JPH11170384A - 繊維強化樹脂中通し釣竿製造用剥離性テ−プ - Google Patents
繊維強化樹脂中通し釣竿製造用剥離性テ−プInfo
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- JPH11170384A JPH11170384A JP9356306A JP35630697A JPH11170384A JP H11170384 A JPH11170384 A JP H11170384A JP 9356306 A JP9356306 A JP 9356306A JP 35630697 A JP35630697 A JP 35630697A JP H11170384 A JPH11170384 A JP H11170384A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】マンドレルに剥離性テ−プを一層にてギャップ
巻きし、その上に樹脂含浸繊維材を巻回し、含浸樹脂の
硬化後、マンドレル及び剥離性テ−プを除去して内面に
螺旋凸状を有する中通し釣竿の製造に使用する場合、欠
損のない整然とした螺旋状凸状を容易に成形できる剥離
性テ−プを提供する。 【解決手段】厚さが0.2〜0.6mm、引張り強度が
500kg/cm2以上、弾性率が15000kg/c
m2以下であり、金属箔11と合成樹脂層12との積層
体で実施する。
巻きし、その上に樹脂含浸繊維材を巻回し、含浸樹脂の
硬化後、マンドレル及び剥離性テ−プを除去して内面に
螺旋凸状を有する中通し釣竿の製造に使用する場合、欠
損のない整然とした螺旋状凸状を容易に成形できる剥離
性テ−プを提供する。 【解決手段】厚さが0.2〜0.6mm、引張り強度が
500kg/cm2以上、弾性率が15000kg/c
m2以下であり、金属箔11と合成樹脂層12との積層
体で実施する。
Description
【0001】本発明は繊維強化樹脂製の中通し釣竿の製
造に使用する剥離性テ−プに関するものである。
造に使用する剥離性テ−プに関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化樹脂製の中通し釣竿として、図
3に示すように内面に螺旋状の凸状(高さ0.2〜0.
6mm程度)a’を成形すると共にこの螺旋状凸状a’
に沿い滑りの良い線材3’(例えば、炭化珪素等のセラ
ミックス線材)を半埋状態で固着したものが公知であ
る。この繊維強化樹脂製中通し釣竿を製造するには、図
4に示すようにテ−パ−マンドレル2’に断面台形の剥
離性テ−プ1’を一層ギャップ巻きし、螺旋ギャップ内
にセラミックス線材3’を巻き込み、ついでその上に樹
脂含浸繊維材4’、例えばポリエステルプリプレグを巻
回し、含浸樹脂を加熱により硬化させた後、マンドレル
を引き抜き、更に剥離性テ−プを引張り除去している。
上記樹脂の硬化により、繊維強化樹脂層と剥離性テ−プ
とが相当に大なる強度で接着されるので(通常200〜
1000g/cm程度)、剥離性テ−プにはかかる強度
以上の引張り強度を有するテ−プを使用する必要があ
る。而るに、汎用剥離テ−プであるポリテトラフルオロ
エチレンテ−プでは、この引張り強度の要件を充足させ
難く、ポリエチレンテレフタレ−トテ−プの使用が検討
されている。
3に示すように内面に螺旋状の凸状(高さ0.2〜0.
6mm程度)a’を成形すると共にこの螺旋状凸状a’
に沿い滑りの良い線材3’(例えば、炭化珪素等のセラ
ミックス線材)を半埋状態で固着したものが公知であ
る。この繊維強化樹脂製中通し釣竿を製造するには、図
4に示すようにテ−パ−マンドレル2’に断面台形の剥
離性テ−プ1’を一層ギャップ巻きし、螺旋ギャップ内
にセラミックス線材3’を巻き込み、ついでその上に樹
脂含浸繊維材4’、例えばポリエステルプリプレグを巻
回し、含浸樹脂を加熱により硬化させた後、マンドレル
を引き抜き、更に剥離性テ−プを引張り除去している。
上記樹脂の硬化により、繊維強化樹脂層と剥離性テ−プ
とが相当に大なる強度で接着されるので(通常200〜
1000g/cm程度)、剥離性テ−プにはかかる強度
以上の引張り強度を有するテ−プを使用する必要があ
る。而るに、汎用剥離テ−プであるポリテトラフルオロ
エチレンテ−プでは、この引張り強度の要件を充足させ
難く、ポリエチレンテレフタレ−トテ−プの使用が検討
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者において、ポリエチレンテレフタレ−トテ−プを使用
して上記繊維強化樹脂製中通し釣竿(螺旋状凸状の高さ
は0.4mm)を製造し、切断して内面を観察したとこ
ろ、螺旋状凸状が局部的に欠損し、その箇所でセラミッ
クス線材が中通し釣竿内面から脱離しているものが多く
観られた。かかる製品では、釣糸の挿通抵抗の低減によ
る軽快な繰り出し・巻取りは到底期待できない。そこ
で、本発明者において上記欠陥の原因を究明したとこ
ろ、マンドレルと巻き付けポリエチレンテレフタレ−ト
テ−プとの間に隙間が発生し、その隙間に樹脂含浸繊維
材の樹脂が加熱硬化時に流入し、この流入硬化樹脂がポ
リエチレンテレフタレ−トテ−プの引張り除去時に引き
ちぎられてその流入硬化樹脂の根本箇所の螺旋状凸状部
分の表面が欠除されるためであると推定される。
者において、ポリエチレンテレフタレ−トテ−プを使用
して上記繊維強化樹脂製中通し釣竿(螺旋状凸状の高さ
は0.4mm)を製造し、切断して内面を観察したとこ
ろ、螺旋状凸状が局部的に欠損し、その箇所でセラミッ
クス線材が中通し釣竿内面から脱離しているものが多く
観られた。かかる製品では、釣糸の挿通抵抗の低減によ
る軽快な繰り出し・巻取りは到底期待できない。そこ
で、本発明者において上記欠陥の原因を究明したとこ
ろ、マンドレルと巻き付けポリエチレンテレフタレ−ト
テ−プとの間に隙間が発生し、その隙間に樹脂含浸繊維
材の樹脂が加熱硬化時に流入し、この流入硬化樹脂がポ
リエチレンテレフタレ−トテ−プの引張り除去時に引き
ちぎられてその流入硬化樹脂の根本箇所の螺旋状凸状部
分の表面が欠除されるためであると推定される。
【0004】本発明の目的は、マンドレルに剥離性テ−
プを一層ギャップ巻きし、その上に樹脂含浸繊維材を巻
回し、含浸樹脂の硬化後、マンドレル及び剥離性テ−プ
を除去して内面に螺旋凸状を有する中通し釣竿の製造に
使用する場合、欠損のない整然とした螺旋状凸状を容易
に成形できる剥離性テ−プを提供することにある。
プを一層ギャップ巻きし、その上に樹脂含浸繊維材を巻
回し、含浸樹脂の硬化後、マンドレル及び剥離性テ−プ
を除去して内面に螺旋凸状を有する中通し釣竿の製造に
使用する場合、欠損のない整然とした螺旋状凸状を容易
に成形できる剥離性テ−プを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る繊維強化樹
脂中通し釣竿製造用剥離性テ−プは、マンドレルに剥離
性テ−プの一層をギャップ巻きし、その上に樹脂含浸繊
維材を巻回し、含浸樹脂の硬化後、マンドレル及び剥離
性テ−プを除去して内面に螺旋凸状を有する中通し釣竿
の製造に使用する前記剥離性テ−プであり、厚さが0.
2〜0.6mm、引張り強度が500kg/cm2以
上、弾性率が15000kg/cm2以下であることを
特徴とする構成であり、この機械的物性は、金属箔と合
成樹脂層との積層によって容易に得ることができる。
脂中通し釣竿製造用剥離性テ−プは、マンドレルに剥離
性テ−プの一層をギャップ巻きし、その上に樹脂含浸繊
維材を巻回し、含浸樹脂の硬化後、マンドレル及び剥離
性テ−プを除去して内面に螺旋凸状を有する中通し釣竿
の製造に使用する前記剥離性テ−プであり、厚さが0.
2〜0.6mm、引張り強度が500kg/cm2以
上、弾性率が15000kg/cm2以下であることを
特徴とする構成であり、この機械的物性は、金属箔と合
成樹脂層との積層によって容易に得ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。図1は本発明に係る剥離
性テ−プの一例を示し、断面形状を台形としてある。図
1において、11は金属箔であり、ステンレス鋼、錫、
アルミニウム、銅、黄銅等を使用できる。12は合成樹
脂層(通常、合成樹脂シ−トを使用する)であり、弾性
率(曲げ弾性率)が弾性率が15000kg/cm2以
下で、かつ後述の中通し釣竿の加熱硬化温度で形状を保
持し得る(形状保持性)合成樹脂を使用してある。この
形状保持性は、幅20mmの試料が荷重15g/mm2
のもとで速度1℃/minにて昇温したときに破断する
温度(ゼロ強度温度と称する)が150℃以上であれば
充足できる。かかる形状保持性と前記弾性率を充足する
合成樹脂としては、架橋ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリビニルアルコ−ル、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、軟質ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン・パ−フルオロアルキルビ
ニルエ−テル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体等を挙げることができ
る。
実施の形態について説明する。図1は本発明に係る剥離
性テ−プの一例を示し、断面形状を台形としてある。図
1において、11は金属箔であり、ステンレス鋼、錫、
アルミニウム、銅、黄銅等を使用できる。12は合成樹
脂層(通常、合成樹脂シ−トを使用する)であり、弾性
率(曲げ弾性率)が弾性率が15000kg/cm2以
下で、かつ後述の中通し釣竿の加熱硬化温度で形状を保
持し得る(形状保持性)合成樹脂を使用してある。この
形状保持性は、幅20mmの試料が荷重15g/mm2
のもとで速度1℃/minにて昇温したときに破断する
温度(ゼロ強度温度と称する)が150℃以上であれば
充足できる。かかる形状保持性と前記弾性率を充足する
合成樹脂としては、架橋ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリビニルアルコ−ル、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、軟質ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン・パ−フルオロアルキルビ
ニルエ−テル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体等を挙げることができ
る。
【0007】上記剥離性テ−プの総厚さは、後述の繊維
強化樹脂製中通し釣竿の内面の螺旋状凸状の高さに合わ
せて0.2〜0.6mmとされる。本発明に係る剥離性
テ−プにおいては、後述の螺旋状凸状の高さ0.2〜
0.6mmの繊維強化樹脂製中通し釣竿を良品質で、か
つ容易に製造するために、引張り強度を500kg/c
m2以上、弾性率を15000kg/cm2以下としてあ
る。上記において、金属箔の厚さは全厚さの約5〜10
%(厚さにして、0.03mm〜0.1mm)としてあ
り、上記引張り強度500kg/cm2以上の要件はほ
ぼ金属箔で与えられ、弾性率15000kg/cm2以
下の要件はほぼ合成樹脂層で与えられる。すなわち、曲
げ易さ(曲げ剛性)が厚みの3乗と弾性率との積で与え
られるから、上記積層剥離性テ−プの曲げ弾性率は、厚
みが全体の約90%を占める合成樹脂層の弾性率でほぼ
定まってしまう。また、上記積層剥離性テ−プにおい
て、金属箔の弾性率をE1、厚さをt1、合成樹脂層の弾性
率をE2、厚さをt2とすれば、金属箔が引張り力を支承す
る割合はE1t1/(E1t1+E2t2)であり、E1がE2に較べ数オ
−ダ高く引張り力の大部分が金属箔で支承されるから、
上記積層剥離性テ−プの引張り強度は金属箔の引張り強
度でほぼ定まってしまう。
強化樹脂製中通し釣竿の内面の螺旋状凸状の高さに合わ
せて0.2〜0.6mmとされる。本発明に係る剥離性
テ−プにおいては、後述の螺旋状凸状の高さ0.2〜
0.6mmの繊維強化樹脂製中通し釣竿を良品質で、か
つ容易に製造するために、引張り強度を500kg/c
m2以上、弾性率を15000kg/cm2以下としてあ
る。上記において、金属箔の厚さは全厚さの約5〜10
%(厚さにして、0.03mm〜0.1mm)としてあ
り、上記引張り強度500kg/cm2以上の要件はほ
ぼ金属箔で与えられ、弾性率15000kg/cm2以
下の要件はほぼ合成樹脂層で与えられる。すなわち、曲
げ易さ(曲げ剛性)が厚みの3乗と弾性率との積で与え
られるから、上記積層剥離性テ−プの曲げ弾性率は、厚
みが全体の約90%を占める合成樹脂層の弾性率でほぼ
定まってしまう。また、上記積層剥離性テ−プにおい
て、金属箔の弾性率をE1、厚さをt1、合成樹脂層の弾性
率をE2、厚さをt2とすれば、金属箔が引張り力を支承す
る割合はE1t1/(E1t1+E2t2)であり、E1がE2に較べ数オ
−ダ高く引張り力の大部分が金属箔で支承されるから、
上記積層剥離性テ−プの引張り強度は金属箔の引張り強
度でほぼ定まってしまう。
【0008】図1において、13は接着剤層であり、例
えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチル
アクリレ−ト共重合体のホットメルト接着剤を使用でき
る。上記金属箔の接着性を高めるために、金属箔表面に
アルカリ等による脱脂処理を施したのち、シラン系カッ
プリング剤、チタン系カップリング剤等によるプライマ
−処理を施すことができる。また、合成樹脂層がフッ素
樹脂のような非接着性材料の場合、合成樹脂シ−トの片
面をスパッタエッチング処理やコロナ処理等の易接着化
処理を施した後、ラミネ−タによりホットメルト接着剤
で貼り合わせることができる。
えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチル
アクリレ−ト共重合体のホットメルト接着剤を使用でき
る。上記金属箔の接着性を高めるために、金属箔表面に
アルカリ等による脱脂処理を施したのち、シラン系カッ
プリング剤、チタン系カップリング剤等によるプライマ
−処理を施すことができる。また、合成樹脂層がフッ素
樹脂のような非接着性材料の場合、合成樹脂シ−トの片
面をスパッタエッチング処理やコロナ処理等の易接着化
処理を施した後、ラミネ−タによりホットメルト接着剤
で貼り合わせることができる。
【0009】本発明に係る剥離性テ−プは繊維強化樹脂
製の中通し釣竿の製造に使用され、上記合成樹脂層の樹
脂含浸繊維材に対する接着力を低くするほど、後述する
剥離性テ−プの引張り除去をスム−ズに行うことができ
るから、その接着力を100g/cm以下とすることが
好ましい。而して、合成樹脂層に離型剤を添加したり、
合成樹脂層外面に離型剤を塗布することが好ましい。本
発明に係る剥離性テ−プを用いて繊維強化樹脂製の中通
し釣竿を製造するには、図2において、まず、本発明に
係る剥離性テ−プ1をテ−パ−マンドレル2に金属箔1
1を内側に向けて螺旋状にギャップ巻きする。この場
合、マンドレルの径をr、剥離性テ−プの曲げ剛性をE
I(Eは弾性率、Iは断面二次モ−メントであり、I=
bt3/12,t=剥離性テ−プの厚さ,b=剥離性テ
−プの幅)とすれば、Eを曲げ径rで曲げるのに必要な
曲げ外力mは m=EI/r で与えられ、剥離性テ−プをマンドレル上に非接触箇所
を残すことなく全内周面をマンドレルに緊圧させて巻き
付けるのに必要な曲げ外力Mは、mより大であり、 M≫EI/r を充たす必要がある。而るに、本発明に係る剥離性テ−
プ1においては、金属箔11と合成樹脂層12との積層
で構成してあり、合成樹脂層の厚みを金属箔の10倍程
度にすることにより剥離性テ−プの弾性率Eをほぼ合成
樹脂の低弾性率に設定できるから、上記の要件を容易
に充足させて剥離性テ−プをマンドレル上に密着させて
巻き付けることができる。
製の中通し釣竿の製造に使用され、上記合成樹脂層の樹
脂含浸繊維材に対する接着力を低くするほど、後述する
剥離性テ−プの引張り除去をスム−ズに行うことができ
るから、その接着力を100g/cm以下とすることが
好ましい。而して、合成樹脂層に離型剤を添加したり、
合成樹脂層外面に離型剤を塗布することが好ましい。本
発明に係る剥離性テ−プを用いて繊維強化樹脂製の中通
し釣竿を製造するには、図2において、まず、本発明に
係る剥離性テ−プ1をテ−パ−マンドレル2に金属箔1
1を内側に向けて螺旋状にギャップ巻きする。この場
合、マンドレルの径をr、剥離性テ−プの曲げ剛性をE
I(Eは弾性率、Iは断面二次モ−メントであり、I=
bt3/12,t=剥離性テ−プの厚さ,b=剥離性テ
−プの幅)とすれば、Eを曲げ径rで曲げるのに必要な
曲げ外力mは m=EI/r で与えられ、剥離性テ−プをマンドレル上に非接触箇所
を残すことなく全内周面をマンドレルに緊圧させて巻き
付けるのに必要な曲げ外力Mは、mより大であり、 M≫EI/r を充たす必要がある。而るに、本発明に係る剥離性テ−
プ1においては、金属箔11と合成樹脂層12との積層
で構成してあり、合成樹脂層の厚みを金属箔の10倍程
度にすることにより剥離性テ−プの弾性率Eをほぼ合成
樹脂の低弾性率に設定できるから、上記の要件を容易
に充足させて剥離性テ−プをマンドレル上に密着させて
巻き付けることができる。
【0010】このようにしてマンドレル2に剥離性テ−
プ1をギャップ巻きすれば、その螺旋状ギャップにセラ
ミックス線材3を巻き込み、更にその直上に樹脂含浸繊
維材4、例えば、ポリエステル樹脂をB状態で含有した
炭素繊維材(以下、CFRPプリプレグと称す)を巻回し、
而るのち、加熱して樹脂を硬化させる。この加熱によ
り、含浸樹脂が一旦溶融するが、巻付け剥離性テ−プ1
とマンドレル2との間へは、その間の緊着接触のために
溶融樹脂の流入はなく、巻付け剥離性テ−プの螺旋状ギ
ャツプaが溶融樹脂で埋められる。
プ1をギャップ巻きすれば、その螺旋状ギャップにセラ
ミックス線材3を巻き込み、更にその直上に樹脂含浸繊
維材4、例えば、ポリエステル樹脂をB状態で含有した
炭素繊維材(以下、CFRPプリプレグと称す)を巻回し、
而るのち、加熱して樹脂を硬化させる。この加熱によ
り、含浸樹脂が一旦溶融するが、巻付け剥離性テ−プ1
とマンドレル2との間へは、その間の緊着接触のために
溶融樹脂の流入はなく、巻付け剥離性テ−プの螺旋状ギ
ャツプaが溶融樹脂で埋められる。
【0011】樹脂の硬化終了後は、マンドレル2を引き
抜き、更に剥離性テ−プ1を引張って除去する。この剥
離性テ−プ1の引張り除去において、剥離性テ−プ1と
マンドレル2との間に硬化樹脂が存在せず、しかも硬化
した繊維強化樹脂と剥離性テ−プとの接着力を低くし、
かつ金属箔の積層により剥離性テ−プの引張り強度を充
分に高くしてあるから、硬化樹脂を引きちぎるようなこ
となく剥離性テ−プを充分に低い引張り力でスム−ズに
除去できる。従って、中通し釣竿の内面に螺旋状凸状を
欠損なく整然と成形し得ると共にこの螺旋状凸状にセラ
ミックス線材を半埋状態で固着できる。このことは次の
実施例と比較例との対比からも確認できる。
抜き、更に剥離性テ−プ1を引張って除去する。この剥
離性テ−プ1の引張り除去において、剥離性テ−プ1と
マンドレル2との間に硬化樹脂が存在せず、しかも硬化
した繊維強化樹脂と剥離性テ−プとの接着力を低くし、
かつ金属箔の積層により剥離性テ−プの引張り強度を充
分に高くしてあるから、硬化樹脂を引きちぎるようなこ
となく剥離性テ−プを充分に低い引張り力でスム−ズに
除去できる。従って、中通し釣竿の内面に螺旋状凸状を
欠損なく整然と成形し得ると共にこの螺旋状凸状にセラ
ミックス線材を半埋状態で固着できる。このことは次の
実施例と比較例との対比からも確認できる。
【0012】
【実施例】〔実施例〕厚さ0.3mm、幅100mm、
長さ50mのポリテトラフルオロエチレンシ−トを放電
エネルギ−1.5w/cm2、処理時間20secでスパッ
タエッチング処理し、処理面にエチレン・エチルアクリ
レ−ト共重合体フィルムを速度2m/min、ロ−ル温
度80℃、圧力3kg/cm2で貼り合わせたのち、エ
チレン・エチルアクリレ−ト共重合体フィルムに厚さ
0.05mmのアルミ箔を速度2m/min、ロ−ル温
度150℃、圧力3kg/cm2で貼り合わせて厚さ
0.5mmの積層体を得、これを幅5mmでスリットし
て剥離性テ−プを製作した。この剥離性テ−プの引張り
強度は520kg/cm2、弾性率は8000kg/c
m2であった。この剥離性テ−プをテ−パ−マンドレル
に張力0.5kgでギャップ巻きし、その上にCFRPプリ
プレグを巻回し、加圧処理しながら加熱して樹脂を硬化
させ、ついでマンドレルを引き抜き、更に剥離性テ−プ
を引張り除去して最小外径3mm、最大外径20mm、
長さ2.1mの中通し釣竿を製作した。中通し釣竿を縦
に切断して内面を観察したところ、螺旋状凸状が良好に
成形されていた。
長さ50mのポリテトラフルオロエチレンシ−トを放電
エネルギ−1.5w/cm2、処理時間20secでスパッ
タエッチング処理し、処理面にエチレン・エチルアクリ
レ−ト共重合体フィルムを速度2m/min、ロ−ル温
度80℃、圧力3kg/cm2で貼り合わせたのち、エ
チレン・エチルアクリレ−ト共重合体フィルムに厚さ
0.05mmのアルミ箔を速度2m/min、ロ−ル温
度150℃、圧力3kg/cm2で貼り合わせて厚さ
0.5mmの積層体を得、これを幅5mmでスリットし
て剥離性テ−プを製作した。この剥離性テ−プの引張り
強度は520kg/cm2、弾性率は8000kg/c
m2であった。この剥離性テ−プをテ−パ−マンドレル
に張力0.5kgでギャップ巻きし、その上にCFRPプリ
プレグを巻回し、加圧処理しながら加熱して樹脂を硬化
させ、ついでマンドレルを引き抜き、更に剥離性テ−プ
を引張り除去して最小外径3mm、最大外径20mm、
長さ2.1mの中通し釣竿を製作した。中通し釣竿を縦
に切断して内面を観察したところ、螺旋状凸状が良好に
成形されていた。
【0013】〔比較例1〕剥離性テ−プとして厚さ0.
4mm、幅5mmのポリテトラフルオロエチレンテ−プ
を使用した。この剥離性テ−プの引張り強度は400k
g/cm2、弾性率は4500kg/cm2であった。実
施例と同様にして、CFRPプリプレグを巻回し、加圧処理
しながら加熱して樹脂を硬化させ、マンドレルを引き抜
いたのち、剥離性テ−プを除去しようとしたが、剥離性
テ−プが破断し、剥離性テ−プを除去できなかった。
4mm、幅5mmのポリテトラフルオロエチレンテ−プ
を使用した。この剥離性テ−プの引張り強度は400k
g/cm2、弾性率は4500kg/cm2であった。実
施例と同様にして、CFRPプリプレグを巻回し、加圧処理
しながら加熱して樹脂を硬化させ、マンドレルを引き抜
いたのち、剥離性テ−プを除去しようとしたが、剥離性
テ−プが破断し、剥離性テ−プを除去できなかった。
【0014】〔比較例2〕剥離性テ−プとして厚さ0.
4mm、幅5mmのポリエチレンテレフタレ−トテ−プ
を使用した。この剥離性テ−プの引張り強度は700k
g/cm2、弾性率は24000kg/cm2であった。
実施例と同様にして、CFRPプリプレグを巻回し、加圧処
理しながら加熱して樹脂を硬化させ、マンドレルを引き
抜き、更に、剥離性テ−プを除去したのち、中通し釣竿
を縦に切断して内面を観察したところ、螺旋状凸状が局
部的に欠損されていた。また、マンドレルの外面に局部
的に硬化樹脂が薄く付着しており、剥離性テ−プ巻き付
け層とマンドレルとの間に隙間があったと推定される。
4mm、幅5mmのポリエチレンテレフタレ−トテ−プ
を使用した。この剥離性テ−プの引張り強度は700k
g/cm2、弾性率は24000kg/cm2であった。
実施例と同様にして、CFRPプリプレグを巻回し、加圧処
理しながら加熱して樹脂を硬化させ、マンドレルを引き
抜き、更に、剥離性テ−プを除去したのち、中通し釣竿
を縦に切断して内面を観察したところ、螺旋状凸状が局
部的に欠損されていた。また、マンドレルの外面に局部
的に硬化樹脂が薄く付着しており、剥離性テ−プ巻き付
け層とマンドレルとの間に隙間があったと推定される。
【0015】
【発明の効果】本発明に係る繊維強化樹脂製の中通し釣
竿製造用剥離性テ−プにおいては、従来のポリテトラフ
ルオロエチレンやポリエチレンテレフタレ−トテ−プで
は達成し難い中通し釣竿成形上の適切な引張り強度や曲
げ弾性率をポリテトラフルオロエチレンシ−トのような
低弾性率合成樹脂シ−トと高引張り強度の金属箔との複
合化により達成しており、中通し釣竿内面のセラミック
線材半埋の螺旋状凸状を良好に成形できる剥離性テ−プ
を平易に提供できる。
竿製造用剥離性テ−プにおいては、従来のポリテトラフ
ルオロエチレンやポリエチレンテレフタレ−トテ−プで
は達成し難い中通し釣竿成形上の適切な引張り強度や曲
げ弾性率をポリテトラフルオロエチレンシ−トのような
低弾性率合成樹脂シ−トと高引張り強度の金属箔との複
合化により達成しており、中通し釣竿内面のセラミック
線材半埋の螺旋状凸状を良好に成形できる剥離性テ−プ
を平易に提供できる。
【図1】本発明に係る繊維強化樹脂中通し釣竿製造用剥
離性テ−プの一例を示す図面である。
離性テ−プの一例を示す図面である。
【図2】本発明に係る剥離性テ−プを使用した繊維強化
樹脂中通し釣竿の製造法を示す図面である。
樹脂中通し釣竿の製造法を示す図面である。
【図3】従来の繊維強化樹脂中通し釣竿を示す図面であ
る。
る。
【図4】従来の繊維強化樹脂中通し釣竿の製造法を示す
図面である。
図面である。
1 剥離性テ−プ 11 金属箔 12 合成樹脂層 2 マンドレル 3 セラミックス線材 4 樹脂含浸繊維材
Claims (2)
- 【請求項1】マンドレルに剥離性テ−プの一層をギャッ
プ巻きし、その上に樹脂含浸繊維材を巻回し、含浸樹脂
の硬化後、マンドレル及び剥離性テ−プを除去して内面
に螺旋凸状を有する中通し釣竿を製造するのに使用する
前記剥離性テ−プであり、厚さが0.2〜0.6mm、
引張り強度が500kg/cm2以上、弾性率が150
00kg/cm2以下であることを特徴とする繊維強化
樹脂中通し釣竿製造用剥離性テ−プ。 - 【請求項2】マンドレルに接触される金属箔と合成樹脂
層との積層体である請求項1記載の繊維強化樹脂中通し
釣竿製造用剥離性テ−プ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9356306A JPH11170384A (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | 繊維強化樹脂中通し釣竿製造用剥離性テ−プ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9356306A JPH11170384A (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | 繊維強化樹脂中通し釣竿製造用剥離性テ−プ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11170384A true JPH11170384A (ja) | 1999-06-29 |
Family
ID=18448378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9356306A Pending JPH11170384A (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | 繊維強化樹脂中通し釣竿製造用剥離性テ−プ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11170384A (ja) |
-
1997
- 1997-12-08 JP JP9356306A patent/JPH11170384A/ja active Pending
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