JPH11225890A - 金属製容器とその製造方法 - Google Patents

金属製容器とその製造方法

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JPH11225890A
JPH11225890A JP3643498A JP3643498A JPH11225890A JP H11225890 A JPH11225890 A JP H11225890A JP 3643498 A JP3643498 A JP 3643498A JP 3643498 A JP3643498 A JP 3643498A JP H11225890 A JPH11225890 A JP H11225890A
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JP
Japan
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welding
container
cylindrical body
barrel
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JP3643498A
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Yasuhiko Komiya
泰彦 小宮
Shoji Toida
章司 樋田
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属製容器の製造において、液圧バルジ加工
の特徴である加工の容易性に着目し、横断面形状が非円
形の金属製容器を、現在の問題点である全体としての加
工時間を短縮することのできる方法の提供。 【解決手段】 本発明による金属製容器の製造方法は、
胴部材の一端に開口部を有し、該胴部材の他端に底部材
を接合し一体化した有底筒状体を液圧バルジ成形し、該
開口部径よりも大きな径を有する胴部を形成する金属製
容器の製造方法において、液圧バルジ成形の前後で胴部
材と底部材との溶接長さが略同一となるように液圧バル
ジ成形を行うことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は魔法瓶、真空断熱調
理器、保温電気ポット、保温タンクなどとして使用され
る金属製容器とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属を用いた有底円筒状の容
器が製造されている。これらの容器は、例えばステンレ
ス鋼等を使用した内容器、外容器を一体化して二重容器
とし、これら内外容器間を真空とした保温性に富んだ金
属製真空二重壁容器としたり、または内外容器間に空気
を維持したままの金属製二重壁容器、さらには単に一重
の金属製のフラスコやテーブルポット等の容器として使
用されている。これらの金属製容器は従来、次のように
製造される。金属の平板を所望の形状に打ち抜き加工し
た後、ロール加工を行い、該端部の溶接を行うことによ
り、ほぼ同径で両端が開口した円筒(直管)としたり、
または両端の開口部が異径である円錐台形の筒状(テー
パー管)とした後、プレス成形やスピニング加工により
胴部を拡管あるいは縮管した胴部材を形成する。一方、
同じく平板からプレス成形等によりカップ形状に成形を
行い、フランジ部をカットして形成した底部材を、前記
胴部材に溶接し、金属製容器としていた。また、金属の
平板を所望の形状に打ち抜き加工を行った後、ロール加
工を行い該端部を溶接して円筒とし、一方、同じく平板
からプレス成形等によってカップ形状に成形した底部材
を前記円筒に溶接した後、スピニング加工等により胴部
を縮管して胴部材を形成し、金属製容器としていた。
【0003】さらに別な方法として、胴部材と底部材を
溶接一体化した後、液圧バルジ加工によって拡管し、金
属製容器を製造する方法が特公平7−41007号公報
に開示されている。液圧バルジによる拡径方法を用いる
と横断面形状が円筒形以外の形状、例えば楕円形や多角
形等の金属製容器を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
プレス加工やスピニング加工を用いた金属製容器の製造
においては、主にプレス加工による数度の拡管工程や、
ローラーの往復による扱き加工を行うために、加工を行
う時間もさることながら、一つの加工と他の加工とを移
動する横待ちの時間が必要であり、全体としてかなりの
時間を要していた。またこれらの加工においては、横断
面形状を円形以外にすると溶接が困難となるため、製品
は横断面形状が円形に限られていた。更には局部的に変
形させるため成形時に割れ等の不良を生じる恐れがあっ
た。また成形された部分の肉厚が薄くなり、耐落下強度
等が弱くなる問題を有していた。さらに、スピニング加
工やプレス加工によって加工した鋼材の表面は、微細な
凹凸や成形キズが生じているために、製造した金属製容
器を真空二重壁容器の内容器に適用するべく、胴部外面
に金属メッキを施す場合、この凹凸によってメッキの付
着性が悪化する恐れがあった。
【0005】また、液圧バルジ加工を用いる製造方法
は、プレス成形やスピニング加工に比べて加工数を減ら
し、短時間で加工できるという利点を有しているが、溶
接部にも変形する力、例えば溶接部の拡管によって、拡
管の前後で胴部材−底部材溶接部の全周長さが増加する
と溶接部に剪断力が作用するため、溶接部に割れが生
じ、歩留まりが悪いという問題があった。また割れの発
生を低減するために圧力封入をゆっくり行わざるを得
ず、拡管速度が遅くなり、本来望まれる時間で液圧バル
ジ加工を行うことができず、液圧バルジ加工の特徴を十
分に発揮させることができないという問題を有してい
た。
【0006】本発明は、前記課題を解消し、金属製容器
の製造において、液圧バルジ加工の特徴である加工の容
易性に着目し、横断面形状が非円形の金属製容器を、現
在の問題点である全体としての加工時間を短縮すること
のできる方法の提供を課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による金属製容器
の製造方法は、胴部材の一端に開口部を有し、該胴部材
の他端に底部材を接合し一体化した有底筒状体を液圧バ
ルジ成形し、該開口部径よりも大きな径を有する胴部を
形成する金属製容器の製造方法において、液圧バルジ成
形の前後で胴部材と底部材との溶接長さが略同一となる
ように液圧バルジ成形を行うことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態と
して、図1及び図2を用いて金属製容器の製造方法を説
明する。金属製容器を製造するにあたり、まずブランク
型を用い、ステンレス鋼板にプレス加工を施して長方形
の平板3aを打ち抜く。次に長方形の平板3aをロール
加工により丸め、その端部3bを溶接し、円筒状の胴部
材3とする。一方、底部材を製造するために、ブランク
型を用いステンレス鋼板にプレス加工を施して、円形の
平板4aを打ち抜き、続いてプレス加工を施してフラン
ジを有する丸皿状部材4bとする。さらに該部材4bの
余分なフランジ部を削除して底部材4とする。この時、
底部材4の外径寸法が胴部材3の内径にほぼ等しくなる
ように設定し、底部材4の開口部を外側に向けて胴部材
3の一方の開口に挿入し、胴部材3と底部材4の端部を
合わせ、TIG溶接により一体化し、有底円筒体5とす
る。
【0009】次に該有底円筒体5の胴部を拡管するため
に、液圧バルジ加工を行う。この液圧バルジ加工の成形
型30は、図2に示すように有底円筒体5の底部材4に
嵌合する凸部33を成形型内側に向けて突出形成し、上
下動可能に設けられた移動型32と、該凸部33に対向
する側に、有底円筒体5の開口に気密に嵌合するパッキ
ン34と液注入路35が設けられた固定型31とを備え
ている。この液注入路35は図示しない液体供給装置に
接続され、成形型30に設置された有底円筒体5内に水
などの液体を供給できるようになっている。成形型30
内に有底円筒体5を配する際、該凸部33は、成形型3
0内において正確に有底円筒体5の位置出しをするため
にも利用できる。そして胴部材3と底部材4の溶接部が
成形型30の凸部33の起点位置になるように配置して
いる。また成形型30の胴部から底部にかけては、所望
する拡管寸法を有している。
【0010】この成形型30の固定型31のパッキン3
4に有底円筒体5の開口を嵌合し(図2(a))、移動型
32を固定型31方向に移動するとともに、該固定型3
1内に具備されている液注入路35から防錆油を含んだ
水を有底円筒体5の内部に注ぎ入れ、圧力を加えること
により、成形型30内の拡管用空間部に対し胴部材3は
拡管しようとする(図2(b))。この時、胴部材3は、
溶接部6(胴部材と底部材の溶接部)や底部材4の底部
と立ち上がり部の屈曲点を起点として広がるため、拡管
に伴いこの溶接部6には、溶接部6の全周長さを増加さ
せるような力がほとんど作用しない。そのため胴部材3
と底部材4の溶接部6に無理な力が殆ど加わらず、溶接
した時の底部材形状をほぼ維持することができ、拡管さ
れた胴部材3の肉厚は局部的に薄肉とはならず、割れな
ども全く生じることなく、短時間で拡管することができ
る(図2(c))。拡管後、移動型32を上昇せしめ、容
器内の水を除去した後、容器を取り出す。この拡管工程
は短時間で行うことができ、しかも一工程毎の横待ちが
少なくなり非常に効率良く作業を進めることができた。
その後、容器の口部5bを所定の長さに切断して金属製
容器1を得る。
【0011】製造された金属製容器1は胴部全体が均一
に拡管され、胴部肉厚が局部的に薄くなることはない。
また液圧バルジ加工により拡管された胴部の外面は、プ
レス成形やスピニング加工で形成した容器に比べて凹凸
や成形キズの発生が少なく、特にスピニング加工に比べ
て遥かに平滑に仕上げられ、その平均表面粗さは1.0
μm以下、好ましくは素材と同等の表面粗さ(0.20
μm程度)に形成することが可能である。また、これを
真空二重壁容器の内容器に適用し外面にメッキを施そう
とする場合、この金属製容器1は表面が平滑に仕上げら
れていることから、メッキの付着性が良好である。
【0012】この製造工程において、胴部材3の初期の
ブランク形状を略長方形とすることにより、材料効率が
非常によく、鋼材のロスを減らすことが可能となり、材
料コストの低減によって製造コストを抑えることができ
る。
【0013】本実施形態では、底部材4の開口部を胴部
材3の外方向に向けて挿入し、溶接を行ったが、底部材
4の接合方向はこれに限定したものではなく、図3のよ
うに底部材4の開口部を胴部材3内方にして溶接し、液
圧バルジの成形型30の拡管基端部を前記溶接部6より
も開口部側として拡管することにより、拡管する部分に
胴部材3と底部材4の溶接部6を含まない位置とするこ
とができるため、同様に液圧バルジ加工時において溶接
部6に無理な力が作用するのを防ぎ、割れなども全く生
じることなく、短時間で製造可能となる。
【0014】さらに図4のように底部材4の形状を平板
のままとし、胴部材3の端部に溶接し、液圧バルジの成
形型30の底面に有底円筒体5の底部材4を接するよう
に設定することにより、拡管の基端部を溶接部6とし、
それよりも開口部側の胴部材3を拡管することができ
る。この方法により、液圧バルジ加工時において溶接部
6の全周長さを増加させるような力がほとんど作用しな
いので、割れを生じることなく、短時間で製造可能とな
る。
【0015】本発明の第2の実施形態として、図5及び
図6を用いて金属製容器の製造方法を説明する。まず金
属製容器を製造するにあたり、例えばブランク型を用い
ステンレス鋼板をプレス加工して、頂部をカットした略
扇形状の平板13aを打ち抜く。次に、この平板13a
をロール加工により丸め、その端部13bを溶接するこ
とによって円錐台形筒状の胴部材13とする。さらに、
両端の開口部13c,13dはほぼ垂直に形成してお
く。また同様に、ブランク型を用いステンレス鋼板をプ
レス加工して円形の平板14aを打ち抜き、続いてプレ
ス加工を施してフランジを有する円皿状部材14bを作
製する。次にこのカップ状の底部材14bのフランジ部
を削除し、底部材14とする。この時、底部材14の外
径寸法が胴部の底部13dの内径にほぼ等しくなるよう
に設定し、底部材14の開口部を胴部材13の外側に向
くように配置して開口部13dに挿入し、胴部13の底
部端13dと底部材14の端部を合わせ、TIG溶接に
より一体化し、円錐台形の有底円筒体15とする。
【0016】次に該有底円筒体15の胴部材13を拡管
するために、液圧バルジ加工を行う。この液圧バルジ加
工の成形型30は、図6に示すように有底円筒体15の
底部材14に嵌合する凸部33を成形型内側に向けて突
出形成し、上下動可能に設けられた移動型32と、該凸
部33に対向する側に、有底円筒体15の開口に気密に
嵌合するパッキン34と液注入路35が設けられた固定
型31とを備えている。この液注入路35は図示しない
液体供給装置に接続され、成形型30に設置された有底
円筒体15内に水などの液体を供給できるようになって
いる。成形型30内に有底円筒体15を配する際、該凸
部33は、成形型30内において正確に有底円筒体15
の位置出しをするためにも利用することができる。そし
て胴部材13と底部材14の溶接部が成形型30の凸部
33の起点位置になるように配置している。また成形型
30の胴部はドーム状に広がっている。
【0017】この成形型30の固定型31のパッキン3
4に有底円筒体15の開口を嵌合し(図6(a))、移動
型32を固定型31方向に移動するとともに、該固定型
31内に具備されている液注入路35から防錆油を含ん
だ水を有底円筒体15の内部に注ぎ入れ、圧力を加える
ことにより、成形型30内の拡管用空間部に対し胴部材
13は拡管しようとする(図6(b))。この時、胴部材
13は、溶接部16(胴部材と底部材の溶接部)や底部
材の底面を起点として広がるため、拡管に伴いこの溶接
部16には、溶接部16の全周長さを増加させるような
力がほとんど作用しない。そのため胴部材13と底部材
14の溶接部16に無理な力が殆ど加わらず、溶接した
時の底部材形状をほぼ維持することができ、拡管された
胴部材13の肉厚は局部的に薄肉とはならず、割れなど
も全く生じることなく、短時間で拡管することができる
(図6(c))。拡管後、移動型32を上昇せしめ、容器
内の水を除去した後、容器を取り出す。この拡管工程は
短時間で行うことができ、しかも一工程毎の横待ちが少
なくなり非常に効率良く作業を進めることができる。そ
の後、容器の口部15bを所定の長さに切断して金属製
容器11を得る。
【0018】本発明の第3の実施形態として、図7を用
いて金属製容器の製造方法を説明する。まず金属製容器
を製造するにあたり、例えばブランク型を用いステンレ
ス鋼板をプレス加工し、長方形の平板23aに打ち抜
く。次に、この平板23aをロール加工により丸め、そ
の端部23bを溶接することによって円筒形の胴部材2
3とする。その後、胴部材23の底部を円筒の内側に9
0°折り曲げてフランジ部を形成し、底部中央が一部開
口した一部有底胴体23とする。一方、底部材24を製
造するため、ブランク型を用いステンレス鋼板からプレ
ス加工によって円形の平板24を打ち抜く。この時、底
部材の外径寸法が胴部23の底部開口部を封止できる寸
法として、底部材の端部の周縁と胴部材底部のフランジ
部をTIG溶接により一体化し有底円筒体25とする。
【0019】次に該胴部を拡管するために、液圧バルジ
加工を行う。該液圧バルジ加工の成形型は先の第1の実
施形態と同様である。成形型30に前記有底円筒体25
を載置するように設定することにより有底円筒体25の
拡管の起点を胴部と底部の折り曲がり部とすることがで
きる。先の各実施形態と同様に、液圧バルジ加工を行う
ことにより、溶接部26には無理な力が殆どかからず、
拡管された胴部の肉厚は局部的な薄肉とはならず、割れ
を生じることもなく短時間で拡管することができる。
【0020】この図7(a)に示す実施形態では、底部
材24を平板のままで溶接を行ったが、底部材24の溶
接方法はこれに限定されるものではなく、図7(b)の
ように丸皿状の底部材24の開口部を胴部内方に配置し
てフランジ部を溶接し、液圧バルジの成形型の拡管部を
溶接部26よりも外部とすることにより、液圧バルジ加
工時において溶接部26に無理な力が作用するのを防止
でき、割れなども全く生じることなく、短時間で製造が
可能となるなどの先の場合と同様の効果が得られる。
【0021】さらに図7(c)に示すように、図7
(b)とは逆方向に底部材24の開口部を胴部外方と
し、フランジ部を溶接し、液圧バルジの成形型の拡管部
を前記溶接部よりも外部とすることにより、先の例と同
様に、液圧バルジ加工時において溶接部26に無理な力
が作用するのを防止でき、割れなども全く生じることな
く、短時間で製造が可能となるなどの効果が得られる。
【0022】なお、上記の各実施形態にあっては、胴部
形状が円筒形状の金属製容器について記載したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、胴部横断面を楕円
形や四角形などの多角形状の容器を作製することもで
き、その場合には液圧バルジ加工の成形型形状のみを所
望する形状に変更することにより簡単に製造することが
できる。しかも底部材と胴部材の溶接部の形状は円形に
限定されるものではなく、溶接部が多角形の底部材と胴
部材を溶接し、その溶接部を起点としてバルジ加工を行
っても、溶接部を長さ方向に伸ばす力は殆ど作用せず、
所望の形状にすることができる。更に、より簡便に作製
するには、底部材と胴部材の溶接部の形状を円形とする
ことが望ましく、その場合、底部材と胴部材の溶接は円
形状の溶接で済むため、トーチと非溶接物の角度、溶接
速度、入熱量等の溶接条件を容易に設定することがで
き、溶接の管理が非常に容易となる。
【0023】
【実施例】ステンレス鋼板を用い、本発明に従って金属
製容器を製造した。ステンレス鋼板としては、板厚0.
4mmのオーステナイト系のSUS304を用いた。ま
ず胴部材のブランク形状を長方形として打ち抜き、ロー
ル加工により丸め、その端部をTIG溶接によって接合
し、内径40mm、長さ250mmの両端が開口した円
筒状の胴部材とした。次に、底部材製造のために、上記
ステンレス鋼板を円形に打ち抜き、プレス加工を施して
皿形状とし、フランジ部を突っ切り加工して外径40m
mの底部材とした。前記底部材の凸側を前記胴部材の円
筒内方に向けて、一方の開口部に挿入し、端部をTIG
溶接で接合し、有底円筒体とした。さらにこの有底円筒
体を図2に示す液圧バルジ成形型の固定型に設置した。
成形型の移動型には、有底円筒体の底部凹形状に合わ
せ、凸部を形成しており、移動型の凸部の起点に胴部材
と底部材の溶接部が設定できるように配置した。有底円
筒体の開口部を固定型に取り付け、移動型を固定型に移
動させながら、防錆油を含んだ水を入れて圧力をかけ、
液圧バルジ加工を行った。その後圧力を抜き、液体を取
り出して金属製容器を取り出した。この液体バルジ成形
後、円筒体の上部を切断し、図8に示す金属製容器1を
作製した。製造した金属製容器1の内容量は470ml
であった。
【0024】成形後の胴部径は60mm、溶接部径は4
6mmであり、バルジ成形前の溶接部径から約15%広
がっているが、溶接部に割れなどを生じるような無理な
力が作用することなく作製することができた。本実施例
において底部材の底面と立ち上がり部の屈曲部を起点と
して拡管が行われていることが分かる。また底部材の板
厚は0.4mmと変化なかったが、胴部張り出し部板厚
は0.3mm程度まで減少し、口部肉厚よりも薄くなっ
ていた。
【0025】該金属製容器を取り出し、液圧バルジ加工
後の各部の肉厚測定を行った。測定位置は図8中、符号
ア〜オで示す各部とした。各部の肉厚は次の通り。 位置 肉厚(mm) ───────────── ア 0.4 イ 0.35 ウ 0.3 エ 0.3 オ 0.4 ─────────────
【0026】この結果より、容器の肉厚は局部的に薄く
なっていることはなく、全体的に均一に拡管されている
ことが分かる。また胴部外面(符号ウの位置の外面)の
表面粗さを測定した結果、0.2μm程度と極めて平滑
であった。
【0027】上記製造方法で製造した金属製容器は、胴
部の製造工程における液圧バルジ加工の成形型におい
て、底部材と胴部材の溶接部を金型の最下端とし、該最
下端を起点に胴部の拡管部を設けているため、底部材と
胴部材の溶接部の僅かなテーパー状の窪みを押し広げる
ことができている。そのため、胴部材は下方で縮径した
形で、角度をもって底部材と接合した状態となり、ゴミ
等が混入しても容易に取り出すことができ、また洗浄す
る場合においても、細かな隙間が無いので容易に洗浄可
能であった。また、底部材と胴部材との溶接部が底部材
の輪郭の下方にあるため見映えがよく、底部材が容器内
方に突出しているため、底部材の強度が増し、開口部側
から氷等の固形物を落しても、変形や凹み等が発生し難
い。また胴部材と底部材の溶接部が容器の最深部にある
ので座りが良い上に、底部の強度が強いため、使用上だ
けでなく生産工程においても取扱が容易で、打痕による
不良の発生も少ない。また、溶接部が胴部材の胴径より
も小さいので、スポンジ等による洗浄が容易である。ま
た内容器と外容器とを隙間を隔てて一体化し、内外容器
間を真空にした金属製真空二重壁容器の内容器を製造す
る際に本製造方法を適用することができ、極めて良好な
真空二重壁容器を製造することができる。一般にオース
テナイト系ステンレス鋼は、加工性が良く、耐食性に富
んでいるため、各種用途の金属製容器の材料として用い
られている。しかし、従来の成形では局部的に行うた
め、加工場所の加工度合によってステンレス鋼の表面に
微細な凹凸が生じてしまう。その結果、金属製真空二重
壁容器の輻射対策として配されるメッキ層に影響が生じ
てしまい、均一なメッキ層を形成できない場合がある。
しかし本発明方法によって得られた金属製容器は、極め
て平滑な外面を有する。また、これを真空二重壁容器の
内容器に適用する場合に外面にメッキを施そうとする場
合、この金属製容器1は表面粗さが極めて小さく、素材
波に平滑であることから、メッキの密着性が良好であ
る。そのためメッキ工程における条件(メッキ槽の濃度
管理、電流密度等)を簡単に設定することができ、容易
に良好なメッキ層を得ることができ、保温性能が優れた
金属製真空二重壁容器に好適な特徴を具備せしめること
ができる。
【0028】
【発明の効果】本発明による金属製容器の製造方法は、
平板状材料を円筒状に成形して、端部を溶接して円筒状
の胴部材の一方の開口部に底部材を溶接した有底円筒体
を、液圧バルジ加工にて拡管成形して金属製容器を製造
する方法において、胴部拡管部の起端を有底円筒体の胴
部材−底部材溶接部から拡管部側とし、それよりも開口
部側の胴部を拡管して金属製容器を製造するようにした
ので、プレス加工による数度の拡管工程や扱き加工によ
る加工自体の時間はもとより、一つの加工と他の加工と
を移動する横待ちの工程時間を一回の工程で済ませるこ
とができ、時間的な削減ができ、コストダウンを行うこ
とができる。また胴部材と底部材の溶接部の全長が液圧
バルジ加工の拡管前後で殆ど変化しないため、溶接部に
無理な力が作用せず、割れの心配は無く、また胴部材と
底部材の溶接面を真円形などの溶接条件の設定が容易な
形状として、容易かつ確実に溶接することができ、その
後で液圧バルジ加工にて胴部を所望の横断面形状に成形
するので、最終的に得ようとする横断面形状は真円形に
限定されず、多角形や楕円などの各種形状の容器を容易
に製造することができる。さらに金属製円筒を張り出し
加工して容器胴部を形成するので、素管での円筒の外径
を小さくすることができ、またブランク形状を長方形と
して行うことができるので、材料効率が非常に良く、鋼
材のロスを微少にすることができ、コストを低減するこ
とができる。
【0029】また、本製造方法によって製造された金属
製容器は、表面粗さが1.0μm以下であることから、
真空二重壁容器の内容器に適用する場合に外面にメッキ
を施そうとする場合、この金属製容器は表面粗さが極め
て小さく、素材並に平滑であることから、メッキの付着
性が良好であり、真空二重壁容器の内容器として使用す
ることにより、保温性能に優れた高品質の製品を得るこ
とができる。さらにこの金属製容器は、皿形の底部材を
胴部材内方に向かって凸状態として接合した場合でも、
液圧バルジ加工を行うことにより胴部材と底部材の隙間
が生じることがないため、ゴミの滞留を防止する効果が
高い。さらに洗浄するにあたっても容易に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による金属製容器の製造方法の第1の
例を示す工程図。
【図2】 同じく第1の例における液体バルジ成形を示
す断面図。
【図3】 第1の例の変形例を示す断面図。
【図4】 第1の例の別な変形例を示す断面図。
【図5】 本発明による金属製容器の製造方法の第2の
例を示す工程図。
【図6】 同じく第2の例における液体バルジ成形を示
す断面図。
【図7】 本発明による金属製容器の製造方法の第3の
例を示す工程図。
【図8】 実施例で製造した金属製容器の一部断面視し
た正面図。
【符号の説明】
1,11,21 金属製容器 3,13,23 胴部材 4,14,24 底部材 5,15,25 有底円筒体 6,16,26 溶接部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胴部材の一端に開口部を有し、該胴部材
    の他端に底部材を接合し一体化した有底筒状体を液圧バ
    ルジ成形し、該開口部径よりも大きな径を有する胴部を
    形成する金属製容器の製造方法において、 液圧バルジ成形の前後で胴部材と底部材との溶接長さが
    略同一となるように液圧バルジ成形を行うことを特徴と
    する金属製容器の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の金属製容器の製造方法に
    よって製造された金属製容器であって、容器の胴部外径
    よりも底部材外径が小さく、且つ胴部外面の表面粗さが
    1.0μm以下であることを特徴とする金属製容器。
  3. 【請求項3】 前記液圧バルジ成形された胴部材の形状
    が非円筒形であることを特徴とする請求項2記載の金属
    製容器。
JP3643498A 1998-02-18 1998-02-18 金属製容器とその製造方法 Pending JPH11225890A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001353546A (ja) * 2000-03-31 2001-12-25 Hde Metallwerk Gmbh 中空部材を製造する方法
KR101166238B1 (ko) * 2004-12-24 2012-07-17 주식회사 포스코 예비 확관법을 이용한 형상 캔의 몸체 성형방법, 그에 사용되는 성형공구, 및 그 성형방법에 의하여 제조된 형상 캔
CN106826116A (zh) * 2017-01-24 2017-06-13 广东鸿业机械有限公司 五金炊具的制造加工工艺

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