JPH11223283A - 塩化ビニル系管路構成部材 - Google Patents

塩化ビニル系管路構成部材

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JPH11223283A
JPH11223283A JP10024557A JP2455798A JPH11223283A JP H11223283 A JPH11223283 A JP H11223283A JP 10024557 A JP10024557 A JP 10024557A JP 2455798 A JP2455798 A JP 2455798A JP H11223283 A JPH11223283 A JP H11223283A
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JP
Japan
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vinyl chloride
stress
chloride resin
plasticizer
pipe line
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Application number
JP10024557A
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English (en)
Inventor
Tadashi Shinko
忠 新子
Kenichi Matsumura
健一 松村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可撓性及び耐衝撃性に富み、且つ、接着接合
が可能であり施工性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物か
ら成形された、耐震性に優れた塩化ビニル系管路構成部
材を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂100重量部及び可塑
剤10〜30重量部からなる塩化ビニル系樹脂組成物を
成形してなる塩化ビニル系管路構成部材であって、曲げ
弾性率が5000〜20000kgf/cm2 であり、
且つ、下式(1)で表される平衡応力緩和率が、40〜
100%であることを特徴とする塩化ビニル系管路構成
部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
組成物を用いた塩化ビニル系管路構成部材に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は、機械強度、耐候
性、耐薬品性等において優れた材料であるので、上下水
道管等をはじめとした管工機材、建築部材、住宅資材等
の分野に広く用いられている。水道管や下水管等は地中
に埋設されるため、その補修や更新には、交通量の多い
道路の掘削等、多くの困難を伴うものであるので、上下
水道管等として用いられる塩化ビニル管は、短期的性能
に優れているだけでなく、長期的に性能が優れているこ
とが求められる。特に地震、その他の振動やこれに伴う
敷設地盤の変動に対する疲労強度に優れ、信頼性が高い
ものであることが求められる。
【0003】ところが近年、地震後に管路構成部材が破
損や抜け等の為、使用不能となる等の問題が顕在化して
きており、これら管路構成部材の耐震性の要求が大きく
なっている。現在、一般的に使用されている硬質ポリ塩
化ビニル樹脂を用いた管路構成部材は、剛性が高いがた
めに、地震波による縦及び横振動に追随することができ
ずに、破損や抜けが発生している。
【0004】これらの問題を解決するために、可撓性及
び耐衝撃性に優れたポリエチレンを用いた管路構成部材
が使用されつつあるが、このものは、耐震性には優れる
ものの、ポリ塩化ビニルの大きな長所である簡便な接着
接合ができないという欠点があった。
【0005】特開昭58−131025号公報には、熱
可塑性材料を本体とした電気溶着装置に関する技術が開
示されている。この装置は、本体である熱可塑性材料を
溶融させてこれに溶着されるべき部材に溶着させるもの
である。しかしながら、この方法では、装置が複雑でコ
スト等にも問題があった。
【0006】又、特開昭55−500185号公報、特
開昭55−500479号公報等には、熱可塑性材料か
らなる溶接ブシュや溶接スリーブが開示されているが、
いずれも複雑な構造を有し、施工性が悪く、簡便な接合
方法にはほど遠かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、可撓性や耐衝撃性に優れ、且つ、接着接合が可能で
あり、施工性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物を用いて
成形された塩化ビニル系管路構成部材を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル系
樹脂100重量部及び可塑剤10〜30重量部からなる
塩化ビニル系樹脂組成物を成形してなる塩化ビニル系管
路構成部材であって、曲げ弾性率が5000〜2000
0kgf/cm2 であり、且つ、下式(1)で表される
平衡応力緩和率が、40〜100%であることを特徴と
する塩化ビニル系管路構成部材をその要旨とするもので
ある。
【0009】
【数2】
【0010】本発明において、管路構成部材とは、上記
塩化ビニル系樹脂組成物から成形された管路を構成する
部材を総称するものであって、上記管路は、特に限定さ
れるものではなく、例えば、上下水道、農業灌漑用水路
等における給水管路や排水管路、通信ケーブル、その他
ケーブル等の保護管路、ケミカルプラント、その他プラ
ントにおける各種管路等が挙げられる。
【0011】上記管路構成部材は、主管部材、分岐管部
材、継手部材及びその他の補助部材からなり、上記継手
部材及びその他の補助部材としては、例えば、各種分岐
継手、サドル、ソケット、エルボ、チーズ、伸縮継手、
各種バルブ、ストレーナー、キャップ、マンホール、螺
旋管形成用プロファイル等が挙げられる。
【0012】本発明で用いられる塩化ビニル系樹脂組成
物は、塩化ビニル系樹脂100重量部及び可塑剤10〜
30重量部からなるものであって、曲げ弾性率は500
0〜20000kgf/cm2 である。上記曲げ弾性率
が5000kgf/cm2 未満であると、上記塩化ビニ
ル系樹脂組成物からなる管路構成部材は、地中埋設時に
土圧により変形するおそれがあり、20000kgf/
cm2 を超えると、地震等の高速衝撃に耐えられず破壊
するおそれがあるので、上記範囲に限定される。
【0013】又、本発明で用いられる塩化ビニル系樹脂
組成物は、上記式(1)で算出される平衡応力緩和率
が、40〜100%である。上記平衡応力緩和率は可及
的大であることが好ましく、この値が40%未満である
と、これを成形してなる管路構成部材は、地震による地
盤の大きな変位を吸収できず、破損や接続部の抜けが発
生するおそれがあり、平衡応力緩和率は100%を超え
ることはない。
【0014】上記塩化ビニル系樹脂としては特に限定さ
れず、例えば、塩化ビニルのホモポリマー、塩化ビニル
と共重合可能なモノマーとの共重合体、塩化ビニルと塩
化ビニルがグラフト可能な樹脂とのグラフト共重合体、
ポリ塩化ビニルを後塩素化した塩素化塩化ビニル樹脂、
これらの混合物等が挙げられる。上記塩化ビニルと共重
合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピ
レン、ブチレン等のオレフィン類;酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル等のビニルエステル類;イソブチルビニル
エーテル、セチルビニルエーテル、フェニルビニルエー
テル等のビニルエーテル類;スチレン、α−メチルスチ
レン等のスチレン誘導体類;n−ブチルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エス
テル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシ
アン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハ
ロゲン化ビニル類;シクロヘキシルマレイミド、フェニ
ルマレイミド等のN−置換マレイミド類;マレイン酸ジ
メチル、フマル酸ジメチル等の不飽和ジカルボン酸エス
テル類等が挙げられる。これらは単独でも2種以上併用
して用いられてもよい。
【0015】上記塩化ビニルがグラフト可能な樹脂とし
ては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル重合体、エ
チレンと酢酸ビニルとの共重合体、エチレンとアクリル
酸エステルとの共重合体、塩素化ポリエチレン、クロル
スルホン化ポリエチレン、ポリウレタン等が挙げられ
る。
【0016】上記塩化ビニル系樹脂中の上記塩化ビニル
と共重合可能なモノマーの含有量は、目的に応じて適宜
設定されるが、20重量%以下が好ましい。含有量が2
0重量%を超えると、塩化ビニル系樹脂が持つ本来の特
性を失ってしまう。
【0017】上記可塑剤としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、ジ−2−エチルヘキシルフタレー
ト、ジイソノニルフタレート、ジブチルフタレート、ジ
ヘプチルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタ
ル酸エステル類;ジ−2−エチルヘキシルアジペート、
ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジ
−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバケー
ト、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等の脂肪族ジカ
ルボン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシブチ
ルステアレート等のエポキシ化エステル類;トリクレジ
ルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジル
ジフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;トリ2
−エチルヘキシルトリメリテート、トリイソデシルトリ
メリテート等のトリメリット酸エステル類;アジピン
酸、フタル酸等の2塩基酸と1,2−プロピレングリコ
ールや1,3−ブチレングリコール等のグリコール類と
のポリエステル化によって合成される、分子量800〜
4000程度のポリエステル類;ポリメリット酸エステ
ル類等が挙げられる。これらは単独でも2種以上併用し
て用いられてもよい。上記可塑剤のうち、特にフタル酸
エステル類、アジピン酸エステル類、トリメリット酸エ
ステル類、ポリエステル類が好適に用いられる。
【0018】上記塩化ビニル系樹脂の重合度は、400
〜4000が好ましく、より好ましくは、500〜25
00である。重合度が400未満であると、耐久性に劣
り、重合度が4000を超えると、成形性が悪くなる。
【0019】上記塩化ビニル系樹脂組成物は、必要に応
じて熱安定剤、熱安定化助剤、滑剤、加工助剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、着色剤等が添
加されてもよい。上記熱安定剤としては、特に限定され
るものではないが、例えば、ジブチル錫メルカプト、ジ
オクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプト、ジブチ
ル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチ
ル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチ
ル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマー等の有
機錫系安定剤、ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、
三塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安
定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、バリウム−カドミウム
系安定剤等が挙げられる。これらは単独でも2種以上併
用して用いられてもよい。上記熱安定化助剤としては、
特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ化大
豆油、リン酸エステル類等が挙げられる。これらは単独
でも2種以上併用して用いられてもよい。
【0020】上記滑剤としては、特に限定されるもので
はないが、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレン
ワックス、エステルワックス、モンタン酸エステル系ワ
ックス等のワックス類;ステアリン酸、ラウリン酸等の
高級脂肪酸等からなる外部滑剤、ブチルステアレート、
ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ
化大豆油、モノグリセリド、ビスアミド等からなる内部
滑剤等が挙げられる。これらの滑剤は単独でも2種以上
併用して用いられてもよい。
【0021】上記加工助剤としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、平均分子量10万〜500万の
メチルメタクリレートを主成分とするアクリル系加工助
剤が挙げられる。上記酸化防止剤としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、フェノール系抗酸化剤等
が挙げられる。上記紫外線吸収剤としては特に限定され
ず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の
紫外線吸収剤等が挙げられる。上記光安定剤としては特
に限定されず、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤
等が挙げられる。
【0022】上記充填剤としては特に限定されず、例え
ば、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等が
挙げられる。上記顔料としては特に限定されず、例え
ば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ
系等の有機顔料;酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫
化物・セレン化物系、フェロシアン化物系等の無機顔料
等が挙げられる。上記添加剤を上記複合塩化ビニル系樹
脂組成物に混合する方法としては、ホットブレンドによ
る方法でも、コールドブレンドによる方法でもよい。
【0023】本発明の塩化ビニル系管路構成部材を成形
する方法としては特に限定されず、上記各成分を、混合
粉体やペレットとして、またそれらの混合物として、単
軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー
ミキサー、ミキシングロール等の混練装置を用いて混練
し、従来公知の任意の成形機を用いて成形することがで
きる。一般的には、パイプは押出成形機が用いられ、任
意の形状が必要とされる継手類やマス類等は、射出成形
機を用いて成形する方法が用いられる。
【0024】請求項2記載の発明は、上記可塑剤が、フ
タル酸エステル類、アジピン酸エステル類、トリメリッ
ト酸エステル類及びポリエステル類からなる群より選択
された少なくとも1種類である請求項1記載の塩化ビニ
ル系管路構成部材をその要旨とするものである。
【0025】請求項2記載の発明の塩化ビニル系管路構
成部材は、塩化ビニル系樹脂に配合される可塑剤が、フ
タル酸エステル類、アジピン酸エステル類、トリメリッ
ト酸エステル類及びポリエステル類に限定される。
【0026】請求項1記載の発明の塩化ビニル系管路構
成部材は、叙上のような塩化ビニル系樹脂と可塑剤の配
合量からなり、成形された塩化ビニル系管路構成部材の
曲げ弾性率が5000〜20000kgf/cm2 であ
り、且つ、上記式(1)で表される平衡応力緩和率が、
40〜100%であるので、地中埋設時に土圧により変
形するおそれはなく、且つ、地震等による強い振動や地
殻変動等による外力の負荷に対しても適度の耐衝撃性及
び可撓性を有し、破損するおそれが極めて少なく、従来
問題となっている接続部における剥離や抜け等の事故も
極めて少なく、その機能を保存し得るものである。
【0027】請求項2記載の発明の塩化ビニル系管路構
成部材は、請求項1記載の可塑剤が、叙上の可塑剤に限
定され、上記可塑剤に限定された塩化ビニル系樹脂組成
物から成形された塩化ビニル系管路構成部材は、使用温
度範囲が拡大され、寒冷地、寒冷時においても、高い耐
衝撃強度、適度の可撓性を有し、請求項1の発明の塩化
ビニル系管路構成部材と同様に、その機能を十分に保持
しえるものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を掲げて更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。
【0029】(実施例1)重合度800のポリ塩化ビニ
ル(徳山積水工業社製、商品名「TS−800E」)1
00重量部、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(可塑
剤)15重量部、ジブチル錫メルカプト(熱安定剤、三
共有機社製、商品名「ONZ−41F」)2重量部、モ
ンタン酸エステル系ワックス(内外滑兼用滑剤、ヘキス
ト社製、商品名「Wax−OP」)0.5重量部及びモ
ノグリセライド(内滑剤、理研ビタミン社製、商品名
「S−100」)1.0重量部の割合でヘンシェルミキ
サーでブレンドし、配合粉を作成した。更に、この配合
粉を30mmツイン押出機を用い、樹脂温度が180℃
となるようにシリンダー温度を調整し、ペレタイザーに
よりペレット化した。このペレットを用いて以下の評価
を行い、測定結果を表1に示した。
【0030】[曲げ弾性率測定試験]ペレットを190
℃のロールで巻き付き後3分間混練した後、200℃の
プレス機で4分間予熱した後、面圧力75kgf/cm
2 にて4分間加圧した。続いて、15℃の冷却プレス
で、面圧力75kgf/cm2 にて、5分間冷却し、厚
さ約3mmのプレスシートを得た。このプレスシートか
らJIS K 7203に準拠して曲げ弾性率を測定し
た。
【0031】[平衡応力緩和率測定試験]ペレットを1
90℃のロールで巻き付き後3分間混練した後、200
℃のプレス機で4分間予熱した後、面圧力75kgf/
cm2 にて3分間加圧した。続いて、15℃の冷却プレ
スで、面圧力75kgf/cm2 にて、5分間冷却し、
厚さ約3mmのプレスシートを得た。このプレスシート
から打ち抜き型を用いてJIS K 7113に規定さ
れる2号形試験片を作成した。この試験片を用いて、同
号に準拠して破断応力(引張破壊強さ)を求めた。同様
に、上記2号形試験片を用い、先に測定した破断応力の
1/2(許容差±5%)なるように引張試験樹の応力を
設定し、初期応力を負荷した。応力を負荷したままの状
態で24時間放置した後、24時間後の応力を求めた。
【0032】[接着強度測定試験]ペレットを190℃
のロールで巻き付き後3分間混練した後、200℃のプ
レス機で4分間予熱した後、面圧力75kgf/cm2
にて3分間加圧した。続いて、15℃の冷却プレスで、
面圧力75kgf/cm2 にて、5分間冷却し、厚さ約
5mmのプレスシートを得た。この板から10mm×5
0mmの試験片を切り出し、図1のような形状に、接着
剤(積水化学工業社製、エスダイン#73)を用いて接
着し、23℃で24時間放置した後、引張試験機を用い
て接着面が剥離するまでの応力を測定し、測定値を接着
面積で除した値を接着強度とした。
【0033】[耐震性評価試験] 1)高速引張試験 ペレットを190℃のロールで巻き付き後3分間混練し
た後、200℃のプレス機で4分間予熱した後、面圧力
75kgf/cm2 にて3分間加圧した。続いて、15
℃の冷却プレスで、面圧力75kgf/cm2 にて、5
分間冷却し、厚さ約2mmのプレスシートを得た。この
プレスシートから打ち抜き型を用いてJIS K 71
13に規定される2号形試験片を作成した。この試験片
を23℃の温度に24時間放置して状態調節を行った
後、高速引張試験機(オリエンテック社製、MODEL
UTM−5)用い、引張速度0.9m/秒の条件で破
断点伸びを測定した。引張速度を0.9m/秒とした理
由は、1995年に発生した兵庫県南部地震における神
戸海洋気象台発表の最大振動速度が0.9m/秒とされ
ているからである。
【0034】2)パイプ挿入曲げ試験 ペレットを型締め圧1200tの射出成形機(東芝社
製、商品名「IS−1200DE」)を用い、JSWA
S K−7に記載される宅地マス90度合流左(略号:
90Y左、マス径150)を成形した。この宅地マス4
に下水道用硬質塩化ビニル管5(プレーンエンド直管V
U100)50cmを規格JSWAS K−1の〔参考
資料3〕中に記載される接着接合(接着剤:積水化学工
業社製、商品名「エスダイン#73」)の方法に準じて
接着接合した後、23℃で24時間養生した。その後、
図2に示すように、圧縮試験装置の固定具6によって宅
地マス4を土台7に固定し、上記塩化ビニル管5のみを
矢印の方向に持ち上げて該塩化ビニル管接着面(小さい
矢印で接着面を指し示した)の剥離やマスが破壊しない
範囲の最大曲げ角度θを測定した。
【0035】先の兵庫県南部地震に関する各種測定値
(最大加速度818gal、最大速度91kinc、最
大変位21cm:神戸海洋気象台発表)を用いたコンピ
ューターシミュレーションの結果、最大曲げ角度は8度
となり、従って、高度の耐震性を実現するには8度以上
の耐震性が要求される。
【0036】尚、表1中のSt−PVCは、ポリ塩化ビ
ニル(徳山積水工業社製、商品名「TS−800
E」)、VC・Etは、塩化ビニル−エチレン共重合樹
脂(重合度700、エチレン含有量8重量%、徳山積水
工業社製、商品名「VE−T」)を表す。又、上記塩化
ビニル系樹脂に添加された可塑剤について、表1中に用
いた略号は、脚注で説明した。
【0037】(実施例2〜7)使用される塩化ビニル系
樹脂と可塑剤の種類及び添加量を表1に示した量とした
こと以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。得ら
れたペレットを用いて評価を行った。結果を表1に示し
た。
【0038】(比較例1)可塑剤を添加せず、塩化ビニ
ル系樹脂として塩化ビニルのホモポリマーを用いたこと
以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。得られた
ペレットを用いて評価を行った。結果を表2に示した。
【0039】(比較例2)実施例1の塩化ビニル系樹脂
組成物に替えて高密度ポリエチレン(旭化成社製、商品
名「QB780」)を用いたこと以外は実施例1と同様
に評価を行った。結果を表2に示した。
【0040】(比較例3〜4)使用される塩化ビニル系
樹脂と可塑剤の種類及び添加量を表2に示した量とした
こと以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。得ら
れたペレットを用いて評価を行った。結果を表2に示し
た。尚、表2中で使用した樹脂・可塑剤についての略号
は、表1と同じ内容である。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】請求項1記載の発明の塩化ビニル系管路
構成部材は、叙上のように構成されているので、地中埋
設時に土圧により変形するおそれはなく、且つ、地震等
による強い振動や地殻変動等による外力の負荷に対して
も適度の耐衝撃性及び可撓性を有し、破損するおそれが
極めて少なく、更に、従来問題となっている接続部分に
おける剥離や抜け等の事故は極めて少なく、十分にその
機能を保持し得るものである。
【0044】請求項2記載の発明の塩化ビニル系管路構
成部材は、叙上のように構成されているので、使用温度
範囲が拡大され、寒冷地、寒冷時においても、高い耐衝
撃強度、適度の可撓性を有し、その機能を十分に保持し
得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塩化ビニル系管路構成部材の接着強度
を測定する際の試験片調製の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の塩化ビニル系管路構成部材の耐震性評
価試験2)パイプ挿入曲げ試験の説明図である。
【符号の説明】
1、2:塩化ビニル系管路構成部材試験片 3:接着剤 4:宅地マス 5:プレーンエンド直管 6:固定具 7:土台

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部及び可塑
    剤10〜30重量部からなる塩化ビニル系樹脂組成物を
    成形してなる塩化ビニル系管路構成部材であって、曲げ
    弾性率が5000〜20000kgf/cm2 であり、
    且つ、下式(1)で表される平衡応力緩和率が、40〜
    100%であることを特徴とする塩化ビニル系管路構成
    部材。 【数1】
  2. 【請求項2】 上記可塑剤が、フタル酸エステル類、ア
    ジピン酸エステル類、トリメリット酸エステル類及びポ
    リエステル類からなる群より選択された少なくとも1種
    類である請求項1記載の塩化ビニル系管路構成部材。
JP10024557A 1998-02-05 1998-02-05 塩化ビニル系管路構成部材 Pending JPH11223283A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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