JPH11224814A - マグネットローラ成形用金型及び該金型を用いたマグネットローラの製造方法 - Google Patents

マグネットローラ成形用金型及び該金型を用いたマグネットローラの製造方法

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JPH11224814A
JPH11224814A JP3819098A JP3819098A JPH11224814A JP H11224814 A JPH11224814 A JP H11224814A JP 3819098 A JP3819098 A JP 3819098A JP 3819098 A JP3819098 A JP 3819098A JP H11224814 A JPH11224814 A JP H11224814A
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JP
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magnet roller
mold
cavity
magnetic field
molding
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Application number
JP3819098A
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English (en)
Inventor
Tetsuji Saegusa
哲治 三枝
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁場発生装置を割型のキャビティーの周方向
中央点部分に対応して配設しなければならない場合で
も、成形したマグネットローラをエジェクトピンを用い
て破損等の不都合を生じることなく良好に脱型すること
ができるマグネットローラ成形用金型を得る。 【解決手段】 上記一対の割型1a,1bの少なくとも
一方に、キャビティー2a,2bの周方向中央点pを挟
んで該中央点pから互いに等間隔離間して配設され、成
形物4の抜き方向dに沿って進退する一対のエジェクト
ピン5,5を具備してなることを特徴とするマグネット
ローラ成形用金型を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の電子写真プロセスで、感光ドラム
等の潜像保持体に現像剤を供給して該潜像保持体上の静
電潜像を現像する現像機構部に好適に使用されるマグネ
ットローラを射出成形により成形する際に用いられる金
型、及び該金型を用いたマグネットローラの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、複写機、プリンタ等の電子写
真装置や静電記録装置などにおいて、感光ドラム等の潜
像保持体上の静電潜像を可視化する現像ローラとして、
回転するスリーブ内にボンド磁石により成形されたマグ
ネットローラを配設し、スリーブ表面に担持した磁性現
像剤(トナー)を該マグネットローラの磁力特性により
潜像保持体上に飛翔させる所謂ジャンピング現象によっ
て、潜像保持体表面にトナーを供給し、静電潜像を可視
化する現像方法が知られており、このマグネットローラ
は、主にナイロンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂の
バインダーにフェライト等の磁性粉体を混合した樹脂磁
石組成物を射出成形することにより製造されている。
【0003】従来その成形方法としては、図3に示した
ように、断面半円状のキャビティー2a,2bを有し、
かつ該キャビティー2a,2bの周囲に1又は2以上
(図3の例ではそれぞれ2個ずつ)の磁場発生装置3が
配置固定された一対の割型1a,1bを分離可能に接合
して円柱状の成形キャビティー2を形成し、上記磁場発
生装置3により上記成形キャビティー2に磁場を印加し
た状態で該成形キャビティー2内に樹脂磁石組成物を射
出注入して、成形と同時に、上記磁場により樹脂磁石組
成物中に分散混合された磁性粉の配向又は着磁を行っ
て、マグネットローラ4を成形する方法が知られてい
る。
【0004】このようにして成形されたマグネットロー
ラ4は、上記割型1a,1bを分離開放して金型の成形
キャビティー2から脱型されるが、この場合、割型1
a,1bを分離開放した後又は分離開放と同時進行で、
割型1a,1bのキャビティー2a,2bの周方向中央
点p部分に設けられたエジェクトピン5,5により、成
形されたマグネットローラ4を突き押し、確実に金型か
らマグネットローラ4を脱型することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マグネ
ットローラに形成する磁極の数や磁極の配置パターンに
よっては上記エジェクトピン5,5を割型1a,1bの
キャビティー2a,2bの周方向中央点p部分に設ける
ことができず、エジェクトピンにより成形したマグネッ
トローラを良好に脱型することができない場合がある。
【0006】即ち、金型には得ようとするマグネットロ
ーラの磁極に対応して磁場発生装置が設けられ、4つの
磁極をマグネットローラの表面に均等に配置固定する場
合には、図3のように、磁場発生装置3を両割型1a,
1bにそれぞれ2つずつ均等に配置することにより両割
型1a,1bのキャビティー2a,2bの周方向中央点
p部分に対応してエジェクトピン5,5を配設すること
ができる。しかしながら、例えば6つの磁極をマグネッ
トローラの表面に均等に配置形成する場合には、図4に
示されているように、両割型1a,1bのパーティング
面sに跨って磁場発生装置3を配設することはできない
ので、両割型1a,1bにそれぞれ3つずつ磁場発生装
置3を均等に配設することとなり、両割型1a,1bの
キャビティー2a,2bの周方向中央点p部分に対応し
て磁場発生装置3が配設されることとなる。このため各
割型1a,1bのキャビティー2a,2bの周方向中央
点p部分に対応してエジェクトピンを配設することがで
きず、エジェクトピンを設けるとすれば、図4に一点鎖
線5’で示したように、磁場発生装置3の配設位置を避
けてキャビティー2a,2bの周方向中央点pからずれ
た位置に設けることとなる。
【0007】しかしながら、図4に一点鎖線5’で示し
たように、キャビティー2a,2bの周方向中央点pか
らずれた位置にエジェクトピンを設けた場合、このエジ
ェクトピンでは成形されたマグネットローラ4をキャビ
ティー2a,2bからの抜き方向に対して真っ直ぐに突
き押すことができず、抜き方向に対して斜め方向にマグ
ネットローラを押すこととなり、マグネットローラに大
きな負荷がかかって脱型時にマグネットローラが破損し
てしまうことがある。
【0008】即ち、断面半円状のキャビティー2a,2
bから成形物4を脱型する場合に成形物4に最も負荷の
かからない抜き方向は、キャビティー2a,2bの周方
向中央点p(通常、円形状のキャビティーであれば、キ
ャビティーの頂点部分になる)における接線に対して直
交する方向dであるが、図4の一点鎖線5’のように、
キャビティー2a,2bの周方向中央点pからずれた位
置にエジェクトピンを設けた場合、このエジェクトピン
による押圧方向は必ず上記抜き方向dに対して斜めにず
れた方向となり、このため成形物のマグネットローラ4
がキャビティー2a,2bの開口縁部等に強く押し付け
られて破損したり、抜き抵抗が大きいためにエジェクト
ピンの当接位置に傷が付いてしまうなどの不都合を生じ
ることとなる。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、磁場発生装置を割型のキャビティーの周方向中央点
部分に配設しなければならない場合でも、成形したマグ
ネットローラをエジェクトピンを用いて破損等の不都合
を生じることなく良好に脱型することができるマグネッ
トローラ成形用金型、及び該金型を用いたマグネットロ
ーラの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、キャビティーの周囲に1又は2以上の磁場
発生装置が配置固定された一対の割型を具備し、これら
割型を分離可能に接合して成形キャビティーを形成し、
上記磁場発生装置により上記成形キャビティーに磁場を
印加した状態で該成形キャビティー内に樹脂磁石組成物
を射出注入して、樹脂磁石成形物を得ると同時に、上記
樹脂磁石組成物中に分散混合された磁性粉の配向又は着
磁を行って、マグネットローラを成形するための金型に
おいて、上記一対の割型の少なくとも一方に、キャビテ
ィー周面の周方向中央点を挟んで配設され、成形物の抜
き方向に沿って進退する一対のエジェクトピンを具備し
てなることを特徴とするマグネットローラ成形用金型を
提供する。
【0011】即ち、本発明の金型は、割型に設けられた
エジェクトピンで突き押すことにより、成形したマグネ
ットローラを分離開放した割型から脱型するものであ
り、このエジェクトピンが断面半円形キャビティーの周
方向中央点部分から離間した位置に設けられているの
で、割型のキャビティーの周方向中央点に対応して磁場
発生装置を設けることができ、複雑な磁極パターンに対
応したマグネットローラを成形することができるもので
ある。
【0012】この場合、本発明の金型では、2個一対の
エジェクトピンがキャビティーの周方向中央点を挟んで
配設されており、かつこの一対のエジェクトピンは成形
物であるマグネットローラの抜き方向に沿って進退する
ことにより、マグネットローラを突き押すようになって
いるので、マグネットローラは、上記2個一対のエジェ
クトピンにより抜き方向に向けて真っ直ぐに押し出さ
れ、不要な負荷を受けることなく、スムーズに割型から
脱型されるものである。従って、本発明の金型によれ
ば、割型のキャビティーの周方向中央点部分に対応して
磁場発生装置を配設した場合であっても、成形したマグ
ネットローラをエジェクトピンを用いて破損等の不都合
を生じさせることなく、スムーズかつ安定的に脱型する
ことができるものである。
【0013】また、本発明は、キャビティーの周囲に1
又は2以上の磁場発生装置が配置固定された一対の割型
を具備した金型を用い、上記割型を分離可能に接合して
成形キャビティーを形成し、上記磁場発生装置により上
記成形キャビティーに磁場を印加した状態で該成形キャ
ビティー内に樹脂磁石組成物を射出注入して、樹脂磁石
成形物を得ると同時に、上記樹脂磁石組成物中に分散混
合された磁性粉の配向又は着磁を行って、マグネットロ
ーラを成形するマグネットローラの製造方法において、
金型として上記本発明の金型を用い、成形されたマグネ
ットローラを、上記割型を分離開放後又は分離開放と同
時進行でエジェクトピンで突き押すことにより、脱型す
ることを特徴とするマグネットローラの製造方法を提供
する。
【0014】即ち、本発明の製造方法によれば、上記本
発明の金型を用いてマグネットローラを成形することに
より、割型のキャビティーの頂点部分に磁場発生装置を
設けなければならないような複雑な磁極パターンを有す
るマグネットローラであっても、脱型時に破損や傷を生
じさせることなく、確実かつ安定的にマグネットローラ
を製造することができるものである。
【0015】
【発明の実施の形態及び実施例】以下、実施例を示して
本発明につきより具体的に説明する。図1,2は、本発
明の一実施例にかかるマグネットローラ成形用金型を示
すものである。本発明の金型は、この金型のように、断
面半円状のキャビティー2a,2bを有すると共に、該
キャビティー2a,2bの周囲に磁場発生装置3が配置
固定された一対の割型1a,1bを具備し、かつこの割
型1a,1bに、キャビティー2a,2bの周方向中央
点pを挟んで一対のエジェクトピン5,5を配設したも
のである。
【0016】上記割型1a,1bは、分離可能に接合す
ることにより互いの断面半円状キャビティー2a,2b
により円柱状の成形キャビティー2が形成されるように
なっている。この場合、特に制限されるものではない
が、通常この成形キャビティー2の両端には、図2に示
されているように、マグネットローラ4のシャフト部4
a,4aを保持又は成形するための小径円柱状のシャフ
ト部用キャビティーが設けられ、このシャフト部用キャ
ビティーに金属等からなるシャフトを保持して上記成形
用キャビティーの中心軸に沿ってシャフトを配置した
り、もしくはこのシャフト部用キャビティーにより樹脂
磁石組成物でシャフト部4a,4aを一体に成形するこ
とが行われる。
【0017】上記磁場発生装置3は、目的とするマグネ
ットローラ4に求められる磁極の数及び配置パターンに
応じて両割型1a,1bのキャビティー2a,2bの周
囲に配置固定される。この場合、磁極の数、即ち磁場発
生装置3の数は、図1では両割型1a,1bにそれぞれ
3極ずつ計6極の例を示したが、割型1a,1bにそれ
ぞれ1極、2極又は4極以上でもよく、更には割型1a
と1bとで磁極の数が異なっていてもよい。また、磁極
の配置パターン、即ち磁場発生装置3の配置パターン
も、図1では両割型1a,1bにぞれぞれ3つずつ均等
に配置した例を示したが、配置パターンも均等な配置に
必ずしも限定されるものではなく、マグネットローラ4
に求められる磁極パターンに応じて配置することができ
る。この場合、本発明の金型にあっては、図1に示され
ているように、各割型1a,1bのキャビティー2a,
2bの周方向中央点p部分に対応して磁極を設けても何
ら差し支えなく、磁極の数や配置パターン、即ち磁場発
生装置3の数や配設位置を自由に設定することができる
ものである。
【0018】次に、上記一対のエジェクトピン5,5
は、図1に示されているように、割型1a,1bのキャ
ビティー2a,2bの周方向中央点pを挟んで配設され
るものである。この場合、対を構成するエジェクトピン
5,5間の距離eは、キャビティー2a,2bの周方向
中央点p付近に配設される磁場発生装置3の大きさ及び
配設位置に応じて適宜設定され、特に制限はないが、両
エジェクトピン5,5間に磁場発生装置3を配設可能な
範囲でできるだけ狭くすることが好ましい。また、対を
構成するエジェクトピン5,5は、それぞれキャビイテ
ィー2a,2bの周方向中間点pから等間隔離間した状
態に配設することが好ましい。この場合、キャビティー
2a,2bの周方向中央点pと両エジェクトピン5,5
との距離が大きく異なると、成形物であるマグネットロ
ーラ4を抜き方向dに対して真っ直ぐに突き押すことが
できなくなる場合があり、脱型時にマグネットローラ4
に余分な負荷がかかって破損や傷を生じる虞がある。
【0019】このエジェクトピン5,5は、成形物であ
るマグネットローラ4の抜き方向d、即ち、キャビティ
ー2a,2bの周方向中央点p(本例では、キャビティ
ー2a,2bが断面半円状であるためキャビティー2
a,2bの頂点)における接線に対して直角方向dに進
退することにより、マグネットローラ4を突き押してキ
ャビティー2a又は2bから脱型するものである。この
場合、エジェクトピン5,5の進退運動方向が上記抜き
方向dからずれていると、脱型時にマグネットローラ7
に余分な負荷がかかって破損や傷を生じる虞がある。ま
た、対を構成するエジェクトピン5,5は、互いに同期
して同速度及び同圧力で進退するものであり、両エジェ
クトピン5,5の動作タイミング、速度及び圧力に差が
あると、マグネットローラ4が抜き方向dからずれた方
向に押圧されることとなり、やはり破損や傷を生じる虞
がある。
【0020】ここで、一対のエジェクトピン5,5は、
割型2a,2bに少なくとも一対あればよいが、成形す
るマグネットローラ4の長さに応じて該マグネットロー
ラを均等に突き押すように成形キャビティー2の軸方向
に沿って複数対のエジェクトピン5,5を設けることが
好ましく、例えば図2に示したように、成形キャビティ
ー2の両端部及び中央部の3箇所にそれぞれ一対のエジ
ェクトピン5,5を設けることができる。
【0021】また、図1,2に示した例では、両割型1
a,1bのそれぞれに同様のエジェクトピン5,5を配
設した例を示したが、目的とするマグネットローラ4の
磁極の配置等に応じて割型1aと1bとでエジェクトピ
ン5,5の配設態様を変えてもよく、例えば対を構成す
るエジェクトピン5,5間の距離eが割型1aと割型1
bとで異なっていてもよい。更に、目的とするマグネッ
トローラ4の磁極パターンによっては、例えば一方の割
型1aのみにキャビティー2aの周方向中央点p部分に
対応して磁場発生装置3を設ければよく、他方の割型1
bのキャビティー2aの周方向中央点p部分には磁場発
生装置3を設けない場合もあり、このような場合には、
一方の割型1aのみに上記一対のエジェクトピン5,5
を設け、他方の割型1bにはキャビティー2bの周方向
中央点p部分に1本のエジェクトピンを設けるようにし
てもよい。更にまた、両割型1a,1bを分離開放した
際に、成形物のマグネットローラ4が必ず一方の割型に
残ることが分かるのであれば、エジェクトピンは割型1
a,1bの一方のみに設ければよく、分離開放後にマグ
ネットローラ4が残る方の割型にのみ上記一対のエジェ
クトピン5,5を設け、他方の割型にはエジェクトピン
を設けなくてもよい。なお、特に制限されるものではな
いが、各エジェクトピン5の先端面は、その配設位置に
対応したマグネットローラの外周面、即ちキャビティー
2a,2bの内周面に対応した曲面とすることが好まし
く、これによりマグネットローラを突き押す際に表面に
エジェクトピンのピン跡が生じることを効果的に防止す
ることができる。
【0022】図1,2では割型1a,1bのみからなる
金型を例示したが、本発明の金型は、上述のように、断
面半円状のキャビティー2a,2bを有する一対の割型
1a,1bを有していればよく、3個以上の割型から構
成されていてもよい。例えば、図2において、マグネッ
トローラ4のシャフト部4a,4aを形成する部分を割
型1a,1bとは別体の金型とし、4個の割型からなる
金型とすることもできる。また、図1,2では割型1
a,1bのキャビティーをそれぞれ断面半円状とし、両
割型1a,1bを接合することにより、円柱状の成形キ
ャビティー2が形成されるようにしたが、マグネットロ
ーラによっては断面六角形や断面八角形などの多角柱状
のものもあり、このような多角マグネットローラを成形
する場合には、断面多角形状の成形キャビティーを二分
した形状のキャビティーを有する一対の割型を用いても
よい。
【0023】次に、本発明の金型を用いたマグネットロ
ーラの製造方法について説明する。例えば、図1,2に
示した本発明の一実施例にかかる金型を用いてマグネッ
トローラを製造する場合、まず、上記両割型1a,1b
を分離可能に接合して、キャビティー2a,2bにより
円柱状の成形キャビティー2を成形すると共に、該成形
キャビティー2に対して上記磁場発生装置3により磁場
を印加した状態で、該成形キャビティー2内に樹脂磁石
組成物を溶融状態で射出注入し、円柱状の樹脂磁石成形
物を成形すると同時に、上記樹脂磁石組成物中に分散混
合された磁性粉の配向又は着磁を行って、マグネットロ
ーラ4を成形する。
【0024】この場合、上記樹脂磁石組成物としては、
熱可塑性樹脂からなるバインダーに磁性粉を分散してな
る射出成形可能なものが用いられる。
【0025】上記バインダーとしては、ナイロン6,ナ
イロン12等のポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂(PPS)、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂(EVA)、エチレン−エチルアクリレート樹脂
(EEA)、エポキシ樹脂、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体樹脂(EVOH)、ポリプロピレン樹脂、ポ
リエチレン,ポリエチレン共重合体等のポリオレフィン
や、これらポリオレフィンの構造中に無水マレイン酸
基,カルボキシル基,ヒドロキシル基,グリシジル基等
の反応性をもつ官能基を導入した変性ポリオレフィン等
が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して用い
ることができる。
【0026】また、上記磁性粉としては、従来からマグ
ネットローラに用いられる通常の磁性粉を用いることが
でき、具体的には、Srフェライト,Baフェライト等
のフェライト粉末やSm−Co合金,Nd−F−B合
金,Ce−Co合金等の希土類系合金粉末などを例示す
ることができる。
【0027】この磁性粉の配合割合は、要求される磁力
の強さに応じて適宜選定されるもので、特に制限される
ものではないが、通常は、樹脂磁石組成物全体の80〜
95重量%程度(密度が3.0〜3.8g/cm2
度)とすることができる。
【0028】本発明に用いられる樹脂磁石組成物には、
上記バインダー成分及び磁性粉に加えて、必要に応じマ
イカやウィスカ或いはタルク,炭素繊維,ガラス繊維等
の補強効果の大きな充填材を添加することができる。即
ち、成形物に要求される磁力が比較的低く、上記磁性粉
の充填量が少ない場合には、成形物の剛性が低くなりや
すく、このような場合には剛性を補うためにマイカやウ
ィスカ等の充填材を添加して成形品の補強を行うことが
できる。この場合、本発明に好適に用いられる充填材と
してはマイカ或いはウィスカが好ましく、ウィスカとし
ては、炭化ケイ素,窒化ケイ素等からなる非酸化物系ウ
ィスカ、ZnO,MgO,TiO2,SnO2,Al23
等からなる金属酸化物系ウィスカ、チタン酸カリウム,
ホウ酸アルミニウム,塩基性硫酸マグネシウム等からな
る複酸化物系ウィスカなどが挙げられるが、これらの中
ではプラスチックとの複合化が容易な点から複酸化物系
ウィスカが特に好適に使用される。
【0029】これら充填材を用いる際の配合割合は、特
に制限されるものではないが、通常は樹脂マグネット全
体の2〜32重量%、特に5〜20重量%程度とされ
る。なお、本発明の目的を逸脱しない限り、上記充填材
以外の添加剤を添加しても差し支えない。
【0030】この樹脂磁石組成物を本発明の金型を用い
た射出成形に供する際、特に制限されるものではない
が、通常の方法に従って上述の成分を混合し、溶融混練
し、ペレット状に成形して、ペレット状の成形材料と
し、これを上記本発明の金型を用いた射出成形に供する
ことが好ましい。この場合、溶融混練には二軸混練押出
機、KCK混練押出機等を用いて通常の方法、条件で溶
融混練することができる。また、金型温度、射出圧力等
の射出成形条件も用いられる樹脂磁石組成物の種類等に
応じ通常の条件とすることができる。
【0031】また、上述のように通常マグネットローラ
4には、シャフト部4a,4bが設けられるが、このシ
ャフト部4a,4bを金属等のシャフトで形成する場合
には、予め金型内にこのシャフトをセットしておき、そ
の周囲に上記樹脂磁石組成物を射出成形することができ
る。
【0032】次に、上記割型1a,1bを分離して金型
を開放し、上記エジェクトピン5,5により成形物のマ
グネットローラ4を突き押してキャビティー2a,2b
から脱形する。この場合、エジェクトピン5,5による
突き押し動作は、両割型1a,1bを分離開放した後で
あっても、分離開放動作と同時進行で行ってもよい。
【0033】このようにして成形されたマグネットロー
ラ4は、必要に応じて研磨等の後処理を施して完成品と
することができるが、場合によっては一旦脱磁処理を施
した後、適宜な着磁機を用いて所望の着磁パターンに着
磁しなおしてもよい。
【0034】以上、本発明のマグネットローラ成形用金
型及びマグネットローラの製造方法について、一実施例
にかかる金型を例示して説明したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、要旨の範囲内で適宜変更するこ
とができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマグネッ
トローラ成形用金型によれば、磁場発生装置を割型のキ
ャビティーの周方向中央点部分に対応して配設しなけれ
ばならない場合でも、成形したマグネットローラをエジ
ェクトピンを用いて破損等の不都合を生じることなく良
好に脱型することができる。従って、この金型を用いた
本発明の製造方法によれば、割型のキャビティーの周方
向中央点部分に磁場発生装置を設けなければならないよ
うな複雑な磁極パターンを有するマグネットローラであ
っても、脱型時に破損や傷を生じさせることなく、確実
かつ安定的にマグネットローラを製造することができる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるマグネットローラ成
形用金型を示す概略横断面図である。
【図2】同金型を示す概略縦断面図である。
【図3】従来のマグネットローラ成形用金型を示す概略
横断面図である。
【図4】6個の磁場発生装置を配設した従来のマグネッ
トローラ成形用金型を示す概略横断面図である。
【符号の説明】
1a,1b 割型 2a,2b キャビティー 2 成形キャビティー 3 磁場発生装置 4 マグネットローラ(成形物) 5 エジェクトピン p キャビティーの周方向中央点 d 抜き方向 s パーティング面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティーの周囲に1又は2以上の磁
    場発生装置が配置固定された一対の割型を具備し、これ
    ら割型を分離可能に接合して成形キャビティーを形成
    し、上記磁場発生装置により上記成形キャビティーに磁
    場を印加した状態で該成形キャビティー内に樹脂磁石組
    成物を射出注入して、樹脂磁石成形物を得ると同時に、
    上記樹脂磁石組成物中に分散混合された磁性粉の配向又
    は着磁を行って、マグネットローラを成形するための金
    型において、 上記一対の割型の少なくとも一方に、キャビティー周面
    の周方向中央点を挟んで配設され、成形物の抜き方向に
    沿って進退する一対のエジェクトピンを具備してなるこ
    とを特徴とするマグネットローラ成形用金型。
  2. 【請求項2】 上記一対の割型が、それぞれ断面半円状
    のキャビティーを有し、両割型を分離可能に接合するこ
    とにより、円柱状の成形キャビティーが形成されるもの
    である請求項1記載のマグネットローラ成形用金型。
  3. 【請求項3】 上記一対の割型の少なくともいずれか一
    方が、キャビティー周面の周方向中央点部分に対応して
    磁場発生装置が配置固定されており、かつ該磁場発生装
    置を挟んで上記一対のエジェクトピンが配設されたもの
    である請求項1記載のマグネットローラ成形用金型。
  4. 【請求項4】 キャビティーの周囲に1又は2以上の磁
    場発生装置が配置固定された一対の割型を具備した金型
    を用い、上記割型を分離可能に接合して成形キャビティ
    ーを形成し、上記磁場発生装置により上記成形キャビテ
    ィーに磁場を印加した状態で該成形キャビティー内に樹
    脂磁石組成物を射出注入して、樹脂磁石成形物を得ると
    同時に、上記樹脂磁石組成物中に分散混合された磁性粉
    の配向又は着磁を行って、マグネットローラを成形する
    マグネットローラの製造方法において、上記金型として
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の金型を用い、成形
    されたマグネットローラを、上記割型を分離開放後又は
    分離開放と同時進行で上記エジェクトピンで突き押すこ
    とにより、脱型することを特徴とするマグネットローラ
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010141062A (ja) * 2008-12-11 2010-06-24 Suzuka Fuji Xerox Co Ltd マグネットピース成形用金型

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