JPH11222500A - モノクローナル抗体、この抗体を産生するハイブリドーマ、この抗体を用いたd−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルグリコールの測定方法及び測定用試薬 - Google Patents
モノクローナル抗体、この抗体を産生するハイブリドーマ、この抗体を用いたd−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルグリコールの測定方法及び測定用試薬Info
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- JPH11222500A JPH11222500A JP10021724A JP2172498A JPH11222500A JP H11222500 A JPH11222500 A JP H11222500A JP 10021724 A JP10021724 A JP 10021724A JP 2172498 A JP2172498 A JP 2172498A JP H11222500 A JPH11222500 A JP H11222500A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 D−MHPGに特異的な抗体及びそれを用い
たD−MHPGの特異的な測定方法を提供する。 【解決手段】 L−MHPGに対する反応性がD−MH
PGに対する反応性の10%以下であることを特徴とす
るモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体を産生す
ることを特徴とするハイブリドーマ、該モノクローナル
抗体を用いることを特徴とするD−MHPGの測定方
法、及び該モノクローナル抗体を含有することを特徴と
するD−MHPG測定用試薬。
たD−MHPGの特異的な測定方法を提供する。 【解決手段】 L−MHPGに対する反応性がD−MH
PGに対する反応性の10%以下であることを特徴とす
るモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体を産生す
ることを特徴とするハイブリドーマ、該モノクローナル
抗体を用いることを特徴とするD−MHPGの測定方
法、及び該モノクローナル抗体を含有することを特徴と
するD−MHPG測定用試薬。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はD−3−メトキシ−
4−ヒドロキシフェニルグリコール(D-3-methoxy-4-hy
dorxyphenylglycol )の免疫学的測定に有用なモノクロ
ーナル抗体、この抗体を産生するハイブリドーマ、及び
この抗体を用いたD−3−メトキシ−4−ヒドロキシフ
ェニルグリコールの測定方法並びに測定用試薬に関す
る。
4−ヒドロキシフェニルグリコール(D-3-methoxy-4-hy
dorxyphenylglycol )の免疫学的測定に有用なモノクロ
ーナル抗体、この抗体を産生するハイブリドーマ、及び
この抗体を用いたD−3−メトキシ−4−ヒドロキシフ
ェニルグリコールの測定方法並びに測定用試薬に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ノルアドレナリンは、脳内における神経
伝達物質として作用しており、その代謝中間体として3
−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルグリコール(以下
MHPGと略す)又は3,4−ジヒドロキシフェニルグ
リコール(3, 4-dihydroxyphenylglycol,DOPEG)
が生成する。MHPGはヒトの脳内において主要な中間
代謝物であり、髄液中に分泌された後最終的には尿中に
排出される。一方、ノルアドレナリン又はアドレナリン
のうち、末梢神経系又は副腎から血中に分泌されたもの
も同様に最終的には尿中に排出される。中枢神経系で産
生されたMHPGは、尿中MHPGの約63%であること
が知られており、尿中MHPGの測定は脳におけるノル
アドレナリンの作用を示すマーカーとして利用でき、鬱
病等の診断に利用できることが期待されている。しか
し、従来MHPGの測定は高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)やガスクロマトグラフィーによって実施さ
れているが、これらの方法では多数の検体を取り扱うに
は問題があった。
伝達物質として作用しており、その代謝中間体として3
−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルグリコール(以下
MHPGと略す)又は3,4−ジヒドロキシフェニルグ
リコール(3, 4-dihydroxyphenylglycol,DOPEG)
が生成する。MHPGはヒトの脳内において主要な中間
代謝物であり、髄液中に分泌された後最終的には尿中に
排出される。一方、ノルアドレナリン又はアドレナリン
のうち、末梢神経系又は副腎から血中に分泌されたもの
も同様に最終的には尿中に排出される。中枢神経系で産
生されたMHPGは、尿中MHPGの約63%であること
が知られており、尿中MHPGの測定は脳におけるノル
アドレナリンの作用を示すマーカーとして利用でき、鬱
病等の診断に利用できることが期待されている。しか
し、従来MHPGの測定は高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)やガスクロマトグラフィーによって実施さ
れているが、これらの方法では多数の検体を取り扱うに
は問題があった。
【0003】多数の検体に適したMHPGの測定方法と
して、免疫測定法の開発が行われている。例えば、Keet
on等(Science, 211, 586-588, 1981 )は、MHPGに
6−ブロモカプロン酸を反応させてMHPGの4位の水
酸基を-O- (CH2)3-COOH とした後、カルボジイミド法に
よってこのカルボキシル基に担体蛋白質を結合させて抗
原を調製し、得られた抗原を動物に免疫することによっ
て抗体を得る方法を報告している。しかし、得られた抗
体はポリクローナル抗体であり、3,4−ジヒドロキシ
フェニルエチレングルコールとは交差反応を起こすた
め、正確なMHPGの測定が不可能であった。
して、免疫測定法の開発が行われている。例えば、Keet
on等(Science, 211, 586-588, 1981 )は、MHPGに
6−ブロモカプロン酸を反応させてMHPGの4位の水
酸基を-O- (CH2)3-COOH とした後、カルボジイミド法に
よってこのカルボキシル基に担体蛋白質を結合させて抗
原を調製し、得られた抗原を動物に免疫することによっ
て抗体を得る方法を報告している。しかし、得られた抗
体はポリクローナル抗体であり、3,4−ジヒドロキシ
フェニルエチレングルコールとは交差反応を起こすた
め、正確なMHPGの測定が不可能であった。
【0004】Yoshioka等(Basic, Clinical, and Thera
putic Aspects of Alzheimer's andParkinson's Diseas
es, 1, 499-502, 1990)は、MHPGの5位のアミノ基
を介してマンニッヒ反応により担体蛋白質と結合させて
抗原を作製し、得られた抗原を用いて動物に免疫するこ
とにより特異性の高い抗体を作製する方法を報告してい
る。また、得られた抗体を用いた酵素免疫測定法(Enzym
e Immunoassay: EIA)は、MHPGに対する特異性が高
い定量方法であることを示しているが、体液中に存在す
るD体のMHPG(D−MHPG)のみを特異的に測定
する方法に関しては一切記載されていない。特開平2−
227667号公報には、上記と同様にMHPGの5位
のアミノ基を介してマンニッヒ反応により担体蛋白質と
結合させて抗原を作製し、得られた抗原を動物に免疫し
て抗体を作製する過程において、抗体産生細胞をミエロ
ーマと融合させてハイブリドーマを作製し、MHPGに
特異的なモノクローナル抗体を作製できることが記載さ
れているが、得られたモノクローナル抗体のD−MHP
Gに対する特異性に関しては一切記載されていない。ま
た、モノクローナル抗体を作製する場合、通常マウスに
対して抗原を免疫し、一定期間後の脾臓細胞が摘出さ
れ、マウスミエローマ細胞と融合させることでモノクロ
ーナル抗体産生ハイブリドーマが作製される。しかし、
全ての場合において目的のモノクローナル抗体産生ハイ
ブリドーマが必ずしも得られるとは限らなかった。
putic Aspects of Alzheimer's andParkinson's Diseas
es, 1, 499-502, 1990)は、MHPGの5位のアミノ基
を介してマンニッヒ反応により担体蛋白質と結合させて
抗原を作製し、得られた抗原を用いて動物に免疫するこ
とにより特異性の高い抗体を作製する方法を報告してい
る。また、得られた抗体を用いた酵素免疫測定法(Enzym
e Immunoassay: EIA)は、MHPGに対する特異性が高
い定量方法であることを示しているが、体液中に存在す
るD体のMHPG(D−MHPG)のみを特異的に測定
する方法に関しては一切記載されていない。特開平2−
227667号公報には、上記と同様にMHPGの5位
のアミノ基を介してマンニッヒ反応により担体蛋白質と
結合させて抗原を作製し、得られた抗原を動物に免疫し
て抗体を作製する過程において、抗体産生細胞をミエロ
ーマと融合させてハイブリドーマを作製し、MHPGに
特異的なモノクローナル抗体を作製できることが記載さ
れているが、得られたモノクローナル抗体のD−MHP
Gに対する特異性に関しては一切記載されていない。ま
た、モノクローナル抗体を作製する場合、通常マウスに
対して抗原を免疫し、一定期間後の脾臓細胞が摘出さ
れ、マウスミエローマ細胞と融合させることでモノクロ
ーナル抗体産生ハイブリドーマが作製される。しかし、
全ての場合において目的のモノクローナル抗体産生ハイ
ブリドーマが必ずしも得られるとは限らなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来法で
は、多数の検体を容易に処理できなかったり、D−MH
PGを特異的に測定することができなかったので、これ
らの問題点を解決したD−MHPGの測定方法が切望さ
れていた。本発明は、D−MHPGに特異的な抗体及び
それを用いたD−MHPGの特異的な測定方法を提供す
ることを目的とするものである。
は、多数の検体を容易に処理できなかったり、D−MH
PGを特異的に測定することができなかったので、これ
らの問題点を解決したD−MHPGの測定方法が切望さ
れていた。本発明は、D−MHPGに特異的な抗体及び
それを用いたD−MHPGの特異的な測定方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な課題を解決すべく鋭意検討の結果、D−MHPGに特
異的な抗体及びこの抗体を安定に産生するハイブリドー
マを見出し、また、この抗体を用いることによりD−M
HPGを特異的に測定できることを見出し、本発明に到
達した。すなわち、本発明は、L−MHPGに対する反
応性がD−MHPGに対する反応性の10%以下である
ことを特徴とするモノクローナル抗体、該モノクローナ
ル抗体を産生することを特徴とするハイブリドーマ、該
モノクローナル抗体を用いることを特徴とするD−MH
PGの測定方法、及び該モノクローナル抗体を含有する
ことを特徴とするD−MHPG測定用試薬を要旨とする
ものである。
な課題を解決すべく鋭意検討の結果、D−MHPGに特
異的な抗体及びこの抗体を安定に産生するハイブリドー
マを見出し、また、この抗体を用いることによりD−M
HPGを特異的に測定できることを見出し、本発明に到
達した。すなわち、本発明は、L−MHPGに対する反
応性がD−MHPGに対する反応性の10%以下である
ことを特徴とするモノクローナル抗体、該モノクローナ
ル抗体を産生することを特徴とするハイブリドーマ、該
モノクローナル抗体を用いることを特徴とするD−MH
PGの測定方法、及び該モノクローナル抗体を含有する
ことを特徴とするD−MHPG測定用試薬を要旨とする
ものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明のモノクローナル抗体を作製する
際、免疫用ハプテンとしてD−MHPGを用いるが、例
えば、セラモスファーキラルRU-1カラム(資生堂製)等
を用いたキラルクロマトグラフィーによって市販のDL
−MHPG(シグマ社カタログH1377 )から精製したも
の等を用いることができる。
際、免疫用ハプテンとしてD−MHPGを用いるが、例
えば、セラモスファーキラルRU-1カラム(資生堂製)等
を用いたキラルクロマトグラフィーによって市販のDL
−MHPG(シグマ社カタログH1377 )から精製したも
の等を用いることができる。
【0009】得られたD−MHPGは、蛋白、ポリペプ
チド等の担体と結合させることにより免疫用抗原を作製
することができる。担体としては、例えば、人血清アル
ブミン(HSA )や、牛血清アルブミン(BSA )、グロブ
リン、牛サイログロブリン、牛グロブリン、ヘモシアニ
ン、アスカリス等の蛋白、ポリリジン、ポリリジルグル
タミン酸等の担体ポリペプチドが挙げられるが、好まし
くはHSA である。
チド等の担体と結合させることにより免疫用抗原を作製
することができる。担体としては、例えば、人血清アル
ブミン(HSA )や、牛血清アルブミン(BSA )、グロブ
リン、牛サイログロブリン、牛グロブリン、ヘモシアニ
ン、アスカリス等の蛋白、ポリリジン、ポリリジルグル
タミン酸等の担体ポリペプチドが挙げられるが、好まし
くはHSA である。
【0010】D−MHPGとポリペプチドとの結合は、
D−MHPGに6−ブロモカプロン酸を反応させてD−
MHPGの4位の水酸基を-O- (CH2)3-COOH とした後、
カルボジイミド法により、このカルボキシル基に担体ポ
リペプチドを結合させることが可能である。また、D−
MHPGの5位のアミノ基を介してマンニッヒ反応によ
り担体蛋白質を結合させることが可能であり、この方法
により得られた免疫用抗原を用いると、より特異性の高
い抗体を作製することができる。マンニッヒ反応は、D
−MHPG、担体ポリペプチド(例えば、ヒト血清アル
ブミン)及びホルムアルデヒドを室温で2〜4日間反応
させることにより行われる。反応後、透析によって未反
応のD−MHPG及びホルムアルデヒドを除去し、内容
液を凍結乾燥すればD−MHPGと担体が結合した免疫
用抗原を得ることができる。
D−MHPGに6−ブロモカプロン酸を反応させてD−
MHPGの4位の水酸基を-O- (CH2)3-COOH とした後、
カルボジイミド法により、このカルボキシル基に担体ポ
リペプチドを結合させることが可能である。また、D−
MHPGの5位のアミノ基を介してマンニッヒ反応によ
り担体蛋白質を結合させることが可能であり、この方法
により得られた免疫用抗原を用いると、より特異性の高
い抗体を作製することができる。マンニッヒ反応は、D
−MHPG、担体ポリペプチド(例えば、ヒト血清アル
ブミン)及びホルムアルデヒドを室温で2〜4日間反応
させることにより行われる。反応後、透析によって未反
応のD−MHPG及びホルムアルデヒドを除去し、内容
液を凍結乾燥すればD−MHPGと担体が結合した免疫
用抗原を得ることができる。
【0011】得られた免疫用抗原を用いてモノクローナ
ル抗体を作製する方法としては、例えば、以下のように
すればよい。凍結乾燥状態の免疫用抗原を生理食塩水に
溶解した後、等量のフロイント完全アジュバントと混合
してW/O エマルジョンを作製し、WKY/NCrjラット(メ
ス,8週齢)の後肢足蹠に免疫する。免疫後、約1カ月
後にラットの腸骨リンパ節を摘出し、細胞を調製する。
得られた細胞は、SP2/0-Ag14等のマウスミエローマ細胞
とポリエチレングリコール(PEG )法により融合させ
る。融合後の細胞からHAT選択培地を用いることにより
ハイブリドーマを選択し、約10日後に培養上清中の抗D
−MHPG抗体の有無をEIA 法により調べる。抗D−M
HPG抗体陽性を示した細胞の培養液から、さらに限界
希釈法等によって本発明の抗D−MHPG特異的モノク
ローナル抗体を産生するハイブリドーマが得られる。得
られたハイブリドーマを適当な培養液中で培養し、その
培養上清から本発明のD−MHPGに特異的なモノクロ
ーナル抗体を得ることができる。
ル抗体を作製する方法としては、例えば、以下のように
すればよい。凍結乾燥状態の免疫用抗原を生理食塩水に
溶解した後、等量のフロイント完全アジュバントと混合
してW/O エマルジョンを作製し、WKY/NCrjラット(メ
ス,8週齢)の後肢足蹠に免疫する。免疫後、約1カ月
後にラットの腸骨リンパ節を摘出し、細胞を調製する。
得られた細胞は、SP2/0-Ag14等のマウスミエローマ細胞
とポリエチレングリコール(PEG )法により融合させ
る。融合後の細胞からHAT選択培地を用いることにより
ハイブリドーマを選択し、約10日後に培養上清中の抗D
−MHPG抗体の有無をEIA 法により調べる。抗D−M
HPG抗体陽性を示した細胞の培養液から、さらに限界
希釈法等によって本発明の抗D−MHPG特異的モノク
ローナル抗体を産生するハイブリドーマが得られる。得
られたハイブリドーマを適当な培養液中で培養し、その
培養上清から本発明のD−MHPGに特異的なモノクロ
ーナル抗体を得ることができる。
【0012】本発明のモノクローナル抗体の性状を以下
に示す。 (1) 抗原抗体反応によりD−MHPGと結合し、L−M
HPGに対する反応性はD−MHPGに対する反応性の
10%以下である。 (2) 抗体の分子量等、理化学的性質は一般に知られてい
るIgG の性質と同様であり、分子量は約130,000 〜200,
000 、至適pHは6〜9、安定pH範囲は3〜11、作用適温
の範囲は0〜40℃である。
に示す。 (1) 抗原抗体反応によりD−MHPGと結合し、L−M
HPGに対する反応性はD−MHPGに対する反応性の
10%以下である。 (2) 抗体の分子量等、理化学的性質は一般に知られてい
るIgG の性質と同様であり、分子量は約130,000 〜200,
000 、至適pHは6〜9、安定pH範囲は3〜11、作用適温
の範囲は0〜40℃である。
【0013】上記のようにして得られた本発明のモノク
ローナル抗体(抗D−MHPGモノクローナル抗体)産
生ハイブリドーマはNo.2-B1 と命名し、通商産業省工業
技術院生命工学工業技術研究所に寄託の手続を行い、平
成10年1月27日に受託された。その受託番号はFERM
P−16608である。
ローナル抗体(抗D−MHPGモノクローナル抗体)産
生ハイブリドーマはNo.2-B1 と命名し、通商産業省工業
技術院生命工学工業技術研究所に寄託の手続を行い、平
成10年1月27日に受託された。その受託番号はFERM
P−16608である。
【0014】本発明のモノクローナル抗体を使用すれ
ば、D−MHPGを測定することができる。例えば、検
体を、抗原を固定化した固相と本発明のモノクローナル
抗体に接触させ、固相に固定した抗原に結合したモノク
ローナル抗体と、固相に固定した抗原に未結合のモノク
ローナル抗体とを分離し、固相に固定化した抗原に結合
したモノクローナル抗体又は固相に固定化した抗原に未
結合のモノクローナル抗体を検出することにより検体中
のD−MHPGを測定することができる。
ば、D−MHPGを測定することができる。例えば、検
体を、抗原を固定化した固相と本発明のモノクローナル
抗体に接触させ、固相に固定した抗原に結合したモノク
ローナル抗体と、固相に固定した抗原に未結合のモノク
ローナル抗体とを分離し、固相に固定化した抗原に結合
したモノクローナル抗体又は固相に固定化した抗原に未
結合のモノクローナル抗体を検出することにより検体中
のD−MHPGを測定することができる。
【0015】上記測定方法の一例としては、例えば、M
HPGを担体ポリペプチドとマンニッヒ反応等により結
合させ、マイクロタイタープレートの各ウェルに添加し
て吸着させる。次に、D−MHPG特異的モノクローナ
ル抗体と検体を各ウェルに添加して一定時間反応させた
後、未吸着の抗体を洗浄により除去する。第二抗体とし
て、アルカリホスファターゼ標識抗ラットIgG 抗体を添
加して反応させ、洗浄後基質のp-ニトロフェニルホスフ
ェートを加えて酵素反応により生成するp-ニトロフェノ
ールの濃度を405nm の吸光度より測定する。既知濃度の
D−MHPGを含む試料液を用いて同様の反応を行い、
得られる吸光度から検量線を作成すれば、検体中のD−
MHPを測定することができる。
HPGを担体ポリペプチドとマンニッヒ反応等により結
合させ、マイクロタイタープレートの各ウェルに添加し
て吸着させる。次に、D−MHPG特異的モノクローナ
ル抗体と検体を各ウェルに添加して一定時間反応させた
後、未吸着の抗体を洗浄により除去する。第二抗体とし
て、アルカリホスファターゼ標識抗ラットIgG 抗体を添
加して反応させ、洗浄後基質のp-ニトロフェニルホスフ
ェートを加えて酵素反応により生成するp-ニトロフェノ
ールの濃度を405nm の吸光度より測定する。既知濃度の
D−MHPGを含む試料液を用いて同様の反応を行い、
得られる吸光度から検量線を作成すれば、検体中のD−
MHPを測定することができる。
【0016】また、上記方法において、第二抗体とし
て、アルカリホスファターゼ標識抗ラットIgG 抗体等の
酵素標識抗ラットIgG 抗体を添加するかわりに、本発明
のモノクローナル抗体を酵素等で直接標識したものを使
用してもよい。
て、アルカリホスファターゼ標識抗ラットIgG 抗体等の
酵素標識抗ラットIgG 抗体を添加するかわりに、本発明
のモノクローナル抗体を酵素等で直接標識したものを使
用してもよい。
【0017】また、他の方法としては、本発明のモノク
ローナル抗体をマイクロタイタープレート等の固相に結
合させ、この固相にマンニッヒ反応等により標識物質を
結合させたD−MHPGと検体を添加し、一定時間抗原
抗体反応を行った後、未吸着の標識D−MHPGを洗浄
により除去し、吸着した標識D−MHPGを定量するこ
とにより検体中のD−MHPを測定することができる。
ローナル抗体をマイクロタイタープレート等の固相に結
合させ、この固相にマンニッヒ反応等により標識物質を
結合させたD−MHPGと検体を添加し、一定時間抗原
抗体反応を行った後、未吸着の標識D−MHPGを洗浄
により除去し、吸着した標識D−MHPGを定量するこ
とにより検体中のD−MHPを測定することができる。
【0018】本発明のモノクローナル抗体を使用して、
D−MHPG測定用試薬を作製することができる。例え
ば、抗原を固定化した固相と本発明のモノクローナル抗
体とからなる試薬や本発明のモノクローナル抗体を固定
化した固相と標識物質を結合させた抗原からなる試薬
は、上記方法によりD−MHPGを定量することができ
る。
D−MHPG測定用試薬を作製することができる。例え
ば、抗原を固定化した固相と本発明のモノクローナル抗
体とからなる試薬や本発明のモノクローナル抗体を固定
化した固相と標識物質を結合させた抗原からなる試薬
は、上記方法によりD−MHPGを定量することができ
る。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
する。
【0020】実施例1 (抗原の調製)DL−MHPGのヘミピラジン塩を0.1M
−ぎ酸アンモニウム/ぎ酸緩衝液(pH3.0)に溶解した。
この溶液をSP−セファデックスC25 のカラム(内径15m
m, 長さ100mm )に添加し、1.0ml/分の流速で0.1M−ぎ
酸アンモニウム/ぎ酸緩衝液(pH3.0 )で展開した。25
4nm の吸光度の変化をモニターし、非吸着画分に溶出し
たDL−MHPGを回収した。得られた遊離のDL−M
HPGを、メタノールで平衡化したセラモスファーキラ
ルRU-1のカラム(内径4.6mm ,長さ250mm )に添加し、
0 ℃にてメタノールで溶出(流速:0.5ml/ml)した。溶
出画分の280nm における吸光度をモニターすると滞留時
間15.6分と18.9分にそれぞれピークが得られたが、最初
のピークがD−MHPGであり、2番目のピークがL−
MHPGによるものであった。次に、得られたD−MH
PG5.48mgを含むメタノール溶液を褐色バイアルにと
り、窒素ガスを吹き込むことによって乾燥させた。33.3
mg/ml のヒト血清アルブミン(HSA: 15mM の炭酸水素ナ
トリウム液に溶解)を986ml 添加してD−MHPGを溶
解した後、溶液を撹拌しながら35%のホルムアルデヒド
300ml を滴下して加えた。反応液のpHは6.2 であった。
バイアル内の空気を窒素ガスによって置換し、室温にて
5日間撹拌反応させた。反応液をセルロースの透析チュ
ーブに入れ、4℃にて1時間ごとに水を変え、6回透析
を行った後、透析内液を凍結乾燥させ免疫用抗原D−M
HPG−HSAを得た。
−ぎ酸アンモニウム/ぎ酸緩衝液(pH3.0)に溶解した。
この溶液をSP−セファデックスC25 のカラム(内径15m
m, 長さ100mm )に添加し、1.0ml/分の流速で0.1M−ぎ
酸アンモニウム/ぎ酸緩衝液(pH3.0 )で展開した。25
4nm の吸光度の変化をモニターし、非吸着画分に溶出し
たDL−MHPGを回収した。得られた遊離のDL−M
HPGを、メタノールで平衡化したセラモスファーキラ
ルRU-1のカラム(内径4.6mm ,長さ250mm )に添加し、
0 ℃にてメタノールで溶出(流速:0.5ml/ml)した。溶
出画分の280nm における吸光度をモニターすると滞留時
間15.6分と18.9分にそれぞれピークが得られたが、最初
のピークがD−MHPGであり、2番目のピークがL−
MHPGによるものであった。次に、得られたD−MH
PG5.48mgを含むメタノール溶液を褐色バイアルにと
り、窒素ガスを吹き込むことによって乾燥させた。33.3
mg/ml のヒト血清アルブミン(HSA: 15mM の炭酸水素ナ
トリウム液に溶解)を986ml 添加してD−MHPGを溶
解した後、溶液を撹拌しながら35%のホルムアルデヒド
300ml を滴下して加えた。反応液のpHは6.2 であった。
バイアル内の空気を窒素ガスによって置換し、室温にて
5日間撹拌反応させた。反応液をセルロースの透析チュ
ーブに入れ、4℃にて1時間ごとに水を変え、6回透析
を行った後、透析内液を凍結乾燥させ免疫用抗原D−M
HPG−HSAを得た。
【0021】(抗体の調製)上記方法により得られた免
疫用抗原2mgを 500mlの生理食塩水に溶解し、等量のフ
ロイントの完全アジュバントと混合してW/O エマルジョ
ンを調製した。これをWKY/NCrjラット(メス,8週齢)
の後肢足蹠に200ml 注射した。3,7,11,14,28日目
に尾から採血して−80℃で保存した。
疫用抗原2mgを 500mlの生理食塩水に溶解し、等量のフ
ロイントの完全アジュバントと混合してW/O エマルジョ
ンを調製した。これをWKY/NCrjラット(メス,8週齢)
の後肢足蹠に200ml 注射した。3,7,11,14,28日目
に尾から採血して−80℃で保存した。
【0022】(抗体価の測定)20mgのDL−MHPGを
100mg の卵アルブミン(OVA)と15mM炭酸水素ナトリウム
液(1ml)中で混合し、撹拌しながら300ml の35%ホル
ムアルデヒド液を滴下した。室温で撹拌しつつ5日間反
応させた。反応液を透析チューブに入れ、水を6回交換
して透析することにより、未反応のDL−MHPGとホ
ルムアルデヒドを除去した。透析内液を回収して凍結乾
燥し、DL−MHPG−OVAコンジュゲートを得た。
得られたDL−MHPG−OVAコンジュゲートを0.3m
g/mlとなるようにリン酸緩衝液(pH7.0 )に溶解し、マ
イクロタイタープレートの各ウェルに50mlずつ分注し
た。37℃で2時間静置した後、0.05%のツイーン20を含
む50mMリン酸緩衝液(pH7.0 ,以下TPB と略す)で各ウ
ェルを5回洗浄した。ラットから採取して凍結保存した
血清をTPB でそれぞれ10倍希釈したものを50mlずつ各ウ
ェルに添加し、37℃で1時間半保温した。TPB で5回洗
浄して未吸着の抗体を除去し、3mg/ml のアルカリホス
ファターゼ標識抗ラットIgG 抗体を添加してさらに1時
間半反応させた。TPB で5回洗浄した後、50mlの22.4mM
p- ニトロフェニルホスフェート(0.1 Mの炭酸ナトリ
ウム緩衝液、pH9.8 に溶解)を各ウェルに添加して酵素
反応を行い、15分後に405nm の吸光度を測定した。その
結果を図1に示した。図1から、免疫したラットの血清
中に抗MHPG抗体が産生されていることが確認でき
た。
100mg の卵アルブミン(OVA)と15mM炭酸水素ナトリウム
液(1ml)中で混合し、撹拌しながら300ml の35%ホル
ムアルデヒド液を滴下した。室温で撹拌しつつ5日間反
応させた。反応液を透析チューブに入れ、水を6回交換
して透析することにより、未反応のDL−MHPGとホ
ルムアルデヒドを除去した。透析内液を回収して凍結乾
燥し、DL−MHPG−OVAコンジュゲートを得た。
得られたDL−MHPG−OVAコンジュゲートを0.3m
g/mlとなるようにリン酸緩衝液(pH7.0 )に溶解し、マ
イクロタイタープレートの各ウェルに50mlずつ分注し
た。37℃で2時間静置した後、0.05%のツイーン20を含
む50mMリン酸緩衝液(pH7.0 ,以下TPB と略す)で各ウ
ェルを5回洗浄した。ラットから採取して凍結保存した
血清をTPB でそれぞれ10倍希釈したものを50mlずつ各ウ
ェルに添加し、37℃で1時間半保温した。TPB で5回洗
浄して未吸着の抗体を除去し、3mg/ml のアルカリホス
ファターゼ標識抗ラットIgG 抗体を添加してさらに1時
間半反応させた。TPB で5回洗浄した後、50mlの22.4mM
p- ニトロフェニルホスフェート(0.1 Mの炭酸ナトリ
ウム緩衝液、pH9.8 に溶解)を各ウェルに添加して酵素
反応を行い、15分後に405nm の吸光度を測定した。その
結果を図1に示した。図1から、免疫したラットの血清
中に抗MHPG抗体が産生されていることが確認でき
た。
【0023】(ハイブリドーマの作製)EIA により血清
中に抗MHPG抗体が確認された、免疫後28日目のラッ
トから腸骨リンパ節を摘出した。得られたリンパ節から
細胞を回収し、血清を無添加のRPMI1640培地で洗浄し
た。次に、別途培養したマウスミエローマ細胞SP2/0-Ag
14と細胞数の比が5:1になるように混合し、低速遠心
により培養液を除去した。これに50%のPEG 4000液1ml
を2分間以上かけて少しずつ滴下しながら細胞のペレッ
トに添加した。次に、9mlのRPMI1640培地を滴下して加
えてPEG を希釈した後、細胞を遠心し沈殿させて回収し
た。細胞は、10%の牛胎児血清を含むRPMI1640に懸濁し
た後、マイクロタイタープレートに100ml ずつ分注し
た。翌日、100ml のHAT 選択培地(10%牛胎児血清,10
mMヒポキサンチン,0.4mM アミノプテリン,1.6mM チミ
ジンを含むRPMI1640培地)を各ウェルに添加した。その
後2日ごとに新鮮なHAT 選択培地に交換しながら培養を
継続した。融合から9日目に、細胞の生育が見られたウ
ェルの培養上清をEIA に供し、抗MHPG抗体を産生し
ている細胞を含んでいるウェルを選択した。
中に抗MHPG抗体が確認された、免疫後28日目のラッ
トから腸骨リンパ節を摘出した。得られたリンパ節から
細胞を回収し、血清を無添加のRPMI1640培地で洗浄し
た。次に、別途培養したマウスミエローマ細胞SP2/0-Ag
14と細胞数の比が5:1になるように混合し、低速遠心
により培養液を除去した。これに50%のPEG 4000液1ml
を2分間以上かけて少しずつ滴下しながら細胞のペレッ
トに添加した。次に、9mlのRPMI1640培地を滴下して加
えてPEG を希釈した後、細胞を遠心し沈殿させて回収し
た。細胞は、10%の牛胎児血清を含むRPMI1640に懸濁し
た後、マイクロタイタープレートに100ml ずつ分注し
た。翌日、100ml のHAT 選択培地(10%牛胎児血清,10
mMヒポキサンチン,0.4mM アミノプテリン,1.6mM チミ
ジンを含むRPMI1640培地)を各ウェルに添加した。その
後2日ごとに新鮮なHAT 選択培地に交換しながら培養を
継続した。融合から9日目に、細胞の生育が見られたウ
ェルの培養上清をEIA に供し、抗MHPG抗体を産生し
ている細胞を含んでいるウェルを選択した。
【0024】次に抗MHPG抗体が陽性となったウェル
中のハイブリドーマに対しては限界希釈法によりクロー
ニングを行った。その結果、40個の抗MHPG抗体陽性
を示すクローンが得られた。最も高い抗体産生を示すク
ローンを2種選び、それぞれを再度限界希釈法でクロー
ニングを行った。その結果、最も高い抗体産生能のある
ハイブリドーマとしてNo.2-B1 (受託番号FERM P
−16608)が得られた。D−MHPG−OVAを固
定化したマイクロタイタープレートを用いたEIA を行っ
たところ、ハイブリドーマNo.2-B1 が産生するモノクロ
ーナル抗体はD−MHPGを認識した。
中のハイブリドーマに対しては限界希釈法によりクロー
ニングを行った。その結果、40個の抗MHPG抗体陽性
を示すクローンが得られた。最も高い抗体産生を示すク
ローンを2種選び、それぞれを再度限界希釈法でクロー
ニングを行った。その結果、最も高い抗体産生能のある
ハイブリドーマとしてNo.2-B1 (受託番号FERM P
−16608)が得られた。D−MHPG−OVAを固
定化したマイクロタイタープレートを用いたEIA を行っ
たところ、ハイブリドーマNo.2-B1 が産生するモノクロ
ーナル抗体はD−MHPGを認識した。
【0025】(抗体の精製)ハイブリドーマNo.2-B1
(受託番号FERM P−16608)を細胞数が6×
108 となるようにギット培地(和光純薬工業社製)60
0ml に植え込み、5容量%の炭酸ガス存在下37℃で4日
間培養した。培養後、遠心分離により細胞を除き、得ら
れた培養上清を水酸化ナトリウム溶液でpH9.0 に調整し
た後、プロテインAセファロースカラムに通液した。こ
のカラムを、トリス塩酸緩衝液(pH8.6 )で洗浄した
後、グリシン塩酸緩衝液(pH2.3 )で溶出し、抗体画分
を集めてPBS に透析し、1.1mg の抗D−MHPGモノク
ローナル抗体を得た。
(受託番号FERM P−16608)を細胞数が6×
108 となるようにギット培地(和光純薬工業社製)60
0ml に植え込み、5容量%の炭酸ガス存在下37℃で4日
間培養した。培養後、遠心分離により細胞を除き、得ら
れた培養上清を水酸化ナトリウム溶液でpH9.0 に調整し
た後、プロテインAセファロースカラムに通液した。こ
のカラムを、トリス塩酸緩衝液(pH8.6 )で洗浄した
後、グリシン塩酸緩衝液(pH2.3 )で溶出し、抗体画分
を集めてPBS に透析し、1.1mg の抗D−MHPGモノク
ローナル抗体を得た。
【0026】(抗体の交差反応性)上記方法で作製した
D−MHPG抗原を0.3mg/mlとなるようにリン酸緩衝液
(pH7.0 )に溶解し、マイクロタイタープレートの各ウ
ェルに50mlずつ分注した。37℃で2時間静置した後、0.
05%のツイーン20を含む50mMリン酸緩衝液(pH7.0,以
後TPB と略す)で各ウェルを5回洗浄した。上記方法で
精製したモノクローナル抗体を1mg/ml となるようにTP
B で希釈したものを50mlずつ各ウェルに添加し、さらに
検体としてD−MHPG又はL−MHPGを様々な濃度
になるようTPB で希釈した液を調製し、各ウェルに50ml
添加した。その後室温で1時間半抗原抗体反応を行っ
た。反応終了後、TPB で各ウェルを5回洗浄して未吸着
の抗体を除去し、3mg/ml のアルカリホスファターゼ標
識抗ラットIgG 抗体を添加してさらに1時間半反応させ
た。TPB で5回洗浄した後、50mlの22.4mM p- ニトロフ
ェニルホスフェート(0.1 Mの炭酸ナトリウム緩衝液,
pH9.8 に溶解)を各ウェルに添加して酵素反応を行い、
15分後に405nm の吸光度を測定した。遊離のD−MHP
Gを0.4mM 反応液中に存在させて抗原抗体反応を行った
ものでは、抗体と固相のD−MHPG−HVA抗原の結
合が50%阻害された。一方、D−MHPGの変わりにL
−MHPGを反応液に加えて抗原抗体反応を行ったもの
では、抗原抗体反応を50%阻害するのに必要なL−MH
PGの濃度(IC50)は5mM以上であった。以上のことか
ら、得られたモノクローナル抗体はD−MHPGに対す
る特異性が高いものであることが明らかである。また、
検体としてD−MHPG又はL−MHPGのかわりに、
これらの類縁物質を各ウェルに加えた以外は上記と同様
の方法で抗原抗体反応を行った結果を表1に示した。表
1から明らかなように、5−HT(セロトニン)や5−HD
A (5−ヒドロキシドパミン)を除きモノクローナル抗
体と固相に固定化されたD−MHPGとの結合を阻害す
る物質はなかった。このことから、得られた抗体がD−
MHPGに特異的であることが明らかである。
D−MHPG抗原を0.3mg/mlとなるようにリン酸緩衝液
(pH7.0 )に溶解し、マイクロタイタープレートの各ウ
ェルに50mlずつ分注した。37℃で2時間静置した後、0.
05%のツイーン20を含む50mMリン酸緩衝液(pH7.0,以
後TPB と略す)で各ウェルを5回洗浄した。上記方法で
精製したモノクローナル抗体を1mg/ml となるようにTP
B で希釈したものを50mlずつ各ウェルに添加し、さらに
検体としてD−MHPG又はL−MHPGを様々な濃度
になるようTPB で希釈した液を調製し、各ウェルに50ml
添加した。その後室温で1時間半抗原抗体反応を行っ
た。反応終了後、TPB で各ウェルを5回洗浄して未吸着
の抗体を除去し、3mg/ml のアルカリホスファターゼ標
識抗ラットIgG 抗体を添加してさらに1時間半反応させ
た。TPB で5回洗浄した後、50mlの22.4mM p- ニトロフ
ェニルホスフェート(0.1 Mの炭酸ナトリウム緩衝液,
pH9.8 に溶解)を各ウェルに添加して酵素反応を行い、
15分後に405nm の吸光度を測定した。遊離のD−MHP
Gを0.4mM 反応液中に存在させて抗原抗体反応を行った
ものでは、抗体と固相のD−MHPG−HVA抗原の結
合が50%阻害された。一方、D−MHPGの変わりにL
−MHPGを反応液に加えて抗原抗体反応を行ったもの
では、抗原抗体反応を50%阻害するのに必要なL−MH
PGの濃度(IC50)は5mM以上であった。以上のことか
ら、得られたモノクローナル抗体はD−MHPGに対す
る特異性が高いものであることが明らかである。また、
検体としてD−MHPG又はL−MHPGのかわりに、
これらの類縁物質を各ウェルに加えた以外は上記と同様
の方法で抗原抗体反応を行った結果を表1に示した。表
1から明らかなように、5−HT(セロトニン)や5−HD
A (5−ヒドロキシドパミン)を除きモノクローナル抗
体と固相に固定化されたD−MHPGとの結合を阻害す
る物質はなかった。このことから、得られた抗体がD−
MHPGに特異的であることが明らかである。
【0027】
【表1】
【0028】実施例2 (EIA によるD−MHPGの測定)実施例1で作製した
免疫用抗原D−MHPG−HSAを0.3mg/mlとなるよう
にリン酸緩衝液(pH7.0 )に溶解し、マイクロタイター
プレートの各ウェルに50mlずつ分注した。37℃で2時間
静置した後、0.05%のツイーン20を含む50mMリン酸緩衝
液(pH7.0 ,以下TPB と略す)で各ウェルを5回洗浄し
た。得られた各ウェルをD−MHPGの測定に用いた。
免疫用抗原D−MHPG−HSAを0.3mg/mlとなるよう
にリン酸緩衝液(pH7.0 )に溶解し、マイクロタイター
プレートの各ウェルに50mlずつ分注した。37℃で2時間
静置した後、0.05%のツイーン20を含む50mMリン酸緩衝
液(pH7.0 ,以下TPB と略す)で各ウェルを5回洗浄し
た。得られた各ウェルをD−MHPGの測定に用いた。
【0029】上記で得られた各ウェルに、濃度を変化さ
せて調製したD−MHPGの溶液50mlを添加し、さらに
実施例1で精製したモノクローナル抗体が1mg/ml とな
るようにTPB で希釈したものを50mlずつ各ウェルに添加
し、37℃で1時間半保温した。TPB で5回洗浄して未吸
着の抗体を除去し、3mg/ml のアルカリホスファターゼ
標識抗ラットIgG 抗体を添加してさらに1時間半反応さ
せた。次に、TPB で5回洗浄した後、50mlの22.4mM p-
ニトロフェニルホスフェート(0.1 Mの炭酸ナトリウム
緩衝液,pH9.8 に溶解)を各ウェルに添加して酵素反応
を行い、15分後に405nm の吸光度を測定した。次に、濃
度を変化させて調製したD−MHPGの溶液の代わりに
尿50mlをウェル添加した以外は上記方法と同様の操作を
行った。結果を図2に示した。図2より、D−MHPG
の濃度変化に応じて吸光度が変化していたので、上記方
法によりD−MHPGの測定が可能であることが明らか
である。また、上記方法により尿中のD−MHPGを測
定することができた。
せて調製したD−MHPGの溶液50mlを添加し、さらに
実施例1で精製したモノクローナル抗体が1mg/ml とな
るようにTPB で希釈したものを50mlずつ各ウェルに添加
し、37℃で1時間半保温した。TPB で5回洗浄して未吸
着の抗体を除去し、3mg/ml のアルカリホスファターゼ
標識抗ラットIgG 抗体を添加してさらに1時間半反応さ
せた。次に、TPB で5回洗浄した後、50mlの22.4mM p-
ニトロフェニルホスフェート(0.1 Mの炭酸ナトリウム
緩衝液,pH9.8 に溶解)を各ウェルに添加して酵素反応
を行い、15分後に405nm の吸光度を測定した。次に、濃
度を変化させて調製したD−MHPGの溶液の代わりに
尿50mlをウェル添加した以外は上記方法と同様の操作を
行った。結果を図2に示した。図2より、D−MHPG
の濃度変化に応じて吸光度が変化していたので、上記方
法によりD−MHPGの測定が可能であることが明らか
である。また、上記方法により尿中のD−MHPGを測
定することができた。
【0030】
【発明の効果】本発明のモノクローナル抗体はD−MH
PGに特異的であるので、該抗モノクローナル抗体を用
いることによりD−MHPGに特異的な測定方法、及び
D−MHPGに特異性の高い測定用試薬が提供できる。
また、本発明のハイブリドーマはD−MHPGに特異的
なモノクローナル抗体を効率よく産生する。
PGに特異的であるので、該抗モノクローナル抗体を用
いることによりD−MHPGに特異的な測定方法、及び
D−MHPGに特異性の高い測定用試薬が提供できる。
また、本発明のハイブリドーマはD−MHPGに特異的
なモノクローナル抗体を効率よく産生する。
【図面の簡単な説明】
【図1】D−MHPG−HSAで免疫したラットの血清
中の抗体力価を示す図である。
中の抗体力価を示す図である。
【図2】本発明のモノクローナル抗体を用いたD−MH
PG測定における検量線を示す。
PG測定における検量線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/577 C12N 15/00 C //(C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91)
Claims (8)
- 【請求項1】 L−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェ
ニルグリコールに対する反応性がD−3−メトキシ−4
−ヒドロキシフェニルグリコールに対する反応性の10
%以下であることを特徴とするモノクローナル抗体。 - 【請求項2】 ラット腸骨リンパ節細胞とマウスミエロ
ーマ細胞との融合により得られたハイブリドーマにより
産生されることを特徴とする請求項1記載のモノクロー
ナル抗体。 - 【請求項3】 受託番号がFERM P−16608で
あるハイブリドーマにより産生されることを特徴とする
請求項1記載のモノクローナル抗体。 - 【請求項4】 L−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェ
ニルグリコールに対する反応性がD−3−メトキシ−4
−ヒドロキシフェニルグリコールに対する反応性の10
%以下であるモノクローナル抗体を産生することを特徴
とするハイブリドーマ。 - 【請求項5】 ラット腸骨リンパ節細胞とマウスミエロ
ーマ細胞との融合により得られ、L−3−メトキシ−4
−ヒドロキシフェニルグリコールに対する反応性がD−
3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルグリコールに対
する反応性の10%以下であるモノクローナル抗体を産
生することを特徴とするハイブリドーマ。 - 【請求項6】 L−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェ
ニルグリコールに対する反応性がD−3−メトキシ−4
−ヒドロキシフェニルグリコールに対する反応性の10
%以下であるモノクローナル抗体を産生することを特徴
とする受託番号がFERM P−16608であるハイ
ブリドーマ。 - 【請求項7】 請求項1記載のモノクローナル抗体を用
いることを特徴とするD−3−メトキシ−4−ヒドロキ
シフェニルグリコールの測定方法。 - 【請求項8】 請求項1記載のモノクローナル抗体を含
有することを特徴とするD−3−メトキシ−4−ヒドロ
キシフェニルグリコール測定用試薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10021724A JPH11222500A (ja) | 1998-02-03 | 1998-02-03 | モノクローナル抗体、この抗体を産生するハイブリドーマ、この抗体を用いたd−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルグリコールの測定方法及び測定用試薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10021724A JPH11222500A (ja) | 1998-02-03 | 1998-02-03 | モノクローナル抗体、この抗体を産生するハイブリドーマ、この抗体を用いたd−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルグリコールの測定方法及び測定用試薬 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11222500A true JPH11222500A (ja) | 1999-08-17 |
Family
ID=12063039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10021724A Pending JPH11222500A (ja) | 1998-02-03 | 1998-02-03 | モノクローナル抗体、この抗体を産生するハイブリドーマ、この抗体を用いたd−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルグリコールの測定方法及び測定用試薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11222500A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006056859A (ja) * | 2004-08-24 | 2006-03-02 | Techno Medica Co Ltd | 抗8−ヒドロキシ−2’−デオキシグアノシンモノクローナル抗体及びそれを産生するハイブリドーマ |
JP5509067B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2014-06-04 | 大塚製薬株式会社 | 肺炎球菌検出方法 |
-
1998
- 1998-02-03 JP JP10021724A patent/JPH11222500A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006056859A (ja) * | 2004-08-24 | 2006-03-02 | Techno Medica Co Ltd | 抗8−ヒドロキシ−2’−デオキシグアノシンモノクローナル抗体及びそれを産生するハイブリドーマ |
JP4704709B2 (ja) * | 2004-08-24 | 2011-06-22 | 株式会社テクノメディカ | 抗8−ヒドロキシ−2’−デオキシグアノシンモノクローナル抗体及びそれを産生するハイブリドーマ |
JP5509067B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2014-06-04 | 大塚製薬株式会社 | 肺炎球菌検出方法 |
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