JPH11228568A - 4−テトラヒドロピリジルピリミジン誘導体 - Google Patents

4−テトラヒドロピリジルピリミジン誘導体

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JPH11228568A
JPH11228568A JP10076748A JP7674898A JPH11228568A JP H11228568 A JPH11228568 A JP H11228568A JP 10076748 A JP10076748 A JP 10076748A JP 7674898 A JP7674898 A JP 7674898A JP H11228568 A JPH11228568 A JP H11228568A
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carbon atoms
compound
substituted
formula
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JP10076748A
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English (en)
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Atsuo Nakazato
篤郎 中里
Toshihito Kumagai
利仁 熊谷
Taketoshi Okubo
武利 大久保
Izumi Aibe
泉 相部
Hideo Tanaka
英雄 田中
Shigeyuki Chagi
茂之 茶木
Shigeru Okuyama
茂 奥山
Kazuyuki Tomizawa
一雪 冨沢
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Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 CRFが関与すると考えられる疾患、例えば
うつ症、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、
ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、
薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部
外傷、炎症、免疫関連疾患等に有効な化合物を提供す
る。 【解決手段】式 (式中、Arはハロゲン原子などで置換されたフェニル
基、フェニル基、チエニル基又はフラニル基を示し、R
1は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、アミノ基な
どを示し、R2は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数4
〜7のシクロアルキルアルキル基などを示し、X1、X2
及びX3は同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ
基などを示す。)で表される4−テトラヒドロピリジル
ピリミジン誘導体又はその医薬上許容される塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、うつ症、不安症、
アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏
病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、脳梗
塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患な
どCorticotropin Releasing Factor(CRF)が関与し
ているとされる疾患の治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】CRFは41個のアミノ酸から成るホル
モンであり(Science, 213, 1394-1397, 1981;J. Neuro
sci., 7, 88-100, 1987)、ストレスに対する生体反応
の中核的役割を果たしていることが示唆されている(Ce
ll. Mol. Neurobiol., 14, 579-588, 1994; Endocrino
l.,132, 723-728, 1994; Neuroendocrinol. 61, 445-45
2,1995)。CRFは視床下部−下垂体−副腎系を介して
末梢の免疫系、交感神経系に作用する経路と中枢神経系
において神経伝達物質として機能する2つの経路がある
(in CorticotropinReleasing Factor: Basic and Clin
ical Studies of aNeuropeptide, pp 29-52, 1990)。
下垂体除去ラット及び正常ラットにCRFを脳室内投与
すると両ラットで不安様症状(Pharmacol. Rev., 43, 4
25-473, 1991; Brain Res. Rev., 15,71-100, 1990)が
惹起される。すなわち、CRFは視床下部−下垂体−副
腎系に対する関与と中枢神経系において神経伝達物質と
して機能する経路が考えられる。
【0003】CRFが関与した疾患は1991年 Owens
及び Nemeroff の総説(Pharmacol. Rev., 43, 425-47
4, 1991) にまとめられている。すなわち、うつ症、不
安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチント
ン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存
症、炎症、免疫関連疾患などにCRFが関与している。
最近はてんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷に
もCRFが関与していることが報告されている(Brain
Res. 545, 339-342, 1991; Ann. Neurol. 31, 48-498,
1992; Dev. Brain Res. 91, 245-251, 1996; Brain Re
s. 744, 166-170,1997)ことより、CRF受容体拮抗薬
はこれら疾患の治療剤として有用である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、うつ
症、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハン
チントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物
依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外
傷、炎症、免疫関連疾患など、CRFが関与していると
される疾患の治療剤又は予防剤に有効なCRF拮抗薬を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは4−テトラ
ヒドロピリジルピリミジン誘導体について鋭意検討した
結果、CRF受容体に高い親和性を示す4−テトラヒド
ロピリジルピリミジン誘導体を見出し、本発明を完成し
た。
【0006】以下、本発明を説明する。
【0007】本発明は、式[I]
【0008】
【化2】
【0009】(式中、Arはハロゲン原子、炭素数1〜
5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基及びトリ
フルオロメチル基から選択された1〜3個で置換された
フェニル基、フェニル基、チエニル基又はフラニル基を
示し、R1は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ア
ミノ基又は1若しくは2個の炭素数1〜5のアルキル基
で置換されたアミノ基を示し、R2は炭素数1〜5のア
ルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基、
炭素数2〜5のアルケニル基又は炭素数2〜5のアルキ
ニル基を示し、X1、X2及びX3は同一又は異なって水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭
素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキルチ
オ基、アミノ基又は1若しくは2個の炭素数1〜5のア
ルキル基で置換されたアミノ基を示す。)で表される4
−テトラヒドロピリジルピリミジン誘導体又はその医薬
上許容される塩である。
【0010】本発明において、Arの置換位置はテトラ
ヒドロピリジン環の4位又は5位である。ハロゲン原
子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコ
キシ基及びトリフルオロメチル基から選択された1〜3
個で置換されたフェニル基とは、例えば2−フルオロフ
ェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェ
ニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル
基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3
−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−メチ
ルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェ
ニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニ
ル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジフルオロフ
ェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフ
ルオロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5
−ジクロロフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニ
ル基などである。炭素数1〜5のアルキル基とは直鎖状
又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基などである。炭
素数4〜7のシクロアルキルアルキル基とはシクロプロ
ピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロプロピ
ルプロピル基などである。1若しくは2個の炭素数1〜
5のアルキル基で置換されたアミノ基とは、例えばメチ
ルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエ
チルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ
基、イソプロピルアミノ基などである。炭素数2〜5の
アルキニル基とは直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基を
示し、例えばプロパルギル基、2−ブチニル基などであ
る。ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子又はヨウ素原子である。炭素数1〜5のアルコキシ基
とは直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基を示し、例えば
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキ
シ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ
基、イソペンチルオキシ基などである。炭素数1〜5の
アルキルチオ基とは直鎖状又は分岐鎖状のアルキルチオ
基を示し、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、プロピ
ルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブ
チルチオ基、ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基など
である。
【0011】また、本発明における医薬上許容される塩
とは、例えば硫酸、塩酸、燐酸などの鉱酸との塩、酢
酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマール酸、マレイン
酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸
などの有機酸との塩などである。
【0012】式[I]において好ましい置換基としては、
1はメチル基、R2はエチル基、シクロプロピルメチル
基、アリル基又はプロパルギル基、X1は水素原子、X2
はベンゼン環上の2位に置換したハロゲン原子又はメチ
ルチオ基、X3はベンゼン環上の4位に置換したイソプ
ロピル基又はジメチルアミノ基を挙げることができる。
更に、Arがテトラヒドロピリジン環の4位に置換した
場合はArが1つのハロゲン原子で置換されたフェニル
基が好ましく、Arがテトラヒドロピリジン環の5位に
置換した場合はArが炭素数1〜5のアルキル基で2位
が置換されたフェニル基が好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】式[I]の化合物は、以下の製造
法によって製造することができる[以下の反応式中、A
r、R1、R2、X1、X2及びX3は前記と同様であり、
3は水素原子又はR2を示し、R4及びR5は同一又は異
なって炭素数1〜5のアルキル基を示すか、又は一緒に
なって隣接する酸素原子と共に1,2−エチレンジオキ
シ基若しくは1,3−プロピレンジオキシ基を示し、R4
O及びR5Oの結合位置は共に3位又は4位の同一炭素
であることを示し、X4は塩素原子、臭素原子又はヨウ
素原子を示し、X5は水素原子、塩素原子、臭素原子又
はヨウ素原子を示し、Yはアシル基(アセチル基、ベン
ゾイル基など)、アルコキシカルボニル基(エトキシカ
ルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基など)、炭素
数1〜5のアルキル基又はベンジル基を示す。] <製造法1>
【0014】
【化3】
【0015】工程A:1,2,3,6−テトラヒドロピリ
ジン化合物(1)を2,4−ジクロロピリミジン化合物
(2)と塩基の存在下、不活性溶媒中反応させ、式(3)の
化合物を得る。ここで塩基とは、例えばトリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等のアミン
類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナト
リウム等の無機塩基、ナトリウムメトキサイド、ナトリ
ウムエトキサイド、カリウム tert−ブトキサイド等の
アルコラート類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプ
ロピルアミド等の金属アミド類等である。不活性溶媒と
は、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール、エチレングリコール等のアルコール類、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2
−ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエ
ン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド等の
アミド類、アセトニトリル、水、又はこれらの混合溶媒
等である。
【0016】工程B:式(3)の化合物はアニリン化合物
(4)と塩基の存在下又は非存在下、不活性溶媒中反応さ
せ、本発明化合物(5)を得る。ここで塩基とは、例えば
トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリ
ジン等のアミン類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水素化ナトリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキ
サイド、ナトリウムエトキサイド、カリウム tert−ブ
トキサイド等のアルコラート類、ナトリウムアミド、リ
チウムジイソプロピルアミド等の金属アミド類等であ
る。不活性溶媒とは、例えばメタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のアル
コール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、例えば
N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチル
スルホキシド等である。
【0017】<製造法2>
【0018】
【化4】
【0019】工程C:化合物(5)のR3が水素原子であ
る化合物(6)はハライド(7)と塩基の存在下、不活性溶
媒中反応させることによって本発明化合物(8)へ導かれ
る。ここで塩基とは、例えばトリエチルアミン、ジイソ
プロピルエチルアミン、ピリジン等のアミン類、例えば
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウ
ム等の無機塩基、例えばナトリウムメトキサイド、ナト
リウムエトキサイド、カリウム tert−ブトキサイド等
のアルコラート類、例えばナトリウムアミド、リチウム
ジイソプロピルアミド等の金属アミド類等である。不活
性溶媒とは、例えばメタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコール、エチレングリコール等のアルコール
類、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、
例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、
例えばN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジ
メチルスルホキシド、アセトニトリル、水、又はこれら
の混合溶媒等である。
【0020】<製造法3>
【0021】
【化5】
【0022】式(9)で示される化合物を出発原料として
も本発明化合物を得ることができる。すなわち、式(9)
で示される化合物と2,4−ジクロロピリミジン化合物
(2)を原料とし、前記工程A、B、及びR3が水素原子
であるときは続いて工程Cによってケタール化合物(1
0)を得ることができる。
【0023】工程D:次いで、ケタール化合物(10)は
不活性溶媒中、酸と処理することによってケトン化合物
(11)を与える。ここで不活性溶媒とは、例えばメタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレン
グリコール等のアルコール類、例えばジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメト
キシエタン等のエーテル類、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、例えばN,N−ジメチルホルムア
ミド等のアミド類、水、又はこれらの混合溶媒である。
酸とは、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸、例
えばp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリ
フルオロ酢酸等の有機酸類である。
【0024】工程E:ケトン化合物(11)と、式(12)
の化合物と金属試薬から得られる式(12)の化合物の金
属化合物とを不活性溶媒中反応させて、アルコール化合
物(13)を得る。ここで金属試薬とは、例えばマグネシ
ウム、リチウム等の金属、例えばn−ブチルリチウム、
tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムジ
イソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリ
ル)アミド等の有機リチウム化合物等である。不活性溶
媒とは、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテ
ル類、例えばヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の炭化水素類等である。
【0025】工程F:次いで、アルコール化合物(13)
を酸性条件下脱水するか、又はアルコール化合物(13)
を活性体に変換後塩基性条件下反応させることによっ
て、本発明化合物(8)を得ることができる。ここで酸性
条件下の脱水とは、不活性溶媒として、例えばメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレング
リコール等のアルコール類、例えばジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシ
エタン等のエーテル類、例えばアセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、水、又はこれら混合溶媒を用い、
酸として、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸、
例えば塩化水素、臭化水素等のハロゲン化水素類、例え
ばp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフ
ルオロ酢酸、蟻酸等の有機酸類を用いる反応であること
を意味する。活性体とは、アルコール体(13)の水酸基
のスルホニル体又はアシル体、又はアルコール体(13)
の水酸基のハロゲン原子での置換体を意味する。これら
の活性体は、不活性溶媒として、例えばジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメト
キシエタン等のエーテル類、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素類、例えばクロロホルム、ジ
クロロメタン等のハロゲン化物、例えばN,N−ジメチ
ルホルムアミド等のアミド類等を用い、塩基として、例
えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、
ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類、
例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナ
トリウム等の無機塩基、例えばナトリウムアミド、リチ
ウムジイソプロピルアミド等の金属アミド類等を用い、
例えばメタンスルホニルクロライド、p−トルエンスル
ホニルクロライド等のスルホニルクロライド類、例えば
アセチルクロライド等の有機カルボニルクロライド、例
えば無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸等の有機カルボン
酸無水物、例えば塩化スルホニル、塩化ホスホリル等の
ハロゲン化剤等をアルコール体(13)と反応させて得ら
れる。塩基性条件下反応するとは、前記アルコール化合
物(13)の活性体を、不活性溶媒として、例えばジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2
−ジメトキシエタン等のエーテル類、例えばベンゼン、
トルエン、キシレン等の炭化水素類、例えばクロロホル
ム、ジクロロメタン等のハロゲン化物、例えばN,N−
ジメチルホルムアミド等のアミド類等を用い、例えばト
リエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジ
ン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセ
ン等のアミン類、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナ
トリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基、例えばナト
リウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等の金属
アミド類例えばカリウム tert−ブトキサイド等のアル
コラート類等の塩基と作用させることを意味する。
【0026】なお、製造法1で用いた式(1)の化合物は
公知であるか、又は式(14)のケトン化合物より以下に
示す方法によって製造することができる。
【0027】
【化6】
【0028】ケトン化合物(14)の保護基Yがアルコキ
シカルボニル基、アシル基、スルホニル基の場合は、前
記工程E及びFと同様の条件によって式(16)の化合物
に導かれる。即ち、式(12)の化合物と金属試薬から得
られる式(12)の化合物の金属化合物とケトン化合物
(14)とを反応させて得られるアルコール化合物(15)
に、酸として例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸などの無機
酸、トリフルオロ酢酸、蟻酸、メタンスルホン酸などの
有機酸、塩化水素のジオキサン溶液又は酢酸エチル溶液
などを用いた場合は、脱水反応と脱保護を同時に行なう
かあるいは段階的に行なうことによってYが水素原子で
ある式(16)の化合物[すなわち、式(1)の化合物]に
変換される。この時最初に脱水反応のみ進行した場合、
Yの脱保護を、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化バリウムなどの無機塩基等で行なっても同様
にYが水素原子である式(16)の化合物に変換される。
また、式(15)のアルコールを工程Fの場合と同様に活
性体とした後に脱水した場合、保護基は前記酸又は塩基
によって除かれる。
【0029】工程G:ケトン化合物(14)の保護基Yが
炭素数1〜5のアルキル基又はベンジル基の場合は、工
程E及びFを経た後、この保護基は例えばクロロ蟻酸エ
チル等のハロ蟻酸アルキルと例えば炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム等の無機塩基又は例えばトリエチルアミン、
N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基の
存在下又は非存在下反応し、アルコキシカルボニル基に
変換後、前記と同様に塩基又は酸の条件下で脱保護し、
式(1)で示される化合物に誘導することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明により、CRF受容体に高い親和
性を示す化合物が提供された。これらの化合物はCRF
が関与すると考えられる疾患、例えばうつ症、不安症、
アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏
病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、てん
かん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫
関連疾患等に有効である。
【0031】
【実施例】以下に実施例及び試験例を示し本発明を具体
的に説明する。
【0032】実施例1 2−[N−(2−ブロモ−4−イソプロピルフェニル)−
N−エチルアミノ]−4−(4−フェニル−1,2,3,6
−テトラヒドロピリジン−1−イル)−6−メチルピリ
ミジン塩酸塩の合成 (1)2,4−ジクロロ−6−メチルピリミジン415
mgをエタノール4mlに溶解し氷水にて冷却した。こ
の溶液に4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピ
リジン塩酸塩503mgとジイソプロピルエチルアミン
664mgを加え、氷冷下一夜撹拌した。反応溶液を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチル抽出し
た。抽出液は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜3:1)にて
精製し、結晶として4−(4−フェニル−1,2,3,6−
テトラヒドロピリジン−1−イル)−2−クロロ−6−
メチルピリミジン491mgを得た。
【0033】(2)4−(4−フェニル−1,2,3,6−
テトラヒドロピリジン−1−イル)−2−クロロ−6−
メチルピリミジン466mg、2−ブロモ−4−イソプ
ロピルアニリン塩酸塩408mg及びジイソプロピルエ
チルアミン232mgをエチレングリコール5ml中で
1時間加熱環流した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液に注ぎ、酢酸エチル抽出した。抽出液は水、飽
和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し
た。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサ
ン:酢酸エチル=6:1)にて精製し、アモルファスと
して2−[N−(2−ブロモ−4−イソプロピルフェニ
ル)アミノ]−4−(4−フェニル−1,2,3,6−テトラ
ヒドロピリジン−1−イル)−6−メチルピリミジンを
458mgを得た。
【0034】(3)2−[N−(2−ブロモ−4−イソプ
ロピルフェニル)アミノ]−4−(4−フェニル−1,2,
3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)−6−メチル
ピリミジン453mgをN,N−ジメチルホルムアミド
5mlに溶解し、60%水素化ナトリウム/オイル51
mgを加え、室温で1時間撹拌した。この混合物にヨウ
化エチル214mgを加え、一夜室温にて撹拌した。反
応溶液を水に注ぎ、酢酸エチル抽出した。抽出液は水、
飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し
た。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサ
ン:酢酸エチル=8:1)にて精製した。得られたフリ
ーアミン体はメタノール中4規定塩化水素/酢酸エチル
処理により塩酸塩とし、エーテルより結晶化し、2−
[N−(2−ブロモ−4−イソプロピルフェニル)−N−
エチルアミノ]−4−(4−フェニル−1,2,3,6−テ
トラヒドロピリジン−1−イル)−6−メチルピリミジ
ン塩酸塩325mgを得た。本化合物及び同様にして得
た化合物の構造と物性データを表1に記した。
【0035】実施例2 2−[N−(2,4−ジメトキシフェニル)−N−エチルア
ミノ]−4−[4−(3,4−ジクロロフェニル)−1,2,
3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル]−6−メチル
ピリミジンの合成 実施例1と同様にして、2,4−ジクロロ−6−メチル
ピリミジンと4−(3,4−ジクロロフェニル)−1,2,
3,6−テトラヒドロピリジンより得られた4−[4−
(3,4−ジクロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒド
ロピリジン−1−イル]−2−クロロ−6−メチルピリ
ミジン500mg、N−エチル−2,4−ジメトキシア
ニリン281mgをエチレングリコール2ml中1.5
時間170℃に加熱した。反応溶液を飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液に注ぎ、酢酸エチル抽出した。抽出液は
水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾
燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキ
サン:酢酸エチル=4:1)にて精製後、ジエチルエー
テルより再結晶し2−[N−(2,4−ジメトキシフェニ
ル)−N−エチルアミノ]−4−[4−(3,4−ジクロロ
フェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−
イル]−6−メチルピリミジンを360mgを得た。本
化合物及び同様にして得た化合物の構造と物性データを
表1に記した。
【0036】実施例3 2−[N−(2−ブロモ−4−イソプロピルフェニル)−
N−エチルアミノ]−4−[4−(3−クロロフェニル)−
1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル]−6−
メチルピリミジン塩酸塩の合成 (1)実施例1と同様にして2,4−ジクロロ−6−メ
チルピリミジンと4−(1,3−ジオキソラン−2−イ
ル)ピペリジンより得られた2−[N−(2−ブロモ−4
−イソプロピルフェニル)−N−エチルアミノ]−4−
[4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ピペリジン−1
−イル]−6−メチルピリミジン14.25gをテトラヒ
ドロフラン75mlに溶解し、4規定塩酸75mlを加
え、室温で6時間撹拌した。反応溶液を約80mlまで
減圧下濃縮し、これを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に
注ぎ、酢酸エチル抽出した。抽出液は飽和食塩水にて洗
浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別
後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
7:1〜6:1)にて精製し、油状の2−[N−(2−ブ
ロモ−4−イソプロピルフェニル)−N−エチルアミノ]
−6−メチル−4−(4−オキソピペリジン−1−イル)
ピリミジン12.93gを得た。
【0037】(2)3−ブロモクロロベンゼン427m
g、マグネシウム27mgと微量のヨウ素をテトラヒド
ロフラン5ml中1時間加熱環流した。この反応液を氷
冷下冷却後、2−[N−(2−ブロモ−4−イソプロピル
フェニル)−N−エチルアミノ]−6−メチル−4−(4
−オキソピペリジン−1−イル)ピリミジン321mg
のテトラヒドロフラン3mlの溶液中に滴下し、氷冷下
1時間続いて室温で1時間撹拌した。再び反応液を氷冷
下冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を滴下し、室温
で10分間撹拌後、酢酸エチルにて抽出した。抽出液は
飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、2
−[N−(2−ブロモ−4−イソプロピルフェニル)−N
−エチルアミノ]−4−[4−(3−クロロフェニル)−4
−ヒドロキシピペリジン−1−イル]−6−メチルピリ
ミジン238mgを得た。
【0038】(3)2−[N−(2−ブロモ−4−イソプ
ロピルフェニル)−N−エチルアミノ]−4−[4−(3−
クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イ
ル]−6−メチルピリミジン170mgにトリフルオロ
酢酸1.25mlを加え、室温で2日間撹拌した。反応
溶液を減圧下濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液を加え、酢酸エチル抽出した。抽出液を飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水
硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を
減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=7:1)にて
精製した。得られたフリーアミン体はメタノール中4規
定塩化水素/酢酸エチル処理により塩酸塩とし、イソプ
ロパノール−ジイソプロピルエーテルより再結晶し、2
−[N−(2−ブロモ−4−イソプロピルフェニル)−N
−エチルアミノ]−4−[4−(3−クロロフェニル)−
1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル]−6−
メチルピリミジン塩酸塩131mgを得た。本化合物及
び同様にして得た化合物の構造と物性データを表1に記
した。
【0039】実施例4 2−[N−(2−ブロモ−4−イソプロピルフェニル)−
N−エチルアミノ]−4−[4−(フラン−2−イル)−
1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル]−6−
メチルピリミジンの合成 (1)フラン136mgのテトラヒドロフラン1mlの
溶液に1.63Mのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン
溶液0.9mlを、−15℃に冷却下10分間で滴下
し、5℃で20分間撹拌した。この反応液に2−[N−
(2−ブロモ−4−イソプロピルフェニル)−N−エチル
アミノ]−6−メチル−4−(4−オキソピペリジン−1
−イル)ピリミジン432mgのテトラヒドロフラン2
mlの溶液を−15℃に冷却下10分間で滴下し、−1
5℃〜0℃で30分間撹拌した。更に室温で1時間撹拌
後、飽和塩化アンモニウム水溶液を氷冷下滴下し、酢酸
エチル抽出した。抽出液は飽和塩化アンモニウム水溶
液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順
次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を
濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル
=3:1)にて精製し、2−[N−(2−ブロモ−4−イ
ソプロピルフェニル)−N−エチルアミノ]−4−[4−
(フラン−2−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−
イル]−6−メチルピリミジン279mgを得た。
【0040】(2)2−[N−(2−ブロモ−4−イソプ
ロピルフェニル)−N−エチルアミノ]−4−[4−(フラ
ン−2−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル]
−6−メチルピリミジン104mg、トリエチルアミン
85mg及び4−ジメチルアミノピリジン13mgのジ
クロロメタン1mlの溶液に、メタンスルホニルクロラ
イド48mgのジクロロメタン0.5mlの溶液を氷冷
下滴下し、15分間撹拌後、更に室温で2時間撹拌し
た。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、
酢酸エチル抽出した。抽出液は飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にて精製し、2
−[N−(2−ブロモ−4−イソプロピルフェニル)−N
−エチルアミノ]−4−[4−(フラン−2−イル)−1,
2,3,6-テトラヒト゛ロヒ゜リシ゛ン-1-イル]−6−メチルピリミジン70
mgを得た。本化合物及び同様にして得た化合物の構造
と物性データを表1に記した。
【0041】実施例5 2−[N−(2−ブロモ−4−イソプロピルフェニル)−
N−エチルアミノ]−4−[4−(チオフェン−2−イル)
−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル]−6
−メチルピリミジンの合成 (1)チオフェン168mg及び2−[N−(2−ブロモ
−4−イソプロピルフェニル)−N−エチルアミノ]−6
−メチル−4−(4−オキソピペリジン−1−イル)ピリ
ミジン432mgを用い実施例4の(1)と同様の操作
にて2−[N−(2−ブロモ−4−イソプロピルフェニ
ル)−N−エチルアミノ]−4−[4−(チオフェン−2−
イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル]−6−メ
チルピリミジン228mgを得た。
【0042】(2)2−[N−(2−ブロモ−4−イソプ
ロピルフェニル)−N−エチルアミノ]−4−[4−(チオ
フェン−2−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−
イル]−6−メチルピリミジン166mgを99%ギ酸
0.5ml中室温で2時間撹拌した。反応溶液を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチル抽出した。
抽出液は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水に
て順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥
剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エ
チル=5:1)にて精製し、2−[N−(2−ブロモ−4
−イソプロピルフェニル)−N−エチルアミノ]−4−
[4−(チオフェン−2−イル)−1,2,3,6−テトラヒ
ドロピリジン−1−イル]−6−メチルピリミジン13
2mgを得た。本化合物及び同様にして得た化合物の構
造と物性データを表1に記した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】実施例6 2−[N−(2−ブロモ−4−イソプロピルフェニル)−
N−エチルアミノ]−4−(5−フェニル−1,2,3,6
−テトラヒドロピリジン−1−イル)−6−メチルピリ
ミジン塩酸塩の合成 (1)N−t−ブトキシカルボニル−3−オキソピペリ
ジン5.00gのテトラヒドロフラン10mlの溶液
を、ブロモベンゼン4.73gとマグネシウム0.79g
をテトラヒドロフラン50ml中で調製したグリニャー
ル試薬の溶液に氷冷下滴下した。室温で1時間攪拌後、
氷冷した反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液10
0mlを滴下した。この反応混合物を酢酸エチル抽出
し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水
にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤
を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチ
ル=3:1)にて精製し、N−t−ブトキシカルボニル
−3−ヒドロキシ−3−フェニルピペリジン4.21g
を得た。
【0050】(2)N−t−ブトキシカルボニル−3−
ヒドロキシ−3−フェニルピペリジン3.63gにトリ
フルオロ酢酸49.2mlを加え、室温で1夜攪拌後更
に5時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を
ジクロロメタン10mlに溶解後、4規定塩化水素/ジ
オキサン6mlを加え、再び減圧下濃縮した。この残渣
をエタノール35mlに溶解し、ジイソプロピルエチル
アミン5.16gと2,4−ジクロロ−6−メチルピリミ
ジン2.60mgを加え、氷冷下一夜撹拌した。反応溶
液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチル
抽出した。抽出液は飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下
濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製
し、結晶として4−(5−フェニル−1,2,3,6−テト
ラヒドロピリジン−1−イル)−2−クロロ−6−メチ
ルピリミジン2.17mgを得た。
【0051】(3)4−(5−フェニル−1,2,3,6−
テトラヒドロピリジン−1−イル)−2−クロロ−6−
メチルピリミジン1.10g、2−ブロモ−4−イソプ
ロピルアニリン塩酸塩0.97g及びジイソプロピルエ
チルアミン0.50gをエチレングリコール5ml中1
時間加熱環流した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液に注ぎ、酢酸エチル抽出した。抽出液は水、飽和
食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。
乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢
酸エチル=3:1)にて精製し、アモルファスとして2
−[N−(2−ブロモ−4−イソプロピルフェニル)アミ
ノ]−4−(5−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロ
ピリジン−1−イル)−6−メチルピリミジンを1.32
gを得た。
【0052】(4)2−[N−(2−ブロモ−4−イソプ
ロピルフェニル)アミノ]−4−(5−フェニル−1,2,
3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)−6−メチル
ピリミジン1.21gをN,N−ジメチルホルムアミド1
2mlに溶解し、60%水素化ナトリウム/オイル13
6mgを加え、室温で1時間撹拌した。この混合物にヨ
ウ化エチル570mgを加え、一夜室温にて撹拌した。
反応溶液を水に注ぎ、酢酸エチル抽出した。抽出液は
水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾
燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキ
サン:アセトン=9:1)にて精製した。得られたフリ
ーアミン体はメタノール中4規定塩化水素/酢酸エチル
処理により塩酸塩とし、エーテルより結晶化し、2−
[N−(2−ブロモ−4−イソプロピルフェニル)−N−
エチルアミノ]−4−(5−フェニル−1,2,3,6−テ
トラヒドロピリジン−1−イル)−6−メチルピリミジ
ン塩酸塩1.02gを得た。本化合物及び同様にして得
た化合物の構造と物性データを表2に記した。
【0053】実施例7 2−[N−(4−イソプロピル−2−メチルチオフェニ
ル)−N−エチルアミノ]−4−[5−(2−メチルフェニ
ル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル]
−6−メチルピリミジン塩酸塩の合成 実施例6と同様にしてN−t−ブトキシカルボニル−3
−オキソピペリジン、2−メチルフェニルマグネシウム
ブロマイド、2,4−ジクロロ−6−メチルピリミジン
より得られた4−[5−(2−メチルフェニル)−1,2,
3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル]−2−クロロ
−6−メチルピリミジン905mg、N−エチル−4−
イソプロピル−2−メチルチオアニリン632mgをエ
チレングリコール10ml中1.5時間170℃に加熱
した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注
ぎ、クロロホルム抽出した。抽出液は飽和食塩水にて洗
浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別
後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1
0:1〜4:1)にて精製した。得られたフリーアミン
体はジクロロメタン中4規定塩化水素/酢酸エチル処理
により塩酸塩とし、酢酸エチル:エーテルより再結晶
し、2−[N−(4−イソプロピル−2−メチルチオフェ
ニル)−N−エチルアミノ]−4−[5−(2−メチルフェ
ニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イ
ル]−6−メチルピリミジン塩酸塩1.05gを得た。本
化合物及び同様にして得た化合物の構造と物性データを
表2に記した。
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】試験例[CRF受容体結合実験]受容体標
品としてラット前頭皮質膜を用いた。125I標識リガン
ドとして125I−CRFを用いた。125I標識リガンドを
用いた結合反応は、The Journal of Neuroscience,7,
88(1987年)に記載された以下の方法で行った。 受容体膜標品の調製:ラット前頭皮質を10mMMgC
2及び2mM EDTAを含む50mMトリス塩酸緩衝
液(pH7.0)でホモジナイズし,48,000×gで
遠心分離し、沈渣をトリス塩酸緩衝液で1度洗浄した。
沈渣を10mMMgCl2、2mM EDTA、0.1%
ウシ血清アルブミン及び100カリクレインユニット/
mlアプロチニンを含む50mMトリス塩酸緩衝液(p
H7.0)に懸濁し、膜標品とした。
【0057】CRF受容体結合実験:膜標品(0.3m
gタンパク質/ml)、125I−CRF(0.2nM)及
び被験薬を、25℃で2時間反応させた。反応終了後、
0.3%ポリエチレンイミンで処理したガラスフィルタ
ー(GF/C)に吸引濾過し、ガラスフィルターを0.
01%TritonX−100を含むリン酸緩衝化生理
食塩水で3度洗浄した。洗浄後、濾紙の放射能をガンマ
ーカウンターにて測定した。
【0058】1μM CRF存在下で反応を行った時の
結合量を、125I−CRFの非特異結合とし、総結合と
非特異結合との差を特異結合とした。一定濃度(0.2
nM)の125I−CRFと濃度を変えた被験薬を上記の
条件で反応させることで抑制曲線を得、この抑制曲線か
125I−CRF結合を50%抑制する被験薬の濃度
(IC50)を求め、結果を表3に示した。
【0059】
【表9】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/505 AAM A61K 31/505 AAM ABA ABA ABE ABE ABN ABN ABU ABU ACJ ACJ ADR ADR AED AED C07D 405/14 211 C07D 405/14 211 409/14 211 409/14 211 (72)発明者 相部 泉 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 田中 英雄 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 茶木 茂之 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 奥山 茂 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 冨沢 一雪 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式[I] 【化1】 (式中、Arはハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル
    基、炭素数1〜5のアルコキシ基及びトリフルオロメチ
    ル基から選択された1〜3個で置換されたフェニル基、
    フェニル基、チエニル基又はフラニル基を示し、R1
    水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、アミノ基又は1
    若しくは2個の炭素数1〜5のアルキル基で置換された
    アミノ基を示し、R2は炭素数1〜5のアルキル基、炭
    素数4〜7のシクロアルキルアルキル基、炭素数2〜5
    のアルケニル基又は炭素数2〜5のアルキニル基を示
    し、X1、X2及びX3は同一又は異なって水素原子、ハ
    ロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5
    のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキルチオ基、アミ
    ノ基又は1若しくは2個の炭素数1〜5のアルキル基で
    置換されたアミノ基を示す。)で表される4−テトラヒ
    ドロピリジルピリミジン誘導体又はその医薬上許容され
    る塩。
  2. 【請求項2】 式[I]において、Arがテトラヒドロ
    ピリジン環の4位に置換し、Arがハロゲン原子、炭素
    数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基及
    びトリフルオロメチル基から選択された1〜3個で置換
    されたフェニル基、フェニル基、チエニル基又はフラニ
    ル基であり、R1がメチル基であり、R2がエチル基、シ
    クロプロピルメチル基、アリル基又はプロパルギル基で
    あり、X1が水素原子であり、X2がベンゼン環の2位に
    置換したハロゲン原子又はメチルチオ基であり、X3
    ベンゼン環の4位に置換したイソプロピル基又はジメチ
    ルアミノ基である請求項1記載の4−テトラヒドロピリ
    ジルピリミジン誘導体又はその医薬上許容される塩。
  3. 【請求項3】 式[I]において、Arがテトラヒドロ
    ピリジン環の5位に置換し、Arがハロゲン原子、炭素
    数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基及
    びトリフルオロメチル基から選択された1〜3個で置換
    されたフェニル基、フェニル基、チエニル基又はフラニ
    ル基であり、R1がメチル基であり、R2がエチル基、シ
    クロプロピルメチル基、アリル基又はプロパルギル基で
    あり、X1が水素原子であり、X2がベンゼン環の2位に
    置換したハロゲン原子又はメチルチオ基であり、X3
    ベンゼン環の4位に置換したイソプロピル基又はジメチ
    ルアミノ基である請求項1記載の4−テトラヒドロピリ
    ジルピリミジン誘導体又はその医薬上許容される塩。
  4. 【請求項4】 Arがハロゲン原子で置換されたフェニ
    ル基である請求項2記載の4−テトラヒドロピリジルピ
    リミジン誘導体又はその医薬上許容される塩。
  5. 【請求項5】 Arが炭素数1〜5のアルキル基で置換
    されたフェニル基である請求項3記載の4−テトラヒド
    ロピリジルピリミジン誘導体又はその医薬上許容される
    塩。
JP10076748A 1997-03-26 1998-03-25 4−テトラヒドロピリジルピリミジン誘導体 Withdrawn JPH11228568A (ja)

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