JPH11225623A - 繊維強化樹脂製中通し釣竿の成形方法及び成形用剥離性部材 - Google Patents
繊維強化樹脂製中通し釣竿の成形方法及び成形用剥離性部材Info
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- JPH11225623A JPH11225623A JP4880898A JP4880898A JPH11225623A JP H11225623 A JPH11225623 A JP H11225623A JP 4880898 A JP4880898 A JP 4880898A JP 4880898 A JP4880898 A JP 4880898A JP H11225623 A JPH11225623 A JP H11225623A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】内面滑り性に優れた繊維強化樹脂製の中通し釣
竿を少ない工数で製作できるようにする。 【解決手段】マンドレル1上に細紐状のポリテトラフル
オロエチレン材2をギャップ巻きし、この細紐巻回マン
ドレル上に直接繊維強化樹脂材3を層状に巻回、該巻回
層の硬化後、マンドレル1及び巻回細紐2を除去して硬
化層内面を螺旋状溝を有する凹凸面とする。
竿を少ない工数で製作できるようにする。 【解決手段】マンドレル1上に細紐状のポリテトラフル
オロエチレン材2をギャップ巻きし、この細紐巻回マン
ドレル上に直接繊維強化樹脂材3を層状に巻回、該巻回
層の硬化後、マンドレル1及び巻回細紐2を除去して硬
化層内面を螺旋状溝を有する凹凸面とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維強化樹脂製中通
し釣竿の成形方法及びこの成形方法において使用する剥
離性部材に関するものである。
し釣竿の成形方法及びこの成形方法において使用する剥
離性部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化樹脂製中通し釣竿においては、
釣糸の滑り性を向上させるために内面を低摩擦面とする
ことが要求される。この中通し釣竿の成形方法として、
図2に示すように、マンドレル1’上にスペ−サテ−プ
21’(皮、シリコン、フッ素樹脂、ゴム等)をギャッ
プ巻きし、その上にプラスチックフィルム22’(ポリ
エチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト
等)を上記ギャップを覆って巻回し、該フィルム巻回層
上に離型剤aを塗布し、前記ギャップ上に沿って滑り線
材23’(例えば、セラミックス線)を巻回し、而るの
ち、繊維強化樹脂材3’を巻回し、加圧加熱によって樹
脂を硬化させ、マンドレル1’を引き抜き、スペ−サテ
−プ21’及びプラスチックフィルム22’を順次引っ
張りにより除去することが公知である。この成形方法に
よれば、セラミックス線材とプラスチックフィルムとの
緊圧のためにこれらの界面に樹脂が侵入するのを防止で
き、セラミックス線材の表半面を確実に露出できて滑り
性を向上できる。
釣糸の滑り性を向上させるために内面を低摩擦面とする
ことが要求される。この中通し釣竿の成形方法として、
図2に示すように、マンドレル1’上にスペ−サテ−プ
21’(皮、シリコン、フッ素樹脂、ゴム等)をギャッ
プ巻きし、その上にプラスチックフィルム22’(ポリ
エチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト
等)を上記ギャップを覆って巻回し、該フィルム巻回層
上に離型剤aを塗布し、前記ギャップ上に沿って滑り線
材23’(例えば、セラミックス線)を巻回し、而るの
ち、繊維強化樹脂材3’を巻回し、加圧加熱によって樹
脂を硬化させ、マンドレル1’を引き抜き、スペ−サテ
−プ21’及びプラスチックフィルム22’を順次引っ
張りにより除去することが公知である。この成形方法に
よれば、セラミックス線材とプラスチックフィルムとの
緊圧のためにこれらの界面に樹脂が侵入するのを防止で
き、セラミックス線材の表半面を確実に露出できて滑り
性を向上できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この成
形方法では、プラスチックフィルムの巻回層上に離型
剤を塗布する必要があり、この塗布時に剥離剤がセラミ
ックス線材の裏半面にもに付着してセラミックス線材の
繊維強化樹脂層への固着強度の低下が懸念されること、
また釣竿の屈曲時に機械的特性の異なるセラミックス線
材と繊維強化樹脂層との界面に応力が集中し易いこと等
のためにセラミックス線材が剥離し易い、従って、安定
な滑り性を保証し難い、剥離剤の塗布作業が必要であ
り工数が多い、等の不具合がある。
形方法では、プラスチックフィルムの巻回層上に離型
剤を塗布する必要があり、この塗布時に剥離剤がセラミ
ックス線材の裏半面にもに付着してセラミックス線材の
繊維強化樹脂層への固着強度の低下が懸念されること、
また釣竿の屈曲時に機械的特性の異なるセラミックス線
材と繊維強化樹脂層との界面に応力が集中し易いこと等
のためにセラミックス線材が剥離し易い、従って、安定
な滑り性を保証し難い、剥離剤の塗布作業が必要であ
り工数が多い、等の不具合がある。
【0004】従来、繊維強化樹脂製中空体の製造方法と
して、マンドレル上にポリテトラフルオロエチレンフィ
ルムを重ね巻きし、その上に繊維強化樹脂材を巻回し、
繊維強化樹脂の硬化後、マンドレルを引き抜き、更にマ
ンドレルフィルムを引っ張りにより除去することが公知
である。この場合、ポリテトラフルオロエチレンフィル
ムを固形離型材として使用しており、マンドレルとフィ
ルムとの間への樹脂の漏れ防止の為に重ね巻きが不可欠
である。しかしながら、本発明者においては、特定の厚
さの細巾のポリテトラフルオロエチレンフィルムをギャ
ップ巻きすることにより、内面が釣糸との接触面積の少
ない凹凸面にし、上記やの不具合を排除して滑り性
に優れた内面の繊維強化樹脂製中通し釣竿を製作できる
ことを知った。
して、マンドレル上にポリテトラフルオロエチレンフィ
ルムを重ね巻きし、その上に繊維強化樹脂材を巻回し、
繊維強化樹脂の硬化後、マンドレルを引き抜き、更にマ
ンドレルフィルムを引っ張りにより除去することが公知
である。この場合、ポリテトラフルオロエチレンフィル
ムを固形離型材として使用しており、マンドレルとフィ
ルムとの間への樹脂の漏れ防止の為に重ね巻きが不可欠
である。しかしながら、本発明者においては、特定の厚
さの細巾のポリテトラフルオロエチレンフィルムをギャ
ップ巻きすることにより、内面が釣糸との接触面積の少
ない凹凸面にし、上記やの不具合を排除して滑り性
に優れた内面の繊維強化樹脂製中通し釣竿を製作できる
ことを知った。
【0005】本発明の目的は、かかる知見に基づき、内
面滑り性に優れた繊維強化樹脂製の中通し釣竿を少ない
工数で製作できるようにすることにある。
面滑り性に優れた繊維強化樹脂製の中通し釣竿を少ない
工数で製作できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る繊維強化樹
脂製中通し釣竿の成形方法は、マンドレル上に細紐状の
ポリテトラフルオロエチレン材をギャップ巻きし、この
細紐巻回マンドレル上に直接繊維強化樹脂材を層状に巻
回、該巻回層の硬化後、マンドレル及び巻回細紐を除去
して硬化層内面を螺旋状溝を有する凹凸面とすることを
特徴とする構成であり、この成形方法に使用する細紐状
のポリテトラフルオロエチレン材には、例えば、ポリテ
トラフルオロエチレンパウダ−を予備圧縮成形しこの成
形品を327℃以上で焼成して得たブロックをフィルム
に切削加工し、該フィルムを細巾に切断した、厚み0.
1mm〜0.6mm、引っ張り強度300kg/cm2
のものが好適である。
脂製中通し釣竿の成形方法は、マンドレル上に細紐状の
ポリテトラフルオロエチレン材をギャップ巻きし、この
細紐巻回マンドレル上に直接繊維強化樹脂材を層状に巻
回、該巻回層の硬化後、マンドレル及び巻回細紐を除去
して硬化層内面を螺旋状溝を有する凹凸面とすることを
特徴とする構成であり、この成形方法に使用する細紐状
のポリテトラフルオロエチレン材には、例えば、ポリテ
トラフルオロエチレンパウダ−を予備圧縮成形しこの成
形品を327℃以上で焼成して得たブロックをフィルム
に切削加工し、該フィルムを細巾に切断した、厚み0.
1mm〜0.6mm、引っ張り強度300kg/cm2
のものが好適である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1の(イ)乃至図1の(ニ)
は本発明に係る中通し釣竿の成形方法の一実施例を示す
図面である。本発明により繊維強化樹脂製中通し釣竿を
製作するには、まず図1の(イ)に示すようにテ−パマ
ンドレル1上に繊維強化樹脂製細紐材2をギャップ巻き
する。この細紐材2には、ポリテトラフルオロエチレン
のモ−ルディングパウダを金型キャビティに入れ圧縮し
て円柱状に一次成形し、この一次成形体をポリテトラフ
ルオロエチレンの融点(327℃)以上の温度で焼結
し、この焼結体を回転させながら刃物を当ててフィルム
状に切削し、このフィルムを細巾にスリットしたものを
使用でき、フィルムの厚さは0.1mm〜0.6mm、
好ましくは、0.3mm〜0.5mmとされる。0.1
mm未満では後述の通り繊維強化樹脂硬化後での細紐材
の引っ張り除去時、破断が生じ易く、0.6mmを越え
ると細紐材の引っ張り除去時での引っ張力が過大となり
竿材のたわみが顕著となって細紐の円滑な除去が難しく
なり、また引っ張り強度300kg/cm2以上の保証が困難
になるからである(前記切削厚みが厚くなるほど切削が
困難になり、フィルムに微細クラック等の欠陥が生じ易
く、張り強度300kg/cm2以上の保証が困難になる)。
このポリテトラフルオロエチレン製細紐材の引っ張り強
度は300kg/cm2以上、曲げ弾性率は4000〜800
0kg/cm2である。
を参照しつつ説明する。図1の(イ)乃至図1の(ニ)
は本発明に係る中通し釣竿の成形方法の一実施例を示す
図面である。本発明により繊維強化樹脂製中通し釣竿を
製作するには、まず図1の(イ)に示すようにテ−パマ
ンドレル1上に繊維強化樹脂製細紐材2をギャップ巻き
する。この細紐材2には、ポリテトラフルオロエチレン
のモ−ルディングパウダを金型キャビティに入れ圧縮し
て円柱状に一次成形し、この一次成形体をポリテトラフ
ルオロエチレンの融点(327℃)以上の温度で焼結
し、この焼結体を回転させながら刃物を当ててフィルム
状に切削し、このフィルムを細巾にスリットしたものを
使用でき、フィルムの厚さは0.1mm〜0.6mm、
好ましくは、0.3mm〜0.5mmとされる。0.1
mm未満では後述の通り繊維強化樹脂硬化後での細紐材
の引っ張り除去時、破断が生じ易く、0.6mmを越え
ると細紐材の引っ張り除去時での引っ張力が過大となり
竿材のたわみが顕著となって細紐の円滑な除去が難しく
なり、また引っ張り強度300kg/cm2以上の保証が困難
になるからである(前記切削厚みが厚くなるほど切削が
困難になり、フィルムに微細クラック等の欠陥が生じ易
く、張り強度300kg/cm2以上の保証が困難になる)。
このポリテトラフルオロエチレン製細紐材の引っ張り強
度は300kg/cm2以上、曲げ弾性率は4000〜800
0kg/cm2である。
【0008】上記細紐材2の巻回において、マンドレル
1の径をr、細紐材2の曲げ弾性率をE、断面二次モ−
メントをI、細紐材2の厚さをh、巾をb、細紐材2の
単位断面積あたりの引っ張力をf、細紐材2に作用する
モ−メントをMとすれば、
1の径をr、細紐材2の曲げ弾性率をE、断面二次モ−
メントをI、細紐材2の厚さをh、巾をb、細紐材2の
単位断面積あたりの引っ張力をf、細紐材2に作用する
モ−メントをMとすれば、
【0009】
【数1】 が成立する。而して、厚さh=0.1〜0.6mm、曲
げ弾性率E=4000〜8000kg/cm2、マンドレル径
r=2mm〜20mmのもとで、fを前記引っ張り強度
以下にでき、マンドレル1に細紐材2を安全張力にて緊
圧状態で巻回できる。
げ弾性率E=4000〜8000kg/cm2、マンドレル径
r=2mm〜20mmのもとで、fを前記引っ張り強度
以下にでき、マンドレル1に細紐材2を安全張力にて緊
圧状態で巻回できる。
【0010】このようにしてマンドレル1に細紐状のポ
リテトラフルオロエチレン材2をギャップ巻きすれば、
更に図1の(ロ)に示すように離型剤を介さずに直接、
繊維強化樹脂材3、例えば炭素繊維(ロ−ビング)強化
ポリエステルプリプレグを巻回し、而るのち、加圧処理
しながら加熱して樹脂を硬化させる。この加熱時、プリ
プレグが一たん溶融状態となるが、マンドレル1と細紐
材2との界面が上記した通り緊圧状態で接触されている
から、この界面への樹脂の侵入を阻止でき、バリの発生
を防止できる。
リテトラフルオロエチレン材2をギャップ巻きすれば、
更に図1の(ロ)に示すように離型剤を介さずに直接、
繊維強化樹脂材3、例えば炭素繊維(ロ−ビング)強化
ポリエステルプリプレグを巻回し、而るのち、加圧処理
しながら加熱して樹脂を硬化させる。この加熱時、プリ
プレグが一たん溶融状態となるが、マンドレル1と細紐
材2との界面が上記した通り緊圧状態で接触されている
から、この界面への樹脂の侵入を阻止でき、バリの発生
を防止できる。
【0011】このようにして繊維強化樹脂材3を硬化さ
せたのちは、図1の(ハ)に示すように、マンドレルを
引き抜き、更に図1の(ニ)に示すように、細紐状のポ
リテトラフルオロエチレン材を引っ張りにより除去し、
これにて本発明に係る中通し釣竿の成形を終了する。
せたのちは、図1の(ハ)に示すように、マンドレルを
引き抜き、更に図1の(ニ)に示すように、細紐状のポ
リテトラフルオロエチレン材を引っ張りにより除去し、
これにて本発明に係る中通し釣竿の成形を終了する。
【0012】上記において、細紐状のポリテトラフルオ
ロエチレン材2と繊維強化樹脂材2との接触界面距離L
は、L=(2h+b)であり、この界面の単位剥離力
(細紐材の引っ張りに対しての単位剥離力)をηとすれ
ば、剥離に要する力Fは、F=η(2h+b)である
(hは細紐の厚さ、bは巾)。而るに、この剥離に要す
る力Fのために細紐に生じる引っ張り応力f’は
ロエチレン材2と繊維強化樹脂材2との接触界面距離L
は、L=(2h+b)であり、この界面の単位剥離力
(細紐材の引っ張りに対しての単位剥離力)をηとすれ
ば、剥離に要する力Fは、F=η(2h+b)である
(hは細紐の厚さ、bは巾)。而るに、この剥離に要す
る力Fのために細紐に生じる引っ張り応力f’は
【0013】
【数2】 であり、細紐材がポリテトラフルオロエチレンからなり
ηが小さく、h≧0.1mm、b≒h(b=0.5h〜
3h程度)のもとでは、このf’を細紐材の前記した引
っ張り強度以下にでき、細紐材の破断を防止できる。
ηが小さく、h≧0.1mm、b≒h(b=0.5h〜
3h程度)のもとでは、このf’を細紐材の前記した引
っ張り強度以下にでき、細紐材の破断を防止できる。
【0014】上記細紐材の除去時に細紐に作用する引っ
張り力F’は、F’=η(2h+b)であり、細紐材が
ポリテトラフルオロエチレンからなりηが小さく、h≦
0.6mm、b≒hのもとでは、このF’を充分に小さ
くでき、マンドレル引き抜き直後の半製品釣竿の垂直荷
重F’による挫屈を排除できて細紐材に引っ張り力を安
定に作用させることができる。
張り力F’は、F’=η(2h+b)であり、細紐材が
ポリテトラフルオロエチレンからなりηが小さく、h≦
0.6mm、b≒hのもとでは、このF’を充分に小さ
くでき、マンドレル引き抜き直後の半製品釣竿の垂直荷
重F’による挫屈を排除できて細紐材に引っ張り力を安
定に作用させることができる。
【0015】従って、本発明に係る繊維強化樹脂製中通
し釣竿の成形方法における細紐材の引っ張り除去に対
し、半製品釣竿の挫屈を排除して引っ張り力を安定に作
用させ得、その引っ張り力に基づく細紐材の引っ張り応
力を細紐材の引っ張り強度以下に抑えて細紐材の破断を
排除できるから、細紐材の引っ張り除去をスム−ズに行
うことができる。なお、上記細紐材の断面形状は中通し
釣竿の内面に形成しようとする螺旋状凸部の形状に応じ
て設定され、矩形、台形、半円形等とすることができ
る。
し釣竿の成形方法における細紐材の引っ張り除去に対
し、半製品釣竿の挫屈を排除して引っ張り力を安定に作
用させ得、その引っ張り力に基づく細紐材の引っ張り応
力を細紐材の引っ張り強度以下に抑えて細紐材の破断を
排除できるから、細紐材の引っ張り除去をスム−ズに行
うことができる。なお、上記細紐材の断面形状は中通し
釣竿の内面に形成しようとする螺旋状凸部の形状に応じ
て設定され、矩形、台形、半円形等とすることができ
る。
【0016】
【実施例】〔実施例〕ポリテトラフルオロエチレンのモ
−ルディング用パウダ−を円柱状に予備成形し、これを
327℃以上で焼成しこの焼成体を切削加工して厚さ
0.4mmのフィルムを得、これを巾0.5mmでスリ
ットして細紐材を作成した。この細紐材の引張り強度は
410kg/cm2、曲げ弾性率は4900kg/cm2
であった。この細紐材をテ−パ−マンドレルに張力0.
5kgでギャップ巻きし、その上に炭素繊維強化樹脂プ
リプレグを巻回し、加圧処理しながら150℃×1時間
で加熱して樹脂を硬化させ、ついでマンドレルを引き抜
き、更に細紐材を引張り除去して(一方の手で竿を持
ち、他方の手で細紐材を引っ張る)最小外径3mm、最
大外径20mm、長さ2.1mの中通し釣竿を製作し
た。中通し釣竿を縦に切断して内面を観察したところ、
螺旋状凸部がバリ等の発生なく良好に成形されていた。
−ルディング用パウダ−を円柱状に予備成形し、これを
327℃以上で焼成しこの焼成体を切削加工して厚さ
0.4mmのフィルムを得、これを巾0.5mmでスリ
ットして細紐材を作成した。この細紐材の引張り強度は
410kg/cm2、曲げ弾性率は4900kg/cm2
であった。この細紐材をテ−パ−マンドレルに張力0.
5kgでギャップ巻きし、その上に炭素繊維強化樹脂プ
リプレグを巻回し、加圧処理しながら150℃×1時間
で加熱して樹脂を硬化させ、ついでマンドレルを引き抜
き、更に細紐材を引張り除去して(一方の手で竿を持
ち、他方の手で細紐材を引っ張る)最小外径3mm、最
大外径20mm、長さ2.1mの中通し釣竿を製作し
た。中通し釣竿を縦に切断して内面を観察したところ、
螺旋状凸部がバリ等の発生なく良好に成形されていた。
【0017】〔比較例1〕フィルムの厚さを0.8m
m、スリット巾を1.0mmとした以外、実施例と同じ
とした。細紐材を引っ張て除去しようとしたが、釣竿が
軸方向荷重で挫屈して引っ張力を安定に作用させ得ず、
除去が困難であった。
m、スリット巾を1.0mmとした以外、実施例と同じ
とした。細紐材を引っ張て除去しようとしたが、釣竿が
軸方向荷重で挫屈して引っ張力を安定に作用させ得ず、
除去が困難であった。
【0018】〔比較例2〕厚さ0.4mm、幅5mmの
ポリエチレンテレフタレ−トフィルム(引張り強度は7
00kg/cm2、曲げ弾性率は24000kg/c
m2)をマンドレルにギャップ巻きし、その上に実施例
と同様にして炭素繊維強化樹脂プリプレグを巻回し、加
圧処理しながら加熱して樹脂を硬化させた。ついでマン
ドレルを引き抜こうとしたが、マンドレルとフィルム巻
回層との間に樹脂が侵入しており、マンドレルを引き抜
くことができなかった。
ポリエチレンテレフタレ−トフィルム(引張り強度は7
00kg/cm2、曲げ弾性率は24000kg/c
m2)をマンドレルにギャップ巻きし、その上に実施例
と同様にして炭素繊維強化樹脂プリプレグを巻回し、加
圧処理しながら加熱して樹脂を硬化させた。ついでマン
ドレルを引き抜こうとしたが、マンドレルとフィルム巻
回層との間に樹脂が侵入しており、マンドレルを引き抜
くことができなかった。
【0019】〔比較例3〕厚さ0.4mm、幅5mmの
テトラフルオロエチレン−パ−フルオロアルキルビニル
エ−テル共重合体フィルムをマンドレルにギャップ巻き
し、その上に実施例と同様にして炭素繊維強化樹脂プリ
プレグを巻回し、加圧処理しながら加熱して樹脂を硬化
させ、マンドレルを引き抜いた。ついで、フィルムを引
張って除去しようとしたが、フィルムが切断してしまい
除去できなかった。
テトラフルオロエチレン−パ−フルオロアルキルビニル
エ−テル共重合体フィルムをマンドレルにギャップ巻き
し、その上に実施例と同様にして炭素繊維強化樹脂プリ
プレグを巻回し、加圧処理しながら加熱して樹脂を硬化
させ、マンドレルを引き抜いた。ついで、フィルムを引
張って除去しようとしたが、フィルムが切断してしまい
除去できなかった。
【0020】〔比較例4〕厚さ0.4mm、幅5mmの
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体フィルムをマンドレルにギャップ巻きし、その上
に実施例と同様にして炭素繊維強化樹脂プリプレグを巻
回し、加圧処理しながら加熱して樹脂を硬化させ、マン
ドレルを引き抜いた。ついで、フィルムを引張って除去
しようとしたが、フィルムが切断してしまい除去できな
かった。
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体フィルムをマンドレルにギャップ巻きし、その上
に実施例と同様にして炭素繊維強化樹脂プリプレグを巻
回し、加圧処理しながら加熱して樹脂を硬化させ、マン
ドレルを引き抜いた。ついで、フィルムを引張って除去
しようとしたが、フィルムが切断してしまい除去できな
かった。
【0021】
【発明の効果】本発明に係る繊維強化樹脂製中通し釣竿
の成形方法によれば、従来例とは異なり、離型剤の塗布
や滑り線材の巻回等の工程を必要とすることなく、内面
を釣糸との接触面積の減少により良滑り性とした繊維強
化樹脂製を容易に製作できる。
の成形方法によれば、従来例とは異なり、離型剤の塗布
や滑り線材の巻回等の工程を必要とすることなく、内面
を釣糸との接触面積の減少により良滑り性とした繊維強
化樹脂製を容易に製作できる。
【図1】本発明に係る繊維強化樹脂製中通し釣竿の成形
方法の作業手順を示す図面である。
方法の作業手順を示す図面である。
【図2】従来の繊維強化樹脂製中通し釣竿の成形法を示
す図面である。
す図面である。
1 マンドレル 2 細紐材 3 繊維強化樹脂材
Claims (3)
- 【請求項1】マンドレル上に細紐状のポリテトラフルオ
ロエチレン材をギャップ巻きし、この細紐巻回マンドレ
ル上に直接、繊維強化樹脂材を層状に巻回し、該巻回層
の硬化後、マンドレル及び巻回細紐を除去して硬化層内
面を螺旋状溝を有する凹凸面とすることを特徴とする繊
維強化樹脂製中通し釣竿の成形方法。 - 【請求項2】請求項1記載の繊維強化樹脂製中通し釣竿
の成形方法に使用する細紐状のポリテトラフルオロエチ
レン材において、厚みを0.1mm〜0.6mm、引っ
張り強度を300kg/cm2とした繊維強化樹脂製中
通し釣竿の成形用剥離性部材。 - 【請求項3】ポリテトラフルオロエチレンの融点℃以上
で焼成加工されている請求項2記載の繊維強化樹脂製中
通し釣竿の成形用剥離性部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4880898A JPH11225623A (ja) | 1998-02-13 | 1998-02-13 | 繊維強化樹脂製中通し釣竿の成形方法及び成形用剥離性部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4880898A JPH11225623A (ja) | 1998-02-13 | 1998-02-13 | 繊維強化樹脂製中通し釣竿の成形方法及び成形用剥離性部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11225623A true JPH11225623A (ja) | 1999-08-24 |
Family
ID=12813519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4880898A Pending JPH11225623A (ja) | 1998-02-13 | 1998-02-13 | 繊維強化樹脂製中通し釣竿の成形方法及び成形用剥離性部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11225623A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120299215A1 (en) * | 2011-05-24 | 2012-11-29 | Lockheed Martin Corporation | Mechanically collapsible shell for long cylinder production |
-
1998
- 1998-02-13 JP JP4880898A patent/JPH11225623A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120299215A1 (en) * | 2011-05-24 | 2012-11-29 | Lockheed Martin Corporation | Mechanically collapsible shell for long cylinder production |
US8834147B2 (en) * | 2011-05-24 | 2014-09-16 | Lockheed Martin Corporation | Mechanically collapsible shell for long cylinder production |
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