JPH11229968A - 気化器 - Google Patents

気化器

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JPH11229968A
JPH11229968A JP3588598A JP3588598A JPH11229968A JP H11229968 A JPH11229968 A JP H11229968A JP 3588598 A JP3588598 A JP 3588598A JP 3588598 A JP3588598 A JP 3588598A JP H11229968 A JPH11229968 A JP H11229968A
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JP
Japan
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arm
valve
boss
hot water
throttle valve
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JP3588598A
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English (en)
Inventor
Takashi Yokoyama
隆 横山
Akira Nakahira
亮 中平
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Keihin Corp
Original Assignee
Keihin Corp
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Publication date
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作ワイヤの引き出し方向の自由な設定が可
能である上,部品点数が少なくて構造が簡単,且つコン
パクトな気化器を提供する。 【解決手段】 弁筒3の一側に形成した膨出部3aに支
承される支軸14と;この支軸14に固着されるボス部
15a,外周面に案内溝16を有してスロットル弁4と
作動的に連結される弧状のリム部15b,及びボス部1
5aとリム部15bを一体に結合するアーム部15cか
らなる作動アーム15と;膨出部3a内でこの作動アー
ム15をスロットル4の閉じ方向に付勢する戻しばね2
7と;リム部15bに端部を固着されると共に,案内溝
16に係合しながら弁筒3上端のキャップ24を貫通し
て外部に延出するインナワイヤ26aとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気化器に関し,特
に,吸気道を有する気化器本体に形成した弁筒に,吸気
道を開閉するピストン形のスロットル弁を摺動自在に嵌
装し,このスロットル弁を作動する弁作動装置を弁筒の
上部に設けたものゝ改良に関する。
【0002】
【従来の技術】かゝる気化器における弁作動装置とし
て,弁筒の上部に支持した弁駆動軸に,弁筒内ではスロ
ットル弁に作動的に連結する作動アームを,また弁筒外
ではボーデンワイヤのインナワイヤを接続するスロット
ルドラムをそれぞれ固着し,このスロットルドラムに操
作ワイヤを接続したものが既に知られている(例えば,
実開昭52−124331号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような弁作動装
置は,スロットルの配置により操作ワイヤの引き出し方
向を,スロットル弁の昇降方向と異ならせて,自由に設
定することができる利点がある。
【0004】しかしながら,そのものでは,弁駆動軸の
外端にスロットルドラムを備えることから部品点数が多
い上,弁駆動軸を比較的長く形成する必要があって,該
軸の方向に気化器が大型化するという欠点がある。
【0005】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたも
ので,従来同様,操作ワイヤの引き出し方向の自由な設
定が可能である上,部品点数が少なくて構造が簡単であ
り,しかもコンパクトな気化器を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,吸気道を有する気化器本体に形成した弁
筒に,吸気道を開閉するピストン形のスロットル弁を摺
動自在に嵌装し,このスロットル弁を作動する弁作動装
置を弁筒の上部に設けた気化器において,弁筒の一側に
形成した膨出部に回転自在に支承される支軸と;膨出部
内でこの支軸に固着されるボス部,外周面に案内溝を有
してボス部の外周に配置されると共にスロットル弁と作
動的に連結される弧状のリム部,及びボス部とリム部を
一体に結合するアーム部からなる作動アームと;膨出部
内でこの作動アームをスロットル弁の閉じ方向に付勢す
る戻しばねと;リム部に端部を固着されると共に,案内
溝に係合しながら弁筒上端のキャップを貫通して外部に
延出するインナワイヤ,及びキャップに支持されるアウ
タワイヤからなるボーデンワイヤとで弁作動装置を構成
したことを第1の特徴とする。
【0007】この第1の特徴によれば,作動アームのリ
ム部の形状及び大きさや,支軸の配置の選定により,作
動アームのインナワイヤの引き出し方向をスロットル弁
の開閉方向とは異なる任意の方向に設定することができ
る。したがって,弁筒内でスロットル弁と作動的に連結
する作動アームが従来のスロットルドラムの機能を具備
することになるから,スロットルドラムは不要となる。
またスロットルドラムが不要であることから,支軸の長
さの短縮が可能となる。さらに戻しばねは弁筒によって
保護され,該ばねへの異物の噛み込みを防ぐことができ
る。
【0008】また本発明は,上記特徴に加えて,前記膨
出部の相対向する両側壁に形成した一対の軸受ボスに支
軸の両端部を支承し,この支軸の中間部に作動アームの
ボス部を固着したことを第2の特徴とする。
【0009】この第2の特徴によれば,作動アームの支
持構造は安定した両持ち式となり,インナワイヤの牽引
荷重による作動アームの傾きを防ぎ,その回動をスムー
ズに行うことができる。
【0010】さらに本発明は,第2の特徴に加えて,戻
しばねを,作動アームのボス部を囲繞するように配置さ
れるコイル部と,このコイル部に一端から延出して近接
した弁筒内壁に係合する固定端部と,コイル部の他端か
ら延出して作動アームのアーム部に係合する可動端部と
から捩じりコイルばねで構成し,そのコイル部に,作動
アームをスロットル弁の閉じ方向へ付勢するための捩じ
り荷重と,作動アームを軸方向一方へ付勢するための圧
縮荷重を付与したことを第3の特徴とする。
【0011】この第3の特徴によれば,戻しばねを利用
して,作動アーム及び支軸のスラスト方向の遊びを排除
し,それらの振動を簡単に回避することができる。
【0012】さらにまた本発明は,第3の特徴に加え
て,支軸の,戻しばねと反対側の端部を対応する軸受ボ
ス外に突出させ,該端部に,支軸の回転角をスロットル
弁の開度として検知するスロットルセンサを連結したこ
とを第4の特徴とする。
【0013】この第4の特徴によれば,戻しばね及びス
ロットルセンサが作動アームのアーム部の両側にバラン
ス良く配置されることになり,スロットルセンサの設置
による気化器全体の大型化を極力避けることができる。
【0014】さらにまた本発明は,第1の特徴に加え
て,気化器本体の一側壁に,吸気道に近接して上下方向
に延びる熱伝導孔を穿設し,この熱伝導孔に,温水を通
す中空棒状の温水ヒータを装着し,この温水ヒータの軸
線を避けて弁筒の前記膨出部を配置したことを第5の特
徴とする。
【0015】この第5の特徴によれば,棒状の温水ヒー
タの取付けのための熱伝導孔を気化器本体にその強度を
損ずることなく吸気道に近接して容易に加工することが
でき。しかも前記膨出部を温水ヒータの軸線から避けて
配置したので,熱伝導孔の加工や,上部及び下部ホース
継手への温水導入及び導出ホースの接続を前記膨出部に
邪魔されることなく容易に行うことができる。
【0016】さらにまた本発明は,第5の特徴に加え
て,気化器本体の,温水ヒータと反対側の他側壁に,吸
気道に濃厚混合気を供給し得る始動装置を設けたことを
第6の特徴とする。
【0017】この第6の特徴によれば,温水ヒータ及び
始動装置を互いに干渉することなく気化器本体の両側に
バランス良く,且つ容易に組み付けることができ,始動
装置による気化器の大型化を極力抑えることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0019】図1は自動二輪車用エンジンに装着される
気化器の側面図,図2は図1の2矢視図,図3は図1の
3矢視図,図4は図3の4−4線断面図,図5は図4の
5−5線断面図,図6は図4の6−6線断面図,図7は
図1の7−7線断面図,図8は図1の8−8線断面図,
図9は図8の9−9線断面図である。
【0020】先ず,図1ないし図4において,気化器C
は,水平方向の吸気道2を持った気化器本体1を有し,
吸気道2の上流端はエアクリーナAに連なり,下流端は
エンジンの吸気管Eiに連なる。したがってエンジンの
吸気が吸気道2を矢印方向に流れるようになっている。
【0021】気化器本体1の上部に一体に形成されたシ
リンダ状の弁筒3には,吸気道2の軸方向中央部のベン
チュリ2aを開閉すべく昇降するピストン形スロットル
弁4が摺動自在に収容される。また気化器本体1の下面
には,それとの間にフロート室5を画成するフロート室
体6が取付けられる。
【0022】ベンチュリ2aの下部内面にはメインノズ
ル7及びスローノズル8の各上端が開口し,それらの下
端は,メインジェット9及びスロージェット10をそれ
ぞれ介してフロート室5の燃料油面下に連通する。メイ
ンノズル7は,スロットル弁4の中心部に付設されたニ
ードル弁11を挿入されるように,またスローノズル8
は,スロットル弁4がアイドル位置まで下降した時,そ
の下流側下縁に近接するようにそれぞれ配置される。し
たがってスローノズル8は,メインノズル7より吸気道
2下流側に配置される。
【0023】図4ないし図6に示すように,弁筒3の上
端部には,その中心から吸気道2下流側に偏倚した膨出
部3aが一体に形成され,さらにこの膨出部3aの左右
両側に一対の軸受ボス12,13が一体に形成される。
一方の軸受ボス12は,その軸孔12aの一端を膨出部
3a内に開口すると共に,他端を閉塞して,袋状に形成
され,他方の軸受ボス13は,その軸孔13aの両端を
膨出部3aの内外に開口させている。これら軸受ボス1
2,13によって支軸14の両端部が回転自在に支承さ
れ,この支軸14の中間部に作動アーム15が固着され
る。
【0024】この作動アーム15は,支軸14にねじ1
7で固着されるボス部15aと,このボス部15aの外
周に略同心状に配置される弧状のリム部15bと,これ
らボス部15a及びリム部15b間を一体に連結するア
ーム部15cとからなっており,リム部15bの,スロ
ットル弁4の直上に臨む一端部側面には連結ピン18が
突設され,これをスロットル弁4に固着されたコネクタ
19の水平方向の長孔20に係合することにより,作動
アーム15及びスロットル弁4が作動的に連結され,作
動アーム15の支軸14周りの回動によりスロットル弁
4を昇降(開閉)し得るようになっている。連結ピン1
8とコネクタ19の間には,引っ張りコイルばね21が
接続され,これによって長孔20内での連結ピン18の
遊びが排除される。リム部15bには,また,連結ピン
18に隣接するワイヤ接続孔22と,このワイヤ接続孔
22に連通してリム部15bの外周面上を,連結ピン1
8と反対側の端面まで延びる案内溝16とが形成され
る。
【0025】弁筒3の上端にねじ25で接合されるキャ
ップ24には,案内溝16の接線方向に延びるワイヤ保
持筒24aが一体に形成されており,操作ワイヤとして
のボーデンワイヤ26のインナワイヤ26aがこのワイ
ヤ保持筒24aを貫通して上記案内溝16に係合される
と共に,その先端の接続端子54がワイヤ接続孔22に
嵌合される。またボーデンワイヤ26のアウタワイヤ2
6bの端子金具55がワイヤ保持筒24aに支持される
と共に,アウタワイヤ26bの外周面に密接する防水ブ
ーツ56が該保持筒24aに装着される。上記インナワ
イヤ26aは,これを操作すべく自動二輪車の図示しな
いスロットルグリップに接続される。
【0026】作動アーム15のボス部15aは,アーム
部15cの,袋状の軸受ボス12側の一側面より突出す
る部分15a1 が,アーム部15cの他側面から突出す
る部分15a2 より長くなっており,この長い突出部分
15a1 を利用して,作動アーム15をスロットル弁4
の下降(閉じ)方向に付勢する戻しばね27が装着され
る。即ち,戻しばね27は,コイル部27aと,このコ
イル部27aの一端から直線状に延出した固定端部27
bと,コイル部27aの他端から延出してフック状をな
す可動端部27cとからなる捩じりコイルばねであり,
そのコイル部27aは,捩じり荷重及び圧縮荷重を加え
られながら,ボス部15aの長い突出部分15a1 を囲
繞するように配置され,固定端部27bは軸受ボス12
の内端面と膨出部3aの内周面とがなす隅角部28に係
合され,可動端部27cは作動アーム15のアーム部1
5cに係合される。而して,コイル部27aの捩じり方
向の荷重が作動アーム15をスロットル弁4の下降方向
に付勢し,圧縮方向の荷重が作動アーム15をコイル部
27aと反対側の軸受ボス13に向かって付勢する。こ
の軸受ボス13と作動アーム15のボス部15aとの間
には合成樹脂製のスラストワッシャ29が介裝される。
したがって,作動アーム15のボス部15aは,スラス
トワッシャ29を介して軸受ボス13の内端に圧接した
状態に保持され,スラスト方向の遊びが除去される。
【0027】以上において,支軸14,作動アーム1
5,ボーデンワイヤ26及び戻しばね27は,本発明の
弁作動装置Vを構成する。
【0028】戻しばね27と反対側の軸受ボス13の外
端には,スロットルセンサ50のケーシング51が固着
され,その回転子52が,軸受ボス13を貫通する支軸
14の外端に連結される。その際,軸受ボス13には,
支軸14の外周面に密接するシール部材53が装着され
る。而して,スロットルセンサ50は,支軸14の回転
角をスロットル弁4の開度として検知することができ
る。
【0029】図1及び図7において,気化器本体1の,
スロットルセンサ50と同側の一側壁には,吸気道2,
特にスローノズル8に極力近接して上下方向に延びる熱
伝導孔30がねじ孔として設けられ,これに熱伝導性の
高い材料,例えば真鍮製の温水ヒータ31が螺着され
る。
【0030】温水ヒータ31は中空棒状をなすもので,
一端に六角膨大頭部32aを持つ中空のボルト部32
と,このボルト部32の両端にそれぞれ連なる上下一対
のホース継手33,34とから構成され,ボルト部32
の中空部が温水室35とされる。またこの温水室35及
び両ホース継手33,34の中空部は一連の流路とさ
れ,この流路には,これを流れる温水の量を制御するオ
リフィス36が必要に応じて設けられる。ホース継手3
3,34はボルト部32より小径になっている。このよ
うに構成された温水ヒータ31は,膨大頭部32aと反
対側のホース継手34を熱伝導孔30に挿通した後,六
角頭部32aに係合したレンチを操作してボルト部32
を前記熱伝導孔30に螺合,緊締することにより,気化
器本体1に取外し可能に固着される。
【0031】上記熱伝導孔30は,温水ヒータ31の軸
線O2 が前記フロート室体6の,吸気道2下流側外方を
通るように,吸気道2の軸線O1 に対し傾斜した姿勢を
もって配置される。そして,この温水ヒータ31の上部
及び下部ホース継手33,34には,図示しないエンジ
ンの冷却水路に連なる温水導入ホース37及び温水導出
ホース38がそれぞれ接続される。
【0032】図8及び図9において,気化器本体1の,
温水ヒータ31と反対側の側壁には始動装置41が配設
される。この始動装置41は,ベンチュリ2aを迂回し
て吸気道2に連通するバイパス道42と,このバイパス
道42に上端を開口すると共に下端を始動ジェット43
を介して前記フロート室5の燃料油面下に連通する始動
ノズル44と,この始動ノズル44に挿入されるニード
ル弁46を備えてバイパス道42を開閉するピストン弁
45と,このピストン弁45をエンジン温度に応じて自
動開閉する制御ユニット47とからなる公知のもので,
冷機状態でのエンジン始動時及び暖機運転時に,ピスト
ン弁45が自動的に適当開度開かれることにより,バイ
パス道42で濃厚な混合気が生成され,それが吸気道2
を通してエンジンに供給されるようになっている。
【0033】尚,図1中,符号48はスロットル弁4の
アイドル開度調節用ねじ,49はスローノズル8に対す
るエアブリード調節用ねじであり,何れも温水ヒータ3
1と同側の気化器本体1の側壁に設けられる。
【0034】次に,この実施例について説明する。
【0035】インナワイヤ26aに対する牽引操作によ
れば,作動アーム15を図4で反時計方向へ回動し,コ
ネクタ19を介してスロットル弁4を上昇(開弁)させ
ることができ,また弛緩操作によれば,戻しばね27の
捩じり方向の反発力をもって作動アーム15を上記と反
対方向へ回動して,スロットル弁4を下降(閉弁)させ
ることができる。
【0036】ところで,インナワイヤ26aは,作動ア
ーム15のリム部15bの案内溝16に沿って曲げら
れ,スロットル弁4の昇降方向と異なる方向へ引き出さ
れるので,リム部15bの形状及び大きさや,支軸14
の配置の選定により,インナワイヤ26aの引き出し方
向をスロットル弁4の昇降方向とは異なる任意の方向に
設定することができる。
【0037】しかも,このようにリム部15bを備えた
作動アーム15は,従来のスロットルドラムの機能を発
揮するので,スロットルドラムは不要となり,部品点数
の削減を図ることができる。またスロットルドラムが不
要であることから,支軸14の長さの短縮が可能とな
り,その軸方向において気化器Cのコンパクト化を図る
ことができる。
【0038】また,作動アーム15は,左右一対の軸受
ボス12,13により両端部を支承される支軸14の中
間部に固着されるので,作動アーム15の支持構造は安
定した両持ち式となり,インナワイヤ26aの牽引荷重
による作動アーム15の傾きを防ぎ,その回動をスムー
ズに行うことができる。
【0039】また,作動アーム15を,スロットル弁4
の閉じ方向へ付勢する戻しばね27は,弁筒3内に収納
されるので,該ばね27への異物の噛み込みを防ぐと共
に,外観を良好にすることができる。しかも,この戻し
ばね27は,そのコイル部27aを作動アーム15のボ
ス部15a外周に装着して,前述のようにボス部15a
を,スラストワッシャ29を挟んで対向する軸受ボス1
3の方向へも付勢するので,特別なスラストばねを用い
ることなく,作動アーム15及び支軸14のスラスト方
向の遊びを排除し,それらの振動を簡単に回避すること
ができる。
【0040】さらに,スロットルセンサ50を,戻しば
ね27と反対側で,支軸14の外端に連結したので,戻
しばね27及びスロットルセンサ50が作動アーム15
のアーム部15cの両側にバランス良く配置されること
になり,スロットルセンサ50の設置による気化器C全
体の大型化を極力避けることができる。
【0041】一方,エンジンの作動中,その冷却水路を
流れる冷却水(温水)の一部を温水導入ホース37から
温水室35へ流入し,温水導出ホース38を経てエンジ
ンの冷却水路へと還流させれば,温水ヒータ31を加熱
することができる。加熱された温水ヒータ31のボルト
部32は,気化器本体1の熱伝導孔30に螺着されてい
て,気化器本体1との間に極めて広い密着面を形成して
いるから,温水ヒータ31から気化器本体1へと効果的
な熱伝導が行われる。したがって,寒冷時でも,気化器
本体1,特に,温水ヒータ31に近接したスローノズル
8を素早く昇温させることができるから,該ノズル8に
水分の氷結が生ずること,即ちアイシングを防止して,
アイシングによるスローノズル8の有効開口面積の大き
な変化を回避し,エンジンの正常なアイドリングないし
低速運転を確保することができる。
【0042】ところで,棒状の温水ヒータ31の取付け
のための熱伝導孔30は,これを気化器本体1にその強
度を損ずることなくスローノズル8に近接して容易に加
工することができ。しかも,温水ヒータ31を,その軸
線O2 が前記フロート室体6の,吸気道2下流側外方を
通るように,吸気道2の軸線O1 に対し傾斜した姿勢を
もって配置すると共に,弁筒3と一体の,軸受ボス1
2,13を有する膨出部3aを温水ヒータ31の軸線O
2 から避けて配置したので,温水ヒータ31の吸気道2
に対する傾斜角度を最小にして,温水ヒータ31と,そ
の近傍に配設されるアイドル開度調節用ねじ48やエア
ブリード調節用ねじ49との干渉を回避することがで
き,また熱伝導孔30の加工や,上部及び下部ホース継
手33,34への温水導入及び導出ホース37,38の
接続をフロート室体6及び膨出部3aに邪魔されること
なく容易に行うことができる。
【0043】また,温水ヒータ31と反対側の側壁には
始動装置41を配設したので,温水ヒータ31及び始動
装置41を互いに干渉することなく気化器本体1の両側
にバランス良く,且つ容易に組み付けることができ,始
動装置41による気化器Cの大型化を極力抑えることが
できる。
【0044】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可
能である。例えば,温水ヒータ31を熱伝導孔30に圧
入により取付けることができる。また下部ホース継手3
4に温水導入ホース37を,上部ホース継手33に温水
導出ホース38をそれぞれ接続して,温水の流れ方向を
実施例の場合と逆にすることもできる。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば,弁筒の一側に形成した膨出部に回転自在に支承され
る支軸と;膨出部内でこの支軸に固着されるボス部,外
周面に案内溝を有してボス部の外周に配置されると共に
スロットル弁と作動的に連結される弧状のリム部,及び
ボス部とリム部を一体に結合するアーム部からなる作動
アームと;膨出部内でこの作動アームをスロットル弁の
閉じ方向に付勢する戻しばねと;リム部に端部を固着さ
れると共に,案内溝に係合しながら弁筒上端のキャップ
を貫通して外部に延出するインナワイヤ,及びキャップ
に支持されるアウタワイヤからなるボーデンワイヤとで
弁作動装置を構成したので,作動アームのリム部の形状
及び大きさや,支軸の配置の選定により,作動アームの
インナワイヤの引き出し方向をスロットル弁の開閉方向
とは異なる任意の方向に設定することができる。したが
って,弁筒内でスロットル弁と作動的に連結する作動ア
ームが従来のスロットルドラムの機能を具備することに
なるから,スロットルドラムは不要となり,部品点数の
削減を図ることができる。またスロットルドラムが不要
であることから,支軸の長さの短縮が可能となり,その
軸方向において気化器のコンパクト化を図ることができ
る。さらに戻しばねは弁筒によって保護され,異物の噛
み込みを防ぐことができる。
【0046】また本発明の第2の特徴によれば,前記膨
出部の相対向する両側壁に形成した一対の軸受ボスに支
軸の両端部を支承し,この支軸の中間部に作動アームの
ボス部を固着したので,作動アームの支持構造は安定し
た両持ち式となり,インナワイヤの牽引荷重による作動
アームの傾きを防ぎ,その回動をスムーズに行うことが
できる。
【0047】さらに本発明の第3の特徴によれば,戻し
ばねを,作動アームのボス部を囲繞するように配置され
るコイル部と,このコイル部に一端から延出して近接し
た弁筒内壁に係合する固定端部と,コイル部の他端から
延出して作動アームのアーム部に係合する可動端部とか
ら捩じりコイルばねで構成し,そのコイル部に,作動ア
ームをスロットル弁の閉じ方向へ付勢するための捩じり
荷重と,作動アームを軸方向一方へ付勢するための圧縮
荷重を付与したので,戻しばねを利用して,作動アーム
及び支軸のスラスト方向の遊びを排除し,それらの振動
を簡単に回避することができる。
【0048】さらにまた本発明の第4の特徴によれば,
支軸の,戻しばねと反対側の端部を対応する軸受ボス外
に突出させ,該端部に,支軸の回転角をスロットル弁の
開度として検知するスロットルセンサを連結したので,
戻しばね及びスロットルセンサが作動アームのアーム部
の両側にバランス良く配置されることになり,スロット
ルセンサの設置による気化器全体の大型化を極力避ける
ことができる。
【0049】さらにまた本発明の第5の特徴によれば,
気化器本体の一側壁に,吸気道に近接して上下方向に延
びる熱伝導孔を穿設し,この熱伝導孔に,温水を通す中
空棒状の温水ヒータを装着し,この温水ヒータの軸線を
避けて弁筒の前記膨出部を配置したので,棒状の温水ヒ
ータの取付けのための熱伝導孔を気化器本体にその強度
を損ずることなく吸気道に近接して容易に加工すること
ができ。しかも前記膨出部を温水ヒータの軸線から避け
て配置したことから,熱伝導孔の加工や,上部及び下部
ホース継手への温水導入及び導出ホースの接続を前記膨
出部に邪魔されることなく容易に行うことができる。
【0050】さらにまた本発明の第6の特徴によれば,
気化器本体の,温水ヒータと反対側の他側壁に,吸気道
に濃厚混合気を供給し得る始動装置を設けたので,温水
ヒータ及び始動装置を互いに干渉することなく気化器本
体の両側にバランス良く,且つ容易に組み付けることが
でき,始動装置による気化器の大型化を極力抑えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る気化器の側面図。
【図2】図1の2矢視図。
【図3】図1の3矢視図。
【図4】図3の4−4線断面図。
【図5】図4の5−5線断面図。
【図6】図4の6−6線断面図。
【図7】図1の7−7線断面図。
【図8】図1の8−8線断面図。
【図9】図8の9−9線断面図。
【符号の説明】
C・・・・・気化器 O1 ・・・・吸気道の軸線 O2 ・・・・温水ヒータの軸線 V・・・・・弁作動装置 1・・・・・気化器本体 2・・・・・吸気道 3・・・・・弁筒 3a・・・・膨出部 4・・・・・スロットル弁 12・・・・軸受ボス 13・・・・軸受ボス 14・・・・支軸 15・・・・作動アーム 15a・・・ボス部 15b・・・リム部 15c・・・アーム部 16・・・・案内溝 24・・・・キャップ 26・・・・ボーデンワイヤ 26a・・・インナワイヤ 26b・・・アウタワイヤ 27・・・・戻しばね 27a・・・コイル部 27b・・・固定端部 27c・・・可動端部 30・・・・熱伝導孔 31・・・・温水ヒータ 41・・・・始動装置 50・・・・スロットルセンサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気道(2)を有する気化器本体(1)
    に形成した弁筒(3)に,吸気道(2)を開閉するピス
    トン形のスロットル弁(4)を摺動自在に嵌装し,この
    スロットル弁(4)を作動する弁作動装置(V)を弁筒
    (3)の上部に設けた気化器において,弁筒(3)の一
    側に形成した膨出部(3a)に回転自在に支承される支
    軸(14)と;膨出部(3a)内でこの支軸(14)に
    固着されるボス部(15a),外周面に案内溝(16)
    を有してボス部(15a)の外周に配置されると共にス
    ロットル弁(4)と作動的に連結される弧状のリム部
    (15b),及びボス部(15a)とリム部(15b)
    を一体に結合するアーム部(15c)からなる作動アー
    ム(15)と;膨出部(3a)内でこの作動アーム(1
    5)をスロットル弁(4)の閉じ方向に付勢する戻しば
    ね(27)と;リム部(15b)に端部を固着されると
    共に,案内溝(16)に係合しながら弁筒(3)上端の
    キャップ(24)を貫通して外部に延出するインナワイ
    ヤ(26a),及びキャップ(24)に支持されるアウ
    タワイヤ(26b)からなるボーデンワイヤ(26)と
    で弁作動装置(V)を構成したことを特徴とする,気化
    器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のものにおいて,前記膨出
    部(3a)の相対向する両側壁に形成した一対の軸受ボ
    ス(12,13)に支軸(14)の両端部を支承し,こ
    の支軸(14)の中間部に作動アーム(15)のボス部
    (15a)を固着したことを特徴とする,気化器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のものにおいて,戻しばね
    (27)を,作動アーム(15)のボス部(15a)を
    囲繞するように配置されるコイル部(27a)と,この
    コイル部(27a)に一端から延出して近接した弁筒
    (3)内壁に係合する固定端部(27b)と,コイル部
    (27a)の他端から延出して作動アーム(15)のア
    ーム部(15c)に係合する可動端部(27c)とから
    捩じりコイルばねで構成し,そのコイル部(27a)
    に,作動アーム(15)をスロットル弁(4)の閉じ方
    向へ付勢するための捩じり荷重と,作動アーム(15)
    を軸方向一方へ付勢するための圧縮荷重を付与したこと
    を特徴とする,気化器。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のものにおいて,支軸(1
    4)の,戻しばね(27)と反対側の端部を対応する軸
    受ボス(13)外に突出させ,該端部に,支軸(14)
    の回転角をスロットル弁(4)の開度として検知するス
    ロットルセンサ(50)を連結したことを特徴とする,
    気化器。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のものにおいて,気化器本
    体(1)の一側壁に,吸気道(2)に近接して上下方向
    に延びる熱伝導孔(30)を穿設し,この熱伝導孔(3
    0)に,温水を通す中空棒状の温水ヒータ(31)を装
    着し,この温水ヒータ(31)の軸線(O2 )を避けて
    前記膨出部(3a)を配置したことを特徴とする,気化
    器。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のものにおいて,気化器本
    体(1)の,温水ヒータ(31)と反対側の他側壁に,
    吸気道(2)に濃厚混合気を供給し得る始動装置(4
    1)を設けたことを特徴とする,気化器。
JP3588598A 1998-02-18 1998-02-18 気化器 Pending JPH11229968A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017110320A1 (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 本田技研工業株式会社 気化器
JP2021004644A (ja) * 2019-06-26 2021-01-14 日本ピラー工業株式会社 継手
JP2021004643A (ja) * 2019-06-26 2021-01-14 日本ピラー工業株式会社 継手

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JP2021004644A (ja) * 2019-06-26 2021-01-14 日本ピラー工業株式会社 継手
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