JPWO2005054296A1 - メチルリジンを認識する抗体及びその製造方法並びにその利用 - Google Patents
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Abstract
化学的にメチル化したヒストン以外のタンパク質で動物を免疫すること、及び免疫に用いたのとは異なるタンパク質を化学的にメチル化したタンパク質に対する反応性でスクリーニング等を行うことにより、メチルリジン残基を含む多種類のタンパク質を認識し得る抗体を樹立した。加えて、その様な抗体の作製方法を確立した。これらの抗体は様々なメチル化タンパク質の探索、研究に有用であり、殊にリジン残基のメチル化が重要な役割を果たす生体分子機能の制御や、メチルリジン含有タンパク質の検出による疾病診断において有用である。
Description
本発明は、タンパク質の翻訳後修飾の一つであるメチルリジンの検出に使用し得る抗体及びその製造方法並びに該抗体を用いたメチル化タンパク質の検出方法に関する。
タンパク質は、翻訳された後そのままの形で機能を発揮する訳ではなく、様々な翻訳後修飾を受けることが知られる。例えば、タンパク質のリン酸化は細胞外シグナルを核まで伝達する際のシグナルカスケードとして、あるいは正常な細胞周期が進行するための制御因子として重要であるし、ヒストンのアセチル化は転写が効率的に進行するために重要である。タンパク質がユビキチン化されるとプロテアソームに運ばれ分解されて活性を失う。一方、小抱体膜に存在するシグナルペプチダーゼによってシグナルペプチドが切り取られることにより、多くのタンパク質は活性型になる。この様に、タンパク質は翻訳後に様々な修飾を受けることにより適切な時期に適切な場所でそれぞれの機能を発揮することになる。
近年、注目される様になって来たタンパク質の翻訳後修飾にタンパク質中のリジン残基のメチル化がある。例えば、コアヒストン分子においては、H3及びH4中のリジン残基がメチル化されることが知られ、H3の4番目のリジンのメチル化はH3のアセチル化並びに遺伝子の活性化された部位と正に相関するのに対して、H3の9番目のリジンのメチル化は逆にH3の低アセチル化並びに遺伝子発現が抑制されている部位と正に相関しているという報告がある(非特許文献1)。また、結核菌が上皮細胞へ接着するのに重要なヘパリン結合性赤血球凝集素(HBHA)分子が、そのヘパリン結合領域のメチル化によりプロテアーゼに対して抵抗性を増しているという報告もある(非特許文献2)。更に、アミノアシル−tRNA分子のGTP依存的なリボソーム結合を触媒するElongation factor 1α(EF−1α)においても、分子内のいくつかのリジン残基がメチル化されることが知られており(例えば、非特許文献3参照)、メチル化によりEF−1α活性が増強されるという報告もある(非特許文献4)。しかし、まだそれほど多くのメチルリジン含有タンパク質が見いだされているわけではなく、タンパク質のメチル化による機能制御がどの程度生体内で重要な役割を果たし、また疾患とどのような関係を有しているかという問題に関する研究はまだあまり進んでいない。今後、種々のメチルリジン含有タンパク質の発見とともに、その機能の解明が期待される現状である。
タンパク質の翻訳後修飾を検出する有効な手段としては、修飾に特異的なプローブ分子を用いる方法が考えられる。例えば、リン酸化チロシンを認識する抗体は多種市販され、広く活用されている。今後新たな修飾タンパク質を見いだしてゆくのに有用な抗体は、まわりのアミノ酸配列にあまり依存せず、なるべく目的とする修飾アミノ酸の部分のみを認識できる抗体であると考えられる。リン酸化チロシンに関しては、その様な性質の抗体が開発、市販されている。しかし、メチルリジンに関してはその様な抗体についての報告はない。これまでに報告されている抗メチルリジン抗体に関する現状は以下の通りである。
既に述べた通り、ヒストンに関してはそのメチル化部位特異的な機能に注目が集まっており、部位特異的にメチル化を解析する目的で部位特異的な認識能力をもつ抗メチル化ヒストン抗体(特許文献1)が開発され市販されているが(SantaCruz社等から市販)、当然のことながら、これらの抗体は広く種々のメチルリジン含有タンパク質を認識するものではない。また、化学的にメチル化したヒストンH1分子を免疫原として取得した抗メチルリジン抗体(ウサギポリクローナル抗体)も開発市販されているが(abcam社)、この抗体はジメチルリジンしか認識できず、またヒストン以外のメチル化タンパク質の認識の能力も不十分なものである。更に、結核菌のHBHA分子を認識し結核菌の肺外への播種を阻止する能力をもつモノクローナル抗体mAb 4057D2がメチル化型のHBHA分子は認識するが、非メチル化型の分子を認識しないこと、及びHBHAと同様にリジンリッチなドメインを持つラミニン結合タンパク質のメチル化型も認識できるということが報告されている。従ってこの抗体はタンパク質の中に存在するメチルリジンのクラスターを認識していると考えられる。しかし、それ以外のリジンリッチなドメインを持たないメチル化タンパク質の認識能に関しては、決して強いものではないと考えられる(非特許文献5)。このように、周辺アミノ酸に影響されることなくタンパク質中のメチルリジン残基を認識し得る抗体について教示、示唆する報告はなく、種々のメチル化タンパク質を幅広く認識する方法はいまだ確立されていない。
上述のように、種々のメチルリジン含有タンパク質の発見とともにその機能の解析が期待されており、このような状況下において、種々のタンパク質中に存在することが予想されるメチルリジン残基を、その周辺アミノ酸の種類にあまり依存しないで認識できる方法の必要性が強く望まれている。その様な方法を確立できれば、メチルリジン含有タンパク質に関する研究が飛躍的に進展することが期待される。
国際公開第02/18418号パンフレット M.D.Litt他著、Science(米国)、2001年、293巻、p.2453 K.Pethe他著、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、(米国)、2002年、99巻、p.10759 T.E.Dever他著、J.Biol.Chem.(米国)、1989年、264巻、p.20518 W.A.Fonzi他著、Mol.Cell.Biol.(米国)、1985年、5巻、p.1100 K.Pethe他著、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(米国)、2002年、99巻、p.10759
タンパク質中のメチルリジン残基を、タンパク質の種類やメチルリジン残基の周辺アミノ酸の種類にあまり影響されずに認識する方法を獲得することが本研究の課題である。特に、そのためのプローブ分子として用いうる抗メチルリジン抗体の取得が本発明の主たる課題である。併せて、当該性質を有する抗体を取得するための手段を提供することも本発明の課題である。
本発明者は、化学的にメチル化したタンパク質を免疫原として用いて動物を免疫することによって産生誘導される抗体には、周囲のアミノ酸残基に影響されることなくメチルリジン残基を認識し得る抗体が含まれるとの仮説に基づき鋭意努力を行った結果、このような特性を有する抗体を精製、あるいはモノクローン化することに成功した。
すなわち、上記課題は以下の手段により解決できる。
(1)メチルリジンを特異的に認識し、リジンを認識し得ない抗メチルリジン抗体。
(2)周辺アミノ酸残基に影響されることなくタンパク質中のメチルリジン残基を特異的に認識し得る抗メチルリジン抗体。
(3)ジメチルリジン及びモノメチルリジンと特異的に結合する抗メチルリジン抗体。
(4)ヒストン以外のタンパク質を化学的にメチル化したものを抗原として用いて動物を免疫する過程を含む方法により得た抗メチルリジン抗体。
(5)ヒストン以外のタンパク質がスカシガイ(Keyhole limpet)ヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、オボアルブミンから選ばれたものである、上記4に記載の抗体。
(6)ジメチルリジンに対する反応性がモノメチルリジンに対する反応性よりも優れている上記1乃至5のいずれかに記載の抗体。
(7)ポリクローナル抗体である上記1乃至6のいずれかに記載の抗体。
(8)モノクローナル抗体である上記1乃至6のいずれかに記載の抗体。
(9)ウサギポリクローナル抗体である上記1乃至6のいずれかに記載の抗体。
(10)マウスモノクローナル抗体である上記1乃至6のいずれかに記載の抗体。
(11)抗メチルリジン抗体を産生するハイブリドーマであって、MEK3D7、MEK4E10、MEK5F7、MEK2−5A11及びMEK2−5B11から成る群より選択されるハイブリドーマ。
(12)上記11に記載のハイブリドーマより産生される抗メチルリジンマウスモノクローナル抗体。
(13)ヒストン以外のタンパク質を化学的にメチル化したものを抗原として用い動物を免疫することを特徴とする、上記1乃至10または12に記載の抗体の製造方法。
(14)タンパク質がスカシガイ(Keyhole limpet)ヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、オボアルブミンから選ばれたものである、上記13に記載の方法。
(15)免疫に用いたものとは異なるタンパク質を化学的にメチル化したものに対する反応性を調べることで抗体価のチェックを行う過程を含む、上記13または14に記載の方法。
(16)免疫に用いるタンパク質がスカシガイ(Keyhole limpet)ヘモシアニンであり、抗体価をチェックするタンパク質がウシ血清アルブミンである上記15に記載の方法。
(17)化学的にメチル化したタンパク質が固相化されたアフィニティーカラムを抗体の精製の過程で用いることを特徴とする上記13乃至16に記載の方法。
(18)動物がウサギである上記13乃至17に記載の方法。
(19)動物がマウスである上記13乃至17に記載の方法。
(20)上記7または9に記載のポリクローナル抗体の製造方法であって、タンパク質を化学的にメチル化して得られた抗原で動物を免疫し、得られた抗体を該抗原とは異なるタンパク質を化学的にメチル化したタンパク質を用いたアフィニティー精製を行うことを特徴とする前記方法。
(21)上記8または10に記載のモノクローナル抗体の製造方法であって、タンパク質を化学的にメチル化して得られた抗原で動物を免疫すること、および該抗原とは異なるタンパク質を化学的にメチル化したタンパク質を認識する抗体を分泌するハイブリドーマを選択することを特徴とする前記方法。
(22)上記1乃至10または12に記載の抗体を用いる、メチル化タンパク質の検出方法。
(1)メチルリジンを特異的に認識し、リジンを認識し得ない抗メチルリジン抗体。
(2)周辺アミノ酸残基に影響されることなくタンパク質中のメチルリジン残基を特異的に認識し得る抗メチルリジン抗体。
(3)ジメチルリジン及びモノメチルリジンと特異的に結合する抗メチルリジン抗体。
(4)ヒストン以外のタンパク質を化学的にメチル化したものを抗原として用いて動物を免疫する過程を含む方法により得た抗メチルリジン抗体。
(5)ヒストン以外のタンパク質がスカシガイ(Keyhole limpet)ヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、オボアルブミンから選ばれたものである、上記4に記載の抗体。
(6)ジメチルリジンに対する反応性がモノメチルリジンに対する反応性よりも優れている上記1乃至5のいずれかに記載の抗体。
(7)ポリクローナル抗体である上記1乃至6のいずれかに記載の抗体。
(8)モノクローナル抗体である上記1乃至6のいずれかに記載の抗体。
(9)ウサギポリクローナル抗体である上記1乃至6のいずれかに記載の抗体。
(10)マウスモノクローナル抗体である上記1乃至6のいずれかに記載の抗体。
(11)抗メチルリジン抗体を産生するハイブリドーマであって、MEK3D7、MEK4E10、MEK5F7、MEK2−5A11及びMEK2−5B11から成る群より選択されるハイブリドーマ。
(12)上記11に記載のハイブリドーマより産生される抗メチルリジンマウスモノクローナル抗体。
(13)ヒストン以外のタンパク質を化学的にメチル化したものを抗原として用い動物を免疫することを特徴とする、上記1乃至10または12に記載の抗体の製造方法。
(14)タンパク質がスカシガイ(Keyhole limpet)ヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、オボアルブミンから選ばれたものである、上記13に記載の方法。
(15)免疫に用いたものとは異なるタンパク質を化学的にメチル化したものに対する反応性を調べることで抗体価のチェックを行う過程を含む、上記13または14に記載の方法。
(16)免疫に用いるタンパク質がスカシガイ(Keyhole limpet)ヘモシアニンであり、抗体価をチェックするタンパク質がウシ血清アルブミンである上記15に記載の方法。
(17)化学的にメチル化したタンパク質が固相化されたアフィニティーカラムを抗体の精製の過程で用いることを特徴とする上記13乃至16に記載の方法。
(18)動物がウサギである上記13乃至17に記載の方法。
(19)動物がマウスである上記13乃至17に記載の方法。
(20)上記7または9に記載のポリクローナル抗体の製造方法であって、タンパク質を化学的にメチル化して得られた抗原で動物を免疫し、得られた抗体を該抗原とは異なるタンパク質を化学的にメチル化したタンパク質を用いたアフィニティー精製を行うことを特徴とする前記方法。
(21)上記8または10に記載のモノクローナル抗体の製造方法であって、タンパク質を化学的にメチル化して得られた抗原で動物を免疫すること、および該抗原とは異なるタンパク質を化学的にメチル化したタンパク質を認識する抗体を分泌するハイブリドーマを選択することを特徴とする前記方法。
(22)上記1乃至10または12に記載の抗体を用いる、メチル化タンパク質の検出方法。
本発明により提供される抗メチルリジンモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体は、疾患の原因や診断マーカーとなりうる新たなメチルリジン含有タンパク質の探索に有用である。更に、本発明により提供される抗メチルリジンモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体は、リジン残基のメチル化が重要な役割を果たす生体分子機能の制御や、メチルリジン含有タンパク質の検出による疾病診断においても有用である。また、本発明により提供される抗メチルリジン抗体の作製方法は、従来よりも強い活性を持ち、メチルリジン残基の周辺アミノ酸配列に対する許容範囲の広い抗メチルリジン抗体を取得するのに有用である。
周辺アミノ酸に影響されることなくタンパク質中のメチルリジンを認識し得る抗体
(1)モノクローナル抗体
化学的にメチル化したタンパク質を免疫原として用いて動物を免疫し、常法に従いモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを作製する。免疫原として用いたタンパク質とは異なるタンパク質をメチル化し、得られたタンパク質に対する反応性を測定することによってメチルリジン残基を認識するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングする。免疫原に用いたメチル化タンパク質と異なるメチル化タンパク質を用いてスクリーニングを行うことにより特定のタンパク質に限らず様々なタンパク質中のメチルリジン残基を認識する抗体を得ることができる。
(1)モノクローナル抗体
化学的にメチル化したタンパク質を免疫原として用いて動物を免疫し、常法に従いモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを作製する。免疫原として用いたタンパク質とは異なるタンパク質をメチル化し、得られたタンパク質に対する反応性を測定することによってメチルリジン残基を認識するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングする。免疫原に用いたメチル化タンパク質と異なるメチル化タンパク質を用いてスクリーニングを行うことにより特定のタンパク質に限らず様々なタンパク質中のメチルリジン残基を認識する抗体を得ることができる。
タンパク質を化学的にメチル化する方法としては、一例として、pH7以上の条件で水素化ホウ素ナトリウム存在下ホルムアルデヒドを作用させる方法を挙げることができるが、何らこの方法に限定されるものではない。
免疫原に用いるタンパク質は、スカシガイ(Keyhole limplet)ヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、オボアルブミン、ヒト血清アルブミン、トランスフェリン、チログロブリン等の実験に一般に用いられるタンパク質を挙げることができるが、これらに限定されるものでないことは言うまでもない。また、これらタンパク質はヒストンタンパク質のようにリジンリッチ領域を有しないことが望ましい。
ヒストンタンパク質はその強い塩基性の原因たるリジン残基を分子内に多量に有しており、全てのヒストンタンパク質には多くのリジンリッチ領域が存在する。そのために、化学的にメチル化したヒストンを免疫原として用いると、メチルリジンリッチな領域に対する抗体が優勢となることが考えられる。実際に、ヒストンH1を化学的にメチル化したものを用いて得られたウサギ抗メチルリジン抗体(Abcam社)は、ヒストンに対する反応性に優れるが、それ以外のタンパク質のメチル化に対する反応性は必ずしも良くない。従って、メチル化して免疫原に用いるタンパク質としては、ヒストンの様な強い塩基性を有し、リジンリッチ領域が多く存在する様なタンパク質は避けるべきである。
抗体価をチェックするためのタンパク質としては、免疫に用いたタンパク質とは異なるタンパク質を同様に化学的にメチル化して用いることができる。例えば、抗原としてメチル化KLHを使用した場合は、抗体価のチェックには化学的にメチル化した、ウシ血清アルブミン、オボアルブミン、ヒト血清アルブミン、トランスフェリン、チログロブリン等を用いることができるが、これらのタンパク質に限定されるものではない。抗体価のチェックには、メチルリジンを免疫に用いた以外のタンパク質に種々の方法で結合させたものや、メチルリジンを直接ELISAプレートに結合させたもの、あるいはメチルリジンを含有する合成ペプチドや天然ペプチド、天然タンパク質を用いることができる。
(2)ポリクローナル抗体
化学的にメチル化したタンパク質を免疫原として用いて動物を免疫し、抗血清を得る。得られた抗血清をメチル化タンパク質を固相化したアフィニティーカラムを用いて精製することによってメチル化タンパク質を特異的に認識する抗体が得られる。ここで、免疫原として用いたタンパク質とは異なったメチル化タンパク質を固相化したアフィニティーカラムを使用することによって、免疫原タンパク質以外のメチル化タンパク質も幅広く認識し得る抗体を得ることができる。
化学的にメチル化したタンパク質を免疫原として用いて動物を免疫し、抗血清を得る。得られた抗血清をメチル化タンパク質を固相化したアフィニティーカラムを用いて精製することによってメチル化タンパク質を特異的に認識する抗体が得られる。ここで、免疫原として用いたタンパク質とは異なったメチル化タンパク質を固相化したアフィニティーカラムを使用することによって、免疫原タンパク質以外のメチル化タンパク質も幅広く認識し得る抗体を得ることができる。
例えば、メチル化KLHで免疫した動物由来の血清を、メチル化BSAを固相化したアフィニティーカラムを用いて精製することによって、メチル化部位を特異的に認識する抗体を得ることができる。アフィニティーカラムとしては、メチルリジンを直接ゲルに結合させたもの、メチルリジンを含有する合成ペプチド、天然ペプチド、あるいは天然タンパク質をゲルに結合させたものを用いることもできる。
更に、免疫原として用いたタンパク質の非メチル化体を固相化したアフィニティーカラムを用いて非メチル化体に結合する抗体を除去することにより、メチル化タンパク質に対する特異性を向上させることが可能である。
メチル化タンパク質の検出方法
本発明の抗体を用いた免疫測定法、免疫検出法によって幅広い範囲のメチル化タンパク質を測定、検出することが可能である。これら方法には、酵素免疫測定法(EIA法)、放射性免疫測定法(RIA法)、蛍光標識免疫測定法(FIA法)、ポリスチレン粒子にこの抗体を感作したラテックス凝集法等の方法が含まれる。また、本抗体を用いてウエスタンブロッティングや各種組織染色等を実施することもできる。
本発明の抗体を用いた免疫測定法、免疫検出法によって幅広い範囲のメチル化タンパク質を測定、検出することが可能である。これら方法には、酵素免疫測定法(EIA法)、放射性免疫測定法(RIA法)、蛍光標識免疫測定法(FIA法)、ポリスチレン粒子にこの抗体を感作したラテックス凝集法等の方法が含まれる。また、本抗体を用いてウエスタンブロッティングや各種組織染色等を実施することもできる。
本発明の抗体は周囲のアミノ酸残基に影響されることなくメチルリジン残基を認識し得ることから、これら抗体を用いることによって従来法よりも多種類のメチル化タンパク質を広範囲に検出し得る方法が提供される。また、これらの抗体を用いることによりリジン残基のメチル化が重要な役割を果たす生体分子機能の制御や、メチルリジン含有タンパク質の検出による疾患診断が可能となる。
以下、化学的にメチル化して免疫原に用いるタンパク質としてスカシガイ(Keyhole limpet)ヘモシアニン(KLH)を用いた抗メチルリジン抗体の作製に関して詳しく述べるが、言うまでもなく本発明の実施の形態はこれに限定されるものではない。
化学的にメチル化したKLHは例えば以下の方法で作製することができる。10mgのKLHを1mlのホウ酸緩衝液(20mM Na2B4O7、pH9.3)に溶解し、0.5mgのホウ素化水素ナトリウムを加える。そこに、ホルマリンを0.5μlずつ5分おきに5回添加し、更に室温で30分反応を進める。反応終了後ゲルろ過カラムで溶媒をPBSに置換する。
動物を免疫する方法を、ウサギ及びマウスを例に取り説明する。メチル化KLH溶液をフロインド完全アジュバント、TiterMax Gold(CytRx社)等のアジュバンドと1:1に混ぜ、交流ジョイントで結合した二本の注射筒で繰り返しジョイントを通過させる、あるいは超音波処理する等の方法によりエマルジョンを作製する。作製した抗原含有エマルジョンを、皮下、皮内、筋肉内、腹腔内のいずれか、または複数部位に注入する。一回目の免疫終了の後、1−4週間の間隔を開け、二回目の免疫を同様に実施する。その際、一回目にフロインド完全アジュバントを使用した場合は二回目以降の免疫にはフロインド不完全アジュバントを使用することが望ましい。以後同様に血中の抗メチルリジン抗体の抗体価が上昇するまで、免疫を続ける。
抗体価の測定は以下の様に行うことができる。KLHと同様の方法でメチル化したウシ血清アルブミンを10μg/mlの濃度にPBSに溶解し、wellあたり50μlの容量で96穴ELISA plateの各wellに添加し、4℃で一晩吸着する。0.05%Tween20入りPBS(PBST)で各wellを洗浄後アッセイに用いる。アッセイの前に、1%BSA入りPBST等でブロッキングを行っても良い。マウスの場合は眼窩静脈叢、尾静脈または尾動脈等から、ウサギの場合は耳介静脈または耳動脈等から採血し、PBSTで30倍に希釈した後遠心分離を行う。得られた上清をPBSTで希釈系列を作製し、メチル化BSAをコートしたELISA plateの各wellに50μlずつ添加する。室温で30分反応後、PBSTで洗浄し、PBSTで適切に希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識抗マウスIgG溶液を各wellに50μlずつ添加する。更に室温で30分反応後、オルトフェニレンジアミン等のHRP基質液を添加することにより発色させる。
マウスモノクローナル抗体を作製する場合は、十分にタイターが上昇していることを確認した後、脾臓を取り出し、脾臓細胞を単離する。別に培養しておいたマウスミエローマ(例えばSP2/0−Ag14等)と、ポリエチレングリコール等を用いることにより融合する。融合に成功した細胞をHAT(ヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジン)培地で選択培養する。7−14日程度、数日おきに培地を半量交換しながら培養を継続した後、培養上清の抗体価を測定する。ポジティブ・ウェルの細胞を限界希釈法にてクローニングし、目的の抗体産生ハイブリドーマを得る。上記方法により得られたハイブリドーマクローンとしては、MEK3D7(受託番号FERM P−19595)、MEK4E10(受託番号FERM P−19596)、MEK5F7(受託番号FERM P−19597)、MEK2−5A11(受託番号FERM P−19593)及びMEK2−5B11(受託番号FERM P−19594)に例示されるものを挙げることができる。
ウサギポリクローナル抗体を得るためには、十分なタイター上昇を確認した後に採血を実施し、抗メチルリジン抗体含有血清を調製する。
精製抗体は以下の手順で得ることができる。モノクローナル抗体の場合は、ハイブリドーマを培養した培養液を抗体精製のソースとすることができる。より大量の抗体を得る際は、ハイブリドーマをマウス腹腔内に移植し、腹水を産生させると、腹水中に高濃度の抗メチルリジン抗体が含まれた試料を得られるので、それを精製の出発材料とすれば良い。ポリクローナル抗体の場合は抗体が含まれている血清を用いる。
免疫に用いた抗原とは異なるメチル化タンパク質を固相化したアフィニティーカラムを用いて抗体を精製することができる。メチル化タンパク質を固相化したアフィニティーカラムは例えば以下の方法で得ることができる。アルデヒドあるいはN−ヒドロキシスクシンイミド等で活性化されたアガロースあるいはセファロース等の担体に、ウシ血清アルブミン等の、免疫の際に用いたタンパク質とは異なるタンパク質を固相化する。次いで、ホルマリンとホウ素化水素ナトリウムを用いて、固相化されたタンパク質をメチル化する。この様な操作を行うことによりメチル化タンパク質が固相化されたアフィニティーカラムを得ることができる。アフィニティーカラムを作製する方法としては、メチルリジン自体をゲルに固相化しても良く、またメチルリジンを含むペプチドを固相化しても良い。上記方法で作製したアフィニティーカラムに、抗体を含む溶液を流し、PBS等の緩衝液で十分洗浄後に、酸性条件等で溶出することにより、精製抗体を得られる。
上記アフィニティー精製の前あるいは後に、protein G、protein AあるいはProtein L等の抗体結合タンパク質を固相化したカラムで精製してもよい。
上記方法で得られた抗体が、周囲のアミノ酸配列にあまり依存せずにメチルリジン残基を認識していることは、例えば以下の様な方法で確認することができる。まず、当該抗体が、メチルリジン残基を認識していることは、固相化したメチル化タンパク質に対する抗体の反応性が、外部から添加したモノメチルリジン、ジメチルリジンあるいはトリメチルリジンにより阻害されるが、リジンによっては阻害されないことにより確認できる。更に、周囲のアミノ酸配列にあまり依存しないことは、異なるタンパク質を化学的にメチル化したものをそれぞれ固相化したもののいずれに対しても強い結合活性を示すことを調べることにより確認できる。更に、動物細胞可溶化物を電気泳動後、PVDF膜あるいはニトロセルロース膜に転写し、抗体によりWestern blottingの手法で染色した時に、複数のタンパク質が染色されることでも示される。更に、動物細胞化溶化物を抗メチルリジン抗体で免疫沈降した時に、その免疫沈降物の中に、免疫に用いたものとは異なるメチル化タンパク質、例えばEF−1αが含まれ、また逆にメチル化されていることが知られているEF−1αの抗体による免疫沈降物の中に、抗メチルリジン抗体で染色されるバンドを検出できることでも示される。
本発明により提供される抗体は、疾病の診断や治療に有用な新たな標的分子としてのメチルリジン含有タンパク質の探索に有用であるのみならず、有望な標的分子の発見の暁には、その機能制御の目的や、診断の目的で使用することができる。
抗メチルリジンマウスモノクローナル抗体産生ハイブリドーマの作製
MEK3D7、MEK4E10、MEK5F7、MEK2−5A11及びMEK2−5B11に例示される抗メチルリジンマウスモノクローナル抗体産生ハイブリドーマは以下の方法で作製した。
MEK3D7、MEK4E10、MEK5F7、MEK2−5A11及びMEK2−5B11に例示される抗メチルリジンマウスモノクローナル抗体産生ハイブリドーマは以下の方法で作製した。
尚、上記ハイブリドーマは、国際微生物寄託機関である独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに、平成15年11月21日付けでそれぞれ受託番号FERM P−19595、FERM P−19596、FERM P−19597、FERM P−19593およびFERM P−19594として寄託され、平成16年12月1日付けで国際寄託へ移管するための申請を行い、それぞれ受領番号FERM ABP−10168、FERM ABP−10169、FERM ABP−10170、FERM ABP−10166及びFERM ABP−10167として受領された。
マウスの免疫は以下の様に実施した。メチル化KLH溶液をTiterMax Gold(CytRx社)と1:1に混ぜ、交流ジョイントで結合した二本の注射筒で繰り返しジョイントを通過させ、エマルジョンを作製した。作製した抗原含有エマルジョンを、皮下あるいは腹腔内のいずれかに、1〜4週間の間隔を開け、三回または四回免疫を行った。一回の抗原量は50−100μgのメチル化KLHを使用した。KLHと同様の方法でウシ血清アルブミン(以下BSAを記載する)をメチル化したものをELISA plateに固相化し、後述の方法で血液中の抗体価の上昇を確認したら、ミエローマとの融合の4日前にPBSで溶解したメチル化KLHを腹腔内に、3日前に尾静脈内に投与した(投与量は、100μg/mouse)。
尚、抗体価の測定は以下の様に行った。KLHと同様の方法でメチル化したウシ血清アルブミンを10μg/mlの濃度にPBSに溶解し、wellあたり50μlの容量で96穴ELISA plateの各wellに添加し、4℃で一晩吸着した。0.05%Tween20入りPBS(PBST)で各wellを洗浄後アッセイに用いた。採血は尾動脈から行い、PBSTで30倍に希釈した後遠心分離を行った。得られた上清をPBSTで希釈系列を作製し、メチル化BSAをコートしたELISA plateの各wellに50μlずつ添加した。室温で30分反応後、PBSTで洗浄し、PBSTで適切に希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識抗マウスIgG溶液を各wellに50μlずつ添加する。更に室温で30分反応後、オルトフェニレンジアミンを基質として用い492nmにおける吸光度を測定することにより活性を評価した。
抗体産生細胞とミエローマの融合は以下の様に行った。静脈内への抗原投与の三日後に脾臓を取り出し、脾臓細胞を単離した。その5×107個を、別に培養しておいてマウスミエローマSP2/0−Ag14の1×107個と、ポリエチレングリコールを用いることにより融合した。融合に成功した細胞をHAT(ヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジン)培地で選択培養した。11日間、数日おきに培地を半量交換しながら培養を継続した後、培養上清の抗体価を測定した。ポジティブ・ウェルの細胞を限界希釈法にてクローニングし、目的の抗体産生ハイブリドーマを得た。
得られたハイブリドーマクローンMEK3D2、MEK3D7、MEK4E10、MEK5F5、MEK5F7、MEK2−1A3、MEK2−1H9、MEK2−5A11、MEK2−5B11及びMEK2−5G1由来の各抗体のアイソタイプはそれぞれ、IgG2aκ、IgG1κ、IgG1κ、IgG2aλ、IgG2aλ、IgG2aλ、IgG3κ、IgG2bκ、IgG2aλ及びIgG2aλであった。
図1に、この様にして得られたハイブリドーマの培養上清から、protein Gカラムで精製した抗体の反応性を、ELISA法で調べた結果を示す。方法は、血液中の抗体価の測定方法と同じである。図に示される様に、いずれの培養上清中にも固相化したメチル化BSAに反応する抗体が含まれていることが分かった。
抗メチルリジンウサギポリクローナル抗体の作製
抗メチルリジンウサギポリクローナル抗体は以下の手順で作製した。ウサギ(雌性日本白色種)二羽に、メチル化KLHを、第1回目は0.15mg/匹の用量で、2回目から5回目は0.3mg/匹の用量で免疫を実施した。1回目は、フロインド完全アジュバントとのエマルジョンとして、2回目以降はフロインド不完全アジュバントとのエマルジョンとして、背部皮下投与した。免疫は全て2週間間隔で行い、最終免疫の1週間後に全採血を実施して抗血清を調製した。抗血清は2羽分合計で118ml得られた。
抗メチルリジンウサギポリクローナル抗体は以下の手順で作製した。ウサギ(雌性日本白色種)二羽に、メチル化KLHを、第1回目は0.15mg/匹の用量で、2回目から5回目は0.3mg/匹の用量で免疫を実施した。1回目は、フロインド完全アジュバントとのエマルジョンとして、2回目以降はフロインド不完全アジュバントとのエマルジョンとして、背部皮下投与した。免疫は全て2週間間隔で行い、最終免疫の1週間後に全採血を実施して抗血清を調製した。抗血清は2羽分合計で118ml得られた。
図2に精製した抗メチルリジンウサギポリクローナル抗体の、固相化したメチル化BSAに対する反応性をELISA法にて測定した結果を示した。本方法により、確かに反応性を持つ抗体が取得できたことが分かった。
アフィニティーカラムによる抗メチルリジン抗体の精製
ポリクローナル抗体を含む抗血清からメチル化タンパク質を固相化したアフィニティーカラムを用いた精製を行った。
ポリクローナル抗体を含む抗血清からメチル化タンパク質を固相化したアフィニティーカラムを用いた精製を行った。
メチル化タンパク質固相化アフィニティーカラムの作製は以下の方法で行った。まず、第一段階として、BSAを固相化した担体を作製した。固相化には、Pierce社のAminolink Immobilization kitを用いた。アルデヒドで活性化されたアガロース担体2mlを、5mlのcoupling bufferで平衡化後、coupling buffer 2mlに溶かした10mgのBSAを添加した。更に200μlのreductant溶液を加え、室温で6時間結合させた。担体を5mlのcoupling bufferで洗浄後、1Mエタノールアミンを5ml加え、200μlのreductant溶液を加えた後、室温で30分反応させた。反応終了後、5mlのwash solutionで4回洗浄後、0.5Mホウ酸緩衝液(pH9.4)で平衡化した。ドレイン後、2mlのホウ酸緩衝液に溶かした2mgのNaBH4を添加し、更にホルマリンを2μlずつ5分おきに5回添加した。室温で30分反応を進めた後、PBSで洗浄した。
カラムをPBSで平衡化後、抗血清48mlをPBS48mlで希釈後に、カラムにアプライした。10mlのPBSで洗浄後、Pierce社のIgG Elution bufferで溶出した(1ml×10フラクション)。各フラクションは速やかに100μlの1M Tris−HCl,pH7.4で中和した。280nmの吸光度でタンパク質の溶出しているフラクションを調べ、プールした後に、ゲルろ過カラム(Amersham Bioscience社、PD−10)で溶媒をPBSに置換した。これにより、抗メチルリジンウサギポリクローナル抗体10.2mgが得られた。
また、上記アフィニティーカラムはモノクローナル抗体の精製にも用いることができる。抗メチルリジンマウスモノクローナル抗体の精製の一例を以下に示す。プリスタン0.5mlを腹腔内に投与後7日後の雌性Balb/cマウスの腹腔に、約107cells/mouseのMEK3D7ハイブリドーマ細胞を投与した(1mlのPBS懸濁液として)。9日後にマウスをエーテル麻酔で安楽死させた後、腹水を回収した。腹水2mlをPBSで二倍希釈し、PBSで平衡化したアフィニティーカラムにアプライした。PBSで洗浄後IgG Elution bufferで溶出した(1mlずつ。各フラクションは50μlの1M Tris−HCl,pH8.0で中和)。280nmの吸光度でタンパク質の存在するフラクションを調べ、プールした後、ゲルろ過(PD−10)で溶媒をPBSに置換した。これによりMEK3D7抗メチルリジンマウスモノクローナル抗体8.5mgが得られた。
種々のメチル化タンパク質に対する抗体の反応性の測定
得られた抗体がメチルリジン残基の周辺のアミノ酸配列に依存せずにメチルリジンを認識できるのであれば、リジン残基を含む任意のタンパク質を化学的にメチル化したものに対していずれにも反応性を示すはずである。また、メチル化していないタンパク質に対する反応性は、メチル化したタンパク質に対する反応性に比して、著しく低いはずである。図3に今回樹立した各モノクローナル抗体及びウサギポリクローナル抗体が、BSA、KLH、及び卵白アルブミン(OVA)の各タンパク質、及びそれぞれを既述の方法で化学的にメチル化したもの(それぞれ、MeK−BSA、MeK−KLH、及びMeK−OVA)を固相化したものにどの様に反応するかをELISA法を用いて調べた結果を示した。モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体はいずれも、MeK−BSA、MeK−KLH、及びMeK−OVAのいずれに対しても強い反応性を示したのに対して、いくつかの例外を除いてメチル化していない各タンパク質にたいしてはほとんど反応性を示さなかった。モノクローナル抗体の中では、MEK5F7が高濃度で非メチル化OVAに弱い反応性を、MEK2−5B11が3種の非メチル化タンパク質に対してやや強い反応性を示したが、いずれもメチル化したタンパク質に対する反応性に較べると1000倍以上の抗体濃度が必要であり、これらはいずれもメチル化部位特異的抗体であると言うことができる。一方、ウサギポリクローナル抗体は非メチル化型のKLHにかなり強い反応性を示した。この原因は不明であるが、必要抗体濃度の観点から言えば、やはりメチル化部位特異的抗体と言える。この非特異的反応を示す抗体を取り除きたい場合は、非メチル化KLHを固相化したカラムで吸収を行えば良い。
得られた抗体がメチルリジン残基の周辺のアミノ酸配列に依存せずにメチルリジンを認識できるのであれば、リジン残基を含む任意のタンパク質を化学的にメチル化したものに対していずれにも反応性を示すはずである。また、メチル化していないタンパク質に対する反応性は、メチル化したタンパク質に対する反応性に比して、著しく低いはずである。図3に今回樹立した各モノクローナル抗体及びウサギポリクローナル抗体が、BSA、KLH、及び卵白アルブミン(OVA)の各タンパク質、及びそれぞれを既述の方法で化学的にメチル化したもの(それぞれ、MeK−BSA、MeK−KLH、及びMeK−OVA)を固相化したものにどの様に反応するかをELISA法を用いて調べた結果を示した。モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体はいずれも、MeK−BSA、MeK−KLH、及びMeK−OVAのいずれに対しても強い反応性を示したのに対して、いくつかの例外を除いてメチル化していない各タンパク質にたいしてはほとんど反応性を示さなかった。モノクローナル抗体の中では、MEK5F7が高濃度で非メチル化OVAに弱い反応性を、MEK2−5B11が3種の非メチル化タンパク質に対してやや強い反応性を示したが、いずれもメチル化したタンパク質に対する反応性に較べると1000倍以上の抗体濃度が必要であり、これらはいずれもメチル化部位特異的抗体であると言うことができる。一方、ウサギポリクローナル抗体は非メチル化型のKLHにかなり強い反応性を示した。この原因は不明であるが、必要抗体濃度の観点から言えば、やはりメチル化部位特異的抗体と言える。この非特異的反応を示す抗体を取り除きたい場合は、非メチル化KLHを固相化したカラムで吸収を行えば良い。
抗体反応のメチルリジンによる阻害の確認
リジンのε−アミノ基のメチル化体には、モノメチルリジン、ジメチルリジン、トリメチルリジンの3種が存在する。このいずれに対する反応性が強いのか、またメチルリジンに対する特異性はどうかを更に確認するために、各修飾アミノ酸による競合実験を実施した。10μg/mlの濃度のメチル化BSAを50μl/well用いて抗原をELISA plateに吸着した後、1μg/mlの各抗体を種々の濃度の修飾リジンまたは未修飾のリジンと共存下反応させ、固相に結合できた抗体の量を、HRP標識抗マウスIgG抗体により検出した(基質はオルトフェニレンジアミン)。結果を図5に示した。モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体ともに、ジメチルリジンにより最も良く競合された。モノクローナル抗体の中には更にモノメチルリジンでも競合されるものもあり、MEK3D2は弱くではあるがトリメチルリジンによっても競合傾向が見られた。しかし、いずれの抗体も未修飾のリジンのみによっては競合されなかった。ポリクローナル抗体は調べた濃度範囲では、ジメチルリジンのみにより競合された。
リジンのε−アミノ基のメチル化体には、モノメチルリジン、ジメチルリジン、トリメチルリジンの3種が存在する。このいずれに対する反応性が強いのか、またメチルリジンに対する特異性はどうかを更に確認するために、各修飾アミノ酸による競合実験を実施した。10μg/mlの濃度のメチル化BSAを50μl/well用いて抗原をELISA plateに吸着した後、1μg/mlの各抗体を種々の濃度の修飾リジンまたは未修飾のリジンと共存下反応させ、固相に結合できた抗体の量を、HRP標識抗マウスIgG抗体により検出した(基質はオルトフェニレンジアミン)。結果を図5に示した。モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体ともに、ジメチルリジンにより最も良く競合された。モノクローナル抗体の中には更にモノメチルリジンでも競合されるものもあり、MEK3D2は弱くではあるがトリメチルリジンによっても競合傾向が見られた。しかし、いずれの抗体も未修飾のリジンのみによっては競合されなかった。ポリクローナル抗体は調べた濃度範囲では、ジメチルリジンのみにより競合された。
以上の結果は、今回樹立した抗体は、いずれもメチルリジンを認識していることを示しており、中でもジメチルリジンに対する特異性が高い傾向にあることが分かる。
動物細胞可溶化物のWestern blottingによる分析
動物細胞内に存在すると考えられる種々のメチルリジン含有タンパク質を樹立した抗体が検出できるかどうか確かめるために、細胞可溶化物のWestern blottingによる分析を実施した。ヒトT細胞白血病細胞株であるMOLT−4Fを2%SDS、62.5mM Tris−HCl,pH6.8で可溶化し、12%SDSポリアクリルアミドゲルに30μg/laneの用量をアプライし電気泳動を実施した。PVDF膜に電気泳動で分離されたタンパク質を転写した後に、1μg/mlの濃度でTBSTに溶かした各抗体を転写後の膜とインキュベートした。30分後に膜を洗浄し、マウスモノクローナル抗体の場合はHRP標識抗マウスIgG、ウサギポリクローナル抗体の場合はHRP標識抗ウサギIgGと反応させ、洗浄後Amersham Bioscience社のECL Plus化学発光試薬によりバンドを検出した。結果を図5に示した。図に示される通り、ここに例示したいずれのマウスモノクローナル抗体も複数のメチル化タンパク質と思われるバンドを検出しており、細胞内のメチル化タンパク質の検出に有用であることが示された。尚、ここにデータは示していないが、それ以外の抗メチルリジンモノクローナル抗体でも同様に複数のバンドが検出できることは確認済みである。また、今回作製したウサギポリクローナル抗体も同様に複数のメチル化タンパク質と思われるバンドを検出できることが分かる。比較のために、abcam社から市販されている抗メチルリジンウサギポリクローナル抗体を同じ濃度で反応させた結果も併せて示したが、今回樹立したモノクローナル抗体やポリクローナル抗体に較べて検出できるバンドは多くなく、今回示した方法を用いることで、より優れた抗体が作製できることが明らかになった。また、図中分子量14.4kと21.5kの間のバンドはヒストンであるが、このバンド強度の比較からも、今回樹立した抗メチルリジン抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体問わず、市販の抗体よりも優れていることが分かる。
動物細胞内に存在すると考えられる種々のメチルリジン含有タンパク質を樹立した抗体が検出できるかどうか確かめるために、細胞可溶化物のWestern blottingによる分析を実施した。ヒトT細胞白血病細胞株であるMOLT−4Fを2%SDS、62.5mM Tris−HCl,pH6.8で可溶化し、12%SDSポリアクリルアミドゲルに30μg/laneの用量をアプライし電気泳動を実施した。PVDF膜に電気泳動で分離されたタンパク質を転写した後に、1μg/mlの濃度でTBSTに溶かした各抗体を転写後の膜とインキュベートした。30分後に膜を洗浄し、マウスモノクローナル抗体の場合はHRP標識抗マウスIgG、ウサギポリクローナル抗体の場合はHRP標識抗ウサギIgGと反応させ、洗浄後Amersham Bioscience社のECL Plus化学発光試薬によりバンドを検出した。結果を図5に示した。図に示される通り、ここに例示したいずれのマウスモノクローナル抗体も複数のメチル化タンパク質と思われるバンドを検出しており、細胞内のメチル化タンパク質の検出に有用であることが示された。尚、ここにデータは示していないが、それ以外の抗メチルリジンモノクローナル抗体でも同様に複数のバンドが検出できることは確認済みである。また、今回作製したウサギポリクローナル抗体も同様に複数のメチル化タンパク質と思われるバンドを検出できることが分かる。比較のために、abcam社から市販されている抗メチルリジンウサギポリクローナル抗体を同じ濃度で反応させた結果も併せて示したが、今回樹立したモノクローナル抗体やポリクローナル抗体に較べて検出できるバンドは多くなく、今回示した方法を用いることで、より優れた抗体が作製できることが明らかになった。また、図中分子量14.4kと21.5kの間のバンドはヒストンであるが、このバンド強度の比較からも、今回樹立した抗メチルリジン抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体問わず、市販の抗体よりも優れていることが分かる。
動物細胞可溶化物の免疫沈降による分析
樹立した抗体により、既にメチル化されることが知られている分子のメチル化を検出できるかどうかを確かめるために、免疫沈降法を用いた確認実験を行った。Elongation factor 1α(EF−1α)は分子内の数カ所がメチル化されることが知られている分子量約50kDのタンパク質で、図5の50kD付近の分子量の位置のバンドがそれに当たる可能性が高い。このことを確かめるために、MOLT−4F細胞をプロテアーゼ阻害剤混合物(Complete Mini EDTA−free,Roche社)を加えたlysis buffer(120mM NaCl,1mM CaCl2、0.5%Nonidet P−40,50mM Tris−HCl,pH8.0)で可溶化した後、抗メチルリジン抗体MEK2−5B11又は市販の抗EF−1α抗体(Upstate社、clone CBP−KK1)を用いて免疫沈降を行った。免疫沈降物をSDSポリアクリルアミド電気泳動で展開後、PVDF膜に転写し、HRP標識した抗メチルリジン抗体MEK3D7または抗EF−1α抗体で検出した。抗EF−1α抗体を使用した際は、二次抗体として、HRP標識抗マウスIgGを用いた。発色はAmersham Bioscience社のECL plusで行った。結果を図6に示す。図は、分子量50kDの周辺を拡大して示したものである。図に示される様に、抗メチルリジン抗体MEK2−5B11で免疫沈降したものは、別の抗メチルリジン抗体MEK3D7で検出されると同時に、EF−1αに対する抗体でも検出された。一方、抗EF−1α抗体で免疫沈降したものも逆に抗メチルリジン抗体MEK3D7で検出された。以上の結果は、今回樹立した抗メチルリジン抗体MEK3D7及びMEK2−5B11がいずれもEF−1αのメチル化部位を認識可能であることを示している。この結果は図5に見られる分子量約50kDのバンドがEF−1αであることを示唆しており、このバンドの検出力の比較により、今回樹立したモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のいずれもが、市販の抗メチルリジンウサギポリクローナル抗体よりも優れていることが分かった。
樹立した抗体により、既にメチル化されることが知られている分子のメチル化を検出できるかどうかを確かめるために、免疫沈降法を用いた確認実験を行った。Elongation factor 1α(EF−1α)は分子内の数カ所がメチル化されることが知られている分子量約50kDのタンパク質で、図5の50kD付近の分子量の位置のバンドがそれに当たる可能性が高い。このことを確かめるために、MOLT−4F細胞をプロテアーゼ阻害剤混合物(Complete Mini EDTA−free,Roche社)を加えたlysis buffer(120mM NaCl,1mM CaCl2、0.5%Nonidet P−40,50mM Tris−HCl,pH8.0)で可溶化した後、抗メチルリジン抗体MEK2−5B11又は市販の抗EF−1α抗体(Upstate社、clone CBP−KK1)を用いて免疫沈降を行った。免疫沈降物をSDSポリアクリルアミド電気泳動で展開後、PVDF膜に転写し、HRP標識した抗メチルリジン抗体MEK3D7または抗EF−1α抗体で検出した。抗EF−1α抗体を使用した際は、二次抗体として、HRP標識抗マウスIgGを用いた。発色はAmersham Bioscience社のECL plusで行った。結果を図6に示す。図は、分子量50kDの周辺を拡大して示したものである。図に示される様に、抗メチルリジン抗体MEK2−5B11で免疫沈降したものは、別の抗メチルリジン抗体MEK3D7で検出されると同時に、EF−1αに対する抗体でも検出された。一方、抗EF−1α抗体で免疫沈降したものも逆に抗メチルリジン抗体MEK3D7で検出された。以上の結果は、今回樹立した抗メチルリジン抗体MEK3D7及びMEK2−5B11がいずれもEF−1αのメチル化部位を認識可能であることを示している。この結果は図5に見られる分子量約50kDのバンドがEF−1αであることを示唆しており、このバンドの検出力の比較により、今回樹立したモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のいずれもが、市販の抗メチルリジンウサギポリクローナル抗体よりも優れていることが分かった。
二次元電気泳動による細胞内メチルリジン含有タンパク質の分析
MOLT−4F細胞を9.8M Urea、0.5%CHAPS、10mM DTTで可溶化後、50μgのタンパク質を、pHレンジ3−10の等電点電気泳動で一次元目の展開をし、更に12%SDSポリアクリルアミドゲルにて、二次元目の展開を行った。PVDF膜に転写後、HRP標識した抗メチルリジン抗体MEK3D7により検出した結果を図7に示した。図に示される通り、本抗体により複数のメチルリジン含有タンパク質のスポットが検出されることが分かる。
MOLT−4F細胞を9.8M Urea、0.5%CHAPS、10mM DTTで可溶化後、50μgのタンパク質を、pHレンジ3−10の等電点電気泳動で一次元目の展開をし、更に12%SDSポリアクリルアミドゲルにて、二次元目の展開を行った。PVDF膜に転写後、HRP標識した抗メチルリジン抗体MEK3D7により検出した結果を図7に示した。図に示される通り、本抗体により複数のメチルリジン含有タンパク質のスポットが検出されることが分かる。
Claims (11)
- メチルリジンを特異的に認識し、リジンを認識し得ない抗メチルリジン抗体。
- 周辺アミノ酸残基に影響されることなくタンパク質中のメチルリジン残基を特異的に認識し得る抗メチルリジン抗体。
- ジメチルリジン及びモノメチルリジンと特異的に結合する抗メチルリジン抗体。
- ジメチルリジンに対する反応性がモノメチルリジンに対する反応性よりも優れている請求項1乃至3のいずれかに記載の抗体。
- ポリクローナル抗体である請求項1乃至4のいずれかに記載の抗体。
- モノクローナル抗体である請求項1乃至4のいずれかに記載の抗体。
- 抗メチルリジン抗体を産生するハイブリドーマであって、MEK3D7、MEK4E10、MEK5F7、MEK2−5A11及びMEK2−5B11から成る群より選択されるハイブリドーマ。
- 請求項7に記載のハイブリドーマより産生される抗メチルリジンマウスモノクローナル抗体。
- 請求項5に記載のポリクローナル抗体の製造方法であって、タンパク質を化学的にメチル化して得られた抗原で動物を免疫し、得られた抗体を該抗原とは異なるタンパク質を化学的にメチル化したタンパク質またはメチルリジンを用いたアフィニティー精製を行うことを特徴とする前記方法。
- 請求項6に記載のモノクローナル抗体の製造方法であって、タンパク質を化学的にメチル化して得られた抗原で動物を免疫すること、および該抗原とは異なるタンパク質を化学的にメチル化したタンパク質を認識する抗体を分泌するハイブリドーマを選択することを特徴とする前記方法。
- 請求項1乃至6または8に記載の抗体を用いる、メチル化タンパク質の検出方法。
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