JP2002145825A - ビスフェノールa化合物、免疫学的反応体、ハイブリドーマ及びビスフェノールaの測定方法 - Google Patents

ビスフェノールa化合物、免疫学的反応体、ハイブリドーマ及びビスフェノールaの測定方法

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JP2002145825A
JP2002145825A JP2000341268A JP2000341268A JP2002145825A JP 2002145825 A JP2002145825 A JP 2002145825A JP 2000341268 A JP2000341268 A JP 2000341268A JP 2000341268 A JP2000341268 A JP 2000341268A JP 2002145825 A JP2002145825 A JP 2002145825A
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Hideo Okawa
秀郎 大川
Masanobu Nakada
昌伸 中田
Mikio Takai
幹夫 高井
Kosuke Morimune
孝介 森宗
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、河川等の環境水中等におけるビス
フェノールAの濃度の簡便、迅速な測定法に好適に使用
され得る新規ビスフェノールA化合物を提供することを
課題とする。 【解決手段】 本発明のビスフェノールA化合物は、一
般式 【化1】 [式中、nは3〜9の整数を示す。]で表される。ま
た、本発明によれば、ビスフェノールA化合物と担体又
は標識物質との結合体、ビスフェノールA等に反応性を
有する免疫学的反応体等が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビスフェノールA
化合物、免疫学的反応体、ハイブリドーマ及びビスフェ
ノールAの測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールA、すなわち2,2’−
ビス(4’−オキシフェニル)プロパンは、式(2)
【0003】
【化2】 で表される化学構造を有する化合物である。
【0004】ビスフェノールAは、ポリカーボネート及
びエポキシ樹脂の原料モノマーとして広く用いられてい
る。ビスフェノールAは、内分泌攪乱作用を有し、いわ
ゆる環境ホルモン物質であると指摘されている。
【0005】ビスフェノールAは、工場廃水から、原料
として使用されたプラスチック製品から、又は産業廃棄
物置き場から、水環境中に流出し、環境汚染汚染が予想
されることから、そのモニタリングが重要な課題となっ
ている。
【0006】従来、ビスフェノールAを始めとする化学
物質の分析には、機器分析法が用いられ、例えば、水中
濃度のモニタリングの場合には、試料から分析すべき化
学物質を抽出・精製した後に、ガスクロマトグラフィー
を用いた測定が行われてきた。これらの方法は、精度の
点では問題はないものの、操作が煩雑で測定に時間がか
かるため、環境中のビスフェノールAを、より迅速、簡
便かつ経済的にモニタリングすることのできる、新しい
測定法の開発が求められていた。
【0007】一方、免疫学的測定法は、抗原抗体反応を
利用して抗原の測定を行うもので、測定精度が優れてい
るばかりでなく、迅速、簡便かつ経済的な測定法であ
る。従来、免疫学的測定法は、臨床診断の分野で患者の
病態の解析法の一つとして、大きな役割を担ってきた
が、環境中に残留する農薬等の物質の測定にも、次第に
適用されるようになってきた。しかし、ビスフェノール
Aへの適用は、その必要性が高かったのにも拘わらず、
従来は全く行われておらず、適当な抗体はもとより、抗
体を調製するためのハプテンも得られていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来、ビスフェノール
Aの測定に当たっては、主に、試料からビスフェノール
Aを抽出し、精製後、ガスクロマトグラフィーや高速液
体クロマトグラフィーを用いて分析している。これらの
方法は、その感度や精度の点で優れているものの、試料
の調製が煩雑で多大の手間と時間を必要とし、分析に熟
練を要すること、並びに、測定装置や設備費等に高額な
費用を必要とする。特に環境中のビスフェノールAの分
析では短時間の内に結果を出す必要があり、精度面以外
にも簡便性、迅速性、かつ経済性を備えた新しい測定法
が要望されている。
【0009】そこで、本発明者らは、土壌や、河川等の
環境水中等におけるビスフェノールAの濃度の簡便、迅
速な測定法として、ビスフェノールAに対して反応性を
有する抗体を用いる免疫化学的検出法の適用を検討して
きた。その結果、下記一般式(1)で表されるビスフェ
ノールA化合物を合成し、これをハプテンとして用いて
得られるビスフェノールA化合物と担体との結合体が、
ビスフェノールAに反応する免疫学的反応体の調製に適
していることを見い出した。また、このようにして調製
された免疫学的反応体、例えばモノクローナル抗体がビ
スフェノールAと特異的に反応し、これらの免疫学的反
応体を用いる免疫学的測定法により、ビスフェノールA
を正確に測定することができることを見い出した。本発
明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
(1)
【0011】
【化3】 [式中、nは3〜9の整数を示す。]で表されるビスフ
ェノールA化合物が提供される。
【0012】また、本発明によれば、前記一般式(1)
で表されるビスフェノールA化合物と担体又は標識物質
との結合体が提供される。
【0013】また、本発明によれば、ビスフェノールA
及び前記一般式(1)で表されるビスフェノールA化合
物に反応性を示す免疫学的反応体、例えばモノクローナ
ル抗体が提供される。
【0014】また、本発明によれば、ビスフェノールA
及び前記一般式(1)で表されるビスフェノールA化合
物に反応性を示す免疫学的反応体、例えばモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマが提供される。
【0015】また、本発明によれば、前記免疫学的反応
体を用いることを特徴とするビスフェノールAの免疫学
的測定方法が提供される。
【0016】本発明方法によれば、ビスフェノールA分
析の大幅な簡略化と測定時間の短縮が可能となり、多数
の検体を迅速、簡便かつ経済的に測定できるようになっ
た。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明のビスフェノールA
化合物及びその合成方法、ビスフェノールA化合物と担
体又は標識物質との結合体及びその調製方法、ポリクロ
ーナル抗体の調製方法、モノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマの分離及びハイブリドーマの産生するモ
ノクローナル抗体の調製方法、これらの抗体フラグメン
トの調製方法、そして免疫学的分析測定の順に説明す
る。
【0018】本発明の一般式(1)で表されるビスフェ
ノールA化合物は、文献未記載の新規化合物である。一
般式(1)において、nは3〜9の整数、好ましくは3
〜5の整数である。
【0019】一般式(1)で表される本発明化合物は、
公知の方法に従って製造することができる。例えば、一
般式(1)で表される本発明化合物は、下記反応式に示
す方法に従い、製造される。
【0020】
【化4】 [式中、Rはカルボキシル保護基を示す。Xはハロゲン
原子を示す。nは前記に同じ。] 即ち、一般式(1)で表される本発明化合物は、式
(2)で表されるビスフェノールA(2,2’−ビス
(4’−オキシフェニル)プロパン)と一般式(3)で
表されるハロゲン化物とを反応させて、一般式(4)で
表されるビスフェノールA化合物に導き、次いでこの化
合物(4)からカルボキシル保護基を除去することによ
って、一般式(1)で表される本発明化合物が製造され
る。
【0021】前記一般式(3)において、カルボキシル
保護基としては従来公知のものでよく、特に限定される
ものではないが、例えばメチル基、エチル基、tert
−ブチル基、ベンジル基、tert−ブチルジメチルシ
リル基、トリメチルシリル基等を例示できる。
【0022】式(2)で表されるビスフェノールAと一
般式(3)で表されるハロゲン化物との反応は、当該分
野で利用可能な公知の方法を適宜利用することができ、
斯くして一般式(4)で表されるビスフェノールA化合
物に容易に導くことができる。
【0023】例えば、ジメチルホルムアミド等の不活性
溶媒中で水素化ナトリウム等の塩基の存在下、式(2)
で表されるビスフェノールAと一般式(3)で表される
ハロゲン化物とを、室温で反応させることにより、一般
式(4)で表されるビスフェノールA化合物が容易に製
造できる。
【0024】カルボキシル保護基Rの除去方法として
は、例えばアルカリもしくは酸の存在下で一般式(4)
の化合物を加水分解する方法等が挙げられる。ここで塩
基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のアルカリ金属水酸化物、カリウム tert−ブト
キシド等の有機金属塩基等を例示できる。また、酸性触
媒としては、塩酸、硫酸等の鉱酸、酢酸、トリフルオロ
酢酸等のカルボン酸、p−トルエンスルホン酸等のスル
ホン酸等を例示できる。この反応において使用される溶
媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコ
ール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ベンゼ
ン、トルエン等の芳香族炭化水素類、1,2−ジクロロ
エタン等のハロゲン化炭化水素類、水又はこれらの混合
溶媒等が挙げられる。該反応は通常0℃からその使用す
る溶媒の沸点温度までの温度範囲で、好ましくは室温温
度で進行し、一般に0.5〜24時間程度で完結する。
【0025】また、カルボキシル保護基Rがベンジル基
である場合、その除去は加水素分解によっても行うこと
ができる。
【0026】斯くして本発明のビスフェノールA化合物
が製造される。
【0027】上記各反応で得られる目的化合物は、各々
通常の分離手段により反応系内より分離され、更に精製
することができる。この分離及び精製手段としては、例
えば蒸留法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、イ
オン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフ
ィー、親和クロマトグラフィー、プレパラティブ薄層ク
ロマトグラフィー、溶媒抽出法等を採用できる。
【0028】前記反応において中間原料として用いられ
る一般式(3)のハロゲン化物は、商業的に入手可能な
アミノ酸を公知の方法に従って反応することにより容易
に製造することができる。
【0029】また、式(2)で表されるビスフェノール
Aは、商業的に容易に入手可能な化合物である。
【0030】前記一般式(1)で表されるビスフェノー
ルA化合物は、ビスフェノールAと特異的に反応する免
疫学的反応体(例えば、抗体、より具体的にはポリクロ
ーナル抗体もしくはモノクローナル抗体、又はビスフェ
ノールAと結合可能な部位を含むそれらのフラグメン
ト、あるいは抗血清等)の調製においてハプテンとして
用いることができ、更に各種の免疫学的測定方法の開発
に必要な標識抗原の調製に用いることができる。ここで
「ハプテン」とは、抗体との結合能を有しているもの
の、それ単独では免疫原性を有さず、担体と結合するこ
とによって免疫原性を発現する物質を意味する。従っ
て、一般にハプテンは、担体と結合するための官能基を
有する。
【0031】前記一般式(1)で表される本発明のビス
フェノールA化合物と担体又は標識物質との結合体の調
製、抗血清及びポリクローナル抗体の調製、モノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマの分離及びハイブリ
ドーマが産生するモノクローナル抗体の調製の方法は、
いずれも常法、例えば、続生化学実験講座(日本生化学
会編)又は免疫生化学研究法(日本生化学会編)に記載
の方法で行うことができる。
【0032】前記一般式(1)で表されるビスフェノー
ルA化合物との結合体を調製する際には、従来から、一
般に用いられている公知の担体を用いることができる。
ここで、担体とは、ハプテンと結合(コンジュゲート
化)してハプテンに免疫原性を付与する物質を意味す
る。担体としては、例えば生体高分子化合物、例えば、
分子量が約1万以上、好ましくは約4万〜100万のタ
ンパク質(例えば、血清アルブミン、免疫グロブリン、
オボアルブミン、ポリリジン、キーホールリンペットヘ
モシアニン等)、又は多糖類(例えばデキストラン、ア
ミロース、アミロペクチン等)、あるいは細胞(例え
ば、哺乳類の赤血球、BCG菌等)等を挙げることがで
きる。
【0033】一方、前記一般式(1)で表されるビスフ
ェノールA化合物は、前記担体と結合することのできる
官能基を有している。この官能基は、前記担体と結合す
ることのできるものであればよく、用いる担体に応じて
適宜選択することができる。
【0034】例えば、担体として高分子化合物であるタ
ンパク質を用いる場合は、そのアミノ基と結合すること
のできる官能基として、例えばカルボキシル基、アルデ
ヒド基、アミノ基、エポキシ基等を、またタンパク質の
チオール基と結合することのできる官能基として、例え
ばチオール基、マレイミド基等を挙げることができる。
また多糖類の場合には、水酸基と結合することのできる
官能基として、例えばカルボキシル基、アルデヒド基、
エポキシ基等を挙げることができる。
【0035】本発明のビスフェノールA化合物と担体と
の結合は、従来公知の方法を用いて行うことができる。
例えば、担体として高分子化合物であるタンパク質を用
いる場合には、混合酸無水物法、活性エステル法、カル
ボジイミド法等の従来公知の結合方法によって本発明ビ
スフェノールA化合物とタンパク質との結合体を調製す
ることができる。
【0036】また、本発明においては、前記一般式
(1)で表されるビスフェノールA化合物を標識物質と
結合させることができる。標識物質としては、公知の標
識を用いることができ、例えば、酵素(例えば、ペルオ
キシダーゼ、アルカリホスファターゼ等)、発光物質
(例えば、ルミノール、アクリジニウム誘導体等)、蛍
光物質(例えば、フルオレセイン、ユーロピウムキレー
ト等)を挙げることができる。斯かる標識物質は、上記
と同様の操作によって本発明のビスフェノールA化合物
と結合させることができる。得られた結合体は、測定対
象となるビスフェノールAとの競合反応に用いることが
できる。
【0037】本発明の免疫学的反応体は、例えば次のよ
うにして調製される。
【0038】例えば、本発明による抗血清又はポリクロ
ーナル抗体の調製には、前記一般式(1)で表されるビ
スフェノールA化合物と担体との結合体を免疫原に用い
ることができる。免疫は、哺乳動物や鳥類(例えば、マ
ウス、ウサギ、又は鶏等)ヘ、通常の方法、例えば、免
疫原溶液を等量のフロイントの完全アジュバント又は不
完全アジュバントと乳化混合したものを接種(初回免
疫)し、以後2〜4週間の間隔で数回免疫することによ
って行うことができる。その後、免疫した動物から血液
を採取し、ポリクローナル抗体を含む抗血清を調製す
る。その後、DEAEイオン交換クロマトグラフィー又
はプロテインGアフィニティークロマトグラフィー等に
より、抗血清からポリクローナル抗体を精製することが
できる。
【0039】また、前記一般式(1)で表されるビスフ
ェノールA化合物と担体との結合体を免疫原に用い、本
発明によるモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マを分離することができる。
【0040】例えば、最終免疫して数日後の動物(例え
ば、マウス)から脾臓を無菌的に取り出し、ステンレス
スチールメッシュ等で押しつぶして脾臓細胞を調製し、
細胞融合工程に用いる。細胞融合の他の一方の親細胞で
あるミエローマ細胞(骨髄腫細胞)は、各種の公知の細
胞株、例えば、P3・NS−1/1・Ag4.1[Eu
r.J.Immunol.,5;511−517(19
75)]、SP2/0−Ag14[Nature,27
6;269−270(1978)]、P3−X63−A
g8.653[J.Immunol.,123;154
8−1550(1979)]等を使用することができ
る。
【0041】細胞融合は、通常の方法、例えば、公知の
融合促進剤を含む培地[例えば、市販の細胞融合用ポリ
エチレングリコール(分子量1500;ベーリンガーマ
ンハイム社製)]中で、脾臓細胞とミエローマ細胞とを
よく混合することによって行うことができ、細胞の混合
比率も常法に従って、例えば、マウスの脾臓細胞に対し
てミエローマ細胞を約1/5〜1/10程度の割合で行
うことができる。融合後、選択用培地(例えば、HAT
培地)を用いて、ハイブリドーマのみを増殖させる。そ
れらの内、培養上清中に目的のモノクローナル抗体を分
泌しているハイブリドーマは、例えば、培養上清のビス
フェノールAとの反応性を酵素結合免疫測定法(ELI
SA)でスクリーニングすることによって確認し、選択
することができる。また、これらのハイブリドーマは、
通常、細胞クローニング法、例えば、限界希釈法を用い
て分離でき、公知の培地で継代培養し、液体窒素中で容
易に長期間保存することができる。
【0042】また、ハイブリドーマ(モノクローナル抗
体産生細胞)の産生するモノクローナル抗体は、これを
培養することにより、容易に調製することができる。特
に、イン・ビトロの培養では、例えば、5%二酸化炭素
及び37℃条件下で培養に適した任意の培地を用いて培
養することができ、好適にはダルベコ培地に10%ウシ
胎児血清(以下「FBS」と略す)を含む培地(以下、
「ダルベコ/10%FBS培地」と略す)を用いること
ができる。またイン・ビボの培養では、用いたミエロー
マと同種の動物、例えば、マウスの腹腔中で培養するの
が好ましい。これらの培養上清又は腹水を各々モノクロ
ーナル抗体溶液として用いることができる。
【0043】また、抗血清や培養上清、あるいは腹水を
出発材料として、抗体を精製することもできる。抗体の
精製には、タンパク質の精製に一般的な方法、例えば硫
安塩析、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロ
マトグラフィー、プロテインAもしくはプロテインG結
合ポリマー等を用いるアフィニティークロマトグラフィ
ー、又は透析等の方法を適宜組み合わせて用いることが
できる。
【0044】本発明のビスフェノールAの免疫学的測定
方法によれば、前記の免疫学的反応体(ポリクローナル
抗体又はモノクローナル抗体、あるいは抗血清)を用い
て実施するので、ビスフェノールAを正確に分析するこ
とができる。すなわち、本発明の免疫学的測定方法によ
って、ビスフェノールAの存在の検出、半定量的測定又
は定量的測定を行うことができる。本発明による免疫学
的測定方法は、ビスフェノールAに特異的に反応する免
疫学的反応体を用いることを除けば、それ以外の点では
従来公知の免疫学的測定方法、例えば、酵素免疫測定方
法、蛍光免疫測定方法又は放射性免疫測定方法等を適用
することができる。
【0045】本発明方法に従えば、環境水中等に存在し
ている可能性のあるビスフェノールAを測定することが
できる。被検試料は、ビスフェノールAを含有する試料
である限り特に限定されるものではない。
【0046】本発明による免疫学的測定方法を、例え
ば、通常抗原標識法と呼ばれる方法、すなわち、上記抗
体もしくは抗体フラグメントを固相化した後、ビスフェ
ノールA化合物と標識物質との結合体である標識化ビス
フェノールA化合物(標準品)と、試料中の検査対象化
合物ビスフェノールAとを競合阻害反応させる方法等に
適用することができる。ここでは、本発明による免疫学
的測定方法の内、抗原標識法について以下に説明する。
【0047】本発明方法は、例えば、 (1)ビスフェノールAと特異的に反応する免疫学的反
応体、特に抗体もしくは抗体フラグメントを固相化する
(以下、「固相化抗体」と略す)工程; (2)被検試料が水性試料の場合には、その被検試料を
濾紙等で濾過し、また被検試料が土壌等の場合には、被
検試料中に含まれていることのあるビスフェノールAを
抽出することのできる有機溶媒で被検試料を抽出処理
し、検体を調製する工程; (3)前記固相化抗体と検体と標識化ビスフェノールA
化合物とを接触させ、反応させる工程; (4)固相化抗体に結合した標識化ビスフェノールA化
合物と、結合していない標識化ビスフェノールA化合物
とを分離する工程; (5)前記工程(4)で分離した、いずれか一方、好ま
しくは固相化抗体と結合した標識化ビスフェノールA化
合物に由来する信号を測定する工程からなる。
【0048】本発明方法を実施する場合には、前記のよ
うに、標識化ビスフェノールA化合物を用いてビスフェ
ノールAの確認又は定量を行うことができる。ビスフェ
ノールA化合物の標識には、公知の標識物、例えば、放
射性同位体(例えば、:32P、35S、3H等)、酵素
(例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ等)、ビタミン(例えば、ビオチン等)、蛍光物質
(例えば、FITC等)、又は化学発光物質(例えば、
アクリジニウム等)等を用いることができる。
【0049】また、本発明方法では、固相化抗体と標識
化ビスフェノールA化合物との反応が終了した後で、固
相化抗体に結合しなかった標識化ビスフェノールA化合
物を分離する。分離は、例えば、濾過、遠心処理又は緩
衝液による洗浄によって行うことができる。
【0050】分離後、例えば固相化抗体と結合した標識
化ビスフェノールA化合物からの信号を測定することが
できる。信号を測定する際には、反応系を信号測定に適
した条件に変えるのが好ましい。例えば、標識物とし
て、蛍光又は化学発光物質を用いた場合には、消光が起
こらない条件で信号を検出する。前記の免疫学的測定法
においては、適当な対照液(例えば、固相化抗体とビス
フェノールA化合物との結合体)をコントロールとして
使用することができる。
【0051】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【0052】実施例1 4−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メ
チルエチル]フェノキシ}酪酸の合成 ビスフェノールA(2)(4.6g、20ミリモル)を
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)50mlに溶
解して、0.8g(20ミリモル)の水素化ナトリウム
(油性、60%)を加えた。室温で30分撹拌後、2.
72g(20ミリモル)の4−クロロ酪酸メチル(3)
のジメチルホルムアミド溶液20mlを滴下した。室温
で5時間撹拌後、反応液をジエチルエーテル/水で分配
抽出し、ジエチルエーテル層を無水硫酸マグネシウムで
脱水、濾過、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:
1〜1:1)粗精製した。
【0053】上記で得られた4−{4−[1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェノキシ}
酪酸メチル(4)の粗精製物をエタノール/水(10/
1)の混合溶液100mlに溶解して、10gの水酸化
ナトリウムを添加後、5時間撹拌した。氷冷しながら塩
酸でpHを2に調整し、濃縮後に酢酸エチル/水で分配
抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで脱
水、濾過、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1
〜2:1)で精製することにより、白色結晶として0.
74g(通算収率12%)の標題の目的物4−{4−
[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチ
ル]フェノキシ}酪酸を得た。
【0054】実施例2ビスフェノールA化合物と担体タンパク質との結合体の
調製 免疫原としてウシ血清アルブミン(BSA)と本発明の
ビスフェノールA化合物(ハプテン)の結合体を混合酸
無水物法を用いて作製した。
【0055】上記実施例1で製造した4−{4−[1−
(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェ
ノキシ}酪酸の7.85mgを1mlの無水ジオキサン
に溶解し、0.025μlのN−メチルモルホリンを加
えて10℃で20分間撹拌し、更に0.01μlのクロ
ロ蟻酸イソブチルを少しづつ添加し20分間撹拌して、
4−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メ
チルエチル]フェノキシ}酪酸の混合酸無水物を調製し
た。一方、16.8mgのBSAを1mlの蒸留水に溶
解したのち、1NのNaOHでPH9.5に調整し、さ
らに10℃でジオキサン1.3mlを滴下した。このB
SA溶液に、1NのNaOH溶液でpH9に保ちながら
先に調製した4−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−メチルエチル]フェノキシ}酪酸の混合酸無
水物溶液を徐々に滴下し、4℃で4時間撹拌した。反応
終了後、4℃で一晩蒸留水に対して透析した後、凍結乾
燥してフリーザー内に貯蔵した。こうして得られたビス
フェノールA化合物とBSAとの結合体を免疫原として
使用した。
【0056】また、コーティング抗原として用いるため
に、4−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1
−メチルエチル]フェノキシ}酪酸とウサギ血清アルブ
ミン(RSA)との結合体も同様の方法で調製した。
【0057】実施例3モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの作成と抗体の
作製 実施例2で調製した免疫原を2mg/mlになるように
生理的リン酸緩衝液に溶解し、アジュバントと等量混合
した後、Balb/cマウスに100μlをマウス腹腔
内に投与した。その後、2週間毎に追加免疫した。尾血
管から採取した血液の血清中の抗体力価が高くなったマ
ウスの脾臓を摘出し、DMEM培地(ダルベコ改変イー
グル培地)を入れたシャーレ内で摘出した脾臓をハサミ
で傷をつけ、注射筒で培地を脾臓内に注入して細胞を追
い出した。培地を遠沈管に移し、大きな組織片を沈降さ
せるために5分間静置した。脾臓細胞が浮遊している上
清を静かに取り、単細胞の懸濁液を300×g、5分間
遠心して細胞を集め、脾臓細胞を調製した。マウスのミ
エローマ細胞(P3X63Ag8.653)を細胞数の
比で5:1(ミエローマ細胞:脾臓細胞)になるように
混合し、300×g、5分間遠心して細胞を集めた。上
清を除去し、遠心管をはじいて沈殿細胞をほぐした後、
37℃に暖めておいた50%ポリエチレングリコール
(分子量1,500)溶液1mlを60秒かけてゆっく
り加え細胞融合を行った。DMEM培地9mlを加えた
後、含牛胎児血清DMEM培地40mlを添加した。遠
心によって集められた細胞を細胞数が5×105個/m
lになるようにHAT培地を加えた。細胞懸濁液を96
穴プラスチックプレートに250μl/ウェルの量を分
注して、37℃にて5%二酸化炭素の気相中でインキュ
べーションした。1週間後、ウェル中の培地の半量をH
AT培地で置換して、10日から14日間培養した。培
養液中の抗体の活性をELISA法で調べ、目的とする
抗体を産生しているウェルの細胞について、96穴のプ
ラスチックプレートで、HAT培地を用い、限界希釈法
によりハイブリドーマのクローニングを行った。クロー
ニングした結果、最終的に抗ビスフェノールA抗体を産
生している安定なハイブリドーマ5株を得た。これらの
株をそれぞれBBA−2187、BBA−2617、B
BE−4280、BKE−3430及びBKE−426
5と名付け、このハイブリドーマ株をDMEMに10%
牛胎児血清を含む培地で培養した。培養液の遠心上清を
モノクローナル抗体溶液とし、それぞれ「モノクローナ
ル抗体BBA−2187」(以下単に「抗体BBA−2
187」という)、「モノクローナル抗体BBA−26
17」(以下単に「抗体BBA−2617」という)、
「モノクローナル抗体BBE−4280」(以下単に
「抗体BBE−4280」という)、「モノクローナル
抗体BKE−3430」(以下単に「抗体BKE−34
30」という)及び「モノクローナル抗体BKE−42
65」(以下単に「抗体KE−4265」という)とし
た。調製したモノクローナル抗体溶液はPBSで希釈し
て抗原固相化し、競合間接ELISA法によりビスフェ
ノールAの反応性を調べた。
【0058】以下にモノクローナル抗体とビスフェノー
ルAとの反応性の測定例を示す。
【0059】実施例4o−フェニレンジアミン発色溶液を用いたELISA
(標準ELISA)によるビスフェノールAの測定 1)96穴マイクロプレートにビスフェノールAとRS
Aとの結合体(100ng/ml)を100μl/ウェ
ルの量を加えて4℃で一晩インキュベーションしてプレ
ートに吸着させた。洗浄緩衝液で5回洗浄後、3%スキ
ムミルク溶液又は4倍希釈のブロックエース(Bloc
k−Ace、大日本製薬(株)製)溶液の250μl/
ウェル量を加え、25℃で1時間インキュベーションし
た後、プレートを洗浄した。2)モノクローナル抗体を
PBSで1,500倍に希釈した溶液とビスフェノール
A溶液の各々50μlをウェルに加え、1時間インキュ
ベーションした後、プレートを洗浄した。3)西洋ワサ
ビペルオキシダーゼを結合した抗マウスIgGヤギ抗体
(第二抗体)をPBSで3,000倍に希釈し、100
μl/ウェルを加え、25℃で1時間インキュベーショ
ンした後、プレートを洗浄した。4)0.2%のo−フ
ェニレンジアミン発色溶液(100mMリン酸クエン酸
緩衝液(PH5.0)、0.003%過酸化水素水)の
200μl/ウェルを加え、25℃で10分間インキュ
ベーションした後、4N硫酸50μl/ウェルを加えて
酵素反応を止め、492nm及び630nmの吸光度を
マイクロプレートリーダーで測定した。
【0060】抗ビスフェノールA抗体を用いた場合のE
LISA法によるビスフェノールAとRSAとの結合体
の濃度は100μg/mlを用い、抗体の2,000倍
希釈溶液とメタノールに溶解したビスフェノールA標準
ストック溶液を0.1ng/mlから500ng/ml
の濃度になるようにPBSで段階的に希釈した溶液をウ
ェルに加え、第二抗体を3,000倍に希釈したものを
用いることにより作成したビスフェノールAの標準阻害
曲線を図1に示す。阻害率は次式より算出して示した。
【0061】阻害率(%)=(標準試料の吸光度/コン
トロールの吸光度)×100 測定の結果、抗体BBA−2187を用いたELISA
によるビスフェノールAの測定可能範囲は0.1〜1n
g/mlであり、50%阻害を示す値(IC50値)は
0.24ng/mlであった。
【0062】実施例5ルミノール発色溶液を用いたLC−ELISAによるビ
スフェノールAの測定 1)96穴マイクロプレート(黒色プレート)にビスフ
ェノールAとRSAとの結合体(100ng/ml)を
100μl/ウェルの量を加えて4℃で一晩インキュベ
ーションしてプレートに吸着させた。洗浄緩衝液で5回
洗浄後、4倍希釈のブロックエース(Block−Ac
e、大日本製薬(株)製)溶液の250μl/ウェル量
を加え、25℃で1時間インキュベーションした後、プ
レートを洗浄した。 2)モノクローナル抗体をPBSで3,000倍に希釈
した溶液とビスフェノールA溶液の各々50μlをウェ
ルに加え、1時間インキュベーションした後、プレート
を洗浄した。 3)西洋ワサビペルオキシダーゼを結合した抗マウスI
gGヤギ抗体(第二抗体)をPBSで4,000倍に希
釈し、100μl/ウェルを加え、25℃で1時間イン
キュベーションした後、プレートを洗浄した。 4)ルミノール発色溶液ELISA基質POD(ベーリ
ンガマンハイム社製)の100μl/ウェルを加え、2
5℃で10分間インキュベーションした後、化学蛍光リ
ーダー(アトー社:ルミネッセンサーJNR,AB−2
100)で測定した。
【0063】抗ビスフェノールA抗体を用いた場合のL
C−ELISA法によるコーティング抗原の濃度は10
0μg/mlを用い、抗体の3,000倍希釈溶液とメ
タノールに溶解したビスフェノールA標準ストック溶液
を0.1ng/mlから3,000ng/mlの濃度に
なるようにPBSで段階的に希釈した溶液をウェルに加
え、第二抗体を4,000倍に希釈したものを用いるこ
とにより作成したビスフェノールAの標準阻害曲線を図
2に示す。
【0064】抗体BBA−2187を用いたLC−EL
ISAによるビスフェノールAの測定可能範囲は0.0
53〜1ng/ml(64〜1000ppt)であり、
50%阻害を示す値(IC50値)は0.23ng/ml
であった。LC−ELISAによる測定法の感度及び測
定可能範囲は、実施例4の標準ELISAによる測定法
の感度及び測定可能範囲と同程度であった。
【0065】実施例6アビジン−ビオチン複合体を用いたABC−ELISA
によるビスフェノールAの測定 1)96穴マイクロプレート(白色プレート)にビスフ
ェノールAとRSAとの結合体(100ng/ml)を
100μl/ウェルの量を加えて4℃で一晩インキュベ
ーションしてプレートに吸着させた。洗浄緩衝液で5回
洗浄後、4倍希釈のブロックエース(Block−Ac
e、大日本製薬(株)製)溶液の250μl/ウェル量
を加え、25℃で1時間インキュベーションした後、プ
レートを洗浄した。 2)モノクローナル抗体をPBSで3,000倍に希釈
した溶液とビスフェノールA溶液の各々50μlをウェ
ルに加え、1時間インキュベーションした後、プレート
を洗浄した。 3)ビオチン化抗マウスIgGヤギ抗体(第二抗体)を
100μl/ウェルを加え、25℃で1時間インキュベ
ーションした後、プレートを洗浄した。 4)イムノ ピュア ウルトラ−センシティブ ABC
ペルオキシダーゼ ステイニング キット(Immuno P
ure Ultra-Sensitive ABC Peroxidase StainingKit)
(ピアス社製)を2,000倍希釈したビオチン結合ペ
ルオキシダーゼ溶液の100μl/ウェルを加え、25
℃で1時間インキュベーションした後、プレートを洗浄
した。 5)実施例4で使用した0.2%のo−フェニレンジア
ミン発色溶液(100mMリン酸クエン酸緩衝液(PH
5.0)、0.003%過酸化水素水)の200μl/
ウェルを加え、25℃で10分間インキュベーションし
た後、4N硫酸50μl/ウェルを加えて酵素反応を止
め、492nm及び630nmの吸光度をマイクロプレ
ートリーダーで測定した。
【0066】抗ビスフェノールA抗体を用いた場合のA
BC−ELISA法によるコーティング抗原の濃度は1
00μg/mlを用い、抗体の3,000倍希釈溶液と
メタノールに溶解したビスフェノールA標準ストック溶
液を0.1ng/mlから3,000ng/mlの濃度
になるようにPBSで段階的に希釈した溶液をウェルに
加え、第二抗体を2,000倍に希釈したものを用いる
ことにより作成したビスフェノールAの標準阻害曲線を
図3に示す。
【0067】抗体BBA−2187を用いたABC−E
LISAによるビスフェノールAの測定可能範囲は0.
057〜1ng/ml(64〜1000ppt)であ
り、50%阻害を示す値(IC50値)は0.24ng/
mlであった。ABC−ELISAによる測定法の感度
及び測定可能範囲は、実施例4の標準ELISAによる
測定法の感度及び測定可能範囲並びに実施例5のLC−
ELISAによる測定法の感度及び測定可能範囲と同程
度であった。
【0068】実施例7抗体のビスフェノールA構造類似化合物に対する交差反
応性 ビスフェノールAと化学構造が類似している化合物につ
いて抗体BBA−2187の交差反応性を調べた。交差
反応性は試験化合物のIC50値を求め、次式より計算し
た。
【0069】交差反応率(%)=(ビスフェノールAのIC
50値/試験化合物のIC50値)×100 上記式を用いて交差反応率を算出した結果を表1に示
す。
【0070】
【表1】 表1から次のことが判る。すなわち、抗体BBA−21
87は、試験した化合物のビスフェノールE及びビスフ
ェノールFと僅かに反応したが、他の化合物とは殆ど反
応しなかった。この結果より、本抗体は、ビスフェノー
ルAに対して特異性の高い結合様式を示した。
【0071】以上の結果から、次のことが明らかになっ
た。ビスフェノールAと担体蛋白質との結合体をマウス
に免疫して得られた脾臓細胞とミエローマ細胞を融合す
ることにより、ビスフェノールAと結合する抗体を産生
する融合細胞を選抜した。この細胞を培養した培養上清
を抗体として用い、ビスフェノールAを測定するための
ELISA法の最適条件を決定した。このELISA法
によって河川水中の低濃度のビスフェノールAをモニタ
リングするに当たっては、本ELISA法による簡便、
迅速な方法が適していることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、標準ELISA法によるビスフェノー
ルAの標準曲線である。
【図2】図2は、LC−ELISA法によるビスフェノ
ールAの標準曲線である。
【図3】図2は、ABC−ELISA法によるビスフェ
ノールAの標準曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/00 G01N 33/577 B 33/53 C12R 1:91) 33/577 C12N 5/00 B //(C12N 5/10 15/00 C C12R 1:91) C12R 1:91) (72)発明者 森宗 孝介 徳島県鳴門市里浦町里浦字花面615番地 大塚化学株式会社鳴門研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA53 GA03 GA18 HA15 4B064 AG27 CA10 CA20 CC01 CC24 DA13 4B065 AA91X AB05 AC14 AC15 BA08 BA24 BB01 BC03 BC07 BD15 BD50 CA25 CA46 4H006 AA01 AA03 AB80 AB99 BJ50 BN30 BP30 BS10 4H045 AA11 AA20 AA30 DA76 EA50 FA72 GA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 [式中、nは3〜9の整数を示す。]で表されるビスフ
    ェノールA化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のビスフェノールA化合
    物と担体又は標識物質との結合体。
  3. 【請求項3】 ビスフェノールA及び請求項1に記載の
    ビスフェノールA化合物に反応性を示す免疫学的反応
    体。
  4. 【請求項4】 免疫学的反応体がモノクローナル抗体で
    ある請求項3に記載の免疫学的反応体。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の免疫学的反応体を産生
    するハイブリドーマ。
  6. 【請求項6】 請求項3又は請求項4に記載の免疫学的
    反応体を用いることを特徴とするビスフェノールAの免
    疫学的測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112213481A (zh) * 2020-08-13 2021-01-12 茅台学院 半抗原直接包被的基于单克隆抗体的双酚a abc酶联免疫吸附检测方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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