JPH11224561A - スイッチ用キートップシートおよびその製造方法 - Google Patents

スイッチ用キートップシートおよびその製造方法

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JPH11224561A
JPH11224561A JP10039807A JP3980798A JPH11224561A JP H11224561 A JPH11224561 A JP H11224561A JP 10039807 A JP10039807 A JP 10039807A JP 3980798 A JP3980798 A JP 3980798A JP H11224561 A JPH11224561 A JP H11224561A
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thermoplastic resin
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Fumio Kono
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キートップとなるキートップ外殻部の寸法安
定性に優れ、キー記号表示部をキートップ外殻部の成形
前に形成してもその歪みを抑制できるスイッチ用キート
ップシートと、その製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂のフィルム31に印刷等で
キー記号表示部35を形成した後、このフィルム31に
絞り加工を施してキートップ外殻部31aを形成し、ま
た、キートップ外殻部31a内底面にバックフィルム3
2を設ける。そして、フィルム31を下型51にキート
ップ外殻部31aの開口を鉛直上方に向けて装着し、キ
ートップ外殻部31a内に粘土状のシリコーンゴム組成
物Sを充填して上型52により加圧し、キートップ外殻
部31a内に中実部33を成形し、キートップシート3
0を得る。そして、このキートップシート30をスプリ
ングシート20を介して回路基板10に組み付け、スイ
ッチ装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、移動体通信機
器、計測機器、車載用電子機器等のデータ入力装置やス
イッチ装置等に部品として用いられるスイッチ用キート
ップシート、およびその製造方法、特に、薄型化が図
れ、また、硬質指触感が得られるスイッチ用キートップ
シートとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話機等にあっては、薄型化と小型
化が強く求められ、スイッチ用回路基板にスプリングシ
ートを介して樹脂のキートップシートを設けてデータ入
力装置を構成する。このようなデータ入力装置は、回路
基板に固定接点が、スプリングシートに可動接点を有す
る皿ばね部が、キートップシートにキートップ(部)が
形成される。そして、キートップ部の押圧操作でスプリ
ングシートの皿ばね部が弾性変形し、この皿ばね部の変
形で可動接点がスイッチ用基板の固定接点に接触して固
定接点と接続した回路を開閉し、皿ばね部の弾性変形に
よる反発力でクリック感を得ている。
【0003】従来、上述したデータ入力装置に用いられ
るキートップシートとしては、特開平8−7698号公
報、特開平8−25404号公報および登録実用新案公
報第3021191号公報等に記載されたものが知られ
る。例えば、特開平8−25404号公報には、フィル
ムに表面側へ膨出する湾曲部(キートップ部)を形成
し、このキートップ部内にフィルム裏面から突出するモ
ールド樹脂を設けたキートップシートが記載される。こ
の特開平8−25404号公報に記載されるキートップ
シートは、熱可塑性樹脂フィルムの表面にキー記号を印
刷し、このフィルムを凹部が形成された一対の金型間に
挟着して凹部間にキー記号を位置させ、この状態で一方
の金型の凹部に高圧・高温の溶融樹脂を射出し、この溶
融樹脂の圧力と温度でフィルムを他方の金型の凹部内に
陥入変形させ、キートップ部の成形とモールド樹脂の成
形とを同時に行って製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開平8−25404号公報に記載のキートップシー
トの製造方法にあっては、キー記号表示部が印刷された
フィルムを金型間に挟着し、金型の凹部に高温・高圧の
モールド樹脂を射出して湾曲部とモールド樹脂を同時に
成形するため、成形に際してキートップ部天面部分が大
きな伸びを生じやすく、キー記号が歪みを生じるという
問題、また、ゲートから噴出したモールド樹脂が直接に
熱可塑性樹脂フィルムに衝当すると該衝当部分が局部的
に過大な変形を生じて薄肉化し、キートップ部の寸法安
定性が損なわれるという問題があった。この発明は、上
記問題に鑑みてなされたもので、歪みのない明瞭なキー
記号が得られ、また、キートップ部の寸法安定性に優れ
るスイッチ用キートップシート、および、その製造方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明にかかるスイッチ用キートッ
プシートは、表面側に膨出して裏面に開口する凹状のキ
ートップ外殻部が形成された熱可塑性樹脂フィルムと、
該熱可塑性樹脂フィルムのキートップ外殻部の内底面に
設けられたバックプレートと、前記熱可塑性樹脂フィル
ムの少なくともキートップ外殻部内に充填固着された樹
脂またはゴム弾性体からなるキートップ中実部と、を備
える。
【0006】そして、この発明にかかるスイッチ用キー
トップシートは、前記キートップ外殻部の表面、内底面
または前記バックプレートの少なくとも1つにキー記号
表示部を形成する態様(請求項2)に構成することがで
きる。
【0007】また、請求項3に記載の発明にかかるスイ
ッチ用キートップシートの製造方法は、熱可塑性樹脂フ
ィルムに表面側へ膨出して裏面側が開口する凹状のキー
トップ外殻部を形成し、該キートップ外殻部の内底面に
バックプレートを設けた後、前記キートップ外殻部内に
該キートップ外殻部内面と固着した樹脂またはゴム弾性
体の中実部を形成する。
【0008】さらに、請求項4に記載の発明にかかるス
イッチ用キートップシートの製造方法は、熱可塑性樹脂
フィルムに所定位置で少なくとも1つのキー記号表示部
を形成するとともに、該キー記号表示部の形成部分を表
面側へ膨出させて該キー記号表示部が内底面に位置する
凹状のキートップ外殻部を形成し、該キートップ外殻部
の内底面に前記キー記号表示部と重ねてバックプレート
を設けた後、前記キートップ外殻部内に該キートップ外
殻部内面と固着した樹脂またはゴム弾性体の中実部を形
成する。
【0009】またさらに、請求項5に記載の発明にかか
るスイッチ用キートップシートの製造方法は、熱可塑性
樹脂フィルムに表面側へ膨出して裏面側が開口する凹状
のキートップ外殻部を形成するとともに、キー記号表示
が一面に形成されたバックプレートを形成し、該バック
プレートを前記キートップ外殻部の内底面に設けた後、
前記キートップ外殻部内に該キートップ外殻部内面と固
着した樹脂またはゴム弾性体の中実部を形成する。
【0010】そして、請求項3,4,5に記載の発明に
かかるスイッチ用キートップシートの製造方法は、前記
熱可塑性樹脂フィルムのキートップ外殻部内底面に前記
バックプレートを設けた後、前記熱可塑性樹脂フィルム
を前記キートップ外殻部開口が鉛直上方を向く姿勢で載
置し、該キートップ外殻部内に液状成形材料を注入し、
該液状成形材料を硬化させて前記中実部を形成する態様
(請求項6)に、また、前記熱可塑性樹脂フィルムのキ
ートップ外殻部内底面に前記バックプレートを設けた
後、前記熱可塑性樹脂フィルムを前記キートップ外殻部
開口が鉛直上方を向く姿勢で下型に装着して前記キート
ップ外殻部内に粘土状の反応性ゴム弾性体を充填し、次
に、前記下型上に上型を被せて該上型と下型により前記
キートップ外殻部内の反応性ゴム弾性体を挟圧し、該反
応性ゴム弾性体を硬化させて前記中実部を形成する態様
(請求項7)に構成することができる。
【0011】また、請求項8に記載の発明にかかるスイ
ッチ用キートップシートの製造方法は、熱可塑性樹脂フ
ィルムの一面にバックプレートを設け、該バックプレー
トが設けられた熱可塑性樹脂フィルムを外殻成形凹部が
形成された第1成形型とゲートが形成された第2成形型
とにより挟持して前記バックプレートを前記ゲートに対
面させ、前記ゲートから高温・高圧の溶融成形材料を射
出し、該溶融成形材料の熱と圧力により前記熱可塑性樹
脂フィルムを変形させて前記外殻成形凹部内に陥入さ
せ、前記熱可塑性樹脂フィルムに前記バックプレートが
内底面に位置する凹状のキートップ外殻部を形成すると
ともに、前記溶融成形材料を硬化させて前記キートップ
外殻部内面と固着した中実部を形成する。
【0012】そして、この請求項8に記載の発明にかか
るスイッチ用キートップシートの製造方法は、前記熱可
塑性樹脂フィルムにキー記号表示部を形成し、該キー記
号表示部上に重ねて前記バックプレートを設ける態様
(請求項9)に、また、前記バックプレートを前記熱可
塑性樹脂フィルムに設ける前に前記バックプレートの前
記熱可塑性樹脂フィルム側の面にキー記号表示部を形成
する態様(請求項10)に構成することができる。
【0013】熱可塑性樹脂フィルムは、非晶性の熱可塑
性樹脂、結晶性の熱可塑性樹脂これらの共重合体若しく
は混合物からなり、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピ
レン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エス
テル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等が例示される。
この熱可塑性樹脂フィルムは、スイッチ装置を照光式に
構成する場合、また、中実部側(裏面側)にキー記号を
位置させる場合等には、無色透明あるいは有色透明に構
成される。
【0014】キートップ外殻部は、請求項3〜請求項7
の発明の製造方法においては絞り成形、プレス成形、圧
空成形あるいは真空成形等で、望ましくは、絞り成形に
より凹状に成形され、また、請求項8,9の発明の製造
方法においては中実部の射出成形の際の熱と圧力で凹状
に成形され、フィルムの表面側に膨出して裏面側に開口
する。このキートップ外殻部は、表面側突出端表面が指
による押圧操作可能な平面あるいは曲面をなし、内底面
にバックプレートが設けられる。
【0015】バックプレートは、樹脂フィルムあるいは
金属薄板(金属箔)等が、望ましくは、熱可塑性樹脂フ
ィルムとの固着性や硬度を確保するために高硬度の樹脂
フィルム、具体的には、アクリル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂若しくは硬質ポリ塩化ビニル樹脂等の硬質樹脂フ
ィルム、特に、意匠上の要請等に応じて着色(透明、不
透明を問わない)されたものが、また、照光式スイッチ
装置に用いる場合は透明のものであって、キートップ外
殻部内底部分に設けることができる大きさで、キートッ
プ外殻部の高さ寸法や熱可塑性樹脂フィルムの厚み等に
対応した厚み(望ましくは、0.3〜1.0mmの範囲
内で)に形成される。
【0016】このバックプレートは、請求項3〜7の発
明の製造方法においてはキートップ外殻部の内底面に接
着剤や粘着剤等を用いて仮止め若しくは固着され、ま
た、請求項8,9の発明の製造方法においてはキートッ
プ外殻部の形成前にキートップ外殻部を形成する部分に
接着剤や粘着剤等を用いて仮止め若しくは固着、あるい
は、成形型に装着され、中実部の形成によりキートップ
外殻部と固着される。バックプレートを仮止め等する接
着剤や粘着剤は、照光式スイッチ装置を構成する場合等
は透明のものを用いる。
【0017】中実部は、請求項3〜7の発明の製造方法
においては熱可塑性樹脂フィルムのキートップ外殻部内
底面にバックプレートを設けた後に液状の成形材料を用
いたポッティングや粘土状の成形材料を用いた圧縮成形
等により成形し、請求項8,9の発明の製造方法におい
ては熱可塑性樹脂フィルムにバックプレートを設けた後
に射出成形等によりキートップ外殻部を成形しつつ同時
に成形する。この中実部は、照光式スイッチ装置を構成
する場合等は透明に構成し、また、キートップ外殻部開
口から裏面側(スプリングシート側)に突出あるいは膨
出する凸部を必要に応じて形成する。
【0018】そして、ポッティングにおいては、熱可塑
性樹脂フィルムをキートップ外殻部の開口が鉛直上方を
向く姿勢で保持し、キートップ外殻部内に液状の成形材
料を注入し、この液状の成形材料を硬化させてキートッ
プ外殻部と固着した中実部を成形する。ポッティングに
用いる液状の成形材料は、周知の液状の反応性樹脂組成
物や反応性ゴム組成物等を種々用いることができるが、
望ましくは、容易に硬化させることができる紫外線硬化
型のもの、より望ましくは、5〜50パスカル秒程度の
高粘度のもの、さらに、溶解度指数(SP値)が熱可塑
性樹脂フィルムと一致あるいは近似するものを用いる。
【0019】また、圧縮成形においては、熱可塑性樹脂
フィルムをキートップ外殻部開口が鉛直上方を向く姿勢
で下型に装着し、粘土状の成形材料をキートップ外殻部
内に充填して下型と上型とにより挟圧し、成形材料を硬
化させてキートップ外殻部と固着した中実部を成形す
る。この成形に際しては、上型または下型の少なくとも
一方を所定温度に加熱して反応性ゴム弾性体を所定圧力
に加圧、例えば、シリコーンゴム系の反応性ゴム弾性体
を用いて成形する場合は160゜C程度に加熱し、反応
性シリコーンゴムを100kg/cm2 程度に加圧す
る。
【0020】この圧縮成形には、粘度が500ポイズ〜
10000ポイズ程度あるいはウィリアム可塑度が20
0〜500程度の粘土状のゴムや樹脂の成形材料が用い
られる。この成形材料としては、例えば、天然ゴム、ブ
タジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、ウレタ
ンゴム、シリコーンゴム等のゴム系材料、あるいは、ウ
レタン系、スチレン系、オレフィン系の熱可塑性エラス
トマー等のゴム弾性体、また、樹脂等の反応性組成物が
例示され、望ましくは、メチルビニルポリシロキサン含
有のシリコーンゴム組成物、具体的には、SE1184
U,SE1185U,SE1187U,SE1188
U,SH841U,SH851U,DY32−379
U,DY32−780U(以上、東レダウコーニングシ
リコーン(株)製商品名)、KE−966TU,KE−
981TU,KE−941TU(以上、信越化学工業
(株)製商品名)、TSE260−3U,TSE260
−5U,TSE260−7U,TSE221−3U,T
SE221−4U,TSE221−5U(以上、東芝シ
リコーン(株)製商品名)等が用いられる。
【0021】さらに、射出成形においては、バックプレ
ートが設けられた熱可塑性樹脂フィルムを成形凹部が形
成された成形型とゲートが形成された成形型との間に挟
持し、ゲートから高温・高圧の溶融材料を射出し、この
溶融材料の熱と圧力で熱可塑性樹脂フィルムを成形凹部
内に陥入変形させた後に冷却し、キートップ外殻部と同
時に中実部を成形する。この射出成形には、ポリメチル
メタアクリレート樹脂やポリカーボネート樹脂等の樹脂
組成物、また、シリコーンゴム等のゴム組成物が用いら
れる。
【0022】キー記号表示部は、キートップ外殻部の天
面、キートップ外殻部の内底面、バックプレートの表
面、バックプレートの裏面、中実部の裏面の少なくとも
一面を形成面として設けられる。このキー記号表示部
は、熱可塑性樹脂フィルム等の形成面に直接にキー記号
(あるいはキー記号の抜き文字)を印刷することで、ま
た、熱可塑性樹脂フィルム等の形成面に遮光性塗料や遮
光性インクで形成された遮光性着色層をレーザー加工等
により文字等の形状に除去してキー記号の抜き部を形成
することで、さらに、この抜き部に透光性着色インク等
で透光性着色層を形成すること、またさらに、キー記号
が印刷等された印刷シートを透明接着剤等で貼合するこ
と等により形成される。望ましい態様としては、このキ
ー記号表示部は、熱可塑性樹脂フィルムにキートップ外
殻部の成形前に形成し、あるいは、中実部を形成した後
に中実部の裏面に形成する。
【0023】
【作用】この発明にかかるスイッチ用キートップシート
は、キートップ外殻部の内底面に樹脂等からなるバック
プレートが設けられ、このバックプレートに重ねて中実
部が充填固着されるため、キートップ外殻部の底面、す
なわち、キートップ天面を硬質に厚肉化でき、良好な指
触感が得られる。特に、中実部をゴム弾性体から成形し
たものも、スイッチ装置としての使用に際して爪やペン
先等で押圧しても押し痕が付くことを防止できる。
【0024】そして、請求項3〜7の発明の製造方法
は、熱可塑性樹脂フィルムにキートップ外殻部を絞り成
形等で成形した後、キートップ外殻部内底面にバックプ
レートを配置し、キートップ外殻部内にポッティングや
圧縮成形等で中実部を形成するため、キートップ外殻部
の成形に際して局部的な伸びが抑制でき、優れた寸法安
定性が得られ、また、中実部の成形に際してキートップ
外殻部がさらなる変形を生じることもなく、キー記号表
示部を中実部の成形前に形成した場合でもキー記号表示
部が大きな歪みを生じることを防止でき、また、熱によ
り損傷を受けることも防止できる。
【0025】また、請求項8,9,10の発明の製造方
法は、熱可塑性樹脂フィルムのキートップ外殻部形成部
分にバックプレートを貼合した後、この熱可塑性樹脂フ
ィルムをバックプレートがゲートと対向する状態で成形
型間に挟持し、一方の成形型のゲートから溶融成形材料
を射出して中実部を成形するため、溶融成形材料の射流
が直接に衝当しても衝当部分が局部的に過度に薄肉化す
ることが無く、優れた寸法安定性が得られる。また、熱
可塑性樹脂フィルムやバックプレートにキー記号表示部
を予め形成した場合(請求項9,10)も、キー記号表
示部がバックプレートにより溶融成形材料から保護され
て直接に接触することがないため、中実部の成形に際し
ての熱や圧力でキー記号表示部が損傷を受けることが防
止できる。
【0026】
【実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面を参
照して説明する。図1から図4はこの発明の第1の実施
の形態にかかるスイッチ用キートップシートを示し、図
1aが同スイッチ用キートップシートを用いたスイッチ
装置の一部模式断面図、図1bが同スイッチ用キートッ
プシートの一部模式断面図、図2が同スイッチ用キート
ップシートの製造工程の概要をアルファベット順に示す
模式断面図、図3が図2に続く製造工程の概要をアルフ
ァベット順に示す模式断面図、図4が他の態様のスイッ
チ用キートップシートの製造工程の概要を示す模式断面
図である。
【0027】先ず、図1aを参照してスイッチ装置を説
明すると、10は回路基板、20はスプリングシート、
30はキートップシートを示す。回路基板10は、スプ
リングシート20側の面(本明細書では表面と称し、逆
側の面を裏面と称する)に複数の固定接点11とLED
等の発光源12が設けられ、表面にスペーサ19を介し
てスプリングシート20が設けられる。スペーサ19
は、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂シートからな
り、所定の厚みを有する。このスペーサ19には発光源
12と対応して収納穴18が形成され、この収納穴18
がスプリングシート20の後述する収納穴とともに収納
部18(収納穴と同一の番号を付す)を構成する。収納
部18はキートップシート30側が開口し、この収納部
18内に発光源12が収納される。
【0028】スプリングシート20は、ポリカーボネー
ト等の樹脂からなり、上述したようにスペーサ19を介
して回路基板10に取り付けられる。スプリングシート
20には、ドーム状の複数の皿ばね部21と収納穴18
が形成される。皿ばね部21は固定接点11に対応して
形成され、この皿ばね部21の裏面に可動接点22が設
けられる。皿ばね部21は、上面がキートップシート3
0の後述する中実部と当接し、キートップシート30に
より押圧されて皿ばね的な弾性変形特性で変形する。可
動接点22は、導電性インク等を用いた印刷、あるい
は、導電性ゴムを接着してなり、皿ばね部21の変形で
固定接点21と接触する。
【0029】キートップシート30は、可撓性を有する
ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム31に裏
面側に開口する凹状の複数のキートップ外殻部31aを
固定接点11と対応して形成し、キートップ外殻部31
aの内底面にバックフィルム(バックプレート)32を
設け、キートップ外殻部31a内にバックフィルム32
に重ねてシリコーンゴムの中実部33を充填固着して構
成される。樹脂フィルム31には、裏面に遮光性着色層
34が形成され、また、キートップ外殻部31aの内底
面にキー記号表示部35が形成される。後述するが、キ
ートップ外殻部31aは絞り成形等により成形され、遮
光性着色層34はカーボン含有の遮光性塗料を用いた塗
装やカーボン含有の遮光性インクを用いた印刷等により
形成され、キー記号表示部35は遮光性着色層34を文
字等の形状に除去して除去部35a上に透光性着色イン
クの透光性着色層35bを充填、積層して構成される。
【0030】バックフィルム32は、硬質のアクリル樹
脂フィルム等からなり、厚みが0.3mm〜1.0mm
程度であってキートップ外殻部31a内底面と対応した
大きさを有する。中実部33は、シリコーンゴムからな
り、キートップ外殻部31a内面に固着し、裏面側に突
出する部分球状の凸部33aを有する。後述するが、バ
ックフィルム32は中実部33の形成前にキートップ外
殻部31aの内底面に仮止めあるいは接着剤等で固定さ
れて中実部33の成形で埋入され、中実部33はシリコ
ーンゴム等の粘土状の反応性ゴム弾性体組成物を用い圧
縮成形により成形される。
【0031】次に、キートップシート30の製造方法を
図2,3を参照して説明する。先ず、図2aに示すよう
に、透明な熱可塑性樹脂フィルム31の一面全面にカー
ボンブラック含有の遮光性塗料を用いたスプレー塗装や
遮光性インクを用いたスクリーン印刷等により遮光性着
色層34を形成する。そして、図2bに示すように、こ
の熱可塑性樹脂フィルム31の所定部分(キートップ外
殻部31aの内底面となる部分)の遮光性着色層34に
レーザー光照射装置Rからレーザー光をマスクMを介し
て照射し、遮光性着色層34を文字等のキー記号の形状
に除去してを表す除去部35a、いわゆる抜き文字を形
成する。なお、除去部35aの形成は、キートップ外殻
部31aを形成した後、あるいは、中実部33を形成し
た後にフィルム31の表面側からレーザー光を照射して
行うことも可能である。この後、図2cに示すように、
熱可塑性樹脂フィルム31の除去部35a上に透光性着
色インクを用いたスクリーン印刷等により透光性着色層
35bを形成、すなわち、キー記号表示部35を形成す
る。この透光性着色層35bの形成に際しては、透光性
着色インクを除去部35b内に充填させる。
【0032】次に、図2dに示すように、キー記号表示
部35が形成された熱可塑性樹脂フィルム31に絞り加
工等を施してキートップ外殻部31aを形成する。キー
トップ外殻部31aは、固定接点11に対応して複数箇
所に形成され、内底面にキー記号表示部35が位置す
る。ここで、外殻部31aの形成は変形速度が比較的小
さな絞り加工により行うため、キー記号表示部35に高
い熱や圧力が作用することが無く、キー記号表示部35
が損傷することがない。続いて、図3aに示すように、
熱可塑性樹脂フィルム31のキートップ外殻部31a内
底面にバックフィルム32を設ける。このバックフィル
ム32は後述する中実部33の成形で中実部33内に埋
没固定されるため載置するのみあるいは仮止めで足りる
が、透明接着剤で接着固定することも可能である。
【0033】そして、下型51と上型52を用い、キー
トップ外殻部31a内にバックフィルム32上で中実部
33を形成する。下型51は、キートップ外殻部31a
の外形状と対応した凹部51aが形成され、熱可塑性樹
脂フィルム31を凹部51a内にキートップ外殻部31
aが開口を鉛直上方に向けて嵌合した状態で保持する。
上型52は、下面に部分球状の凹部52aが形成され
る。なお、図示しないが、下型51と上型52は、加熱
するためのヒータ等が組み込まれ、成形時には所定の温
度に加熱される。
【0034】そして、図3bに示すように、下型51に
熱可塑性樹脂フィルム31をキートップ外殻部31aの
開口が鉛直上方を向く姿勢で保持し、この状態で熱可塑
性樹脂フィルム31のキートップ外殻部31a内に透明
な粘土状の反応性シリコーンゴム組成物Sを所定量充填
し、上型52を下降させてシリコーンゴム組成物Sが充
填された熱可塑性樹脂フィルム31を下型51と上型5
2の間で挟圧し、凸部33aを有する中実部33を成形
する。ここで、この中実部33は下型51と上型52を
用いた圧縮成形により成形、すなわち、射出成形等と比
較して低温度かつ低圧力で成形される。このため、キー
トップ外殻部31aが中実部33の成形に際して過大な
伸びを生じることが無く、スイッチ装置として用いて優
れた耐久性が得られ、また、キー記号表示部35が損傷
することが防止される。
【0035】この後は、型51,52から離型して図1
bに示すキートップシート30が得られ、このキートッ
プシート30をスプリングシート20を介し回路基板1
0に組み付けて図1aに示すスイッチ装置が完成する。
なお、キートップシート30の組付に際しては、スプリ
ングシート20の皿ばね部21の頂部とキートップシー
ト30の中実部33bの凸部33aとの間にスペーサ等
を介装することも可能である。
【0036】図4は、上述した第1の実施の形態の他の
態様を示す。この態様にかかるキートップシート30
は、図4dに示すように、キー記号表示部35を遮光性
インクや透光性インクにより印刷した文字や記号により
構成する。そして、その製造に際しては、図4aに示す
ようにスクリーン印刷等で熱可塑性樹脂フィルム31に
キー記号表示部35を形成した後、図4bに示すよう
に、キー記号表示部35が内底面に位置するようにキー
トップ外殻部31aを形成し、次いで、キートップ外殻
部31a内にキー記号表示部35上でバックフィルム3
2を設ける。この後は、図3bと同様に粘土状のシリコ
ーンゴム組成物を用いて圧縮成形により中実部33を形
成し、下型51と上型52から離型して図4dに示すキ
ートップシート30が得られる。
【0037】図5および図6は、この発明の第2の実施
の形態を示し、製造工程の概要をアルファベット順およ
び図番順に示す模式断面図である。なお、この第2の実
施の形態および後述する実施の形態においては、上述し
た第1の実施の形態と対応する部分には同一の番号(符
号)を用い、一部の図示と説明を割愛する。
【0038】この第2の実施の形態にかかるキートップ
シート30は、中実部33が形成された熱可塑性樹脂フ
ィルム31の裏面にキー記号表示部35が形成された印
刷シート60を透明接着剤69により貼着して構成され
る。印刷シート60は、ポリエチレンテレフタレート等
の透明な樹脂フィルム61の一面全面に遮光性インクを
用いて抜き文字35dが形成された遮光性着色層36を
印刷形成し、この抜き文字35d上に透光性インクを用
いて透光性着色層37、すなわち、キー記号表示部35
を形成する。
【0039】この第2の実施の形態にかかるキートップ
シート30は次のように製造される。すなわち、先ず、
図5aに示すように、熱可塑性樹脂フィルム31に絞り
成形等でキートップ外殻部31aを形成し、次いで、成
型されたキートップ外殻部31aの内底面にバックフィ
ルム32を設ける。そして、図5cに示すように、この
熱可塑性樹脂フィルム31をキートップ外殻部31aが
鉛直上方に向く姿勢で下型51に装着し、キートップ外
殻部31a内にゴム状のシリコーンゴム組成物Sを充填
し、このシリコーンゴム組成物Sを下型51と上型52
により挟圧して硬化させ、図5dに示すようにキートッ
プ外殻部31a内に中実部33を成形する。
【0040】また、樹脂フィルム61の一面全面に遮光
性インクを用いスクリーン印刷等で抜き文字35dを有
する遮光性着色層36を形成し、続いて、樹脂フィルム
61の抜き文字35d形成部分に透光性インクを用いて
スクリーン印刷等により透光性着色層37を形成し、抜
き文字35d内に透光性インクが充填されたキー記号表
示部35を形成し、図6aに示す印刷シート60を得
る。そして、同図に示すように、この印刷シート60の
キー記号表示部35形成面を透明接着剤69により熱可
塑性樹脂フィルム31の裏面に接着し、図6bに示すキ
ートップシート30が完成する。
【0041】この第2の実施の形態にあっても、熱可塑
性樹脂フィルム31にキートップ外殻部31aを絞り成
形等で成形し、このキートップ外殻部31a内に中実部
33を粘土状のシリコーンゴム弾性体を用いた圧縮成形
により成形するため、キートップ外殻部31aに肉厚が
過度に薄い薄肉部分が生じることが無く、耐疲労強度が
確保でき、また、キートップ外殻部31aの天面部分と
中実部33との間にバックフィルム32が設けられるた
め爪等により押圧した際に押し痕が付くことも防止でき
る。特に、この第2の実施の形態は、樹脂フィルム61
にキー記号表示部35が形成された印刷シート60を予
め形成し、熱可塑性樹脂フィルム31にキートップ外殻
部31aと中実部33を形成した後に印刷シート60を
貼着するため、キー記号表示部35の損傷を確実に防止
できる。
【0042】図7および図8はこの発明の第3の実施の
形態を示し、製造工程の概要を図番順および各図のアル
ファベット順に示す模式断面図である。この第3の実施
の形態は、透明な熱可塑性樹脂フィルム31に抜き窓部
36fを有する遮光性着色層36を遮光性インクを用い
たスクリーン印刷等で形成し、この熱可塑性樹脂フィル
ム31に抜き窓部36fが内底面に位置するキートップ
外殻部31aを絞り成形等で形成する。
【0043】また、図7cに示すように、透明な樹脂フ
ィルム71にキー記号表示部35を形成して印刷シート
70を製作し、図7dに示すように、この印刷シート7
0をキートップ外殻部31aにキー記号表示部35がそ
の内底面に対面するように透明接着剤69で接着する。
次いで、図8aに示すように、キートップ外殻部31a
が形成された熱可塑性樹脂フィルム31をキートップ外
殻31a開口が鉛直上方を向く姿勢に治具等により固定
し、キートップ外殻部31a内にディスペンサー99を
用いて透明な液状のシリコーン系の紫外線硬化型樹脂組
成物Lを表面張力で開口表面から盛り上がるまで注入、
いわゆるポッティングを行う。そして、図8bに示すよ
うに、熱可塑性樹脂フィルム31のキートップ外殻部3
1a内の紫外線硬化型樹脂Lに紫外線照射器98から紫
外線を照射し、紫外線硬化型樹脂Lを硬化させて中実部
33が得られ、図8cに示すキートップシート30が製
造される。
【0044】この実施の形態も、キートップ外殻部31
aが絞り成形等により成形されるためキートップ外殻部
31aが成形に際して過度に薄肉化することが無く、ま
た、キー記号表示部35が高温度に曝されることがない
ため、キー記号表示部35の損傷が確実に防止できる。
特に、この実施の形態は、印刷シート70によりキー記
号表示部35を得るため、表示部35の印刷インクと樹
脂シート71の色彩等の組合せに大きな自由度が得ら
れ、意匠的に優れたキートップシート30が得られる。
【0045】図9はこの発明の第4の実施の形態を表
し、その製造工程の概要をアルファベット順に示す模式
断面図である。この第4の実施の形態は、先ず、バック
フィルム32を作製する。このバックフィルム32は、
図9aに示すように、キートップ外殻部31a内底面と
対応した大きさの着色樹脂フィルム61に遮光性あるい
は透光性インクを用いてスクリーン印刷等で抜き文字6
7aを有する着色層67を形成する。この着色層67が
キー記号表示部を構成する。そして、図9bに示すよう
に、このバックフィルム32を透明な熱可塑性樹脂フィ
ルム31に透明接着剤69等を用いて着色層67が対面
するように接着する。
【0046】次に、この熱可塑性樹脂フィルム31を下
型81と上型82を有する射出成形金型装置80に装着
する。図9cに示すように、下型81には突起形成用の
凹部81aおよび凹部底面81aに開口するピンゲート
81bが形成され、上型82には外殻形成用の凹部82
aが凹部81aと対面して形成される。この射出成形金
型装置80は、下型81と上型82の間に熱可塑性樹脂
フィルム31をバックフィルム32が下面側にピンゲー
ト81bと対向する状態で挟持し、ピンゲート81bか
ら溶融樹脂Mを凹部81a内に射出する。そして、この
溶融樹脂Mの熱と圧力で熱可塑性樹脂フィルム31をバ
ックフィルム32とともに凹部82a内に陥入変形させ
た後に冷却し、キートップ外殻部31aと中実部33を
同時に成形して図9dに示すキートップシート30を得
る。このキートップシート30は、キートップ外殻部3
1a内面およびバックフィルム32が中実部33と固着
し、また、中実部33に裏面側に突出する凸部33cが
形成される。
【0047】この第4の実施の形態にあっては、バック
フィルム32を着色層67が樹脂フィルム31と対面す
るように固着するため、着色層67が直接に溶融樹脂M
と接触することが無く、また、樹脂フィルム31が局部
的に過大な伸び(変形)を生じることも防止できる。す
なわち、前述した特開平8−25404号公報に記載の
技術にあっては、溶融樹脂Mの粘度が低い場合等にピン
ゲート81bから凹部81a内に噴出する溶融樹脂Mの
圧力で樹脂フィルム31が局部的に過大な変形を生じて
キートップ外殻部31a天面部分が薄肉化するおそれが
あるが、この実施の形態は、ピンゲート81bに対面し
てバックフィルム32が樹脂フィルム31に設けられる
ためキートップ外殻部31a天面部分の薄肉化が防止で
き、また、着色層67は樹脂フィルム61により溶融樹
脂Mから保護されるため伝導する熱も少なく、着色層6
7の損傷も防止できる。
【0048】なお、上述した第4の実施の形態では、バ
ックフィルム32に着色層67、すなわち、キー記号表
示部35を形成するが、このキー記号表示部35は熱可
塑性樹脂フィルム31に形成し、このキー記号表示部3
5上にバックフィルム32を重ねて設けることも可能で
ある。
【0049】また、上述した各実施の形態においては、
バックプレートとして樹脂フィルムからなるバックフィ
ルム32を例示するが、バックプレートはコーティング
や印刷等で形成された樹脂等の層、また、前述した金属
の薄板等に替えることも可能である。さらに、上述した
図1から図8に示す実施の形態では、キートップ外殻部
31aを成形した後にキートップ外殻部31a内底面に
バックプレート(バックフィルム32)を設けるが、キ
ートップ外殻部31aを形成する前にその内底面となる
位置にバックプレートを仮止めあるいは固着し、このバ
ックプレートが設けられた樹脂フィルムに絞り加工等を
行ってキートップ外殻部31aを形成することも可能で
あり、この態様を本願発明は包含する。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
スイッチ用キートップシートによれば、熱可塑性樹脂フ
ィルムに凹状のキートップ外殻部を形成し、このキート
ップ外殻部内に底面に位置させてバックプレートを設け
るとともに樹脂またはゴム弾性体の中実部を充填固着す
るため、指の爪やペン先等でキートップ外殻部天面を押
圧しても押し痕が付くことが無く、外観の毀損が防止さ
れる。
【0051】また、請求項3,4,5,6,7に記載の
発明にかかるスイッチ用キートップシートの製造方法に
よれば、熱可塑性樹脂フィルムに絞り成形等でキートッ
プ外殻部を形成した後、キートップ外殻部内底面にバッ
クプレートを仮止めあるいは接着剤等で固着し、次い
で、キートップ外殻部内に圧縮成形やポッティング等に
より樹脂やゴム弾性体の中実部を形成するため、キート
ップ外殻部を過度の偏肉が生じることなく成形でき、優
れた寸法安定性が得られ、また、中実部の成形前にキー
記号表示部をキートップ外殻部天面、内底面あるいはバ
ックプレート等に形成しても(請求項4,5)キー記号
表示部が損傷を受けることが防止できる。
【0052】さらに、請求項8,9,10に記載の発明
にかかるスイッチ用キートップシートの製造方法によれ
ば、熱可塑性樹脂フィルムにバックプレートを仮止めあ
るいは接着剤等で固着した後、この熱可塑性樹脂フィル
ムを外殻成形凹部が形成された成形型とゲートが形成さ
れた成形型との間に挟持し、ゲートから溶融成形材料を
射出してキートップ外殻部と中実部を同時に成形するた
め、熱可塑性樹脂フィルムが局部的な変形を生じること
を防止でき、優れた寸法安定性が得られる。
【0053】特に、請求項9,10に記載の発明は、熱
可塑性樹脂フィルムとバックプレートとの間にキー記号
表示部を位置させるため、溶融成形材料の熱等からキー
記号表示部を保護でき、キー記号表示部の損傷を防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態にかかるスイッチ
用キートップシート示し、aが同スイッチ用キートップ
シートを用いた押釦スイッチ装置の模式断面図、同スイ
ッチ用キートップシートを拡大した模式断面図である。
【図2】同スイッチ用キートップシートの製造方法を表
し、その製造工程の概要をアルファベット順に示す模式
断面図である。
【図3】図2の製造工程に続く製造工程の概要をアルフ
ァベット順に示す模式断面図である。
【図4】同製造方法の他の態様を表し、製造工程の概要
をアルファベット順に示す模式断面図である。
【図5】この発明の第2の実施の形態にかかるスイッチ
用キートップシートを表し、その製造工程の概要をアル
ファベット順に示す模式断面図である。
【図6】図5の製造工程に続く製造工程の概要をアルフ
ァベット順に示す模式断面図である。
【図7】この発明の第3の実施の形態を表し、製造工程
の概要をアルファベット順に示す模式断面図である。
【図8】図7の製造工程に続く製造工程の概要をアルフ
ァベット順に示す模式断面図である。
【図9】この発明の第4の実施の形態を表し、製造工程
の概要をアルファベット順に示す模式断面図である。
【符号の説明】
10 回路基板 11 固定接点 12 LED(発光源) 20 スプリングシート 21 皿ばね部 30 キートップシート 31 熱可塑性樹脂フィルム 31a キートップ外殻部 32 バックフィルム(バックプレート) 33 中実部 33a 凸部 34 遮光性着色層 35 キー記号表示部 35a 除去部 35b 透光性着色層 36 遮光性着色層 37 透光性着色層 51 下型 51a 凹部 52 上型 52a 凹部 60 印刷シート 61 樹脂フィルム 69 透明接着剤 80 射出成形金型装置 81 下型 81a 凹部 81b ピンゲート 82 上型 82a 外殻形成凹部 L 紫外線硬化型樹脂組成物(液状の成形材
料) M 溶融樹脂(溶融成形材料) S シリコーンゴム組成物(粘土状の成形材
料)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01H 13/04 H01H 13/04 B // B29L 31:00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面側に膨出して裏面に開口する凹状の
    キートップ外殻部が形成された熱可塑性樹脂フィルム
    と、 該熱可塑性樹脂フィルムのキートップ外殻部の内底面に
    設けられたバックプレートと、前記熱可塑性樹脂フィル
    ムの少なくともキートップ外殻部内に充填固着された樹
    脂またはゴム弾性体からなるキートップ中実部と、を備
    えることを特徴とするスイッチ用キートップシート。
  2. 【請求項2】 前記キートップ外殻部の表面、内底面ま
    たは前記バックプレートにキー記号表示部を形成した請
    求項1に記載のスイッチ用キートップシート。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂フィルムに表面側へ膨出し
    て裏面側が開口する凹状のキートップ外殻部を形成し、
    該キートップ外殻部の内底面にバックプレートを設けた
    後、前記キートップ外殻部内に該キートップ外殻部内面
    と固着した樹脂またはゴム弾性体の中実部を形成したこ
    とを特徴とするスイッチ用キートップシートの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂フィルムに所定位置で少な
    くとも1つのキー記号表示部を形成するとともに、該キ
    ー記号表示部の形成部分を表面側へ膨出させて該キー記
    号表示部が内底面に位置する凹状のキートップ外殻部を
    形成し、該キートップ外殻部の内底面に前記キー記号表
    示部と重ねてバックプレートを設けた後、前記キートッ
    プ外殻部内に該キートップ外殻部内面と固着した樹脂ま
    たはゴム弾性体の中実部を形成したことを特徴とするス
    イッチ用キートップシートの製造方法。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂フィルムに表面側へ膨出し
    て裏面側が開口する凹状のキートップ外殻部を形成する
    とともに、キー記号表示が一面に形成されたバックプレ
    ートを形成し、該バックプレートを前記キートップ外殻
    部の内底面に設けた後、前記キートップ外殻部内に該キ
    ートップ外殻部内面と固着した樹脂またはゴム弾性体の
    中実部を形成したことを特徴とするスイッチ用キートッ
    プシートの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂フィルムのキートップ
    外殻部内底面に前記バックプレートを設けた後、前記熱
    可塑性樹脂フィルムを前記キートップ外殻部開口が鉛直
    上方を向く姿勢で載置し、該キートップ外殻部内に液状
    成形材料を注入し、該液状成形材料を硬化させて前記中
    実部を形成する請求項3、請求項4または請求項5に記
    載のスイッチ用キートップシートの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂フィルムのキートップ
    外殻部内底面に前記バックプレートを設けた後、前記熱
    可塑性樹脂フィルムを前記キートップ外殻部開口が鉛直
    上方を向く姿勢で下型に装着して前記キートップ外殻部
    内に粘土状の反応性ゴム弾性体を充填し、次に、前記下
    型上に上型を被せて該上型と下型により前記キートップ
    外殻部内の反応性ゴム弾性体を挟圧し、該反応性ゴム弾
    性体を硬化させて前記中実部を形成する請求項3、請求
    項4または請求項5に記載のスイッチ用キートップシー
    トの製造方法。
  8. 【請求項8】 熱可塑性樹脂フィルムの一面にバックプ
    レートを設け、該バックプレートが設けられた熱可塑性
    樹脂フィルムを外殻成形凹部が形成された第1成形型と
    ゲートが形成された第2成形型とにより挟持して前記バ
    ックプレートを前記ゲートに対面させ、前記ゲートから
    高温・高圧の溶融成形材料を射出し、該溶融成形材料の
    熱と圧力により前記熱可塑性樹脂フィルムを変形させて
    前記外殻成形凹部内に陥入させ、前記熱可塑性樹脂フィ
    ルムに前記バックプレートが内底面に位置する凹状のキ
    ートップ外殻部を形成するとともに、前記溶融成形材料
    を硬化させて前記キートップ外殻部内面と固着した中実
    部を形成することを特徴とするスイッチ用キートップシ
    ートの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記熱可塑性樹脂フィルムにキー記号表
    示部を形成し、該キー記号表示部上に重ねて前記バック
    プレートを設けた請求項8に記載のスイッチ用キートッ
    プシートの製造方法。
  10. 【請求項10】 バックプレートに前記熱可塑性樹脂フ
    ィルムに設ける前にキー記号表示部を形成した請求項8
    に記載のスイッチ用キートップシートの製造方法。
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