返しミラーを支持フレームに取り付けることによ
り、ポリゴンモータの振動が折り返しミラー等に伝わら
ないようにしており、また特開平2ー253274号公
報に記載された光走査装置の発明は、折り返しミラーの
反射面と直行する面側に緩衝部材を設置して、当該ミラ
ーのたわみ振動を低減するようにしている。さらに、特
開昭60ー244921号公報に記載された光走査装置
に関する発明は、析り返しミラーの非反射面に緩衝部材
及び金属部材を張り合わせることにより、折り返しミラ
ーのたわみ振動を低減するようにしている。これらはい
ずれも、駆動源からの長尺光学部材への振動の伝達を抑
制すること、あるいは長尺光学部材の振動を干渉ないし
は吸収することによって、これらの振動を抑制しようと
するものである。
【0003】ところで、電子写真の高画質化を阻害する
要因の1つにジター、バンディングと呼ばれる現象があ
る。特にディジタル技術の導入により画質向上が進めら
れるとレーザー光による書き込みの1走査ラインごとの
走査ラインの位置精度が厳しく要求される。これを阻害
する要因の1つとして感光体に書き込むレーザー光線の
振れの振動が挙げられ、このレーザー光線の振れの振動
を低減することが高品質な画像を得る上で重要な問題と
なる。人間の視覚による画像の可視感度と空間周波数の
関係から、人間の視覚系の特性上、空間周波数0.2〜
4line/ mm(=5mm〜0.25mmピッチ)の範囲
での濃度変化が最も目につきやすくなり、したがってジ
ター、バンディングとして認識されやすい。また、カラ
ー画像に関しては数色のトナーを復数回同じ位置に重ね
あわせることで、所望の色を表現するため、これらジタ
ーやバンディングが著しいく、このために色ずれや画像
のボケを生じる。ジター、バンディングによる画像ムラ
(ピッチ)とレーザー光線の振れの振動周波数及び感光
体表面の線速度(=回転速度×ドラム半径)との関係
は、ピッチ=線速度/レザー光線の振れの振動周波数で
表される。たとえば、線速度200mm/ sでレザー光
線の振れの振動周波数(以下これを「レザー光線の振動
周波数」という)が200Hzの場合には画像ムラのピ
ッチは1mmであり、感光体表面の線速度250mm/
s,レザー光線の振動周波数500Hzの場合は、画像
ムラのピッチは0.5mmである。これらを考えあわせ
ると、ジター、バンディングによる画質低下を回避する
には、一定の領域の周波数範囲でのレーザ一光線の振動
を回避することが重要になる。つまり可視感度の最低値
〜最高値、言い換えれば、(感光体表面の線速度/可視
最大ピッチ)〜(感光体表面の線速度/可視最小ピッ
チ)の周波数領域でのレーザ一光線の振動を回避するこ
とが重要である。これは、感光体表面の線速度が200
mm/ sの場合を当てはめると、最低限回避すべきレー
ザ一光線の振動周波数は、おおよそ40Hz〜800H
zとなる。光書込みユニットの構成は、光源部からレー
ザー光が出力され、ポリゴンモータで回転する多面鏡に
より走査され、Fθレンズを通過して光学的に拡大さ
れ、析り返しミラーに到達する。折り返しミラーに到達
したレーザー光は、下方に析り返され、感光体ドラムに
照射されて画像を形成するものが一般的である(図1参
照)。このような画像形成装置において、ポリゴンモー
タや周辺のギアなどから構成される駆動系からの振動が
折り返しミラーやその支持フレームに伝達されて、これ
らの部材を共振させることで、感光体に照射されるレー
ザー光線の振動の振幅が増大し、これによって光書き込
みが大きく乱れて画質を著しく低下させてしまうことに
なる。このようなレーザー光線の振動の問題では、回避
すべき周波数領域で共振しないことが最も好ましく、回
避すべき周波数領域に共振点が存在することが避けられ
ない場合には、当該周波数領域における共振点の数がで
きるだけ少ないことが重要である。共振する振動周波数
はfΘレンズや折り返しミラー等の長尺光学部材の材
質、寸法、形状、当該部材を拘束する位置(固定ないし
は支持位置)等によって基本的に変化するものであり、
1次、2次、3次・・・と複数の共振周波数が周波数軸
上に存在する。各々の共振周波数においては図4に例示
するような特有の動的挙動(振動モード)を呈し、1
次、2次と共振点の次数が高くなるにつれて共振周波数
が高くなり、また振動モードは複雑になる。特定の周波
数領域における共振点を少なくするための1つの方策と
して1次共振の周波数を高くすることが考えられる。
【0004】
【解決しようとする課題】そこで、本発明は、光書込み
ユニットにおける長尺光学部材の1次共振周波数を高め
て支持部ないしは固定部から伝わる振動に対する振動感
度を低くすることによって、回避すべき振動周波数領域
における長尺光学部材の振動を低減するように、上記長
尺光学部材の固定・支持方法、または当該長尺光学部材
の構造を工夫することをその課題とするものである。
【0005】
【課題解決のために講じた手段】
【解決手段1】上記課題解決のために講じた解決手段1
は、レーザー光源部、ポリゴンモータを有する光学ユニ
ットと、前記光学ユニットから照射されるレーザー光を
感光体へ反射する析り返しミラーあるいは光学的に拡大
する光学レンズと光学ユニットを保持するためのフレー
ムを備えた光書込みユニットの長尺光学部材の支持機構
を前提として、上記長尺光学部材の自由共振における1
次共振モードの節に当たる部分を支持・固定したことで
ある。
【作用】上記長尺光学部材の自由共振における1次共振
モードにおける節に当たる部分はほとんど振動しない状
態にあるから、この節に当たる位置を支持・固定する
と、支持フレームを介して長尺光学部材に伝達される駆
動系の振動がこの節の位置に印加されることになる。そ
してこの節に当たる位置を支持された長尺光学部材は、
印加された振動に対する感度が低く、その1次共振周波
数は、自由共振における1次共振周波数(例えば、図5
(a)の振動モードでは440Hz)よりも高くなるの
で、この自由共振における1次共振周波数での長尺光学
部材の共振が回避され、この周波数近傍における振動が
抑制される。
【0006】
【実施態様1】解決手段1における長尺光学部材の長さ
をLとするとき、その左右両端からL/ 8〜L/ 4に相
当する位置でそれぞれ支持したこと。
【作用】1次共振における節は長尺光学部材の左右両端
から概略L/ 8〜L/ 4の範囲にあり、また2次共振、
3次共振における節もこの範囲に存在する(例えば、図
5(a)〜図5(c)に示す1次、2次、3次の共振モ
ード参照)。したがって、両端部から概略L/ 8〜L/
4の範囲で長尺光学部材の左右両側を支持・固定して、
この支持点から長尺光学部材に振動力が印加されるよう
にすることによって、自由共振における1次共振、2次
共振、3次共振よりも共振周波数が高められ、これらの
周波数における長尺光学部材の共振が回避され、これら
の周波数近傍における振動が抑制される。
【実施態様2】上記解決手段1または実施態様1におけ
る長尺光学部材に対する支持部を押し当て面(ガイド)
と加圧支持部の少なくとも2つの部材で構成し、加圧支
持部を弾性体で構成したこと。
【実施態様3】実施態様2において、その加圧支持部の
弾性体を板バネで構成したこと。
【0007】
【解決手段2】上記課題解決のために講じた解決手段2
は、レーザー光源部、ポリゴンモータを有する光学ユニ
ットと、前記光学ユニットから照射されるレーザー光を
感光体へ反射する析り返しミラーあるいは光学的に拡大
する光学レンズと光学ユニットを保持するためのフレー
ムを備えた光書込みユニットを前提として、上記長尺光
学部材の自由共振における1次共振モードの節の部分を
他の部分よりも厚くしたことである。
【作用】上記長尺光学部材の自由共振における1次共振
モードにおける節に当たる部分はほとんど振動しない状
態にあり、この部分の内部応力が最も大きいから、この
節に当たる部分の厚さを厚くしてこの部分の曲げ剛性を
局部的に高め、その内部歪みが抑制される。その結果、
振動モードにおける当該節の部分の撓み角が小さくなっ
て振動モードにおける振幅が図5の振動モードに比して
著しく小さくなる。したがって、上記長尺光学部材の1
次共振周波数は、自由共振における1次共振周波数より
も高くなり、自由共振における1次共振周波数での長尺
光学部材の共振が最も効果的に回避され、当該周波数近
傍での振動が抑制される。
【0008】
【実施態様1】解決手段2における上記長尺光学部材の
長さをLとするとき、その左右両端からL/ 8〜L/ 4
に相当する位置の厚さをそれぞれ厚くしたこと。
【作用】1次共振における節は長尺光学部材の左右両端
から概略L/ 8〜L/ 4の範囲にあり、また2次共振、
3次共振における節もこの範囲に存在する。したがっ
て、この範囲内で長尺光学部材の左右両側部を厚くし
て、その部分の曲げ剛性を局部的に高めることによっ
て、自由共振における1次共振、2次共振、3次共振等
の共振周波数よりもその共振周波数が高められる。した
がってこれらの周波数における長尺光学部材の共振が回
避され、当該周波数近傍での振動が抑制される。
【0009】
【解決手段3】上記課題解決のために講じた解決手段3
は、レーザー光源部、ポリゴンモータを有する光学ユニ
ットと、前記光学ユニットから照射されるレーザー光線
を感光体へ反射する析り返しミラーあるいは光学的に拡
大する光学レンズと光学ユニットを保持するためのフレ
ームを備えた光書込みユニットを前提として、上記長尺
光学部材の自由共振における1次共振モードの節に当た
る部分を他の部分よりも厚くし、かつ、上記節に当たる
部分を支持・固定したことである。
【作用】上記解決手段1の作用、上記解決手段2の作用
の複合効果、相乗作用によって、自由共振における1次
共振乃至3次共振等の広い周波数範囲での共振周波数が
高められる。したがって、これらの周波数における長尺
光学部材の共振が回避され、当該周波数領域での振動が
著しく抑制される。
【0010】
【実施態様1】解決手段3における上記長尺光学部材の
長さをLとするとき、その左右両端からL/ 8〜L/ 4
に相当する位置の厚さをそれぞれ厚くし、その部分を支
持・固定したこと。
【実施態様2】上記解決手段3における上記長尺光学部
材に対する支持部を押し当て面(ガイド)と加圧支持部
の少なくとも2つの部材で構成し、加圧支持部を弾性体
で構成したこと。
【実施態様3】上記実施態様2における加圧支持部の弾
性体を板バネで構成したこと。
【0011】
【実施例】次いで図面を参照しながら実施例を説明す
る。
【実施例1】一般的な光書込みユニットの概要は図1に
示す如くであり、そのフレーム1に光学ユニット2と折
り返しミラー3を搭載した構成となっている。また、光
学ユニット2は、レーザー光源部4、ポリゴンモータ
5、Fθレンズ6から構成されている。レーザー光源部
4から発せられたレーザー光7がポリゴンモータ5によ
り走査され、走査速度を一定にするFθレンズ6を通過
する。そして、Fθレンズ6を通過したレーザー光7が
折り返しミラー3で反射され、感光体ドラム8の表面に
照射されて、画像が形成される。レーザー光7の光路上
に上記レンズやミラ一の外に、図示してはいないが防塵
ガラスのような光を透過する光学部品が多数存在する場
合もある。これら光学部品はその機能としてレーザ光線
に振れを生じさせないことが求めらるが、実際の光書込
みユニットでは、当該光書込みユニットの内外に存在す
るモーターや駆動体からの外部振動(外乱振動)が印加
される環境下に置かれており、外部振動の周波数が光書
込みユニット内部の折り返しミラー3、Fθレンズ6等
の長尺光学部材の共振周波数に近い場合には当該長尺光
学部材が共振し、共振周波数に応じた特有の動的な変形
(振動モード)を示す。このため、共振を起こした場合
にはレーザ光線が長尺光学部材の動的変形のために振れ
を生じ、その結果ジターを発生させる。一般的な光学部
品である折り返しミラー、Fθレンズ、その他光路上に
おかれた長尺光学部材の長さは、印字対象物の幅(たと
えば印刷用紙の幅)で制限を受けるため、200mm〜
400mm程度である。これら長尺光学部材は、通常、
その長手方向の端部を支持・固定されていて、200〜
300Hz以下の1次共振点を有する場合が多い。例え
ば、代表的な析り返しミラーを例に取ると、図2に示す
ように、反射面の裏面から板バネ9に押さえられてい
て、支持フレームに固着されたガイド10にその両端の
反射面を押し付けられた状態で支持されている。図3に
示すように折り返しミラー3にはレーザー反射領域11
が在る(なお、このレーザー反射領域に遮光する構造が
採ることはできない)。析り返しミラー3の長さL:2
40mm、高さH:12mm、厚さT:4.9mm、材
質:ガラスの場合で、図2に示す固定方法で折り返しミ
ラーの両端を支持・固定した場合のレーザー光の反射方
向の共振周波数およびその振動モードが図4(a)〜図
4(e)に示されている。この場合、析り返しミラー3
の支持位置による最初の共振点は振動周波数208Hz
である。この状態で例えば、析り返しミラー3に200
Hz近傍の振動が印加されると、この折り返しミラー3
は図4(a)の振動モードに示すような挙動を動的に示
し、その結果、反射面から反射されるレーザ光の反射方
向が振れることになる。
【0012】ところで、共振は、横軸を周波数、縦軸を
長尺光学部材上の任意2点間の振動増幅率で定義される
周波数応答関数で説明できるものである。例えば、図6
に示すように長尺光学部材に9つの評価点を付した場合
に、評価点R1とR5の周波数応答関数が図7に示すグ
ラフであるとすれば、図7においてカーブの山が存在す
る周波数が共振周波数であり、本例では2つの共振周波
数f1 及びf2 が存在することになる。縦軸の大きさは
これら2点のどちらか一方に所定量の振動が発生したと
きに他方ではその何倍の振動量になるかを倍率で示して
いる。図7に示す場合の縦軸はdBであり、値0は振動
がそのまま1倍で伝達されることを意味し、0未満は振
動が小さくなって伝達され、逆に0を越えるものは振動
が増幅して伝えられることを意味する。振動が増幅され
る領域は、それぞれの共振周波数(f)を基準に一定の
領域(f1 / √2 〜√2f1 )にあり、たとえば1次共振
周波数f1 を例に取るとf 1 / √2 〜√2f1 が振動増幅
の領域である。振動増幅領域のうち共振周波数がもっと
も増幅率が高く、実際にはこの増幅率は20〜60dB
(100倍〜100万倍)に達する。この例では2つの
共振周波数はお互いに離れているが、複数の共振周波数
が接近している場合には、それぞれの増幅率が重ね合わ
されたものになる。つまり回避すべき周波数領域内に共
振点の数が多いほど、振動増幅領域が増加するので不利
となる。一方、R5 を基準として他の評価点との周波数
応答関数を1つのグラフにまとめた場合に、それが図8
のようになったとすれば、グラフにおけるHxyは評価
点xとyとの間の周波数応答関数を意味する。このとき
各グラフの縦軸の大きさは、振動増幅率を意味するが、
同時に概念的には、H5 5 の振幅の平方根をR5 の振幅
と考え、H5 xあるいはHy5 の振幅をR5 の振幅で除
すること(割り算すること)で、R5 以外の他の点の相
対振幅を計算できる。これら相対振幅を評価点毎に並べ
ると、これが振動モードになる。図8の例は図5(b)
の振動モードに相当する。振動モードには、動的には全
く振動しない点(モードの節)が存在する。振動モード
の節に当たる位置は共振の次数によって異なるが、共通
していることは、振動モ一ドの節とその他の点との周波
数応答関数は振動増幅率で0dBを下回る(振動感度が
低い)。このため、振動モードの節に当たる部分に、本
来増幅領域に当たる周波数(自由共振における共振周波
数)の振動が外部より印加されても、他の点には振動が
伝達され難い。つまり自由共振の振動モードにおける節
に当たる部分を振動印加点とすれば、共振周波数近傍の
振動エネルギーが長尺光学部材全体には伝達されないた
め、結果的に共振現象は起こらない。特に1次振動モ一
ドの節に当たる部分を支持点とした場合には、実質上の
最初の共振は2次共振となる。このため、回避すべき周
波数領城における共振点の数が減少されることになる。
【0013】次に長尺光学部材が端点支持された場合の
不具合を説明する。図5に長尺光学部材を全く支持しな
いで宙に浮いた状態(自由状態)で振動させる場合の共
振モードを、また、図4に同長尺光学部材の両端で支持
した状態(両端支持状態)で振動させた場合の共振モー
ドを示しているが、図5において自由共振における挙動
特性を持ちつづける筈の長尺光学部材自体を、その両端
で剛に固定すると、図4(b)、(e)に示すような両
端を振動の節とした振動モードを生じる。しかし、通常
の長尺光学部材の支持では、取付性をよくするために、
板バネや弾性体で押さえ付けたり、挟み込むような弾性
支持が行われる。この場合、支持された長尺光学部材は
図5の振動特性を有しており、他方、両端は先の周波数
応答関数の説明どおり、振動伝達率が高い(節から外れ
ていて振動感度が高い)ので、支持点から印加される振
動周波数が増幅領域であると、長尺光学部材全体に振動
が伝わり易い。この状況下では、両端を支持・固定した
場合の共振点がある外に、支持部材の剛性、長尺光学部
材の剛性と質量等から定まる別の共振点が生じ易い。こ
のため、同じ振動周波数範囲での共振点の数が増えるこ
とにもなりかねない(図4全体参照)。他方、長尺光学
部材を剛の状態で固定した場合の共振周波数の高さは、
図10に示すように支持間距離に支配され、支持間距離
が短いほど部品の曲げるのに必要なエネルギーが大きい
ため、支持間距離が短いほど共振周波数が高くなる。し
たがって、長尺光学部材の両側部を、L/8〜L/4の
範囲で支持・固定すること、支持間距離が短くなること
が相俟ってそれだけ共振周波数が高くなる。
【0014】この実施例1の振動モードを図9に示して
いる。これから、図4に示す共振モードを有する従来の
支持方法では振動周波数800Hz以下の範囲に4つの
共振が存在し、その1次共振点が208Hzであったの
に対して、この例の場合は振動周波数800Hz以下の
範囲で2つの共振点が存在するに止まり、1次共振点が
430Hzと高くなっていることが分かる。具体的な支
持構造の一例を図12に示している。この支持構造にお
いては支持部材(ガイド)12は支持フレームに固着さ
れており、支持部材12の位置は折り返しミラー3の左
右両端から、支持部材(ガイド)12の長さLの1/4
に設定している。支持部材12と折り返しミラー3の背
面との間に弾性加圧部材15を介在させてあって、支持
部材12の上下のフック12a、12bと加圧部材15
とによって、折り返しミラー3をその反射面と背面から
挟持させている。また、図13に示す他の支持構造は、
支持部材(ガイド)12の上下両端に板ばねによる弾性
フック16、16を設けてあって、この弾性フック1
6、16と支持部材12とによって、折り返しミラー3
をその反射面と背面から挟持させたものである。さら
に、図14に示す支持構造は、支持部材(ガイド)12
の上端に弾性フック16を設け、下端に押さえ部12c
を設けて、折り返しミラー3の反射面下部と押さえ部1
2cとの間に弾性加圧部材15を介在させて、支持部材
とその押さえ部12cとによって、弾性加圧部材15を
介して折り返しミラー3の下端を挟持し、弾性フック1
6と支持部材(ガイド)12とによって折り返しミラー
3の上端を挟持させたものである。長尺光学部材はfΘ
レンズ等のようにレーザ光線を透過させるものである場
合は、支持部材12、弾性フック16等が光路を遮るこ
とがないように、透明なものにするか、あるいは光路の
外に配置するなの工夫を要する。
【0015】
【実施例2】解決手段2に対応する実施例2を図11に
示している。実施例2においては折り返しミラー23の
左右両端からL/4の部分の厚さを他の部分の厚さtの
1.2〜3倍にし、この肉厚の部分の長手方向幅wをL
/5にしている。図5の自由共振モードで説明したよう
に、長尺光学部材は1次モードにおいてその振動の節が
左右両側からほぼL/4の位置に生じる。このとき動的
変形で長尺光学部材にかかる応力は、節の周辺で最大と
なる。この節の部分の剛性を局部的に高くしたことが、
この部分の歪みを押さえてその応力を低減することにつ
ながり、その結果として1次共振周波数を高める。実施
例2の長尺光学部材は折り返しミラーであるために、肉
厚部の厚さをその全幅にわって一様にしているが、fΘ
等のように光透過性が必要な部材の場合には肉厚補強部
はレーザー光の光路の障害にならないように、その左右
両端からL/8〜L/4の範囲でその配置を工夫する必
要がある。
【0016】この実施例2の折り返しミラーを実施例1
の支持機構によって支持することによって、1次共振が
両者の特徴をあわせ持つため、最も1次共振周波数が高
く、かつ1次共振周波数に相当する振動数の外部振動が
印加されても、極めて共振し難く、それだけ振動が小さ
い。
【0017】
【その他】以上、折り返しミラー、fΘレンズ等の長尺
光学部材(光学系な長尺部材)を対象として本発明の解
決手段、実施態様、実施例について説明したが、機械的
な駆動軸等の長尺部材についてもこれが共振し、その結
果、支持フレームを介して長尺光学部材を大きく振動さ
せて画質を劣化させる場合がある。このような場合で
も、駆動軸等の長尺部材の構造、またはその支持機構に
本発明を適用することによって、それらの共振を防止
し、また振動を抑制してこれに起因する画質低下を防止
できる。したがって、駆動軸等の長尺部材は、本発明の
適用対象として上記「長尺光学部材」と同等ないしは均
等なものである。
【0018】
【効果】以上述べたとおり、光書込みユニットにおける
折り返しミラー等の長尺光学部材の支持・固定位置を1
次自由共振のモードの節に当たる位置に設けることで、
その長尺光学部材の共振周波数を飛躍的に高めると共
に、当該長尺光学部材の自由共振における1次共振周波
数に相当する周波数帯域の外部振動が印加されても、長
尺光学部材が共振し難くなる。また、長尺光学部材の長
さをLとするとき、その左右両側からL/8〜L/4の
領域に支持位置を設けることで、少なくとも2次共振周
波数以下の外部振動に対して長尺光学部材が共振し難い
支持機構にすることができる。また、支持構造をガイド
(支持部材)と加圧支持部で構成することにより、支持
構造の組立性を良好にすることができ、特に加圧支持部
を板バネで構成すれば、支持機構の組立を容易にするこ
とに加え、支持構造の設計の自由度を高めることができ
る。
【0019】他方、長尺光学部材の長さをLとすると
き、その左右両端からL/8〜L/4に相当する部分を
他の部分よりも厚くすることにより、長尺光学部材の1
次共振周波数を一層高くして、自由共振における1次共
振周波数近傍の周波数が印加されたときの長尺光学部材
の振動を十分に抑制することができる。なお、長尺光学
部材の曲げ剛性を高めることによって、その共振振動数
を向上させられることは、長尺部材一般の振動特性から
常識的に推測されることであり、そのためには、補強手
段の付加(例えば長手方向に延びる補強リブの付加)に
よる長尺部材の質量増加を可及的に抑制しつつ(質量増
加は共振振動数を低下させる方向に機能するから)、曲
げ剛性の増大を図る(例えば補強リブを断面I型にし、
当該補強リブのウエブの中抜きするなど)ことが常識的
に想定されるところである。しかし、このように光学長
尺部材に補強手段を講じて全体の曲げ剛性を高めると、
その長手方向に対して直角な断面形状を複雑にすること
になり、これが光学長尺部材自体の微妙な局部的な歪み
を生じ、変形(成型加工における変形、熱変形など)を
生じることになる。この局部的な歪み、変形がレーザー
光の光路を歪めてしまうことになりかねない。これに対
して、本発明は自由共振モードにおける節に当たる部
分、すなわち、曲げ剛性を高めてその自由共振周波数を
高める上で最も効果的な部分を限られた範囲で厚くして
補強することにより、最小限の補強によって最も効果的
に自由共振周波数を高めることができるものであり(当
該節の部分が自由共振モードにおける変曲点になるが、
この部分のたわみを小さくしてそのたわみ角、すなわち
傾斜角度を小さくすることによって、振動振幅が最も効
果的に低減されるから)、また上記の補強手段を講じる
ことによる上記の危険性を最小限に止めることができる
ものである。
【0020】以上の長尺光学部材の振動抑制により、ジ
ター防止のために回避すべき振動周波数範囲における、
共振点の数を少なくすることがき、また外部振動に対す
る長尺光学部材の振動感度を低減できるので、比較的単
純な手段によって極めて効果的にジターの少ない高品質
の光書込みを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は一般的な光書込みユニットの斜視図である。
【図2】は
【図1】における折り返しミラーの支持機構の斜視図で
ある。
【図3】は
【図2】における折り返しミラーの水平断面図である。
【図4】(a),(b)、(c),(d),(e)は両
端を支持された長尺光学部材の共振点における振動モー
ドの斜視図である。
【図5】(a),(b),(c)は自由支持における長
尺光学部材の共振点における振動モードの斜視図であ
る。
【図6】は周波数応答関数の算出評価点を示す長尺光学
部材の平面図である。
【図7】は2点間のの周波数応答関数を示すグラフの図
である。
【図8】は1点を基準にした場合の全点の周波数応答関
数を示すグラフの図である。
【図9】(a),(b)は長尺光学部材の1次共振の振
動の節に当たる位置を支持した場合の振動モードの斜視
図である。
【図10】は長尺光学部材の、自由長の影響の説明用側
面面である。
【図11】は実施例2の正面図である。
【図12】(a)は実施例1の支持構造の一例の側面図
であり、
【図12】(b)は同正面図である。
【図13】(a)は実施例1の支持構造の他の一例の側
面図であり、
【図13】(b)は同正面図である。
【図14】(a)は実施例1の支持構造のさらに他の一
例の側面図であり、
【 【図14】(b)は同正面図である。 符合の説明 2:光学ユニット 3、23:折り返しミラー 4:レーザー光源部 5:ポリゴンモータ 6:Fθレンズ 7:レーザー光 8:感光体ドラム 9:板ばね 12:支持部材(ガイド) 15 弾性加圧部材 16:弾性フック L:長尺光学部材の長さ w:長尺光学部材の肉厚部の長手方向幅

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザー光源部、ポリゴンモータを有する
    光学ユニットと、前記光学ユニットから照射されるレー
    ザー光を感光体へ反射する析り返しミラーあるいは光学
    的に拡大する光学レンズと光学ユニットを保持するため
    のフレームを備えた光書込みユニットの長尺光学部材の
    支持機構において、 上記長尺光学部材の自由共振における1次共振モードの
    節に当たる部分を支持・固定した、光学機器の光書込み
    装置における長尺光学部材の支持機構。
  2. 【請求項2】上記長尺光学部材の長さをLとするとき、
    その左右両端からL/8〜L/ 4に相当する位置でそれ
    ぞれ支持した請求項1の長尺光学部材の支持機構。
  3. 【請求項3】上記長尺光学部材に対する支持部を押し当
    て面(ガイド)と加圧支持部の少なくとも2つの部材で
    構成し、加圧支持部を弾性体で構成した請求項1または
    請求項2の長尺光学部材の支持機構。
  4. 【請求項4】上記加圧支持部の弾性体を板バネで構成し
    た請求項3の長尺光学部材の支持機構。
  5. 【請求項5】レーザー光源部、ポリゴンモータを有する
    光学ユニットと、前記光学ユニットから照射されるレー
    ザー光を感光体へ反射する析り返しミラーあるいは光学
    的に拡大する光学レンズと光学ユニットを保持するため
    のフレームを備えた光書込みユニットにおいて、 その長尺光学部材を、自由共振における1次共振モード
    の節の部分を他の部分よりも厚くした上記光書込みユニ
    ット。
  6. 【請求項6】上記長尺光学部材の長さをLとするとき、
    その左右両端からL/8〜L/ 4に相当する位置の厚さ
    をそれぞれ厚くした請求項5の光書込みユニット。
  7. 【請求項7】レーザー光源部、ポリゴンモータを有する
    光学ユニットと、前記光学ユニットから照射されるレー
    ザー光を感光体へ反射する析り返しミラーあるいは光学
    的に拡大する光学レンズと光学ユニットを保持するため
    のフレームを備えた光書込みユニットにおいて、 上記長尺光学部材の自由共振における1次共振モードの
    節に当たる部分を他の部分よりも厚くし、かつ、上記節
    に当たる部分を支持・固定した上記光書込みユニット。
  8. 【請求項8】上記長尺光学部材の長さをLとするとき、
    その左右両端からL/8〜L/ 4に相当する位置の厚さ
    をそれぞれ厚くし、その部分を支持・固定した請求項7
    の光書込みユニット。
  9. 【請求項9】上記長尺光学部材に対する支持部を押し当
    て面(ガイド)と加圧支持部の少なくとも2つの部材で
    構成し、加圧支持部を弾性体で構成した請求項7または
    請求項8の光書込みユニット。
  10. 【請求項10】上記加圧支持部の弾性体を板バネで構成
    した請求項9の光書込みユニット。
  11. 【請求項11】請求項1乃至請求項4のいずれかの長尺
    光学部材の支持機構を備えた画像形成装置。
  12. 【請求項12】請求項5乃至請求項10のいずれかの光
    書込みユニットを備えた画像形成装置。
JP5131098A 1998-02-18 1998-02-18 光学機器の光書込み装置における長尺光学部材及びその支持機構 Pending JPH11231245A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5131098A JPH11231245A (ja) 1998-02-18 1998-02-18 光学機器の光書込み装置における長尺光学部材及びその支持機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5131098A JPH11231245A (ja) 1998-02-18 1998-02-18 光学機器の光書込み装置における長尺光学部材及びその支持機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11231245A true JPH11231245A (ja) 1999-08-27

Family

ID=12883356

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5131098A Pending JPH11231245A (ja) 1998-02-18 1998-02-18 光学機器の光書込み装置における長尺光学部材及びその支持機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11231245A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7589879B2 (en) 2003-11-07 2009-09-15 Ricoh Company, Ltd. Method and apparatus for attaching part, light scanning apparatus and image forming apparatus
JP2014209161A (ja) * 2012-09-07 2014-11-06 株式会社リコー 光学装置、光走査装置及び画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7589879B2 (en) 2003-11-07 2009-09-15 Ricoh Company, Ltd. Method and apparatus for attaching part, light scanning apparatus and image forming apparatus
JP2014209161A (ja) * 2012-09-07 2014-11-06 株式会社リコー 光学装置、光走査装置及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5164345B2 (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2006259368A (ja) 光学装置
JP2009157182A (ja) 画像形成装置
JPH11231245A (ja) 光学機器の光書込み装置における長尺光学部材及びその支持機構
JP4068779B2 (ja) 光走査装置
JP4591059B2 (ja) 光走査装置
JP2002267984A (ja) 走査光学装置
JP3080451B2 (ja) 画像形成装置
JP2806401B2 (ja) ラスタ走査装置の反射ミラー支持構造
JP2001235699A (ja) 光走査装置及びこれを用いる画像形成装置
JP2003075760A (ja) 書き込みユニット及び画像形成装置
JP2000258712A (ja) 光走査装置
JP4223175B2 (ja) 光走査装置
JP3848766B2 (ja) 画像形成装置の書込みユニット
JPH10221627A (ja) 光走査装置
JP4635581B2 (ja) 光走査装置
JP2000155281A (ja) 長尺プラスチックレンズ
JP4023941B2 (ja) 光走査装置
JPH11149053A (ja) 画像形成装置
JP3653059B2 (ja) 原稿読取装置
JP5046888B2 (ja) 光走査装置
JP2000171744A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JPH04336751A (ja) 画像読取装置
JP2015129949A (ja) ミラー湾曲調整機構、光書込装置、画像形成装置
JP4264938B2 (ja) 画像形成装置