JPH11228044A - エレベーターの案内制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、エレベーターのホール及びかご内に
設けられる表示器に対する案内制御装置に係り、視覚障
害者に分かりやすく、健常者にも快適なエレベーターの
案内制御装置を提供することにある。 【解決手段】号機制御装置ｅＬ１０１，ｅＬ１０２対応
に表示制御装置Ｌｅｄ１０１，Ｌｅｄ１０２が設けら
れ、これらの表示装置は、表示制御の管理装置Led100に
より制御される。各表示制御装置は、対応する号機制御
装置からのエレベーター制御情報に基づいて、ホールイ
ンフォメーション表示器ｈ１００，ｈ１０１及びかご内
インフォメーション表示器ｃ１２０の制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エレベーターのホ
ール及びかご内に設けられる表示器に対する案内制御装
置に係り、特に、視覚障害者に分かりやすく、健常者に
も快適な表示ができるエレベーターの案内制御装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】エレベーターの視覚障害者にも分かりや
すい案内装置に関する従来技術として、例えば、停止階
などの視覚情報案内表示と合せて、音声でも知らせるも
のが一般に使用されている。

【０００３】また、例えば、特開平9−110319 号公報等
に記載された技術が知られている。この従来技術は、点
字盤に人体が接触したことを関知するセンサを設け、そ
の感知信号により、触れた点字盤の内容を音声案内装置
により音声で放送案内するエレベーター用の視覚障害者
用音声案内装置がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術は、
前者の例は、視覚障害者には分かりやすいが、いつもエ
レベーターを利用する健常者には、音声が聞こえるのが
わずらわしく、不快であった。また、後者の例の場合、
センサが感知した点字盤の内容は分かりやすいが、例え
ば、指定の停止階への到着情報などが分かりにくい問題
点を有している。本発明の目的は、前記従来技術の問題
点を解決し、視覚障害者に分かりやすく、健常者にも快
適なエレベーターの案内制御装置を提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、点字表示呼びボタンの操作情報を読み取ったときの
み、視覚障害者の乗込みから目的階で降りるまでの一連
の案内表示を視覚情報表示案内とともに、音声情報表示
案内も行うことにより達成される。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明によるエレベーター
案内制御装置の一実施例を図面により詳細に説明する。

【０００７】図１は本発明が適用されるエレベーター装
置及び表示器を示す図、図２は本発明の一実施例を示す
ブロック図、図３はホール呼びボタンの構成図、図４は
かご内呼びボタンの構成図、図５〜図７は本発明の一実
施例の動作を説明するフローチャートである。図１，図
２においてｃ１００〜ｃ１０２は乗りかご、ｃ１１０は
かご呼びボタン、ｃ１２０はかご内インフォメーション
表示器、ｃ１３０はドア駆動装置、ｃ１４０はかご内ラ
イト駆動装置、ｈ１００〜ｈ１０２はホールインフォメ
ーション表示器、ｈ１１０，ｈ１１１はホール呼びボタ
ン、ｅＬ１０１，ｅＬ１０２は号機制御装置、Ｌｅｄ１
０１，Ｌｅｄ１０２は表示制御装置である。ｈ２１０，
ｈ２１１はそれぞれ昇り，降りホール呼びボタン、ｈ２
２０，ｈ２２１はそれぞれ昇り，降り点字表示ホール呼
びボタン、ｃ２１０〜ｃ２１７はかご内呼びボタン、ｃ
２２０〜ｃ２２７は点字表示かご内呼びボタンである。
昇り，降りホール呼びボタンｈ２１０，ｈ２１１と昇
り，降り点字表示ホール呼びボタンｈ２２０，ｈ２２１
はそれぞれ同じエレベーター呼び機能を有しているが、
ｈ２１０，ｈ２１１の昇り，降りホール呼びボタンは、
健常者が視認しやすい配色としており、ｈ２２０，ｈ２
２１の昇り，降り点字表示ホール呼びボタンは、視覚障
害者が指で触って分かりやすくなるよう「昇り」「降
り」の識別がつく点字表示がしてあるが、健常者には視
認しにくくなるよう、周辺の部材と同色にしてある。か
ご内呼びボタンｃ２１０〜ｃ２１７と点字表示かご内呼
びボタンｃ２２０〜ｃ２２７の関係もこれと同様であ
る。

【０００８】エレベーター装置は、通常、ホール，乗り
かご内に表示器を備えている。図１の例では、３台の単
独エレベーターの乗りかごｃ１００〜ｃ１０２内に、か
ご内インフォメーション表示器ｃ１２０が設けられ、ま
た、ホールにはホールインフォメーション表示器ｈ１０
０〜ｈ１０２が設けられており、これらのインフォメー
ション表示器は文字，図記号等表示により視覚で認識さ
れる表示部分と音声による聴覚で認識される表示部分を
有している。

【０００９】かご内インフォメーション表示器ｃ１２
０，ホールインフォメーション表示器ｈ１００〜ｈ１０
２は、かご呼びボタンｃ１１０，ホール呼びボタンｈ１
１０，ｈ１１１等からの信号に基づいて、その内容を案
内表示している。

【００１０】そして、本発明の一実施例は、点字表示呼
びボタンの操作情報を読み取ったときのみ、視覚障害者
の乗込みから目的階で降りるまでの一連の案内表示を視
覚情報表示案内とともに、音声情報表示案内も行うこと
により、視覚障害者に分かりやすく、健常者にも快適な
エレベーターの案内制御装置を提供するものである。図
２は本発明による表示制御を行う一実施例のブロック図
であり、２台の単独エレベーターの乗りかごを備える場
合の例である。

【００１１】この本発明の一実施例において、単独エレ
ベーターの号機制御装置ｅＬ１０１は、ホール呼びボタ
ンｈ１１０，ｈ１１１とかご内呼びボタンｃ１１０の他
に、かご内ライト駆動装置ｃ１４０，ドア駆動装置ｃ１
３０の状態を伝送路ｓｃＬ１を介して制御し、エレベー
ターの制御を行っている。

【００１２】表示制御装置Ｌｅｄ１０１は、前記エレベ
ーターの制御を行う情報に基づいて、表示モードと表示
内容の作成を行い、ホールインフォメーション表示器h1
00，ｈ１０１と、かご内インフォメーション表示器ｃ１
２０とを伝送路ｓｃＬ１を介して表示制御する。その
際、表示制御装置Ｌｅｄ１０１は前記制御情報により、
点字表示呼びボタンの操作情報を読み取ったときのみ、
視覚障害者の乗込みから目的階で降りるまでの一連の案
内表示を視覚情報表示案内とともに、音声情報表示案内
も行うことにより、視覚障害者に分かりやすく、健常者
にも快適なエレベーターの案内表示を行う。

【００１３】また、単独エレベーターが複数台設置され
たシステムの場合、各号機対応の表示制御装置Ｌｅｄ１
０１，Ｌｅｄ１０２は、号機制御装置ｅＬ１０１及び号
機制御装置ｅＬ１０２からの情報に基づいて前述と同様
に表示器の制御を行うが、この場合、さらに、伝送路ｓ
ｃＬ２を介して制御されている表示制御の管理装置Ｌｅ
ｄ１００からの指示を受けて、階床ごとの前記複数のホ
ールインフォメーション表示器、前記複数のかご内イン
フォメーション表示器に対して視覚障害者に分かりやす
く、健常者にも快適なエレベーターの案内表示を行う。

【００１４】次に、前述した、視覚障害者に分かりやす
く、健常者にも快適なエレベーターの案内表示を行う表
示装置の管理装置における制御の詳細を図５〜図７に示
すフローにより説明する。

【００１５】図５は、表示処理動作を説明するメインフ
ローチャートであり、まず、これについて説明する。

【００１６】（１）単独エレベーターの階床数，乗りか
ご数，インフォメーション表示器の設置階等を設定し、
全ての表示器の制御を行うためのイニシャライズ処理を
行う（ステップｍ１００）。

【００１７】（２）次に、号機制御装置と表示制御装置
間との伝送情報及び表示制御装置相互間の伝送情報か
ら、点字表示呼びボタンが押されたか否か等のエレベー
ターの運行状況の情報を得て、それらの情報を登録する
（ステップｍ１１０）。

【００１８】（３）次に、前述したエレベーターの運行
状況の情報から表示モードの選択を行う処理と表示モー
ドの内容を作成する処理を行う（ステップｍ１１５）。

【００１９】（４）本発明による視覚障害者に分かりや
すく、健常者にも快適なエレベーターの案内表示を行う
ことのできる表示処理を、ホールインフォメーション表
示器と、かご内インフォメーション表示器のそれぞれに
対して、後述するように実行する（ステップｍ１２０，
ｍ１２５）。

【００２０】（５）そして、各表示器に対しそれぞれの
表示内容を伝送路を介して送信し、表示器の駆動を行う
（ステップｍ１３０）。

【００２１】次に、ホールインフォメーション表示器に
対する表示処理を図６に示すフローを参照して説明す
る。

【００２２】（１）まず、全ての表示器に対する処理を
可能とするため、表示器の数、すなわち、階床数×乗り
かご数を設定する等の初期処理を行う（ステップｓ１０
０）。 （２）点字表示ホール呼びボタンが押されたか否か判定
する(ステップｓ１０５)。

【００２３】（３）ステップ１０５の判定で、点字表示
ホール呼びボタンが押されていない場合、押されるまで
判定を続け、押された場合、ホールインフォメーション
表示器より、例えば昇り点字表示ホール呼びボタンが押
された場合、「ただいま、昇りエレベーターを呼んでい
ます」などの音声案内を行う（ステップｓ１１０）。

【００２４】（４）点字表示ホール呼びボタンが押され
た階床にかごが近づき、ドアが開く直前のタイミングか
どうか判定する（ステップｓ１１５）。

【００２５】（５）ボタンが押された階床にかごが近づ
き、ドアが開く直前のタイミングに至っていない場合
は、継続して判定を続け、至った場合は、ホールインフ
ォメーション表示器より「昇りエレベーターが到着しま
した」などの音声案内を行う（ステップｓ１２０）。そ
の後、ステップｓ１０５から処理を繰り返す。

【００２６】次に、かご内インフォメーション表示器に
対する表示処理を図７に示すフローを参照して説明す
る。

【００２７】（１）まず、全ての表示器に対する処理を
可能とするため、表示器の数、すなわち、乗りかご数を
設定する等の初期処理を行う（ステップｓ２００）。

【００２８】（２）点字表示かご内呼びボタンが押され
たか否か判定する(ステップｓ２０５)。

【００２９】（３）ステップｓ２０５の判定で、点字表
示かご内表示ボタンが押されていない場合、押されるま
で判定を続け、押された場合、かご内インフォメーショ
ン表示器より、例えば５階の点字表示かご内呼びボタン
が押された場合、「５階に止まります」などの音声案内
を行う（ステップｓ２０５，ステップｓ２１０）。

【００３０】（４）かごが移動し始め、かご内呼びボタ
ンで指定された階床にかごが近づき、ドアが開く直前の
タイミングかどうか判定する（ステップｓ２１５）。

【００３１】（５）ボタンで指定された階床にかごが近
づき、ドアが開く直前のタイミングに至っていない場合
は、ステップｓ２２５までジャンプする。至った場合
は、かご内インフォメーション表示器より「３階に到着
しました」などの音声案内を行う（ステップｓ２１５，
ステップｓ２２０）。

【００３２】（６）点字表示かご呼びボタンで指定され
た階床にかごが近づき、ドアが開く直前のタイミングか
どうか判定する（ステップｓ２２５）。

【００３３】（７）ボタンで指定された階床にかごが近
づき、ドアが開く直前のタイミングに至っていない場合
は、ステップｓ２１５にジャンプし、至った場合は、か
ご内インフォメーション表示器より「５階に到着しまし
た」などの音声案内を行う（ステップｓ２２５，ステッ
プｓ２３０）。その後、ステップｓ２０５から処理を繰
り返す。

【００３４】以上はインフォメーション表示装置の音声
による表示部分の動作について説明したが、文字，図記
号等により視覚で認識される表示部分の動作は従来行わ
れているものと同様である。

【００３５】前述したように本発明の実施例によれば、
点字表示呼びボタンの操作情報を読み取ったときのみ、
視覚障害者の乗込みから目的階で降りるまでの一連の案
内表示を視覚情報表示案内とともに、音声情報表示案内
も行うことにより、音声で案内するので視覚障害者に分
かりやすく、また、点字表示呼びボタンが押されない場
合は音声案内がないので、常にエレベーターを利用する
健常者も耳障りに感じる音声を聞く機会が少なくなり、
快適なエレベーターの案内制御装置を提供することがで
きる。

【００３６】前述した本発明の実施例は、単独エレベー
ターの表示制御に本発明を適用したものとして説明した
が、本発明は、群管理エレベーターに対しても、同様に
適用することができる。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、視
覚障害者に分かりやすく、健常者にも快適なエレベータ
ーの案内制御装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用されるエレベーター装置及び表示
器を示す図である。

【図２】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。

【図３】ホール呼びボタンの構成を示す。

【図４】かご内呼びボタンの構成を示す。

【図５】表示処理動作を説明するメインフローチャート
である。

【図６】ホールインフォメーション表示処理動作を説明
するフローチャートである。

【図７】かご内インフォメーション表示処理動作を説明
するフローチャートである。

【符号の説明】

ｃ１００〜ｃ１０２…乗りかご、ｃ１１０…かご呼びボ
タン、ｃ１２０…かご内インフォメーション表示器、ｃ
１３０…ドア駆動装置、ｃ１４０…かご内ライト駆動装
置、ｃ２１０〜ｃ２１７…昇り，降りかご内呼びボタ
ン、ｃ２２０〜ｃ２２７…点字表示かご内呼びボタン、
ｈ１００〜ｈ１０２…ホールインフォメーション表示
器、ｈ１１０，ｈ１１１…ホール呼びボタン、ｈ２１
０，ｈ２１１…昇り，降りホール呼びボタン、ｈ２２
０，ｈ２２１…点字表示ホール呼びボタン、ｅＬ１０
１，ｅＬ１０２…号機制御装置、Ｌｅｄ１００…表示制
御管理装置、Ｌｅｄ１０１，Ｌｅｄ１０２…表示制御装
置。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エレベーターホール及び乗りかご内に設置
   されている表示器に視覚情報と音声情報を表示させるエ
   レベーターの案内制御装置において、該案内制御装置は
   少なくとも視覚的に情報案内を行う視覚情報案内表示モ
   ードと音声にて情報案内を行う音声情報案内モードの２
   つのモードを備え、前記エレベーターの制御装置からの
   エレベーター制御情報に基づいて、視覚情報案内表示モ
   ードを制御するとともに、前記エレベーターの運行状況
   が所定の条件になったとき、音声情報案内表示モードを
   制御することを特徴とするエレベーターの案内制御装
   置。
2. 【請求項２】前記エレベーターの運行状況の所定の条件
   が、通常のホール呼びボタンに併設した点字表示ホール
   呼びボタンが押されたこと及び該ボタンによる呼びに対
   応したドア開閉近傍の所定のタイミングまでの一連の検
   出情報であることを特徴とする請求項１記載のエレベー
   ターの案内制御装置。
3. 【請求項３】前記エレベーターの運行状況の所定の条件
   が、通常のかご呼びボタンに併設した点字表示かご呼び
   ボタンが押されたこと及び該呼びボタンで指定された停
   止階までのドア開閉近傍の所定のタイミングまでの一連
   の検出情報であることを特徴とする請求項１記載のエレ
   ベーターの案内制御装置。