JPH042165B2 - - Google Patents

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JPH042165B2
JPH042165B2 JP59098826A JP9882684A JPH042165B2 JP H042165 B2 JPH042165 B2 JP H042165B2 JP 59098826 A JP59098826 A JP 59098826A JP 9882684 A JP9882684 A JP 9882684A JP H042165 B2 JPH042165 B2 JP H042165B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は光フアイバ等の通信用線材を保護担持
するための螺旋スペーサの構造及び製造方法に関
する。 通信用の光フアイバは、その外周をシリコーン
ゴムなどで被覆した素線、またはその外周をさら
に被覆した心線のいずれかまたは双方を複数本集
合してケーブル化したものを敷設使用するる場合
が多い。 この光フアイバをケーブル化するのに一般的に
使用される部材は、スペーサであり、スペーサ
は、光フアイバ素線又は心線を保護し、安定な区
画配列化を図るセパレータ、すなわち、スペーサ
本体と、敷設時または使用中に作用する外力に抗
する機能をもつ抗張力材とを備えている。 このようなスペーサの構造としては抗張力線材
を中芯として配し、その外周には、長手方向に走
る複数の互いに平行な螺旋状溝を有する構造のス
ペーサ本体を配した構造のものが採用されること
が多い。 このような螺旋スペーサとしては、既に種々の
形状構造のものが知られている。このスペーサと
しては熱可塑性樹脂からなるものが奨用されてい
る。また中芯としては、金属線、高強度合成繊
維、繊維強化熱硬化性樹脂硬化物(以下FRPと
称する。)などがあげられるが、この中で、ガラ
ス長繊維を用いたFRPは、その軽量性、高抗張
力性、非電気伝導性、光フアイバと近似した熱膨
張係数及び可撓性など諸般の性質を全体総合して
特に優れた性質を有している。 しかしながら、この種のスペーサにおいても、
中芯とスペーサ本体との引張剪断接着強度につい
ては必ずしも満足できる性能のものが得られるに
至つていない。 すなわち、この種のスペーサが担持している光
フアイバ素線等を保護するためには、スペーサの
抗張力、抗圧縮力及び温度変化に対する安定性等
が十分であることを要し、とくにスペーサ本体と
中芯との引張剪断接着強度ないし接着力が環境温
度変化に十分耐えられるものでなければならな
い。通常の熱可塑性樹脂素材の熱膨張係数を基準
とするとき、外気温の昇降による温度差が40℃で
あるとすれば、上記接着強度が十分大きくないと
接着界面破壊が生じ、補強材である中芯を嵌挿し
た特徴を生かしきれなくなる。 ところが、従来のガラス繊維強化プラスチツク
芯材を中芯にしてその硬化後にスペーサ本体を配
したものでは上記接着力が弱く、せいぜい30Kg/
cm2程度までの強度のものしか得られないのであ
る。 このようにスペーサ本体と中芯の接着力が低い
場合は、光フアイバを螺旋スペーサの溝中に収納
する集合工程においてすら、螺旋状溝が変位する
ため、スペーサ本体と光フアイバとの位相がずれ
て種々のトラブルを起すおそれがあり、また光フ
アイバケーブルとしてて敷設して使用中に外気の
温度変化によつて熱膨張係数が中芯より大きい熱
可塑性樹脂のスペーサ本体が単独に挙動して光フ
アイバに熱応力を与え、マイクロベンデイングに
よる伝送損失の増加を生じさせるなど、光フアイ
バの伝送特性の根本にかかわる問題となりかねな
い。 これらの欠点を解消するため、本発明者は、中
芯の抗張力材をFRPとし、その外周を複数の連
続した互いに平行な螺旋状溝を有する熱可塑性樹
脂スペーサ本体により被覆してなる螺旋スペーサ
において、該中芯FRPとスペーサ本体との接着
強度が向上したもの及びこれを製造する方法を鋭
意検討した結果、ここに本発明に到達した。 すなわち、上記目的を達成する本発明にかかる
螺旋スペーサ及びその製造方法の要旨は、特許請
求の範囲第1,2項にそれぞれ記載のとおりであ
るが、これを要するに、物の発明としては、中芯
とスペーサ本体とが直接に接着することなく、両
者の中間にスペーサ本体との相溶度が高い熱可塑
性樹脂からなる中間層が介在しており、中間層と
中芯との圧力下流動接触により硬化後の中芯表面
が十分大きな引張剪断接着強度を有するアンカー
効果をもつ粗面を呈し、さらに中間層とスペーサ
本体とが殆んど完全に融合した層構造を有するス
ペーサであることを特徴としている。 また、方法の発明は、上記スペーサを製造する
方法であつて、未硬化のFRP中芯材料表面に上
記中間層を形成して冷却固化した後に、これを圧
力下に加熱して中芯樹脂材料を硬化させ、中芯と
中間層の極めて良好な接着状態をもたらし、その
後に中間層と相溶度の高い熱可塑性樹脂材料を押
出成形し被着させて上記スペーサを製造する方法
である。 これを一層詳細に補足説明すると以下のとおり
である。スペーサ本体は、その寸法、断面形状や
溝部の深さなどを問わないが、必ずや外周面に前
述した複数の螺旋状溝を有しなければならない。
その材質は、ケーブル敷設後通常加わる外力に耐
える抗圧縮力を有する熱可塑性樹脂であればよ
く、例えば、各種ナイロン、各種ポリエチレン及
びポリプロピレンのホモポリマ又は共重合体、各
種ABSなどがあるが、これらに限定されるもの
ではない。 中芯は、要求される引張強度などに応じて、単
糸径9〜13ミクロン程度のガラス繊維や芳香族ポ
リアミド繊維からなるロービングの必要本数を集
束したものに、不飽和アルキド樹脂とスチレンな
どの重合性単量体とを含有する混合物すなわち不
飽和ポリエステル樹脂に対して過酸化物系の硬化
用触媒等を数部配合してなる未硬化の熱硬化性樹
脂を含浸して加熱し、架橋硬化させたものが好適
であるが、必ずしも上記の仕様に限定されるもの
でない。 また中間層材料樹脂は、スペーサ本体材料樹脂
と同種のものが最適であるが、異種のものでも両
者の界面が分別困難となるよう溶解度パラメータ
の近似したものであれば、必ずしも同一ないし同
種の樹脂でなくてもよい。 とくに注意すべきは、中芯の樹脂組成物は中間
層で被覆した後に硬化されているため、中芯の表
面が中芯材料を引抜き成形してそのまま硬化した
ものにくらべて粗である点である。一般に、絞り
ダイスにより賦形後、そのまま金型を通して硬化
処理された引抜成形法による中芯は、表面が平滑
であるが、本発明の部材としての中芯は、中間層
で被覆した後、圧力下に加熱され、加圧及びその
後の硬化過程を経て形成されるので、中芯表面が
上記一般の中芯にくらべて粗であり、中間層に対
する十分な係止力を有している。また、上記の方
法をとるため、中芯材料中のスチレン等の重合性
単量体や硬化用触媒である過酸化物などの一部が
中間層中に移行し又は中間層と作用して、中芯と
中間層との界面が、多少架橋された構造となつて
いるとも考えられるが、これは必ずしも確認され
ていない。いずれにせよ、上述の構造のものは、
中芯とスペーサ本体との接着強度が後述のとお
り、従来品にくらべて格段にすぐれているのであ
る。 次に本発明にかかる方法について説明する。従
来この種のスペーサの製法としては、ガラス繊維
ロービングに、不飽和アルキド樹脂に重合性単量
体および必要に応じて触媒などを加えた液状の未
硬化熱硬化性樹脂を含浸した後、絞りダイスによ
り所定の寸法形状に賦形し、加熱された筒状の金
型に挿通して表面を平滑に硬化した後、スペーサ
本体用の熱可塑性樹脂で被覆し成形するのが通例
である。しかしこの製法によるときは、金型での
硬化に時間を要し、このため生産速度を上げるに
は、金型を長くする必要があり、そうすると金型
からの引取抵抗が増大するなどの背反する問題を
含んでいる。 この引取抵抗を小さくするため、金型内面は鏡
面に仕上げられているので、この金型により硬化
して製造された中芯FRPの表面は当然ながら平
滑となり、その外周をスペーサ本体形成用熱可塑
性樹脂により被覆したときは、中芯とスペーサ本
体との引張剪断接着強度が主として該熱可塑性樹
脂を中芯であるFRPの外周に押出して固化する
ときの熱可塑性樹脂の収縮力に依存しているた
め、十分な接着強度が得られない。 しかしながら、本発明の方法は、FRPの中芯
と中間層の熱可塑性樹脂とを高接着強度が得られ
るよう中芯含浸樹脂の未硬化の段階で接触させて
から加圧下で接合処理し、その後にスペーサ本体
形成用の熱可塑性樹脂により所定のスペーサ形状
に賦形しつつ二次被覆するものである。すなわ
ち、本発明の好適な一例では、補強繊維束に液状
熱硬化性樹脂を含浸し、絞りダイスで所定の寸法
形状に賦形した未硬化状物を、クロスヘツドダイ
に挿通して中間層形成用材料である熱可塑性樹脂
により押出し被覆し、該熱可塑性樹脂による被覆
部を冷却した後、加圧下の蒸気あるいは液状熱媒
体により該熱可塑性樹脂の融点付近の温度に加熱
された硬化槽に導入して、中芯の熱硬化性樹脂部
を硬化する。この方法によれば、中間層の熱可塑
性樹脂は、中芯材料である未硬化FRPの硬化に
際し、該熱可塑性樹脂の融点付近の温度にまで昇
温され、しかも、中芯のFRP部との界面は中芯
材料樹脂の硬化時の発熱によりさらに高温とな
り、中間層形成樹脂は溶融状態で加圧下にFRP
部と接着されるので、中芯表面は鏡面化せず、両
者の接着は、いわゆるアンカー効果を有する接着
となり極めて強力なものとなる。 このようにして得られた中芯FRPを中間層の
熱可塑性樹脂により被覆してなる連続細棒状成形
物は、その外径が必ずしも均一ではなく、また
FRP中の繊維のケバなどのため微少凸部を有し
ていたりすることがあるので、必要に応じて所定
寸法形状の整形ダイスに挿通して中間層被覆の表
面を整形して外径を均一化してから、適宜のボビ
ンに捲取つて螺旋スペーサ用の素線とするのが好
ましい。 次に、この螺旋スペーサ用の素線を軸部に円形
の透孔を有するクロスヘツドダイに挿通し、その
透孔の周囲に設けた所定の断面形状の開口を有す
るノズルを回転させながら、前記素線の中間層形
成用被覆樹脂と同種または近似した溶解度パラメ
ータをもつスペーサ本体形成用熱可塑性樹脂を押
出して中芯を被覆し(以下この被覆を二次被覆と
いう。)、所定寸法形状の連続した複数の螺旋状溝
を有するスペーサ本体を形成する。このスペーサ
本体の螺旋のピツチは、二次被覆時の引取速度と
ノズルの回転速度から相対的に決定される。 このようにして得られる本発明による螺旋スペ
ーサは、スペーサ用素線の形成過程において、中
芯のFRP部と中間層を形成する熱可塑性樹脂に
よる被覆部との接着が強固になつており、さらに
素線の外周に前記スペーサ本体形成用熱可塑性樹
脂による螺旋状の二次被覆を行なうので、素線の
外皮の中間層と二次被覆とが、両者の境界におい
て融合接着して一体化される結果、中芯のFRP
部と螺旋状のスペーサ本体部を含めた熱可塑性樹
脂による被覆部との接着は強固に維持される。 以下本発明の実施例および比較例について説明
する。 実施例 1 螺旋スペーサの素線として、単糸径13ミクロン
のガラスロービング5に、スチレンを重合性単量
体として配合した不飽和ポリエステル樹脂(三井
東圧化学製;エスタ−H−8000)とBPO系触媒
を2部添加混合した液状熱硬化性樹脂6を、絞り
ダイス7により2mmの径に整形して中芯1の素材
である中芯材料を得、クロスヘツドダイ8に挿通
して、該中芯材料の外周に高密度ポリエチレン
(三井石油化学製;ハイゼツクス 6300M,MI
0.1,比重0.952)を0.6mmの厚みで環状に押出して
中間層2による一次被覆をし、該一次被覆層を冷
却槽を通して冷却した後、これを蒸気圧3.7Kg/
cm2で140℃に加熱された硬化槽9に導入して硬化
し、さらに一次被覆の中間層の外表面部分を150
℃に加熱し軟化状態にして整形ダイス10A及び
10Bにより整形し、中芯FRP部のガラス含有率が
75重量%、中芯外径2.0mm、一次被覆後の外径3.0
mmの螺旋スペーサ用素線11を得た。この素線1
1を連続的に供給し、ボビン12に捲取つた後、
これをクロスヘツドダイ13に挿通し、ノズル1
4を回転させながら該素線の外周に前記の素線に
使用したものと同一の高密度ポリエチレンを、等
間隔に山径6.4mm、谷径4.0mmの6条の突起を有し
螺旋のピツチが150mmになるよう二次被覆して第
1図に示すスペーサ本体3を成形した。このよう
にして得られた螺旋スペーサ4の引張剪断接着強
度を、次の方法により測定した。すなわち、200
mm長の被測定サンプルの一端から20mmの位置に、
カツターナイフにより螺旋スペーサ本体および中
間層を形成する熱可塑性樹脂層の厚み部分に線刻
を施し、その後に、螺旋スペーサ本体を形成する
熱可塑性樹脂と同一の樹脂をシート状に押出し
て、サンプルの両端部約18mmを含めて両側に各々
約50mmの測定用把持部が形成されるように溶融接
着する。このように調整し準備したサンプルにつ
き、5mm/分の速度で長さ方向の引張試験を行な
い、前述の20mmの長さについての引張剪断接着強
力を求め、この強力をFRP外周の周面積で除し
て接着強度を測定した。 この測定方法による接着強度は、144Kg/cm2
あつた。 また、この螺旋スペーサの中芯FRP部とスペ
ーサ本体との接着の耐久性を見るため、長さ400
mmの螺旋スペーサのサンプルを−30℃,+60℃の
雰囲気中に、各1時間づつ交互に放置することを
30回繰返すヒートサイクルテストを行つた。その
結果、サンプルの両端面において、中芯のFRP
部と被覆熱可塑性樹脂層との相対的な寸法変化は
全く認められず、このヒートサイクルテスト後の
サンプルを再度測定した接着強度も144Kg/cm2
あつてヒートサイクルテスト前の強度と全く変わ
りがなく、この螺旋スペーサの中芯とスペーサ本
体との接着は上記のようなヒートサイクルテスト
によつても損われないことが確認された。 実施例 2 実施例1と同一のガラスロービング及び熱硬化
性樹脂を使用し、絞りダイスにより1mmの径に成
形し、直鎖状低密度ポリエチレン(日本ユニカー
製;GRSN−7047,MI 1.0,比重0.918)を0.5mm
の厚みで押出して一次被覆し、実施例1と同じ条
件で冷却し加熱硬化した後、整形して、一次被覆
の外径1.8mmの螺旋スペーサ用素線を得た。この
素線の外周に、高密度ポリエチレン(昭和電工
製;シヨウレツクス5300W,MI 0.30,比重
0.949)を、等間隔に山径5.2mm、谷径3.8mmの4条
の突起を有し螺旋のピツチが100mmになるように
二次被覆してスペーサ本体を形成した。こうして
得られた螺旋スペーサの上記接着強度は106Kg/
cm2であり、実施例1と同様のヒートサイクルのテ
ストを行つたが、中芯FRP部と熱可塑性樹脂に
よるスペーサ本体との接着状態の変化は全く認め
られなかつた。 実施例 3 補強用繊維として、芳香族ポリアミド繊維(デ
ユポン社製;Kevler 49,1420デニール)に、不
飽和ポリエステル樹脂(日本ユピカ製;3464)お
よび実施例1と同じ触媒を配合した熱硬化性樹脂
を含浸させ、絞りダイスにより外径3mmに成形し
て、その外周にウレタン変性ABS樹脂(宇部サ
イコン製;440,MI 1.5,比重1.107)を0.8mmの
厚みで環状に押出して一次被覆し、該一次被覆を
冷却した後、飽和蒸気圧で150℃に加熱された加
圧下の硬化槽に導入して硬化し、FRP部の繊維
含有率が65重量%、外径3.0mm、一次被覆の外径
4.6mmの螺旋スペーサ用素線を得た。この素線を
連続的に供給して、この外周に一次被覆に使用し
たものと同一の変性ABS樹脂により、等間隔の
山径15mm、谷径7mm、リブ厚み2mmの6条の突起
を有し螺旋のピツチが300mmになるように二次被
覆した。得られた螺旋スペーサの中芯FRP部と
スペーサ本体の上記接着強度は152Kg/cm2であつ
た。また、前の実施例と同じ方法でヒートサイク
ルテストを行つたが、その結果、サンプル両端に
おける中芯FRPの飛び出しは全くなく、また上
記接着強度の低下も認められなかつた。 実施例 4 実施例1と同一の構成および条件で、未硬化中
芯FRPを環状に被覆成形した後、該被覆を冷却
固化し、硬化槽の熱媒として加圧水を使用して、
140℃で4Kg/cm2の圧力下に加熱硬化した。その
後一次被覆の熱可塑性樹脂を150℃で整形して、
外径3mmの螺旋スペーサ用素線を得た。この素線
を連続的に供給し、その外周に一次被覆と同一の
HDPEを、等間隔に山径6.4mm、谷径4.0mmの6条
の突起を有し螺旋のピツチが150mmになるよう二
次被覆して、スペーサ本体を成形した。この螺旋
スペーサの前記接着強度は、142Kg/cm2であり、
ヒートサイクルテスト後においても、中芯FRP
と熱可塑性樹脂層の接着状態の変化は認められな
かつた。 比較例 1 実施例1と同じガラスロービングに、実施例1
と同一組成の熱硬化性樹脂を含浸させて絞りダイ
スにより2mmの径に成形し、これを内径2mm、長
さ50cmの内面を鏡面仕上げした円筒金型に通し、
外部より赤外線ヒータにより140℃に加熱して60
cm/分の速度で硬化し、FRP部のガラス含有率
が75重量%、外径2mmの螺旋スペーサ用素線を作
つた。この素線を連続的に供給して、実施例1と
同一の樹脂により同一条件、同一形状にスペーサ
本体を被覆して、螺旋スペーサを得た。この螺旋
スペーサの中芯FRPとスペーサ本体の前記接着
強度は、30Kg/cm2しかなく、前実施例と同一のヒ
ートサイクルテストを行なつたところ、サンプル
の両端からFRP部が3.4mmとび出しており、螺旋
のピツチも乱れていた。 比較例 2 比較例1と同一の条件で硬化工程を経た中芯
FRPに、中間層およびスペーサ本体を実施例1
と同一の条件で同一形状に被覆した螺旋スペーサ
を得た。この螺旋スペーサにおける前記接着強度
は25Kg/cm2しかなく、ヒートサイクルテスト後の
サンプルの両端にはFRPが3.7mmとび出しており、
螺旋のピツチも乱れていた。 以上の実施例と比較例の各材料および寸法など
の構成ならびに前述の方法により測定した上記接
着強度およびヒートサイクルテスト結果、試料長
150mmのサンプルを2mm/分の速度で引張試験を
行つた結果にもとづく引張強度および引張弾性率
をまとめて示すと、第1表のとおりである。
【表】
【表】 以上実施例および比較例について説明したが、
中芯FRPの一次被覆および二次被覆に使用する
熱可塑性樹脂は、螺旋スペーサのスペーサ本体と
して要求される耐圧縮強度などに応じて選択すれ
ばよく、また、一次被覆と二次被覆の上記接着力
を大きくするため、同一もしくは同種の樹脂が望
ましいが、両被覆樹脂間の化学的接着力が良好な
ものであれば、異種材料を使用してもよい。 すなわち、本発明は、中芯のFRP部を中間層
を形成するる熱可塑性樹脂により一次被覆してな
る素線と、該素線の外周に螺旋状の二次被覆を施
して形成したスペーサ本体との結合構造からなる
ものであるが、中芯のFRP部とスペーサ本体で
ある熱可塑性樹脂からなる螺旋状部との接着強度
は、中間層である一次被覆層とスペーサ本体とし
ての二次被覆層との融合接着および中芯FRPの
表面と中間層の両者が流動状態にある間の圧着に
より形成された粗面境界層を介して発現されてい
るのであつて、上述した接着構造およびこれを現
出する上記工程が発明構成の重要な要件となる。 つぎに、中芯FRPと一次被覆熱可塑性樹脂の
前記の接着性と硬化条件との関係について、前述
した実験とは別の実験結果をもとにさらに補足説
明する。実験はつぎの方法によつた。 すなわち、未硬化の中芯FRPを熱可塑性樹脂
により一次被覆後、一次被覆を冷却固化し、その
後に硬化槽に導入して加熱硬化するに際し、硬化
条件として、硬化槽内の圧力、温度を変化させて
硬化させた各種サンプルの接着強度を測定した。
より具体的に説明すれば、補強繊維として単糸径
13ミクロンのガラスロービングに、不飽和アルキ
ド樹脂とスチレンを重合性単量体とする不飽和ポ
リエステル樹脂(三井東圧化学製;H−8000)に
対し過酸化物系触媒を2部添加してなる熱硬化性
樹脂を含浸させた後、これを絞りダイスにより外
径2mm、ガラス含有率が75重量%の未硬化の細棒
状に成形し、その後クロスヘツドダイに挿通し
て、直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPEと
称する。)(日本ユニカー製;GRSN−7047,MI
1.0,比重0.918)で厚さ1mmに環状に被覆した
後、該被覆部を水冷固化し、蒸気、加圧水、シリ
コーンオイルの各々を熱媒体として、圧力および
温度を変化させた硬化槽に導入し加熱硬化させて
得たLLDPE被覆FRPサンプルにつき、つぎの方
法により前記接着強度を測定した。 まず、長さ200mmの測定用サンプルの一端から
20mmの位置に、カツターナイフにより熱可塑性樹
脂による被覆部の厚み全層に線刻を施し、その他
は実施例1に記載した方法により測定用把持部を
形成し、その後実施例1と同一の条件で測定し
た。 この、硬化条件と接着強度に関する実験の結果
を第2表に示す。
【表】
【表】 第2表から硬化条件と接着強度の関係をみる
と、熱媒体を蒸気としたときは、140℃および150
℃において、最大の接着強度が得られている。蒸
気を熱媒体とする実験では、温度を変化させるた
めに、蒸気圧を必然的に変えているので、実験だ
けから温度と圧力の何れが接着強度により多く影
響するかを知ることはできないが、シリコーンオ
イルを140℃に加熱し常圧下で硬化させたときは、
スチレン(重合性単量体)が気化し、軟化状態に
あるLLDPE被覆を破り、著しく形状が不良とな
るのみならず、硬化後のFRPも多孔質状となり、
引張破断強度及び引張弾性率などの物性も低下し
て、螺旋スペーサの素線には供し得ないものとな
る。 ところが、これと比較して、熱媒として加圧水
を用い、4Kg/cm2の加圧下で140℃で硬化したと
きは形状も良好であり、接着強度も蒸気による
140℃の値に近似している。このことから、硬化
工程で加えられる圧力は硬化時のスチレン(重合
性単量体)の気化を防いでおり、未硬化の中芯
FRPと熱可塑性樹脂の双方を流動状態で加圧接
触させることによつて、未硬化FRP層の熱硬化
反応が進行中もこの接触状態が維持もしくは促進
されて、アンカー効果的接着構造の具現に役立つ
ていると考えられる。 この中芯FRP表面と中間層の両者とも流動状
態にある間の圧着により形成された本発明特有の
境界面の形態は、得られた螺旋スペーサもしくは
螺旋スペーサ素線の中芯FRP表面を観察するこ
とによつても確認される。すなわち、本発明に用
いる中芯材料の表面形状と比較例1の中芯材料の
表面形状とを比較するため、それぞれの中芯表面
を、100倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真で観
察すると、本発明による中芯FRPの表面は、従
来の一般の引抜成形品のそれに比較して、著しい
粗面が形成されており、この粗面により、中間層
の熱可塑性樹脂に対する十分な係止力を伴つたア
ンカー効果的接着構造が具現されている。なお、
この観察に供したサンプルは、前述の各螺旋スペ
ーサをキシレン溶液中に浸漬して、熱可塑性樹脂
層のみ溶解することにより、FRP表面部分を露
出させて得たものである。 なお、一般的に言つて、熱可塑性樹脂として硬
度の高いものを用いた場合は、アンカー効果的接
着構造を呈してている凹凸界面を変形させるのに
要するエネルギーが大となるためか接着強度が大
となる傾向があるので、この点とスペーサ本体と
しての抗圧縮力を勘案して材料樹脂を選択するの
が好ましい。 また、必須ではないが中芯のFRP部を熱可塑
性樹脂により一次被覆し、硬化した後に該一次被
覆表面を整形して外径を均一化したものを素線と
するときは、この整形を施さない場合の不利益、
すなわち、外径が不均一のため、スペーサ本体形
成のための二次被覆に際して中芯のFRP部が中
央に配置されなくなる芯ずれの現象および一次被
覆表面が透孔ガイドに引つかかり操業が円滑にい
かなくなる現象ならびに螺旋スペーサとしての最
終形状が不均一になる結果を防止できる。 以上詳細に説明したとおり、本発明による通信
用線材担持用螺旋スペーサは、抗張力材としての
中芯FRP部と熱可塑性樹脂によるスペーサ本体
との接着が極めて強固であるため、光フアイバを
螺旋状溝に配列するケーブル化工程、あるいはケ
ーブル化後の敷設ならびに敷設後の使用状態にお
いて、該光フアイバの保護および担持の機能を十
分に発揮する信頼度が極めて高いものであり、非
金属性を要求される分野や可動通信索など可撓性
が要求される分野での通信用線材担持用螺旋スペ
ーサとして極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る螺旋スペーサの一実施例
を示す断面図、第2図は上記スペーサの斜視図、
第3図は本発明による螺旋スペーサ用素線の製造
方法、第4図は本発明による螺旋スペーサ製造方
法をそれぞれ実施する一実施態様を示す概略図で
ある。 1…中芯、2…中間層、3…スペーサ本体、4
…螺旋スペーサ、5…ロービング、6…熱硬化性
樹脂、7…絞りダイス、8…クロスヘツドダイ、
9…硬化槽、10A,B…整形ダイス、11…素
線、12…ボビン、13…クロスヘツドダイ、1
4…ノズル。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 繊維強化熱硬化性樹脂硬化物からなる細棒状
    中芯と、この中芯を囲繞する熱可塑性樹脂からな
    る中間層と、この中間層との相溶度が大きい熱可
    塑性樹脂からなり外周に長手方向に延び互いに平
    行な複数の螺旋状溝を備えたスペーサ本体とが一
    体に結合され、上記スペーサ本体内周と中間層外
    周とは融合し、上記中間層内周と中芯外周との境
    界が少なくとも両者の圧力下流動接触によるアン
    カー接着構造を有することを特徴とする通信用線
    材担持用螺旋スペーサ。 2 補強繊維束に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸さ
    せた細棒状の中芯材を、溶融した熱可塑性樹脂で
    被覆し、これを冷却して該熱可塑性樹脂を固化
    し、続いて硬化槽内において加圧下に加熱し、中
    芯の未硬化樹脂を硬化させつつ上記中芯と熱可塑
    性樹脂とを密着させて補強用素線を得た後、上記
    素線の外周部面に、上記熱可塑性樹脂との相溶度
    が大きい溶融した熱可塑性樹脂材料を、上記素線
    の長手方向に走る複数の平行螺旋状溝を形成する
    よう被覆して、上記素線を構成する熱可塑性樹脂
    の外周部面とこれを被覆する熱可塑性樹脂の内周
    部面とを融合接着し一体化させることを特徴とす
    る通信用線材担持用螺旋スペーサの製造方法。
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