JPH10287700A - 活性型マトリライシン(mmp−7)に対する抗体及びそれを用いた免疫学的測定法 - Google Patents

活性型マトリライシン(mmp−7)に対する抗体及びそれを用いた免疫学的測定法

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JPH10287700A
JPH10287700A JP9106846A JP10684697A JPH10287700A JP H10287700 A JPH10287700 A JP H10287700A JP 9106846 A JP9106846 A JP 9106846A JP 10684697 A JP10684697 A JP 10684697A JP H10287700 A JPH10287700 A JP H10287700A
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JP9106846A
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Inventor
Yasunori Okada
保典 岡田
Isao Tono
勲 東野
Noboru Fujimoto
昇 藤本
Yoshinori Tejima
美紀 手嶋
Shinichi Yoshida
真一 吉田
Kazushi Iwata
和士 岩田
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Fuji Yakuhin Kogyo KK
Original Assignee
Fuji Yakuhin Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 マトリックスメタロプロテアーゼ類の一つヒ
トマトリックスメタロプロテアーゼ7(ヒトMMP-7 )と
称されるマトリライシンと各種疾患との関わりを解析す
るうえで役立つ活性型MMP-7 の正確な定量あるいは測定
検知法の提供。 【解決手段】 MMP-7 の YSLFP のアミノ酸配列又はそ
の近傍を含む領域を免疫原として用いて細胞融合法でヒ
ト活性型MMP-7 とのみ特異的に免疫学的反応するモノク
ローナル抗体が得られる。これを測定試薬として用い、
特にサンドイッチ酵素免疫学的にヒト活性型MMP-7 の測
定を行う方法及び試薬が提供され、それらは現在増加し
ている直腸癌、前立腺癌を始めとし各種癌疾患に見いだ
される活性型MMP-7 を検出、測定及び定量できる。これ
らモノクローナル抗体はさらに組織や細胞の免疫学的染
色のための試薬としても有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗活性型マトリラ
イシン(マトリックスメタロプロテアーゼ 7;MMP-7
)モノクローナル抗体及びそのモノクローナル抗体を
用いた免疫学的測定法、特には、免疫組織染色、酵素免
疫測定並びに各種の測定法に基づき検体中に存在する活
性型MMP-7 を定量する方法に関する。また、本発明は、
医学生理学的分野に用いられる活性型MMP-7 の免疫学的
定量法及びそれに用いる試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】血管やリンパ管及び関節軟骨の基底膜や
結合組織の構成タンパク、いわゆる細胞外マトリックス
は、IV型コラーゲン等のコラーゲン、プロテオグリカ
ン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニン、ヘパラ
ン硫酸等の接着性糖タンパク質をはじめとする複雑な成
分から構成されている (Martinez-Hernandez et al., L
ab. Invest., 48, 656-677, 1983) が、この細胞外マト
リックスの分解には、基質特異性を異にするマトリック
スメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinases; M
MPs)と総称される一群の酵素が関与している。近年、こ
れらのMMPsについては、遺伝子がクローニングされ
て遺伝子ファミリーとして存在することが報告されてい
る。一次構造と基質特異性の違いからそれぞれグループ
分けされており、その中でMMP-7 は、カルボキシル末端
のヘモペキシン様ドメインを欠失しており、MMP 遺伝子
ファミリーの中で最も小さい分子種として存在してい
る。Quantin et al.(Biochemistry, 28, 5327-5334, 19
89) は、潜在型MMP-7 の分子量は28,000ダルトン(28 kD
a)であり、4−アミノフェニル酢酸水銀(APMA)処理し
た場合は、21 kDaの中間型を経て19 kDa活性型MMP-7 へ
と変換され、そして活性化されたMMP-7 はプロテオグリ
カン、IV型コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン分
解能を有することを報告している。Imai et al. (J. Bi
ol. Chem., 270, 6691-6697, 1995)は、MMP-7 が生体内
でストロムライシン-1 (MMP-3)やトリプシン等によって
活性化されること、逆に、MMP-7 が潜在型間質コラゲナ
ーゼ (MMP-1)や潜在型ゼラチナーゼB (MMP-9)を活性化
することを報告している。またCrabbe et al. (FEBS Le
tt., 345, 14-16, 1994)は、MMP-7 が潜在型ゼラチナー
ゼA (MMP-2 )を活性化することを報告している。
【0003】Miyazaki et al.(Cancer Res., 50, 7758-
7764, 1990) は、ヒト直腸癌細胞の培養液からヒトMMP-
7 を単離し、この酵素が広い基質特異性をもちIV型コラ
ーゲンやフィブロネクチンなどに対して、非常に高い分
解活性を有していることを明らかにしている。MMP-7
は、直腸癌(M.Yoshimoto et al., Int. J. Cancer, 54,
614-618, 1983),結腸癌(H.Yamamoto et al., Biochem.
Biophys. Res. Commun., 201, 657-664, 1994), 前立
腺癌(W.C.Powell et al., Cancer Res., 53, 417-422,
1993),胃癌(S.McDonnell et al., Mol. Carcinog., 4,
527-533, 1991)などで、高い頻度で発現していることが
報告されている。MMPsの活性発現調節は、少なくとも転
写レベル、酵素活性を示さない潜在型酵素から活性型酵
素への活性化の段階、MMPsの特異的阻害剤であるティシ
ュ・インヒビター・オブ・メタロプロテアーゼ類 (tiss
ue inhibitors of metalloproteinases; TIMPs) による
活性調節などといった段階で行なわれていると考えられ
ている (L. Matrisian et al., Trends Genet., 6, 121
-125, 1990) 。組織や体液中において存在しているTIMP
s (T. Hayakawa, Cell Struct. Funct., 19, 109-114,
1994) は、現在4種類報告されており、各々TIMP-1、TI
MP-2、TIMP-3及びTIMP-4と呼ばれている。これらTIMPs
は、通常活性型MMPsに結合し、組織の修復、組織破壊の
阻止、癌転移抑制あるいは細胞増殖促進などの生理的作
用を持っていると考えられている。潜在型MMP-7 に関す
る抗体及び免疫学的定量法は、Ohuchi et al. (Clin. C
him. Acta, 244, 181-198, 1996)が報告している。
【発明が解決しようとする課題】MMP-7 は、生体内で潜
在型及び活性型で存在し、その量比が各種疾患、病状な
どと密接な関連を持つと予測される、あるいはそれらと
TIMPs のバランスが各種疾患、病状などと密接な関連を
持つと予測されるにもかかわらず、活性型MMP-7のみを
測定する方法は、今までのところ存在しない。また、活
性型MMP-7 のみと特異的に免疫反応する抗体も存在しな
い。ところで、活性型MMPsは、一般に分解しやすく不安
定で、抗原として大量に確保することが難しいため、活
性型MMPsのみと特異的に免疫反応する抗体を得ることは
困難である。一方、活性型MMP-7 のアミノ酸配列は、既
知である (Muller et al., Biochem. J., 253, 187-19
2, 1988) ので、例えば、一部のアミノ酸配列に相当す
る合成ペプチドを免疫原とするなどの方法により、抗体
を作製することは原理的には可能である。しかし、活性
型MMP-7 のアミノ酸配列は、潜在型MMP-7 のアミノ酸配
列にすべて含まれるので、一般的には潜在型MMP-7 とは
免疫反応せず、活性型MMP-7 のみと特異的に免疫反応す
る抗体を得るのは難しい。仮に、潜在型MMP-7 と活性型
MMP-7 とで分子の立体構造等が異なるアミノ酸配列部分
が存在し、その配列部分を含む合成ペプチドを免疫原と
しても合成ペプチドが長すぎれば、得られた抗体が活性
型MMP-7 のみならず潜在型MMP-7 と免疫反応する可能性
が非常に高くなるという問題があるし、また、合成ペプ
チドが短すぎれば、抗体は得られないことになる。すな
わち、活性型MMP-7 のみと特異的に免疫反応する抗体を
得ること、またその免疫原を選択することは、非常に難
しい状況にある。さらに、免疫原として用いた合成ペプ
チドのアミノ酸配列が活性型MMP-7 の分子構造の内部に
あった場合などは、該合成ペプチドを用いて得られたそ
の抗体は、活性型MMP-7 と免疫反応することはできな
い。近年、タンパク質分子の構造は、アミノ酸配列より
ある程度解析できるようになってきているが、しかしな
がら、実際に免疫原を選択し、活性型MMP-7 のみと特異
的に免疫反応する抗体を得ることは、非常に困難である
のが実情である。また、一般に、活性型MMPsはTIMPs と
複合体を形成するが、活性型MMP-7 が TIMPsと複合体を
形成した場合、活性型MMP-7 の分子量が 19kDaで、各TI
MPs の分子量が約21〜30kDa であることから考えると、
分子の立体障害等によりTIMPs との複合体を形成した活
性型MMP-7 と特異的に免疫反応するモノクローナル抗体
を得ることは、大変難しい。まして、TIMPs と複合体を
形成した活性型MMP-7 を検出できる免疫学的測定法を開
発することは、非常に難しい。したがって、これまで未
だに活性型MMP-7 を定性的および定量的に測定すること
はできなかった。
【0004】
【課題の解決】本発明者らは、活性型MMP-7 タンパクを
定性的及び定量的に測定するには、それを特異的に認識
しうるモノクローナル抗体、すなわち活性型MMP-7 に対
するモノクローナル抗体を得るべきと考え、鋭意研究の
結果、活性型MMP-7 に対するモノクローナル抗体を作製
することに成功した。その結果、モノクローナル抗体を
用いて現在増加している直腸癌、前立腺癌を始めとし各
種癌疾患のマーカーもしくは診断法を提供することが可
能となった。本発明は、活性型MMP-7 と特異的に免疫反
応することのできるモノクローナル抗体、そのモノクロ
ーナル抗体を測定試薬として用いた活性型MMP-7 の免疫
学的測定法、さらにその測定法に用いる試薬を提供す
る。本発明は、さらに活性型MMP-7 に免疫反応性を有す
るモノクローナル抗体及びそのモノクローナル抗体を用
いる活性型MMP-7 の免疫測定法をも提供するものであ
る。本発明の方法は、固相担体に結合させる抗体あるい
は標識物を付与する抗体として、それぞれ活性型MMP-7
の実質的に異なる抗原決定基に対し特異的に結合するモ
ノクローナル抗体を使用することをも特徴とするもので
ある。潜在型、中間型及び活性型MMP-7 と免疫反応する
モノクローナル抗体とMMP-7のYSLFP(R78−8
2)のアミノ酸配列を含む領域あるいはそれと実質的に
同等の領域を特異的に認識し活性型MMP-7 のみと免疫反
応するモノクローナル抗体とを組合わせて測定試薬とし
て用い、免疫学的に活性型MMP-7 の測定を行う方法及び
試薬が提供される。
【0005】より詳しくは、本発明は、 (1)活性型MMP-7 と特異的に免疫反応することを特徴
とするモノクローナル抗体またはそのフラグメント; (2)活性型MMP-7 と特異的に免疫反応するモノクロー
ナル抗体であって、潜在型MMP-7 と免疫反応しないこと
を特徴とする上記(1)記載のモノクローナル抗体また
はそのフラグメント; (3)潜在型MMP-7 を切断することにより新しく露出さ
れるアミノ酸配列又はその近傍を含む領域を認識するこ
とを特徴とする上記(1)または(2)記載のモノクロ
ーナル抗体またはそのフラグメント; (4)MMP-7 の YSLFP のアミノ酸配列又はその近傍を
含む領域を認識することを特徴とする上記(1)〜
(3)のいずれか一記載のモノクローナル抗体またはそ
のフラグメント; (5)ティシュ・インヒビター・オブ・メタロプロテア
ーゼ類 (TIMPs)と複合体を形成した活性型MMP-7 とも免
疫反応することを特徴とする上記(1)〜(4)のいず
れか一記載のモノクローナル抗体またはそのフラグメン
ト; (6)上記(1)〜(5)のいずれか一記載のモノクロ
ーナル抗体またはそのフラグメントを用いることを特徴
とする免疫学的測定法; (7)上記(1)〜(5)のいずれか一記載のモノクロ
ーナル抗体またはそのフラグメントを用いることを特徴
とする免疫組織染色法; (8)上記(1)〜(5)のいずれか一記載のモノクロ
ーナル抗体またはそのフラグメントを含むことを特徴と
する免疫学的測定用試薬;及び (9)上記(1)〜(5)のいずれか一記載のモノクロ
ーナル抗体を産生することを特徴とするハイブリドーマ
細胞を提供する。
【0006】別の態様では、本発明は (10)活性型MMP-7 と特異的に免疫反応するモノクロ
ーナル抗体あるいはそのフラグメントを使用することを
特徴とする活性型MMP-7 の測定方法; (11)測定されるべき検体試料中の活性型MMP-7 を免
疫反応を利用して測定する方法であって、検体試料を
(a)標識された可溶性の抗体またはそのフラグメント
及び(b)固相化抗体またはそのフラグメントと接触せ
しめ、標識を検知して測定の指標とし、そして上記
(a)及び(b)の少なくとも一方は活性型MMP-7 と特
異的に免疫反応するモノクローナル抗体あるいはそのフ
ラグメントであることを特徴とする活性型MMP-7 の測定
方法; (12)使用する抗体またはそのフラグメントが、該
(a)及び(b)の双方とも活性型MMP-7 と特異的に免
疫反応するモノクローナル抗体あるいはそのフラグメン
トであることを特徴とする上記(11)記載の活性型MM
P-7 の測定方法; (13)活性型MMP-7 と特異的に免疫反応するモノクロ
ーナル抗体あるいはそのフラグメントが、クローン No.
176-1F11 、 176-5F12 、176-6D11及び 176-8G9からな
る群から選ばれたものであるモノクローナル抗体あるい
はそのフラグメントであることを特徴とする上記(1
1)〜(12)のいずれか一記載の活性型MMP-7 の測定
方法; (14)使用する抗体またはそのフラグメントが、一方
は活性型MMP-7 と特異的に免疫反応するモノクローナル
抗体あるいはそのフラグメントであり、他方はTIMPs の
いずれか一と特異的に免疫反応するモノクローナル抗体
あるいはそのフラグメントであることを特徴とする上記
(10)〜(11)記載の活性型MMP-7 の測定方法; (15)使用するTIMPs のいずれか一と特異的に免疫反
応するモノクローナル抗体あるいはそのフラグメント
が、TIMP-1と特異的に免疫反応するモノクローナル抗体
あるいはそのフラグメントであることを特徴とする上記
(14)記載の活性型MMP-7 の測定方法; (16)使用するTIMPs のいずれか一と特異的に免疫反
応するモノクローナル抗体あるいはそのフラグメント
が、TIMP-2と特異的に免疫反応するモノクローナル抗体
あるいはそのフラグメントであることを特徴とする上記
(14)記載の活性型MMP-7 の測定方法; (17)測定されるべき検体試料中の活性型MMP-7 を特
異的免疫反応を利用して測定する方法であって、検体試
料を(i)標識してない活性型MMP-7 と特異的に免疫反
応するモノクローナル抗体あるいはそのフラグメントと
接触せしめ、次に該活性型MMP-7 と特異的に免疫反応す
るモノクローナル抗体に対する標識された抗体あるいは
そのフラグメントとさらに接触せしめ、ついで標識を指
標に測定を行うか、または(ii)標識した活性型MMP-7
と特異的に免疫反応するモノクローナル抗体あるいはそ
のフラグメントと接触せしめ、ついで標識を指標に測定
を行うことを特徴とする免疫組織染色方法; (18)上記(17)の(i)の場合の活性型MMP-7 と
特異的に免疫反応するモノクローナル抗体に対する標識
された抗体あるいはそのフラグメントが、ビオチン化抗
マウス抗体あるいはそのフラグメントで、標識を指標に
測定するにあたり、アビジン−ビオチン−HRP複合体
を利用することを特徴とする上記(17)記載の方法; (19)癌疾患マーカーとして活性型MMP-7 を利用する
ことを特徴とする上記(17)記載の方法; (20)活性型MMP-7 と特異的に免疫反応するモノクロ
ーナル抗体あるいはそのフラグメントが、クローン No.
176-1F11 、 176-5F12 、176-6D11 及び 176-8G9から
なる群から選ばれたものであるモノクローナル抗体ある
いはそのフラグメントであることを特徴とする上記(1
7)〜(19)のいずれか一記載の方法; (21)活性型MMP-7 と特異的に免疫反応するモノクロ
ーナル抗体を産生し、且つ潜在型MMP-7 においては、そ
の分子内部にあるが、それが活性化された活性型MMP-7
では新しく分子外部に露出される領域のペプチドで免疫
したマウスの脾臓細胞とマウスミエローマ細胞との細胞
融合によって得られることを特徴とするハイブリドー
マ; (22)活性型MMP-7 のN 末端5アミノ酸( 潜在型MMP-
7 R78-82) に相当する領域 (YSLFP)の合成ペプチドを免
疫原として得られるものであることを特徴とする上記
(21)記載のハイブリドーマ; (23)癌を検出するために用いることを特徴とする上
記(8)記載の免疫学的測定用試薬;及び (24)アビジン−ビオチン系標識、酵素標識、蛍光物
質標識、色素物質標識、化学ルミネッセンス化合物標
識、発光物質標識、発色物質標識、磁気物質標識、金属
粒子標識、および放射性物質標識からなる群から選ばれ
た標識を有することを特徴とする上記(8)記載の免疫
学的測定用試薬を提供する。 本発明の免疫反応の典型的な形態としては、抗原とその
抗原決定基に対する抗体あるいは該抗原決定基に対する
抗体フラグメントとの間の免疫学的結合反応が挙げられ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に従えば、活性型MMP-7 と
特異的に免疫反応することのできるモノクローナル抗体
を得ることができ、その得られたモノクローナル抗体を
測定試薬として用いて、活性型MMP-7 の免疫学的測定を
行うことができ、さらにその測定に用いられる各種試薬
を製造することができる。本発明によれば、さらに活性
型MMP-7 に免疫反応性を有するモノクローナル抗体を得
ることができ、そのモノクローナル抗体を用いて、活性
型MMP-7 の免疫測定法を組み立てることを可能にする。
本発明によれば、さらにそれぞれ活性型MMP-7 の実質的
に異なる抗原決定基に対し特異的に結合するモノクロー
ナル抗体を使用して、固相担体に結合させる抗体あるい
は標識物を付与した抗体を作製し、それらを用いて活性
型MMP-7 を測定することも可能になる。本発明に従え
ば、特に潜在型、中間型及び活性型MMP-7 と免疫反応す
るモノクローナル抗体とMMP-7 のYSLFP(R78−
82)のアミノ酸配列を含む領域あるいはそれと実質的
に同等の領域を特異的に認識し且つ活性型MMP-7 のみと
免疫反応するモノクローナル抗体とを組合わせて用い、
それらを測定試薬として用いて免疫学的に活性型MMP-7
の測定を行う方法や試薬が提供される。本発明に従え
ば、活性型MMP-7 や活性型MMP-7 とTIMPs との複合体を
測定したり、検知でき、さらには生体内で潜在型及び活
性型で存在するMMP-7 をそれぞれ区別して測定したり、
検知できるようになったり、TIMPs のバランスについて
も測定したり、検知できるようになり、各種疾患、病状
などを評価する指標として使用できる。特にMMP-7 は、
直腸癌, 結腸癌, 前立腺癌, 胃癌,子宮癌などの悪性腫
瘍組織や癌細胞で、高い頻度で発現していることが報告
されており、こうした癌などの悪性腫瘍組織や癌細胞の
検出マーカーとして有用である。
【0008】本発明で使用されるモノクローナル抗体
は、ケラー及びミルシュタイン(G. Kohler and C. Mils
tein, Nature, 256, 495, 1975) などにより開示された
ミエローマ細胞を用いての細胞融合技術を利用して得ら
れたモノクローナル抗体であってもよいことはいうまで
もない。本発明で使用されるモノクローナル抗体は、次
のような工程で作製できる。 1.免疫原性抗原の調製 2.免疫原性抗原による動物の免疫 3.ミエローマ細胞(骨髄腫細胞)の調製 4.抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合 5.ハイブリドーマ(融合細胞)の選択及びモノクロー
ン化 6.モノクローナル抗体の製造
【0009】1.免疫原性抗原の調製 抗原としては、例えば培養ヒト直腸癌細胞株(CaR-1細
胞) から、Okada et al.の方法 (J. Biol. Chem., 261,
14245-14255, 1986及び J. Biol. Chem., 267,21712-2
1719, 1992)に従い精製されて得られたヒト活性型MMP-7
を用いることができる。こうして得られた活性型MMP-7
は、さらに免疫原性コンジュゲートなどにしてもよい
が、そのまま適当なアジュバントと混合して動物を免疫
するのに使用できる。さらに活性型MMP-7 は、それを断
片化したものを適当な縮合剤を介して種々の担体タンパ
ク質類と結合させてハプテン−タンパク質の如き免疫原
性コンジュゲートとし、これを用いて特定の配列のみを
認識できるモノクローナル抗体をデザインするのに用い
ることもできる。例えば遺伝子組換え技術を適用し、天
然の細胞から分子クローニングにより得られたDNA配
列あるいは既に知られたゲノム配列から、酵素などを用
いたり、化学合成により得られたDNA配列または修飾
DNA配列を、微生物あるいは動物、植物、昆虫などで
発現させて得られたリコンビナント抗原や、それらの情
報を利用し液相法や固相法として知られたペプチド化学
合成法により得られたペプチドまたは改変ペプチドを用
いることもできる。
【0010】ペプチドの固相合成法は、一般的には自動
ペプチド合成装置により好適に行うことが出来、例えば
ミリジェン・バイオサーチ社製 (MilliGen/Biosearch)
モデル9050、モデル9500、あるいはエクセル(Excell)、
アプライド・バイオシステムズ社製 (Applied Biosyste
ms) モデル430Aやモデル431A、デュポン社製 (Du Pont)
アールエイエムピーエス (RaMPS)、国産化学株式会社製
「コックさん」、アドバンスド・ケムテク社製 (Advanc
ed ChemTech)モデル350 などを用いて行うことができ
る。本発明では、MMP-7 の YSLFP (R78-82) のアミノ酸
配列を含む領域、あるいはそれら領域と実質的に同等の
活性あるいは構造を有するペプチドを合成して免疫原性
コンジュゲートとし、これを用いて特定の配列のみを認
識できるモノクローナル抗体を得ることができる。本発
明に従えば、好ましくは潜在型MMP-7 においては、その
分子内部にあるが、活性化された時には新しく分子外部
に露出されると予想される領域を免疫原として選択して
使用すべく合成ペプチドを選ぶが、こうした機能を有す
る領域であれば本発明の免疫原として好ましい。特には
活性型MMP-7 のN 末端5アミノ酸( 潜在型MMP-7 R78-8
2) に相当する領域 (YSLFP)の合成ペプチドを免疫原と
して使用するのが好ましい。
【0011】担体タンパク質類と結合させるにあたって
は、担体タンパク質類はまず活性化されることができ
る。こうした活性化にあたり活性化結合基を導入するこ
とが挙げられる。活性化結合基としては、(1)活性化
エステルあるいは活性化カルボキシ基、例えばニトロフ
ェニルエステル基、ペンタフルオロフェニルエステル
基、1−ベンゾトリアゾールエステル基、N−スクシン
イミドエステル基など、(2)活性化ジチオ基、例えば
2−ピリジルジチオ基などが挙げられる。担体タンパク
質類としては、キーホール・リンペット・ヘモシアニン
(KLH),牛血清アルブミン(BSA)、卵白アルブ
ミン、グロブリン、ポリリジンなどのポリペプチド、細
菌菌体成分、例えばBCGなどが挙げられる。
【0012】2.免疫原性抗原による動物の免疫 動物を免疫するには、例えば村松繁、他編、実験生物学
講座14、免疫生物学、丸善株式会社、昭和60年、日
本生化学会編、続生化学実験講座5、免疫生化学研究
法、東京化学同人、1986年、日本生化学会編、新生
化学実験講座12、分子免疫学 III、抗原・抗体・補
体、東京化学同人、1992年などに記載の方法に準じ
て行うことができる。抗原と共に用いられるアジュバン
トとしては、例えばフロイント完全アジュバント、リビ
(Ribi)アジュバント、百日咳ワクチン、BCG、
リピッドA、リポソーム、水酸化アルミニウム、シリカ
などが挙げられる。免疫は、例えばBALB/cなどの
マウスをはじめとする動物を使用して行われる。抗原の
投与量は、例えばマウスに対して約1〜400μg/動
物で、一般には宿主動物の腹腔内や皮下に注射し、以後
1〜4週間おきに、好ましくは1〜2週間ごとに腹腔
内、皮下、静脈内あるいは筋肉内に追加免疫を2〜10
回程度反復して行う。免疫用のマウスとしてはBALB
/c系マウスの他、BALB/c系マウスと他系マウス
とのF1マウスなどを用いることもできる。必要に応
じ、抗体価測定系を調製し、抗体価を測定して動物免疫
の程度を確認できる。
【0013】3.ミエローマ細胞(骨髄腫細胞)の調製 細胞融合に使用される無限増殖可能株(腫瘍細胞株)と
しては免疫グロブリンを産生しない細胞株から選ぶこと
ができ、例えばP3−NS−1−Ag4−1(NS−
1,Eur. J. Immunol., 6, 511〜519, 1976)、SP2/
0−Ag14(SP2,Nature, 276, 269〜270, 1978
) 、マウスミエローマMOPC−21セルライン由来
のP3−X63−Ag8−U1(P3U1,Current to
pics in Microbiol. and Immunol., 81, 1〜7, 1978
)、P3−X63−Ag8(X63,Nature, 256, 49
5〜497, 1975 ) 、P3−X63−Ag8.653 (6
53,J. Immunol., 123, 1548〜1550, 1979) などを用
いることができる。8−アザグアニン耐性のマウスミエ
ローマ細胞株はダルベッコMEM培地(DMEM培
地)、RPMI−1640培地などの細胞培地に、例え
ばペニシリン、アミカシンなどの抗生物質、牛胎児血清
(FCS)などを加え、さらに8−アザグアニン(例え
ば5〜45μg/ml)を加えた培地で継代されるが、
細胞融合の2〜5日前に正常培地で継代して所要数の細
胞株を用意することができる。また使用細胞株は、凍結
保存株を約37℃で完全に解凍したのちRPMI−16
40培地などの正常培地で3回以上洗浄後、正常培地で
培養して所要数の細胞株を用意したものであってもよ
い。
【0014】4.抗体産生細胞とミエローマ細胞との細
胞融合 上記2.の工程に従い免疫された動物、例えばマウスは
最終免疫後、2〜5日後にその脾臓が摘出され、脾細胞
懸濁液を得る。脾細胞の他、生体各所のリンパ節細胞を
得て、それを細胞融合に使用することもできる。こうし
て得られた脾細胞懸濁液と上記3.の工程に従い得られ
たミエローマ細胞株を、例えば最小必須培地(MEM培
地)、DMEM培地、RPMI−1640培地などの細
胞培地中に置き、細胞融合剤、例えばポリエチレングリ
コールを添加する。細胞融合剤としては、この他各種当
該分野で知られたものを用いることができ、この様なも
のとしては不活性化したセンダイウイルス(HVJ:H
emagglutinating virus of
Japan)などが挙げられる。好ましくは、例えば3
0〜60%のポリエチレングリコールを0.5〜2ml
加えることができ、分子量が1,000〜8,000の
ポリエチレングリコールを用いることができ、さらに分
子量が1,000〜4,000のポリエチレングリコー
ルがより好ましく使用できる。融合培地中でのポリエチ
レングリコールの濃度は、例えば30〜60%となるよ
うにすることが好ましい。必要に応じ、例えばジメチル
スルホキシドなどを少量加え、融合を促進することもで
きる。融合に使用する脾細胞(リンパ球):ミエローマ
細胞株の割合は、例えば1:1〜20:1とすることが
挙げられるが、より好ましくは4:1〜10:1とする
ことができる。融合反応を1〜10分間行い、次にRP
MI−1640培地などの細胞培地を加える。融合反応
処理は複数回行うこともできる。融合反応処理後、遠心
などにより細胞を分離した後選択用培地に移す。
【0015】5.ハイブリドーマ(融合細胞)の選択及
びモノクローン化 選択用培地としては、例えばヒポキサンチン、アミノプ
テリン及びチミジンを含む、FCS含有MEM培地、R
PMI−1640培地などの培地、所謂HAT培地が挙
げられる。選択培地交換の方法は、一般的には培養プレ
ートに分注した容量と当容量を翌日加え、その後1〜3
日ごとにHAT培地で半量ずつ交換するというようにす
ることができるが、適宜これに変更を加えて行うことも
できる。また融合後8〜16日目には、アミノプテリン
を除いた、所謂HT培地で1〜4日ごとに培地交換をす
ることができる。フィーダーとして、例えばマウス胸腺
細胞を使用することもでき、それが好ましい場合があ
る。ハイブリドーマの増殖のさかんな培養ウェルの培養
上清を、例えば放射免疫分析(RIA)、酵素免疫分析
(ELISA)、蛍光免疫分析(FIA)などの測定
系、あるいは蛍光惹起細胞分離装置(FACS)など
で、活性型MMP-7 あるいはその断片ペプチドなどを抗原
として用いたり、あるいは標識抗マウス抗体を用いて目
的抗体を測定するなどして、スクリーニングしたり分離
する。目的抗体を産生しているハイブリドーマをクロー
ニングする。クローニングは、寒天培地中でコロニーを
ピック・アップするか、あるいは限界希釈法によりなさ
れうる。限界希釈法でクローニングがより好ましく行う
ことができる。クローニングは複数回行うことが好まし
い。
【0016】6.モノクローナル抗体の製造 得られたハイブリドーマ株は、FCS含有MEM培地、
RPMI−1640培地などの適当な増殖用培地中で培
養し、その培地上清から所望のモノクローナル抗体を得
ることが出来る。大量の抗体を得るためには、ハイブリ
ドーマを腹水化することが挙げられる。この場合ミエロ
ーマ細胞由来の動物と同系の組織適合性動物の腹腔内に
各ハイブリドーマを移植し、増殖させるか、例えばヌー
ド・マウスなどに各ハイブリドーマを移植し、増殖さ
せ、該動物の腹水中に産生されたモノクローナル抗体を
回収して得ることが出来る。ハイブリドーマの移植に先
立ち、プリスタン(2,6,10,14−テトラメチル
ペンタデカン)などの鉱物油を腹腔内投与した後、ハイ
ブリドーマを増殖させ、腹水を採取すればよい。腹水液
はそのまま、あるいは従来公知の方法、例えば硫酸アン
モニウム沈殿法などの塩析、セファデックスなどによる
ゲルろ過法、イオン交換クロマトグラフィー法、電気泳
動法、透析、限外ろ過法、アフィニティ・クロマトグラ
フィー法、高速液体クロマトグラフィー法などにより精
製してモノクローナル抗体として用いることができる。
好ましくは、モノクローナル抗体を含有する腹水は、硫
安分画した後、DEAE−セファロースの如き、陰イオ
ン交換ゲル及びプロテインAカラムの如きアフィニティ
ーカラムなどで処理し精製分離処理できる。特に好まし
くは抗原又は抗原断片(例えば合成ペプチド、組換え抗
原タンパク質あるいはペプチド、抗体が特異的に認識す
る部位など)を固定化したアフィニティー・クロマトグ
ラフィー、プロテインAを固定化したアフィニティー・
クロマトグラフィーなどが挙げられる。
【0017】こうして得られたモノクローナル抗体は、
市販のアイソタイプ特異的抗マウスIg抗体、例えばア
イソタイプ特異的ウサギ抗マウスIg抗体などを用いて
その抗体構成鎖の重鎖及び軽鎖のタイプについて調べる
ことができる。活性型MMP-7 抗原を特異的に認識できる
モノクローナル抗体としては、重鎖のタイプとしてγ
鎖、特にはγ1 鎖、γ2a鎖、γ2b鎖、γ3 鎖などを持つ
もの、α鎖を持つもの、μ鎖を持つものが挙げられ、軽
鎖のタイプとしてκ鎖を持つものが挙げられる。活性型
MMP-7 ポリペプチド抗原を特異的に認識できるモノクロ
ーナル抗体としては、重鎖のタイプとしてγ鎖、特には
γ1 鎖、γ2a鎖、γ2b鎖、γ3 鎖などを持つもの、α鎖
を持つもの、μ鎖を持つものが挙げられ、軽鎖のタイプ
としてκ鎖を持つものが挙げられる。
【0018】またこうして大量に得られた抗体の配列を
決定したり、ハイブリドーマ株から得られた抗体をコー
ドする塩基配列を利用して、遺伝子組換え技術により抗
体を作製することも可能である。さらにこれら抗体をト
リプシン、パパイン、ペプシンなどの酵素により処理し
て、場合により還元して得られるFab、Fab’、F
(ab’)2 といった抗体フラグメントにして使用して
もよい。標識物を付与する抗体としては、IgG画分、
例えば抗体含有物を硫安分画した後、DEAE−セファ
ロースの如き、陰イオン交換ゲルで処理して得られるI
gG画分など、更にはペプシン消化後還元して得られる
特異的結合部Fab’などを用いることができる。これ
らの場合の標識物の例としては、下記するように酵素
(ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼあるいは
β−D−ガラクトシダーゼなど)、化学物質、蛍光物質
あるいは放射性同位元素などがある。
【0019】本発明の一つの態様では、活性型MMP-7 と
特異的に免疫反応するモノクローナル抗体が提供され
る。より具体的にはこうしたモノクローナル抗体は、MM
P-7 のYSLFP(R78−82)のアミノ酸配列を含
む領域を特異的に認識し、活性型MMP-7 のみと免疫反応
するモノクローナル抗体である。
【0020】本発明の測定は、イムノアッセイ、例えば
競合型イムノアッセイまたは非競合型イムノアッセイで
行うことができ、RIA、ELISAなどを用いること
ができ、B−F分離を行ってもあるいは行わないでその
測定を行うこともできる。好ましくは酵素免疫測定法
(EIA)であり、さらにサンドイッチ型アッセイが挙
げられる。さらにはまた標識モノクローナル抗体試薬を
用いた免疫細胞染色あるいは免疫組織染色を行うことが
できる。測定は直接法でも間接法でもよい。また間接法
の変法、例えばPAP法(ペルオキシダーゼ・アンチペ
ルオキシダーゼ法)、ABC法(アビジン・ビオチン・
コンプレックス法)、プロテインA法などを用いること
もできる。例えばサンドイッチ型アッセイでは、活性型
MMP-7 に対する抗体の一方を標識化し、同じ抗原を認識
できる他の抗体を固相に固定化する。検体と標識化抗体
及び固相化抗体を必要に応じ順次反応させるためインキ
ュベーション処理し、ここで非結合抗体を分離後、標識
物を測定する。測定された標識の量は抗原、すなわち活
性型MMP-7 の量と比例する。このアッセイでは、不溶化
抗体や、標識化抗体の添加の順序に応じてワンステップ
サンドイッチ型アッセイ、フォワード(forward)サンド
イッチ型アッセイあるいは逆サンドイッチ型アッセイな
どと呼ばれる。例えば洗浄、撹拌、震盪、ろ過あるいは
抗原の予備抽出等は、特定の状況のもとでそれら測定工
程の中で適宜採用される。特定の試薬、緩衝液等の濃
度、温度あるいはインキュベーション処理時間などのそ
の他の測定条件は、検体中の抗原の濃度、検体試料の性
質等の要素に従い変えることができる。当業者は通常の
実験法を用いながら各測定に対して有効な最適の条件を
適宜選定して測定を行うことが出来る。
【0021】抗原あるいは抗体を固相化できる多くの担
体が知られており、本発明ではそれらから適宜選んで用
いることができる。担体としては、抗原抗体反応などに
使用されるものが種々知られており、本発明においても
勿論これらの公知のものの中から選んで使用できる。特
に好適に使用されるものとしては、例えばガラス、例え
ば活性化ガラス、多孔質ガラス、シリカゲル、シリカ−
アルミナ、アルミナ、磁化鉄、磁化合金などの無機材
料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリフッ化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリ
レート、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合
体、ポリアクリルアミド、架橋ポリアクリルアミド、ス
チレン−メタクリレート共重合体、ポリグリシジルメタ
クリレート、アクロレイン−エチレングリコールジメタ
クリレート共重合体など、架橋化アルブミン、コラーゲ
ン、ゼラチン、デキストラン、アガロース、架橋アガロ
ース、セルロース、微結晶セルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロースアセテートなどの天然または
変成セルロース、架橋デキストラン、ナイロンなどのポ
リアミド、ポリウレタン、ポリエポキシ樹脂などの有機
高分子物質、さらにそれらを乳化重合して得られたも
の、細胞、赤血球などで、必要に応じ、シランカップリ
ング剤などで官能性基を導入してあるものが挙げられ
る。
【0022】さらに、ろ紙、ビーズ、試験容器の内壁、
例えば試験管、タイタープレート、タイターウェル、ガ
ラスセル、合成樹脂製セルなどの合成材料からなるセ
ル、ガラス棒、合成材料からなる棒、末端を太くしたり
あるいは細くしたりした棒、末端に丸い突起をつけたり
あるいは偏平な突起をつけた棒、薄板状にした棒などの
固体物質(物体)の表面などが挙げられる。これら担体
へは、抗体を結合させることができ、好ましくは本発明
で得られるMMP-7 に対し特異的に結合するモノクローナ
ル抗体を結合させることができる。担体とこれら抗原抗
体反応に関与するものとの結合は、吸着などの物理的な
手法、あるいは縮合剤などを用いたり、活性化されたも
のなどを用いたりする化学的な方法、さらには相互の化
学的な結合反応を利用した手法などにより行うことが出
来る。
【0023】標識としては、酵素、酵素基質、酵素イン
ヒビター、補欠分子類、補酵素、酵素前駆体、アポ酵
素、蛍光物質、色素物質、化学ルミネッセンス化合物、
発光物質、発色物質、磁気物質、金属粒子、例えば金コ
ロイドなど、放射性物質などを挙げることができる。酵
素としては、脱水素酵素、還元酵素、酸化酵素などの酸
化還元酵素、例えばアミノ基、カルボキシル基、メチル
基、アシル基、リン酸基などを転移するのを触媒する転
移酵素、例えばエステル結合、グリコシド結合、エーテ
ル結合、ペプチド結合などを加水分解する加水分解酵
素、リアーゼ、イソメラーゼ、リガーゼなどを挙げるこ
とができる。酵素は複数の酵素を複合的に用いて検知に
利用することもできる。例えば酵素的サイクリングを利
用することもできる。
【0024】代表的な酵素標識としては、西洋ワサビペ
ルオキシダーゼ(HRP)などのペルオキシダーゼ、大
腸菌β−D−ガラクトシダーゼなどのガラクトシダー
ゼ、マレエート・デヒドロゲナーゼ、グルコース−6−
フォスフェート・デヒドロゲナーゼ、グルコースオキシ
ダーゼ、グルコアミラーゼ、アセチルコリンエステラー
ゼ、カタラーゼ、ウシ小腸アルカリホスファターゼ、大
腸菌アルカリホスファターゼなどのアルカリ・フォスフ
ァターゼなどが挙げられる。アルカリホスファターゼを
用いた場合、4−メチルウンベリフェリルフォスフェー
トなどのウンベリフェロン誘導体、ニトロフェニルホス
フェートなどのリン酸化フェノール誘導体、NADPを
利用した酵素的サイクリング系、ルシフェリン誘導体、
ジオキセタン誘導体などの基質を使用したりして、生ず
る蛍光、発光などにより測定できる。ルシフェリン、ル
シフェラーゼ系を利用したりすることもできる。カタラ
ーゼを用いた場合、過酸化水素と反応して酸素を生成す
るので、その酸素を電極などで検知することもできる。
電極としてはガラス電極、難溶性塩膜を用いるイオン電
極、液膜型電極、高分子膜電極などであることもでき
る。酵素標識は、ビオチン標識体と酵素標識アビジン
(ストレプトアビジン)に置き換えることも可能であ
る。標識は、複数の異なった種類の標識を使用すること
もできる。こうした場合、複数の測定を連続的に、ある
いは非連続的に、そして同時にあるいは別々に行うこと
を可能にすることもできる。
【0025】本発明においては、信号の形成に4−ヒド
ロキシフェニル酢酸、1,2−フェニレンジアミン、テ
トラメチルベンジジンなどと西洋ワサビ・ペルオキシダ
ーゼ、ウンベリフェリルガラクトシド、ニトロフェニル
ガラクトシドなどとβ−D −ガラクトシダーゼ、グルコ
ース−6−リン酸・デヒドロゲナーゼなどの酵素試薬の
組合わせも利用でき、ヒドロキノン、ヒドロキシベンゾ
キノン、ヒドロキシアントラキノンなどのキノール化合
物、リポ酸、グルタチオンなどのチオール化合物、フェ
ノール誘導体、フェロセン誘導体などを酵素などの作用
により形成しうるものが使用できる。
【0026】蛍光物質あるいは化学ルミネッセンス化合
物としては、フルオレセインイソチオシアネート、例え
ばローダミンBイソチオシアネート、テトラメチルロー
ダミンイソチオシアネートなどのローダミン誘導体、ダ
ンシルクロリド、ダンシルフルオリド、フルオレスカミ
ン、フィコビリプロテイン、アクリジニウム塩、ルミフ
ェリン、ルシフェラーゼ、エクォリンなどのルミノー
ル、イミダゾール、シュウ酸エステル、希土類キレート
化合物、クマリン誘導体などが挙げられる。標識するに
は、チオール基とマレイミド基の反応、ピリジルジスル
フィド基とチオール基の反応、アミノ基とアルデヒド基
の反応などを利用して行うことができ、公知の方法ある
いは当該分野の当業者が容易になしうる方法、さらには
それらを修飾した方法の中から適宜選択して適用でき
る。また上記免疫原性コンジュゲート作製に使用される
ことのできる縮合剤、担体との結合に使用されることの
できる縮合剤などを用いることができる。
【0027】縮合剤としては、例えばグルタルアルデヒ
ド、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソチオシアネート、N,N’−ポリメチレンビスヨ
ードアセトアミド、N,N’−エチレンビスマレイミ
ド、エチレングリコールビススクシニミジルスクシネー
ト、ビスジアゾベンジジン、1−エチル−3−(3−ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド、スクシンイミ
ジル 3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(S
PDP)、N−スクシンイミジル 4−(N−マレイミ
ドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(S
MCC)、N−スルホスクシンイミジル 4−(N−マ
レイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレー
ト、N−スクシンイミジル (4−ヨードアセチル)ア
ミノベンゾエート、N−スクシンイミジル 4−(1−
マレイミドフェニル)ブチレート、N−(ε−マレイミ
ドカプロイルオキシ)コハク酸イミド(EMCS),イ
ミノチオラン、S−アセチルメルカプトコハク酸無水
物、メチル−3−(4’−ジチオピリジル)プロピオン
イミデート、メチル−4−メルカプトブチリルイミデー
ト、メチル−3−メルカプトプロピオンイミデート、N
−スクシンイミジル−S−アセチルメルカプトアセテー
トなどが挙げられる。
【0028】本発明の測定法によれば、測定すべき物質
を酵素などで標識したモノクローナル抗体試薬と、担体
に結合された抗体とを順次反応させることもできるし、
同時に反応させることもできる。試薬を加える順序は選
ばれた担体系の型により異なる。感作されたプラスチッ
クなどのビーズを用いた場合には、酵素などで標識した
モノクローナル抗体試薬を測定すべき物質を含む検体試
料と共に最初適当な試験管中に一緒に入れ、その後該感
作されたプラスチックなどのビーズを加えることにより
測定を行うことができる。本発明の定量法においては、
免疫学的測定法が用いられるが、その際の固相の担体と
しては抗体等タンパク質を良く吸着するポリスチレン
製、ポリカーボナイト製、ポリプロピレン製あるいはポ
リビニル製のボール、マイクロプレート、スティック、
微粒子あるいは試験管等の種々の材料および形態を任意
に選択し使用することができる。測定にあたっては至適
pH、例えばpH約4〜9に保つように適当な緩衝液系
中で行うことができる。特に適切な緩衝剤としては、例
えばアセテート緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤、フォスフェ
ート緩衝剤、トリス緩衝剤、トリエタノールアミン緩衝
剤、ボレート緩衝剤、グリシン緩衝剤、炭酸塩緩衝剤、
トリス−塩酸緩衝剤などが挙げられる。緩衝剤は互いに
任意の割合で混合して用いることができる。抗体抗原反
応は約0℃〜60℃の間の温度で行うことが好ましい。
【0029】酵素などで標識されたモノクローナル抗体
試薬及び担体に結合せしめられた抗体試薬、さらには測
定すべき物質のインキュベーション処理は、平衡に達す
るまで行うことができるが、抗体抗原反応の平衡が達成
されるよりもずっと早い時点で固相と液相とを分離して
限定されたインキュベーション処理の後に反応を止める
ことができ、液相又は固相のいずれかにおける酵素など
の標識の存在の程度を測ることができる。測定操作は、
自動化された測定装置を用いて行うことが可能であり、
ルミネセンス・ディテクター、ホト・ディテクターなど
を使用して基質が酵素の作用で変換されて生ずる表示シ
グナルを検知して測定することもできる。抗体抗原反応
においては、それぞれ用いられる試薬、測定すべき物
質、さらには酵素などの標識を安定化したり、抗体抗原
反応自体を安定化するように適切な手段を講ずることが
できる。さらに、非特異的な反応を除去し、阻害的に働
く影響を減らしたり、あるいは測定反応を活性化したり
するため、タンパク質、安定化剤、界面活性化剤、キレ
ート化剤などをインキュベーション溶液中に加えること
もできる。当該分野で普通に採用されていたりあるいは
当業者に知られた非特異的結合反応を防ぐためのブロッ
キング処理を施してもよく、例えば、哺乳動物などの正
常血清タンパク質、アルブミン、スキムミルク、乳発酵
物質、コラーゲン、ゼラチンなどで処理することができ
る。非特異的結合反応を防ぐ目的である限り、それらの
方法は特に限定されず用いることが出来る。
【0030】本発明の測定方法で測定される試料として
は、あらゆる形態の溶液やコロイド溶液などが使用しう
るが、好ましくは生物由来の流体試料、例えば血液、血
漿、血清、関節液、脳脊髄液、唾液、羊水、尿、その他
の体液、細胞培養液、組織培養液、生検検体、例えば細
胞、組織、臓器、腫瘍組織などが挙げられる。特に好ま
しくは血漿、血清などが挙げられる。本発明の標識モノ
クローナル抗体試薬を用いた免疫細胞染色あるいは免疫
組織染色では、生検検体、例えば細胞、組織、臓器、腫
瘍組織などが好適に用いられ、それら試料は染色前に必
要に応じ固定化することができる。組織の固定化には当
該分野で広く使用されているものあるいはそれから誘導
されたものを使用できる。例えばペリオデイト−リジン
−パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ブア
ン、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、ザンボニー、
アクロレインなどが使用できる。またパラフィンなどで
固定化することもできる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されず、様々な実
施形態が可能であり、本発明は本明細書及び図面に開示
の思想に従ったものであるかぎり、すべての実施形態を
包含することは理解されるべきである。なお、明細書及
び図面において、アミノ酸等を略号で表示する場合、IU
PAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature に
よるか、あるいは当該分野において慣用的に使用される
用語の意味に基づくものであり、アミノ酸に光学異性体
が存在する場合は、特に断らないかぎりL−体を示す。 実施例1 抗原の作製 (a)ヒト直腸癌細胞由来ヒト活性型MMP-7 の調製 CaR-1 細胞(JCRR Cell Bank)をダルベッコ変法イーグ
ル/F12培地(ライフテックオリエンタル製)で培養し
た。まず、10%FCS、ペニシリン及びストレプトマイシン
を含むダルベッコ変法イーグル/F12培地中で、CaR-1 細
胞をコンフルエントまで培養した。次に、0.2%ラクトア
ルブミン水酸化物を含み無血清としたBT563 培地(バイ
オテスト製、ドイツ)で14日間培養し、その培養液を
回収した。得られた培養液から、J. Biol. Chem., 261,
14245-14255, 1986及び J. Biol. Chem., 267, 21712-
21719, 1992に記載の Okada et al. の方法に従いヒトM
MP-7 を精製した。培養液をYM-10 メンブラン (Amicon
製) を用いて濃縮し、その濃縮液を0.15M NaC
l,5mM CaCl2 ,0.02% NaN3 含有5
0mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)で平衡化し
たDEAE−セルロースカラムに供し、グリコサアミノ
グリカンを取り除いた。次に、非吸着画分を同緩衝液で
平衡化した Green A Dyematrix gel (Amicon製) カラム
に供した。MMP-7 の大部分は吸着し上記緩衝液に0.0
5% Brij35を加え、NaCl濃度0.15M〜
2.0Mの濃度勾配で溶出させた。溶出画分を分取し、
5mM CaCl2 ,0.05% Brij35,0.
02% NaN3 含有10mM トリス−塩酸緩衝液
(pH8.0)に対し透析後、同緩衝液にて平衡化した
DEAE- セルロースカラムに供した。
【0032】非吸着画分にあるMMP-7 を分取し0.15
M NaCl,1mM CaCl2,0.05%Bri
j35,0.02% NaN3 含有25mM ホウ酸ナ
トリウム緩衝液(pH8.0)に対し透析し、その透析
液を亜鉛キレートセファロース (Pharmacia 製) カラム
に供した。ヒト潜在型MMP-7 とヒト活性型MMP-7 を1m
M CaCl2 ,0.05% Brij35,0.02
% NaN3 含有25mM カコジル酸ナトリウム緩衝
液(pH6.5)に溶解したNaClの濃度勾配により
分離した。ヒト活性型MMP-7 は0.15M NaCl含
有同緩衝液で溶出され、ヒト潜在型MMP-7 は1M Na
Cl含有同緩衝液にて溶出された。ヒト活性型MMP-7 画
分を YM-10メンブランにて濃縮し、0.4mM NaC
l,10mM CaCl2 ,0.05% Brij3
5,0.02% NaN3 含有50mM トリス−塩酸
緩衝液(pH7.4)で平衡化したウルトロゲル AcA44
(IBF Biotechnics 製) カラムによりゲルろ過し、不純
物を除去し、−40℃で保存した。また精製ヒト活性型
MMP-7 をドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動(SDS−PAGE)に供したところ、分
子量19kDaの単一バンドを示した。
【0033】(b)ヒト活性型MMP-7 ポリペプチドの調
製 ヒト活性型MMP-7 ポリペプチドとして、Muller et al.,
Biochem. J., 253, 187-192, 1988に記載のアミノ酸配
列を用いた。ヒト活性型MMP-7 N末端領域ポリペプチド
(YSLFP−C,R78−82)をペプチドシンセサ
イザー9600(ミリジエン/バイオサーチ製)で合成
した。なお、ペプチドC末端にシステインを導入した。
次に25.3mgBSAを2mlの0.1Mリン酸緩衝
液(pH7.0)に溶解したものと、26.9mg E
MCS 200μlのジメチルホルムアミド(DMF)
に溶解したものとを混合し、30℃,30分間インキュ
ベーションした。次に、上記の混合液を0.1Mリン酸
緩衝液(pH7.0)で平衡化したPD−10カラム
(Pharmacia製)でゲルろ過し、マレイミドが
結合されたBSAを分取し、1.5mlに濃縮した。マ
レイミドが結合されたBSAに対し50倍モル量の合成
ヒト活性型MMP-7 ポリペプチド3.7mgを0.457
ml 0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)に溶解した
ものを混合した。4℃、20時間インキュベーション
し、ヒト活性型MMP-7 ポリペプチド−BSA複合体を調
製した。
【0034】実施例2 抗ヒト活性型MMP-7 ポリペプチ
ドモノクローナル抗体の作製 (a)抗体産生細胞の調製 実施例1(b)に記載の方法により調製したヒト活性型
MMP-7 ポリペプチド−BSA複合体167μgをフロイ
ント完全アジュバントと共に6週令 BALB/c雌マ
ウス2匹にそれぞれ腹腔内投与し初回免疫とした。その
後20日目に10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
4)に溶解した200μgヒト活性型MMP-7 ポリペプチ
ド−BSA複合体で追加免疫した。最終免疫として56
日目に追加免疫時と同様にヒト活性型MMP-7 ポリペプチ
ド−BSA複合体200μgを静脈内投与し、3日後に
マウス脾臓を取り出し脾臓細胞を調製した。
【0035】(b)細胞融合 (1)以下の材料及び方法を用いる。 RPMI-1640 培地: RPMI-1640 (JRH Biosciences 製) に
重炭酸ナトリウム(24mM)、ピルビン酸ナトリウム
(1mM)、ペニシリンGカリウム(50U/ml)、
硫酸ストレプトマイシン(50μg/ml)及び硫酸ア
ミカシン(100μg/ml)を加え、ドライアイスで
pHを7.2にし、0.22μmミリポアフィルターで
除菌ろ過する。 NS-1培地:上記RPMI-1640 培地に除菌ろ過したFCS (JRH
Biosciences製) を15%(v/v)の濃度に加える。 PEG 4000溶液:RPMI-1640 培地にポリエチレングリコー
ル4000 (PEG 4000, Merck and CO., Inc. 製) 50 %(w/
w) 無血清溶液を調製する。8−アザグアニン耐性ミエ
ローマ細胞SP2(SP2/0−Ag14)との融合
は、Selected Method in Cellular Immunology (eds.
B. B. Mishell and S.M. Shiigi, W. H. Freeman and C
ompany (1980), 351〜372 )に記載の Oi andHerzenber
g法を若干改変して行った。
【0036】(2)前記実施例2(a)項で調製した有
核脾臓細胞(生細胞率100%)とミエローマ細胞(生
細胞率100%)とを5:1の割合で融合した。脾臓細
胞とミエローマ細胞をそれぞれ前記RPMI-1640 培地で洗
浄した。次に、融合させるためにそれぞれ同じ培地に懸
濁させた有核脾臓細胞5×108 とミエローマ細胞1×
108 を混合した。次に、1,000 r.p.m.で10分間の遠
心分離により細胞を沈殿させ上清を完全に吸引除去し
た。沈殿した細胞に37℃に加温したPEG 4,000 溶液
3.1mlを穏やかに攪拌しながら1分間で滴下し、1
分間攪拌し細胞を再懸濁、分散させた。次に37℃に加
温したRPMI-1640 培地6.2mlを2分間で滴下した。
同培地21.7mlを2〜3分間で常に攪拌しながら滴
下し、細胞を分散させた。これを1,000 r.p.m.で7分間
遠心分離し上清を完全に吸引除去した。次にこの沈殿細
胞に37℃に加温したNS-1培地31mlを速やかに加
え、大きい細胞塊を注意深くピペッティングで分散させ
た。さらに同培地62mlを加えて希釈しポリスチレン
製96穴マイクロウエル(岩城硝子製)にウエルあたり
6×105 個/0.1mlの細胞を加えた。このマイク
ロウエルを7%炭酸ガス/93%空気中で温度37℃、
湿度100%下で培養した。
【0037】(c)選択培地によるハイブリドーマの選
択的増殖 (1)使用する培地は以下のとおりである。 HAT培地:前記実施例2(b)項で述べたNS-1培地に
さらにヒポキサンチン(100μM)、アミノプテリン
(0.4μM)及びチミジン(16μM)を加える。 HT培地:アミノプテリンを除去した以外は上記HAT
培地と同一組成のものである。 (2)前記実施例2(b)項の培養開始後翌日(1日
目)、細胞にピペットでHAT培地2滴(約0.1m
l)を加えた。2,3,5,8日目に培地の半分(約
0.1ml)を新しいHAT培地で置き換えた。11日
目にハイブリドーマの充分な生育が観察された全ウエル
について、次項(d)記載のELISAにより陽性ウエ
ルを調べた。次に、フィーダーとして107 個のマウス
胸腺細胞を含むHT培地1mlをポリスチレン製24穴
セルウエル(住友ベークライト製)の各ウエルに加え、
上記で検出された各陽性ハイブリドーマの充分生育した
時点でELISAにより陽性を再確認し、それぞれにつ
いて次項(e)記載の限界希釈法によるクローニングを
行った。
【0038】(d)ELISAによる抗ヒト活性型MMP-
7 抗体産生ハイブリドーマの検索 Anal. Biochem., 104, 205〜214, 1980 に記載のRennar
d et al.の方法を若干改変した方法を用いて行った。前
記実施例1(b)で調製したヒト活性型MMP-7 ポリペプ
チド 100ng/ウエルでもって、96穴マイクロタ
イトレーションプレート (Flow Lab. 製) をコートし
た。これに、前記実施例2(c)で得られたハイブリド
ーマ生育ウエルの上清の一部を加えて、室温で約1時間
静置した。2次抗体としてHRP標識ヤギ抗マウス免疫
グロブリン (Cappel Lab. 製) を加え、さらに室温で約
1時間静置した。次に、基質である過酸化水素とo−フ
ェニレンジアミンを加え発色の程度をマイクロプレート
リーダー(MRP−A4,東ソー製)を用いて492n
mの吸光度で測定した。
【0039】(e)クローニング 前記実施例2(c)の操作後、各ウエル中には2種以上
のハイブリドーマが生育している可能性があるので、限
界希釈法によりクローニングを行いモノクローナル抗体
産生ハイブリドーマを取得する。NS-1培地1ml当たり
フイーダーとして107 個のマウス胸腺細胞を含むクロ
ーニング培地を調製し、96穴マイクロウエルの36ウ
エル、36ウエル、24ウエルにウエル当たりそれぞれ
5個、1個及び0.5個のハイブリドーマを加える。5
日目に全ウエルに約0.1mlのNS-1培地を追加した。
11日目にハイブリドーマの充分な生育が認められ、そ
れらについてELISAを行った。テストした全ウエル
が陽性でない場合、抗体陽性ウエル中のコロニー数を確
認し、ウエル中に1コロニーが確認されたウエルを1個
選び、再クローニングする。最終的にヒト活性型MMP-7
に対するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ7株が
得られた。
【0040】(f)ハイブリドーマによるモノクローナ
ル抗体の大量産生 ハイブリドーマの増殖は常法によって行う。すなわち、
得られた各ハイブリドーマをNS-1培地などの適当な培養
液で培養し、その培養上清から10〜100μg/ml
の濃度のモノクローナル抗体を得ることができる。一
方、大量に抗体を得るためには脾臓細胞とミエローマ細
胞の由来マウスと同系のマウス(BALB/c)に1匹
当たり0.5mlの腫瘍形成促進剤プリスタン(Aldrich
Chem.製) を腹腔内投与する。1〜3週間後に、各ハイ
ブリドーマ1×107 個を同じく腹腔内投与し、さら
に、その1〜2週間後に4〜7mg/mlのモノクロー
ナル抗体を含む腹水を得ることができる。
【0041】(g)モノクローナル抗体のアイソタイプ 前述したELISA法に従って、ヒト活性型MMP-7 をコ
ートしたマイクロタイトレーションプレートに各モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマの培養上清を加えた。
0.05%ツイン20含有PBSで洗浄した後、アイソ
タイプ特異的ウサギ抗マウスIg抗体 (Zymed. Lab.
製) を加えた。0.05%ツイン20含有PBSによる
洗浄後、HRP標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体
を加え、基質として過酸化水素及び2,2′−アジノ−
ジ(3−エチルベンゾリン硫酸)を用いて検出した。そ
の結果、得られたヒト活性型MMP-7 に対するモノクロー
ナル抗体7種のうち、4個が免疫グロブリン鎖γ1 /κ
を、1個がγ2b/κを、1個がγ3 /κを、1個がμ/
κをそれぞれ有していた(表1)。
【0042】
【表1】
【0043】(h)モノクローナル抗体の精製 前記(f)項で得られた抗体含有各腹水を40%飽和硫
酸アンモニウム分画後、アフィゲル プロテインA M
APS−IIキット(Bio−Rad製)を用いて精製し
た。プロテインA アガロースカラム(φ2.5×5c
m)を0.5MNaCl含有1.5Mグリシン−NaO
H緩衝液(pH8.0)で平衡化し、抗体含有透析40
%飽和硫酸アンモニウム画分をそのカラムに供し、0.
1Mクエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝液(pH5.
0)で溶出した。溶出液4ml/フラクションに分画し
たところ、例えばクローンNo.176−8G9はフラ
クション35〜46に、クローンNo.176−6D1
1はフラクション33〜42に溶出された。上記ハイブ
リドーマ176−8G9は、平成9年3月26日から茨
城県つくば市東1丁目3番(郵便番号305)の通商産
業省工業技術院生命工学工業技術研究所 (NIBH) に寄託
されている(生工研受託番号 FERM P−1615
2)。
【0044】実施例3 抗ヒト活性型MMP-7 モノクロー
ナル抗体の選択 前記実施例1 (a)で得られたヒト潜在型MMP-7 を 1 m
M 4-APMAで23℃、10分間反応させることにより、ヒト潜
在型MMP-7 はヒト中間型 (21 kDa) 及びヒト活性型MMP-
7 (19 kDa)に変換されることが SDS-PAGE により確かめ
られた。そこで、この反応液を SDS-PAGE に供した後、
細胞工学 1&2, 1061-1068, 1983に記載の田部の方法に
従ってウエスタンブロッティングを行い、各モノクロー
ンの培養上清と反応後、HRP標識ヤギ抗マウスIg
(Cappel Lab. 製)を用い間接法によりイムノブロッテ
ィングを行った。その結果、これらのモノクローナル抗
体がヒト活性型MMP-7 のみと反応することが確かめられ
た。(表2)。
【0045】
【表2】
【0046】実施例4 モノクローナル抗体のMMPsに対
する特異性試験 前記実施例3で特異性の認められたヒト活性型MMP-7 に
のみ反応する各モノクローナル抗体と各種MMPsとの反応
性を調べた。 ヒト間質型コラゲナーゼ (ヒトMMP-1):ヒト皮膚線維芽
細胞 CCD-41SK (ATCC No. CRL 1505) より、Clin. Chi
m. Acta, 219, 1-14, 1993 に記載のZhang et al.の方
法に従い精製した。 ヒトゼラチナーゼA (ヒトMMP-2):ヒト新生児皮膚線維
芽細胞 NB1RGB (RCB 222) よりClin. Chim. Acta. 221,
91-103, 1993 に記載のFujimoto et al. の方法に従い
精製した。 ヒトストロムライシン−1 (ヒトMMP-3):上記 NB1RGB
よりClin. Chim. Acta, 211, 59-72, 1992に記載のObat
a et al.の方法に従い精製した。 ヒト好中球コラゲナーゼ (ヒトMMP-8):ヒト胎盤よりCl
in. Chim. Acta, 244,129-143, 1996に記載のMatsuki e
t al.の方法に従い精製した。 ヒトゼラチナーゼB (ヒトMMP-9):ヒト線維肉腫細胞 H
T1080 (ATCC No. CCL121)より J. Biol. Chem., 267, 2
1712-21719, 1992 に記載のOkada et al.の方法に従い
精製した。 組み換えヒトコラゲナーゼ3(MMP-13):J. Biol. Che
m., 271, 1544-1550, 1996に記載のKnauper et al.の方
法に従い精製した。 得られたヒトMMPsについてそれぞれ潜在型及び活性型が
共存する条件で 1 mM4-APMA 37 ℃反応(ヒトMMP-1, -
2, -8, -13は、30分間、ヒトMMP-3, -9 は1時間)を
行い、この反応液を SDS-PAGE に供した後、ウエスタン
ブロッティングを行った。その結果、いずれのクローン
もヒトMMP-1 、ヒトMMP-2 、ヒトMMP-3、ヒトMMP-8 、
ヒトMMP-9 、ヒトMMP-13のそれぞれの活性型及び潜在型
とも交差反応せず、ヒト活性型MMP-7 に対してのみ特異
的に反応することが示された(表3)。
【0047】
【表3】
【0048】実施例5 抗ヒト活性型MMP-7 モノクロー
ナル抗体を用いた免疫組織染色 ヒト胃癌組織をペリオデイト−リジン−パラホルムアル
デヒド固定し、パラフィン切片を作製した。脱パラフィ
ンしたこれら組織切片中の内因性HRPを過酸化水素で
ブロックした後、実施例2 (h)項で得られたそれぞれ
の抗ヒト活性型MMP-7 モノクローナル抗体と反応させ
た。次に、その切片をPBSで充分洗浄しビオチン化ウ
マ抗マウスIgG(H+L)と反応させた後、さらにア
ビジン−ビオチン−HRP複合体(Vector Lab. 製)と
反応させた。上記のようにして得られた切片を、PBS
で洗浄した後、基質としてジアミノベンチジン及び過酸
化水素を用いて発色させた。抗ヒト活性型MMP-7 モノク
ローナル抗体としてIgG(ハイブリドーマ176−8
G9:生工研受託番号 FERM P−16152)、
クローンNo.176−5F12及び176−6D1
1)を用いたときの免疫組織染色では、ヒト活性型MMP-
7 はいずれも腺癌細胞中に染色された。従って、クロー
ンNo.176−8G9、176−5F12及び176
−6D11は、いずれも免疫組織染色に使用できること
が判明し、癌疾患マーカーとして利用できる可能性が示
唆された。
【0049】実施例6 ヒト潜在型MMP-7 の活性化 実施例1(a)で得られたヒト潜在型MMP-7 に、最終濃
度1mMになるように4−APMAを加え、37℃で活
性化を行い、0、5、10、20、30、60、12
0、180、240分後に最終濃度10mMになるよう
にEDTAを加え、反応を停止した。ヒト潜在型MMP-7
の活性化は、抗ヒトMMP-7 モノクローナル抗体クローン
No.125−20H11(E. Ohuchi et al., Clin. Ch
im. Acta,244, 181-198, 1996; 生工研受託番号 FE
RM P−14735)及び176−5F12を用いイ
ムノブロッティングにより確認した(図1及び図2)。
5分後に19kDaの活性型が認められ、60分後には
完全に潜在型は活性型に変換された。また、120分以
降も活性型MMP-7 量は変化せず、安定であるので120
分間4−APMA反応を行って得たヒト活性型MMP-7 を
標準試料とできることが示された。
【0050】実施例7 ヒト活性型MMP-7 の定量法 (a)酵素標識抗体 (IgG-HRP 複合体) の調製 (1)SH基標識IgG の調製 J. Immunoassay, 4, 209〜327, 1983 に記載のIshikawa
et al. の方法に従って抗ヒト活性型MMP-7 IgG-HRP 複
合体を調製した。実施例2(h)項で得られ、ヒト活性
型MMP-7 のみに対し反応性が認められたモノクローナル
抗体(IgG)を0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)
に対し透析し、その溶液に含有されるIgGに対して1
00倍モルのS−アセチルメルカプト無水コハク酸をD
MF溶液として加え、30℃,30分間インキュベーシ
ョンした。次に、0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH
7.0)100μl,0.1M EDTA溶液(pH
6.0)10μl、1Mヒドロキシルアミン溶液(pH
7.0)100μlを加え、30℃、5分間静置後、5
mM EDTA含有0.1Mリン酸緩衝液(pH6.
0)で平衡化した Sephadex G−25でゲルろ過し、SH
基標識抗ヒト活性型MMP-7IgG 画分を得た。
【0051】(2)マレイミド標識HRP の調製 HRPを10mg/mlの濃度になるように0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH7.0)にDMFに溶解したEMCS
をHRP量に対して25倍モル量加え、30℃、30分
間反応させた。この反応液を0.1M リン酸緩衝液
(pH6.0)で平衡化した Sephadex G−25カラム
でゲルろ過し、マレイミド標識HRP 画分を分取した。 (3) IgG-HRP複合体の調製 上記(1)で調製したSH基標識IgG 1モルに上記
(2)で得られたマレイミド標識HRP約5モルを加
え、4℃で約20時間静置した。この混合液を0.1M
リン酸緩衝液(pH6.5)で平衡化したウルトロゲル
AcA 44 (IBF Biotechnics製)カラムでゲルろ過し、抗
ヒト活性型MMP-7 IgG-HRP 複合体画分を分取し、4℃で
保存した。
【0052】(b)酵素標識抗体(Fab’−HRP複
合体)の調製 (1)Fab′の調製 実施例2(h)項で得られた各精製モノクローナル抗体
(IgG)を0.1M酢酸緩衝液(pH4.2)に溶解
し、その溶液を以下述べるようにしてペプシンで消化し
た。すなわち、上記IgGに対して2%(w/w)のペ
プシンを加え、37℃、24時間消化した。さらにその
消化物に、2Mトリス溶液を加えてpHを7.0に調整
することによって反応を停止させ、0.1Mリン酸緩衝
液(pH7.0)で平衡化したウルトロゲル Ac A44 カ
ラムを用いたゲルろ過により、F(ab′)2 画分を分
取した。次に、このF(ab′)2 画分を5mM ED
TA含有0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)中で透析
し、最終濃度10mMとなるようにアミノエタンチオー
ルを加え37℃で90分間還元した後、5mM EDT
A含有0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化し
たウルトロゲル Ac A44 カラムを用いてゲルろ過し、F
ab′画分を分取した。
【0053】(2)Fab′−HRP複合体の調製 前記(1)項で調製した画分中のFab′に対して、上
記(a)(2)項で得られた画分中のマレイミド標識H
RPとして等モルになるように両画分を混合し、さらに
Fab′及びマレイミド標識HRPの最終濃度が100
μMとなるように、5mM EDTA含有0.1Mリン
酸緩衝液(pH6.0)で希釈した。この混合液を4
℃、20時間反応後、Fab′の10倍モル量のN−エ
チルマレイミドで未反応のSH基をブロックした。これ
を0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)で平衡化したウ
ルトロゲル Ac A44 カラムを用いてゲルろ過し、Fa
b′−HRP複合体画分を分取後、4℃で保存した。
【0054】(c)モノクローナル抗体結合担体の調製 J. Immunoassay, 4, 209〜327, 1983 に記載のIshikawa
et al. の方法に従って、実施例2(h)項で得られた
精製モノクローナル抗体を0.1%アジ化ナトリウム含
有0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)に溶解し、その
濃度が100μg/mlとなるように調製した。このモ
ノクローナル抗体溶液を96穴マイクロプレートにウエ
ル当たり100μlずつ加え、4℃、24時間静置し
た。次にモノクローナル抗体溶液を除去し、1%BS
A,0.1M塩化ナトリウム及び10mM EDTA含
有30mMリン酸緩衝液(pH7.0,緩衝液A)を各
ウエルに300μlずつ加え、4℃で保存した。使用時
0.1M塩化ナトリウム含有10mMリン酸緩衝液(p
H7.0,洗浄緩衝液)で3回洗浄した。
【0055】(d)1ステップサンドイッチEIA測定
系の検索 ヒト活性型MMP-7 を緩衝液Aで希釈し96穴ビニルプレ
ート(Falcon)に60μl加えた。各モノクローナル抗
体より調製した酵素標識抗体を1μg/mlとなるよう
に緩衝液Aで希釈し、上記ビニルプレートに各々60μ
lずつ加え混和した。この混合液を前項(c)で各モノ
クローナル抗体より調製した抗体結合プレートに100
μl加え、室温で2時間反応させ、洗浄緩衝液で3回洗
浄した。次に0.02%過酸化水素含有0.1Mクエン
酸−リン酸緩衝液(pH4.9)に溶解した2mg/m
l、o−フェニレンジアミンをウェル当り100μl加
え、室温で30分間反応後、2N硫酸100μl添加
し、反応を停止させた。この反応混液のA492をマイ
クロプレートリーダー(MPR−A4,東ソー)を用い
て測定した。各モノクローナル抗体の組合せによる測定
結果を表4に示した。表中の数字はその時の492nm
吸光度を示している。
【0056】
【表4】
【0057】(e)1ステップサンドイッチEIA法 緩衝液Aで、ヒト活性型MMP-7 ( 標準試料)あるいはヒ
ト活性型MMP-7 を含む検体を調製し96穴ビニルプレー
トに各々60μl加えた。次に、実施例7 (a)及び
(b)で調製した酵素標識抗体を3μg/mlとなるよ
うに緩衝液Aで希釈し、上記ビニルプレートに60μl
ずつ加え混和した。この混合液を前記実施例7 (c)で
調製した抗体結合プレートに100μl加え4℃で24
時間反応させ、洗浄緩衝液で3回洗浄した。次に、0.
02%過酸化水素含有0.1Mクエン酸−リン酸緩衝液
(pH4.9)に溶解した2mg/ml o−フェニレ
ンジアミンをウェル当たり100μl加え、室温で30
分間反応後、2N硫酸100μl添加し反応を停止させ
た。この反応混液のA492 をマイクロプレートリーダー
を用いて測定し検量線より、検体中のヒト活性型MMP-7
濃度を求めた。
【0058】実施例7(d)の測定系A(固相抗体:ク
ローンNo.125-20H11; 酵素標識抗体:クローンNo.176-5
F12)のモノクローナル抗体の組み合わせで測定を行った
場合の検量線の一例を図3に示した。ヒト活性型MMP-7
標準試料の濃度の上昇に伴ってA492 は直線的に増加し
た。酵素標識抗体としてIgG−HRPを使用した場合
の定量感度(標準試料ヒト活性型MMP-7 、0ng/ml
測定時のA492 値の平均値+2S.D.より求めた)
は、0.95ng/ml(47.5pg/assay )、定
量範囲は、1.25〜80ng/ml(62.5pg〜
4ng/assay )であった。また酵素標識抗体としてF
ab′−HRPを使用した場合の定量感度は1.1ng
/ml(55pg/assay )、定量範囲は2.5〜16
0ng/ml(125pg〜8ng/assay )であっ
た。
【0059】(f)2ステップサンドイッチEIA法 緩衝液Aで、ヒト活性型MMP-7 ( 標準試料)あるいはヒ
ト活性型MMP-7 を含む検体を調製し96穴ビニルプレー
トに各々60μl加えた。次に緩衝液Aを上記プレート
に各々60μlずつ加え混和した。この混合液を前記実
施例7(c)で調製した抗体結合プレートに100μl
加え、室温で2時間反応させ、洗浄緩衝液で3回洗浄し
た。次に、実施例7(a)で調製した酵素標識抗体Ig
G−HRPを1μg/mlとなるように緩衝液Aで希釈
し、上記プレートに100μlずつ加え、室温で1時間
反応させ、洗浄緩衝液で3回洗浄した。次に、0.02
%過酸化水素含有0.1Mクエン酸−リン酸緩衝液(p
H4.9)に溶解した2mg/ml o−フェニレンジ
アミンをウェル当たり100μl加え、室温で30分間
反応後、2N硫酸100μl添加し反応を停止させた。
この反応混液のA492 をマイクロプレートリーダーを用
いて測定し、検量線より、検体中のヒト活性型MMP-7 濃
度を求めた。モノクローナル抗体クローンNo. 125−
20H11を固相抗体とし、モノクローナル抗体クロー
ンNo. 176−5F12を酵素標識抗体(IgG−HR
P)として用いて得られた検量線を図4に示した。ただ
し、上記以外のモノクローナル抗体の組み合わせでもヒ
ト活性型MMP-7 の定量は可能である。ヒト活性型MMP-7
標準試料の濃度の上昇に伴ってA492 は直線的に増加し
ており、定量感度(標準試料ヒト活性型MMP-7 、0ng
/ml測定時のA492 値の平均値+2S.D.より求め
た)は50ng/ml(2.5ng/assay )であり、
定量範囲は60〜400ng/ml(3〜20ng/as
say )であった。
【0060】(g)希釈試験 前記実施例7(e)に記載した方法に従い、希釈試験を
行った。緩衝液Aで希釈したヒト活性型MMP-7 (標準試
料)あるいは、1/1〜1/32倍に倍数希釈したヒト
直腸癌細胞癌細胞(CaR−1細胞)の培養液(Y. Oka
da et al., J.Biol. Chem., 261, 14245-14255, 1986)
及び血清について希釈試験を行った。酵素標識抗体は、
実施例7(b)のFab′−HRPを用いた。その結
果、いずれも十分な直線性を示した(γ>0.996)
(表5)。
【0061】
【表5】
【0062】(h)同時再現性試験 前記実施例7(e)の方法に従い、ヒト活性型MMP-7 (
標準試料)について同時再現性試験(n=8)を行っ
た。酵素標識抗体は、実施例7(b)のFab′−HR
Pを用いた。各測定値のいずれのCV値も10%以下で
あった。その結果を表6に示す。
【0063】
【表6】
【0064】(i)添加回収試験 前記実施例7(e)に記載した方法において、以下のよ
うに添加回収試験を行った。血清1 (ヒト活性型MMP-7
、35.5ng/ml)、2 (ヒト活性型MMP-7 、1
5.6ng/ml)各々30μlに標準試料液(0、
5、10、20及び40ng/ml)各30μlを添加
したものを検体とし、60μlの酵素標識抗体(Fa
b′−HRP)液を加えた。この混合液を抗体結合プレ
ートに100μl加え、前記(e)に記載した方法と同
様にしてヒト活性型MMP-7 量を測定し回収率を算出し
た。いずれも十分な回収率が得られた。その結果を表7
に示す。これらのことより本測定系は、特異的にヒト活
性型MMP-7 を認識していることが示唆された。
【0065】
【表7】
【0066】実施例8.血清中の活性型MMP-7 量の測定 実施例7の(e)の方法に従い、酵素標識抗体として実
施例7(a)(3)のIgG−HRP、検体として健常
人血清(n=60)を用い測定を行った。その結果、1
5例の血清が検出限界以上であり、血清値の平均±標準
偏差は、4.57±13.5ng/mlであった。検量
線は、ヒト活性型MMP-7 標準試料を用いて作製した。
【0067】実施例9 TIMP-1、TIMP-2添加効果及び活
性型MMP-7 の測定 活性型MMP-7 は、そのインヒビターであるTIMP-1あるい
はTIMP-2と複合体を形成する。そこで、一定量の活性型
MMP-7 に種々の濃度のTIMP-1あるいはTIMP-2を加えたも
のを検体とし、実施例7(d)の測定系Aに対する影響
を調べた。 (a)TIMP-1及びTIMP-2の精製 TIMP-1は、ヒト胎盤より、J. Immunol. Methods, 127,
103-108, 1990 に記載のKodama et al. の方法に従い精
製した。TIMP-2は、Clin. Chim. Acta, 220, 31-45, 19
93に記載のFujimoto et al. の方法に従い精製した。
【0068】(b)活性型MMP-7 とTIMPs の複合体形成
の確認 実施例1(a)に記載した操作により得たヒト活性型MM
P-7 を用いて以下の操作を行った。ヒト活性型MMP-7 量
を一定とし、TIMP-1あるいはTIMP-2をモル比(TIMP-1あ
るいはTIMP-2/ヒト活性型MMP-7 )が、0、0.062
5、0.25、1、4及び16となるように加えた。反
応後、 Kodama et al., Collagen Rel. Res., 7,341-
350, 1987に記載の抗ウシTIMP-1モノクローナル抗体
(クローン No.7−6C1:微工研受託番号FERM
BP−3468;ヒトTIMP-1との交差反応性あり)、
Fujimoto et al., Clin. Chim. Acta, 220, 31-45, 19
93に記載の抗TIMP-2モノクローナル抗体(クローン No.
67−4H11:微工研受託番号FERM P−126
90)を用い、活性型MMP-7 −TIMP-1複合体及び活性型
MMP-7 −TIMP-2複合体の検出を試みた(図5及び図
6)。まず、活性型MMP-7 −TIMP-1複合体測定系として
固相抗体にクローン No.125−20H11、酵素標識
抗体にクローン No.7−6C1を用いて測定を行った
(測定系E)とき、TIMP-1の添加量の増加とともに測定
値(A492 )の上昇がみられた。また、活性型MMP-7 −
TIMP-2複合体測定系として固相抗体にクローンNo. 12
5−20H11、酵素標識抗体にクローン No.67−4
H11を用いた(測定系F)とき、TIMP-2の添加量の増
加とともに測定値(A492 値)の上昇がみられた。以上
より、活性型MMP-7 −TIMPs 複合体の形成が認められ
た。 (c)測定系Aに対する影響 実施例9(b)で調製した、ヒト活性型MMP-7 とTIMPs
との混合液( 複合体形成済) について測定系Aで測定を
行った。酵素標識抗体は、実施例7のb)のFab′−
HRPを用いた。その結果、TIMP-1またはTIMP-2の添加
量が増加しても測定値(A492 値)には、影響が認めら
れなかった(図5及び図6)。以上より、測定系Aは、
遊離の活性型MMP-7 だけでなく活性型MMP-7 −TIMPs複
合体を形成した活性型MMP-7 も検出可能であることが示
された。
【発明の効果】本発明は、抗活性型MMP-7 モノクローナ
ル抗体及びそのモノクローナル抗体を用いた免疫学的測
定法、特には、免疫組織染色、酵素免疫測定並びに諸測
定法に基づいて、検体中に存在する活性型MMP-7 を定量
することを可能にする。本発明によれば、活性型MMP-7
並びに活性型MMP-7 −TIMPs 複合体を選択的に測定した
り、検知することができ、癌の診断や、各種の組織や細
胞での疾患や病気などの状態をモニターする一助とな
る。また、本発明の測定法並びにそれに用いる試薬は、
広く医学・生理学的分野に用いられ、該分野での研究、
特に組織の修復、組織破壊の阻止、癌転移抑制あるいは
細胞増殖促進などの生理的作用の研究、更には癌の疾患
の研究に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1(a)で得られたヒト潜在型MMP-7 を
4-APMAで活性化したものを、抗MMP-7 モノクローナル抗
体クローン No.125-20H11 を用いイムノブロッティング
した結果の電気泳動の写真を示す。
【図2】実施例1(a)で得られたヒト潜在型MMP-7 を
4-APMAで活性化したものを、抗活性型MMP-7 モノクロー
ナル抗体クローン No.176-5F12を用いイムノブロッティ
ングした結果の電気泳動の写真を示す。
【図3】測定系A(固相抗体:クローンNo.125-20H11;
酵素標識抗体:クローンNo.176-5F12)のモノクローナル
抗体の組み合わせで、1ステップサンドイッチEIA 法で
ヒト活性型MMP-7 ( 標準試料)の測定を行った場合の検
量線の一例を示す。
【図4】モノクローナル抗体クローンNo.125-20H11を固
相抗体とし、モノクローナル抗体クローンNo.176-5F12
を酵素標識抗体 (IgG-HRP)として用いて、2ステップサ
ンドイッチEIA法で、ヒト活性型MMP-7 ( 標準試料)
の測定を行った場合の検量線の一例を示す。
【図5】種々の濃度のTIMP-1を添加した場合の活性型MM
P-7 の測定を、測定系A(固相抗体:クローンNo.125-2
0H11; 酵素標識抗体:クローンNo.176-5F12)のモノクロ
ーナル抗体の組み合わせ並びに測定系E(固相抗体:ク
ローンNo.125-20H11; 酵素標識抗体:クローン No.7-6C
1)のモノクローナル抗体の組み合わせを用いて行った結
果を示す。
【図6】種々の濃度のTIMP-2を添加した場合の活性型MM
P-7 の測定を、測定系A(固相抗体:クローンNo.125-2
0H11; 酵素標識抗体:クローンNo.176-5F12)のモノクロ
ーナル抗体の組み合わせ並びに測定系F(固相抗体:ク
ローンNo.125-20H11; 酵素標識抗体:クローン No.67-4
H11)のモノクローナル抗体の組み合わせを用いて行った
結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C12N 15/02 C12N 5/00 B C12P 21/08 15/00 C (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 手嶋 美紀 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 (72)発明者 吉田 真一 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 (72)発明者 岩田 和士 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性型MMP-7 と特異的に免疫反応すること
    を特徴とするモノクローナル抗体またはそのフラグメン
    ト。
  2. 【請求項2】活性型MMP-7 と特異的に免疫反応するモノ
    クローナル抗体であって、潜在型MMP-7 と免疫反応しな
    いことを特徴とする請求項1記載のモノクローナル抗体
    またはそのフラグメント。
  3. 【請求項3】潜在型MMP-7 を切断することにより新しく
    露出されるアミノ酸配列又はその近傍を含む領域を認識
    することを特徴とする請求項1または2記載のモノクロ
    ーナル抗体またはそのフラグメント。
  4. 【請求項4】MMP-7 の YSLFP のアミノ酸配列又はその
    近傍を含む領域を認識することを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか一記載のモノクローナル抗体またはそのフ
    ラグメント。
  5. 【請求項5】ティシュ・インヒビター・オブ・メタロプ
    ロテアーゼ類 (TIMPs)と複合体を形成した活性型MMP-7
    とも免疫反応することを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか一記載のモノクローナル抗体またはそのフラグメン
    ト。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか一記載のモノクロ
    ーナル抗体またはそのフラグメントを用いることを特徴
    とする免疫学的測定法。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれか一記載のモノクロ
    ーナル抗体またはそのフラグメントを用いることを特徴
    とする免疫組織染色法。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれか一記載のモノクロ
    ーナル抗体またはそのフラグメントを含むことを特徴と
    する免疫学的測定用試薬。
  9. 【請求項9】請求項1〜5のいずれか一記載のモノクロ
    ーナル抗体を産生することを特徴とするハイブリドーマ
    細胞。
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