JP2001048900A - 抗体及びこれを使用した測定法 - Google Patents
抗体及びこれを使用した測定法Info
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Abstract
び該ビスフェノールA特異抗体を利用してイムノアッセ
イにより、ビスフェノールAを簡便かつ特異的に測定・
検出する方法を提供。 【解決手段】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンに特異的反応性を有し、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、フェノール及び3,4−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3−ヘキセンとは実質的に交差反応しないこ
とを特徴とする抗体;及び該抗体を使用してイムノアッ
セイを行うことを特徴とする被検物質中のビスフェノー
ルAを特異的に測定・検出する方法。
Description
用した測定法、より詳しくは、ビスフェノールA(2,2-
bis(4-hydroxyphenyl)propane: BPA)に特異的反応性を
有する新規な抗体及びこの抗体を用いたビスフェノール
Aの測定・検出法に関する。
樹脂やエポキシ樹脂の原料として種々の製品に広く使用
されている有機化学物質である。現在、これは、内分泌
撹乱化学物質(環境ホルモン)の1つとして注目され、
ヒトの疾患、例えば、生殖機能の低下等との関連や、神
経内分泌への影響が研究されている。
うな有機化合物の場合に一般的である、高速液体クロマ
トグラフィー、LC−Mass及びGC−Mass等の
物理化学的機器を用いた方法により実施されている。し
かしながら、このような検出・測定は、用いられる機器
類が高価であるばかりでなく、検体(サンプル)量、検
体の処理能においても限界があり、簡便でしかも多数の
検体を正確に測定・検出できる方法の開発が望まれてい
る。
応性及び抗原決定構造に関する研究を目的として、ビス
フェノールAに反応性のある抗体の製造が報告されてい
る[口腔病学会雑誌、59(2), 439-455 (1992)]。ま
た、ビスフェノールA抗体を利用したビスフェノールA
の測定法の開発も報告されている[日本水処理生物学会
誌、別巻18、40頁 (1998)及び第33回日本水環境学会
年会講演集、173頁(1999)]。
ビスフェノールAを特異的に認識するものではなく、例
えばフェノールや3,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3−ヘキセン(DES)(前者報告の抗体)或い
はビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン及びビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン(後者報告の抗体)等の
関連物質とも交差反応することが報告されており、ビス
フェノールAの特異的な測定・検出に利用する上で課題
を残していた。
従来技術の課題を解決して、ビスフェノールAを特異的
に認識する抗体、即ちビスフェノールAに対して特異的
な反応性を示す抗体を提供することにある。
ールA特異抗体を利用してイムノアッセイにより、ビス
フェノールAを簡便かつ特異的に測定・検出する方法を
提供することにある。
果、上記目的とする抗体の確立に成功し、ここに本発明
を完成するに至った。
ロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)に特異
的な反応性を有し、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノ
ール及び3,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3
−ヘキセンとは実質的に交差反応しないことを特徴とす
る抗体が提供される。
−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)
又はそのキャリア蛋白結合体を高分子吸着体に吸着させ
てなる免疫抗原を、ヒトを除く温血動物に免疫して得ら
れる上記抗体、特にウサギ抗血清である上記抗体及びモ
ノクローナル抗体である上記抗体が提供される。
より被検物質中のビスフェノールAを測定・検出する方
法であって、上記抗体を使用すること、即ち被検物質と
上記抗体とを接触させること、を特徴とするビスフェノ
ールAの測定・検出方法、及びビスフェノールAを測定
・検出するための分析試薬として上記抗体を使用する方
法が提供される。
は、ビスフェノールA又はこれを含む免疫抗原を利用し
て、一般的抗体の製造法に従い製造することができる。
該抗体には、温血動物の抗血清や鶏卵抗体等のポリクロ
ーナル抗体及びモノクローナル抗体が包含される。
な反応性を有すること、即ちビスフェノールAとは反応
するが、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール及び
3、4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘキセ
ンとは実質的に交差反応しないこと、で特徴付けられ
る。ここで、実質的に交差反応しないとは、本発明抗体
がこれら4種の化合物をほとんど認識しないことを意味
する。その反応性(交差反応性)は、ビスフェノールA
との反応性を基準として、その50%を超えないもの、
好ましくは20%以下、より好ましくは数%程度以下で
ある。
免疫抗原を、温血動物(ヒトを除く)に免疫することに
より収得することができ、その方法乃至手法は、基本的
には常法に従うことができる。
血動物に免疫することにより、抗体を該温血動物の血液
等の体液内または該温血動物が産卵した卵内に産生さ
せ、それらより取得することができる。
ェノールA及びそのキャリア蛋白結合体を用いることが
重要である。ここで、ビスフェノールA(下記式[1]
の化合物)は、既知であり、例えば市販品として入手す
ることができる。
合体は、ビスフェノールAを、常法に従い、例えば無水
ジカルボン酸を用いてアシル化し、かくして得られる下
記式[2]の化合物を、キャリア蛋白と結合させること
により、製造することができる。
キャリア蛋白としては、抗原乃至ハプテンの免疫原性を
高めるものとして当該分野で慣用される各種キャリア蛋
白をいずれも使用できる。その例としては、例えばアル
ブミン、グロブリン、ヘモシアニン等の各種動物蛋白質
やポリリジン等の人工ポリペプチド等を例示できる。こ
れらキャリア蛋白は、慣用の試薬を用いた縮合反応によ
り、上記式[2]の化合物との結合体とすることができ
る。該試薬としては、例えば例えば1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
(ECDI)等のような水溶性カルボジイミド類や、ジ
メチルスペルイミデート(DMS)のような縮合剤等を
例示することができる。
の免疫原性を有し、本発明抗体製造用の免疫抗原として
使用できる。
ましくは、上記ビスフェノ−ルA又はそのキャリア蛋白
結合体を高分子吸着体に吸着させて得られる吸着体を使
用することができる。
を高めるものとして当該分野で慣用される各種高分子物
質を採用できる。これには、例えば炭素末、ポリビニル
ピロリドン、ラテックス、ブタチログロブリン等の血清
蛋白質等が包含される。該高分子吸着体とビスフェノー
ルA又はそのキャリア蛋白結合体とを、常法に従い混和
することにより、所望の吸着体が得られる。
の取得操作も、常法に従うことができる。例えば、ポリ
クローナル抗体の製造は、ウサギ、ヒツジ、モルモッ
ト、ニワトリのような温血動物に、上記免疫抗原を、通
常フロイントの完全アジュバントとともに複数回免疫す
ることにより抗血清を産生させ、そしてその血液を採取
し、常法に従い抗血清を取得することにより実施でき
る。また、ニワトリの場合には、上記免疫抗原を複数回
免疫して、該ニワトリが産卵する鶏卵にイムノグロプリ
ンY(IgY)を産生させ、そして該鶏卵の卵黄より、
常法に従いIgYを取得することによってもポリクロー
ナル抗体を得ることができる。
して取得することもできる。該モノクローナル抗体は、
例えば、上記免疫抗原をフロイントの完全アジュバント
とともにマウスに複数回投与して免疫化し、抗体を産生
させるとともに、例えば細胞融合法等の常法に従い、得
られる抗体産生細胞と、骨髄脾細胞とを融合し、クロー
ニングし、目的とする抗体を産生する単一クローン細胞
を分離し、該細胞の培養により取得することができる。
り、硫安塩析、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルク
ロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー
等の常法に従い更に精製することができる。
発明抗体に特徴的な前記の特異反応性、即ちビスフェノ
ールAに対する特異的反応性を有し、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、フェノール及び3、4−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3−ヘキセンとは実質的に交差反応し
ないことで特徴付けられる反応性を有する抗体の選択が
重要である。
ールA及び上記4種化合物との反応性を試験することに
より、例えば、免疫された温血動物の個体間より、或い
はクローン化された単一クローン間より、適宜行うこと
ができる。
の免疫反応性が確認できる限りにおいて特に制限はな
く、例えば後述の実施例に記載の測定法に従い良好に実
施することができる。
ち、上記免疫抗原を免疫された温血動物の個体は、既知
の抗ビスフェノールA抗体と同様に、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、フェノール及び3、4−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3−ヘキセンの1又は複数化合物との
交差反応性を実質的に有する抗体を産生する。しかしな
がら、同時に、上記個体中には本発明抗体特有の反応性
を有する抗体を産生する個体を見出すことができる。か
かる特定個体の選択は、本明細書の開示に従い、再現性
をもって実施可能である。かかる選択は、また、単一ク
ローンからの本発明抗体の選択においても同様である。
しかし、ビスフェノールAのような低分子有機化合物を
抗原として産生する抗体の力価においては、一般に、ポ
リクローナル抗体が優れていることが本発明者により確
認されている。
ば、一般のイムノアッセイに従い、ビスフェノールAの
特異的な測定・検出が可能である。
ノアッセイとしては、例えば、酵素イムノアッセイ(E
IA)、酵素イムノメトリックアッセイ(ELIS
A)、蛍光イムノアッセイ、発光イムノアッセイ等を制
限なく例示することができる。これらのアッセイは、ま
た一般的な競合法やサンドイッチ法等の手法に従って実
施することができる。
・検出法としては、特に好ましくは、後述の実施例に記
載した高感度ELISAを例示することができる。
抗体として利用され、前記した式[2]で表される化合
物は、酵素標識され標識抗原(例えばビスフェノールA
−モノグルタリル−HRP)として利用される。また、
ビスフェノールAは標準物質として利用されるが、これ
は水不溶性であり、またビスフェノールA可溶性のジメ
チルスルフォキシド(DMSO)等の有機溶媒は測定系
で採用されるプレートからのビスフェノールA溶離を起
こすことから、配慮が必要である。この高感度ELIS
Aでは、ビスフェノールAをビスフェノールA可溶性の
有機溶媒に溶解後、これを緩衝液にて希釈することによ
り所望の標準液を収得することでかかる問題をよく解決
している。
線から明らかなように、約0.5〜100ng/mlの
ビスフェノ−ルAを測定範囲とし、例えばヒト尿及び血
漿中の同測定が可能な高感度測定系を提供するものであ
る。
行うに際しては、本発明抗体を有効成分として含有する
測定キットを利用するのが簡便である。かかるキットに
は、本発明抗体に加えて、当該測定・検出を実施するに
際して必要な任意の他の試薬を更に包含させることがで
きる。その例としては、例えば上記した標識抗原及び/
又は標準抗原液、更にはアッセイ緩衝液等を例示するこ
とができる。
Aの測定・検出系は、被検物質としてのヒト及び動物中
の、即ちヒト及び動物の組織、血液、尿、骨髄液、唾液
等の中の、ビスフェノールAの測定乃至検出に有効な手
段を与えるものであり、外因性物質の生体刺激−分泌機
構への影響の解明・研究に役立つものである。
気、土壌等を被検物質として、之等環境中のビスフェノ
ールAの測定乃至検出にも有用である。
説明する。しかし、これらの実施例は非制限的なもので
あり、本発明の範囲はそれらの例によって限定解釈され
るべきものではない。 実施例1 ビスフェノールAのアシル化 ビスフェノールA(1 mmol;東京化成)をジクロロメタ
ン(10 mL)に溶解し、無水グルタル酸(1.2 mmol;東
京化成)及び4−ジメチルアミノピリジン(1.2 mmol;
Aldrich, USA)を加えて室温で5時間攪拌したのち、ジ
クロロメタンを留去した。
し、逆相HPLCにより精製した。カラムは、「YMC Pa
ck D-ODS-5」(2.0x25 cm; YMC Kyoto)を用い、直線
濃度勾配(0.01N HCl/CH3CN: 60/40−30/70, v/v)にて
30分間で溶出した(流速7.0 mL/分)。溶出物は21
0nmの吸光度で検出した。
A(前記式[2]中、nが3のもの)は、分析用HPL
C(YMC Pack D-ODS-5(2.0x25cm))を用い、上述
と同様の溶出条件で14.5分に単一ピークとして溶出
された。さらにFAB−MASS(質量342)により
その純度を証明した。収率は78%であった。 実施例2 抗血清の取得 実施例1で得たモノグルタリル化ビスフェノールA(9.
8 mg)をイソプロパノール(0.4 mL)に溶解し、0.1
M PBS(pH 6.0)緩衝液に溶解したキーホール・リ
ンペット・ヘモシアニン(KLH:0.4 mL; Pierce)と
混合し、水溶性カルボジイミド(180 mg; ペプチド研)
を添加して室温で30分間反応させた。
ビスフェノールA−モノグルタレート−KLH複合体を
以下の免疫原として用いた。
ロリドン(1 mL; Merck)と混合し、さらに等量のフロ
イントの完全アジュバント(3 mL; Calbiochem)を加え
乳化させた。
ト・オス、体重:2.1〜2.5 kg)に1匹あたり免疫原1
mgを皮内に注射免疫した。2回目以降は一匹あたり約
0.5mgの免疫原を2週間間隔で6回免疫した。最終
免疫1週間後常法に従い、充分な力価の抗血清を産生し
た家兎の血液を全採血し、続いてこれを37℃にて1時
間、その後4℃にて一夜放置し、3000r.p.mで遠心
分離することにより血清を得、これを凍結乾燥した。
抗血清について、その力価及び各種ビスフェノールA関
連物質との交差反応性を検討した。その結果、10匹の
家兎より得られた抗血清のうち、3匹から得られたそれ
らは、前記した本発明抗体に特徴的な反応性、即ちビス
フェノールAに特異的な反応性を示し、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、フェノール及び3,4−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3−ヘキセンとは実質的に交差反応し
ないことで特徴付けられる反応性、を有することが確認
された。本法によれば、効率よく、選択的に本発明抗体
を取得することができる。 実施例3 抗血清の取得 2mgのビスフェノールAをイソプロパノール0.4m
Lに溶解し、0.1MPBS(pH 6.0)緩衝液に溶解し
たKLH(Pierce)2mgを加え、続いて炭素末2mg
及びフロイントの完全アジュバント1.5mLを加えて
ホモディナイザーにより氷冷下にて30分間攪拌した。
重: 2.0〜2.2kg)に皮内注射した。追加免疫を最初
の注射量の1/2の投与量にて2週間毎に繰り返えすこ
とにより行った。その後、実施例2と同様に特異抗体の
選択法(交差反応性)により個体選択を行い、本発明抗
体を産生する所望の個体を選択した。
いてこれを37℃にて1時間、その後4℃にて一夜放置
し、しかる後3000r.p.mで遠心分離することにより
血清を得、これを凍結乾燥した。 実施例4 IgYの取得 白色雌ニワトリ(22-24週令)を通常の日内変動のも
と、餌及び水を自由に与え飼育する。前記で得たビスフ
ェノールA−モノグルタレート−KLH複合体を免疫原
として用いる。
(pH 7.2)0.5mLに溶解し、続いて添加された等量
のフロイントの完全アジュバントとともに混和する。得
られた乳化物をニワトリの腹部皮下の数カ所に注射免疫
する。追加免疫として、初回免疫の投与量の半量を2〜
3週毎に注射する。そして、免疫の開始日より3週間後
の日より該ニワトリが産卵した鶏卵を毎日集め、産卵の
日付けを各卵に記入し、そして記入された卵を4℃にて
保存する。
の皮膜を取り除き残りの懸濁液200mLに0.1M
NaClを含む0.01Mリン酸カリウム緩衝液(緩衝
液A)を加え300mLとする。これに等量の7%(w/
v)ポリエチレングリコール(PEG)6000溶液(緩衝
液Aに溶解されている)を加える。得られた混合物を4
℃にて10分間遠心分離(14、000xg)すると、沈殿
物が分離する。上澄みを綿布にて濾過し、次いで、固形
のPEGを濃度12%(w/v)になるように加え攪拌す
る。その後、総てのPEGが溶解したとき、それを用い
5分間遠心分離(14、000xg)する。
の緩衝液Aに懸濁させ、これに等量の24%(w/v)PE
G溶液(緩衝液Aに溶解されている)を加え、次いで、
得られた混合物を同様に遠心分離して、沈殿物を再度生
じさせる。最後に、得られた沈殿物を100mLの緩衝
液Aに懸濁させ、そして、これを同じ緩衝液に対して透
析を行い、その後遠心分離することにより、粗製IgY
を得る。
体の選択を、実施例2と同様にして行って目的抗体を得
る。
い、例えば、アニオン交換クロマトグラフィー(DEA
Eセルロース)、カチオン交換クロマトグラフィー(C
Mセルロース)及び又はアフィニティークロマトグラフ
ィーにより精製することができる。 実施例5 モノクローナル抗体の取得 前記で得た免疫原をマウス(BALB/C)に腹腔内投与し、
投与されたマウスの抗体価を調べ、その中で、抗体力価
が最も高いマウスを選び、それを次の細胞融合に使用す
る。 (細胞融合)無菌化において、選ばれたマウスの体内よ
り脾臓を取り出し、これより抗体産生細胞としてのリン
パ球をミエローマ(骨髄腫)細胞と混合し、次いで細胞
融合促進剤として45%ポリエチレングリコール(PE
G)を添加することにより、それら細胞を融合させる。
この際の培地としては、RPMI1640(gibco)が
使用される。促進物質としては、リゾレシチン、グリセ
ロールオレイン酸エステルなどをも利用することができ
る。 (スクリーニング及びクローニング)融合された細胞は
HAT選択培地において培養され、そして、培養された
細胞をELISA法に従ってスクリーニングすることに
より、所望の反応性を示す特異抗体を産生する抗体産生
ハイブリドーマを選び出し、続いて、これのクローニン
グを限界希釈法に従い行う。クローンがある程度増殖し
てきた段階で再び同様のスクリーニングを行い、そし
て、本発明所望の特異性を有する単一クローンが得られ
るまでスクリーニングとクローニングを同様に繰り返
す。 (腹水の作成)上記のスクリーニングにより得られた単
一クローン(モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ)
を大量に培養増殖し、そしてそれを、予めプリスタンさ
れたヌードマウス(BALB/C)に腹腔内投与し、その後、
投与されたマウスより、生成した腹水を採取する。 (モノクローナル抗体の精製)得られた腹水中のモノク
ローナル抗体を、プロテインA(Bio-Rad)アフィニテ
ィークロマトグラフィーにより精製する。その際、免疫
グロブリンの含有量は280nmの吸収にて算出でき
る。 実施例6 酵素イムノアッセイ(ELISA) (標識抗原の作製)モノグルタリル化ビスフェノールA
34.9mg(102.1μmol)を1mLのアセトニトリル
で溶解した溶液、N−ヒドロキシスクシンイミド(N-hy
droxysuccinimide)12.9mg(112.2μmol)をジオ
キサンで溶解した溶液、水溶性カルボジイミド19mg
(122.4μmol)を1mLの蒸留水で溶解した溶液、及び
HRP酵素(horseradish peroxidase;ベーリンガーマ
ンハイム)100mg/バイアルを1mLの蒸留水で溶
解した溶液をそれぞれ調製した。
液(100μL;10.2μmol)、N−ヒドロキシスクシンイ
ミド溶液(100μL;11.2μmol)、水溶性カルボジイミ
ド(100μL;12.2μmol)を混合したのち、HRP溶液
(400μL;1.02μmol)を添加し、室温で2時間30分
反応させた。
度70%になるまで、序々に添加すると沈殿物が生成す
る。ついで、室温で遠心分離(30分間3000r.p.m)した
後、上静を除き、沈査に0.1M PBS(pH 6.0)緩
衝液1mLを加えてこれを標識抗原とした。 (抗体固定化プレートの作成)96ウエルのマイクロタ
イタープレート(Maxi Sorp Nunc)の各ウエルに0.1
Mクエン酸緩衝液で200倍に希釈したヤギ抗ウサギI
gG血清(Jackson ImmunoResearch)をそれぞれ100
μLづつ分注した。25℃で2時間静置後、上清を捨
て、次にブロックエース(大日本製薬)を各ウエルに3
40μL分注して、25℃2時間静置した。洗浄液(0.
1%TWEEN20を含む0.15M NaCl)で5回洗浄後、PBS
緩衝液(0.1%BSA,0.1%Tween20含有)で4000倍に
希釈した抗ビスフェノールA抗体(前記実施例2で得た
抗体)を各ウエル100μLづつ分注し、4℃で24時
間静置し、抗ビスフェノールA抗体が固定化された抗体
固定化プレートを得た。 (標準液の調製)ビスフェノールAの12mgを、1
5.7%DMSOにて溶解し(857μg/mL)、これをP
BS緩衝液にて10倍に希釈して、濃度85.7μg/
mLの標準液とした。さらにこの溶液について5倍希釈
の操作を行い、85.7/17.1/3.4/0.69
/0.137/0.027/0.005μg/mLの標
準液をそれぞれ調製した。 (HRP標識抗原の調製)上記で作成した標識抗原溶液
をPBS緩衝液で2000倍に希釈して調製した。
含む0.1Mリン酸ナトリウム-クエン酸緩衝液(pH 5.
0)10mLにOPD錠(10 mg;Sigma社)を溶解し最
終濃度1mg/mLになるよう使用時に調整した。反応
停止液は2N硫酸を用いた。 (測定)上記の抗ビスフェノールAポリクローナル抗体
を固定化したプレートの各ウエルの液体を除き、そし
て、上記の洗浄液を用いて5回洗浄した。次に、各ウエ
ルに各段階希釈の標準品50μL、または測定すべき検
体50μLを加えた。さらに上記のHRP標識抗原溶液
50μLを添加した。その後、マイクロタイタープレー
トを密封し、これを室温にて2時間反応させた。その
後、各ウエルの液を流し除き、そして、上記の洗浄液を
用いて、同様の洗浄操作を5回繰り返した。しかる後、
各ウエルに上記で調整した発色液を各ウエルに100μ
Lを注入し、室温で15分間反応させた。その後、各ウ
エルに酵素反応停止液として2N硫酸100μLを加え
た。次いで、マイクロタイタープレート用吸光度計を用
いて、波長490nmにて各ウエル内の液の吸光度をそ
れぞれ測定した。
異なる7箇所について吸光度をそれぞれ測定(duplicat
e)し、その測定値から検量線を作成した(図1参
照)、この検量線に基づいてそれぞれの検体中のビスフ
ェノールA濃度を測定した。
イ系におけるビスフェノールA及びその関連物質との交
差反応性を求めた結果は、下記表1に示す通りである。
上記イムノアッセイにおいて、本発明抗体は、ビスフェ
ノールAとの間で明らかな交差反応を発現した。また、
関連物質の交差反応性の検討から、本発明抗体は、ビス
フェノールB[2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン]とは約50%の交差反応を示し、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン及びフェノール等の関連物質とは実質
的に交差反応を示さないことが確認された。
は、3,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘ
キセン、カテキン、タンニン酸及び没食子酸(gallic ac
id)のいずれとも実質的に交差反応性を示さないことが
確認されている(0.1%以下)。
B/B0が50%を示す抗原濃度(モル濃度)を、ビス
フェノールAの当該濃度(100%)に対比したもので
あり、従って、交差反応性20%とは、抗体との結合が
50%である条件下、標準品(ビスフェノールA)のそ
れに対して、20%の反応性であることを意味する。 実施例7 缶飲料水取得後の健常人尿を検体(被検物質)として、
実施例6の方法に従い、尿中ビスフェノールAを測定し
た。
して使用(ダイレクトアッセイ)して、また、固相カラ
ム(HBLカラム、Waters社)を利用して、ビスフェノ
ールAを抽出処理した検体を使用(抽出アッセイ)し
て、それぞれ行った。
よれば、ヒト血中等のビスフェノールAや、ヒト尿中、
環境中のビスフェノールAの免疫活性の測定を確実に行
うことができることが明らかとなった。
な反応性を示す特異抗体が提供される。また、当該抗体
を利用した本発明の測定・検出方法によれば、ビスフェ
ノールAの高感度の測定、検出を簡便に実施することが
できる。
血液中、尿中などに含まれるビスフェノールAを有効に
測定、検出することができ、また、例えば河川、廃水、
大気、土壌中等の環境中に存在する微量ビスフェノール
Aを少量の検体で容易に測定、検出することができ、環
境撹乱物質のひとつであるビスフェノールAの分布、吸
収、分解等の研究にも役立つという利点を有する。
ける標準曲線を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンに特異的な反応性を有し、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、フェノール及び3,4−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−3−ヘキセンとは実質的に交差反応しない
ことを特徴とする抗体。 - 【請求項2】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン又はそのキャリア蛋白結合体を高分子吸着体に
吸着させてなる免疫抗原を、ヒトを除く温血動物に免疫
して得られる請求項1記載の抗体。 - 【請求項3】ウサギ抗血清である請求項2記載の抗体。
- 【請求項4】モノクローナル抗体である請求項2記載の
抗体。 - 【請求項5】請求項1に記載の抗体を使用して、イムノ
アッセイを行うことを特徴とする、被検物質中のビスフ
ェノールAを特異的に測定・検出する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11228372A JP2001048900A (ja) | 1999-08-12 | 1999-08-12 | 抗体及びこれを使用した測定法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11228372A JP2001048900A (ja) | 1999-08-12 | 1999-08-12 | 抗体及びこれを使用した測定法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001048900A true JP2001048900A (ja) | 2001-02-20 |
Family
ID=16875440
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11228372A Pending JP2001048900A (ja) | 1999-08-12 | 1999-08-12 | 抗体及びこれを使用した測定法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001048900A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100838323B1 (ko) | 2007-01-23 | 2008-06-13 | 부산대학교 산학협력단 | 비스페놀a 검출용 임피던스 면역센서 및 이를 이용한검출방법 |
CN108409865A (zh) * | 2018-01-19 | 2018-08-17 | 鄞州出入境检验检疫局综合技术服务中心 | 特异性双酚a羊多克隆抗体及其应用 |
-
1999
- 1999-08-12 JP JP11228372A patent/JP2001048900A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100838323B1 (ko) | 2007-01-23 | 2008-06-13 | 부산대학교 산학협력단 | 비스페놀a 검출용 임피던스 면역센서 및 이를 이용한검출방법 |
CN108409865A (zh) * | 2018-01-19 | 2018-08-17 | 鄞州出入境检验检疫局综合技术服务中心 | 特异性双酚a羊多克隆抗体及其应用 |
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